JP4961663B2 - エポキシ樹脂組成物、その硬化物、新規エポキシ樹脂及びその製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、その硬化物、新規エポキシ樹脂及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は硬化性に優れ、得られる硬化物の難燃性、耐湿性、誘電特性等が良好であり、半導体装置や回路基板装置等の樹脂組成物として好適に用いることができるエポキシ樹脂組成物、その硬化物、及びこれに用いる新規エポキシ樹脂及びその製造方法に関する。
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に硬化時の低収縮性(寸法安定性)、電気絶縁性、耐薬品性などに優れた硬化物となるが、最近のエレクトロニクス分野や高機能塗料分野などの技術革新やダイオキシン問題を代表とする環境問題に対応するために、従来よりも優れた難燃性、耐湿性、誘電特性などの特性が強く求められおり、例えば、低弾性率で耐クラック性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物として、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂が、半導体封止材料の分野で広く使用されている。該樹脂は結晶性を有し、低粘度であるが故に90%程度ものフィラーの高充填率化が可能としており、難燃性、耐湿性といった特性発現には、このフィラーの高充填率化の寄与が大きい。しかしながら、該組成物を用いたエポキシ樹脂硬化物でも、現在の厳しい要求に適用できるに十分な性能はもたず、更に高いレベルの難燃性、耐湿性、誘電特性などの諸特性も向上が求められている。
これらの要求に対し、低吸水性、低弾性率、低溶融粘度を与えるエポキシ樹脂組成物を与える硬化剤として、例えば、4,4’−ヒドロキシビフェニル骨格にアリールアルキル基を導入した化合物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。該化合物は、ビフェニル骨格にアリールアルキル基を導入することで、エポキシ樹脂との相溶性に優れ、低溶融粘度で低吸湿性、低弾性率といった特性を付与できる旨が記載されている。しかしながら、架橋点となる水酸基近傍に立体障害の大きいアリールアルキル基を導入しているために硬化性が劣り、実用レベルではない。
特開2003−096011号公報(第3〜6頁)
上記実状に鑑み、本発明は、従来品を遥かに凌駕する優れた硬化性を有し、得られる硬化物の難燃性、誘電特性等も良好であるエポキシ樹脂組成物、その硬化物、及びこれに好適に用いることができる新規エポキシ樹脂及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するため、前記の特性に優れるエポキシ樹脂を求めて鋭意研究した結果、下記特定の構造を有するエポキシ樹脂を用いるエポキシ樹脂組成物の硬化性が優れること、該エポキシ樹脂組成物を用いて得られる硬化物の難燃性、誘電特性、耐湿性等が良好であること、また、3,3’,5,5’−位に置換基を有する4置換4,4’−ジヒドロキシビフェニルは、ヒドロキシ基に対して通常不活性であると考えられるメタ位のみにしか空位であるにもかかわらず、アルールアルキル基を導入することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)
Figure 0004961663

[式中、Ar、Ar、Ar、Arは各々独立に、フェニレン基、ナフチレン基であり、R、R、R、Rは各々独立に、メチル、ターシャリーブチル、メトキシ、ブトキシであり、R、R、R、R、R、R10、R11、R12は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、Xは直接結合であり、R13、R14は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、n、n、n、nは繰り返し数を示し、各々独立に0〜10の整数であって、且つn+n+n+n≧1である。]で表されるエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供するものである。
更に、本発明は、下記一般式(1)
Figure 0004961663
[式中、Ar、Ar、Ar、Arは各々独立に、フェニレン基、ナフチレン基であり、R、R、R、Rは各々独立に、メチル、ターシャリーブチル、メトキシ、ブトキシであり、R、R、R、R、R、R10、R11、R12は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、Xは直接結合であり、R13、R14は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、n、n、n、nは繰り返し数を示し、各々独立に0〜10の整数であって、且つn+n+n+n≧1である。]で表される新規エポキシ樹脂を提供するものである。
また更に、本発明は、下記一般式(2)
Figure 0004961663

(式中、R、R、R、Rは各々独立に、メチル、ターシャリーブチル、メトキシ、ブトキシでありであり、Xは直接結合である。)で表される3,3’,5,5’位に置換基を有する2価フェノール化合物(a1)と、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ベンジルイソプロピルエーテル、ベンジルn−プロピルエーテル、ベンジルイソブチルエーテル、ベンジルn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、2−ナフチルカルビノール、及び、スチレンからなる群から選択される化合物である芳香族系変性剤(a2)とを反応させて変性2価フェノール化合物を得た後、エピハロヒドリン類(a3)と反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法をも提供するものである。
本発明によれば、硬化性に優れ、得られる硬化物の難燃性、耐湿性、誘電特性等が良好なエポキシ樹脂組成物及びその硬化物が提供できる。更に、該エポキシ樹脂組成物に好適に用いることができる新規エポキシ樹脂、及びその製造方法を提供できる。それから得られるエポキシ樹脂硬化物は、先端半導体パッケ−ジ基板などの高周波デバイスが要求する高度なレベルに対応できるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の新規エポキシ樹脂である下記一般式(1)
Figure 0004961663
[式中、Ar、Ar、Ar、Arは各々独立に、フェニレン基、ナフチレン基であり、R、R、R、Rは各々独立に、メチル、ターシャリーブチル、メトキシ、ブトキシであり、R、R、R、R、R、R10、R11、R12は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、Xは直接結合であり、R13、R14は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、n、n、n、nは繰り返し数を示し、各々独立に0〜10の整数であって、且つn+n+n+n≧1である。]で表されるエポキシ樹脂(A)を用いることを必須とする。
