JP2001072769A - 芳香族ジアミン化合物並びにそれを用いたポリアミド酸及びポリイミド - Google Patents

芳香族ジアミン化合物並びにそれを用いたポリアミド酸及びポリイミド

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JP2001072769A
JP2001072769A JP25123799A JP25123799A JP2001072769A JP 2001072769 A JP2001072769 A JP 2001072769A JP 25123799 A JP25123799 A JP 25123799A JP 25123799 A JP25123799 A JP 25123799A JP 2001072769 A JP2001072769 A JP 2001072769A
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group
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dianhydride
alkyl group
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Takenori Fujiwara
健典 藤原
Yoichi Mori
与一 森
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Toray Industries Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性低比誘電率樹脂を提供する。 【解決手段】一般式(3)で表される繰り返し単位を含
有して成り、重量平均分子量が1000〜100000
0であることを特徴とするポリイミド。 【化1】 (一般式(3)において、m、nは1〜4の整数を示
す。R1およびR2はH、F、CF3、炭素数1〜20
のアルキル基もしくは炭素数6〜20のアリール基を示
し、R3およびR4はH、F、CF3、炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数5〜20の環状アルキル基もしく
は炭素数6〜20のアリール基を示し、R5およびR6
はH、F、CF3、炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数5〜20の環状アルキル基、炭素数6〜20のアリー
ル基、もしくはR5とR6が連結した炭素数5〜20の
環状アルキル基のいずれかを示す。Arは単環式もしく
は縮合多環式の芳香族基、これらの芳香環が直接もしく
は連結基により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
から選ばれる炭素数6〜50の4価の芳香族基を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な芳香族ジア
ミン化合物、並びに該ジアミン化合物から得られるポリ
アミド酸およびポリイミド等に関する。
【0002】
【従来の技術】大規模集積回路(LSI)は、微細加工
技術の進歩を反映して、高集積化、多機能化、高性能化
の一途をたどっている。その結果、回路抵抗や配線間の
コンデンサー容量(以下、それぞれ「寄生抵抗」、「寄
生容量」という)が増大して、消費電力が増大するだけ
でなく、遅延時間も増大して、デバイスの信号スピード
が低下する大きな要因となっている。そのため、寄生抵
抗や寄生容量を下げることが求められており、その解決
策の一つとして、配線の周辺を低誘電率の層間絶縁膜で
被うことにより、寄生容量を下げて、デバイスの高速化
に対応しようとしている。具体的には、従来の層間絶縁
膜に用いられている酸化ケイ素膜を、より誘電率の小さ
い有機膜に替える試みがなされている。しかし、層間絶
縁膜には、低誘電性とともに、実装基板製造時の薄膜形
成工程や、チィップ接続、ピン付け等の後工程に耐えら
れる優れた耐熱性を有することが必要である。代表的な
低誘電性有機材料としてポリテトラフルオロエチレン等
のフッ素樹脂が知られているが、この樹脂の場合耐熱性
が不十分である。また、耐熱性の有機材料が知られてい
るが、従来のポリイミドの比誘電率は3.0〜3.5程
度であり、低誘電性の面で満足できない。また、従来の
ポリイミドは誘電率の異方性が大きく、配線間方向と配
線層間方向で比誘電率が異なるという問題がある。すな
わち、十分な高耐熱性と低誘電性と誘電率の等方性を同
時に兼ね備えた絶縁材料は、未だ見出されていないのが
現状である。
【0003】また、光通信関係、特に光導波路のクラッ
ド材には低屈折率、低複屈折率であることが期待されて
いる。さらに、安定な物性値を保つには、吸水率が小さ
いことが必要である。
【0004】また、シクロヘキシル基を有するジアミン
を構造単位の1つとして有するポリイミド樹脂(特開平
11−152332号公報)が知られているが、これは
各種の有機溶媒に対する溶解性向上には寄与しているも
のの、誘電率を小さくする効果には至っておらず、従っ
て、これらの性能に充分満足のいくポリイミドは得られ
ていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決せしめ、耐熱性と低誘電性と低屈折性と低複屈折
性を同時に兼ね備えた絶縁材料として有用なポリイミ
ド、並びにポリイミドを生成しうる芳香族ジアミンおよ
びポリアミド酸を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
で表されることを特徴とする芳香族ジアミン化合物であ
り、第二に、一般式(2)で表される繰り返し単位を含
有して成り、重量平均分子量が1000〜100000
0であることを特徴とするポリアミド酸であり、第三
に、一般式(3)で表される繰り返し単位を含有して成
り、重量平均分子量が1000〜1000000である
ことを特徴とするポリイミドである。
【0007】
【化5】
【0008】(一般式(1)において、m、nは1〜4
の整数を示す。R1およびR2はH、F、CF3、炭素
数1〜20のアルキル基もしくは、炭素数6〜20のア
リール基を示し、R3およびR4はH、F、CF3、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20の環状アル
キル基もしくは炭素数6〜20のアリール基を示し、R
5およびR6はH、F、CF3、炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数5〜20の環状アルキル基、炭素数6〜
20のアリール基、もしくはR5とR6が連結した炭素数
5〜20の環状アルキル基のいずれかを示す。)
【0009】
【化6】
【0010】(一般式(2)において、m、nは1〜4
の整数を示す。R1およびR2はH、F、CF3、炭素
数1〜20のアルキル基もしくは炭素数6〜20のアリ
ール基を示し、R3およびR4はH、F、CF3、炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20の環状アルキ
ル基もしくは炭素数6〜20のアリール基を示し、R5
およびR6はH、F、CF3、炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数5〜20の環状アルキル基、炭素数6〜2
0のアリール基、もしくはR5とR6が連結した炭素数
5〜20の環状アルキル基のいずれかを示す。Arは単
環式もしくは縮合多環式の芳香族基、これらの芳香環が
直接もしくは連結基により相互に連結された非縮合多環
式芳香族基から選ばれる炭素数6〜50の4価の芳香族
基を示す。)
【0011】
【化7】
【0012】(一般式(3)において、m、nは1〜4
の整数を示す。R1およびR2はH、F、CF3、炭素
数1〜20のアルキル基もしくは炭素数6〜20のアリ
ール基を示し、R3およびR4はH、F、CF3、炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20の環状アルキ
ル基もしくは炭素数6〜20のアリール基を示し、R5
およびR6はH、F、CF3、炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数5〜20の環状アルキル基、炭素数6〜2
0のアリール基、もしくはR5とR6が連結した炭素数5
〜20の環状アルキル基のいずれかを示す。Arは単環
式もしくは縮合多環式の芳香族基、これらの芳香環が直
接もしくは連結基により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基から選ばれる炭素数6〜50の4価の芳香族基
を示す。)
【0013】
【発明の実施の形態】本発明について、詳細に説明す
る。発明者らは、本発明の芳香族ジアミン化合物を用い
て合成したポリイミドが、良好な耐熱性と低誘電率、低
屈折率、低複屈折率に優れていることを見出し、完成す
るに至った。
【0014】本発明におけるポリイミドが低誘電性、低
屈折率、低複屈折率を示す、モノマーである芳香族ジア
ミン化合物において、一般式(1)で表された芳香族ジ
アミン化合物が好ましく、より好ましくはR3またはR4
の少なくとも一方が一般式(4)で示された芳香族ジア
ミンである。一般式(4)のkは4〜19の整数を示
し、lは1〜5の整数を示す。RfはH、F、CF3
CH3のいずれかを示す。また、一般式(4)で示され
たR3とR4は、同じでも異なっていてもよい。
【0015】本発明の芳香族ジアミン化合物は、側鎖に
嵩高い基を有し、主鎖にエーテルを介してアミノ基を有
するベンゼン環を有することで、ジアミン構造単位の分
子量が上がり、誘電率を増大させる極性基であるイミド
基密度が低くなるために、本発明の芳香族ジアミン化合
物を用いたポリイミドの誘電率は一般的なポリイミドに
比べ低い値となる。好ましくは、側鎖の嵩高い基が、環
状アルキル基またはベンゼン環のいずれかであり、ジア
