JPWO2015080059A1 - 液状エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

耐熱性に優れた硬化物が得られる低粘度の液状エポキシ樹脂組成物を提供する。本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、(A)グリシジルエーテル化合物と、(B)フェノール樹脂系硬化剤とを含み、(A)グリシジルエーテル化合物が25℃において液体であり、炭素−塩素結合を実質的に含まず、かつ(B)フェノール樹脂系硬化剤が25℃において固体であることを特徴とする。

Description

本発明は液状エポキシ樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、本発明はグリシジルエーテル化合物及びフェノール系硬化剤を含む低粘度の液状エポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は電気絶縁性、耐熱性、耐湿性、寸法安定性などの諸物性に優れる点から、半導体封止材、プリント回路基板、ビルドアップ基板、レジストインキなどの電子部品、導電ペーストなどの導電性接着剤及びその他接着剤、アンダーフィルなどの液状封止材、液晶シール材、フレキシブル基板用カバーレイ、ビルドアップ用接着フィルム、複合材料用マトリックス、塗料、フォトレジスト材料、顕色材料などで広く用いられている。これらの中でも半導体及びプリント配線基板などのエレクトロニクス材料分野においては、これらの分野における技術革新に伴って封止材、基板材料などへの高性能化の要求が高まっている。
例えばアンダーフィル材などの液状封止材に用いられる樹脂に対しては、機器の小型化・高集積化に伴い、微細部品への充填性を高める目的で低粘度化が求められている。また半導体封止材、導電性接着剤などにおいても、フィラー量の増大による耐熱性・寸法安定性の向上、あるいは導電性フィラー高充填による低抵抗化を目的として、樹脂組成物の低粘度化への要求は大きい。これらの用途では、さらに高耐熱性も必須条件であるため、樹脂は耐熱性と低粘度を両立することが必要となる。
樹脂組成物の低粘度化には、低分子量のエポキシ化合物を反応性希釈剤として添加する方法が一般的である。しかし一官能又は二官能のエポキシ化合物を添加する方法では、樹脂の架橋密度が低下するため、硬化物の耐熱性は大きく低下してしまう。一方で三官能以上のエポキシ化合物は、合成時に原料となる多価アルコールとエピクロロヒドリンとの反応により生じた開環付加生成物がポリマー化しやすいため、分子量分布が広く、官能基数が多いにも関わらず硬化物のガラス転移温度が著しく低下することが知られている。
一方、エポキシ樹脂の硬化剤としては、アミン化合物、フェノール樹脂、酸無水物、イミダゾール化合物、チオール化合物など種々の化合物を用いることができるが、低粘度用途では一般的に酸無水物、アミン化合物、又はイミダゾール化合物が硬化剤として用いられている。フェノール樹脂硬化剤は、剛直な樹脂骨格を反映してガラス転移点の高い硬化物を与えるという特徴を有しているものの、その多くが室温で固体であるため、無溶剤で取り扱われることの多い導電性接着剤及びアンダーフィル剤に用いられる例は限られていた。
近年、フェノール樹脂の芳香環上にアリル基などの置換基を導入することで、室温において液状となるフェノール樹脂が報告されている(例えば特許文献1及び2)。しかしながら、液状フェノール樹脂を硬化剤として用いた場合、自由度の高い(分子に柔軟性を付与する)置換基を樹脂中に有するため、一般に高い耐熱性に寄与する剛直な樹脂骨格が含まれるにもかかわらず硬化物のガラス転移温度は低い。そのため高温条件で使用される半導体封止材、アンダーフィル材、導電性接着剤などとして使用した場合、信頼性に劣ると考えられる。特許文献3には、過酸化水素を酸化剤として用いた酸化反応により、分子内に炭素−炭素二重結合を3つ以上有する化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化することで、副反応に伴う高分子量体生成による分子量分布の増加が抑えられ、かつ、全塩素含有量が低い液状エポキシ樹脂組成物が得られることが開示されている。しかしながら、室温で固体のフェノール樹脂を硬化剤として用いることで耐熱性に優れた液状硬化性組成物が得られることについては記載も示唆もない。
特開平10−168283号公報 特開2000−169537号公報 特開2013−189504号公報
本発明は上記課題に鑑み、耐熱性に優れた硬化物が得られる低粘度の液状エポキシ樹脂組成物を提供することを課題とする。
本出願人による先の検討により、過酸化水素を酸化剤として用いた酸化反応により、分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化することで、従来の多価アルコールとエピクロロヒドリンとの反応物のような副反応に伴う高分子量体生成による分子量分布の広幅化が抑えられ、かつ、全塩素含有量が非常に低い高純度な液状のエポキシ化合物が得られることを見出している。このようにして得られたエポキシ化合物は、従来品と比較して室温での粘度が低い上に高いガラス転移温度を有する硬化物を与えるという特徴を示す。