これらの中でも、工業的入手が容易な原料から合成可能である点から、前記一般式(1)中のR、R、R、Rが同一でも異なっていても良い炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、得られる硬化物の難燃性に優れる点から、前記一般式(1)中のR、R、R、Rがメチル基であることが好ましい。
更に、前記一般式(1)中のAr、Ar、Ar、Arベンゼン骨格であることが、工業的入手が容易な原料から合成可能であり、且つより低粘度のエポキシ樹脂となる点から好ましい。尚、前記一般式(1)中のAr、Ar、Ar、Arが同一であっても異なっていても良いが、更に、各芳香環を含む繰り返し数n、n、n、n中の全ての構造が同一である必要はなく、例えば、構造の異なる芳香環が置換基を有していてもよいメチレン基によって連結している構造であっても良い。これらの中でも、特に平均付加数が1〜3であるものが、架橋密度が適当であり、得られる硬化物の物性バランスに優れる点から好ましいものである。
又更に、前記一般式(1)中のR、R、R、R、R、R10、R11、R12が水素原子であることが、工業的入手が容易である原料から合成可能である点、及び得られる硬化物の物性バランスに優れる点から好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量としては、特に限定されるものではないが、200〜1,000g/eq.の範囲であることが、硬化性により優れるエポキシ樹脂組成物が得られる点から好ましいものである。また、その溶融粘度としては、後述する無機充填材の配合量を高められる点から、150℃でのICIコーン/プレート粘度計法による値が5dPa・s以下であることが好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、工業的に生産可能である点から、本発明の製造方法によって合成する方法が好ましい。
以下、本発明の製造方法について記載する。
本発明のエポキシ樹脂の製造方法は、下記一般式(3)
Figure 0004961663

(式中、R、R、R、Rは各々独立に、メチル、ターシャリーブチル、メトキシ、ブトキシでありであり、Xは直接結合である。)で表される3,3’,5,5’位に置換基を有する2価フェノール化合物(a1)と、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ベンジルイソプロピルエーテル、ベンジルn−プロピルエーテル、ベンジルイソブチルエーテル、ベンジルn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、2−ナフチルカルビノール、及び、スチレンからなる群から選択される化合物である芳香族系変性剤(a2)とを反応させて変性2価フェノール化合物を得た後、エピハロヒドリン類(a3)と反応させることを特徴とする。
前記2価フェノール化合物(a1)として好ましいものは、例えば、Xが直接結合の場合、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノール、3,3’−ジターシャリーブチル−5,5’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラターシャリーブチルビフェニル−4,4’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメトキシビフェニル−4,4’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラブトキシビフェニル−4,4’−ジオール等が挙げられる。
芳香族系変性剤(a2)としては、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ベンジルイソプロピルエーテル、ベンジルn−プロピルエーテル、ベンジルイソブチルエーテル、ベンジルn−ブチルエーテル;ベンジルアルコール、2−ナフチルカルビノール;スチレン等が挙げられる。
前記2価フェノール化合物(a1)と前記芳香族系変性剤(a2)との割合としては、得られる硬化物の物性バランスに優れる点から、前記2価フェノール化合物(a1)と芳香族系変性剤(a2)との反応比率(a1)/(a2)が1/0.1〜1/10(モル比)であることが好ましく、特に前記比率として1/0.1〜1/5であることが好ましい。
前記2価フェノール化合物(a1)と前記芳香族系変性剤(a2)との反応としては、酸触媒存在下で行うことが望ましい。使用可能な酸触媒としては、前記芳香族系変性剤(a2)の種類によっても異なるが、リン酸、硫酸、塩酸などの無機酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸などの有機酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化第2錫、塩化第2鉄、ジエチル硫酸などのフリーデルクラフツ触媒を単独または併用して用いることができる。
また、酸触媒は目標とする変性率などにより、その種類及び使用量を選択すればよく、特に限定されるものではないが、例えば無機酸や有機酸の場合は2価フェノール化合物(a1)100重量部に対し、0.001〜5.0重量部、好ましくは0.01〜3.0重量部であり、フリーデルクラフツ触媒の場合は2価フェノール化合物(a1)1モルに対し、0.2〜3.0モル、好ましくは0.5〜2.0モル使用するのが好ましい。
前記芳香族系変性剤(a1)による反応は、用いる2価フェノール化合物(a1)に応じて、無溶媒下または均一溶液を形成する可溶性溶媒下に行うことができる。上記可溶性溶媒としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールやジエチレングリコールのモノ又はジエーテル、ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシドのような非プロトン性極性溶媒、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどを挙げることができる。
また、これらの有機溶剤は単独で、あるいは数種類を混合して用いることが出来る。このような可溶性溶媒を使用することにより、安定的に芳香族系変性剤(a2)によって変性された変性2価フェノール化合物を得ることができる。
前記反応は無溶媒下、または前記可溶性溶媒下に、2価フェノール化合物(a1)と、前記芳香族系変性剤(a2)と、前記酸触媒を溶解させ、60〜180℃、好ましくは80〜160℃程度の温度で、1〜10時間程度維持することによって行うことができる。
また、反応中に生成するハロゲン化水素、水、或いはアルコール類などを系外に分留管などを用いて留去することは、反応を速やかに行う上で好ましい。
