JP5024604B2 - エポキシ樹脂組成物、その硬化物、新規エポキシ樹脂及びその製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、その硬化物、新規エポキシ樹脂及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、得られる硬化物の難燃性に優れ、半導体封止材、プリント回路基板、塗料、注型用途等に好適に用いる事が可能なエポキシ樹脂組成物、その硬化物、及び新規エポキシ樹脂及びその製造方法に関する。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂に代表されるエポキシ樹脂は、塗料、接着剤、成形材料、フォトレジスト原料などに有用な化合物である。特にエレクトロニクス材料分野においては、その硬化物の優れた耐熱性、耐湿性、電気特性などが高く評価されており、半導体封止材やプリント回路基板等の分野で幅広く用いられている。
かかる半導体封止材やプリント回路基板等のエレクトロニクス分野、或いは、高機能塗料分野などでは、通常、難燃性を付与するために臭素等のハロゲン系難燃剤がアンチモン化合物とともに配合されている。しかし、近年の環境・安全への取り組みのなかで、ダイオキシン発生が懸念されるハロゲン系難燃剤や、発ガン性が疑われているアンチモン化合物を用いない環境・安全対応型の難燃化方法の開発が強く要求されている。
このような要求に対応するために、樹脂自体の難燃性を高めてハロゲン系難燃剤及びアンチモン化合物を用いることなく、実用的な難燃性能を発現させる技術として、例えば、
メトキシナフタレンとクレゾールとホルムアルデヒドとを反応させてなるフェノール系樹脂をグリシジルエーテル化して得られる多官能エポキシ樹脂が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる多官能エポキシ樹脂は確かにその硬化物自体に難燃効果を具備させることができ、その他低誘電率、低誘電正接といった特徴をも兼備するものである。しかしながら、近年のエレクトロニクス分野における著しい電子部品の小型化・高集積化・高周波数化といった背景から要求されるレベルには前記多官能エポキシ樹脂の難燃性は及ばないのが現状であった。
特開平2006−274236号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、その硬化物において優れた難燃性能を発現するエポキシ樹脂組成物及び新規エポキシ樹脂を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、グリシジルオキシフェニレン骨格がメチレン基で結節された構造を有するエポキシ樹脂構造の分子末端にアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基を導入すると共に、特定の低分子量体の含有率を低減させたエポキシ樹脂を主剤として用いることにより、その硬化物の難燃性が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、エポキシ樹脂(A)及び硬化(B)を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂(A)が、下記構造式(1)
Figure 0005024604

(式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を、Xはアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基、X’はアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基又はグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表し、nは繰り返し単位の平均で0〜100である。)で表される化合物(a1)及び下記構造式(2)
Figure 0005024604

(式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表す。)
で表される化合物(a2)を含有するものであって、エポキシ樹脂(A)中の前記化合物(a2)の含有率が5質量%以下となる割合であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、前記エポキシ樹脂組成物を硬化反応させてなることを特徴とする樹脂硬化物に関する。
本発明は、更に、前記エポキシ樹脂(A)及び前記硬化剤(B)に加え、更に、無機質充填材(C)を組成物中70〜95質量%となる割合で含有することを特徴とする半導体封止材料に関する。
本発明は、更に、下記構造式(1)
Figure 0005024604

(式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を、Xはアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基、X’はアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基又はグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表し、nは繰り返し単位の平均で0〜50である。)で表される化合物(a1)及び下記構造式(2)
Figure 0005024604

(式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表す。)
で表される化合物(a2)を含有するエポキシ樹脂であって、該エポキシ樹脂中の前記化合物(a2)の含有率が5質量%以下となる割合であることを特徴とする新規エポキシ樹脂に関する。
本発明は、更に、
ヒドロキシ基含有芳香族系化合物(x1)とホルムアルデヒドとを仕込み、アルカリ触媒の存在下でメチロール化反応を行い、
中和剤を用いて前記アルカリ触媒を中和した後、アルコキシ基含有縮合多環式芳香族化合物(x2)を仕込み、酸触媒下に反応させてフェノール樹脂を得、次いで、
得られたフェノール樹脂と、エピハロヒドリンとを反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法に関する。
本発明によれば、その硬化物において優れた難燃性能を発現するエポキシ樹脂組成物及び新規エポキシ樹脂を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、前記した通り、下記構造式(1)
Figure 0005024604

(式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を、Xはアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基、X’はアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基又はグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表し、nは1〜100の整数である。)で表される化合物(a1)及び下記構造式(2)
Figure 0005024604