本発明者らはこれらの検討をふまえ、前記の課題を解決するためにさらなる研究を重ねた結果、分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化することで得られる低粘度グリシジルエーテル化合物に対し、硬化剤として固形フェノール樹脂を溶解させることにより、室温において低粘度であるにもかかわらず、グリシジルエーテル及び固形フェノール樹脂硬化剤由来の優れた耐熱性をもつ液状エポキシ樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の実施態様を含む。
[1](A)グリシジルエーテル化合物と、(B)フェノール樹脂系硬化剤とを含む液状エポキシ樹脂組成物であって、前記(A)グリシジルエーテル化合物が25℃において液体であり、炭素−塩素結合を実質的に含まず、かつ前記(B)フェノール樹脂系硬化剤が25℃において固体であることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
[2]溶媒及び反応性希釈剤を含まない[1]に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[3]さらに(C)硬化促進剤を含む[1]又は[2]のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[4]前記(A)グリシジルエーテル化合物が、炭素数が3〜30の脂肪族多価アルコールの多価グリシジルエーテルである[1]〜[3]のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[5]前記(A)グリシジルエーテル化合物が、アリルエーテル化合物のアリル基の炭素−炭素二重結合を酸化剤と反応させて得られるものである[1]〜[4]のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[6]前記(A)グリシジルエーテル化合物の25℃における粘度が1mPa・s〜1000mPa・sである[1]〜[5]のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[7]前記(A)グリシジルエーテル化合物が、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、及びソルビトールヘキサグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[8]前記(B)フェノール樹脂系硬化剤が、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、及びジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[9]前記(A)グリシジルエーテル化合物100質量部に対して、前記(B)フェノール樹脂系硬化剤を20〜300質量部含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[10]前記(C)硬化促進剤が、イミダゾール化合物及びその誘導体、ホスフィン化合物及びその誘導体、並びに3級アミン及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、[3]〜[9]のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[11]前記(A)グリシジルエーテル化合物及び(B)フェノール樹脂系硬化剤の合計100質量部に対して、前記(C)硬化促進剤を0.1〜10質量部含む、[3]〜[10]のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、固体の(B)フェノール樹脂系硬化剤を含むため高いガラス転移温度(Tg)を硬化物にもたせることが可能となる。また高分子量成分を含まない液体の(A)グリシジルエーテル化合物は、粘度が低く固体の(B)フェノール樹脂系硬化剤との相溶性に優れ、溶剤及び/又は反応性希釈剤を用いなくても低粘度の液状エポキシ樹脂組成物を調製することができる。その結果、充填材を高充填した場合であっても流動性に優れる上、高いガラス転移温度を有する硬化物を得ることができるため、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、半導体封止材、アンダーフィル材などの液状封止材用途、及び導電性接着剤用途に特に有用である。
実施例で使用した、製造例2で得られた1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(CDMDG)のガスクロマトグラフィ/質量分析(GC/MS)で得られたトータルイオンクロマトグラム及びクロマトグラム中のピーク1におけるマススペクトルを示す図である。 実施例で使用した、製造例3で得られたグリセリントリグリシジルエーテル(GLYG)のガスクロマトグラフィ/質量分析(GC/MS)で得られたトータルイオンクロマトグラム及びクロマトグラム中のピーク1におけるマススペクトルを示す図である。 