また、得られる変性2価フェノール化合物の着色が大きい場合は、それを抑制するために、酸化防止剤や還元剤を添加しても良い。酸化防止剤としては特に限定されないが、例えば2,6−ジアルキルフェノール誘導体などのヒンダードフェノール系化合物や2価のイオウ系化合物や3価のリン原子を含む亜リン酸エステル系化合物などを挙げることができる。還元剤としては特に限定されないが、例えば次亜リン酸、亜リン酸、チオ硫酸、亜硫酸、ハイドロサルファイトまたはこれら塩などが挙げられる。
反応終了後は、酸触媒を中和処理、水洗処理あるいは分解することにより除去し、抽出、蒸留などの一般的な操作により、目的とする変性2価フェノール化合物を分離することができる。中和処理や水洗処理は常法にしたがって行えばよく、なんら限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、トリエチレンテトラミン、アニリン等の塩基性物質を中和剤として用いることができる。
前記手法で得られる変性2価フェノール化合物は、アリールアルキル基の数及び/又はその結合位置の異なる2種以上の混合物であり、そのまま後述するエピハロヒドリン類(a3)との反応に使用することができるが、必要に応じてさらに蒸留等の分別操作を加え、各成分あるいはより成分数の少ない混合物に分離することもできる。
前記で得られた変性2価フェノール化合物とエピハロヒドリン類(a3)とを反応させることによって、エポキシ樹脂を得ることができる。
ここで用いることができるエピハロヒドリン類(a3)としては、特に限定されるものではなく、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、β−メチルエピブロムヒドリン等が挙げられ、工業的入手が容易である点から、エピクロルヒドリンを用いることが好ましい。
変性2価フェノール化合物とエピハロヒドリン類(a3)との反応を行う条件としては特に限定されるものではなく、種々の方法に準じて行うことが出来る。例えば、前記で得られた変性2価フェノール化合物中のフェノール性水酸基1モルに対し、エピハロヒドリン類(a3)を2〜10モル添加し、この混合物に、前記水酸基1モルに対し0.9〜2.0モルの塩基性触媒を一括添加または徐々に添加しながら、20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させる方法が挙げられる。前記塩基性触媒としては、固形でもその水溶液を使用してもよく、水溶液を使用する場合は、連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類(a3)を留出せしめ、更に分液して水は除去しエピハロヒドリン類(a3)は反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
なお、工業生産を行う際は、エポキシ樹脂生産の初バッチでは用いるエピハロヒドリン類(a3)の全てを新しいものを使用するが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリン類(a3)と、反応で消費される分及び消失する分に相当する新しいエピハロヒドリン類(a3)とを併用することが好ましい。
また、前記塩基性触媒としても特に限定されないが、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。使用に際しては、前述のようにこれらのアルカリ金属水酸化物を10〜55重量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。
また、有機溶媒を併用することにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。前記有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜二種以上を併用してもよい。
この反応で得られる反応物は、引き続き、水洗後、加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハロヒドリン類(a3)や併用する有機溶媒を留去することによって精製できる。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られた反応物を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いる反応物(粗エポキシ樹脂)に対して0.1〜3.0重量%の範囲が好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより高純度のエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明で用いる硬化剤(B)としては、種々のエポキシ樹脂用の硬化剤を使用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などの種々の硬化剤を用いることができる。具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(通称、ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミンやベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物、及びこれらの変性物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
これらの中でも、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂が難燃性に優れることから好ましく、特に芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂等の水酸基を有さない芳香環を含む連結基によって水酸基を有する芳香環が連結された構造を含有する多価芳香族化合物であることが特に難燃性に優れる点から好ましい。
また、前述の変性2価フェノール化合物、即ち
下記一般式(2)
Figure 0004961663

[式中、Ar、Ar、Ar、Arは各々独立に、フェニレン基、ナフチレン基であり、R、R、R、Rは各々独立に、メチル、ターシャリーブチル、メトキシ、ブトキシであり、R、R、R、R、R、R10、R11、R12は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、Xは直接結合であり、R13、R14は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、n、n、n、nは繰り返し数を示し、各々独立に0〜10の整数であって、且つn+n+n+n≧1である。]
で表される変性2価フェノール化合物を硬化剤として用いることも出来、硬化性に優れ、且つ、難燃性、低誘電特性等に優れる硬化物が得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを用いる以外に何ら制限されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲において、前記エポキシ樹脂(A)以外の種々のエポキシ樹脂を併用することができる。他のエポキシ樹脂を併用して用いる場合には、前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ樹脂全体に占める割合としては、30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