(式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表す。)
で表される化合物(a2)を含有するものであって、エポキシ樹脂(A)中の前記化合物(a2)の含有率が5質量%以下となる割合であることを特徴としている。
本発明では、このようにエポキシ樹脂(A)の主たる成分として下記構造式
Figure 0005024604
(式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表す。)
で表される構造単位を繰り返し単位とする主骨格の末端にXはアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基を導入すること、かつ、該エポキシ樹脂(A)中に含まれる前記化合物(a2)の含有率を低減させることにより、該エポキシ樹脂(A)の硬化物の難燃性を飛躍的に改善できたものである。
ここで、前記構造式(1)中、で表される化合物(a1)は、X’はアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基又はグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基であり、よって、該化合物(a1)は具体的には下記構造式(a1−1)及び(a1−2)
Figure 0005024604

で表される化合物が挙げられる。なお、上記構造式(a1−1)及び(a1−2)中、Xはアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基、Eは1価又は2価のグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表し、nは1〜100の整数である。
また、前記構造式(1)中のnの値は、GPC測定から導出される繰り返し単位数である。ここでGPC測定の条件は、具体的には以下の通りである。
[GPCの測定条件]
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
このようにして求められるnの値は、前記した通り、1〜100の範囲であるが、とりわけ本発明では分子末端に存在するアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基の含有率が高くなって難燃効果が顕著なものとなる点から特に1〜50の範囲であることが好ましい。
また、前記グリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基(E)は、様々な構造をとり得るものであり、具体的には、以下のE1〜E16の構造式で表されるグリシジルオキシベンゼン類、グリシジルオキシナフタレン類、及びこれらの芳香核上の置換基としてアルキル基を有する化合物が難燃性に優れるという点で好ましい。
Figure 0005024604
ここで、前記各構造は、前記構造式(a1−2)に記載されたように該構造が分子末端に位置する場合には、1価の芳香族炭化水素基となる。また、上掲した構造のうちナフタレン骨格上に他の構造部位との結合位置を二つ以上有するものは、それらの結合位置は同一核上であってもよいし、或いは、それぞれ異核上にあってもよい。
以上詳述したグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基(E)は、特に芳香核上の置換基としてメチル基を有するものは、エポキシ樹脂硬化物自体に特に優れた難燃性を付与でき、近年、電子部品分野において要求の高いハロゲンフリーの材料の設計が可能となる。
次に、エポキシ樹脂(A)構造中に含まれる前記アルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基(B)は、縮合多環式芳香核上の置換基としてアルコキシ基を有する1価の芳香族炭化水素基であり、具体的には下記構造式B1〜B11で表されるアルコシキナフタレン構造、又は、下記構造式B12で表されるアルコキシアントラセン構造が挙げられる。
Figure 0005024604
以上詳述した前記アルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基(B)のうち、とりわけ、エポキシ樹脂硬化物の難燃性が良好なものとなる点からアルコキシナフタレン型の構造を有するものが好ましく、近年、電子部品分野において要求の高いハロゲンフリーの材料の設計が可能となる点から、前記構造式B1〜B10に代表される、メトキシ基又はエトキシ基を置換基として有するナフタレン構造、およびそれらに更にメチル基を置換基として有する構造から形成される芳香族炭化水素基であることが好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)は、上記化合物(a1−1)及び上記化合物(a1−2)を主たる成分とするものであるが、その他、該エポキシ樹脂(A)の製造時の副生成物として様々な化合物が含有されるものであり、例えば、下記構造式(3)
Figure 0005024604

(式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表し、nは0〜100の整数である。)
で表される化合物の他、下記構造式(4)及び(5)
Figure 0005024604

(式(4)及び(5)中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を、Xはアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基を表す。)
で表される化合物が挙げられる。更に、更に、上記各化合物の他、アルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基(B)がフェノール性水酸基と脱アルコール反応することによって生成する環状構造を有する化合物、例えば、下記構造式(6)
Figure 0005024604

で表される化合物や、下記構造式(7)
Figure 0005024604

で表される化合物が挙げられる。
本発明ではこのような種々の化合物のなかでも特に前記構造式(3)で表される化合物において、特にn=0の化合物、即ち、下記構造式(2)
Figure 0005024604

