JP3984823B2 - 光導波路の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶媒溶解性が高く、貯蔵安定性に優れ、印刷などによりパターン形成が可能である光学用材料、光学用部品、に適するポリイミド前駆体と、溶媒とを含有するポリイミド前駆体組成物を用いた光導波路の製造方法に関し、特には上記ポリイミド前駆体組成物をコア層に用いた光導波路の製造方法等に適する。
【0002】
【従来の技術】
近年急速に関心の高まりつつある光通信において、重要な光部品として光分岐結合器(光カプラ)、光合分波器、光アイソレータ、光ファイバーアンプ等があるが、導波路型素子が有望視されている。現在までに最も高性能で信頼性の高い受動型光導波路素子はガラス導波路であるが、1000℃以上の高温のプロセスを含むなどの加工性に問題があり、ポリマー材料による光導波路作製の検討も数多くなされている。このなかでも、近赤外領域(1.2−1.6μm)での光損失が小さいこと、また高耐熱性、低吸湿性などにすぐれている点で含フッ素ポリイミド樹脂が光導波路材料として脚光を浴びている。(例えば、特開平2−281037号公報、特開平4−8734号公報、特開平4−9807号公報、特開平5−164929号公報および特開平6−51146号公報等)しかしながら、これらの方法では、いずれも導波路パターンのレリーフ構造をつくるのに例えばポリイミドの層の上に感光性樹脂でパターンを形成し、RIE(リアクティブイオンエッチング)などでエッチングし、余分な感光性樹脂を剥離するという複雑な手法を用いているため、導波路作製プロセスのステップ数が多くなり、製造コストや歩留りに影響する。一方、このような方法を解決する方法として、特開平3−15805に開示されているような基材の上に界面活性剤を印刷しこれを透明液状材料中に浸漬して引き上げ硬化させパターンを作製する方法が知られている。しかし、この方法では界面活性剤を印刷する工程と透明液状材料中に浸漬する工程が別であり工程数が増え製造コストや歩留りに影響する。また、特開平6−234917にはポリアミド酸または溶媒溶解性のポリイミドに金属を含むジピバロイルメタン化合物を混合した印刷等に優れる組成物が光導波路にも使用されていることが示されている。しかしこの組成物が印刷等に優れるためには金属を含む特殊な化合物が含まれることが必要である為、汎用性にかけ、またポリアミド酸を使用する場合貯蔵安定性等に問題があり、溶媒溶解性のポリイミドを使用する固形分濃度が低くなる等の問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来技術の問題点を解決すべく、印刷等による簡易な加工方法が可能であり用途として光学用材料、光学用部品、特には光導波路などの材料として有用である溶媒溶解性、耐熱性、貯蔵安定性に優れるポリイミド前駆体組成物、およびそれを用いた光導波路の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは光導波路の適用を目指して種々のポリイミド前駆体を合成して適用性を検討した結果、ポリアミドエステル構造とポリイミド構造を共重合する印刷性等に優れるポリイミド前駆体導入することにより光損失の少ない良好な光学用材料、光学用部品特には光導波路が形成できることを見いだした。本発明はすなわち下記一般式(1):
【0005】
【化7】
【0006】
(式中、kは1以上の整数、m、nは1以上の整数である。R1、R3は互いに同一であってもよく異なっていてもよい四価の有機基であり、R2、R4は互いに同一であってもよく異なっていてもよい二価の有機基であり、R5は炭素を含む一価の有機基)であらわされる構造を有するポリイミド前駆体と、溶媒とを含有するポリイミド前駆体組成物を用いて、光導波路を作製することを特徴とする光導波路の製造方法(請求項1)。
【0007】
一般式(1)中のR1、R3のうち少なくとも一つが一般式(2):
【0008】
【化8】
【0009】
(式中、複数のR6は互いに同一であってもよく異なっていてもよい水素、重水素、フッ素、パーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも一種である)で表される構造を少なくとも一つ有すると共に、上記一般式(2)中のXが直結または下記一般式(3):
【0010】
【化9】
【0011】
(式中、R7はパーフルオロアルキレン基であり、pは1〜5の整数であり、R8は重水素、フッ素、パーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる一種である)で表される構造を有することを特徴とする請求項1記載の光導波路の製造方法(請求項2)。
【0012】
一般式(1)中のR2、R4のうち少なくとも一つが一般式(4):
【0013】
【化10】
【0014】
(式中、複数のR9は互いに同一であってもよく異なっていてもよい水素、重水素、フッ素、パーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも一種である)で表される構造を少なくとも一つ有すると共に、上記一般式(4)中のXが直結または下記一般式(3):
【0015】
【化11】
【0016】
(式中、R7はパーフルオロアルキレン基であり、pは1〜5の整数であり、R8は重水素、フッ素、パーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる一種である)で表される構造を有することを特徴とする請求項1または2記載の光導波路の製造方法(請求項3)。
【0017】
一般式(1)中のR5が炭素数1〜6の炭化水素基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路の製造方法(請求項4)。
【0018】
一般式(1)中のR2、R4のうち少なくとも一つが一般式(6):
【0019】
【化12】
【0020】
