JP4259536B2 - フェノール樹脂の製造方法、およびエポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は簡便な方法でポリアリーレンエーテル構造を有するフェノール樹脂の製造方法、及び、これを原料とするエポキシ樹脂の製造方法に関する。
エポキシ樹脂或いはフェノール樹脂は、硬化時の低収縮性、硬化物の寸法安定性、電気絶縁性及び耐薬品性などに優れた硬化物を与える点からエレクトロニクス分野に広く用いられている。しかし、例えば半導体封止材料などのエレクトロニクス分野では、近年、電子部品の高密度化を目的とする半導体の表面実装化、半導体自体の小型化、或いは、鉛フリーハンダへの移行に伴う耐リフロー性等の要求から、電子部品材料に対してより高い耐熱衝撃性が求められており、そのためフィラーの高充填可能な溶融粘度の低い材料が求められている。
このような要求特性を満たす低粘度タイプのエポキシ樹脂としては、例えばジヒドロキシトリ(フェニレンエーテル)のジグリシジルエーテルを主剤とするエポキシ樹脂組成物が知られている(下記、参考文献1参照)。
然し乍ら、前記ジグリシジルエーテルの前駆体であるジヒドロキシトリ(フェニレンエーテル)は、通常、工業的生産が極めて困難なものであった。即ち、通常、ポリアリーレンエーテルはジヒドロキシベンゼンを酸触媒下に反応させることによって製造されている。ところが、このような酸触媒下にジヒドロキシベンゼンを脱水縮合反応させた場合、通常、数平均分子量(Mn)が5000〜25000の高分子量化したポリフェニレンエーテルになってしまい、高軟化点かつ高溶融粘度といった特性から電子部品の封止材料やプリント板材料への適用が困難なものであった。よって、ジヒドロキシトリ(フェニレンエーテル)を製造するには高分子量化した反応精製物から低分子量体のみを選択的に分離するか、或いは、実験室レベルで多段階の合成手段に依拠しなければならず、工業的生産は難しいという問題があった。
一方、近年、上記したエレクトロニクス分野では、ダイオキシン問題を代表とする環境問題への対応が不可欠であり、添加系のハロゲン系難燃剤を使用することなく、樹脂自体に難燃効果を持たせた所謂ハロゲンフリーの難燃システムが要求されている。これに応える合成樹脂としては前記ポリフェニレンエーテルが良好である。しかし乍ら、前記した通り、かかるポリフェニレンエーテルは合成時に高分子量化してしまう為に、一般に材料への高流動性の要求が高いエレクトロニクス分野への適用は困難なものであった。かかる観点から、例えば高分子量のポリアリーレンエーテルを1官能性フェノールと反応させることにより低分子量化する方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
然し乍ら、このポリアリーレンエーテルの低分子量化法によって得られる変性ポリアリーレンエーテルは、ある程度の分子量低減化を実現でき、溶剤を併用するワニス組成物としては使用可能であるものの特に電子部品の封止材のように溶融成形する場合、成形温度(具体的には150〜200℃)で流動しないため、硬化時間が極めて遅く、実用的な硬化物は得られていないのが現状であった。
特開平6−313025号公報 特開2003−160662号公報
本発明が解決しようとする課題は、重合後の特別な後処理や複雑な多段階反応を要することなく、極めて簡便な方法で低溶融粘度のポリアリーレンエーテルを工業的に生産することが可能なフェノール樹脂の製造方法、更に該製造方法によって得られたフェノール樹脂からエポキシ樹脂を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、多価ヒドロキシ芳香族化合物を塩基性触媒の存在下に脱水縮合反応させることにより、得られる生成物が高分子量化することなく、選択的に低溶融粘度の化合物となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はフェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)を、塩基性触媒(B)の存在下に脱水縮合反応させることを特徴とするポリアリーレンエーテル構造を有するフェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明は、更に、前記製造方法によって得られたフェノール樹脂を、(メチル)エピハロヒドリンと反応させることを特徴とするポリアリーレンエーテル構造を有するエポキシ樹脂の製造方法に関する。
本発明によれば、重合後の特別な後処理や複雑な多段階反応を要することなく、極めて簡便な方法で低溶融粘度のポリアリーレンエーテルを工業的に生産することが可能なフェノール樹脂の製造方法、更に該製造方法によって得られたフェノール樹脂からエポキシ樹脂を製造する方法を提供できる。
本発明の製造方法において用いるフェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)は、例えば、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類(a1)、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、2,3,5−トリメチル−1,4−ジヒドロキシベンゼン、5−フェニル−1,3−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類(a2)、1,2,3−トリヒドロキシナフタレン等のトリヒドロキシナフタレン(a3)、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,3,6−トリヒドロキシベンゼン等のトリヒドロキシベンゼン類(a4)、およびこれらの化合物の芳香核に炭素原子数1〜4のアルキル基又はフェニル基を置換基として有する化合物(a5)等が挙げられる。
これらの中でも特に具体的には、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、5−フェニル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3,6−トリヒドロキシベンゼンなどが好ましい。
また、最終的に得られるフェノール樹脂、或いはそのエポキシ化物であるエポキシ樹脂の溶融粘度を低くできる点からジヒドロキシナフタレン類(a1)、或いは、ジヒドロキシベンゼン類(a2)が好ましい。特に難燃性の点から、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンから選択されるジヒドロキシナフタレン類(a1)が好ましく、とりわけ2,7−ジヒドロキシナフタレンが得られるエポキシ樹脂(A)の流動性と難燃性とのバランスに優れる点から好ましい。
本発明の製造方法において反応触媒として用いられる塩基性触媒(B)は、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、トリフェニルホスフィンなどのリン系化合物が挙げられる。これらの塩基性触媒(B)は単独または2種以上を併用して用いることもできる。