で表される化合物に着目し、この化合物のエポキシ樹脂(A)中の含有率を5質量%以下に低減させることで硬化物の難燃性を飛躍的に改善することができたものである。このような難燃効果の改善が顕著なものとなる点から、特に1.0〜3.5質量%なる範囲であることが好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)は、このように種々の化合物を含み得るものであるが、前記構造式(1)中、n=1の化合物、n=2の化合物、n=3の化合物、及びn=4の化合物の合計質量を、前記構造式(1)で表される全ての化合物の全質量で除した値が0.3〜0.8となるものであることが、その硬化物の難燃性はもとより、硬化物における低誘電率、低誘電正接といった誘電特性が良好なものとなる点から好ましい。また、本発明では、特に前記構造式(1)中、n=1の化合物、n=2の化合物、n=3の化合物、及びn=4の化合物の全てが、前記した構造式(a1−1)で表されるものであることが硬化物の難燃性が一層良好となる点から好ましい。
また、エポキシ樹脂(A)は、原料となるフェノール系樹脂を合成する際に仕込んだアルコキシ基含有縮合多環式芳香族化合物(x2)の40質量%以下、望ましくは10〜30質量%が前記構造式(6)及び前記構造式(7)を形成するような割合で、前記構造式(6)及び前記構造式(7)で表される化合物を含有することが好ましい。
また、前記エポキシ樹脂(A)は、エポキシ当量が高い場合には組成物の硬化性が良好なものとなり、エポキシ当量が低い場合には硬化物の難燃性が良好となる。よって、これらのバランスが良好なものとなる点から、そのエポキシ当量は200〜600g/eq.の範囲、特に250〜550g/eq.の範囲であることが好ましい。
更に、前記エポキシ樹脂(A)は、グリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基(E)と、前記アルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基(B)との存在比が、モル比で前者/後者=30/70〜98/2なる範囲であるであることが、硬化物の難燃性が一層良好となる点から好ましい。
以上詳述したエポキシ樹脂(A)は、以下の第一段階乃至第三段階を経て製造することができる。
第一段階:ヒドロキシ基含有芳香族系化合物(x1)とホルムアルデヒドとを仕込み、アルカリ触媒の存在下でメチロール化反応を行う。
第二段階:中和剤を用いて前記アルカリ触媒を中和した後、アルコキシ基含有縮合多環式芳香族化合物(x2)を仕込み、酸触媒下に反応させてフェノール樹脂を得る。
第三段階:第二段階で得られたフェノール樹脂と、エピハロヒドリンとを反応させることによって目的とするエポキシ樹脂を製造する。
第一段階は、前記した通り、ヒドロキシ基含有芳香族系化合物(x1)とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で反応させてメチロールを生成させる工程である。ここで用いるヒドロキシ基含有芳香族化合物(x1)は、具体的には、フェノール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどの無置換フェノール類、クレゾール、フェニルフェノール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、iso−プロピルフェノール、t−ブチルフェノールなどの一置換フェノール類、キシレノール、メチルプロピルフェノール、メチルブチルフェノール、メチルヘキシルフェノール、ジプロピルフェノール、ジブチルフェノールなどの二置換フェノール類、メシトール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等の三置換フェノール類、1−ナフトール、2−ナフトール、メチルナフトールなどのナフトール類が挙げられる。これらは、2種類以上を併用してもよい。
これらのなかでも、前記したとおり、硬化物の難燃性の点から1−ナフトール、2−ナフトール、クレゾール、フェノールが特に好ましい。
第一段階で用いられるアルカリ触媒としては、特に限定されるものではないが、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。その使用量は仕込みヒドロキシ基含有芳香族系化合物(x1)のモル数に対して、0.1〜3.0倍モルになる範囲であることが好ましい。
第一段階の反応は、例えば、0〜80℃の温度条件下に攪拌し乍ら行うことができる。
次に、第二段階は、第一段階で得られた反応液に、中和剤を加えて反応溶液を中和し、次いで、アルコキシ基含有縮合多環式芳香族化合物(x2)を仕込み、酸触媒下に反応させてフェノール樹脂を得る工程である。ここで用いる中和剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、三弗化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのルイス酸などが挙げられる。
また、第二段階で用いるアルコキシ基含有縮合多環式芳香族化合物(x2)は、具体的には、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、1−メチル−2−メトキシナフタレン、1−メトキシ−2−メチルナフタレン、1,3,5−トリメチル−2−メトキシナフタレン、2,6−ジメトキシナフタレン、2,7−ジメトキシナフタレン、1−エトキシナフタレン、1,4−ジメトキシナフタレン、1−t−ブトキシナフタレン、1−メトキシアントラセン等が挙げられる。これらの中でも特に得られるエポキシ樹脂の硬化物における難燃性の改善効果が顕著なものとなる点から2−メトキシナフタレンが好ましい。
第二段階で用いられる酸触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、三弗化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのルイス酸などが挙げられる。その使用量は仕込み原料の総質量に対して、0.1〜5質量%なる範囲であることが好ましい。
ここで、第一段階及び第二段階におけるヒドロキシ基含有芳香族系化合物(x1)とアルコキシ基含有縮合多環式芳香族化合物(x2)とホルムアルデヒドとの反応仕込み比率は、ヒドロキシ基含有芳香族系化合物(x1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(x2)とのモル比(x1)/(x2)が30/70〜98/2であり、且つ、ヒドロキシ基含有芳香族系化合物(x1)とアルコキシ基含有縮合多環式芳香族化合物(x2)との合計モル数とホルムアルデヒドのモル数との比が40/60〜97/3であることが好ましい。
第二段階の反応を行う際、必要に応じて水または有機溶剤を使用することができる。使用できる有機溶剤の具体例としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。有機溶剤の使用量としては仕込み原料の総質量に対して通常10〜500質量%、好ましくは30〜250質量%である。また第一段階のメチロール化反応の反応温度としては通常20〜150℃であり、30〜100℃の範囲がより好ましく、反応時間としては通常1〜10時間である。続いて、第二段階の反応温度としては通常40〜250℃であり、100〜200℃の範囲がより好ましい。また反応時間としては通常1〜10時間である。
また得られる該多価ヒドロキシ化合物の着色が大きい場合は、それを抑制するために、酸化防止剤や還元剤を添加しても良い。前記酸化防止剤としては特に限定されないが、例えば2,6−ジアルキルフェノール誘導体などのヒンダードフェノール系化合物や2価のイオウ系化合物や3価のリン原子を含む亜リン酸エステル系化合物などを挙げることができる。前記還元剤としては特に限定されないが、例えば次亜リン酸、亜リン酸、チオ硫酸、亜硫酸、ハイドロサルファイトまたはこれら塩や亜鉛などが挙げられる。
反応終了後、反応混合物のpH値が3〜7、好ましくは4〜7になるまで中和あるいは水洗処理を行う。中和処理や水洗処理は常法にしたがって行えばよい。例えば酸触媒を用いた場合は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、トリエチレンテトラミン、アニリン等の塩基性物質を中和剤として用いることができる。中和の際には、事前にリン酸等のバッファーを入れておいても良いし、また、一旦塩基サイドにしたのちシュウ酸などでpH値が3〜7としてもよい。中和あるいは水洗処理を行った後、減圧加熱下で、主にヒドロキシ基含有芳香族系化合物(x1)とアルコキシ基含有縮合多環式芳香族化合物(x2)を含む未反応原料や有機溶剤、副生物を留去し生成物の濃縮を行い、目的の多価ヒドロキシ化合物を得ることが出来る。ここで回収した未反応原料は再利用することもできる。反応終了後の処理操作のなかに、精密濾過工程を導入することが無機塩や異物類を精製除去することが可能となる点から好ましい。
次に第三段階は、第二段階で得られたフェノール樹脂と、エピハロヒドリンとを反応させることによって目的とするエポキシ樹脂を製造する工程である。具体的には、例えばフェノール樹脂中のフェノール性水酸基1モルに対し、エピハロヒドリン2〜10モルを添加し、更に、フェノール性水酸基1モルに対し0.9〜2.0モルの塩基性触媒を一括添加または徐々に添加しながら20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させる方法が挙げられる。この塩基性触媒は固形でもその水溶液を使用してもよく、水溶液を使用する場合は、連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめ、更に分液して水は除去しエピハロヒドリンは反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
なお、工業生産を行う際、エポキシ樹脂生産の初バッチでは仕込みに用いるエピハロヒドリン類の全てが新しいものであるが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリン類と、反応で消費される分で消失する分に相当する新しいエピハロヒドリン類とを併用することが好ましい。この時、使用するエピハロヒドリンは特に限定されないが、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。なかでも工業的入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。
また、前記塩基性触媒は、具体的には、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。また、有機溶媒を併用することにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。このような有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜二種以上を併用してもよい。