(式中、複数のR9は互いに同一であってもよく異なっていてもよい水素、重水素、フッ素、パーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも一種である)で表される構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路の製造方法(請求項5)。
【0021】
上記ポリイミド前駆体組成物を用いて、印刷により光導波路を作製することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光導波路の製造方法(請求項6)。
である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリイミド前駆体成分は、下記一般式(1)
【0023】
【化13】
【0024】
で表される[式中、kは1以上の整数、m、nは1以上の整数である。R1、R3は互いに同一であってもよく異なっていてもよい四価の有機基であり、R2、R4は互いに同一であってもよく異なっていてもよい二価の有機基であり、R5は炭素を含む一価の有機基]繰り返し単位を有する光学用ポリイミド前駆体およびこの製造方法に関する。前記一般式の構造を有するポリイミド前駆体は、溶媒溶解性、貯蔵安定性が高く印刷等の加工に優れる。フッ素が含まれる事が吸湿率を低くする点で好ましく、特にアルキル基における水素がフッ素などに置換されている場合、近赤外域での光損失の原因となるアルキル基等のC−H結合に基づく振動吸収が小さくなり光導波路として好ましい。ただし、ベンゼン環に直接結合する水素原子のC−H結合に基づく吸収は、その吸収が少なく、本発明の効果に影響を与えないと考えられるため、ベンゼン環に直接結合する水素を含有していてもかまわないが、すべての水素が、重水素、フッ素、パーフルオロアルキル基から選ばれる少なくとも一種以上で置換されている方が好ましい。本発明における前駆体の原料となる(a)下記一般式(7):
【0025】
【化14】
【0026】
であらわされる化合物(ただしR10は4価の有機基、R11は炭素数1以上の1価の有機基、R12はOHまたはClを示す。)はどのような経路で製造してもよい。R12がOHであるジエステル化合物は例えば以下の方法で製造することができる。すなわち酸二無水物を溶媒に溶解させたのち炭素数1〜6のアルコールと混合し加熱し還流下に置く。0.2時間から24時間、還流下で反応させたのち、溶媒を除去し反応物を得る。これを必要な場合、再結晶、カラムクロマトグラフィー分割等の一般的な精製法で精製する。R12がClであるジクロリド化合物は例えば以下の方法で製造する事が出来る。すなわち上記エステル化合物を酢酸エチル等の溶媒に懸濁し、エステル化合物の2倍当量以上のオキサリルクロリドを加え(必要に応じて数回に分ける)、少量のジメチルホルムアミドを加える。この溶液を例えば40℃〜還流下に0.5時間〜48時間加熱し、必要な場合さらに0.5時間〜48時間還流下において反応を完結させる。この後溶媒を減圧下で除去し、必要であればさらに減圧下で乾燥する。必要に応じて再結晶等の一般的な精製法で精製する。一般式(7)においてR11が炭素数7以上の場合、原料に汎用性が無くなる、前駆体印刷後の膜減りが大きい場合がある。(a)の原料となる酸ニ無水物および(b)の酸ニ無水物は同一でも異なっていても良い。以下にこの例を記する。前記フッ素を含む酸ニ無水物成分としては、例えば、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2−ビス{(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物等が挙げられる。また分子内のアルキル基等のみでなく、フェニル環等の炭素に結合するすべての1価元素をフッ素、又はパーフルオロアルキル基としたものであればより近赤外領域での吸収が小さく好ましい。このような酸二無水物を得るには、テトラカルボン酸またはその誘導体を通常の方法で無水物とし、例えば100℃以上に加熱すれば所望の全フッ素酸ニ水物が得られる。このような酸無水物、酸塩化物等としては:2,5−ジフルオロピロメリット酸、2−トリフルオロメチル−5−フルオロピロメリット酸、2,5−ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、2,5−ジ(ペンタフルオロエチル)ピロメリット酸、ヘキサフルオロ−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、ヘキサフルオロ−3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、ヘキサフルオロ−3,3′(又は4,4′)−オキシビスフタル酸などが挙げられる。フッ素を含まない酸ニ無水物成分を用いてもよく、例えば、パラ−ターフェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ヒドロキノンジベンゾエ−ト−3.3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−スルホニルジフタル酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、メタ−ターフェニル−3,3″,4,4″−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、1−(2,3−ジカルボキシフェニル)−3−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物等が挙げられる。本発明におけるポリイミド前駆体を製造する時に使用するジアミンはアルキル基、アリル基、プロパルギル基、水酸基の水素原子を含まないことが好ましくまたフッ素を含むジアミンが近赤外光の低損失、吸湿率を下げる意味で好適である。