また、前記塩基性触媒(B)の使用量は、該塩基性触媒(B)の種類や目標とする反応率などにより、適宜選択すればよいが、例えば前記塩基性触媒としてアルカリ金属水酸化物を用いる場合の場合は多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)のフェノール性水酸基1モルに対し、0.01〜0.5モル、好ましくは0.01〜0.1使用するのが好ましい。
ここで特筆すべきは、通常、2官能性フェノール類をポリエール化する場合、パラトルエンスルホン酸やメタンスルホン酸などの酸触媒が用いられているが、この場合、重合度が制御できず、融点が非常に高いか、あるいは分解点まで溶融しないような高分子量体となってしまい、高流動性が要求される電子部品材料への適用が困難なものであった。これに対し、本発明では塩基性触媒(B)を反応触媒として用いることによって、驚くべきことに反応生成物が何等高分子量化することなく、総核体数が2〜8、好ましくは3〜6のフェノール樹脂が得られる点にある。従って、当該フェノール樹脂或いはこれをエポキシ化したエポキシ樹脂は優れた難燃性と高流動性とを兼備した材料となる。
上記反応は、用いる多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)の特性に応じて、無溶媒下または均一溶液を形成する可溶性溶媒下に行うことができる。無溶媒下で行えば、溶剤回収工程などが不必要となるため好ましいが、反応を安定的に進行させるためには溶媒存在下で行うのが好ましい。
上記可溶性溶媒としては、例えば、ベンジルアルコールや、シクロヘキサノール、アミルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのエチレングリコール類やエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテルなどのエチレングリコールやジエチレングリコールのモノ又はジエーテル、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどを挙げることができる。また、これらの有機溶剤は単独で、あるいは数種類を混合して用いることが出来る。このような可溶性溶媒を使用することにより、多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)の塩の析出が防止され、安定的にフェノール樹脂を得ることができる。
また、前記反応は、たとえば無溶媒下または前記可溶性溶媒の存在下に、前記多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)に前記塩基性触媒(B)を溶解させ、100〜300℃、好ましくは150〜250℃程度の温度条件で行うことができる。反応時間は特に限定されないが、前記温度条件を1〜10時間維持できる範囲であることが好ましい。更に、工程1の反応において、反応中に生成する水を系外に分留管などを用いて留去することが反応を速やかに進行し生産性が向上する点から好ましい。
また、得られるフェノール樹脂の着色が大きい場合は、酸化防止剤や還元剤を添加しても良い。酸化防止剤は、例えば、2,6−ジアルキルフェノール誘導体などのヒンダードフェノール系化合物や2価のイオウ系化合物や3価のリン原子を含む亜リン酸エステル系化合物などが挙げられる。還元剤は、例えば次亜リン酸、亜リン酸、チオ硫酸、亜硫酸、ハイドロサルファイトまたはこれら塩などが挙げられる。
反応終了後は、そのまま固型化して取り出すか、あるいはエピハロヒドリンを添加して、引き続き工程2であるグリシジル化反応を行うことができる。あるいは触媒を中和処理、水洗処理あるいは分解することにより除去し、抽出、蒸留などの一般的な操作により、フェノール樹脂を分離することができる。中和処理や水洗処理は常法に従って行えばよく、例えば塩酸、シュウ酸、酢酸、第一リン酸ソーダ、炭酸ガス等の酸性物質を用いることができる。
このようにして得られたポリアリーレンエーテル構造を有するフェノール樹脂は複数の種類の混合物のまま各種用途に使用することができるが、必要に応じて、さらに蒸留やカラム処理、アルカリ水溶液抽出等の分別操作を加え、未反応物である多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)の含有量を低減させてもよいし、各生成物を単一の成分に単離してもよい
上記製造方法によって得られたフェノール樹脂は、具体的には、アリーレン構造が酸素原子を介して他のアリーレン構造と結合した構造を有し、かつ、1分子あたりの前記アリーレン基を構成する芳香核の総数が2〜8であって、更に、前記芳香核にフェノール性水酸基を置換基として有する分子構造を有するものとなる。
また、前記フェノール樹脂は、分子構造中にアリーレン構造が酸素原子を介して他のアリーレン構造と結合したポリアリーレンオキシ構造を有することから、硬化物の燃焼時におけるチャーの形成が促進され優れた難燃性を発現すると共に、硬化物の耐熱性も良好となる。更に、1分子あたりの総芳香核数が2〜8、好ましくは3〜6であることから優れた流動性をも兼備するものとなる。
また、前記フェノール樹脂を構成するアリーレン基は、特に難燃性の点からナフタレン基、フェニレン基、又は、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの炭素原子数1〜4のアルキル基若しくはフェニル基を置換基として有するナフタレン基若しくはフェニレン基が挙げられる。これらの中でも特に難燃性の点からナフタレン基、フェニレン基が好ましく、とりわけナフタレン基であることが好ましい。
よって、前記フェノール樹脂は、具体的には、ナフタレン構造が酸素原子を介して他のアリーレン構造と結合した構造を有し、かつ、1分子あたりの前記ナフタレン構造及び前記アリーレン基を構成する芳香核の総数が2〜8であって、更に、前記芳香核にフェノール性水酸基を置換基として有するものであることが好ましい。
ここで、前記フェノール樹脂を構成するナフタレン構造は、オキシ基の結合位置を2箇所乃至3箇所有するナフタレン構造が挙げられるが、フェノール樹脂の流動性の点からオキシ基の結合位置を2箇有する構造であることが好ましく、具体的には、オキシ基との結合位置が、1,3位、1,6位、1,7位、1,8位、2,3位、2,7位であることが好ましい。
これらのなかでも、製造が容易である点から1,6位、2,7位であることが好ましく、とりわけ2,7位であることが流動性と難燃性とのバランスに優れる点から好ましい。また、前記ナフタレン構造はオキシ基の他の芳香核上の置換基に関しては、特に難燃効果の点から、当該置換基を有していないか、或いはメチル基又はフェニル基であることが好ましく、特に非置換であることが好ましい。
また、前記フェノール樹脂は、複数のアリーレン構造が直接結合を形成した分子構造を形成していてもよい。
更に、前記フェノール樹脂において、上記したナフタレン構造と酸素原子を介して結合する他のアリーレン構造は、前記ナフタレン構造及びフェニレン構造が挙げられる。ここで、フェニレン構造はオキシ基との結合位置を2箇所又は3箇所有するものが挙げられ、また、前記ナフタレン構造の場合と同様にその芳香核上にメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの炭素原子数1〜4のアルキル基又はフェニル基を有していてもよい。然し乍ら前記フェノール樹脂の流動性の点からオキシ基の結合位置を2箇所有するフェニレン構造が好ましく、この際のオキシ基の結合位置は、1,3位、1,4位、及び1,5位が挙げられるが、製造が容易である点から1,3位であることが好ましい。また、当該他のアリーレン構造の芳香核上の置換基に関しては、特に難燃効果の点から、当該置換基を有していないか、或いはメチル基又はフェニル基であることが好ましく、特に当該置換基を有していないことが好ましい。但し当該他のアリーレン構造は難燃効果の点から前記ナフタレン基であることが好ましい。