併用できるその他のエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。またこれらのその他のエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。これらのエポキシ樹脂の中でも、特に低粘度である点では、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂が好ましく、難燃性に優れる点では、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)との配合量としては、特に制限されるものではないが、得られる硬化物の機械的物性等が良好である点から、エポキシ樹脂(A)を含むエポキシ樹脂中のエポキシ基の合計1当量に対して、前記硬化剤(B)中の活性基が0.7〜1.5当量になる量が好ましい。
また、必要に応じて本発明のエポキシ樹脂組成物に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂(A)自身が難燃性を有するものである事から、硬化物の難燃性を付与させるために従来用いられている難燃剤を配合しなくても、得られる硬化物の難燃性が良好であるが、より高度な難燃性を発揮させるために、封止工程での成形性や半導体装置の信頼性を低下させない範囲で、非ハロゲン系難燃剤(C)を配合することが好ましく、この時は実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃性エポキシ樹脂組成物となる。
ここでいう実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃性エポキシ樹脂組成物とは、難燃性付与の目的でハロゲン系の化合物を配合しなくても充分な難燃性を示す樹脂組成物を意味するものであり、例えばエポキシ樹脂に含まれるエピハロヒドリン由来の5000ppm以下程度の微量の不純物によるハロゲン原子は含まれていても良い。
前記非ハロゲン系難燃剤(C)としては、塩素や臭素などのハロゲン原子を実質的に含有しない化合物であって、難燃剤、或いは難燃助剤としての機能を有するものであれば何等制限されるものではなく、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、燐原子を含有する化合物であれば、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていてもよい赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
前記赤リンの表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等があり、(i)〜(iii)の何れの方法で処理されたものも使用できる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等が挙げられる。
前記リン酸エステル化合物としての具体例としては、トリフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジ2、6−キシレノールホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジクレジルホスフェート)、レゾルシニルジフェニルホスフェート等が挙げられる。
前記ホスホン酸化合物の具体例としては、フェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、特開2000−226499号公報に記載のホスホン酸金属塩等が挙げられる。
前記ホスフィン酸化合物の具体例としては、ジフェニルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、特開2001−55484号公報に記載の化合物、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5−ジヒドロオキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
前記ホスフィンオキシド化合物の具体例としては、トリフェニルホスフィンオキシド、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド、ジフェニルホスフィニルハイドロキノン、特開2000−186186号公報、特開2002−080484号公報、特開2002−097248号公報等に記載の化合物等が挙げられる。
前記ホスホラン化合物の具体例としては、特開2000−281871号公報記載の化合物等が挙げられる。
有機系窒素含有リン化合物としては、特開2002−60720号公報、特開2001−354686号公報、特開2001−261792号、公報特開2001−335703号公報、特開2000−103939号公報等に記載のホスファゼン化合物類等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0重量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0重量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0重量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する方法としても特に制限されるものではなく、例えば、特開2002−080566号公報、特開2002−053734号公報、特開2000−248156号公報、特開平9−235449号公報等に記載のハイドロタルサイトの併用、特開2001−329147号公報等に記載の水酸化マグネシウムの併用、特開2002−23989号公報、特開平2001−323134号公報等に記載のホウ化合物の併用、特開平2002−069271号公報等に記載の酸化ジルコニウムの併用、特開2001−123047号公報等に記載の黒色染料の併用、特開2000−281873号公報等に記載の炭酸カルシウムの併用、特開2000−281873号公報等に記載のゼオライトの併用、特開2000−248155号公報等に記載のモリブデン酸亜鉛の併用、特開2000−212392号公報等に記載の活性炭の併用、特開2002−348440号公報、特開2002−265758号公報、特開2002−180053号公報
、特開2001−329147号公報、特開2001−226564号公報、特開平11−269345号公報等に記載の表面処理方法等、従来の方法が適用できる。
