JP4698165B2 - ポリアミック酸およびポリイミド - Google Patents

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Description

本発明は、新規な脂環式テトラカルボン酸二無水物から得られる新規なポリアミック酸およびそれから得られる新規なポリイミドに関する。
ポリイミドはその特徴である優れた機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性を利用して各種工業部品の素材原料として使用されるほか、反応性を利用してエポキシ樹脂の硬化剤として使用され、さらに、近年では、液晶表示素子、半導体における保護材料、絶縁材料などの電子材料、光導波路用材料等の光通信用材料、液晶配向膜として使用されている。
しかし、代表的な全芳香族ポリイミド(例えば、ピロメリット酸と4,4´−ジアミノジフェニルエーテルとの開環重付加反応からなるポリイミド等)は、濃い琥珀色であるため、高い透明性を要求される用途においては問題が生じてくる。
また、主鎖に芳香族環が連続して存在するために紫外線領域の光に対する吸収が大きく、光機能部材に使用するときに問題となることがある。
また、全芳香族ポリイミドは有機溶剤に極めて不溶であるため、実際にはその前駆体であるポリアミック酸を特定有機溶剤に溶解させ、これを加熱して脱水イミド閉環反応させる場合がある。しかし、例えば、液晶表示装置におけるポリイミド製膜とカラーフィルターの関係に見られるように、この工程に必要とされる温度と時間によっては、当該ポリイミドと併用される他部材の機能に悪影響を与えることがある。
上記問題の解決手段として、テトラカルボン酸二無水物モノマーとして脂環式テトラカルボン酸二無水物を用いてポリアミック酸を製造し、つづいて脱水イミド閉環反応して着色性の小さいポリイミドを製造することが提案されている。
しかしながら、これら技術において提案されてきた脂環式テトラカルボン酸二無水物モノマーは、ディールス・アルダー反応の後にさらに、一般に収率に問題のあるエン反応を必要とする化合物(例えば、特許文献1〜2を参照。)、あるいは、より複雑な構造のために容易に得ることが困難な化合物である(例えば、特許文献3〜5を参照。)したがって、これらの提案は、コストの面で問題があることに加え、不純物が混入する危険が潜在すると考えられる。また、当該テトラカルボン酸二無水物は比較的低融点を有する化合物であり、得られるポリイミドには十分な耐熱性が得られない。なお、1モルの1,1−ジフェニルエチレンと2モルの無水マレイン酸から得られるトリシクロ環構造のテトラカルボン酸二無水物モノマーも提案されているが、ディールス・アルダー反応で形成された1位の炭素・炭素不飽和結合部が高温で逆ディールス・アルダー反応して分解することがある。(例えば、特許文献1〜6、非特許文献1を参照。)
特開平9−71650号公報 特開平2002−338686号公報 特開平6−136120号公報 特開2001−48874号公報 特開2003−96070号公報 特開平9−211467号公報 W.N.Emmerling et al 、European Polymer Journal, Vol.13, p179-184
この問題を解決するためには、テトラカルボン酸二無水物をポリイミドのモノマーとして使用した場合の特性である紫外線低吸収性、有機溶剤への溶解性に加えて、高い融点を有し、製造工程で容易に高収率で得ることができ、かつ精製が容易であり高純度の製品が得られ、さらにポリアミック酸およびポリイミドの構成モノマーとして適当な反応性を有するテトラカルボン酸二無水物を見出すことが必要である。
本発明の第1は、下記一般式(1)および(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つと下記一般式(3)で表されるジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸に関するものである。
Figure 0004698165
Figure 0004698165
一般式(1)、(2)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
Figure 0004698165
一般式(3)において、R3は2価の有機基を表す。
本発明の第2は、本発明の第1の一般式(1)および(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つおよび下記一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物と下記一般式(3)で表されるジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸に関するものである。
Figure 0004698165
一般式(4)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
本発明の第3は、本発明の第1または第2におけるポリアミック酸を脱水閉環して得られるポリイミドに関するものである。
本発明は、高純度で得られる特定の構造を有する新規な脂環式テトラカルボン酸二無水物をモノマーとして用いて、紫外線領域に吸収がなく、光透過性が高く、更に有機溶媒に対する溶解性に優れたポリアミック酸およびポリイミドを得ることができる。有機溶媒に対する溶解性に優れるのでスピンコート等による製膜加工が容易であり、特に液晶表示装置に使用される液晶配向膜への成形性に優れるポリイミドを得ることができる。また、金属やエポキシ樹脂との接着性に優れ、各種フレキシブル回路基板(TAB、COF等を含む。)に使用できるポリイミドを得ることができる。