ミン構造単位に1個以上有することが、誘電率を低く抑
えるためには望ましい。
【0016】本発明の芳香族ジアミン化合物の具体例と
しては、4,4’−(1−フェニルエチニリデン)ビス
[1−(4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシル
ベンゼン]、4,4’−(1−フェニルエチニリデン)
ビス[1−(2−トリフルオロメチル−4−アミノフェ
ノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン]、4,4’−
シクロヘキシリデンビス[1−(4−アミノフェノキ
シ)−2−シクロヘキシルベンゼン]、4,4’−シク
ロヘキシリデンビス[1−(2−トリフルオロメチル−
4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼ
ン]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(2−メ
チル−4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベ
ンゼン]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(2
−フルオロ−4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキ
シルベンゼン]、4,4’−(1−フェニルエチニリデ
ン)ビス[1−(4−アミノフェノキシ)−2−シクロ
ペンチルベンゼン]、4,4’−シクロペンチリデンビ
ス[1−(4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシ
ルベンゼン]、4,4’−シクロペンチリデンビス[1−
(2−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)−
2−シクロヘキシルベンゼン]、4,4’−(1−フェ
ニルエチニリデン)ビス[1−(4−アミノフェノキ
シ)−2−フェニルベンゼン]、4,4’−シクロペン
チリデンビス[1−(4−アミノフェノキシ)−2−フ
ェニルベンゼン]、4,4’−シクロペンチリデンビス
[1−(2−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキ
シ)−2−フェニルベンゼン]、4,4’−シクロペン
チリデンビス[1−(4−アミノフェノキシ)−2−シ
クロペンチルベンゼン]、4,4’−シクロオクチリデ
ンビス[1−(4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘ
キシルベンゼン]、4,4’−シクロドデシリデンビス
[1−(4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシル
ベンゼン]、4,4’−シクロイコシリデンビス[1−
(4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼ
ン]、4,4’−(1−フェニルエチニリデン)ビス[1
−(3−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベン
ゼン]、4,4’−(1−フェニルエチニリデン)ビス
[1−(2−トリフルオロメチル−3−アミノフェノキ
シ)−2−シクロヘキシルベンゼン]、4,4’−シク
ロヘキシリデンビス[1−(3−アミノフェノキシ)−
2−シクロヘキシルベンゼン]、4,4’−シクロヘキ
シリデンビス[1−(2−トリフルオロメチル−3−ア
ミノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン]、
4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(2−メチル
−3−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼ
ン]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(2−フ
ルオロ−3−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシル
ベンゼン]、4,4’−(1−フェニルエチニリデン)
ビス[1−(3−アミノフェノキシ)−2−シクロペン
チルベンゼン]、4,4’−シクロペンチリデンビス[1
−(3−アミノフェノキシ)−2−シクロペンチルベン
ゼン]、4,4’−シクロペンチリデンビス[1−(2−
トリフルオロメチル−3−アミノフェノキシ)−2−シ
クロペンチルベンゼン]、4,4’−(1−フェニルエ
チニリデン)ビス[1−(3−アミノフェノキシ)−2
−フェニルベンゼン]、4,4’−シクロペンチリデン
ビス[1−(3−アミノフェノキシ)−2−フェニルベ
ンゼン]、4,4’−シクロペンチリデンビス[1−(2
−トリフルオロメチル−3−アミノフェノキシ)−2−
フェニルベンゼン]、4,4’−(1−フェニルエチニ
リデン)ビス[1−(4−アミノフェノキシ)−3−シ
クロヘキシルベンゼン]、4,4’−(1−フェニルエ
チニリデン)ビス[1−(2−トリフルオロメチル−4
−アミノフェノキシ)−3−シクロヘキシルベンゼ
ン]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(4−ア
ミノフェノキシ)−3−シクロヘキシルベンゼン]、
4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(2−トリフ
ルオロメチル−4−アミノフェノキシ)−3−シクロヘ
キシルベンゼン]、4,4’−シクロヘキシリデンビス
[1−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)−3−シ
クロヘキシルベンゼン]、4,4’−シクロヘキシリデ
ンビス[1−(2−フルオロ−4−アミノフェノキシ)
−3−シクロヘキシルベンゼン]、4,4’−(1−フ
ェニルエチニリデン)ビス[1−(4−アミノフェノキ
シ)−3−シクロペンチルベンゼン]、4,4’−シク
ロペンチリデンビス[1−(4−アミノフェノキシ)−
3−シクロペンチルベンゼン]、4,4’−シクロペン
チリデンビス[1−(2−トリフルオロメチル−4−ア
ミノフェノキシ)−3−シクロペンチルベンゼン]、
4,4’−(1−フェニルエチニリデン)ビス[1−
(4−アミノフェノキシ)−3−フェニルベンゼン]、
4,4’−シクロペンチリデンビス[1−(4−アミノ
フェノキシ)−3−フェニルベンゼン]、4,4’−シ
クロペンチリデンビス[1−(2−トリフルオロメチル
−4−アミノフェノキシ)−3−フェニルベンゼン]、
4,4’−(1−フェニルエチニリデン)ビス[1−
(3−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)−
2−シクロヘキシルベンゼン]、4,4’−シクロヘキ
シリデンビス[1−(3−トリフルオロメチル−4−ア
ミノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン]、
4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(3−メチル
−4−アミノフェノキシ)−3−シクロヘキシルベンゼ
ン]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(3−フ
ルオロ−4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシル
ベンゼン]、4,4’−(1−フェニルエチニリデン)
ビス[1−(4−アミノフェノキシ)−2,3−ジシク
ロヘキシルベンゼン]、4,4’−シクロヘキシリデン
ビス[1−(4−アミノフェノキシ)−2、3−ジシク
ロヘキシルベンゼン]、4,4’−シクロヘキシリデン
ビス[1−(4−アミノフェノキシ)−2,3,5−ト
リシクロヘキシルベンゼン]、4,4’−シクロヘキシ
リデンビス[1−(2,3−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4−アミノフェノキシ)−3−シクロヘキシルベ
ンゼン]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−
(2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)−4−ア
ミノフェノキシ)−3−シクロヘキシルベンゼン]、
4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(2,3,
5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)−4−アミ
ノフェノキシ)−3−シクロヘキシルベンゼン]、4,
4’−(1−メチルエチリデン)ビス[1−(4−アミ
ノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン]、4,
4’−(1−メチルプロピリデン)ビス[1−(4−ア
ミノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン]、
4,4’−(1−メチルブチリデン)ビス[1−(4−
アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン]、
4,4’−(1−トリフルオロメチルエチリデン)ビス
[1−(4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシル
ベンゼン]、4,4’−(1−フルオロエチリデン)ビ
ス[1−(4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシ
ルベンゼン]、等を挙げることができるがこれに限定さ
れない。
【0017】芳香族ジアミン化合物は、例えば、一般式
