JP2013006981A - 三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物及びその塗布液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ当量が2500g/当量以上であるエポキシ樹脂(A)、および、エポキシ当量が400g/当量以下であるエポキシ樹脂(B)を少なくとも含む三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1、2では、高熱伝導性フィラーとして熱伝導率の高い無機化合物の粉末または繊維を配合し、エポキシ樹脂については一般的なビスフェノールA型エポキシ樹脂で非常に分子量の高いものを用いており、エポキシ樹脂自体の熱伝導性には言及していない。すなわち、特許文献1,2において、熱伝導性はフィラーが担っており、エポキシ樹脂はフィルムとしての取り扱いやすさを付与しているのみである。
また、特許文献3では、フィラーの形状を特徴付けており、特許文献4では、フィラーの配合による接着性等の低下をエポキシ樹脂と相溶性の高分子量樹脂や反応性高分子量樹脂の配合で改善しており、いずれも使用されているエポキシ樹脂はごく一般的なノボラックやビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
しようとする発明がいくつか開示されている。例えばメソゲンを含有するエポキシ樹脂と硬化剤により高い熱伝導性を有する樹脂組成物が報告されている(特許文献5、6参照)。
しかしながら、従来提案されているメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂組成物は、熱伝導性には優れるものの、塗布性や接合性などの三次元積層型半導体装置の製造プロセスに適用することが困難であった。例えば、はんだ接合時の層間充填材の粘度に関しては、150℃において0.3〜80Pa・sとの粘度とすることで、層間充填材を噛み込むことなく半導体チップの微細ピッチ表面電極(バンプ)と基板のランドが接触しうるとの開示がされている(特許文献7)。しかしながら、メソゲンを含有したエポキシ樹脂は高粘度であったり、あるいは、融点が高くなる傾向にあり、この接合時の低粘度を実現することが難しかった。
すなわち、これまでに、三次元積層型半導体装置の製造プロセス適合性を満たした上で、高い熱伝導性を有する層間充填材組成物は提供されていない。
<1> エポキシ当量が2500g/当量以上であるエポキシ樹脂(A)、および、エポキシ当量が400g/当量以下であるエポキシ樹脂(B)を少なくとも含む三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物。
<2> エポキシ樹脂(A)が、下記式(1)で表される構造を有する前記<1>に記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物。
<4> 更に硬化剤(C)を含み、該硬化剤(C)の含有量が、全エポキシ樹脂100重量部当たり、0.01重量部以上200重量部以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物。
<5> 更に無機フィラー(D)を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の三次元積層型半導体装置用層間充填材組成物。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の組成物に、更に、有機溶媒(E)を含む三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物塗布液。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の組成物を硬化させてなる三次元積層型半導体装置用の層間充填材硬化物。
<8> 前記<6>に記載の層間充填材組成物塗布液を用いる三次元積層型半導体装置の製造方法。
<9> 前記<7>に記載の層間充填材硬化物を使用してなる三次元積層型半導体装置。
ここに、本発明の三次元集積型半導体装置とは、半導体デバイス層が形成された半導体チップを少なくとも2層以上積層した半導体チップ積層体である。各半導体チップには、貫通電極(TSV)が設けられており、半導体チップ間では、バンプを介してTSVが接続される。この積層体の層間には、層間充填材(層間充填材組成物)が使用される。
このプロセスに適合するために、層間充填材組成物には、成膜性、Bステージ膜形成性、仮接着性、高温加熱時の低溶融粘性などが求められる。
本発明の上記エポキシ樹脂(A)、および、エポキシ樹脂(B)を含有する層間充填材組成物は、かかる要求性能に適合するものであり、更に、硬化剤(C)や無機フィラー(D)を含有することにより、より最適な層間充填材組成物とすることができる。
先ず、本発明の層間充填材組成物(以下、単に「組成物」ということがある。)の成分(A)〜(D)について説明する。
本発明の層間充填材組成物を構成するエポキシ樹脂(A)は、下記式(1)で表される構造を有し、かつ、エポキシ当量が2500g/当量以上であるエポキシ樹脂である。
エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂成分として所望の量添加することで硬化物の熱伝導性を高めることが出来、また、エポキシ樹脂(A)の伸び性に由来して、材料に低応力性を付与しうることから、製品への要求物性と高熱伝導性の両立が可能な本発明の層間充填材組成物を提供することができる。