前記窒素系難燃剤としては、窒素原子を含有する化合物であれば特に制限されるものではなく、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物の具体例としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等、及びその誘導体が挙げられ、前記誘導体としては、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記イソシアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、トリス(β−シアノエチル)イソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸、モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸等を挙げることができる。
また前記窒素原子を含有する化合物に、−OH、−NH2、−NCO、−COOH、−CHO、−SH、メチロール、アクリレート、メタクリレート、シリル、グリシジル基又はエポキシ基等の官能基を有していてもよい。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.05〜10重量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5重量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する方法としても特に制限されるものではなく、例えば、特開2001−234036号公報等に記載の金属水酸化物の併用、特開2002−003577号公報、特開2001−098144号公報等に記載のモリブデン化合物の併用等、従来の方法が適用できる。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーンオイルの具体例としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル等を挙げることができる。
前記シリコーンゴムの具体例としては、例えば、メチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム等を挙げることができる。
前記シリコーン樹脂の具体例としては、例えば、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、フェニルシリコーン等を挙げることができる。
また前記ケイ素原子を含有する有機化合物としては、−OH、−NH2、−NCO、−COOH、−CHO、−SH、メチロール、アクリレート、メタクリレート、シリル、グリシジル基又はエポキシ基等の官能基を有していてもよい。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.05〜20重量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記シリコーン系難燃剤を使用する方法としても特に制限されるものではなく、例えば、特開2001−011288号公報等に記載のモリブデン化合物の併用、特開平10−182941号公報等に記載のアルミナの併用等、従来の方法が適用できる。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、特開2002−212391号公報、特開2001−335681号公報、特開2001−323050号公報等に記載の複合金属水酸化物等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO2−MgO−H2O、PbO−B2O3系、ZnO−P2O5−MgO系、P2O5−B2O3−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V2O5−TeO2系、Al2O3−H2O系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.05〜20重量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15重量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記無機難燃剤を使用する方法としても特に制限されるものではなく、例えば、特開2001−226564号公報等に記載の比表面積を制御する方法、特開2000−195995号公報、特開2000−191886号公報、特開2000−109647号公報、特開2000−053876号公報等に記載の形状や粒径、粒度分布を制御する方法、特開2001−323050号公報、特開2000−095956号公報、特開平10−279813号公報、特開平10−251486号公報等に記載の表面処理を行う方法、特開2002−030200号公報、特開2001−279063号公報等に記載の硝酸金属塩の併用、特開2001−049084号公報等に記載のホウ酸亜鉛の併用、特開2000−195994号公報等に記載の無機粉末の併用、特開2000−156437号公報等に記載のブタジェンゴムの併用、特開2000−053875号公報等に記載の高酸価ポリエチレンワックス及び長鎖アルキルリン酸エステル系化合物の併用等、従来の方法が適用できる。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記アセチルアセトナート金属錯体の具体例としては、例えば、特開2002−265760号公報に記載の化合物を挙げることができる。
前記有機金属カルボニル化合物の具体例としては、例えば、特開2002−371169号公報に記載の化合物を挙げることができる。
前記有機コバルト塩化合物の具体例としては、例えば、コバルトナフテン酸錯体、コバルトエチレンジアミン錯体、コバルトアセトアセトナート錯体、コバルトピペリジン錯体、コバルトシクロヘキサンジアミン錯体、コバルトテトラアザシクロテトラドデカン錯体、コバルトエチレンジアミン四酢酸錯体、コバルトテトラエチレングリコール錯体、コバルトアミノエタノール錯体、コバルトシクロヘキサジアミン錯体、コバルトグリシン錯体、コバルトトリグリシン錯体、コバルトナフチジリン錯体、コバルトフェナントロリン錯体、コバルトペンタンジアミン錯体、コバルトピリジン錯体、コバルトサリチル酸錯体、コバルトサリチルアルデヒド錯体、コバルトサリチリデンアミン錯体、コバルト錯体ポリフィリン、コバルトチオ尿素錯体等を挙げることができる。
前記有機スルホン酸金属塩の具体例としては、例えば、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム等を挙げることができる。
前記金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物の具体例としては、例えば、特開2002−226678号公報に記載の化合物を挙げることができる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.005〜10重量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填材の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、エポキシ樹脂組成物の全体量に対して65重量%以上が特に好ましい。また導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤、更に必要により硬化促進剤の配合された本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の使用用途としては、プリント基板用、電子部品の封止材用、レジストインキ用、導電ペースト用、層間絶縁材料用用いられる樹脂組成物、樹脂注型材料、接着剤、絶縁塗料等のコーティング材料等が挙げられ、これらの中でも、半導体封止材料、プリント回路基板用に好適に用いることができ、半導体装置、回路基板装置としてその硬化物を使用することが好ましい。