前述のエポキシ化反応の反応物を水洗後、加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハロヒドリンや併用する有機溶媒を留去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるエポキシ樹脂に対して0.1〜3.0質量%の範囲が好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより高純度のエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、以上詳述したエポキシ樹脂(A)の他、本発明の効果を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂を併用してもよい。併用する場合には、エポキシ樹脂全体に占める本発明のエポキシ樹脂(A)の割合は30質量%以上となる割合であることが好ましく、特に40質量%以上となる割合が好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)と併用され得る他のエポキシ樹脂としては、種々のエポキシ樹脂を用いることができるが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのなかでもフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂や、ナフタレン骨格を含有するナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂や、結晶性のビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂や、キサンテン型エポキシ樹脂が、難燃性に優れる硬化物が得られる点から特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤(B)は、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミンやベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。
これらの中でも、特に芳香族骨格を分子構造内に多く含むものが難燃効果の点から好ましく、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂が難燃性に優れることから好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との配合量としては、特に制限されるものではないが、得られる硬化物の特性が良好である点から、エポキシ樹脂(A)を含む全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤(B)中の活性基が0.7〜1.5当量になる量が好ましい。
また必要に応じて本発明のエポキシ樹脂組成物に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
以上詳述した本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来用いられている難燃剤を配合しなくても、その硬化物において良好な難燃性を発現する。しかしながら、より高度な難燃性を発揮させるために、例えば半導体封止材料の分野においては、封止工程での成形性や半導体装置の信頼性を低下させない範囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合してもよい。
かかる非ハロゲン系難燃剤を配合したエポキシ樹脂組成物は、実質的にハロゲン原子を含有しないものであるが、例えばエポキシ樹脂に含まれるエピハロヒドリン由来の5000ppm以下程度の微量の不純物によるハロゲン原子は含まれていても良い。
前記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)―10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10―(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.005〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機質充填材(C)を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填材の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、エポキシ樹脂組成物の全体量に対して65質量%以上が特に好ましい。また導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤、更に必要により硬化促進剤の配合された本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物が用いられる用途としては、半導体封止材料、積層板や電子回路基板等に用いられる樹脂組成物、樹脂注型材料、接着剤、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、絶縁塗料等のコーティング材料等が挙げられる。これらの中でも、特に半導体封止材料に好適に用いることができる。
半導体封止材用に調製されたエポキシ樹脂組成物を作製するためには、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)、無機質充填材(C)等の配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合して溶融混合型のエポキシ樹脂組成物を得ればよい。その際、充填剤としては、通常シリカが用いられるが、その充填率はエポキシ樹脂組成物100質量部当たり、充填剤を30〜95質量%の範囲が用いることが好ましく、中でも、難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図るためには、70質量部以上が特に好ましく、それらの効果を格段に上げるためには、80質量部以上が一層その効果を高めることができる。半導体パッケージ成形としては、該組成物を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50〜200℃で2〜10時間に加熱することにより成形物である半導体装置を得る方法がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物をプリント回路基板用組成物に加工するには、例えばプリプレグ用樹脂組成物とすることができる。該エポキシ樹脂組成物の粘度によっては無溶媒で用いることもできるが、有機溶剤を用いてワニス化することでプリプレグ用樹脂組成物とすることが好ましい。前記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤を用いることが好ましく、単独でも2種以上の混合溶剤としても使用することができる。得られた該ワニスを、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などの各種補強基材に含浸し、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得ることができる。この時用いる樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60質量%となるように調製することが好ましい。また該エポキシ樹脂組成物を用いて銅張り積層板を製造する場合は、上記のようにして得られたプリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜250℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、銅張り積層板を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を導電ペーストとして使用する場合には、例えば、微細導電性粒子を該エポキシ樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては例えば、ゴム、フィラーなどを適宜配合した当該エポキシ樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
本発明の硬化物を得る方法は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって適宜加熱温度条件を選択すればよく、例えば、上記方法によって得られた組成物を、室温〜250℃程度の温度範囲で加熱する方法が挙げられる。
このように本発明のエポキシ樹脂(A)を主剤として用いることによって、ハロゲン系難燃剤を使用しなくても高度な難燃性が発現できる環境負荷の低いエポキシ樹脂材料を得ることができる。また、該エポキシ樹脂は、本発明の製造方法にて容易に効率よく製造する事が出来、目的とする前述の性能のレベルに応じた分子設計が可能となる。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。尚、150℃における溶融粘度及びGPC測定は以下の条件にて測定した。
1)150℃における溶融粘度:ASTM D4287に準拠
2)軟化点測定法:「JIS K7234」に準拠。
3)GPC:
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
4)NMR:日本電子株式会社製 「NMR GSX270」
5)MS :日本電子株式会社製 二重収束型重量分析装置 AX505H(FD505H)
合成例1 〔フェノール樹脂(A−1)の合成〕
温度計、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに、o−クレゾール324.42g(3.00モル)と水300.00gと49質量%水酸化ナトリウム水溶液210.00g(2.57モル)を仕込み、40℃迄昇温した。37質量%ホルムアルデヒド水溶液486.97g(6.00モル)を1時間で滴下し、40℃で4時間保持した。その後、適量の98%硫酸を用いて中和した。続いて、シュウ酸15.98gと2−メトキシナフタレン474.60g(3.00モル)を加え、130℃まで昇温し130℃で1時間反応させた。この間、流出する水は分留管で捕集した。反応終了後、メチルイソブチルケトン1500gを加え、分液ロートに移し水洗した。洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から未反応のo−クレゾールと2−メトキシナフタレン、及びメチルイソブチルケトンを加熱減圧下に除去し、下記構造式(A−1)
Figure 0005024604