かかるフェノール樹脂は、具体的には、下記一般式(1)で表される構造のものであることが難燃効果の点から好ましい。
Figure 0004259536
(一般式(1)中、Arはそれぞれ独立的にナフチレン基、フェニレン基、又は炭素原子数1〜4のアルキル基若しくはフェニル基を置換基として有するナフチレン基若しくはフェニレン基を表し、Rはそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、n及びmはそれぞれ0〜2の整数であって、かつn又はmの何れか一方は1以上であり、Rは水素原子又は下記一般式(1−2)で表されるヒドロキシ基含有芳香族炭化水素基を表す。但し、式中の全芳香核数は2〜8である。なお、上記一般式(1)においてナフタレン骨格への結合位置はナフタレン環を構成する2つの環の何れであってもよい。)
Figure 0004259536
(一般式(1−2)中、Arはそれぞれ独立的にナフチレン基、フェニレン基、又は炭素原子数1〜4のアルキル基若しくはフェニル基を置換基として有するナフチレン基若しくはフェニレン基を表し、pは1又は2の整数である。)
上記一般式(1)で表されるフェノール樹脂のなかでも、前記した通り、ナフタレン構造中のオキシ基との結合位置が1,6位、2,7位のもの、また、前記他のアリーレン構造がフェニレン基である場合には、該フェニレン基中のオキシ基との結合位置が1,3位のものが好ましく、また、一般式(1)におけるRは水素原子であることが好ましい。従って、前記フェノール樹脂は、具体的には、ナフタレン構造中のオキシ基との結合位置が1,6位であるものとして、下記の構造式P−1〜P−17のものが好ましい。
Figure 0004259536

Figure 0004259536
次に、たとえば、オキシ基との結合位置が2,7位のフェノール樹脂は、下記構造式P−18〜P−21のものが挙げられる。
Figure 0004259536


更に、ナフタレン構造のオキシ基との結合位置が1,6位であって、かつ、該オキシ基を介して結合する他のアリーレン構造が1,3位に結合位置を有するフェニレン基である場合のフェノール樹脂は、例えば下記構造式P−22〜P−25のものが挙げられる。
Figure 0004259536

前記フェノール樹脂は上記した各化合物を単独で用いてもよいが、複数の混合物として用いても良い。
以上詳述したフェノール樹脂は、前記した通り、ナフタレン構造が酸素原子を介して他のナフタレン構造と結合した構造を有するものであることが硬化物の難燃性が一層良好になる他、耐熱性も良好なものとなる点から好ましい。かかるフェノール樹脂は、具体的には、例えば下記一般式(2)で表すことができる。
Figure 0004259536

ここで一般式(2)中、Rはそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を、n又はmはそれぞれ0〜2の整数であって、n又はmの何れか一方は1以上の整数であり、Rは水素原子又は下記一般式(2−2)
Figure 0004259536

(Rはそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を、pは1又は2の整数を表す。)を表す。但し、上記一般式(2)において全芳香核の総数は2〜8である。なお、上記一般式(2)においてナフタレン骨格への結合位置はナフタレン環を構成する2つの環の何れであってもよい。
前記一般式(2)の中でもRは水素原子であることが好ましく、その具体例は前記構造式P−1〜P−21のものが挙げられる。
前記フェノール樹脂は、前述した通り、通常、上述した各構造の化合物の混合物として得られる為、前記フェノール樹脂は、このような混合物のまま用いることができる。更に、反応生成物中には、原料成分である2官能性フェノール類も含まれる。従って、前記フェノール樹脂を使用する際、このような原料成分を含んだ混合物として用いることができる。また、前記混合物中の2官能性フェノール類の含有率は、エポキシ樹脂組成物の流動性の点からGPCによる測定における面積比で5〜80%であることが好ましい。
また、前記フェノール樹脂は、前記混合物における水酸基当量が50〜350g/eq.の範囲であることが、得られるフェノール樹脂の流動性が良好で、硬化性により優れるエポキシ樹脂組成物が得られ、更にその成形された硬化物の耐熱性に優れる点から好ましい。
以上詳述したフェノール樹脂は、エポキシ樹脂用硬化剤として用いることができる他、エポキシ樹脂原料として用いることができる。
前者のエポキシ樹脂用硬化剤として用いる場合、例えばアミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミンやベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)等の硬化剤と併用することもできる。
また、前記フェノール樹脂をエポキシ樹脂用硬化剤として用いる場合の当該エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。またこれらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
これらのなかでも特にビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂及びキサンテン型エポキシ樹脂が、難燃性や誘電特性に優れる点から特に好ましい。
また必要に応じて硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
一方、前記フェノール樹脂をエポキシ樹脂原料として用いる場合、以下に詳述する本発明のエポキシ樹脂の製造方法によって目的とするエポキシ樹脂を製造することができる。
即ち、本発明のエポキシ樹脂の製造方法は、前記製造方法によって得られたポリアリーレンエーテル構造を有するフェノール樹脂を、(メチル)エピハロヒドリンと反応させることを特徴とするものである。具体的には、フェノール樹脂と(メチル)エピハロヒドリンとを塩基性触媒の存在下に反応させる方法が挙げられる。ここで、当該製造方法におけるフェノール樹脂と(メチル)エピハロヒドリンとの仕込み割合は、フェノール樹脂中の芳香族性水酸基1モルに対し、(メチル)エピハロヒドリン2〜10モルとなる割合であることが好ましく、また、塩基性触媒の使用量は、フェノール樹脂中のフェノール性水酸基1モルに対し0.9〜2.0モルとなる範囲であることが反応性や反応終了後の精製が容易となる点から好ましい。当該製造方法における具体的な反応方法は、フェノール樹脂と(メチル)エピハロヒドリンとを反応容器に所定割合で仕込み、前記塩基性触媒を一括添加または徐々に添加しながら20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させる方法が挙げられる。