一般式(1)または(2)を必須成分として含むテトラカルボン酸二無水物と一般式(3)で表されるジアミンを反応させて得られるポリアミック酸を脱水閉環して得られるポリイミドは、その構成材料として含有される一般式(1)、(2)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物の構造に由来して、以下の優れた特性を有する。
(1)脂環式テトラカルボン酸二無水物中の主鎖を構成する部分はトリシクロ環構造であるため、ポリイミドの耐熱性を大きく低下させることがない。
(2)脂環式テトラカルボン酸二無水物の構造が非対称であり、さらに、芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含むため、ポリイミド分子に屈曲性が付与され、光透過性が高い。
(3)脂環式テトラカルボン酸二無水物が非対称構造であり、さらに、芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含むため、ポリイミド分子に屈曲性が付与され、塗膜成形体の靭性が高い。
(4)脂環式テトラカルボン酸二無水物が温和で副反応の無い経路で生成されるため、ポリイミド中の不純物濃度が低い。
(5)ディールス・アルダー反応で生成した炭素・炭素二重結合部が水素添加されているため高温環境したでの逆ディールス・アルダー反応による分解が抑制される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリアミック酸およびポリイミドは、一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つと一般式(3)で表されるジアミンから得られる。または、本発明のポリアミック酸およびポリイミドは、一般式(1)および(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つおよび一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式(3)で表されるジアミンとから得られる。一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、一般式(5)で表される化合物1モルと一般式(6)で表される化合物2モルとを反応させて得られる一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物を水素添加することによって得られる。(非特許文献1を参照。)
Figure 0004698165
Figure 0004698165
一般式(5)、(6)において、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、1,1−ジフェニルエチレン、1,1−ジ(メチルフェニル)エチレン、1−フェニル−1−メチルフェニルエチレン、1,1−ジフェニルプロペン、1,1−ジ(メチルフェニル)プロペン、1−フェニル−1−メチルフェニルプロペン等が挙げられる。
一般式(6)で示される化合物の具体例としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸(3−メチル無水マレイン酸)、3−エチル無水マレイン酸、3,4−ジメチル無水マレイン酸、3−クロル無水マレイン酸、3,4−ジメチル無水マレイン酸、等が挙げられる。
一般式(5)の化合物1モルと、一般式(6)の化合物2モルとは、図1に示す経路で反応して、一般式(4)のテトラカルボン酸二無水物を生成するものと考えられる。反応の進行には、特に触媒を必要とせず、適宜、溶剤を使用して、両者を混合して加熱攪拌して得ることができる。反応温度は、溶媒を使用した場合は当該溶媒の沸点付近で行うのが一般的であるが、50〜200℃間で行うことができる。より好ましくは、60〜150℃である。反応時間は反応温度との関係から定まるが、通常0.1〜20時間の範囲が好ましい。
以下、反応経路を図1にしたがって説明する。
一般式(5)と一般式(6)の化合物とは、炭素・炭素二重結合の電子密度差を誘因として電荷移動錯体を形成する。
したがって、一般式(5)および一般式(6)それぞれの化合物に存在する置換基が、両者の炭素・炭素二重結合の電子密度差を減少させないようにすることが好ましい。すなわち、一般式(5)の化合物の芳香族環以外の炭素に電子吸引性の強い置換基を存在させすることは好ましくなく、一般式(6)の化合物の炭素に電子供与性の強い置換基を存在させることは好ましくない。さらに、立体障害効果を有する置換基の存在も好ましくない。
したがって、一般式(5)中のR1および一般式(6)中のR1の少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。また、R1およびR2は、それぞれがアルキル基である場合、炭素数10以下であることが好ましく、炭素数5以下がさらに好ましく、特にメチル基、プロピル基が好ましい。
さらに、一般式(5)の化合物については、m+n≦4とすることが好ましく、特に、m+n≦2が好ましい。よって、最も好ましい一般式(5)で表される化合物は1,1−ジフェニルエチレンであり、最も好ましい一般式(6)で表される化合物は無水マレイン酸である。