(式中、Xはメトキシナフタレン骨格、X’はメトキシナフタレン骨格又はクレゾール骨格、Pはクレゾール骨格である。)
で表される分子構造を有する化合物を主成分とするフェノール樹脂(A−1)751.6gを得た。
フェノール樹脂(A−1)は構造式(A−1)におけるn=1〜17の化合物を含有するものであった。また、フェノール樹脂(A−1)において、前記構造式(A−1)中、n=1〜4で表される化合物は全てX’がメトキシナフタレン骨格のものであり、n=1〜4の化合物の合計質量を、構造式(A−1)で表される全ての化合物の全質量で除した値は0.677であった。
また、フェノール樹脂(A−1)は、の軟化点は111℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は13.0dPa・s、水酸基当量は363g/eq.であった。更に、フェノール樹脂(A−1)の理論水酸基当量と実測の水酸基当量との比較から、反応に用いたメトキシナフタレンの22質量%がo−クレゾール構造部位との脱メタノール反応による環状構造を形成していることが確認できた。
得られたフェノール樹脂(A−1)のGPCチャートを図1に、C13−NMRチャートを図2に示す。GPC分析の結果、フェノール樹脂(A−1)中の下記構造式
Figure 0005024604

で表される構造に該当する化合物の含有率は1.4質量%であった。回収した未反応のo−クレゾール及び2−メトキシナフタレンの質量測定の結果から、該フェノール樹脂(A−1)中のクレゾール骨格の構造単位と、メトキシナフタレン骨格の構造単位とのモル比率は、前者/後者=50/50であった。
合成例2 〔フェノール樹脂(A−2)の合成〕
合成例1において、2−メトキシナフタレンの質量を316.4g(2.00モル)を用いた以外は実施例1と同様にして、下記構造式(A−2)
Figure 0005024604