半導体封止材用に調製されたエポキシ樹脂組成物を作製するためには、エポキシ樹脂と硬化剤、充填剤等の配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合して溶融混合型のエポキシ樹脂組成物を得ればよい。その際、充填剤としては、通常シリカが用いられるが、その充填率はエポキシ樹脂組成物100重量部当たり、充填剤を30〜95重量%の範囲が用いることが好ましく、中でも、難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図るためには、70重量部以上が特に好ましく、それらの効果を格段に上げるためには、80重量部以上が一層その効果を高めることができる。
半導体パッケージ成形とは、該組成物を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50〜200℃で2〜10時間に加熱することにより成形物を得ることができる。
プリント基板用プリプレグ用樹脂組成物とするには、該樹脂組成物の粘度によっては無溶媒で用いることもできるが、有機溶剤を用いてワニス化することでプリプレグ用樹脂組成物とすることが好ましい。前記有機溶剤としては、アルコール性水酸基を含有しないメチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤を用いることが好ましく、単独でも2種以上の混合溶剤としても使用することができる。
得られた該ワニスを、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などの各種補強基材に含浸し、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得ることができる。この時用いる樹脂組成物と補強基材の重量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60重量%となるように調整することが好ましい。
銅張り積層板用樹脂組成物を得るには、上記プリプレグ用樹脂組成物とする方法と同じであり、得られたプリプレグを、例えば特開平7−41543号公報に記載されているように積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜250℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、銅張り積層板を得ることができる。
レジストインキとして使用する場合には、例えば特開平5−186567号公報に記載の方法に準じて、レジストインキ用組成物とした後、スクリーン印刷方式にてプリント基板上に塗布した後、レジストインキ硬化物とする方法が挙げられる。
導電ペーストとして使用する場合には、例えば、特開平3−46707号公報に記載の微細導電性粒子を該樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、特開昭62−40183号公報、特開昭62−76215号公報、特開昭62−176139号公報などに開示されているような室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
ビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては特に限定されないが、例えば特公平4−6116号公報、特開平7−304931号公報、特開平8−64960号公報、特開平9−71762号公報、特開平9−298369号公報などに記載の各種方法を採用できる。より具体的には、ゴム、フィラーなどを適宜配合した当該樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
本発明の硬化物を得る方法としては、一般的なエポキシ樹脂組成物の硬化方法に準拠すればよく、例えば加熱温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよいが、上記方法によって得られた組成物を、室温〜250℃程度の温度範囲で加熱すればよい。成形方法などもエポキシ樹脂組成物の一般的な方法を用いることができ、特に本発明のエポキシ樹脂組成物に特有の条件は不要である。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り重量基準である。尚、150℃における溶融粘度及び軟化点測定、GPC測定、NMR、MSスペクトルは以下の条件にて測定した。
1)150℃における溶融粘度:ASTM D4287に準拠2)軟化点測定法:JIS K72343)GPC:・装置:東ソー株式会社製 HLC−8220 GPC、カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL G2000HXL+G2000HXL+G3000HXL+G4000HXL・溶媒:テトラヒドロフラン・流速:1ml/min・検出器:RI4)NMR:日本電子株式会社製 NMR GSX2705)MS :日本電子株式会社製 二重収束型質量分析装置 AX505H(FD505H)
合成例1 〔変性2価フェノール化合物の合成〕 温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、下記構造式
Figure 0004961663

で表される4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル242g(1.0モル)、ベンジルアルコール432g(4.0モル)を仕込み、室温下、窒素を吹き込みながら撹拌した。メタンスルホン酸10gを発熱に注意しながら添加した。
その後油浴中で150℃まで加熱し、分留管を用いて生成する水を抜き出した後、更に5時間反応させた。反応終了後、更にメチルイソブチルケトン1400gを加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から溶媒を加熱減圧下に除去し、下記構造式
Figure 0004961663
で表される変性2価フェノール化合物579gを得た。得られたフェノール化合物は褐色固体であり、水酸基当量は305g/eq、軟化点は78℃、ICI粘度は1.3dPa.sであった。
13C−NMRチャートの結果より、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルの水酸基に対する全メタ位へのベンジル基導入率は61%、即ち、前記構造式において平均して、n+n+n+n=2.4個がベンジル基導入された構造となっていることが解析された。