フッ素を含むジアミン成分としては4−(1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ブタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ヘプタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−オクタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペンタフルオロフェノキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(4−フルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ヘキサノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ドデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、(2,5)−ジアミノベンゾトリフルオライド、ビス(トリフルオロメチル)フェニレンジアミン、ジアミノテトラ(トリフルオロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペンタフルオロエチル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロヘキシル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロブチル)ベンゼン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、オクタフルオロベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノ−p−テルフェニル、1,4−ビス(p−アミノフェニル)ベンゼン、p−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジトリフルオロメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス〔{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス{2−〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロイソプロピル}ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル等が挙げられる。分子内のアミノ基を除くアルキル基、フェニル環等の炭素に結合するすべての1価元素をフッ素、又はパーフルオロアルキル基としたものであれば近赤外の吸収が小さく好ましい。例えば3,4,5,6−テトラフルオロ−1,2−フェニレンジアミン、2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)エーテル、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニル)スルホン、ヘキサフルオロ−2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル等が挙げられる。また、合成分としてフッ素を含まないジアミン成分を含有していてもよく、例えば、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジジン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス−(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス−(4−アミノフェノキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−アミノフェノキシフェニル)ビフェニル、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3′−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン−3−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン−3′−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン−4−スルホンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−3−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−4−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルサルファイド−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−3′−スルホンアミド、1,4−ジアミノベンゼン−2−スルホンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3′−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルメタン−3−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルメタン−4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルメタン−3′−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルメタン−4−カルボンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン−3−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン−4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン−3′−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン−4−カルボンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−3−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−4−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルサルファイド−4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−3′−スルホンアミド、1,4−ジアミノベンゼン−2−カルボンアミド、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン等が挙げられる。