(5)で表されるフェノール化合物と一般式(6)で表
されるニトロハロベンゼン化合物とを反応(一般式
(7))させた後、得られるジニトロ化合物を還元する
ことにより得ることができる。
【0018】
【化8】
【0019】(一般式(5)におけるR3およびR4は
H、F、CF3、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数
5〜20の環状アルキル基もしくは炭素数6〜20のア
リール基を示し、R5およびR6はH、F、CF3、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20の環状アル
キル基、炭素数6〜20のアリール基、もしくはR5と
R6が連結した炭素数5〜20の環状アルキル基のいず
れかを示す。)
【0020】
【化9】
【0021】(一般式(6)において、nは1〜4の整
数、R2はH、F、CF3、炭素数1〜20のアルキル
基もしくは炭素数6〜20のアリール基を示し、単独、
またはいずれかの混合でも良い。XはF、Cl、Brの
ハロゲン化合物を示す。)
【0022】
【化10】
【0023】(一般式(7)において、m、nは1〜4
の整数、R2はH、F、CF3、炭素数1〜20のアル
キル基もしくは炭素数6〜20のアリール基を示し、単
独、またはいずれかの混合でも良い。R3およびR4は
H、F、CF3、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数
5〜20の環状アルキル基もしくは炭素数6〜20のア
リール基のいずれかを示し、R5およびR6はH、F、
CF3、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20
の環状アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、もし
くはR5とR6が連結した炭素数5〜20の環状アルキ
ル基のいずれかを示す。)。
【0024】一般式(5)で表されるフェノール化合物
と一般式(6)で表されるニトロハロベンゼン化合物と
の反応は、該ニトロハロベンゼン化合物を、該フェノー
ル化合物(単独もしくは2種類以上を混合して使用する
ことができる。)に対して2倍モル以上を有機溶媒中、
炭酸カリウム等の触媒存在下で、温度20〜250℃、
好ましくは、30℃〜180℃で0.5〜24時間反応
させることにより実施される。有機溶媒の好ましい具体
例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素類、1,2−ジメトキシエタン、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサ
ン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ス
ルホラン等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることがで
きる。
【0025】これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以
上を混合して使用することができる。反応溶液を貧溶媒
中に添加して、生成化合物を凝固させる。その後、ろ過
あるいは有機溶媒を留去することにより、所定の芳香族
ジニトロ化合物を得ることができる。得られた芳香族ジ
ニトロ化合物は、そのまま、あるいは再結晶によりさら
に精製を行った後、還元反応に用いる。芳香族ジニトロ
化合物の還元方法としては、特に限定されるものではな
く、例えば、ニトロ基をアミノ基に還元する公知の方法
を用いることができる。芳香族ジニトロ化合物の還元反
応は、例えば、ニツケル、パラジウム、白金等の金属触
媒や、これら金属を適宜の担体に担持させた担持触媒、
あるいはニッケル、銅等のラネー触媒等の水素化触媒の
存在下で、反応に不活性な反応溶媒中、温度20〜20
0℃、圧力を常圧〜50kgf/cm2とし、水素を用
いる還元方法や金属(Sn(またはSnCl2)、F
e、Zn)と塩酸(塩酸で分子の他の部分に加水分解が
起こるときには酢酸(酢酸を用いる場合の化合物の例:
ニトロアセトアニリド))を用い、金属の沈降を防ぐた
め激しい撹拌下に室温〜150℃で還元する方法等があ
る。これらの方法を用い、芳香族ジニトロ化合物から芳
香族ジアミノ化合物への還元が実施される。得られた芳
香族ジアミン化合物は、そのまま、あるいは再結晶等に
よって精製して、本発明におけるポリアミド酸の製造に
用いる。
【0026】本発明のポリアミド酸は、前記一般式
(2)で表される繰り返し単位を含有し、一般式(2)
において、Arは単環式もしくは縮合多環式の芳香族
基、及びこれらの芳香族が直接もしくは連結基により相
互に連結された非縮合多環式芳香族基から選ばれる炭素
数6〜50の4価の芳香族基である。また、m、nは1
〜4の整数である。Arの好ましい具体的な例として記
に示すような分子構造等を挙げることができる。
【0027】
【化11】
【0028】本発明のポリアミド酸は、前記一般式
(2)で表される繰り返し単位を含有するが、該ポリア
ミド酸においては、前記一般式(2)のアミンの結合
位、m、nあるいはArのいずれか一つ以上が異なる2
種類以上の繰り返し単位が含有されていてもよく、この
場合、2種類以上の繰り返し単位は、ポリアミド酸の分
子鎖中にランダム状にも、ブロック状にも結合すること
ができる。本発明のポリアミド酸の重量平均分子量は、
1000〜1000000であり、好ましくは、500
0〜500000である。本発明のポリアミド酸は、イ
ミド化率が50%を超えない範囲内で、部分的にイミド
化されていても良い。
【0029】本発明のポリアミド酸は、前記芳香族ジア
ミン化合物と下記一般式(8)で表されるテトラカルボ
ン酸二無水物とを有機溶媒中で重縮合させることによっ
て製造することができる。
【0030】
【化12】
【0031】(Arは一般式(2)におけるArと同義
である)。
【0032】本発明のポリアミド酸を製造するに当た
り、本発明の芳香族ジアミン化合物は、単独もしくは2
種類以上を混合して使用することができる。
【0033】また本発明で用いるテトラカルボン酸二無
水物の好ましい具体例としては、ピロメリット酸二無水
物、3−フルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ジ
フルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ビス(トリ
フルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、1,2,
3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−テルフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”’,4,
4”’−クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、
3,3””,4,4””−キンクフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、メチレン−4,4’−ジフタル酸
二無水物、1,1−エチニリデン−4,4’−ジフタル
酸二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタ
ル酸二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ジフタル
酸二無水物、1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタ
ル酸二無水物、1,4−テトラメチレン−4,4’−ジ
フタル酸二無水物、1,5−ペンタメチレン−4,4’
−ジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロプロパン二無水物、ジフルオロメチレン−4,
4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2−テトラフ
ルオロ−1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無
水物、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,
3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−
1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水
物、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフ
ルオロ−1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル
酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、
チオ−4,4’−ジフタル酸二無水物、スルホニル−
4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメ
チルシロキサン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、
1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベン
ゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3−ビス[2−
(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル]ベ
ンゼン二無水物、1,4−ビス[2−(3,4−ジカル
ボキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン二無水物、
ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル]メタン二無水物、ビス[4−(3,4−ジカルボキ
シフェノキシ)フェニル]メタン二無水物、2,2−ビ
ス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル]プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−
ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水
物、2,2−ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4
−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジメチル
シラン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン二無水物、2,3,6,7,−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,5,6,−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナン
トレンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,
4−ジイカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテ
トラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボ
ン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,3,4−テト
ラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,
5−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニ
ル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカル
ボン酸)二無水物、メチレン−4,4’−ビス(シクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,2−
エチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−
ジカルボン酸)二無水物、1,1エチニリデン−4,
4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)
二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シ
クロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピ
リデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジ
カルボン酸)二無水物、オキシ−4,4’−ビス(シク
ロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、チオ−
4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン
酸)二無水物、スルホニル−4,4’−ビス(シクロヘ
キサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2’−
ジフルオロ−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−3,3’4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’
−ジフルオロ−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘ
キサフルオロ−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチ
ル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−
3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−
3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメ
チル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフ
ルオロメチル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−
ヘキサキス(トリフルオロメチル)−3,3’4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ジ
フルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,
5’−ジフルオロオキシ)−4,4’−ジフタル酸二無
水物、6,6’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタ
ル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサ
フルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−
ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメ
チル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,
6’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−
ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス
(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸
二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフル
オロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、
5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチ
ル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロ
メチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二
無水物、5,5’−ジフルオロスルホニル−4,4’−
ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロスルホニル
−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,
5’,6,6’−ヘキサフルオロスルホニル−4,4’
−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロ
メチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−
4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリ
フルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二
無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオ
ロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)ス
ルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,
6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニ
ル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,
6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−
4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,
6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)スルホニ
ル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフル
オロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−
ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−2,2−
パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無
水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプ
ロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−2,2−
パーフルオロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水
物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−
パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無
水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2