一般式(5)と一般式(6)とから形成される電荷移動錯体は、分子内環化反応により六員環(シクロヘキサジエン環)となり、当該六員環化合物内のシクロヘキサジエン部と原料化合物一般式(6)の炭素・炭素二重結合部とが、ディールス・アルダー反応を経由して一般式(4)の化合物を生成するものと考えられる。当該ディールス・アルダー反応によって生成する炭素・炭素二重結合部は高温環境下で逆ディールス・アルダー反応で分解することがあるので、公知の還元法等を用いて常法により水素添加して当該部分を単結合として一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物、さらに、側鎖の芳香族環を核水添して一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物とする。
接触還元方法は、金属触媒として、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金、ニッケル、コバルト等を使用して、溶媒中で、水素圧を常圧から10MPa(100kg/cm2)の範囲、温度を0〜150℃の範囲で行うことができる。
さらに詳しく述べれば、一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、パラジウム系触媒存在下で水素圧を1MPa〜5MPaの範囲とし、温度を室温〜50℃の範囲で5〜20時間接触還元を行うとよく、一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、パラジウム系触媒存在下で水素圧を5MPa〜8MPaの範囲とし、温度を50〜100℃の範囲で5〜20時間接触還元を行うとよい。
一般式(1)、(2)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、従前の脂環式ポリイミドに使用されているテトラカルボン酸二無水物に比べて、特段の反応条件変更を要さずに実質的にひとつの反応操作で、エン反応等と比較して温和な条件下による反応で、副生成物を生じることなく得られ、特に高い純度が要求される光学機能部材中で使用されるポリイミドを製造するモノマーとして極めて優れた特性を発揮する。これらの中でも、一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、高温環境下でも逆ディールス・アルダー反応がないので、高い耐熱性、あるいは、長期の安定性が要求されるポリイミドの構成モノマーとして優れている。
本発明に係る一般式(1)、(2)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、2つのカルボン酸二無水物基がトリシクロ環構造中に非対称に配置されていること、および、側鎖(例えば、n=0であればベンゼン環。)を有していることを特徴とする。本発明者らは、当該基本構造が、ポリアミック酸およびポリイミドの耐熱性、有機溶剤への溶解性、靭性の付与に大きく関与しているものと考えている。
上記基本的特性に加えて、より優れた耐熱性と芳香族系材料との親和性を所望する場合は一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物、よりすぐれた透明性と溶解性を所望する場合は一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物を単独で使用するが、これらの特性をバランスよく所望する場合は、混合して使用しても良い。なお、一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物も、化学修飾や架橋反応を所望する場合、300℃以上で残渣を大量に残さない熱分解を所望する場合は併用することが好ましい。
また、本発明に係るポリアミック酸およびポリイミドを得るためには、一般式(1)、(2)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物中に開環重付加反応や閉環反応の進行に関して立体障害となる置換基を含まないことが好ましく、一般式(1)、(2)、(4)の中でも、1,1−ジフェニルエチレンと無水マレイン酸から合成されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリイミドの構成成分として使用される公知の他のテトラカルボン酸無水物を併用することができることはもちろんである。
一般式(3)で表されるジアミン化合物としては、特に制限は無く、ポリイミド構成モノマーとして知られているジアミン化合物であればよい。R3の好ましい炭素数は6〜18であり、芳香族環を有するものがさらに好ましい。
好ましい例を挙げれば、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどがあり、特に好ましくは、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。
本発明のポリアミック酸は、一般式(1)、(2)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式(3)で表されるジアミン化合物とを、例えば、開環重付加反応させることにより合成することが出来る。
一般式(1)、(2)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式(3)で表されるジアミン化合物とでポリアミック酸を合成するときの好ましい使用割合は、上記ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対する上記テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜4当量となる範囲である。重合度の高いポリアミック酸を得たいときは、0.8〜1.2当量の範囲とする。