上記の酸無水物成分及びジアミン成分はそれぞれ2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では上記(a)化合物または(b)酸ニ無水物または(c)ジアミンのどれかまたはすべてに含フッ素化合物を含むことが好ましい。特にこの好ましい組み合わせとしては(a)化合物としてジクロリド化合物、ジエステル化合物として2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニルより合成したジエステル化合物、ジクロリド化合物およびこれらの混合物、(b)酸ニ無水物として2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニルまたはこの混合物、ジアミンとしては4,4′−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。特に2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物とピロメリット酸二無水物または2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物から合成したジクロリド化合物、ジエステル化合物と混合して共重合させることで屈折率、線膨張係数等を所望の値にすることが可能であり、ポリイミド前駆体の溶媒溶解性、ジクロリド化合物、ジエステル化合物の合成の容易さの点で好ましい。ポリイミド前駆体は得るための重合体を含む溶液は、(a)化合物と(b)酸ニ無水物の合計のモル数と(c)ジアミンまたはジシアナートのモル数が実質的に等モルになるように使用し重合して得られる。(a)化合物がジクロリド化合物の場合は好ましくはアルゴン、窒素などの不活性雰囲気中において、ジアミン及びジクロリド化合物、カルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解または拡散させて得られる。また、トリエチルアミンやピリジン等を少量混合することが一般的である。各モノマーの添加順序は特に限定されず、ジクロリド化合物と酸二無水物を有機極性溶媒中に先に加えておき、ジアミン成分を添加し、重合体の溶液としても良いし、ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、次にジクロリド化合物と酸二無水物を加えても良い。好ましい方法としてはジアミン成分とジクロリド化合物を先に反応させ次に酸ニ無水物を加えて重合体とする方法が反応を制御しやすく、重合度が上がり良好なポリイミド前駆体を得られやすい。(a)化合物がジエステル化合物の場合は、好ましくはアルゴン、窒素などの不活性雰囲気中において、ジアミン及びジエステル化合物とカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解または拡散させて得られる。また、ジエステル化合物と2倍当量以上の縮合剤を混合することが一般的である。各モノマーの添加順序は特に限定されず、ジエステル化合物と酸二無水物を有機極性溶媒中に先に加えておき、ジアミン成分を添加し、ポリアミドエステルの溶液としても良いし、ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、次にエステル化合物と酸二無水物を加えても良い。また縮合剤を使用せずに上記のジアミンをジイソシアナートとして高温(40℃〜200℃)で混合して、重合しても良い。前記使用される縮合剤はポリアミドの縮合合成に使用される物が一般的に使用できる。例えば亜リン酸エステル、リン塩化物、リン酸アミド、リン酸エステル、リン酸無水物等があげられる。亜リン酸エステルとして、亜リン酸トリフェニル及びその誘導体、リン塩化物としては三塩化リン、オキシ塩化リン、リン酸アミドとしては2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリルホスホン酸等があげられる。縮合剤はエステル化合物の2〜3倍当量、好ましくは2.1〜2.3倍当量の量を加える。必要により縮合反応の活性を高めるためにピリジン、トリエチルアミン等を添加する。添加量は通常、縮合剤とほぼ当量である。上記の反応により得られた重合体の溶液に脱水閉環剤および/または触媒を添加しアミド酸部分のみをイミド化することが必要である。脱水閉環剤は、例えば脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N ' - ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種以上の混合物が挙げられる。それらのうち、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ラク酸等の脂肪族無水物またはそれらの2種以上の混合物が、好ましく用い得る。これらの脱水閉環剤は重合体溶液中のアミド酸部位のモル数に対して1〜10倍量、好ましくは1〜7倍量、より好ましくは2〜5倍量を添加するのが好ましい。また、イミド化を効果的に行うためには、脱水閉環剤に触媒を同時に用いることが好ましい。触媒としては脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、複素環式第三級アミン等が用いられる。