(式中、Xはメトキシナフタレン骨格、X’はメトキシナフタレン骨格又はクレゾール骨格、Pはクレゾール骨格である。)
で表される分子構造を有する化合物を主成分とするフェノール樹脂(A−2)605.0gを得た。
フェノール樹脂(A−2)は構造式(A−2)におけるn=1〜41の化合物を含有するものであった。また、フェノール樹脂(A−1)において、前記構造式(A−1)中、n=1〜4で表される化合物は全てX’がメトキシナフタレン骨格のものであり、n=1〜4の化合物の合計質量を、構造式(A−2)で表される全ての化合物の全質量で除した値は0.492であった。
また、フェノール樹脂(A−2)の軟化点は111℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は110.0dPa・s、水酸基当量は294g/eq.であった。更に、フェノール樹脂(A−2)の理論水酸基当量と実測の水酸基当量との比較から、反応に用いたメトキシナフタレンの21質量%がo−クレゾール構造部位との脱メタノール反応による環状構造を形成していることが確認できた。得られたフェノール樹脂のGPCチャートを図3に示す。GPC分析の結果、フェノール樹脂(A−1)中の下記構造式
Figure 0005024604

で表される構造に該当する化合物の含有率は3.3質量%であった。回収した未反応のο-クレゾール及び2−メトキシナフタレンの質量測定の結果から、該フェノール樹脂中のグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基の構造単位と、アルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基の構造単位とのモル比率は、前者/後者=60/40であった。
実施例1 〔エポキシ樹脂(E−1)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、合成例1で得られたフェノール樹脂(A−1)を363g(水酸基1当量)、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gを仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49質量%水酸化ナトリウム水溶液90g(1.1モル)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン590gとn−ブタノール177gとを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水150gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、下記構造式(E−1)
Figure 0005024604