上記手法により、対数粘度が0.05〜10の範囲にあるポリアミック酸を得ることができる。なお、対数粘度の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液について30℃で、対数粘度=[ln(溶液粘度/溶媒粘度)]/[溶液濃度]によって求める。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、通常0〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はない。なお、溶媒を例示すれば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒、m−クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒が挙げられる。
つづいて、この反応溶液とポリアミック酸の貧溶媒を混合して析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
なお、貧溶媒を例示すれば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
本発明に係るポリイミドは、公知の方法に従って、上記ポリアミック酸をそのまま、あるいは、有機溶媒中で、イミド化反応時に生成する低分子化合物を系外に除去しながら、加熱して、脱水閉環(イミド化反応)して合成する。加熱における反応温度は50〜300℃、好ましくは、100〜200℃である。反応温度が50℃未満ではイミド化反応が十分に進行せず、反応温度が300℃を超えると得られるポリイミドの分子量が低下することがある。
また、上記ポリアミック酸の溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加しても、本発明に係るポリイミドを合成することができる。脱水剤を例示すれば、無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物が挙げられる。イミド化触媒を例示すれば、トリエチルアミン、ピリジン、コリジン等の第3級アミンが挙げられる。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、本発明のポリイミドを精製することができる。
本発明に係るポリイミドは、その構成材料として含有される一般式(1)、(2)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物の構造に由来して、従来の脂環式テトラカルボン酸二無水物を含有するポリイミドと比較して、以下の優れた特性を併せ持っていることが特長であり、極めてバランスのとれたポリイミドである。
従来の脂環式テトラカルボン酸二無水物から得られたポリイミドの主鎖には、テトラカルボン酸二無水物中の自由回転可能な炭素・炭素結合が導入されるものがあり、そのために良好な耐熱性が得られなかったが、本発明に係るポリイミド中では、テトラカルボン酸二無水物が構成する主鎖部分はトリシクロ環構造であり、また、逆ディールス・アルダー反応が抑制されているため、耐熱性が良好である。(後述のTGA分析を参照。)
本発明の脂環式テトラカルボン酸二無水物の構造が非対称であり、さらに、芳香族環またはシクロヘキサン環を側鎖として含むため、ポリイミド分子に屈曲性が付与され、光透過性が高い。(後述の溶液の目視観察、および、UVスペクトルを参照。)
従来のビシクロ環構造の脂環式テトラカルボン酸二無水物モノマーは、対称構造が通常であったが、本発明に係るテトラカルボン酸二無水物は非対称構造であり、非対称構造がもたらすポリイミド分子の屈曲性により靭性が付与され、強靭な塗膜が得られる。
本発明の脂環式テトラカルボン酸二無水物が温和で副反応の無い経路で生成されるため、ポリイミド分子の不純物濃度が低い。なお、後述の実施例の記載から明らかなように、再結晶による精製で、シャープな融点を有する結晶が得られる。
以下、実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
<テトラカルボン酸二無水物の合成>
容量20mlのナス型フラスコに1,1−ジフェニルエチレン5.10gと無水マレイ
ン酸2.78g(モル比1:1)を入れ、10分間溶存酸素を脱気した後、油浴を140
℃に保ち5時間加熱攪拌した。反応系の温度は106℃であった。反応終了後、トルエン
をフラスコに加えて析出する沈殿物を濾過して集めた。濾過物の重量は3.65gであっ
た。
本合成例おいては、1,1−ジフェニルエチレンは反応原料として仕込まれたと同時に、過剰分は溶剤として機能している。本合成例の収率は、1,1−ジフェニルエチレン2.55gと無水マレイン酸2.78g(モル比1:2)を基準として、68%である。
(DSC分析による融点測定)
酢酸エチルから再結晶した当該化合物は、20℃/minでの昇温条件で290℃ に明
確な吸熱ピークを示した。
<テトラカルボン酸二無水物の構造決定>
(マススペクトル)
マススペクトルの結果、生成物の分子量は376であった。
(IRスペクトル測定)
700cm−1〜740cm−1:1置換芳香族帰属ピーク
760cm−1〜860cm−1:炭素・炭素二重結合帰属ピーク
1780cm−1〜1880cm−1:カルボン酸無水物帰属ピーク
(1HNMRスペクトル測定)
1H NMRスペクトル(DMSO−d6)
2.55(m、2H)、2.75(m、2H):カルボニル基隣接炭素上の水素
3.50〜3.60(m、2H)