実施例で使用した、製造例4で得られたペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETG)のサイズ排除クロマトグラフィ/質量分析(SEC/MS)で得られたトータルイオンクロマトグラム及びクロマトグラム中の画分1〜4(画分1:保持時間11〜12分、画分2:保持時間12〜13分、画分3:保持時間13〜14分、画分4:保持時間14〜15分)におけるマススペクトルを示す図である。 比較例2で使用した市販のペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−411)のサイズ排除クロマトグラフィ/質量分析(SEC/MS)で得られたトータルイオンクロマトグラム及びクロマトグラム中の画分1〜4(画分1:保持時間11〜12分、画分2:保持時間12〜13分、画分3:保持時間13〜14分、画分4:保持時間14〜15分)におけるマススペクトルを示す図である。 実施例で使用したフェノール樹脂系硬化剤(B−1)〜(B−4)の分子量分布を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、(A)グリシジルエーテル化合物と、(B)フェノール樹脂系硬化剤とを含み、(A)グリシジルエーテル化合物が25℃において液体であり、炭素−塩素結合を実質的に含まず、かつ(B)フェノール樹脂系硬化剤が25℃において固体であることを特徴とする。
(A)グリシジルエーテル化合物
本発明の液状エポキシ樹脂組成物中に含まれるグリシジルエーテル化合物は、本質的に分子内に炭素−塩素結合を含まない25℃において液体である化合物である。従来のエポキシ樹脂組成物で使用されているグリシジルエーテル化合物は、主として脂肪族アルコール又はフェノールとエピクロルヒドリンとの縮合反応により製造されているが、その際に分子内に式(1)で表されるような炭素−塩素結合を含む末端基を有する化合物が副生物として生成する。これらの副生物の分離及び除去には非常に手間がかかり、完全に除去することは極めて困難である。副生物が混入したグリシジルエーテル化合物を用いると、樹脂組成物の粘度が高くなるうえ、得られる硬化物はガラス転移温度が低く耐熱性に劣る。
Figure 2015080059
本発明において、「炭素−塩素結合を実質的に含まない」とは、グリシジルエーテル化合物のマススペクトルにおいて炭素−塩素結合を含む化合物及びそのフラグメントに対応するピークが認められないことを意味する。より具体的には、グリシジルエーテル化合物のマススペクトルにおいて、脂肪族アルコールを原料として用いたエピクロルヒドリン法でグリシジルエーテル化合物を製造する際に副生する炭素−塩素結合を含む化合物及びそのフラグメントに対応するピークが認められないことを意味する。
本発明で使用する、上記副生物を生成しないグリシジルエーテル化合物の製造方法としては、アリルエーテル化合物のアリル基の炭素−炭素二重結合を酸化剤により酸化する方法が挙げられ、より具体的には例えば以下のような方法で製造することができる。
1)アリルエーテル化合物の炭素−炭素二重結合を過酸(過酢酸など)を酸化剤として用いて酸化する方法(例えば特開平7−145221号公報など)
2)アリルエーテル化合物の炭素−炭素二重結合を過酸化水素(より具体的には過酸化水素水溶液)を酸化剤として、タングステン、ゼオライトなどの触媒を用いて酸化する方法(例えば特開昭60−60123号公報など)
3)アリルエーテル化合物の炭素−炭素二重結合を過酸化水素(より具体的には過酸化水素水溶液)を酸化剤として用いてアセトニトリルの共存下塩基性雰囲気で酸化する方法(例えば特開昭59−227872号公報など)
上記方法により得られるグリシジルエーテル化合物は、必要に応じて蒸留、吸着剤処理などによって精製して用いることが好ましい。
本発明において用いられるグリシジルエーテル化合物は25℃において液体である。グリシジルエーテル化合物の25℃における粘度は1mPa・s〜1000mPa・sの範囲であることが好ましい。いくつかの好適な実施態様では、グリシジルエーテル化合物の25℃における粘度は5mPa・s以上、又は10mPa・s以上、500mPa・s以下、又は300mPa・s以下である。グリシジルエーテル化合物のエポキシ当量は80〜300g/当量の範囲であることが好ましく、90〜200g/当量の範囲であることがより好ましい。エポキシ当量が80g/当量未満であると、硬化物の耐衝撃性が減少する。一方、300g/当量を超えると、硬化剤を添加した時の粘度が非常に高くなり、取り扱い性が悪くなる。
本発明において用いられるグリシジルエーテル化合物は、硬化物としての良好な機械的強度を発現する上で一分子中に平均2個以上のグリシジル基を有するものが好ましい。その中でも、炭素数が3〜30である脂肪族多価アルコールの多価アリルエーテル(多価アルコールのヒドロキシル基の少なくとも2つがアリルオキシ基に置換されたものであり、一部のヒドロキシル基が残存するものを含む)の炭素−炭素二重結合を酸化剤によりエポキシ化して得られる、炭素数が3〜30の脂肪族多価アルコールの多価グリシジルエーテルを用いることが特に好ましい。
