JP4504087B2 - 積層体および接着材料 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリイミドフィルムを基層とするフレキシブル印刷回路基板(FPC)、テープオートメーティッド(TAB)方式に用いられるTAB用テープ、あるいは、チップオンフィルム(COF)方式に用いられる、特定組成の接着層を有するポリイミドフィルムと金属との積層体に関するものである。
例えば、TAB用テープはポリイミドフィルムに代表される耐熱性フィルムの表面に、エポキシ系樹脂接着剤などにより形成される接着剤を介して銅箔のような金属箔を張り合わせ、この金属箔を所定のパターンにエッチングすることにより製造されている。なお、接着層の形成は、接着剤を含んでなるフィルムを用いる場合(貼り合わせあるいは多層成形)もあるが、接着剤を含む有機溶液をポリイミドフィルムに塗布した後、加熱して溶媒を除去して行われ、積層体の形成は、金属箔を接着層上に重ね合わせて加圧下に熱圧着および/または熱溶着させて行われることが通常である。
接着剤としては、エポキシ系接着剤などが使用されている。しかし、近年、厚さが50μm以下の薄手の耐熱性フィルムを使用されるようになると、接着剤としてのエポキシ樹脂と基層としてのポリイミドフィルムの加熱収縮差によってTAB用テープが反る、あるいは、両者の親和性が不足するためにわずかなTAB用テープの変形がボンディング不良を生ずるとの問題が生じてきた。
この課題を解決するため、特定のラミネ−ション方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されているが接着剤とポリイミドフィルムとの親和性に関して新たな提案はなされていない。一方、特定のポリイミド樹脂組成物からなるポリイミドフィルムの使用(例えば、特許文献2参照。)はその製造方法が煩雑であり、特殊なジアミンモノマーを使用したポリイミド系樹脂を含む接着層の使用(例えば、特許文献3参照。)、多数の化合物から構成される接着層の使用(例えば、特許文献4参照。)、シロキサンポリイミド樹脂を含む接着層の使用(例えば、特許文献5参照。)は関連する化合物が極めて特殊で入手が容易でない。
特願2003−300250 特願2002−155140 特願平5−331445 特願平7−224259 特願2001−212904
本発明は、耐熱性、加工性、接着性、化学的安定性に優れるポリアミック酸および/またはポリイミドを含む接着層を介在させることにより、ポリイミド積層体の耐熱性を損なうことなく、接着性に優れ、かつ、反りや変形の少ないポリイミドフィルム積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定のトリシクロ環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を使用してポリアミック酸および/またはポリイミド樹脂(オリゴマーを含む。以下、同じ。)を製造し、これらを含む接着層を使用することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1は、ポリイミドフィルムの少なくとも一方の表面に接着層を介して金属層を積層した積層体において、該接着層が一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つと一般式(4)で表されるジアミン化合物とを開環重縮合して得られるポリアミック酸および当該ポリアミック酸を脱水イミド閉環して得られるポリイミドの少なくとも一種を含むことを特徴とする積層体に関するものである。
Figure 0004504087
Figure 0004504087
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一般式(1)、(2)、(3)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
Figure 0004504087
一般式(4)において、R3は2価の有機基を表す。
本発明の第2は、前記一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一種と前記一般式(4)で表されるジアミン化合物とを開環重縮合して得られるポリアミック酸および当該ポリアミック酸を脱水イミド閉環して得られるポリイミドの少なくと一種を含むことを特徴とする接着材料に関するものである。
本発明のポリイミドフィルムと金属との積層体は、特定の脂環式テトラカルボン酸二無水物とジアミンとからなるポリアミック酸またはポリイミドの少なくとも一種を接着層中に含み、接着層であるポリアミック酸またはポリイミドを構成する一般式(1)、(2)、(3)のテトラカルボン酸二無水物の特性に起因して、従来にない優れた下記の特性を有する。
(1)該テトラカルボン酸二無水物はトリシクロ環構造を有するために従来の脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物から得られたポリアミック酸およびポリイミドより融点が高く、ポリイミドフィルムと金属との積層体の耐熱性を大きく低下させることがない。また、ディールス・アルダー反応で生成した炭素・炭素二重結合を水素化還元反応すれば高温環境下での逆ディールス・アルダー反応による分解が抑制され、さらに耐熱性が向上する。
(2)該テトラカルボン酸二無水物は非対称構造であり、さらに、芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含むため、有機溶剤、接着剤に対する溶解性に優れるため、これから得られたポリアミック酸およびポリイミドは溶解状態では、ポリイミドフィルム上に容易に伸展し、特性が均一で残留歪が小さい接着層が得られる。
(3)該テトラカルボン酸二無水物は芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含むため、これから得られたポリアミック酸およびポリイミド有機溶剤、接着剤に対する溶解性に優れるため、多様なポリイミドとの親和性に優れる。