3.70(t、1H):シクロへキセン環とシクロヘキサジエン環結合部炭素上の水素
3.80(m、2H):シクロヘキセン中のメチン水素
6.00(t、1H)、6.25(t、1H):炭素・炭素二重結合部の水素
7.20(d、2H)、7.35(t、1H)、7.45(t、2H):
一置換ベンゼン部の水素
以上の分析結果から、生成物の化学構造は一般式(4)の構造を満足するテトラカルボン酸二無水物のうち、下記の化学式(71)(3−フェニルトリシクロ[6,2,2,02,7]ドデカ−2,11−エン−5,6,9,10−テトラカルボン酸二無水物)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることを確認した。なお、当該化合物の構造決定に関しては、上記非特許文献1も参照した。
Figure 0004698165
化学式(1)で表される上記テトラカルボン酸二無水物を1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)100mgを加えて、50℃、5〜4.50MPa(水素圧)で水素化還元を16時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積が消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元されたことを示した。一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環の核水添が生じていないことを示した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認し、また、マススペクトルの結果から分子量が化学式(1)の化合物より2多い378になっていることを確認した。
この結果から、当該水素化生成物が、一般式(1)の構造を満足する下記の化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが確認された。
Figure 0004698165
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)50mgを加えて、100℃、1〜0.95MPa(水素圧)で水素化還元を6時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積とδ=7.20〜7.45の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の5個の水素原子に帰属されるピーク面積との比が、還元処理前の2:5から、1.2:5に変化し、δ=6.00近傍にメチン系水素のピークが新たに出現し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)の一部が水素化還元されたことを示した。
一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環族の核水添が生じていないことを示した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(4)の構造を満足する化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物約60モル%と一般式(1)の構造を満足する化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物約40モル%とから構成されることが確認された。
以下、当該方法で得られた混合物を「水添テトラカルボン酸二無水物混合物A」という。
化学式(1)で表される上記テトラカルボン酸二無水物1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)100mgを加えて、120℃、9.00〜8.50MPa(水素圧)で水素化還元を16時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピークおよびδ=7.20〜7.00の領域に現れる芳香族環の水素原子に帰属されるピークが消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元され、かつ芳香族環が核水添されたことを示した。一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素が出現した。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認し、また、マススペクトルの結果から分子量が化学式(1)の化合物より8多い386になっていることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(2)の構造を満足する下記の化学式(93)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが確認された。
これらの脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物の合成経路を図2に示した。
Figure 0004698165