エポキシ樹脂(A)が熱伝導性に優れる理由の詳細は明確ではないが、全ての骨格がビフェニル骨格であることから構造の自由度が少なく、振動エネルギーが減衰しにくいこと、またビフェニル骨格は平面性が高いため、分子間の重なりが良く、より分子運動を拘束できることによるものであると推定される。
尚、R1の炭化水素基は置換基を有していてもよく、その置換基は特に限定されるものではないが、分子量で200以下のものである。
また、R1のハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を指し、これらは1種のみでも複数種を含んでいてもよい。
また、R1としては、2位及び/又は6位に水素原子があることが好ましく、3位及び/又は5位に炭化水素基があることが好ましい。
伸び性の観点からは、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、好ましくは3,000g/当量以上、より好ましくは4,000g/当量以上である。
一方、エポキシ当量の上限値は特に限定はないが、取り扱い性・作業性という点で、好ましくは15,000g/当量以下、より好ましくは10,000g/当量以下である。エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、後述の実施例の項に記載される方法で求められる。
エポキシ樹脂(A)は、例えば、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)を反応させる、二段法によって得ることができる。また、1種類又は2種類以上のビフェノール化合物(Y)とエピクロロヒドリンを直接反応させる、一段法によっても得られる。しかし、ビフェノール化合物(Y)は溶剤溶解性が良くないため、一般的に一段法に用いられる溶剤がそのまま適用できない場合があるので、二段法を用いることが好ましい。
ケトン系溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジオキサンなどが挙げられる。
アミド系溶剤の具体例としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
本発明の層間充填材組成物を構成するエポキシ樹脂(B)は、エポキシ当量が500g/当量未満のエポキシ樹脂である。
本発明の層間充填材組成物は、エポキシ樹脂(A)と共にエポキシ樹脂(B)を含むことにより高温加熱時に流動性が発現し、三次元積層型半導体装置のはんだ接合を容易に行うことが出来る。
ここで、本発明の組成物は、500g/当量未満のエポキシ樹脂(B)を含有することにより、高流動性と高反応性を有するエポキシ樹脂成分が導入され、このエポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との混合物が加熱接合時に溶融し流動することではんだとランドの接合を阻害しない。
エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が、500g/当量以上であると、十分な加熱流動性を有する組成物が得られないことがある。
これらは1種を単独で又は2種以上の混合体として使用することができる。
他のエポキシ樹脂の例としては、ビスA型の固形エポキシ樹脂やビスF型の固形エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂の反応性希釈剤などが挙げられる。
エポキシ樹脂(A)の割合が1重量%以上であることにより、エポキシ樹脂(A)を配合することによる熱伝導性の向上などの効果を十分に得ることができる。エポキシ樹脂(A)の割合が50重量%以下であることにより、加熱時の低溶融粘度が実現される。
次に、本発明で用いる硬化剤(C)とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応に寄与する物質を示す。
硬化剤(C)としては、特に制限はなく一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾールおよびその誘導体、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
硬化剤(C)の含有量が0.01重量部未満であると、硬化が不十分になるおそれがあり、200重量部を超えると接着性、熱伝導性などの所望の物性が得られない場合がある。
本発明の層間充填材組成物において、無機フィラー(D)は、熱伝導性の向上と線膨張係数の制御を目的に添加されるものであり、特に熱伝導性の向上が主目的である。
そのため、本発明で用いる無機フィラー(D)は高い熱伝導性を有するものが好ましく、当該無機フィラーの熱伝導率として1W/m・K以上、好ましくは2W/m・K以上の高熱伝導性無機フィラーが好ましい。
また、凝集状の無機フィラーであれば、平均結晶径が0.01μm〜5μmで、平均凝集径が1〜1000μmのものを用いることが好ましい。
添加剤の例としては、はんだ接合性向上のためのフラックス、基材との接着性やマトリックス樹脂と無機フィラーとの接着性向上のためのカップリング剤、保存安定性向上のための紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、着色剤、分散剤、流動性改良剤、基材との密着性向上剤等が挙げられる。
これらは、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。その他の添加剤の配合量には特に制限はなく、必要な機能性が得られる程度に、通常の樹脂組成物の配合量で用いられる。
上記添加剤の中でも、フラックスを含むことが好ましい。フラックスとは、具体的には、金属端子のはんだ接合時において、はんだバンプ等の金属電気信号端子及びランドの表面酸化膜の溶解除去や、はんだバンプのランド表面における濡れ広がり性の向上、更にははんだバンプの金属端子表面の再酸化防止などの機能を有する化合物である。