具体的には、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,9−ノナンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、エリスリトールテトラグリシジルエーテル、キシリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、イノシトールペンタグリシジルエーテル、イノシトールヘキサグリシジルエーテルなどが例示できる。これらの中でも、化合物の粘度と硬化物の耐熱性を鑑みた場合に、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、及びソルビトールヘキサグリシジルエーテルが好ましく、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、及びペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルが特に好ましい。
(B)フェノール樹脂系硬化剤
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、前記(A)グリシジルエーテル化合物と反応させて硬化物を形成するための(B)フェノール樹脂系硬化剤を含む。本発明に用いられる(B)フェノール樹脂系硬化剤は、25℃において固体である。液体のフェノール系硬化剤を使用する場合に比べて樹脂の剛直性が高いため、分子の自由回転が束縛され高いガラス転移温度を有する硬化物を得ることができる。
フェノール樹脂系硬化剤としては、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物を用いる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、テルペン型フェノール樹脂などが例示される。これらの中でも、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、及びジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂が、グリシジルエーテルとの相溶性や耐熱性を鑑みた場合特に好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのフェノール樹脂系硬化剤は前述のグリシジルエーテル化合物との相溶性が良好であるため、溶剤及び/又は反応性希釈剤を用いなくても均一に溶解し液状の硬化性組成物が得られる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物中のフェノール樹脂系硬化剤の配合量は、フェノール樹脂系硬化剤の水酸基当量、及び用いるグリシジルエーテル化合物のエポキシ当量によっても異なるが、グリシジルエーテル化合物100質量部に対して、フェノール樹脂系硬化剤を20〜300質量部の割合で配合させることが、樹脂組成物の粘度、硬化物の耐熱性などの点から好ましい。フェノール樹脂系硬化剤の配合量は、グリシジルエーテル化合物100質量部に対して、より好ましくは40〜200質量部であり、さらに好ましくは50〜150質量部である。
(C)硬化促進剤
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、適切な硬化性を得るために、必要に応じて硬化促進剤を配合することができる。この硬化促進剤はエポキシ樹脂の硬化促進剤として使用されうるものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができるが、イミダゾール系、ホスフィン系、又は3級アミン系の硬化促進剤を使用することが好ましい。
具体的には、イミダゾール系硬化促進剤としては、イミダゾール化合物及びその誘導体、例えば2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、エポキシ−イミダゾールアダクトなどが例示される。ホスフィン系硬化促進剤としては、ホスフィン化合物及びその誘導体、例えばトリフェニルホスフィン、トリパラトリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,4−ビスジフェニルホスフィノブタン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリルボレートなどが例示される。3級アミン系硬化促進剤としては、3級アミン及びその誘導体、例えば1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)、DBUのフェノール塩、DBUのオクチル酸塩、DBUのp−トルエンスルホン酸塩、DBUのフェノールノボラック樹脂塩、DBN(ジアザビシクロノネン)のフェノールノボラック樹脂塩、DBU誘導体のテトラフェニルボレート、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミンなどが例示される。
硬化促進剤の使用量は、用いるフェノール樹脂系硬化剤及び硬化促進剤の種類によって様々であってよいが、グリシジルエーテル化合物及びフェノール樹脂系硬化剤の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部の割合で用いるのが好ましい。