ここで用いる塩基性触媒は固形として、或いはその水溶液として使用することができる。前記塩基性触媒を水溶液として使用する場合は、連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下または常圧下に連続的に水及び(メチル)エピハロヒドリンを留出せしめ、更に分液して水は除去し(メチル)エピハロヒドリンは反応混合物中に連続的に戻す方法を採用してもよい。
前記(メチル)エピハロヒドリンは、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられ、なかでも工業的入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。なお、工業生産を行う際、エポキシ樹脂生産の初バッチでの反応終了後の次バッチ以降の反応では、粗反応生成物から回収された(メチル)エピハロヒドリンと、反応で消費される分で消失する分に相当する新しい(メチル)エピハロヒドリンとを併用することが好ましい。
また、前記塩基性触媒は、具体的には、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。また、有機溶媒を併用することにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。このような有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜二種以上を併用してもよい。
前述のエポキシ化反応の反応物を水洗後、加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハロヒドリンや併用する有機溶媒を留去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量は、用いるエポキシ樹脂との合計質量に対して0.1〜3.0質量%の範囲であることが好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより高純度のエポキシ樹脂を得ることができる。
このようにして得られたエポキシ樹脂は、前記した通り、アリーレン構造が酸素原子を介して他のアリーレン構造と結合したアリーレンオキシ構造を有し、かつ、1分子あたりの前記ナフタレン構造及び前記アリーレン基を構成する芳香核の総数が2〜8である構造を主骨格として有することを特徴としている。よって、その硬化物は、前記したように、アリーレンオキシ構造を形成していることから、硬化物の燃焼時におけるチャーの形成が促進され優れた難燃性を発現する。一方、1分子あたりの前記芳香核の総数が2〜8であることから優れた流動性をも兼備したエポキシ樹脂となる。
また、前記エポキシ樹脂を構成するアリーレン基は、特に難燃性の点からナフタレン基、フェニレン基、又は、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの炭素原子数1〜4のアルキル基若しくはフェニル基を置換基として有するナフタレン基若しくはフェニレン基が挙げられる。これらの中でも特に難燃性の点からナフタレン基、フェニレン基が好ましく、とりわけナフタレン基であることが好ましい。
よって、前記エポキシ樹脂は、具体的には、ナフタレン構造が酸素原子を介して他のアリーレン構造と結合した構造を有し、かつ、1分子あたりの前記ナフタレン構造及び前記アリーレン基を構成する芳香核の総数が2〜8であって、更に、前記芳香核に(メタ)グリシジルオキシ基を置換基として有するものであることが好ましい。
ここで、前記エポキシ樹脂を構成するナフタレン構造は、オキシ基の結合位置を2箇所乃至3箇所有するナフタレン構造が挙げられるが、フェノール樹脂の流動性の点からオキシ基の結合位置を2箇有する構造であることが好ましく、具体的には、オキシ基との結合位置が、1,3位、1,6位、1,7位、1,8位、2,3位、2,7位であることが好ましい。これらのなかでも、製造が容易である点から1,6位、2,7位であることが好ましく、とりわけ2,7位であることが流動性と難燃性とのバランスに優れる点から好ましい。
また、前記エポキシ樹脂は、複数のアリーレン構造が直接結合を形成した分子構造を形成していてもよい。
一方、前記エポキシ樹脂において上記したナフタレン構造と酸素原子を介して結合する他のアリーレン構造は、前記ナフタレン構造及びフェニレン構造が挙げられる。ここで、フェニレン構造はオキシ基との結合位置を2箇所又は3箇所有するものが挙げられ、また、前記ナフタレン構造の場合と同様にその芳香核上にメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの炭素原子数1〜4のアルキル基又はフェニル基を有していてもよい。然し乍ら前記フェノール樹脂の流動性の点からオキシ基の結合位置を2箇所有するフェニレン構造が好ましく、この際のオキシ基の結合位置は、1,3位、1,4位、及び1,5位が挙げられるが、製造が容易である点から1,3位であることが好ましい。また、当該他のアリーレン構造の芳香核上の置換基に関しては、特に難燃効果の点から、当該置換基を有していないか、或いはメチル基又はフェニル基であることが好ましく、特に当該置換基を有していないことが好ましい。但し当該他のアリーレン構造は難燃効果の点から前記ナフタレン基であることが好ましい。
また、前記エポキシ樹脂の分子構造中に有する(メチル)グリシジルオキシ基とは、具体的には、グリシジルオキシ基及びβ−メチルグリシジルオキシ基であるが、本発明では特に硬化物の難燃性の点、及び、当該エポキシ樹脂の工業的生産において原料入手が容易であることなどから、グリシジルオキシ基であることが好ましい。
かかるエポキシ樹脂は、具体的には、下記一般式(3)で表される構造のものであることが難燃効果の点から好ましい。
Figure 0004259536
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Arはそれぞれ独立的にナフチレン基、フェニレン基、又は炭素原子数1〜4のアルキル基若しくはフェニル基を置換基として有するナフチレン基若しくはフェニレン基を表し、Rはそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、n及びmはそれぞれ0〜2の整数であって、かつn又はmの何れか一方は1以上であり、Rは水素原子又は下記一般式(3−2)で表されるエポキシ基含有芳香族炭化水素基を表す。但し、式中の全芳香核数は2〜8である。また、一般式(3)においてナフタレン骨格への結合位置はナフタレン環を構成する2つの環の何れであってもよい。)
Figure 0004259536
(一般式(3−2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Arはそれぞれ独立的にナフチレン基、フェニレン基、又は炭素原子数1〜4のアルキル基若しくはフェニル基を置換基として有するナフチレン基若しくはフェニレン基を表し、pは1又は2の整数である。)