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)50mgを加えて、100℃、1〜0.95MPa(水素圧)で水素化還元を6時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合の2個の水素原子に帰属するピーク面積が消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元されたことを示した。また、δ=7.20〜7.45の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の5個の水素原子に帰属されるピーク面積とδ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素が新たに出現した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認した。
それぞれのピーク面積の比から、当該還元処理化合物が、一般式(1)の構造を満足する化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物約50モル%と一般式(2)の構造を満足する化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物約50モル%とから構成されることが確認された。
以下、当該方法で得られた混合物を「水添テトラカルボン酸二無水物混合物B」という。
(参考例1)<ポリアミック酸の合成>
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物752mg(2mmol)、4,4´-ジアミノジフェニルエーテル400mg(2mmol)、溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド1.5mlを30mlのナスフラスコに入れ室温で1昼夜攪拌反応させた。反応溶液は粘稠となった。
つづいて、上記反応溶液にN,N−ジメチルアセトアミド15mlを加えて溶解させて
粘稠度を低下させ、当該反応溶液を150mlのメタノール中にあけた。沈殿物を濾過に
て回収し、過剰メタノールで洗浄した。対数粘度は2.3であった。
<ポリアミック酸の構造決定>
(IRスペクトル測定)
1540cm−1、1680cm−1 アミド結合帰属ピーク
1780cm−1、1860cm−1 カルボン酸無水物帰属ピークの消失
IRスペクトルを図3に示した。
以上の分析結果から、参考例1によるポリアミック酸は下記化学式(4)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
Figure 0004698165
<ポリイミドの合成>
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物752mg(2mmol)、4,4´-ジアミノジフェニルエーテル400mg(2mmol)、溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド1.5mlを30mlのナスフラスコに入れ室温で1昼夜攪拌反応させた。反応溶液は粘稠となった。
つづいて、上記反応溶液を減圧下、100℃で30分、200℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、N,N−ジメチルアセトアミド15mlを加えて溶解させて粘稠度を低下させ、当該反応溶液を150mlのメタノール中にあけた。沈殿物を濾過にて回収し、過剰メタノールで洗浄した。合成物は薄金色の粉体であり、収率は100%であった。
<ポリイミドの構造決定>
(IRスペクトル測定)
1540cm−1、1680cm−1 アミド結合帰属ピークの消失
1710cm−1、1780cm−1 イミド結合帰属ピーク
1780cm−1、1860cm−1 カルボン酸無水物帰属ピークの消失
IRスペクトルを図4に示した。
以上の分析結果から、参考例1によるポリイミドは下記化学式(5)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
Figure 0004698165
(実施例1〜4)
参考例1における化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物2mmolに代えて、化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下、「実施例1」という。)、化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下、「実施例2」という。)、水添テトラカルボン酸二無水物混合物A(以下、「実施例3」という。)、水添テトラカルボン酸二無水物混合物B(以下、「実施例4」という。)をそれぞれ約2mmolとした他は、参考例に示した手法と同様にして、ポリアミック酸、および、ポリイミドを合成し、IRスペクトルで構造決定を行った。各合成反応における収率はほぼ同一であり、IRスペクトルの帰属もほぼ同一であった。
実施例1によるポリアミック酸(対数粘度は2.1であった。)は、下記化学式(6)、ポリイミドは下記化学式(7)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
Figure 0004698165
Figure 0004698165
実施例2によるポリアミック酸(対数粘度は2.1であった。)は、下記化学式(8)、ポリイミドは下記化学式(9)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
Figure 0004698165
Figure 0004698165
実施例3によるポリアミック酸(対数粘度は2.0であった。)は、化学式(4)と化学式(6)の繰り返し単位構造を有するもの、ポリイミドは化学式(5)と化学式(7)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