その他、本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、充填材(例えば、シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、窒化アルミニウムなど)、着色剤(例えば、カーボンブラック、染料など)、難燃剤、イオントラップ剤、消泡剤、レベリング剤などを含有させてもよい。また、基板への接着性を向上させるためにシランカップリング剤を含有させてもよい。シランカップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2−(2,3−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、各成分を所定の配合割合でライカイ機、ポットミル、三本ロールミル、回転式混合機、二軸ミキサーなどの混合機に投入し、混合して、調製することができる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物の粘度は特に限定されず、用いるグリシジルエーテル化合物及びフェノール樹脂系硬化剤の種類によって様々な粘度範囲であってよいが、取り使い性の点から、樹脂組成物の粘度は2000Pa・s以下が好ましい。樹脂組成物がフィラーを含む場合は、フィラーの充填量向上及び沈降防止の点から、フィラー充填前の樹脂組成物の粘度は0.1Pa・s〜1000Pa・sの範囲であることが好ましい。粘度が低すぎる場合はフィラーが沈降しやすく分散状態が不均一となるおそれがあり、高すぎる場合はフィラーの充填量を増やすことが困難となる。フィラー充填前の樹脂組成物の粘度は、より好ましくは1Pa・s〜500Pa・sの範囲であり、さらに好ましくは5Pa・s〜250Pa・sの範囲である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<エポキシ当量の測定>
エポキシ当量はJIS−K7236に準拠して決定する。試料を0.1〜0.2g秤量し、三角フラスコに入れた後、ジクロロメタン10mLを加えて溶解させる。次に、酢酸20mLを加え、続いて臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液(臭化テトラエチルアンモニウム100gを酢酸400mLに溶解させたもの)10mLを加える。この溶液にクリスタルバイオレット指示薬を1、2滴加え、0.1mol/L過塩素酸酢酸溶液で滴定し、滴定結果に基づいて、下記式に従いエポキシ当量を求める。
エポキシ当量(g/eq)=(1000×m)/{(V1−V0)×c}
m:試料の質量(g)
V0:空試験における終点までの滴定に消費した過塩素酸酢酸溶液の量(mL)
V1:終点までの滴定に消費した過塩素酸酢酸溶液の量(mL)
c:過塩素酸酢酸溶液の濃度(0.1mol/L)
<粘度の測定>
グリシジルエーテル化合物及び液状エポキシ樹脂組成物の粘度は、ブルックフィールド社製コーンプレート型粘度計RVDV−II+Proを用いて測定する。サンプル0.5mLを試料台に載せた後にコーンプレート(直径48mm又は24mm、コーン角3°)で挟み、測定温度:25℃、回転数:1rpmの条件で粘度測定を行う。粘度1mPa・s〜1Pa・sのサンプルは直径48mmのコーンプレートを用い、1Pa・s〜2000Pa・sのサンプルは直径24mmのコーンプレートを用いる。
<全塩素量の測定>
全塩素量の測定は、試料を800℃以上の高温で燃焼・分解させ、その分解ガスを超純水などに吸収し、イオンクロマトグラフィーで定量することによって行う。イオンクロマトフィーは、メトローム社製 861 Advanced Compact IC、Shodex SI−90 4Eカラムから構成され、溶離液として1.7mM NaHCO/1.8mMNaCO水溶液を用い流量1.3mL/minで測定する。
<マススペクトルの測定>
<GC/MS測定>
化学イオン化(CI)法によるガスクロマトグラフィ/質量分析(GC/MS)を以下に示す条件で実施する。
装置:7890A(GC部分、アジレントテクノロジー株式会社製)/JEOL JMS−Q1000GC MkII(MS部分、日本電子株式会社製)
カラム:Agilent HP−5(内径0.32mm;長さ30m;膜厚0.25μm)
カラムオーブン温度:50℃(3min)→〔20℃/min〕→320℃(10min)
キャリアガス:He
カラム流量:1.5mL/min(コンスタントフローモード)
注入モード:スプリット(1:20)
注入口温度:300℃
注入量:1μL(オートサンプラー使用)
トランスファーライン温度:300℃
イオン化法:CI(化学イオン化法)
CI反応ガス:イソブタン
スキャン範囲:m/z60〜600
試料調製:50mg/mL(溶媒はアセトン)
<SEC/MS測定>
大気圧化学イオン化(APCI)法によるサイズ排除クロマトグラフィ/質量分析(SEC/MS)を以下に示す条件で実施する。
1)SEC(サイズ排除クロマトグラフィ)部
カラム:ShodexGPC KF−402×2
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(HPLCグレード)、0.3mL/min
2)MS(質量分析)部
イオン化法:大気圧化学イオン化法(+)
スキャン範囲:m/z50〜2000
[製造例1:多価アリルエーテルの合成]
後述の製造例2〜4で用いる各種多価アリルエーテルはウィリアムソン合成に基づき合成した。一例として1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテルの合成法を以下に記す。
