JP2012092247A - 液状硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
硬化することにより長期信頼性に優れた硬化物が得られる液状硬化性組成物を提供する。
【解決手段】
(A)過酸化水素を酸化剤として用いた酸化反応により分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化して得られる全塩素量が10質量ppm以下であるエポキシ化合物、(B)硬化剤および(C)充填材を含む液状硬化性組成物である。好ましくはエポキシ化合物はアリルエーテル結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合を酸化して得られる2つ以上のグリシジル基を一分子中に有する室温で液状の化合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、液状硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、過酸化水素を酸化剤として用いた酸化反応により分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化して得られるハロゲンフリーのエポキシ化合物を含み、硬化することにより長期信頼性に優れた硬化物が得られる液状硬化性組成物に関する。
半導体装置は、外部環境からの保護のため、一般的にシリコンチップ等の半導体素子が封止材料により封止された構造を有する。近年、半導体装置には、高密度化、高集積化、及び動作の高速化が求められており、それに伴って、小型化及び薄型化を達成できる半導体パッケージや実装技術が要求されている。
このような要求に対応する実装として、フリップチップ実装が著しい成長を見せている。フリップチップ実装とは、半導体素子の外部接続用パッドにバンプ電極を直接形成し、このバンプ電極を用いて回路基板の電極パッドあるいは配線にフェイスダウンで接続する方法である。通常、フリップチップ実装では、半導体素子と回路基板との間にアンダーフィル材と呼ばれる液状の硬化性組成物を充填して封止を行う。このアンダーフィル材は、半導体素子と回路基板との熱膨張率の差異によってバンプ接合部等に発生する応力を緩和し、耐湿性や気密性等を確保して半導体装置の信頼性を高める機能を有している。
従来、アンダーフィル材にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物が好適に用いられている。これらのエポキシ化合物はビスフェノールのようなフェノール類とエピクロルヒドリン、及びアルカリ金属酸化物の反応により製造するのが一般的であるが、この方法で製造されたエポキシ化合物には反応により副生成した加水分解性塩素化合物が不純物として含まれている。
この加水分解性塩素化合物を多く含むエポキシ化合物をアンダーフィル材に用いると、高温・多湿下等の過酷な条件に曝された際に、加水分解性塩素化合物が分解されて塩素イオンが遊離し、配線金属(半導体の接合部)が腐食される現象(マイグレーション)が発生し、半導体パッケージの長期信頼性に悪影響を与えることが知られている。このため、加水分解性塩素化合物の含有量が少ないエポキシ化合物を得るための様々な精製方法が検討されている。
例えば、特許文献1では、加水分解性塩素化合物を含有するエポキシ樹脂を、非プロトン性極性溶媒の存在下にアルカリ性物質と接触させる方法により、半導体封止用として有用な加水分解性塩素含有量の低いエポキシ樹脂を得る方法が記載されている。また、特許文献2では、蒸留精製によって電気・電子部品の封止用途に好適な低塩素含有量のエポキシ化合物を得る方法が記載されており、特許文献3では、特定の酸触媒存在下エポキシ化合物を合成し、蒸留等の精製により低塩素化する方法が記載されている。
これらの精製方法により、加水分解性塩素化合物の低減は可能であるが、やはり原料にエピクロルヒドリンを使用している限り、加水分解性塩素化合物の含有は避けられない。かかる背景から、原料にエピクロルヒドリンを使用しない方法で製造したエポキシ化合物を用いた長期信頼性に優れた半導体封止材が求められている。また、半導体封止材に限らずダイボンド材、導電性接着剤、異方導電性接着ペースト(ACP)等の半導体材料にも同様に低ハロゲンのものが求められている。
特開平11−349661号公報 特開2010−95727号公報 特開2009−203425号公報
本発明は、原料にエピクロルヒドリンを使用しない方法で製造したエポキシ化合物を用いた、長期信頼性に優れた液状硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、過酸化水素を酸化剤として用いた酸化反応により、炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化することで全塩素量10質量ppm以下のエポキシ化合物が得られ、このエポキシ化合物を用いることにより、長期信頼性に優れる液状硬化性組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1] (A)過酸化水素を酸化剤として用いた酸化反応により分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化して得られる全塩素量が10質量ppm以下である室温で液状エポキシ化合物、(B)硬化剤および(C)充填材を含む液状硬化性組成物。
[2] 前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が、アリルエーテル結合を有する化合物である[1]に記載の液状硬化性組成物。