上記一般式(3)で表されるエポキシ樹脂のなかでも、前記した通り、ナフタレン構造中のオキシ基との結合位置が1,6位、2,7位のもの、また、前記他のアリーレン構造がフェニレン基である場合には、該フェニレン基中のオキシ基との結合位置が1,3位のものが好ましく、また、一般式(1)におけるRは水素原子であることが好ましい。従って、前記エポキシ樹脂(A)のうち好ましいものとして、例えば、ナフタレン構造中のオキシ基との結合位置が1,6位であるものは下記の構造式E−1〜E−17で表されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 0004259536
Figure 0004259536

次に、たとえば、オキシ基との結合位置が2,7位のエポキシ樹脂としては、下記構造式E−18〜E−21のものが挙げられる。
Figure 0004259536
更に、ナフタレン構造のオキシ基との結合位置が1,6位であって、かつ、該オキシ基を介して結合する他のアリーレン構造が1,3位に結合位置を有するフェニレン基である場合のエポキシ樹脂は、下記構造式E−22〜E−25のものが挙げられる。
Figure 0004259536
なお、上記構造式E−1〜E−25において「G」はグリシジル基を表す。
前記エポキシ樹脂は上記した各化合物を単独で用いてもよいが、複数の混合物として用いても良い。
以上詳述したエポキシ樹脂は、前記した通り、ナフタレン構造が酸素原子を介して他のナフタレン構造と結合した構造を有するものであることが硬化物の難燃性が一層良好になる他、耐熱性も良好なものとなる点から好ましい。かかるエポキシ樹脂は、具体的には、例えば下記一般式(4)で表すことができる。
Figure 0004259536

ここで一般式(4)中、Rはそれぞれ独立的にメチル基または水素原子を、Rはそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を、n又はmはそれぞれ0〜2の整数であって、n又はmの何れか一方は1以上の整数であり、Rは水素原子又は下記一般式(4−2)
Figure 0004259536


(Rはそれぞれ独立的にメチル基または水素原子を、Rはそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を、pは1又は2の整数を表す。)を表す。但し、上記一般式(4)において全芳香核の総数は2〜8である。なお、上記一般式(4)においてナフタレン骨格への結合位置はナフタレン環を構成する2つの環の何れであってもよい。
前記一般式(4)の中でもRは水素原子であることが好ましく、その具体例は前記構造式E−1〜E−21のものが挙げられる。更に、それらのなかでも前記構造式E−18〜E−21で表されるオキシ基との結合位置が2,7位のものが難燃効果や耐熱性に優れる点から好ましく、特に、構造式E−18、構造式E−19、及び構造式E−20の混合物として用いることが流動性と難燃性とのバランスに優れる点から好ましい。また、上記一般式(3)における全芳香核の総数は3〜6であることが難燃効果、耐熱性及び流動性のバランスに優れる点から特に好ましい。
以上詳述したエポキシ樹脂は、例えば、ジヒドロキシナフタレン類或いはジヒドロキシナフタレン類とジヒドロキシベンゼン類との混合物(以下、これらを「2官能性フェノール類」と略記する。)を酸触媒の存在下に反応させたのち、低分子量体を有機溶媒で繰り返し抽出し、得られたフェノール樹脂をグリシジル化して得ることができるが、本発明では、塩基性触媒の存在下に反応させてフェノール樹脂を得、更にこれをグリシジル化することによって製造することがエポキシ樹脂の生産性に優れる点から好ましい。
このようにして得られるエポキシ樹脂は、通常、上述した各構造の化合物の混合物として得られる為、前記エポキシ樹脂は、このような混合物のまま用いることができる。更に、反応生成物中には、エポキシ基と、原料フェノール樹脂との反応によって形成される2−ヒドロキシプロピレン基を有する高分子量化合物や、また、原料成分である2官能性フェノール類のジグリシジルエーテルも含まれる。従って、本発明のエポキシ樹脂を使用する際、このような高分子量化合物や原料成分を含んだ混合物として用いることができる。本発明では前記した通りエポキシ樹脂の核体数を低く抑えることが可能であることから、当該混合物は、エポキシ樹脂と、2官能性フェノール類のジグリシジルエーテルとの混合物として用いることが好ましい。また、前記混合物中の2官能性フェノール類のジグリシジルエーテルの含有率は、エポキシ樹脂組成物の流動性の点からGPCによる測定における面積比で5〜80%であることが好ましい。
以上詳述した前記エポキシ樹脂は、前記混合物におけるエポキシ当量が100〜400g/eq.の範囲であることが、得られるエポキシ樹脂の流動性が良好で、硬化性により優れるエポキシ樹脂組成物が得られ、更にその成形された硬化物の耐熱性に優れる点から好ましい。
また、前記エポキシ樹脂の溶融粘度は、前記混合物における150℃のときの値が5.0〜0.1mPa・sであることが、得られるエポキシ樹脂の流動性が良好となる点から好ましいものである。
また、前記エポキシ樹脂は、それ単独で用いてもよいし、本発明の効果を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂とを併用してもよい。
ここで併用され得る他のエポキシ樹脂は、種々のエポキシ樹脂を使用することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂の中でも、特に難燃性に優れる硬化物が得られる点から、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
また、本発明の製造方法で得られたエポキシ樹脂に用いられる硬化剤は、例えばアミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などの硬化剤が挙げられる。具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミンやベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物、或いは本発明の製造方法で得られるポリアリーレンエーテル構造を有するフェノール樹脂が挙げられる。
これらの中でも、特に芳香族骨格を分子構造内に多く含むものが難燃効果の点から好ましく、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂が難燃性に優れることから好ましい。
以上詳述した本発明の製造方法によって得られたポリアリーレンエーテル構造を有するフェノール樹脂又はエポキシ樹脂を必須の樹脂成分とするエポキシ樹脂組成物は、従来用いられている難燃剤を配合しなくても、硬化物の難燃性が良好なものとなる。然し乍ら、より高度な難燃性を発揮させるために、例えば半導体封止材料の分野においては、封止工程での成形性や半導体装置の信頼性を低下させない範囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合してもよい。
かかる非ハロゲン系難燃剤を配合したエポキシ樹脂組成物は、実質的にハロゲン原子を含有しないものであるが、例えばエポキシ樹脂に含まれるエピハロヒドリン由来の5000ppm以下程度の微量の不純物によるハロゲン原子は含まれていても良い。