−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二
無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロ
プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−
2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタ
ル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリ
フルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン
−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’
−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフ
ルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、
3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフル
オロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−
4,4’−ジフタル酸二無水物9−フェニル−9−(ト
リフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テト
ラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(トリフルオロメ
チル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸
二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−
2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、9,9−
ビス〔4−(3,4−ジカルボキシ)フェニル〕フルオ
レン二無水物、9,9−ビス〔4−(2,3−ジカルボ
キシ)フェニル〕フルオレン二無水物等を挙げることが
できる。これらのテトラカルボン酸は単独または2種以
上を混合して使用することができる。
【0034】また、本発明のポリアミド酸を製造する際
には、本発明のポリイミドの特性を実質的に損なわない
範囲内で、前記芳香族ジアミン化合物に加えて、それ以
外のジアミン化合物も使用することができる。この場
合、前記芳香族ジアミン化合物以外のジアミン化合物の
使用量は、第二発明のポリアミド酸の製造に用いられる
全芳香族ジアミン化合物の、好ましくは50モル%以
下、さらに好ましくは30モル%以下である。
【0035】芳香族ジアミン化合物との重縮合反応は、
通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N− ジメチ
ルメトキシアセトアミド、N,N−ジエチルメトキシア
セトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロ
ヘキシル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタ
ム、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチル
エーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオ
キサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、
ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、m−クレゾー
ル、ガンマブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロ
ペンタノン等をあげることができる。これらの有機溶媒
は単独でまたは2種以上を混合して使用することができ
る。
【0036】前記重縮合反応における反応原料の濃度
は、通常、2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%
であり、反応温度は、通常、60℃以下、好ましくは5
0℃以下である。反応圧力は特に限定されず、通常、常
圧で実施することができる。また、反応時間は、通常、
0.5〜24時間である。このような重縮合反応によ
り、前記一般式(2)で表される繰り返し単位を含有す
るポリアミド酸を得ることができる。
【0037】本発明のポリイミドは、前記一般式(2)
で表される繰り返し単位を含有するポリアミド酸を脱水
して閉環してイミド化することにより、製造することが
できる。従って、一般式(3)におけるm、nおよびA
rは一般式(2)と同じである。前記イミド化に際して
は、加熱イミド化、または、化学イミド化を採用するこ
とができる。前記加熱イミド化法としては、例えば、
(a)ポリアミド酸溶液をガラス、金属等の表面平滑な
基板上に流延して加熱する方法、あるいは、(b)ポリ
アミド酸溶液をそのまま加熱する方法が適用される。こ
れらの方法におけるポリアミド酸の溶媒としては、例え
ば、ポリアミド酸の製造に使用されるものと同様の有機
溶媒を挙げることができる。前記(a)の加熱イミド化
法では、ポリアミド酸を基板上に流延して形成された薄
膜を、常圧下または減圧下で加熱することにより、フィル
ム状のポリイミドを得ることができる。この場合の温度
は通常、100〜400℃、好ましくは150〜350
℃であり、反応中に徐々にまたは段階的に温度を上げる
ことが好ましい。また、前記(b)の加熱イミド化法で
は、ポリアミド酸溶液を加熱することにより、ポリイミ
ドが粉末ないし、溶液として得られる。この場合の加熱
温度は、通常、80〜300℃、好ましくは、100〜2
50℃である。また、(b)の加熱イミド化法に際して
は、副生する水の除去を容易とするため、水と共沸し、
特に反応系外で水と容易に分離しうる成分、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を存在
させることもできる。さらに、(b)の加熱イミド化法
に際しては、脱水閉環を促進させるため、第三級アミ
ン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リ−n−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、
トリ−n−ブチルアミン等の脂肪族第三級アミン類、
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン
等の芳香族第三級アミン類、ピリジン、キノリン、イソ
キノリン等の複素環式第三級アミン類等の触媒をポリア
ミド酸100重量部当たり、例えば10〜400重量部
用いることもできる。
【0038】次に、前記化学イミド化法としては、例え
ば、(c)ポリアミド酸を脱水環化させる閉環剤を用
い、溶液状態でポリイミド化する方法が採用され、ポリ
イミドが粉末あるいは溶液として得られる。この方法で
使用される溶媒としても、例えば、ポリアミド酸の製造
に使用されるものと同様の有機溶媒を挙げることができ
る。(c)の化学イミド化方法に使用される閉環剤とし
ては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸
のような無水物等を挙げることができる。これらの閉環
剤は、単独でまたは2種類以上を混合して使用すること
ができ、その使用量は、前記一般式(2)で表される繰
り返し単位1モル当たり通常2〜200モル、好ましく
は2〜100モルである。(c)の化学イミド化におけ
る反応温度は、通常、0〜200℃である。なお、化学
イミド化法においても、前記加熱イミド化法の場合と同
様に第三級アミンを触媒として使用することができる。
前記加熱イミド化法または化学イミド化法によりポリイ
ミドが粉末として得られた場合は、濾過、噴霧乾燥、水
蒸気蒸留等の適宜の方法により、ポリイミド粉末を媒体
から回収することができる。本発明のポリイミドのイミ
ド化率は、50%以上、好ましくは90%以上である。
【0039】本発明のポリイミドの重量平均分子量は、
1000〜1000000であり、好ましくは、500
0〜500000である。本発明のポリイミドは、低誘
電率、低屈折率でかつ耐熱性に優れ、その誘電率(1k
Hz)は、3.0以下、屈折率(膜面に対して平行方向
(TE))は1.6以下であり、イミド化後の5%重量
減少温度は通常400℃以上、好ましくは450℃以上
である。またイミド化後のガラス転移温度(Tg)は2
00℃以上、好ましくは220℃以上がよい。
【0040】したがって、本発明のポリイミドは、特に
LSIにおける層間絶縁膜として極めて好適に使用する
ことができるほか、一般の絶縁材料、耐熱性材料として
も有用である。本発明のポリイミドから層間絶縁膜を形
成する際には、その前駆体物質である前記ポリアミド酸
のワニスあるいはペースト、該ポリイミドのフィルム等
が使用される。前記層間絶縁膜の形成法を例示すると、
下記の通りである。
【0041】(イ)ポリアミド酸のワニスをデバイスの
層間に流延し、ワニス中の過剰の溶媒を過熱下および/
または減圧下で除去して、該ポリアミド酸の薄膜を形成
した後、例えば、100〜400℃、常圧下または加圧下
で、該ポリアミド酸を脱水閉環してイミド化する方法、
(ロ)フィルム状のポリイミドをデバイスの層間に配置
し、例えば、100〜400℃、常圧または加圧下で、圧
着する方法、また、ポリイミドをフィルム状で取得する
方法としては、例えば(ハ)予め離型処理した基板、例
えば、ガラス、テフロン、ポリエステル等の基板上に、
ポリアミド酸のワニスを流延し、徐々に加熱して溶媒を
除去しつつ脱水閉環し、イミド化する方法、(ニ)ポリ
イミドの粉末を、プレス成形、射出成形等の適宜の方法