それらのうち複素環式第三級アミンから選択されるものが特に好ましく用い得る。具体的にはキノリン、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン等が好ましく用いられる。これらの触媒は脱水閉環剤のモル数に対して1/20〜10倍量、好ましくは1/15〜5倍量、より好ましくは1/10〜2倍量のモル数を添加する。これらの、脱水閉環剤及び触媒は、量が少ないとイミド化が効果的に進行せず、逆に多すぎるとポリイミド前駆体に残りやすくしいては光導波路の光損失等が大きくなる場合がある。脱水閉環剤および/または触媒を使用したイミド化の温度は150℃〜−10℃であることが好ましい。150℃を上回るとエステル部分までがイミド化し所望のポリイミド前駆体を得られない場合があり、−10℃より低い場合はイミド化に時間がかかりすぎる場合がある。前記ポリイミド前駆体の生成反応に用いられる有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒、フェノール、o−,p−,m−またはp−クレゾール、キシノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。更に必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエン等の芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。その溶液の濃度は5〜40重量%(10〜25重量%であることが好ましい)、また前記ポリマー溶液の回転粘度(25℃)は、50〜5000ポアズであることが好適である。(a)化合物がジクロリド化合物の場合はN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒が副反応がおこりにくく好ましい。前記ポリイミド前駆体は上記のように合成されるがポリイミド前駆体を印刷に使用する場合、適当な溶媒に溶解させてポリイミド前駆体組成物とする。例えば上記反応溶液を脱イオン水、アルコール等に投入し析出させ、必要により脱イオン水、アルコールでさらに洗浄し、減圧下で乾燥させる。このポリイミド前駆体に溶媒を添加しポリイミド前駆体組成物を得る。また析出等を実施しないで合成された溶媒を必要により一部除去し、ポリイミド前駆体組成物としてもかまわない。このとき溶媒としてはポリイミド前駆体が溶解する範囲で種種の溶媒を使用することができる。例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール溶媒、アセトン、ジメチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル等、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒、フェノール、o−,p−,m−またはp−クレゾール、キシノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等などである。またこれらの溶媒を2種以上組合せても良いし、場合により脱イオン水を混合させても良い。上記、ポリイミド前駆体組成物の固形分濃度は30重量部以上95重量部以下が好ましく30重量部以上80重量部以下がさらに好ましい。固形分濃度が95重量部より大きい場合組成物の粘度が上がりすぎて印刷に適さない場合があり、30重量部未満の場合、粘度が小さすぎて印刷に適さない場合や、厚膜の導波路が形成しにくい場合がある。前記ポリイミド前駆体はすべての部分をイミド化しポリイミドとすることによって、光導波路を作製する上での十分な耐熱性(260℃以上)を持たせることができる。また、アルキル基等の炭素原子に結合する水素を実質的にもたない構造にした場合、近赤外域での最大の光損失原因であるアルキルキ等のC−H結合に基づく振動吸収を少なくし近赤外の光損失が減り好ましい。前記ポリイミド前駆体は種々の光学用材料、光学用部品、光学用素子に使用できるが、例えば光ファイバー、光導波路、光半導体、封止材、接着剤、レンズ、液晶用光学材料、光学フィルム、光配線板、光集積回路、1/4λ板、1/2λ板、グレーティング、光学フィルター、光アイソレーター、光スイッチ、光結合器、光分派器、光増幅器、光合分波器等に使用できる。特には光導波路および、光導波路を使用した部品、素子に使用される。本発明のポリイミド前駆体組成物で光導波路を作製する場合クラッドは通常の方法で形成することが可能で、スピンコート法、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法等によって基材上に下層クラッド層を形成する。この上部に印刷により所望のパターンを形成し、加熱処理をおこなうことによりポリイミド光導波路が形成される。印刷の方法は特には問わないが、スクリーン印刷、インクジェット印刷、凸板印刷、平板印刷、凹板印刷等が有る。加熱は200℃〜500℃の間で実施するのが好ましい。200℃以下である場合イミド化しない場合があり、500℃以上の場合劣化する場合がある。また段階的に温度を上げて加熱することがパターンがだれにくい、機械的強度が向上する場合が多く好ましい。この時の加熱時間は、0.1〜10時間とすることが好ましい。また加熱の雰囲気は窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス下であるか、真空下がのぞましい。膜厚には特に制限はないが、光導波路の設計上の点から、4〜150μmであることが好ましく、6〜100μmであることがより好ましい。又、必要により上層のクラッド層をこの上に形成する。上下のクラッド層は接着性の観点からポリイミドであることが好ましい。用いる基板は板上、フィルム状などを問わない。材料はシリコンウエハー、金属基板、セラミック基板、高分子基板等である。高分子基板の材質はポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー樹脂、エポキシ樹脂、シアナート樹脂等が挙げられる。