撹拌機及び温度計の付いた2リットル3口フラスコに1,4−シクロヘキサンジメタノール(新日本理化株式会社製)144.2g(1.00mol)を入れ、反応装置系内を窒素置換し、水酸化ナトリウム水溶液(50質量%)480.0g(6.0mol)を加え、40℃まで加熱し、臭化テトラブチルアンモニウム(和光純薬工業株式会社製)3.224g(0.01mol)を添加した。反応系内を約40℃に保ちながら、塩化アリル(鹿島ケミカル株式会社製)168.3g(2.20mol)を滴下し、2時間経過後、1,4−シクロヘキサンジメタノール72.11g(0.50mol)、塩化アリル84.17g(1.10mol)を追添した。その後、反応温度を徐々に上げながら反応を継続し、反応の進行状況を見ながら塩化アリルを25.25g(0.33mol)ずつ追添し、反応を完結させた。反応終了後、トルエン33.7gを加え分液処理し、有機層を純水200mL/回で中性になるまで洗浄し、分液後、有機層をエバポレーターにより溶媒、塩化アリルなどを留去した。溶媒留去後、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテルを精密蒸留により取得した(留出温度が63.9〜67.7℃(11Pa))。
他の多価アリルエーテルも上記操作に準じて合成した。
[製造例2:1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(CDMDG)の合成]
上記製造例1で得られた1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル(100g、0.45mol)、アセトニトリル(73.2g、1.78mol、純正化学株式会社製)、メタノール(92.9g、2.90mol、純正化学株式会社製)を500mL3径ナス型フラスコに量りとった。水浴を用いて系内の温度を35℃にし、飽和水酸化カリウム水溶液(KOH/HO=110g/100mL)によりpHを10.5に到達させた。反応終了時まで、反応温度が40℃を超えないように飽和水酸化カリウム水溶液を随時添加しpHを10.75〜10.25の範囲に制御した。45%過酸化水素水溶液(81.6g、1.08mol、日本パーオキサイド株式会社製)を300mL滴下漏斗により16時間かけて滴下した後、さらに10時間撹拌して反応を終了させた。反応液をガスクロマトグラフィにて測定したところ、基質であるシクロヘキサンジメタノールジアリルエーテルの転化率は100%であり、ジエポキシ体であるシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルの収率は88.5%、モノエポキシ体であるモノグリシジルエーテルの収率は2.6%であることを確認した。
得られた反応溶液を、大科工業株式会社製の精密蒸留装置を用いて、真空度13kPa、フラスコ温度265℃、カラム温度190℃で蒸留することで、ガスクロマトグラフィによる純度が99.5%の1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(CDMDG)を得た。CDMDGの粘度は34mPa・sであり、滴定により求めたエポキシ当量は136であった。全塩素量は5ppmであり、GC/MS分析結果(図1)より有機塩素を含まない(含有塩素が炭素−塩素結合を有する化合物由来ではない)ことを確認した。
[製造例3:グリセリントリグリシジルエーテル(GLYG)の合成]
上記製造例1と同様に合成して得られたグリセリントリアリルエーテル(50g、0.24mol)、アセトニトリル(77g、1.9mol、純正化学株式会社製)、メタノール(91g、2.8mol、純正化学株式会社製)を500mL4口フラスコに仕込み、50質量%水酸化カリウム水溶液を少量加え、反応液のpHを約10.5に調整した。反応終了時まで、反応温度が40℃を超えないように飽和水酸化カリウム水溶液を随時添加しpHを10.75〜10.25の範囲に制御した。35質量%過酸化水素水溶液(82g、0.8mol、日本パーオキサイド株式会社製)を9時間かけて滴下し、さらに16時間撹拌した後、反応液に亜硫酸ナトリウム1gを加え反応を停止した。ダイアフラムポンプを用いて溶媒留去した後、酢酸エチル500g、10質量%硫酸ナトリウム水溶液300gを加え水層と有機層を分離した。その後有機層を純水20gで5回洗浄して残存する亜硫酸ナトリウム、副生アセトアミドなどの不純物を除去した後、溶媒を留去することにより、純度91%、収量36g、収率59%でグリセリントリグリシジルエーテル(GLYG)を得た。GLYGの粘度は32mPa・sであり、滴定により求めたエポキシ当量は91であった。全塩素量は112ppmであり、GC/MS分析結果(図2)より有機塩素を含まない(含有塩素が炭素−塩素結合を有する化合物由来ではない)ことを確認した。
[製造例4:ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETG)の合成]