(式中、Xはメトキシナフタレン骨格、X’はメトキシナフタレン骨格又はクレゾール骨格、Eはo−グリシジルオキシメチルフェニレン基である。)
で表される分子構造を有する化合物を主成分とするフェノール樹脂(E−1)317gを得た。
エポキシ樹脂(E−1)は構造式(E−1)におけるn=1〜17の化合物を含有するものであった。また、エポキシ樹脂(E−1)において、前記構造式(E−1)中、n=1〜4で表される化合物は全てE’がメトキシナフタレン骨格のものであり、n=1〜4の化合物の合計質量を、構造式(E−1)で表される全ての化合物の全質量で除した値は0.619であった。
得られたエポキシ樹脂の軟化点は101℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は13dPa・s、エポキシ当量は529g/eq.であった。得られたエポキシ樹脂のGPCチャートを図4に、C13−NMRチャートを図5に示す。に示す。GPC分析の結果、下記構造式
Figure 0005024604
で表される構造に該当する化合物の含有率は1.1質量%であった。
実施例2 〔エポキシ樹脂(E−2)の合成〕
実施例1において、合成例2で得られたフェノール樹脂(A−2)294g(水酸基1当量)を用いた以外は実施例1と同様にして、下記構造式(E−2)
Figure 0005024604

(式中、Xはメトキシナフタレン骨格、X’はメトキシナフタレン骨格又はクレゾール骨格、Eはo−グリシジルオキシメチルフェニレン基である。)
で表される分子構造を有する化合物を主成分とするエポキシ樹脂(E−2)280gを得た。
エポキシ樹脂(E−2)は構造式(E−2)におけるn=1〜41の化合物を含有するものであった。また、エポキシ樹脂(E−2)において、前記構造式(E−2)中、n=1〜4で表される化合物は全てX’がメトキシナフタレン骨格のものであり、n=1〜4の化合物の合計質量を、構造式(E−2)で表される全ての化合物の全質量で除した値は0.424であった。
得られたエポキシ樹脂の軟化点は107℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は54dPa・s、エポキシ当量は428g/eq.であった。得られたエポキシ樹脂のGPCチャートを図6に示す。GPC分析の結果、下記構造式
Figure 0005024604
で表される構造に該当する化合物の含有率は1.9質量%であった。
比較例1 (特開2006−274236号公報実施例1の化合物の合成)
[フェノール樹脂(A−3)の合成]
温度計、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに、o−クレゾール432.4g(4.00モル)と2−メトキシナフタレン158.2g(1.00モル)と41質量%パラホルムアルデヒド179.3g(2.45モル)を仕込み、シュウ酸9.0gを加えて、100℃まで昇温し100℃で3時間反応させた。ついで、水を分留管で捕集しながら41質量%パラホルム73.2g(1.00モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、150℃まで1時間で昇温し、更に150℃で2時間反応させた。反応終了後、更にメチルイソブチルケトン1500gを加え、分液ロートに移し水洗した。次いで洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から未反応のο-クレゾールと2−メトキシナフタレン、及びメチルイソブチルケトンを加熱減圧下に除去し、下記構造式
Figure 0005024604
で表される各構造単位を交互に結合した分子構造を有するフェノール樹脂(A−3)531gを得た。得られたフェノール樹脂の軟化点は76℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は1.0dPa・s、水酸基当量は164g/eq.であった。GPC分析の結果、GPC分析の結果、フェノール樹脂(A−3)中の下記構造式
Figure 0005024604

で表される構造に該当する化合物の含有率は6.9質量%であった。
〔エポキシ樹脂(E−3)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、実施例1で得られたフェノール樹脂(A−3)を164g(水酸基1当量)、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gを仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49質量%水酸化ナトリウム水溶液90g(1.1モル)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン590gとn−ブタノール177gとを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水150gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、下記構造式
Figure 0005024604

で表される各構造単位を交互に結合した分子構造を有するエポキシ樹脂(E−3)198gを得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は58℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は1.0dPa・s、エポキシ当量は252g/eq.であった。GPC分析の結果、下記構造式(2)
Figure 0005024604