(4)脂環式テトラカルボン酸二無水物が温和で副反応の無い経路で生成されるためポリアミック酸およびポリイミド分子の不純物濃度が低い。
本発明により、耐熱性、接着性、低反り性等に優れる、各種フレキシブル回路基板(TAB、COF等。)に使用できるポリイミドフィルムと金属との積層体を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリアミック酸およびポリイミドは、一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つと一般式(4)で表されるジアミンから得られる。一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、下記一般式(5)で表される化合物1モルと下記一般式(6)で表される化合物2モルとを反応させて得られる。一般式(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物は一般式(1)の化合物を水素添加することによって得られる。(W.N.Emmerling et al 、European Polymer Journal, Vol.13, p179を参照。)
Figure 0004504087
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一般式(5)、(6)において、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、1,1−ジフェニルエチレン、1,1−ジ(メチルフェニル)エチレン、1−フェニル−1−メチルフェニルエチレン、1,1−ジフェニルプロペン、1,1−ジ(メチルフェニル)プロペン、1−フェニル−1−メチルフェニルプロペン等が挙げられる。
一般式(6)で示される化合物の具体例としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸(3−メチル無水マレイン酸)、3−エチル無水マレイン酸、3,4−ジメチル無水マレイン酸、3−クロル無水マレイン酸、3,4−ジメチル無水マレイン酸、等が挙げられる。
一般式(5)の化合物1モルと、一般式(6)の化合物2モルとは、図1に示す経路で反応して、一般式(1)のテトラカルボン酸二無水物を生成するものと考えられる。反応の進行には、特に触媒を必要とせず、適宜、溶剤を使用して、両者を混合して加熱攪拌して得ることができる。反応温度は、溶媒を使用した場合は当該溶媒の沸点付近で行うのが一般的であるが、50〜200℃間で行うことができる。より好ましくは、60〜150℃である。反応時間は反応温度との関係から定まるが、通常0.1〜20時間の範囲が好ましい。
以下、反応経路を図1にしたがって説明する。
一般式(5)と一般式(6)の化合物とは、炭素・炭素二重結合の電子密度差を誘因として電荷移動錯体を形成する。
したがって、一般式(5)および一般式(6)それぞれの化合物に存在する置換基が、両者の炭素・炭素二重結合の電子密度差を減少させないようにすることが好ましい。すなわち、一般式(5)の化合物の芳香族環以外の炭素に電子吸引性の強い置換基を存在させすることは好ましくなく、一般式(6)の化合物の炭素に電子供与性の強い置換基を存在させることは好ましくない。さらに、立体障害効果を有する置換基の存在も好ましくない。
したがって、一般式(5)中のR1および一般式(6)中のR1の少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。また、R1およびR2は、それぞれがアルキル基である場合、炭素数10以下であることが好ましく、炭素数5以下がさらに好ましく、特にメチル基、プロピル基が好ましい。
また、一般式(5)の化合物については、m+n≦4とすることが好ましく、特に、m+n≦2が好ましい。
したがって、最も好ましい一般式(5)で表される化合物は1,1−ジフェニルエチレンであり、最も好ましい一般式(6)で表される化合物は無水マレイン酸である。
一般式(5)と一般式(6)とから形成される電荷移動錯体は、分子内環化反応により六員環(シクロヘキサジエン環)となり、当該六員環化合物内のシクロヘキサジエン部と原料化合物一般式(6)の炭素・炭素二重結合部とが、ディールス・アルダー反応を経由して一般式(1)の化合物を生成するものと考えられる。当該ディールス・アルダー反応によって生成する炭素・炭素二重結合部は高温環境下で逆ディールス・アルダー反応で分解することがあるので、更なる耐熱性を付与したい場合は、公知の還元法等を用いて常法により水素添加して当該部分を単結合として一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物を得、更なる接着剤、有機溶剤への溶解性を付与したい場合は、側鎖の芳香族環を核水添して一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物とする。
接触還元方法は、金属触媒として、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金、ニッケル、コバルト等を使用して、溶媒中で、水素圧を常圧から10MPa(100kg/cm2)の範囲、温度を0〜150℃の範囲で行うことができる。
さらに詳しく述べれば、一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、パラジウム系触媒存在下で水素圧を1MPa〜5MPaの範囲とし、温度を室温〜50℃の範囲で5〜20時間接触還元を行うとよく、一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、パラジウム系触媒存在下で水素圧を5MPa〜8MPaの範囲とし、温度を50〜100℃の範囲で5〜20時間接触還元を行うとよい。