[3] 前記(A)エポキシ化合物が一分子中に少なくとも平均2個以上のグリシジル基を有する[1]または[2]に記載の液状硬化性組成物。
[4] 前記(A)エポキシ化合物がビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルの少なくとも1種類を含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
[5](D)硬化促進剤をさらに含む[1]〜[4]のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
[6] 25℃での粘度が1〜200Pa・sである[1]〜[5]のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
[7] 前記過酸化水素を酸化剤として用いた酸化反応が、ニトリル化合物、塩基性塩化合物、及びアルコールを用いて行われる[1]〜[6]のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
[8] 前記(C)充填材が絶縁性充填材である[1]〜[7]のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
[9] 前記(C)充填材が導電性充填材である[1]〜[7]のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
[10] 前記絶縁性充填材が非晶質シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、チッ化アルミニウム、チッ化ケイ素からなる群より選択されるいずれかの無機充填材である[8]に記載の半導体封止用液状硬化性組成物。
[11] 前記導電性充填材が金属、カーボン、グラファイト、絶縁性核材の表面に金属被覆層を有する複合粒子、からなる群から選択されるいずれかである[9]に記載のダイボンド材、導電性接着剤、異方導電性接着ペースト用液状硬化性組成物。
本発明では、原料にエピクロルヒドリンを使用しない方法、すなわち過酸化水素を酸化剤として分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合を酸化することにより得られた室温で液状のエポキシ化合物を液状硬化性組成物のバインダー成分として用いているので、長期信頼性に優れる液状硬化性組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の液状硬化性組成物は、(A)分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合を酸化することにより得られた室温で液状のエポキシ化合物、(B)硬化剤および(C)充填材を必須成分として含む室温で液状の硬化性組成物であって、前記(A)エポキシ化合物中の全塩素量が10質量ppm以下であることを特徴とする。本明細書において、室温とは25℃を指すものとする。
(A)エポキシ化合物
本発明の液状硬化性組成物に含有されるエポキシ化合物は、分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合を過酸化水素を酸化剤として用いて酸化することにより得られる室温で流動性を有する液状の化合物であり、液状硬化性組成物のバインダー成分である。このような方法で製造されるためエポキシ化合物中に含有する全塩素量を10質量ppm以下とすることができる。
半導体封止材には、電気絶縁特性に優れた硬化物が得られるため酸無水物やフェノール樹脂が硬化剤として利用される。これらの硬化剤は主剤のエポキシ化合物が脂環式エポキシ化合物であるよりもグリシジル基を有する化合物の方が反応性が良い。そのため、本発明の液状硬化性組成物を半導体封止材として使用する場合は、前駆体としては分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物として、アリルエーテル結合を有する化合物を用いることが好ましい。
かかるエポキシ化合物としては、硬化物としての良好な機械的特性を発現する上で一分子中に平均2個以上のグリシジル基を有するものが好ましい。
具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、2,2’‐ジアリルビスフェノール‐Aジグリシジルエーテル、2,2’‐ジ‐t‐ブチルビスフェノール‐Aジグリシジルエーテルなどの芳香族グリシジルエーテル;
1,5‐ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6‐ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,9‐ノナンジオールジグリシジルエーテル、1,10‐デカンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルなどの脂肪族グリシジルエーテル;
1,4‐シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジグリシジルエーテルなどの脂環式グリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4‐シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルが好ましい。なお、これらのエポキシ化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
次に、本発明における全塩素量が10質量ppm以下のエポキシ化合物の製造方法について具体的に説明する。