前記非ハロゲン系難燃剤は、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤は、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物は、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)―10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10―(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量は、リン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤は、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、中でもトリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物は、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)又は(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.005〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、半導体封止材料用途では溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられ、また、導電ペースト用途では、銀粉や銅粉等の導電性充填剤が挙げられる。
本発明では、前記エポキシ樹脂組成物を半導体封止材料に用いる場合、無機質充填材の使用量は、通常、組成物中70〜95質量%となる割合であるが、中でも、難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図るためには、80〜95質量%であることが特に好ましい。また、無機質充填材を組成物中80〜95質量%となる割合で含有する場合、前記無機充填材は溶融シリカであることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。
前記エポキシ樹脂組成物から本発明の半導体封止材料を製造する方法は、前記各成分、及び、更にその他の配合剤を、押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合して溶融混合型のエポキシ樹脂組成物とする方法が挙げられる。また、半導体パッケージ成形としては、該半導体封止材料を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50〜200℃で2〜10時間に加熱することにより成形物である半導体装置を得る方法が挙げられる。
前記エポキシ樹脂組成物は、上記した半導体封止材料用途の他、例えば、アンダーフィル材、導電ペースト、積層板や電子回路基板等に用いられる樹脂組成物、樹脂注型材料、接着剤、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、絶縁塗料等のコーティング材料等に用いることができる。前記した各種用途のなかでも特に電子部品用途である半導体封止材料及びアンダーフィル材、特に半導体封止材料に好適に用いることができる。
前記エポキシ樹脂組成物をプリント回路基板用組成物に加工するには、例えばプリプレグ用樹脂組成物とすることができる。該エポキシ樹脂組成物の粘度によっては無溶媒で用いることもできるが、有機溶剤を用いてワニス化することでプリプレグ用樹脂組成物とすることが好ましい。前記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤を用いることが好ましく、単独でも2種以上の混合溶剤としても使用することができる。得られた該ワニスを、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などの各種補強基材に含浸し、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得ることができる。この時用いる樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60質量%となるように調製することが好ましい。また該エポキシ樹脂組成物を用いて銅張り積層板を製造する場合は、上記のようにして得られたプリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜250℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、銅張り積層板を得ることができる。
前記エポキシ樹脂組成物を導電ペーストとして使用する場合には、例えば、微細導電性粒子を該エポキシ樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
前記エポキシ樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては例えば、ゴム、フィラーなどを適宜配合した当該硬化性樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
また、前記エポキシ樹脂組成物は、更にレジストインキとして使用することも可能である。この場合、前記エポキシ樹脂に、エチレン性不飽和二重結合を有するビニル系モノマーと、硬化剤としてカチオン重合触媒を配合し、更に、顔料、タルク、及びフィラーを加えてレジストインキ用組成物とした後、スクリーン印刷方式にてプリント基板上に塗布した後、レジストインキ硬化物とする方法が挙げられる。
前記エポキシ樹脂組成物は、上記した各種用途に応じて、適宜、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
前記エポキシ樹脂組成物は、目的或いは使用する用途に応じて常法により硬化させて硬化物とすることができる。この際、硬化物を得る方法は、前記エポキシ樹脂組成物に、各種の配合成分を加え、更に適宜硬化促進剤を配合して得られた組成物を、20〜250℃程度の温度範囲で加熱する方法が好ましい。成形方法などもエポキシ樹脂組成物の一般的な方法を採用することができる。このようにして得られる硬化物は、積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等を形成する。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。尚、150℃における溶融粘度及び軟化点測定、GPC測定、MSスペクトルは以下の条件にて測定した。
1)150℃における溶融粘度:ASTM D4287に準拠
2)融点測定法:メトラー製DSC822e 昇温速度:3℃/分
3)GPC:
・装置:東ソー株式会社製 HLC−8220 GPC、カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL G2000HXL+G2000HXL+G3000HXL+G4000HXL
・溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:1ml/min
・検出器:RI