ここで、シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、さらに、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等が挙げられる。
本発明の層間充填材組成物は、エポキシ樹脂、無機フィラー、硬化剤とその他の成分をミキサー等によって均一に混合した後、加熱ロール、ニーダー等によって混練して製造する。これらの成分の配合順序には特に制限はない。また、混練後にプレス機などを用いてフィルム化することも可能である。更には、混練後に溶融混練物の粉砕を行い、パウダー化することやタブレット化することも可能である。
本発明の組成物は、エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化剤(C)、無機フィラー(D)、及び、必要に応じて上記その他の添加剤を、更に有機溶媒(E)に分散して塗布液とすることができる。
本発明の塗布液で用いる有機溶媒(E)としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族類などが挙げられる。
このうち、樹脂の溶解性及び溶媒の沸点等を勘案すると、メチルエチルケトンやシクロヘキサノン等ケトン類、エステル類及びエーテル類が好ましく、特にメチルエチルケトンとシクロヘキサノンのケトン類を用いることが特に好ましい。
これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
有機溶媒(E)の混合割合が、20重量%未満では組成物の粘度が上昇し良好な塗布膜が得られない場合があり、または70重量%を超えると所定の膜厚が得られない等の問題が出てくる可能性がある。
このような添加剤としては、上述の添加剤の他、塗布液中での各成分の分散性を向上させる界面活性剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等が挙げられる。
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類、アルキルベタイン類、アミノ酸類などが挙げられる。
界面活性剤の添加量として、組成物中の全固形分に対して、0.001〜5重量%程度とするのが好ましい。0.001重量%未満では、所定の膜厚均一性が得られない場合があり、また5重量%を超えるとエポキシ樹脂成分との相分離等を引き起こす場合があり好ましくない。
混合順序も反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であり、塗布液の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め配合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
本発明の層間充填材組成物は、フィルム成形・塗布等のプロセスに適用するのに十分な伸び性を有し、かつ熱伝導性、耐熱性とのバランスに優れ、硬化物性にも優れるものであり、三次元積層型半導体装置の層間絶縁充填材に好ましく使用される。また、本発明の組成物の塗布液は、上記フィルム成形・塗布等のプロセスに好適に使用されるものである。
<硬化物の製造>
以下、本発明の層間充填材組成物を含有する塗布液から硬化物を得る場合につき詳述する。
本発明の塗布液を三次元積層型半導体装置の製造に適用して硬化物を得る場合は以下の手順で行う。本発明の組成物をウェハ基板上に塗布し、塗布膜から溶媒を除去してBステージ膜とした後、ウェハから半導体チップを切り出す。切り出したチップを基板上に載せ、位置合わせ後に加圧・加熱を行って仮接着したのちに、はんだの溶融温度まで半導体チップ−基板を加圧・加熱して接合を行う。その後、この接合済みの半導体チップ−基板をオーブン中などで加熱し、硬化させることができる。なお、Bステージ薄膜とは、塗布膜をその膜面が鉛直方向となるように傾けた場合にも塗布膜が流動しない状態の薄膜をさす。
なお、ここで、組成物の硬化温度とはゲル化点の温度である。溶媒除去時の処理温度は、組成物の硬化温度に対して10〜100℃程度低い温度とすることが好ましい。
また、以下における各種物性ないし特性の測定方法は次の通りである。
<分子量>
東ソー(株)製「HLC−8120GPC装置」を使用し、以下の測定条件で、標準ポリスチレンとして、TSK Standard Polystyrene:F−128(Mw1,090,000、Mn1,030,000)、F−10(Mw106,000、Mn103,000)、F−4(Mw43,000、Mn42,700)、F−2(Mw17,200、Mn16,900)、A−5000(Mw6,400、Mn6,100)、A−2500(Mw2,800、Mn2,700)、A−300(Mw453、Mn387)を使用した検量線を作成し、重量平均分子量および数平均分子量をポリスチレン換算値として測定した。
カラム:東ソー(株)製「TSKGEL SuperHM−H+H5000+H4000+H3000+H2000」
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/分
検出:UV(波長254nm)
温度:40℃
試料濃度:0.1重量%
インジェクション量:10μL
前記式(1)におけるnの値およびその平均値は、上記で求められた数平均分子量より算出した。
JIS K 7236に準じて測定し、固形分換算値として表記した。
溶剤を乾燥除去したエポキシ樹脂で、SIIナノテクノロジー(株)製「DSC7020」を使用し、30〜200℃まで10℃/minで昇温して測定した。