本発明におけるエポキシ化合物は、アセトニトリルの存在下、過酸化水素を酸化剤として用いて、分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化することにより得ることができる。
過酸化水素源としては過酸化水素水溶液が好適に用いられる。過酸化水素水溶液の濃度には特に制限はないが、一般的には1〜80質量%、好ましくは10〜60質量%の範囲から選ばれる。工業的な生産性の観点、及び分離の際のエネルギーコストの点からは過酸化水素は高濃度の方が好ましいが、安全性の観点からは無用に高濃度で過剰の過酸化水素を用いないほうが良い。過酸化水素水溶液の使用量に特に制限はないが、反応系内の過酸化水素濃度を1〜30質量%、より好ましくは2〜10質量%の範囲内に保持することが好ましい。過酸化水素濃度が1質量%より少ないと生産性が悪くなり、一方、30質量%より多いとアルコールと水の混合組成中での爆発性が高まり危険である。なお、反応初期に反応系内に多量の過酸化水素水溶液を仕込むと反応が急激に進行し危険であるため、過酸化水素水溶液は反応系内にゆっくり添加することが好ましい。
アセトニトリルの仕込み量は、アリルエーテル結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合数を基準として、1.5〜10モル当量の範囲とすることが好ましく、2〜5モル当量がより好ましい。アセトニトリルの仕込み量が1.5モル当量より少ないと収率が低下し、一方、10モル当量より多くしても収率の向上は認められず、コスト高となるため好ましくない。本発明で使用するアセトニトリルに特に制限はなく、市販品のほか、例えばアクリロニトリルのソハイオ法による製造時に副生するアセトニトリル等を使用してもよい。
エポキシ化合物の製造においては、反応液のpHを9〜11とすることが好ましい。より好ましくは9.5〜11、さらに好ましくは10〜11の範囲である。pHが9より低いと反応速度が低下するため、生産性が悪くなり、一方、11より高い場合は反応が急激に進行して危険であり、収率も低下するため好ましくない。
反応系内のpH調整剤として用いられる塩基性塩化合物としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等の無機塩基塩やカリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化テトラメチルアンモニウム等の有機塩基塩が挙げられ、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムは水やアルコールへの溶解性が高く、反応性も良いため好ましい。また、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドは、pH調整が容易である点でより好ましい。前記した塩基性塩化合物はそのまま用いても、水溶液又はアルコール溶液として用いてもよい。アルコール溶液として用いる際に溶媒として用いられるアルコールには、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられ、後述の反応溶媒と同一のものを使用することが好ましい。過酸化水素水溶液の添加に伴い、反応液のpHは低下するので、必要に応じて塩基性塩化合物を追加して、pHが9を下回らないようにすることが好ましい。
エポキシ化合物の製造においては、反応温度は通常、20〜100℃の範囲、好ましくは25〜60℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、通常は4〜48時間の範囲、好ましくは4.5〜28時間の範囲で行われる。
本発明において、エポキシ化される基質としては、炭素−炭素二重結合を持った化合物であれば特に制限はないが、前述の一分子中に少なくとも平均2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物の原料である一分子中に少なくとも平均2個以上のアリルエーテル基を有するものが好ましい。
具体的には、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテル、2,2’‐ジアリルビスフェノール‐Aジアリルエーテル、2,2’‐ジ‐t‐ブチルビスフェノール‐Aジアリルエーテルなどの芳香族アリルエーテル;
1,5‐ペンタンジオールジアリルエーテル、1,6‐ヘキサンジオールジアリルエーテル、1,9‐ノナンジオールジアリルエーテル、1,10‐デカンジオールジアリルエーテル、ネオペンチルグリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルルエーテルなどの脂肪族アリルエーテル;
1,4‐シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアリルエーテルなどの脂環式アリルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテル、1,4‐シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテルが好ましい。なお、これらのアリルエーテル化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、これらの一分子中に少なくとも平均2個以上のジアリルエーテル結合を有する化合物の全てのアリル基の炭素−炭素二重結合をエポキシ基に酸化させる必然性はない。