4)MS :日本電子株式会社製 二重収束型質量分析装置 AX505H(FD505H)
実施例1 〔フェノール樹脂(a−1)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、下記式
Figure 0004259536
で表される2,7−ジヒドロキシナフタレン160g(1.0モル)を仕込み、窒素を吹き込みつつ攪拌しながら200℃に加熱し、溶融させた。溶融後、48%水酸化カリウム水溶液23g(0.2モル)を添加した。その後、分留管を用いて48%水酸化カリウム水溶液由来の水および生成する水を抜き出した後、更に5時間反応させた。反応終了後、更にメチルイソブチルケトン1000gを加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から溶媒を加熱減圧下に除去し、フェノール樹脂(1)150gを得た。得られたフェノール樹脂(a−1)は褐色固体であり、水酸基当量は120g/eq、融点は179℃であった。
図1に示すGPCチャートより未反応の原料(2,7−ジヒドロキシナフタレン)の残存率はGPCによる面積比で64%であることを確認した。
図2に示すFT−IRチャートの結果より、原料(2,7−ジヒドロキシナフタレン)と比較して芳香族エーテル由来の吸収(1250cm−1)が新たに生成したことが確認され、水酸基同士が脱水エーテル化反応したことが推定された。
図3に示すFD−MSチャートの結果より、2,7−ジヒドキシナフタレンが3分子間脱水して生成した2,7−ジヒドロキシナフタレン3量体構造(Mw:444)および5分子間脱水して生成した2,7−ジヒドロキシナフタレン5量体構造(Mw:728)を確認した。
更に図4に示すトリメチルシリル化法によるFD−MSより2,7−ジヒドロキシナフタレン3量構造(Mw:444)に、トリメチルシリル基分の分子量(Mw:72)が2個(M+=588)、3個(M+=660)付いたピークを確認した。
更に2,7−ジヒドキシナフタレンが5分子間脱水して生成した2,7−ジヒドロキシナフタレン5量構造(Mw:728)に、トリメチルシリル基分の分子量(Mw:72)が3個(M+=945)、4個(M+=1018)付いたピークを確認した。
以上より、フェノール樹脂(a−1)は、原料の2,7−ジヒドロキシナフタレンの含有率がGPCによる面積比で全体の64%であり、その他は、下記構造式
Figure 0004259536
で表される2,7−ジヒドロキシナフタレン3量体エーテル化合物、
下記構造式
Figure 0004259536
で表される2,7−ジヒドロキシナフタレン2量体エーテルに2,7−ジヒドロキシナフタレンが1分子核脱水して生成した3量体化合物、及び
下記構造式
Figure 0004259536
で表される2,7−ジヒドロキシナフタレン3量体エーテルに2,7−ジヒドロキシナフタレンが2分子核脱水して生成した5量体化合物
となっていることが解析された。
実施例2 〔フェノール樹脂(a−2)の合成〕
実施例1において、2,7−ジヒドロキシナフタレン160gを1,6−ジヒドロキシナフタレン160gに変更する以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂(a−2)147gを得た。得られたフェノール樹脂(a−2)は褐色固体であり、水酸基当量は135g/eq、融点は137℃であった。図5のGPCチャートより未反応の原料(1,6−ジヒドロキシナフタレン)の残存率はGPCによる面積比で24%であることを確認した。
実施例3〔フェノール樹脂(a−3)の合成〕
実施例1において、2,7−ジヒドロキシナフタレン160gを2,7−ジヒドロキシナフタレン80g(0.5モル)と1,3−ジヒドロキシベンゼン55g(0.5モル)の混合物に変更する以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂(a−3)125gを得た。得られたフェノール樹脂(a−3)は褐色固体であり、水酸基当量は101g/eq、融点は136℃であった。図6のGPCチャートより未反応の原料(2,7−ジヒドロキシナフタレンと1,3−ジヒドロキシベンゼンの合計)の残存率はGPCによる面積比で36%であることを確認した。
実施例4〔ポリアリーレンエーテル化合物(a−4)の合成〕
実施例1において、2,7−ジヒドロキシナフタレン160gを1,3−ジヒドロキシベンゼン110g(1.0モル)に変更する以外は実施例1と同様にして、本発明のポリアリーレンエーテル化合物(a−4)100gを得た。得られたフェノール樹脂(a−4)は褐色固体であり、水酸基当量は85g/eq、融点は122℃であった。GPCチャートより未反応の原料(1,3−ジヒドロキシベンゼン)の残存モル率は36%であることを確認した。
実施例5〔ポリアリーレンエーテル化合物(a−5)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、下記式
Figure 0004259536
で表される2,7−ジヒドロキシナフタレン160g(1.0モル)とベンジルアルコール80gを仕込み、窒素を吹き込みつつ攪拌しながら200℃に加熱し、溶融させた。溶融後、48%水酸化カリウム水溶液23g(0.2モル)を添加した。その後、分留管を用いて48%水酸化カリウム水溶液由来の水および生成する水を抜き出した後、更に15時間反応させた。反応終了後、更に水1000gを加え、沈殿物を濾別、水洗後、減圧条件下にて乾燥し、本発明のポリアリーレンエーテル化合物(a−5)147gを得た。得られた化合物(a−5)は褐色固体であり、水酸基当量は154g/eq、融点は182℃であった。GPCチャートより未反応の原料(2,7−ジヒドロキシナフタレン)の残存モル率は32%であることを確認した。
実施例6 エポキシ樹脂(b−1)の合成
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、実施例1で得られたフェノール樹脂(a−1)120g、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gを仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液90g(1.1モル)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン432gとn−ブタノール130gとを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水150gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、エポキシ樹脂170gを得た(以下、これを「エポキシ樹脂(b−1)」と略記する。)。得られたエポキシ樹脂(b−1)の150℃の溶融粘度は0.5dPa・s、エポキシ当量は187g/eqであった。
比較例1 〔ポリアリーレンエーテル化合物(a’−1)の合成〕
実施例1において、48%水酸化カリウム水溶液23g(0.2モル)をパラトルエンスルホン酸・1水和物2gに変更する以外は、実施例1と同様にして、比較用ポリアリーレンエーテル化合物(a’−1)145gを得た。得られたポリアリーレンエーテル化合物(a’−1)は褐色固体であり、水酸基当量は183g/eq、融点は測定できず、分解点は250℃であった。