上記製造例1と同様に合成して得られたペンタエリスリトールテトラアリルエーテル(200g、0.67mol)、アセトニトリル(220g、5.36mol、純正化学株式会社製)、メタノール(100g、3.12mol、純正化学株式会社製)を2リットル3口フラスコに仕込み、50質量%水酸化カリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)を少量加え、反応系内のpHを約10.5に調整した。反応終了時まで、反応温度が40℃を超えないように飽和水酸化カリウム水溶液を随時添加しpHを10.75〜10.25の範囲に制御した。45質量%過酸化水素水溶液(160g、2.12mol、日本パーオキサイド株式会社製)を18時間かけて滴下した。反応液に亜硫酸ナトリウム2.11g(和光純薬工業株式会社製)とトルエン1000gを加え反応を一旦停止し、室温で30分間撹拌し、水層と有機層を分離した。その後有機層を純水150gで2回洗浄し、溶媒を留去して反応混合物を得た。
その後反応混合物にアセトニトリル(220g、5.36mol)、メタノール(100g、3.12mol)を加え、50質量%水酸化カリウム水溶液を少量加え、反応液のpHを約10.5に調整した後、内温35℃で45質量%過酸化水素水溶液(125g、1.65mol)を、内温が45℃を超えないように28時間かけて滴下した。滴下終了後、亜硫酸ナトリウム15.9gとトルエン800gを加え反応を停止し、室温で30分間撹拌し、水層と有機層を分離した。その後有機層を純水150gで2回洗浄して残存する亜硫酸ナトリウム、副生アセトアミドなどの不純物を除去し、溶媒を留去することにより、純度90%、収量176.04g、収率72.4%でペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETG)を得た。PETGの粘度は166mPa・sであり、滴定により求めたエポキシ当量は98であった。全塩素量は636ppmであり、SEC/MS分析結果(図3)より有機塩素を含まない(含有塩素が炭素−塩素結合を有する化合物由来ではない)ことを確認した。
[液状樹脂組成物の調製]
表1〜4に示す配合で50℃の超音波水浴を用いて各成分を混合溶解させることで、実施例1〜21、及び比較例1〜2の液状エポキシ樹脂組成物を調製した。表中の液状エポキシ樹脂組成物の調製に用いた各成分を以下に示す。
(A)グリシジルエーテル化合物
(A−1)製造例2で得られた1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(CDMDG、全塩素量5ppm、粘度34mPa・s)
(A−2)製造例3で得られたグリセリントリグリシジルエーテル(GLYG、全塩素量112ppm、粘度32mPa・s)
(A−3)製造例4で得られたペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETG、全塩素量636ppm、粘度166mPa・s)
(A−4)エピクロルヒドリン法で製造された市販のペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、デナコール(登録商標)EX−411、粘度819mPa・s、エポキシ当量233、全塩素量16.8%、SEC/MS分析結果(図4)より分子中に炭素−塩素結合を有する)
(B)フェノール樹脂系硬化剤
(B−1)フェノールノボラック樹脂(昭和電工株式会社製、ショウノール(登録商標)BRG−556、軟化点77〜83℃)
(B−2)フェノールノボラック樹脂(昭和電工株式会社製、ショウノール(登録商標)BRG−564G、軟化点60℃)
(B−3)フェノールノボラック樹脂(昭和電工株式会社製、ショウノール(登録商標)BRG−555、軟化点67〜72℃)
(B−4)フェノールノボラック樹脂(昭和電工株式会社製、ショウノール(登録商標)BRG−558、軟化点93〜98℃)
(B−5)トリフェニルメタン型フェノール樹脂(昭和電工株式会社製、ショウノール(登録商標)TRI−220、軟化点83℃)
(B−6)液状フェノールノボラック樹脂(昭和電工株式会社製、特許文献:特開2012−67253号公報に開示の方法に基づき合成)
25℃において(B−1)〜(B−5)はいずれも固体、(B−6)は液体。(B−1)〜(B−4)の分子量分布を図5に示す。
(C)硬化促進剤
(C−1)2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、キュアゾール(登録商標)2E4MZ)
(C−2)トリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製)
[硬化物の作製と特性評価]
実施例1〜21及び比較例1〜2で作製した樹脂組成物をそれぞれ真空脱気した後、厚さ3mmの硬化物を作製できる型の中に流し込み、オーブン中にて150℃、30分加熱して硬化板を得た。得られた硬化板を用いて以下の測定を行った。得られた物性値を表1〜4に示す。
<ガラス転移温度(Tg)>
熱機械測定(TMA)により測定する。エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製TMA/SS6100熱機械分析装置を使用し、温度範囲−10〜250℃、昇温速度5℃/min、荷重20.0mNの条件で10×10×3mmの試験片を用いて測定を行う。得られた膨張曲線における転移に基づく変曲点前後の直線領域で各々引いた2本の直線の外挿線の交点の温度をガラス転移温度とする。
<線膨張係数(CTE)>