で表される構造を有する化合物の含有率は8.5質量%であった。
実施例3、4及び比較例2
エポキシ樹脂として、(E−1)及び(E−2)、比較用のエポキシ樹脂として(E−3)、フェノール樹脂として三井化学株式会社製XLC−3L(フェノールアラルキル樹脂、水酸基当量172g/eq)を用い、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)、無機充填材として球状シリカ(株式会社マイクロン製「S−COL」)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシトリエトキシキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBM−403」)、カルナウバワックス(株式会社セラリカ野田製「パール・ワックス No.1−P」)、カーボンブラックを用いて表1に示した組成で配合し、2本ロールを用いて85℃の温度で5分間溶融混練して目的の組成物を得、評価用サンプルを下記の方法で作成し難燃性を下記の方法で測定し結果を表1に示した。
<難燃性>
幅12.7mm、長さ127mm、厚み1.6mmの評価用サンプルを、トランスファー成形機を用い175℃の温度で90秒成形した後、175℃の温度で5時間後硬化して作成した。作成した試験片を用いUL−94試験法に準拠し、厚さ1.6mmの試験片5本を用いて、燃焼試験を行った。
Figure 0005024604
図1は合成例1で得られたフェノール樹脂のGPCチャート図である。 図2は合成例1で得られたフェノール樹脂のC13−NMRチャート図である。 図3は合成例2で得られたフェノール樹脂のGPCチャートである。 図4は実施例1で得られたエポキシ樹脂のGPCチャート図である。 図5は実施例1で得られたエポキシ樹脂のC13−NMRチャート図である。 図6は実施例2で得られたエポキシ樹脂のGPCチャート図である。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂(A)が、下記構造式(1)
    Figure 0005024604
    (式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を、Xはアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基、X’はアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基又はグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表し、nは繰り返し単位の平均で0〜100である。)で表される化合物(a1)及び下記構造式(2)
    Figure 0005024604
    (式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表す。)
    で表される化合物(a2)を含有するものであって、エポキシ樹脂(A)中の前記化合物(a2)の含有率が5質量%以下となる割合であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂(A)中の前記化合物(a2)の含有率が1.0〜3.5質量%である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂(A)が、前記構造式(1)中、n=1の化合物、n=2の化合物、n=3の化合物、及びn=4の化合物の合計質量を、前記構造式(1)で表される全ての化合物の全質量で除した値が0.3〜0.8となる割合で前記化合物(a1)を含有するものである請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂(A)中のEが、下記式E6〜E9から選ばれるものであり、Xが下記式B1〜B8及びB10から選ばれるものであり、X’が下記式E6〜E9下記式B1〜B8及びB10から選ばれるものである請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0005024604
    Figure 0005024604
  5. 請求項1〜4の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化反応させてなることを特徴とする樹脂硬化物。
  6. ポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)に加え、更に、無機質充填材(C)を組成物中70〜95質量%となる割合で含有する半導体封止材料であり、前記エポキシ樹脂(A)が、下記構造式(1)
    Figure 0005024604
    (式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を、Xはアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基、X’はアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基又はグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表し、nは繰り返し単位の平均で0〜100である。)で表される化合物(a1)及び下記構造式(2)
    Figure 0005024604
    (式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表す。)
    で表される化合物(a2)を含有するものであって、エポキシ樹脂(A)中の前記化合物(a2)の含有率が5質量%以下となる割合であることを特徴とする半導体封止材料。
  7. 下記構造式(1)
    Figure 0005024604
    (式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を、Xはアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基、X’はアルコキシ基含有縮合多環式芳香族炭化水素基又はグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表し、nは繰り返し単位の平均で0〜50である。)で表される化合物(a1)及び下記構造式(2)
    Figure 0005024604
    (式中、Eはグリシジルオキシ基含有芳香族炭化水素基を表す。)
    で表される化合物(a2)を含有するエポキシ樹脂であって、該エポキシ樹脂中の前記化合物(a2)の含有率が5質量%以下となる割合であることを特徴とする新規エポキシ樹脂。
  8. Eが、前記式E6〜E9から選ばれるものであり、Xが前記式B1〜B8及びB10から選ばれるものであり、X’が前記式E6〜E9、前記式B1〜B8及びB10から選ばれるものである請求項7記載の新規エポキシ樹脂。
  9. ヒドロキシ基含有芳香族系化合物(x1)とホルムアルデヒドとを仕込み、アルカリ触媒の存在下でメチロール化反応を行い、
    中和剤を用いて前記アルカリ触媒を中和した後、アルコキシ基含有縮合多環式芳香族化合物(x2)を仕込み、酸触媒下に反応させてフェノール樹脂を得、次いで、
    得られたフェノール樹脂と、エピハロヒドリンとを反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
  10. 前記ヒドロキシ基含有芳香族系化合物(x1)がクレゾールであり、アルコキシ基含有縮合多環式芳香族化合物(x2)がメトキシナフタレンである請求項9記載のエポキシ樹脂の製造方法。
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