これらの反応基質は、有機溶媒を用いずに反応系に添加することもできるが、溶媒に溶解して使用することができる。反応基質はその種類により粘度に差がある。一例として25℃での粘度はビスフェノールAジアリルエーテルは4.5Pa・s程度、ビスフェノールFジアリルエーテルは1.5Pa・s程度、1,4‐シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテルは0.05Pa・s程度である。反応基質の粘度があまりに高いと基質への過酸化水素の移動速度が遅くなり、反応速度にも影響を与えるため、溶媒に溶解することにより粘度を低減することが好ましい。このような溶媒としては、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコールが挙げられる。
反応終了後、反応液を純水で希釈するか、又は必要に応じて亜硫酸ナトリウム等の酸を加えて中和した後に純水で希釈する等した後に、溶媒を留去し、残分をトルエンや酢酸エチル等の有機溶媒で抽出する。このようにして水層と分離した有機層を濃縮することによって、得られたエポキシ化合物を取り出すことができる。
なお、本発明における全塩素量10質量ppm以下のエポキシ化合物は、原料にエピクロルヒドリンを使用しない方法であれば、前記以外の方法で製造することも可能である。例えば、特許第4083424号、特許第4211261号で開示されている、有機溶媒中でタングステン酸化合物とリン酸触媒、相間移動触媒の存在下で過酸化水素を炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合と反応させる方法により製造したエポキシ化合物を使用することも可能である。
(B)硬化剤
本発明における硬化剤は、前述のエポキシ化合物の硬化剤として作用するものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、酸無水物、フェノール樹脂、アミン類等が挙げられるが、前記グリシジル基を有するエポキシ化合物との良好な反応性が得られる点で酸無水物、フェノール樹脂が好ましい。さらに、適切な粘度に調整しやすい点から、酸無水物系硬化剤がより好ましい。
具体的には、酸無水物としてはメチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、アルキル化テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、アルケニル基で置換されたコハク酸無水物、メチルナジック酸無水物、グルタル酸無水物等が例示される。また、フェノール樹脂としてはフェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型、トリフェニルメタン型、ザイロック型、テルペン型等の多価フェノール化合物が挙げられ、アミン類としてはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂環式ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミンなどの芳香族ポリアミン類等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独でも、2種以上併用してもよい。
(C)充填材
本発明の液状硬化性組成物には充填材を配合する。充填材の種類は用途により適宜選択される。例えば、本発明の液状硬化性組成物を半導体封止用途に使用する場合には、硬化物の熱膨張係数を低下させるために絶縁性である無機充填材を配合する。この無機充填材は特に限定されず、公知のものを使用することができる。
具体的には、非晶質シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、チッ化アルミニウム、チッ化ケイ素等の粒子が挙げられる。低粘度化の観点からは、中でも真球状の非晶質シリカが望ましい。無機充填材は、シランカップリング剤等で表面処理が施されたものであってもよいが、表面処理が施されていなくもよい。これら無機充填材の平均粒径は0.1〜20μmであり、最大粒径が50μm以下、特に20μm以下のものが好ましい。平均粒径がこの範囲にあると粘度が高くなりすぎることもなく、また、狭ピッチ配線部や狭ギャップ部への注入性も適切である。ここでいう平均粒径とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積累積粒径D50である。また、25℃での粘度が1〜50Pa・sである液状硬化性組成物とすることが好ましく、そのため無機充填材の配合量は液状硬化性組成物の全量中75質量%以下であることが好ましく、5〜55質量%がより好ましい。
(D)硬化促進剤
本発明の液状硬化性組成物には、適切な硬化性を得るために、必要に応じて硬化促進剤を配合することができる。この硬化促進剤はエポキシ樹脂の硬化促進剤であれば特に限定されず、公知のものを使用することができるが、硬化剤として酸無水物系硬化剤を使用する場合には、硬化性、保存安定性の点からアミン系硬化促進剤を使用することが好ましい。
具体的には、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、2,4−ジアミノ−6−〔2’―メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン等のトリアジン化合物、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン等の第三級アミン化合物が挙げられる。