Tgと同様に、TMAにより測定し、Z軸(厚み)方向の膨張率より線膨張係数を決定する。得られた膨張曲線におけるTg前後の直線部分の平均値として、αを(Tg−40℃)〜(Tg−20℃)の範囲、αを(Tg+20℃)〜(Tg+40℃)の範囲で各々求める。
Figure 2015080059
Figure 2015080059
Figure 2015080059
Figure 2015080059
表1〜4に示したように、製造例2〜4で合成したグリシジルエーテル化合物と固体のフェノール樹脂系硬化剤(B−1)〜(B−5)を用いた実施例1〜21の液状エポキシ樹脂組成物は、製造例2で合成したグリシジルエーテル化合物と液状フェノール樹脂である(B−6)を用いた比較例1の液状エポキシ樹脂組成物と、同一のグリシジルエーテル化合物を用いた場合で比べて、得られる硬化物のガラス転移温度(Tg)は著しく大きな値を示した。また、製造例4で合成したペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(A−3)を用いた実施例12〜17は、市販の高分子量成分を含むペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(A−4)を用いた比較例2と比べて、得られる硬化物のTgは著しく大きな値を示した。また、組成が比較的近い実施例16と比較例2とを比較すると、実施例16の方が比較例2に比べて粘度が低く、実施例16の方が添加剤をより多く含有させるのに有利であることが示唆される。
以上の結果から、本発明の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物は、従来の液状フェノール系硬化剤を用いた樹脂組成物の硬化物と比較して耐熱性に優れることが示唆される。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、低粘度でその硬化物は耐熱性に優れており、半導体封止材、アンダーフィル材などの液状封止材用途、及び導電性接着剤用途に特に有用である。

Claims (11)

  1. (A)グリシジルエーテル化合物と、(B)フェノール樹脂系硬化剤とを含む液状エポキシ樹脂組成物であって、前記(A)グリシジルエーテル化合物が25℃において液体であり、炭素−塩素結合を実質的に含まず、かつ前記(B)フェノール樹脂系硬化剤が25℃において固体であることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
  2. 溶媒及び反応性希釈剤を含まない請求項1に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  3. さらに(C)硬化促進剤を含む請求項1又は2のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(A)グリシジルエーテル化合物が、炭素数が3〜30の脂肪族多価アルコールの多価グリシジルエーテルである請求項1〜3のいずれか一項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記(A)グリシジルエーテル化合物が、アリルエーテル化合物のアリル基の炭素−炭素二重結合を酸化剤と反応させて得られるものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  6. 前記(A)グリシジルエーテル化合物の25℃における粘度が1mPa・s〜1000mPa・sである請求項1〜5のいずれか一項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  7. 前記(A)グリシジルエーテル化合物が、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、及びソルビトールヘキサグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  8. 前記(B)フェノール樹脂系硬化剤が、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、及びジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  9. 前記(A)グリシジルエーテル化合物100質量部に対して、前記(B)フェノール樹脂系硬化剤を20〜300質量部含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  10. 前記(C)硬化促進剤が、イミダゾール化合物及びその誘導体、ホスフィン化合物及びその誘導体、並びに3級アミン及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項3〜9のいずれか一項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  11. 前記(A)グリシジルエーテル化合物及び(B)フェノール樹脂系硬化剤の合計100質量部に対して、前記(C)硬化促進剤を0.1〜10質量部含む、請求項3〜10のいずれか一項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
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