耐熱性の点や光導波路材料との接着性の点からポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シアナート樹脂が好ましい。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。使用原料は市販品を使用した。各原料の入手先を示す。2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル(セントラルガラス社製)、ジメチルアセトアミド(和光純薬社製)、ピロメリット酸二無水物(和光純薬社製)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(クラリアントジャパン社製)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(和光純薬社製)、 メタノール(和光純薬社製)、エタノール(和光純薬社製)イソプロパノール(和光純薬社製)酢酸エチル(和光純薬社製)、塩化チオニル(和光純薬社製)、ヘキサン(和光純薬社製)
なお、実施例中、光損失、加熱5重量%減量温度、屈折率は以下の方法にて測定した。
【0028】
光損失:フィルム状のサンプルを分光光度計(島津社製UV−3100)にて透過率を測定しフィルム厚みで換算した。
【0029】
加熱5重量%減量温度:フィルム状サンプルを熱重量測定装置(セイコー電子社製TG/DTA200)にて測定した。
【0030】
屈折率:フィルム状サンプルを精密アッベ屈折率計3T(アタゴ社製NAR−3T)にて測定した。
【0031】
(酸クロリド化合物Iの合成)
還流管をとりつけた三つ口フラスコにピロメリット酸二無水物10.0g(46mmol)にエタノール50mlを加え窒素雰囲気下で撹拌を続けながら加熱し還流撹拌を3時間おこなった。室温に冷却した後、エバポレーターにより溶媒を除去し、さらに真空乾燥をおこない粉末を得た。この粉末を酢酸エチル60mlに溶解させジメチルホルムアミドを0.2g加え塩化チオニルを13.1g(110.4mmol)を加え60℃で2時間加熱しさらに環流下で2時間加熱した。室温に冷却した後、エバポレーターにより溶媒を除去し、さらに真空乾燥をおこない粉末を得た。この粉末をヘキサンにて再結晶し、12.5gの酸クロリド化合物を得た。
【0032】
(酸クロリド化合物IIの合成)
還流管をとりつけた三つ口フラスコにピロメリット酸二無水物10.0g(46mmol)にイソプロパノ-ル50mlを加え窒素雰囲気下で撹拌を続けながら加熱し還流撹拌を3時間おこなった。室温に冷却した後、エバポレーターにより溶媒を除去し、さらに真空乾燥をおこない粉末を得た。この粉末を酢酸エチル60mlに溶解させジメチルホルムアミドを0.2g加え塩化チオニルを13.1g(110.4mmol)を加え60℃で2時間加熱しさらに環流下で2時間加熱した。室温に冷却した後、エバポレーターにより溶媒を除去し、さらに真空乾燥をおこない粘長な液体を含む粉末を得た。この粉末をヘキサンにて再結晶し、3.5gの酸クロリド化合物IIを得た。
【0033】
(酸クロリド化合物IIIの合成)
還流管をとりつけた三つ口フラスコに1,4−ヒドロキノンジベンゾエ−ト−3.3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物20gにメタノール50ml、N−メチルミロリドンを加え窒素雰囲気下で撹拌を続けながら加熱し還流撹拌を3時間おこなった。室温に冷却した後、エバポレーターにより溶媒を除去し、水70重量%、メタノール30重量%にて再結晶を実施したのち、さらに真空乾燥をおこない18.7gの粉末を得た。この粉末10.4g(20mmol)を酢酸エチル60mlに溶解させジメチルホルムアミドを0.2g加え塩化チオニルを5.7g(48mmol)を加え60℃で2時間加熱しさらに環流下で2時間加熱した。室温に冷却した後、エバポレーターにより溶媒を除去し、さらに真空乾燥をおこない10.6gの酸クロリド化合物IIIを得た。
【0034】
(実施例1)
(ポリイミド前駆体Iの合成)
窒素雰囲気下の容器中で2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル(3.20g、10mmol)をジメチルアセトアミド(35g)に溶解した後、トリエチルアミン(1.06g、10.5mmol)を加えさらに化合物I(1.74g、5mmol)を加え容器を氷冷し2時間撹拌しさらに室温(約20℃)で24時間撹拌した。この溶液に2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル酸二無水物2.22g(5mmol)を加え氷冷し2時間撹拌しさらに室温(約20℃)で24時間撹拌した。この溶液にケミカルキュア剤としてβ−ピコリン0.93g(10mmol)、無水酢酸6.125g(60mmol)を加え室温で1時間攪拌し、70℃で3時間攪拌後室温まで冷却した。次にメタノールに上記溶液を混合し沈殿物を濾過後、8時間メタノールにてソックスレイ処理をしたのち真空乾燥しポリイミド前駆体Iを得た。
【0035】
(実施例2)
(ポリイミド前駆体IIの合成)
窒素雰囲気下の容器中で2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル(3.20g、10mmol)をジメチルアセトアミド(35g)に溶解した後、トリエチルアミン(1.06g、10.5mmol)を加えさらに化合物II(1.86g、5mmol)を加え容器を氷冷し2時間撹拌しさらに室温(約20℃)で24時間撹拌した。この溶液に2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル酸二無水物2.22g(5mmol)を加え氷冷し2時間撹拌しさらに室温(約20℃)で24時間撹拌した。この溶液にケミカルキュア剤としてβ−ピコリン0.93g(10mmol)、無水酢酸6.125g(60mmol)を加え室温で1時間攪拌し、70℃で3時間攪拌後室温まで冷却した。次にメタノールに上記溶液を混合し沈殿物を濾過後、8時間メタノールにてソックスレイ処理をしたのち真空乾燥しポリイミド前駆体IIを得た。