エポキシ樹脂の溶液をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み:100μm)にアプリケーターで塗布し、60℃で1時間、その後150℃で1時間、更に200℃で1時間乾燥させ、厚さ約50μmのエポキシ樹脂フィルムを得た。これを幅1cmに切り出し、オートグラフ(INSTRON 5582)を使用して5mm/minで3回測定した平均値を示した。
本発明の層間充填材組成物の溶融粘度とは、株式会社アントンパール・ジャパン製 粘弾性測定装置Physica MCR301を用いて測定したパラレルプレート動的粘度である。測定方法は以下の通りである。まず、本発明の組成物から溶媒を留去して固形物を得、その後、この固形物を二枚のセパレータに挟み込んで加熱プレス成型を行った後に室温まで放冷し、厚さ約1mmの板状サンプルを得た。このサンプルを、パラレルプレートディッシュとパラレルプレート(φ25mm)の間に載置しパラレルプレート動的粘度測定を行った。測定条件は、上記サンプルに正弦波歪みを20%与え、その歪みの角周波数は10rad/secとし、1分間に3℃の割合で昇温させる過程での粘度を40℃〜200℃まで測定した。
1)実施例で使用したエポキシ樹脂(A1)は、下記の方法で製造した。
使用した原料、触媒、溶剤を以下に示す。
・化合物(X):三菱化学(株)製 商品名「YL6121H」(4,4’−ビフェノール型 エポキシ樹脂と3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂の1:1混合物、エポキシ当量171g/当量)
・化合物(Y):3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール(OH当量107g/当量、本州化学(株)製)
・触媒:27重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液
・溶剤
溶剤1:シクロヘキサノン
溶剤2:メチルエチルケトン
その後、該耐圧反応容器に溶剤1(シキロヘキサノン)212.1重量部及び溶剤2(メチルエチルケトン)393.8重量部を加えて固形分濃度を調整した。
反応生成物から定法により溶剤を除去した後、得られたエポキシ樹脂(A1)について分析を行った結果を以下に示す。
エポキシ樹脂(A1)
重量平均分子量(Mw):26425
数平均分子量(Mn) :8129
式(1)におけるn数 :29
エポキシ当量 :4586(g/当量)
Tg :103(℃)
伸び :10(%)
1)エポキシ樹脂(B)
エポキシ樹脂(B1):三菱化学(株)製 ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂 商品名「834」
エポキシ樹脂(B2):三菱化学(株)製 ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂 商品名「828EL」
エポキシ樹脂(B3):三菱化学(株)製 トリスフェノールメタン型多官能エポキシ樹脂 商品名「1032H60」(80重量%メチルエチルケトン溶液を調整)
その他のエポキシ樹脂:三菱化学(株)製 ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂 商品名「1001」(80重量%メチルエチルケトン溶液を調整)
2)溶媒(E):メチルエチルケトン
上記エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(B1)、(B2)、(B3)及びその他のエポキシ樹脂を表1に示す配合重量比として自転公転ミキサーで混合した。それぞれのサンプルについて、溶媒を除去した後のBステージ化膜の性状、80℃での粘着性、150℃での溶融粘度を評価し、結果を表1にまとめた。すべての場合において、三次元積層プロセスへの適合性を満たしていた。すべてのサンプルにおいて、エポキシ樹脂(A1)に含まれるメソゲン部位の配向に起因する高熱伝導性が発現する。
Claims (9)
- エポキシ当量が2500g/当量以上であるエポキシ樹脂(A)、および、エポキシ当量が400g/当量以下であるエポキシ樹脂(B)を少なくとも含むことを特徴とする三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物。
- 全エポキシ樹脂中のエポキシ樹脂(A)の割合が、2重量%以上40重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物。
- 更に硬化剤(C)を含み、該硬化剤(C)の含有量が、全エポキシ樹脂100重量部当たり、0.01重量部以上200重量部以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物。
- 更に無機フィラー(D)を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物に、更に、有機溶媒(E)を含むことを特徴とする三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物塗布液。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物を硬化させてなることを特徴とする三次元積層型半導体装置用の層間充填材硬化物。
- 請求項6に記載の層間充填材組成物塗布液を用いることを特徴とする三次元積層型半導体装置の製造方法。
- 請求項7に記載の層間充填材硬化物を使用してなることを特徴とする三次元積層型半導体装置。
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