その他、本発明の液状硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、着色剤(例えば、カーボンブラック、染料等)、難燃剤、イオントラップ剤、消泡剤、レベリング剤等を含有させてもよい。また、基板への接着性を向上させるためにシランカップリング剤を含有させてもよい。シランカップリング剤の具体例としては、3‐グリシドキシプロプルトリメトキシシラン、3‐グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2‐(2,3‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3‐メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、3‐(2‐アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の液状硬化性組成物の調製方法は特に限定されず、各成分を所定の配合割合でライカイ機、ポットミル、三本ロールミル、回転式混合機、二軸ミキサー等の混合機に投入し、混合して、調製することができる。
本発明の液状硬化性組成物は、室温で液状であり、フリップチップ実装により半導体チップを基板に接合する際の封止材(アンダーフィル材)として使用することができる。例えば、フェイスダウンで基板上に搭載した半導体チップと該基板との隙間にディスペンサー等を用いて、本発明の液状硬化性組成物を横から注入し、硬化させて封止することができる。また、基板にディスペンサー等を用いて、半導体チップの大きさに合わせて、本発明の液状硬化性組成物を塗布し、チップボンダー等を用いて、加熱接続をした後、硬化させることもできる。半導体チップは、特に限定されず、IC、LSI、VLSI等が挙げられる。
なお、本発明の液状硬化性組成物は、(C)充填材として導電性の充填材を配合することで、ダイボンド材、導電性接着剤、異方導電性接着ペースト(ACP)として使用することも可能である。例えば、基板にディスペンサー等を用いて、半導体チップの大きさに合わせて、本発明の液状硬化性組成物を塗布し、チップボンダー等を用いて、加熱接続をした後、硬化させることができる。
具体的な導電性充填材としては、金、銀、銅、鉄、亜鉛、スズ、銀メッキ銅、スズメッキ銅、インジウム、ニッケル、パラジウム、アルミニウム等の金属、カーボン、グラファイト、あるいはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体等の樹脂やアルミナ、シリカ、チタン酸カリウム、ガラス等の絶縁性核材の表面にめっき等の方法で形成された上記金属被覆層を有する複合粒子等が挙げられる。形状について特に制限はなく、りん片状、樹技状、球状、ペレット状等の任意の形状のものでよい。充填材の平均粒径は通常0.5〜15μm、好ましくは2〜10μmである。ここでいう粒径とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積累積粒径D50である。
ダイボンド材または導電性接着剤用途では、導電性充填材の配合量は組成物の全量中60〜90質量%であることが好ましく、70〜85質量%がより好ましい。導電性充填材の含有量が60質量%より小さくなると、導電性充填材の接続が悪くなり、導電性が得られにくくなる。一方、含有量が90質量%より大きくなると、接着強度が弱くなる。粘度としては、25℃で1〜200Pa・sであることが好ましい。また、異方導電性接着ペースト(ACP)用途では、導電性充填材の配合量は通常組成物の全量中1〜50質量%であり、5〜30質量%がより好ましい。粘度としては、25℃で1〜100Pa・sであることが好ましい。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の液状硬化性組成物に室温で固形の高軟化点のエポキシ樹脂やフェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等のフィルム形成材等を配合することで、異方導電性接着フィルム(ACF)のようなフィルム状接着剤を作製することも可能である。
フィルム化の方法は特に限定されず、各成分をメチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等の有機溶剤中で混合してワニス状とし、これをポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂系フィルム等の支持基材にフローコーター、ロールコーター、コンマコーター等で塗布した後に、溶剤を乾燥することによってフィルム化することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、実施例中、配合量の単位は、特に断らない限り質量部または質量%である。
〔エポキシ化合物の合成〕
〔合成例1〕ビスフェノールAジグリシジルエーテルの合成
1Lのナス型フラスコに、ビスフェノールA型ジアリルエーテル(50.1g、0.162mol)、アセトニトリル(26.6g、0.648mol)、エタノール(265.1g、5.75mol)を仕込んだ。次に、pHが9を下回らないように飽和水酸化カリウム水溶液(KOH/H2O=110mg/100mL)を加えながら、滴下漏斗を使って、45%過酸化水素水溶液(53.9g、0.713mol)を2時間かけて滴下した。その後も反応温度が30℃を超えないように飽和水酸化カリウム水溶液を添加し、pHを過酸化水素水溶液滴下終了時点から2時間かけて10.5 に到達させ、さらにpHを10.5に制御しながら30℃で2時間攪拌した。
続いて、アセトニトリル(13.3g、0.324 mol)を2時間かけて滴下(追添)した。これと同時に45%過酸化水素水溶液(53.9g、713mol)を4時間かけて滴下(追添)し、pHを 10.5 に制御しながら、さらに30℃で4時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。