【0036】
(実施例3)
(ポリイミド前駆体IIIの合成)
窒素雰囲気下の容器中で2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル(3.20g、10mmol)をジメチルアセトアミド(35g)に溶解した後、トリエチルアミン(1.06g、10.5mmol)を加えさらに化合物III(2.78g、5mmol)を加え容器を氷冷し2時間撹拌しさらに室温(約20℃)で24時間撹拌した。この溶液に2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル酸二無水物2.22g(5mmol)を加え氷冷し2時間撹拌しさらに室温(約20℃)で24時間撹拌した。この溶液にケミカルキュア剤としてβ−ピコリン0.93g(10mmol)、無水酢酸6.125g(60mmol)を加え室温で1時間攪拌し、70℃で3時間攪拌後室温まで冷却した。次にメタノールに上記溶液を混合し沈殿物を濾過後、8時間メタノールにてソックスレイ処理をしたのち真空乾燥しポリイミド前駆体IIIを得た。
【0037】
(実施例4)
1gのポリイミド前駆体Iにジメチルアセトアミド1gをくわえたところ問題なく溶解し組成物Iを得た。この組成物を50μ幅のパターンを持つスクリーンにてアルミ板上にスクリーン印刷を実施した。これを真空化で80℃で10分、100℃で10分、150℃で10分、200℃で10分、250℃で10分、300℃で10分、350℃で10分、400℃で10分間加熱したところ良好なレリーフ構造を得た。またスクリーン印刷をおこなわないでアルミ板上に組成物Iを均一に塗布し真空下で80℃で10分、100℃で10分、150℃で10分、200℃で10分、250℃で10分、300℃で10分、350℃で10分、400℃で10分間加熱し50μmのポリイミドフィルムも作製した。このポリイミドフィルムの波長1.3μmの光損失、加熱5重量%減量温度、屈折率を測定した。結果を表1に示す。
【0038】
(実施例5)
ポリイミド前駆体Iに変えてポリイミド前駆体IIを使用したこと以外は実施例4と同様におこない、組成物IIを得また同様に良好なレリーフ構造を得た。同様にフィルムを作製し光損失、加熱5重量%減量温度、屈折率を測定した。結果を表1に示す。
【0039】
(実施例6)
ポリイミド前駆体Iに変えてポリイミド前駆体IIIを使用したこと以外は実施例4と同様におこない、組成物IIIを得また同様に良好なレリーフ構造を得た。同様にフィルムを作製し光損失、加熱5重量%減量温度、屈折率を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
(実施例7)
実施例4で得た組成物Iを2ヶ月放置したこと以外は実施例4と同様におこない、良好なレリーフ構造を得た。同様にフィルムを作製し光損失、加熱5重量%減量温度、屈折率を測定した。結果を表1に示す。
【0041】
(比較例1)
窒素雰囲気下の容器中で2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル(3.20g、10mmol)をジメチルアセトアミド(36.9g)に溶解した後、ピロメリット酸二無水物(1.09g、5mmol)および2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル酸二無水物2.22g(5mmol)を加え容器を氷冷しながら5時間撹拌した。次に20℃まで上げてさらに5時間攪拌しポリアミド酸組成物I(固形分15重量%、)を得た。この組成物を50μ幅のパターンを持つスクリーンにてアルミ板上にスクリーン印刷を実施した。これを真空下で80℃で10分、100℃で10分、150℃で10分、200℃で10分、250℃で10分、300℃で10分、350℃で10分、400℃で10分間加熱したところパターンがだれて良好なレリーフ構造は得られなかった。
【0042】
(比較例2)
窒素雰囲気下の容器中で2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル(3.20g、10mmol)をジメチルアセトアミド(36.9g)に溶解した後、ピロメリット酸二無水物(1.09g、5mmol)および2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル酸二無水物2.22g(5mmol)を加え容器を氷冷しながら5時間撹拌した。次に20℃まで上げてさらに5時間攪拌しポリアミド酸組成物I(固形分15重量%、)を得た。この組成物を2ヶ月間室温に放置したところ、劣化して粘度が低下しスクリーン印刷を実施できなかった。
【0043】
【表1】
【0044】
表の結果からわかるように実施例4〜7は全ての項目において実用に耐えるが比較例1、2はレリーフパターンが良好でなく光損失が大きく光導波路材料として実用にたえない。また、実施例4と5に見られるようにエステル部分の種類を変えて重合しても良好な物性を得ることができる。実施例6のようにジクロリド化合物の構造を変化させても光導波路材料として好適である。また実施例7のように組成物を長期保存しても物性はあまり変化せず良好である。
【0045】
【発明の効果】
本発明のポリイミド前駆体の製造方法に使用する事により印刷に好適な特には光導波路用ポリイミド前駆体を得る事が可能である。
Claims (6)
- 一般式(1)中のR5が炭素数1〜6の炭化水素基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光導波路の製造方法。
- 上記ポリイミド前駆体組成物を用いて、印刷により光導波路を作製することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の光導波路の製造方法。
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