FD−MSチャートの結果より、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルの分子量(Mw:242)に、ベンジル基分の分子量(Mw:90)が1個(332)、2個(422)、3個(512)、4個(602)、5個(692)、6個(782)、・・・付いたピークが確認されていることから、生成したベンジル基に更にベンジル基が導入されていることも確認した。
実施例1 〔エポキシ樹脂(A−1)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、合成例1で得られた変性2価フェノール化合物305g、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gを仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液90g(1.1モル)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。
その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン590gとn−ブタノール177gとを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水150gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、下記構造式
Figure 0004961663
で表される本発明のエポキシ樹脂(A−1)356gを得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は64℃、150℃の溶融粘度は1.0dPa・s、エポキシ当量は410g/eqであった。
また、FD−MSチャートの結果より、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルの分子量(Mw:242)とエポキシ基2個分の分子量(Mw:112)に、ベンジル基分の分子量(Mw:90)が1個(444)、2個(534)、3個(624)、4個(714)、5個(804)、6個(894)・・・付いたピークを確認した。
合成例2 〔変性2価フェノール化合物の合成〕
合成例1において、ベンジルアルコール432g(4.0モル)をベンジルメチルエーテル244g(2.0モル)に変更する以外は合成例1と同様にして、変性2価フェノール化合物413gを得た。得られたフェノール化合物は褐色固体であり、水酸基当量は213g/eq、軟化点は63℃、ICI粘度は0.8dPa・sであった。
式中、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルの水酸基に対する全メタ位へのベンジル基導入率は42%、即ち、前記構造式において平均して、n1+n2+n3+n4=1.7個がベンジル基導入された構造となる。
FD−MSチャートの結果より、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルの分子量(Mw:242)に、ベンジル基分の分子量(Mw:90)が1個(332)、2個(422)、3個(512)、4個(602)、・・・付いたピークを確認した。
実施例2 〔エポキシ樹脂(A−2)の合成〕
実施例1において、合成例1で得られた変性2価フェノール化合物305gを合成例2で得られた変性2価フェノール化合物213gに変更する以外は実施例1と同様にして、本発明のエポキシ樹脂(A−2)261gを得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は52℃、150℃の溶融粘度は0.5dPa・s、エポキシ当量は295g/eqであった。
比較例1 〔変性2価フェノール化合物(B’−1)の合成〕
合成例1において、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル242g(1.0モル)を4,4’−ジヒドロキシビフェニル186g(1.0モル)に変更する以外は、合成例1と同様にして、比較用変性2価フェノール化合物(B’−1)253gを得た。得られたフェノール化合物(B’−1)は褐色固体であり、水酸基当量は191g/eq、軟化点は66℃、ICI粘度は0.5dPa・sであった。
比較例2 〔エポキシ樹脂(A’−1)の合成〕
実施例1において、合成例1で得られた変性2価フェノール化合物305gを比較例1で得られた変性2価フェノール化合物(B’−1)191gに変更する以外は実施例1と同様にして、比較用エポキシ樹脂(A’−1)240gを得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は52℃、150℃の溶融粘度は0.5dPa・s、エポキシ当量は272g/eqであった。
実施例3〜4と比較例1〜5
エポキシ樹脂として、上記で得られたエポキシ樹脂(A−1)、(A−2)、(A’−1)、ジャパンエポキシレジン株式会社製YX−4000H(テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量:188g/eq)、日本化薬株式会社製NC−3000(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量:274g/eq)、大日本インキ化学工業株式会社製N−665−EXP(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:203g/eq)、硬化剤として上記で得られた変性2価フェノール化合物((A’−1)、及び三井化学株式会社製ミレックスXLC−LL(フェノールアラルキル樹脂 水酸基当量:176g/eq)を用い、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)、無機充填材として球状シリカ(株式会社マイクロン製S−COL)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシトリエトキシキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM−403)、カルナウバワックス(株式会社セラリカ野田製PEARL WAX No.1−P)、カーボンブラックを用いて表1に示した組成で配合し、2本ロールを用いて85℃の温度で5分間溶融混練してエポキシ樹脂組成物を得た。硬化物の物性は、上記組成物を用いて、評価用サンプルを下記の方法で作成し、難燃性、誘電特性を下記の方法で測定し結果を表1に示した。
ゲルタイム: エポキシ樹脂組成物0.15gを175℃に加熱したキュアプレート(THERMO ELECTRIC社製)上に載せ、ストップウォッチで計時を開始する。
棒の先端にて試料を均一に攪拌し、糸状に試料が切れてプレートに残るようになった時、ストップウォッチを止める。この試料が切れてプレートに残るようになるまでの時間をゲルタイムとした。
難燃性 幅12.7mm、長さ127mm、厚み1.6mmの評価用サンプルを、トランスファー成形機を用い175℃の温度で90秒成形した後、175℃の温度で5時間後硬化して作成した。作成した試験片を用いUL−94試験法に準拠し、厚さ1.6mmの試験片5本を用いて、燃焼試験を行った。