続いて、反応液に純水(150.0g)とトルエン(150.0g)を加えて攪拌した後に、静置して有機層と水層を分離し、水層を除去した。続いて、有機層を5%亜硫酸ナトリウム水溶液(200.0g)で3回、純水(100.0g)で2回洗浄した。
その後、減圧下で溶媒を留去し、無色透明な液体(48.5g、GC純度:94%)を得た。この液体のエポキシ当量を測定したところ、180g/eqであった。また、全塩素測定の結果は1ppmであった。
〔合成例2〕ビスフェノールFジグリシジルエーテルの合成
合成例1のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルをビスフェノールF型ジグリシジルエーテル(45.4g、0.162mol)に変更した以外、実施例1と同様に反応を行った。
得られた無色透明な液体(43.5g、GC純度:91%)のエポキシ当量を測定したところ、169g/eqであった。また、全塩素測定の結果は1ppmであった。
〔合成例3〕1,4‐シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルの合成
1Lナス型フラスコに1,4‐シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル(150.0g、0.669mol)、アセトニトリル(109.6g、2.67mol)、炭酸カリウム(27.8g、0.201mol)、エタノール(202.4g、4.39mol)を仕込んだ。
次に、滴下漏斗を使って45%過酸化水素水溶液(101.2g、1.34mol)を3時間かけて滴下し、滴下終了後、30℃で2時間攪拌を行った。
続いて、45%過酸化水素水溶液 (75.6g、1.00mol)を2時間かけて滴下(追添)し、滴下終了後、30℃でさらに17時間攪拌して反応を終了させた。
反応終了後の反応液に純水(150.0g)とトルエン(150.0g)を加えて攪拌した後に、静置して有機層と水層を分離し、水層を除去した。続いて、有機層を5%亜硫酸ナトリウム水溶液(200.0g)で3回、純水(100.0g)で2回洗浄した。
その後、減圧下で溶剤を留去し、無色透明な液体(154.3g、GC純度:92%)を得た。この液体のエポキシ当量を測定したところ、138g/eqであった。また、全塩素測定の結果は4ppmであった。
〔液状硬化性組成物の調製〕
表1、2に示す配合割合で、室温で三本ロールミルを用いて成分を混練して、実施例1〜8及び比較例1〜8の液状硬化性組成物を各々調製した。表中の液状硬化性組成物の調製に用いた各成分を以下に示した。実施例1〜4及び比較例1〜4と、実施例5〜8及び比較例5〜8との相違は、(C)無機充填材の有無のみである。
(A)エポキシ化合物
(A‐1)合成例1のビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量:180g/eq、塩素濃度:1ppm)
(A‐2)合成例2のビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量:169g/eq、塩素濃度:1ppm)
(A‐3)合成例3の1,4‐シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(エポキシ当量:138g/eq、塩素濃度:4ppm)
(A‐4)市販の高純度ビスフェノールAジグリシジルエーテル(新日鐵化学株式会社製、エポトートYD‐8125、エポキシ当量:172、塩素濃度:780ppm)
(A‐5)市販の高純度ビスフェノールFジグリシジルエーテル(新日鐵化学株式会社、エポトートYDF‐8170C、エポキシ当量:160、塩素濃度:550ppm)
(A‐6)市販の高純度1,4‐シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(新日鐵化学株式会社製、エポトートZX-1658GS、エポキシ当量:135、塩素濃度:520ppm)
(B)硬化剤
4‐メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化株式会社製、リカシッドMH)
(C)充填材
球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス製、SO‐E6):平均粒径2.0μm(レーザー回折式粒度分布計による測定値)
(D)硬化促進剤
2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、2E4MZ)
〔測定方法〕
前記エポキシ化合物のエポキシ当量および全塩素量は以下の方法で測定した。
<エポキシ当量>
エポキシ当量はJIS‐K7236に準拠して求めた。試料を0.1〜0.2g秤量し、三角フラスコに入れた後、クロロホルム10mlを加えて溶解させた。次に、酢酸20mlを加え、続いて臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液(臭化テトラエチルアンモニウム100gを酢酸400mlに溶解させたもの)10mlを加えた。
この溶液にクリスタルバイオレット指示薬を4〜6滴加え、0.1mol/L過塩素酸酢酸溶液で滴定し、滴定結果に基づいて、下記式に従ってエポキシ当量を求めた。
エポキシ当量(g/eq)=(1000×m)/{(V1−V0)×c}
m:試料の重量(g)
V0:空試験における終点までの滴定に消費した過塩素酸酢酸溶液の量(ml)
V1:終点までの敵定に消費した過塩素酸酢酸溶液の量(ml)
c:過塩素酸酢酸溶液の濃度(0.1mol/L)
<全塩素量>
全塩素量測定の分析は、試料を800℃以上の高温で燃焼・分解させ、その分解ガスを超純水等に吸収し、イオンクロマトグラフィーで定量した。イオンクロマトフィーは、メトローム社製 861 Advanced Compact IC、Shodex SI-90 4Eカラムから構成され、溶離液は1.7mM NaHCO/1.8mMNaCO水溶液、1.3ml/minで測定した。