実施例4によるポリアミック酸(対数粘度は2.2であった。)は化学式(6)と化学式(8)の繰り返し単位構造を有するもの、ポリイミドは化学式(7)と化学式(9)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
<ポリイミド等の有機溶剤への溶解性>
上記実施例1〜4で得られた各ポリアミック酸、ポリイミドを5mg秤量し、室温の5mlのジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドンに投入したところ、すべての有機溶剤につき、投入後、直ちに溶解した。また、溶液は実質透明であった。
(参考例2)
上記参考例1において、化学式(1)のテトラカルボン酸二無水物をピロメリット酸二無水物に代えて合成したポリアミック酸、ポリイミドを同様に評価したところ、当該ポリアミック酸はジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドンに溶解したものの溶液には着色が見られ、当該茶褐色のポリイミドは全く溶解せず、沈殿したままであった。
<ポリイミドの光透過性>
参考例1、実施例1〜4で得られたポリイミドをN−メチルピロリドンに溶解させ(0.1質量%)、1cm角の石英セルに入れ、バンド幅2nm、走査速度200nm/min.で、UV−吸収スペクトルを測定した。全てのポリイミドは吸収端が330nm以下で、可視域(400〜780nm)に吸収を示さなかった。なお、上記可視域での光透過率は、参考例が90%、実施例1と実施例3が92%、実施例2と実施例4が94%であり、脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物からなるポリイミド中でも極めて光透過性に優れることがわかる。
<ポリイミド等の熱分析>
参考例1によるポリイミドを窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度でTGA測定を行った。5%重量損失温度は320℃であり、液晶配向膜用途としての耐熱性を有していることが確認された。また、600℃での重量残存率は37%であり、熱分解性でコーキングを生じ難い特性が確認された。
実施例1〜4によるポリイミドの5%重量損失温度および600℃での重量残存率は、実施例1が355℃(50%)、実施例2が355℃(44%)、実施例3が335℃(42%)、実施例4が355℃(44%)であり、脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物からなるポリイミド中でも極めて耐熱性に優れることがわかる。また、後述する参考例2との比較から、芳香族系ポリイミドに対して熱分解性でコーキングを生じ難い特性が確認された。
参考例2のポリイミドを同様に評価したところ、600℃での重量残存率は、それぞれ82%であり、熱分解性でコーキングを生じ易い特性が確認された。
本発明に係るポリイミドは、成形材料として既存のポリイミドと同様、複写機等のOA機器のパーツ、成形体として複写機の分離爪やベアリング等の各種工業部品分野に使用することができる。
また、耐熱性や成形加工性に優れ、かつ、有機溶剤に可溶なポリイミドフィルムとして、フレキシブル印刷配線板や耐熱性接着テープの基材に、樹脂ワニスとして半導体の絶縁皮膜、保護皮膜、耐熱性および接着性に優れた低誘電接着剤、フィルム状接合材、接着性積層材、フレキシブル印刷基板(FPC)やTAB(Tape Automated Bonding)テープ、複合リードフレーム、積層材料等のように低誘電性、耐熱性、接着性が要求される用途の積層構造体の製造に好適であり、また、液晶表示素子用配向膜に用いることできる。
テトラカルボン酸二無水物を生成する反応経路図 実施例に係るテトラカルボン酸二無水物を生成する反応経路図 ポリアミック酸のIRスペクトル図 ポリイミドのIRスペクトル図

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)および(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つと下記一般式(3)で表されるジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸。
    Figure 0004698165
    Figure 0004698165
    一般式(1)、(2)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
    Figure 0004698165
    一般式(3)において、R3は2価の有機基を表す。
  2. 請求項1記載の一般式(1)および(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つおよび下記一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物と前記一般式(3)で表されるジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸。
    Figure 0004698165
    一般式(4)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
  3. 請求項1または2記載のポリアミック酸を脱水閉環して得られるポリイミド。
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