実施例7〜13、と比較例2〜6
エポキシ樹脂としてジャパンエポキシレジン株式会社製YX−4000H(テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量:195g/eq)、日本化薬株式会社製NC−3000(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量:277g/eq)、大日本インキ化学工業株式会社製EPICLON N−665−EXP(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:203g/eq)、及び上記エポキシ樹脂(b−1)、硬化剤として上記フェノール樹脂a−1〜a−5、a’−1及び、三井化学製ミレックスXLC−3L(フェノールアラルキル樹脂 水酸基当量:172g/eq)を用い、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)、難燃剤として縮合燐酸エステル(大八化学工業株式会社製PX−200)、水酸化マグネシウム(エア・ウォーター株式会社製エコーマグZ−10)、無機充填材として球状シリカ(株式会社マイクロン製S−COL)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシトリエトキシキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM−403)、カルナウバワックス(株式会社セラリカ野田製PEARL WAX No.1−P)、カーボンブラックを用いて表1〜2に示した組成で配合し、2本ロールを用いて100℃の温度で10分間溶融混練して目的の組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物について、下記手法によりゲルタイムを測定し、硬化性を試験した。また、これを180℃で10分間プレス成形し、その後180℃で5時間さらに硬化せしめた後に、UL−94試験法に準拠した厚さ1.6mmの試験片を作成し、下記方法により、硬化物の物性を確認した。
ゲルタイム: エポキシ樹脂組成物0.15gを175℃に加熱したキュアプレート(THERMO ELECTRIC社製)上に載せ、ストップウォッチで計時を開始する。棒の先端にて試料を均一に攪拌し、糸状に試料が切れてプレートに残るようになった時、ストップウォッチを止める。この試料が切れてプレートに残るようになるまでの時間をゲルタイムとした。
難燃性:UL−94試験法に準拠し、厚さ1.6mmの試験片5本を用いて、燃焼試験を行った。
ガラス転移温度:粘弾性測定装置(レオメトリック社製 固体粘弾性測定装置RSAII、二重カレンチレバー法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて測定した。
Figure 0004259536
Figure 0004259536

表1の脚注:
*1:1回の接炎における最大燃焼時間(秒)
*2:試験片5本の合計燃焼時間(秒)
自消:V−1に要求される難燃性(ΣF≦250秒且つFmax≦30秒)は満たさないが、燃焼(炎のクランプ到達)には至らず消火。
実施例1で得られたフェノール樹脂のGPCチャートである。 実施例1で得られたフェノール樹脂のFT−IRチャートである。 実施例1で得られたフェノール樹脂のマススペクトルである。 実施例1で得られたフェノール樹脂のトリメチルシリル化法マススペクトルである。 実施例2で得られたフェノール樹脂のGPCチャートである。 実施例3で得られたフェノール樹脂のGPCチャートである。 実施例4で得られたフェノール樹脂のGPCチャートである。 実施例5で得られたフェノール樹脂のGPCチャートである。

Claims (12)

  1. フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)を、塩基性触媒(B)の存在下に脱水縮合反応させることを特徴とするポリアリーレンエーテル構造を有するフェノール樹脂の製造方法。
  2. 前記フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)が、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、5−フェニル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、及び1,3,6−トリヒドロキシベンゼンからなる群から選択されるものである請求項1記載の製造方法。
  3. 前記フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)が、ジヒドロキシナフタレン類である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)が、ジヒドロキシベンゼン類である請求項1又は2記載の製造方法。
  5. 前記フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)が、ジヒドロキシナフタレン類とジヒドロキシベンゼン類との混合物である請求項記載の製造方法。
  6. 前記脱水縮合反応を、100〜300℃の温度条件下に行う請求項1〜5の何れか1つに記載の製造方法。
  7. フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)を、塩基性触媒(B)の存在下に脱水縮合反応させることを特徴とするポリアリーレンエーテル構造を有するフェノール樹脂を製造する工程と、
    前記工程で得られたフェノール樹脂を、(メチル)エピハロヒドリンと反応させる工程と
    を備えることを特徴とするポリアリーレンエーテル構造を有するエポキシ樹脂の製造方法。
  8. 前記フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)が、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、5−フェニル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、及び1,3,6−トリヒドロキシベンゼンからなる群から選択されるものである請求項7記載の製造方法。
  9. 前記フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)が、ジヒドロキシナフタレン類である請求項7記載の製造方法。
  10. 前記フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)が、ジヒドロキシベンゼン類である請求項7記載の製造方法。
  11. 前記フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物(A)が、ジヒドロキシナフタレン類とジヒドロキシベンゼン類との混合物である請求項7記載の製造方法。
  12. 前記脱水縮合反応を、100〜300℃の温度条件下に行う請求項7〜11の何れか1つに記載の製造方法。
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