によりフィルム状に形成する方法等を採用することがで
きる。本発明のポリイミドを層間絶縁膜として使用する
場合の具体例としては、半導体の多層配線の層間絶縁
膜、多層プリント基板のリジット板やフレキソ印刷等の
層間絶縁膜、パッケージやMCM基板等の層間絶縁膜等
を挙げることができる。また、本発明のポリアミド酸あ
るいは本発明のポリイミドワニスを基板上に流延した
後、加熱し、乾燥することによって、厚さ数十〜数百μm
のポリイミドのドライフィルムを得ることもできる。こ
のようなドライフィルムは多くの用途、例えば、半導体
のパッシベーション膜(ストレスバッファー膜)、α線
遮断膜、フレキソ印刷版のカバーレイフィルム、フレキ
ソ印刷版のオーバーコート等として使用することもでき
る。さらに、本発明のポリイミドの前記以外の用途とし
ては、ダイボンディング用接着剤、リードオンチップ
(LOC)用接着剤、多層リードフレーム用接着フィル
ム、光導波路のクラッド材等を挙げることができる。
【0042】
【実施例】以下本発明をより詳細に説明するために、実
施例および比較例をあげて説明するが、本発明はこれら
の例によって限定されるものではない。 特性の測定方法 重量平均分子量の測定 ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)を
用いて、ポリスチレン換算にて重量平均分子量(Mw)
を測定した。
【0043】膜厚の測定 シリコンウエハーに製膜した膜に傷を付け、その傷の深
さを測定し、その深さを膜の厚さとした。 比誘電率の測定 ポリイミド膜の1kHzにおける静電容量を横川・ヒュ
ーレット・パッカード社製のLCRメーター4284A
を用いて測定し、下記式により比誘電率(ε)を求め
た。 ε=C・d/ε0・S(但し、Cは静電容量、dは試料
膜厚、ε0は真空中の誘電率、Sは上部電極面積であ
る。)。
【0044】屈折率の測定 He−Neレーザーの波長(633nm)を用い、プリ
ズムカップラー法で20℃で測定し、膜面に対して平行
方向の屈折率(TE)と垂直方向の屈折率(TM)およ
びそれらの差である複屈折率を求めた。 赤外吸収スペクトル(IR)測定 ジニトロ体、ジアミン、ポリアミド酸はKBr法で測定
し、ポリイミドはシリコンウエハー上に製膜したものを
そのまま測定した。測定装置はフーリエ変換赤外分校光
度計「FT−720」(堀場製作所製)を用いた。 核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)の測定 溶媒DMSO−d6に溶解し、270MHzで測定し
た。測定装置は超伝導FTNMR「EX−270」(日
本電子データム製)を用いた。
【0045】ガラス転移温度(Tg)の測定 示差走査熱量計(DSC)により、窒素雰囲気中、昇温
速度20℃/分で測定した。 5%重量減少温度(Td5)の測定 熱天秤を用い、窒素中、昇温速度10℃/分で加熱し
て、5%重量減少を示した温度を測定した。
【0046】実施例1 芳香族ジアミンAの製造 4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(4−ニトロ
フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン]の合成 4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−シクロヘキシ
ルフェノール)17.28g(0.04モル)、4−フ
ルオロニトロベンゼン12.69g(0.09モル)を
ジメチルアセトアミド130mlに溶解した。この溶液
に炭酸カリウム16.56g(0.12モル)を加え、
窒素下、120℃で9時間攪拌して反応させた。反応液
を冷却後、水500mlに注ぐと淡黄色の結晶が析出し
た。濾過により、結晶を分離し、減圧下で乾燥した。収
量は26.23gであった。
【0047】融点175〜178℃ 赤外吸収スペクトル:1514,1339cm−1(N
2) 866,829,819cm−1(CH) 1H−NMR:(DMSO−d6,ppm):1.19
−1.70(m,26H,CH2),2.23−2.3
6(m,4H,CH2),2.60−2.70(m,2
H,CH),7.98−7.05(m,6H,Ar−
H),7.22−7.40(m,4H,Ar−H),
8.20(d,4H,Ar−H) 元素分析値(C42H46N2O6) 計算値(%)C:74.78,H:6.82,N:4.
15 実測値(%)C:74.69,H:6.80,N:4.
19。
【0048】4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−
(4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼ
ン]の合成 4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(4−ニトロ
フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン]24.2
6g(0.036モル)、酢酸32g、濃塩酸107
g、無水塩化第一スズ48.6gを混合し、室温で2時
間撹拌した後、100℃で5時間撹拌した。反応液を冷
却し析出した固体を濾過で分離する。この固体を水10
0mlに懸濁し、30%NaOH水溶液でpH〜9にし
た後、濾過する。得られた固体に酢酸エチル200ml
を加え、攪拌した後、濾過した。濾液の酢酸エチル溶液
を水槽から分離後、さらに水洗し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。この溶液から溶媒を留去することにより、
粗成生物を得た。収量は19.67gであった。エーテ
ル−n−ヘキサンで再結晶することにより、薄紅色の結
晶を得た。このジアミンの赤外吸収スペクトル(IR)
を図1に、1H−NMRスペクトル(DMSO−d6,
ppm)を図2に示す。
【0049】融点148〜150℃ 赤外吸収スペクトル:3436,3442cm−1(N
2) 869,833,822cm−1(CH) 1H−NMR:(DMSO−d6,ppm):1.09
−1.50,1.60−1.80(m,26H,C
2),2.12−2.23(m,4H,CH2),2.
80−2.95(m,2H,CH),4.87(s,4
H,NH2),6.53(d,6H,Ar−H),6.
63(m,4H,Ar−H),6.99(d,2H,A
r−H),7.10(s,2H,Ar−H) 元素分析値(C42H50N2O2) 計算値(%)C:82.08,H:8.14,N:4.
56 実測値(%)C:82.01,H:8.09,N:4.
63。
【0050】実施例2 芳香族ジアミンBの製造 4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(2−トリフ
ルオロメチル−4−ニトロフェノキシ)−2−シクロヘ
キシルベンゼン]の合成 4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−シクロヘキシ
ルフェノール)17.28g(0.04モル)、2−フ
ルオロ−5−ニトロベンゾトリフルオリド18.81g
(0.09モル)をジメチルアセトアミド130mlに
溶解した。この溶液に炭酸カリウム16.56g(0.
12モル)を加え、窒素下、120℃で9時間攪拌して
反応させた。反応液を冷却後、水500mlに注ぐと淡
黄色の結晶が析出した。濾過により、結晶を分離し、減
圧下で乾燥した。収量は28.84gであった。
【0051】融点128〜131℃ 赤外吸収スペクトル:1539,1354cm−1(N
2) 901,875,813cm−1(CH) 1H−NMR:(DMSO−d6,ppm):1.10
−1.80(m,26H,CH2),2.05−2.2
8(m,4H,CH2),2.74−2.86(m,2
H,CH),6.60−7.13(m,6H,Ar−
H),7.80−7.90(m,2H,Ar−H),
8.40−8.69(m,2H,Ar−H),8.90
(m,2H,Ar−H) 元素分析値(C44H44N2O6F6) 計算値(%)C:65.19,H:5.43,N:3.
46,F:14.07 実測値(%)C:65.08,H:5.35,N:3.
52,F:14.16。
【0052】4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−
(2−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)−
2−シクロヘキシルベンゼン]の合成 4,4’−シクロヘキシリデンビス[1−(2−トリフ
ルオロメチル−4−ニトロフェノキシ)−2−シクロヘ
キシルベンゼン]24.30g(0.03モル)、酢酸
27g、濃塩酸89g、無水塩化第一スズ40.5gを
混合し、室温で1時間撹拌した後、100℃で5時間撹
拌した。反応液を冷却し析出した固体を濾過で分離す
る。この固体を水100mlに懸濁し、30%NaOH
水溶液でpH〜9にした後、濾過する。得られた固体に
酢酸エチル200mlを加え、攪拌した後、濾過した。
濾液の酢酸エチル溶液を水槽から分離後、さらに水洗
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液から溶媒
を留去することにより、淡黄色の固体生成物を得た。収
量は19.67gであった。エーテル−n−ヘキサンで
再結晶することにより、薄紅色の結晶を得た。このジア
ミンの赤外吸収スペクトル(IR)を図3に、1H−N
MRスペクトル(DMSO−d6,ppm)を図4に示
す。
【0053】融点134〜138℃ 赤外吸収スペクトル:3472,3382cm−1(N
2) 910,859,836,816cm−1(CH) 1H−NMR:(DMSO−d6,ppm):1.09
−1.80(m,26H,CH2),2.13−2.2
0(m,4H,CH2),2.78−2.90(m,2
H,CH),5,34(s,4H,NH2),6.53
−7.45(m,10H,Ar−H),8.40−8.