前記エポキシ化合物(A)、硬化剤(B)、無機充填材(C)および硬化促進剤(D)を含む液状半導体封止用組成物の粘度は東機産業(株)RE-80U型粘度計、回転速度10rpmにて25℃で測定した。
〔硬化物の作製と特性評価〕
実施例1〜8及び比較例1〜8の液状樹脂組成物を各々120℃,2時間+180℃,2時間の条件で硬化して、特性評価用の硬化物を作製した。硬化物特性は、以下の測定法により評価した。
<ガラス転移温度(Tg)>
熱機械測定(TMA)により測定した。セイコー電子工業株式会社製SSC5200H熱分析システムを使用し、温度範囲40〜180℃、昇温速度10℃/min、荷重3gの条件で4×4×10mmの試験片を用いて測定を行った。得られた膨張曲線における転移に基づく変曲点前後の直線領域で各々引いた2本の直線の外挿線の交点の温度をガラス転移温度とした。
<線膨張係数(CTE)>
Tgと同様に、TMAにより測定した。セイコー電子工業株式会社製SSC5200H熱分析システムを使用し、温度範囲40〜180℃、昇温速度10℃/min、荷重3gの条件で4×4×10mmの試験片を用いて測定を行い、Z軸方向の膨張率より線膨張係数を求めた。得られた膨張曲線におけるTg前後の直線部分の平均値として、α1を(Tg-40℃)〜(Tg-20℃)の範囲、α2を(Tg+20℃)〜(Tg+40℃)の範囲で各々求めた。
<強度測定>
曲げ強度、曲げ弾性率測定には株式会社オリエンテック製テンシロン材料試験機UCT‐1Tを使用した。測定には3×10×80mmの試験片を用い、試験速度1.5mm/min.で試験を行った。
<長期信頼性評価>
長期信頼性の指標としてHHBT試験を実施した。試験用基板上に樹脂層を作製成し、硬化させることにより、HHBT試験用基板を作製した。試験条件は、温度85℃、相対湿度85%RHの高温高湿下、L/S=50/50μm、印加電圧 DC100Vで実施した。絶縁抵抗の急激な低下が見られた時点を導体間に短絡が発生した時点とみなし、絶縁不良発生とした。
Figure 2012092247
Figure 2012092247
表1に示したように、合成例1〜3で合成したエポキシ化合物を用いた実施例1〜4は、対応する市販のエポキシ化合物を用いた略同等の組成の比較例1〜4と略同等の硬化物特性を示した。これに対して、表2に示したようにHHBT試験においては、比較例5〜8で絶縁不良が発生したが、実施例5〜8では絶縁不良は認められなかった。
以上の結果から、本発明の液状硬化性組成物は、従来のエポキシ樹脂を使用した液状硬化性組成物と比較して長期信頼性に優れることが示唆される。
本発明の液状硬化性組成物は、従来のエポキシ樹脂を使用した液状硬化性組成物よりも、長期信頼性に優れており、これを用いた半導体装置を搭載する、電気・電子機器分野、通信機器分野、コンピューター分野等の多くの産業分野で有用である。

Claims (11)

  1. (A)過酸化水素を酸化剤として用いた酸化反応により分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化して得られる全塩素量が10質量ppm以下である室温で液状のエポキシ化合物、(B)硬化剤および(C)充填材を含む液状硬化性組成物。
  2. 前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が、アリルエーテル結合を有する化合物である請求項1に記載の液状硬化性組成物。
  3. 前記(A)エポキシ化合物が一分子中に少なくとも平均2個以上のグリシジル基を有する請求項1または2に記載の液状硬化性組成物。
  4. 前記(A)エポキシ化合物がビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルの少なくとも1種類を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
  5. (D)硬化促進剤をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
  6. 25℃での粘度が1〜200Pa・sである請求項1〜5のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
  7. 前記過酸化水素を酸化剤として用いた酸化反応が、ニトリル化合物、塩基性塩化合物、及びアルコールを用いて行われる請求項1〜6のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
  8. 前記(C)充填材が絶縁性充填材である請求項1〜7のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
  9. 前記(C)充填材が導電性充填材である請求項1〜7のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
  10. 前記絶縁充填材が非晶質シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、チッ化アルミニウム、チッ化ケイ素からなる群より選択されるいずれかの無機充填材である請求項8に記載の半導体封止用液状硬化性組成物。
  11. 前記導電性充填材が金属、カーボン、グラファイト、絶縁性核材の表面に金属被覆層を有する複合粒子、からなる群から選択されるいずれかである請求項9に記載のダイボンド材、導電性接着剤、異方導電性接着ペースト用液状硬化性組成物。
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