誘電特性の測定 幅25mm、長さ75mm、厚み2.0mmの評価用サンプルを、トランスファー成形機を用い175℃の温度で90秒成形した後、175℃の温度で5時間後硬化して作成した。作成した試験片を用い、JIS−C−6481に準拠した方法により、アジレント・テクノロジー株式会社製インピーダンス・マテリアル・アナライザ「HP4291B」により、絶乾後、23℃、湿度50%の室内に24時間保管した後の硬化物の周波数100MHzにおける誘電率と誘電正接を測定した。
Figure 0004961663
表1の脚注: *1:1回の接炎における最大燃焼時間(秒) *2:試験片5本の合計燃焼時間(秒) 自消:V−1に要求される難燃性(ΣF≦250秒且つFmax≦30秒)は満たさないが、燃焼(炎のクランプ到達)には至らず消火。
実施例1で得られたエポキシ樹脂のGPCチャートである。 実施例1で得られたエポキシ樹脂の13C−NMRスペクトルである。 実施例1で得られたエポキシ樹脂のマススペクトルである。

Claims (18)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004961663
    [式中、Ar、Ar、Ar、Arは各々独立に、ェニレン基、ナフチレン基であり、R、R、R、Rは各々独立に、メチル、ターシャリーブチル、メトキシ、ブトキシであり、R、R、R、R、R、R10、R11、R12は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、Xは直接結合であり、R13、R14は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、n、n、n、nは繰り返し数を示し、各々独立に0〜10の整数であって、且つn+n+n+n≧1である。]で表されるエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記一般式(1)中のR、R、R、Rがメチル基である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記一般式(1)中のAr、Ar、Ar、Arがベンゼン骨格である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記一般式(1)中のR、R、R、R、R、R10、R11、R12が水素原子である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が200〜1,000g/eq.の範囲である請求項1〜4の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 硬化剤(B)が芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、及びアミノトリアジン変性フェノール樹脂からなる群から選ばれる1種以上である請求項5記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 硬化剤(B)が下記一般式(2)
    Figure 0004961663
    [式中、Ar、Ar、Ar、Arは各々独立に、フェニレン基、ナフチレン基であり、R、R、R、Rは各々独立に、メチル、ターシャリーブチル、メトキシ、ブトキシであり、R、R、R、R、R、R10、R11、R12は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、Xは直接結合であり、n、n、n、nは繰り返し数を示し、各々独立に0〜10の整数であって、且つn+n+n+n≧1である。]で表される変性2価フェノール化合物である請求項記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 更に非ハロゲン系難燃剤(C)を含有する請求項6又は7記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 電子部品の封止材用である請求項6又は7記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. プリント基板用である請求項6又は7記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. レジストインキ用である請求項6又は7記載のエポキシ樹脂組成物。
  12. 導電ペースト用である請求項6又は7記載のエポキシ樹脂組成物。
  13. 層間絶縁材料用である請求項6又は7記載のエポキシ樹脂組成物。
  14. 請求項1〜13の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られたものであることを特徴とする硬化物。
  15. 下記一般式(1)
    Figure 0004961663
    [式中、Ar、Ar、Ar、Arは各々独立に、フェニレン基、ナフチレン基であり、R、R、R、Rは各々独立に、メチル、ターシャリーブチル、メトキシ、ブトキシであり、R、R、R、R、R、R10、R11、R12は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、Xは直接結合であり、R13、R14は各々独立に、水素原子或いはメチル基であり、n、n、n、nは繰り返し数を示し、各々独立に0〜10の整数であって、且つn+n+n+n≧1である。]で表されることを特徴とする新規エポキシ樹脂。
  16. 前記一般式(1)中のR、R、R、R各々独立にメチル、ターシャリーブチルであり、Ar、Ar、Ar、Arがフェニレン基であり、R、R、R、R、R、R10、R11、R12が水素原子であり、且つエポキシ当量が200〜1,000g/eq.の範囲である請求項15記載の新規エポキシ樹脂。
  17. 下記一般式(3)
    Figure 0004961663
    (式中、R、R、R、Rは各々独立に、メチル、ターシャリーブチル、メトキシ、ブトキシでありであり、Xは直接結合である。)で表される3,3’,5,5’位に置換基を有する2価フェノール化合物(a1)と、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ベンジルイソプロピルエーテル、ベンジルn−プロピルエーテル、ベンジルイソブチルエーテル、ベンジルn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、2−ナフチルカルビノール、及び、スチレンからなる群から選択される化合物である芳香族系変性剤(a2)とを反応させて変性2価フェノール化合物を得た後、エピハロヒドリン類(a3)と反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
  18. 前記2価フェノール化合物(a1)と芳香族系変性剤(a2)との反応比率(a1)/(a2)が1/0.1〜1/10(モル比)である請求項17記載のエポキシ樹脂の製造方法。
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