55(m,2H,Ar−H) 元素分析値(C44H48N2O2F6) 計算値(%)C:70.40,H:6.40,N:3.
73,F:15.20 実測値(%)C:70.35,H:6.33,N:3.
79,F:15.31。
【0054】実施例3 芳香族ジアミンCの製造 4,4’−(1−フェニルエチニリデン)ビス[1−
(4−ニトロフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼ
ン]の合成 4,4’−(1−フェニルエチニリデン)ビス(2−シ
クロヘキシルフェノール)18.16g(0.09モ
ル)、4−フルオロニトロベンゼン12.69g(0.
09モル)をジメチルアセトアミド130mlに溶解し
た。この溶液に炭酸カリウム16.56g(0.12モ
ル)を加え、窒素下、120℃で9時間攪拌して反応さ
せた。反応液を冷却後、水500mlに注ぐと淡黄色の
結晶が析出した。濾過により、結晶を分離し、減圧下で
乾燥した。収量は27.40gであった。
【0055】融点83〜86℃ 赤外吸収スペクトル:1522,1341cm−1(N
2) 872,849,813cm−1(CH) 1H−NMR:(DMSO−d6,ppm):1.00
−1.32,1.50−1.73(m,20H,C
2),2.22(s,3H,CH3),2.58−2.
72(m,2H,CH),6.95−7.15(m,1
2H,Ar−H),7.21−7.40(m,3H,A
r−H),8.27(d−d,2H,Ar−H),8.
90(m,2H,Ar−H) 元素分析値(C44H44N2O6) 計算値(%)C:75.86,H:6.32,N:4.
02 実測値(%)C:75.81,H:6.27,N:4.
09。
【0056】4,4’−(1−フェニルエチニリデン)
ビス[1−(4−アミノフェノキシ)−2−シクロヘキ
シルベンゼン]の合成 4,4’−(1−フェニルエチニリデン)ビス[1−
(4−ニトロフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼ
ン]24.26g(0.036モル)、酢酸32g、濃
塩酸107g、無水塩化第一スズ48.6gを混合し、
室温で2時間撹拌した後、100℃で5時間撹拌した。
反応液を冷却し析出した固体を濾過で分離する。この固
体を水100mlに懸濁し、30%NaOH水溶液でp
H〜9にした後、濾過する。得られた固体に酢酸エチル
200mlを加え、攪拌した後、濾過した。濾液の酢酸
エチル溶液を水槽から分離後、さらに水洗し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。この溶液から溶媒を留去するこ
とにより、赤褐色の固体を得た。収量は20.89gで
あった。このジアミンの赤外吸収スペクトル(IR)を
図5に、1H−NMRスペクトル(DMSO−d6,p
pm)を図6に示す。
【0057】融点103〜107℃ 赤外吸収スペクトル:3464,3370cm−1(N
2) 882,868,840cm−1(CH) 1H−NMR:(DMSO−d6,ppm):1.00
−1.40,1.58−1.81(m,20H,C
2),2.07(s,3H,CH3),2.82−2.
96(m,2H,CH),4.89(s,4H,N
2),6.51−7.31(m,3H,Ar−H) 元素分析値(C44H48N2O2) 計算値(%)C:83.02,H:7.55,N:4.
40 実測値(%)C:82.90,H:7.39,N:4.
35。
【0058】実施例4 ポリアミド酸の製造 窒素気流下、実施例1で得られたジアミンAを6.14
g(0.01モル)をN−メチルピロリドン(NMP)
20gに溶解させ、室温にした。ここに、2,2-ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物4.44g
(0.01モル)をNMP4.6gとともに加えて(固
形分濃度30wt%)、50℃で6時間反応させポリア
ミド酸の溶液を得た。この溶液を水400mlに撹拌し
ながら少しずつ投入し、一日撹拌した。析出物を濾過し
分離した後減圧下にて乾燥し、ポリアミド酸の固体を得
た。重量平均分子量(Mw)は113000であった。
このポリアミド酸の赤外吸収スペクトルを図7に、1H
−NMRスペクトル(DMSO−d6,ppm)を図1
3に示す。
【0059】ポリイミドの製造 前述ポリアミド酸の固体4gをシクロヘキサノン4.2
g、NMP1.8gに溶解した。この溶液を住友電気工
業社製四弗化エチレン樹脂製フィルター(ポアサイズ2
μm)を用いて濾過した。つぎに、この溶液を6×6c
mのAl基板上およびシリコンウエハー上に回転塗布
し、ついで、ホットプレート(大日本スクリーン社製S
KW−636)を用いて、80℃で3分、120℃で3
分プリベークし、さらにオーブン(光洋リンドバーグ製
イナートオーブン)を用いて、140℃で0.5時間、
350℃で1時間加熱することにより、ポリイミド膜を
得た。その後、Al基板上に形成したこのポリイミド膜
上にマスクをしてAlを真空蒸着し、上部電極を形成し
て比誘電率(ε)測定試料とした。その結果、ε=2.
68であり低い値であった。
【0060】次に、シリコンウエハー上に形成したポリ
イミド膜を用いて、まず屈折率を測定した後、ガラス転
移温度(Tg)及び、5%重量減少温度(Td5)を測
定した。その結果、屈折率は、TE=1.5769、T
M=1.5729、複屈折率は0.0040であり、屈
折率、複屈折率ともに小さな値となった。また、Tg=
231、Td5=479℃であり、高い耐熱性を有する
ことが確認された。このポリイミドの赤外吸収スペクト
ル(IR)を図10に示す。
【0061】実施例5〜6、比較例1〜2 芳香族ジアミン化合物およびテトラカルボン酸二無水物
を表1に示すとおりとした以外は実施例4と同様にし
て、ポリアミド酸の合成とポリイミド膜の作製を行った
後、実施例4と同様にして、各ポリアミド酸の重量平均
分子量(Mw)、各ポリイミド膜の比誘電率(ε)、ガ
ラス転移温度(Tg)および5%重量減少温度(Td
5)を測定した。これらの結果を表1および表2に示し
た。また、実施例5〜6のポリアミド酸およびポリイミ
ドの赤外吸収スペクトル(IR)を、それぞれ図8〜
9、図11〜12に示す。また、実施例5〜6のポリア
ミド酸の1H−NMRスペクトル(DMSO−d6,p
pm)を図14〜15に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】本発明のポリイミドは、低誘電率、低屈
折率、低複屈折率に優れており、プリント基板やLSI
用の層間絶縁膜や光部品等として極めて良好に使用する
ことができる。また、本発明の芳香族ジアミン化合物お
よびポリアミド酸は当該ポリイミドの出発原料および中
間体として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成したジアミンAのIRスペクト
【図2】実施例1で合成したジアミンAの1H−NMR
スペクトル
【図3】実施例2で合成したジアミンBのIRスペクト
【図4】実施例2で合成したジアミンBの1H−NMR
スペクトル
【図5】実施例3で合成したジアミンCのIRスペクト
【図6】実施例3で合成したジアミンCの1H−NMR
スペクトル
【図7】実施例4で合成したポリアミド酸のIRスペク
トル
【図8】実施例5で合成したポリアミド酸のIRスペク
トル
【図9】実施例6で合成したポリアミド酸のIRスペク
トル
【図10】実施例4で合成したポリイミドのIRスペク
トル
【図11】実施例5で合成したポリイミドのIRスペク
トル
【図12】実施例6で合成したポリイミドのIRスペク
トル
【図13】実施例4で合成したポリアミド酸の1H−N
MRスペクトル
【図14】実施例5で合成したポリアミド酸の1H−N
MRスペクトル
【図15】実施例6で合成したポリアミド酸の1H−N
MRスペクトル
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AB46 BJ20 BJ50 BM10 BM30 BM71 BP60 BU46 4J043 PA02 PC015 PC016 PC145 PC146 PC205 PC206 QB15 QB26 RA05 RA06 RA34 RA35 SA06 SB01 TA22 TA47 TA78 TB01 UA011 UA122 UA132 UA142 UA151 UA152 UA222 UA232 UA262 UB021 UB022 UB061 UB062 UB122 UB131 UB132 UB142 UB302 UB322 XA16 XA19 YA06 YA07 ZA06 ZA12 ZA43 ZA46 ZB11 ZB47 ZB50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表されることを特徴とする
    芳香族ジアミン化合物。 【化1】 (一般式(1)において、m、nは1〜4の整数を示
    す。R1およびR2はH、F、CF3、炭素数1〜20
    のアルキル基もしくは、炭素数6〜20のアリール基を
    示し、R3およびR4はH、F、CF3、炭素数1〜2
    0のアルキル基、炭素数5〜20の環状アルキル基もし
    くは炭素数6〜20のアリール基を示し、R5およびR
    6はH、F、CF3、炭素数1〜20のアルキル基、炭
    素数5〜20の環状アルキル基、炭素数6〜20のアリ
    ール基、もしくはR5とR6が連結した炭素数5〜20
    の環状アルキル基のいずれかを示す。)
  2. 【請求項2】一般式(2)で表される繰り返し単位を含
    有して成り、重量平均分子量が1000〜100000
    0であることを特徴とするポリアミド酸。 【化2】 (一般式(2)において、m、nは1〜4の整数を示
    す。R1およびR2はH、F、CF3、炭素数1〜20
    のアルキル基もしくは炭素数6〜20のアリール基を示
    し、R3およびR4はH、F、CF3、炭素数1〜20
    のアルキル基、炭素数5〜20の環状アルキル基もしく
    は炭素数6〜20のアリール基を示し、R5およびR6
    はH、F、CF3、炭素数1〜20のアルキル基、炭素
    数5〜20の環状アルキル基、炭素数6〜20のアリー
    ル基、もしくはR5とR6が連結した炭素数5〜20の
    環状アルキル基のいずれかを示す。Arは単環式もしく
    は縮合多環式の芳香族基、これらの芳香環が直接もしく
    は連結基により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
    から選ばれる炭素数6〜50の4価の芳香族基を示
    す。)
  3. 【請求項3】一般式(3)で表される繰り返し単位を含
    有して成り、重量平均分子量が1000〜100000
    0であることを特徴とするポリイミド。 【化3】 (一般式(3)において、m、nは1〜4の整数を示
    す。R1およびR2はH、F、CF3、炭素数1〜20
    のアルキル基もしくは炭素数6〜20のアリール基を示
    し、R3およびR4はH、F、CF3、炭素数1〜20
    のアルキル基、炭素数5〜20の環状アルキル基もしく
    は炭素数6〜20のアリール基を示し、R5およびR6
    はH、F、CF3、炭素数1〜20のアルキル基、炭素
    数5〜20の環状アルキル基、炭素数6〜20のアリー
    ル基、もしくはR5とR6が連結した炭素数5〜20の
    環状アルキル基のいずれかを示す。Arは単環式もしく
    は縮合多環式の芳香族基、これらの芳香環が直接もしく
    は連結基により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
    から選ばれる炭素数6〜50の4価の芳香族基を示
    す。)
  4. 【請求項4】一般式(1)のR3またはR4の少なくと
    も一方が、一般式(4)で表されることを特徴とする請
    求項1記載の芳香族ジアミン化合物。(一般式(4)に
    おいて、kは4〜19の整数、lは1〜5の整数を示
    す。RfはH、F、CF3、CH3を示す。) 【化4】
  5. 【請求項5】一般式(2)のR3またはR4の少なくと
    も一方が、上記一般式(4)で表されることを特徴とす
    る請求項2記載のポリアミド酸。
  6. 【請求項6】一般式(3)のR3またはR4の少なくと
    も一方が、上記一般式(4)で表されることを特徴とす
    る請求項3記載のポリイミド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006297821A (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Du Pont Toray Co Ltd 多層ポリイミドフィルムおよびポリイミド積層体
JP2013136575A (ja) * 2011-12-22 2013-07-11 Daxin Material Corp ジアニリンに基づく化合物、ならびにポリアミド酸組成物、ポリイミド組成物、およびそれらから形成された液晶配向剤
CN104513167A (zh) * 2013-09-30 2015-04-15 财团法人纺织产业综合研究所 二硝化合物、二胺化合物与芳香族聚酰亚胺

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