一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、従前の脂環式ポリイミドに使用されているテトラカルボン酸二無水物に比べて、特段の反応条件変更を要さずに実質的にひとつの反応操作で、エン反応等と比較して温和な条件下による反応で、副生成物を生じることなく得られ、特に高い純度が要求される電気電子分野で使用されるモノマーとして極めて優れた特性を発揮する。これらの中でも、一般式(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、高温環境下でも逆ディールス・アルダー反応がないので、高い耐熱性、あるいは、長期の安定性が要求されるポリイミドの構成モノマーとして優れている。
本発明に係る一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、2つのカルボン酸二無水物基がトリシクロ環構造中に非対称に配置されていること、および、側鎖(例えば、n=0であればベンゼン環。)を有していることを特徴とする。本発明者らは、当該基本構造が耐熱性を維持したままでの接着剤や有機溶剤への溶解性の付与に寄与して、その結果として、本発明に係るポリイミドフィルムと金属箔、接着層との接着性の向上に大きく関与しているものと考えている。これらは,単独で使用しても、併用しても良い。
また、本発明に係るポリアミック酸およびポリイミドを得るためには、一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物中に開環重付加反応や閉環反応の進行に関して立体障害となる置換基を含まないことが好ましく、一般式(1)、(2)、(3)の中でも、1,1−ジフェニルエチレンと無水マレイン酸から合成されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリイミドの構成成分として使用される公知の他のテトラカルボン酸無水物を併用することができることはもちろんである。
一般式(4)で表されるジアミン化合物としては、特に制限は無く、ポリイミド構成モノマーとして知られているジアミン化合物であればよい。R3の好ましい炭素数は6〜18であり、芳香族環を有するものがさらに好ましい。
好ましい例を挙げれば、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどがあり、特に好ましくは、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。
本発明のポリアミック酸、ポリイミドは、一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式(4)で表されるジアミン化合物とを、例えば、開環重付加反応させることにより合成することが出来る。
一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式(4)で表されるジアミン化合物とでポリアミック酸を合成するときの好ましい使用割合は、上記ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対する上記テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜4当量となる範囲である。重合度の高いポリアミック酸を得たいときは、0.8〜1.2当量の範囲とする。上記手法により、対数粘度が0.05〜10の範囲にあるポリアミック酸を得ることができる。なお、対数粘度の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液について30℃で、対数粘度=[ln(溶液粘度/溶媒粘度)]/[溶液濃度]によって求める。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、通常0〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はない。なお、溶媒を例示すれば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒、m−クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒が挙げられる。
つづいて、この反応溶液とポリアミック酸の貧溶媒を混合して析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
なお、貧溶媒を例示すれば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
本発明に係るポリイミドは、公知の方法に従って、上記ポリアミック酸をそのまま、あるいは、有機溶媒中で、イミド化反応時に生成する低分子化合物を系外に除去しながら、加熱して、脱水閉環(イミド化反応)して合成する。加熱における反応温度は50〜300℃、好ましくは、100〜200℃である。反応温度が50℃未満ではイミド化反応が十分に進行せず、反応温度が300℃を超えると得られるポリイミドの分子量が低下することがある。
また、上記ポリアミック酸の溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加しても、本発明に係るポリイミドを合成することができる。脱水剤を例示すれば、無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物が挙げられる。イミド化触媒を例示すれば、トリエチルアミン、ピリジン、コリジン等の第3級アミンが挙げられる。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、本発明のポリイミドを精製することができる。
本発明に係るポリイミドは、その構成材料として含有される一般式(1)、(2)、(3)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物の構造に由来して、従来の脂環式テトラカルボン酸二無水物を含有するポリイミドと比較して、以下の優れた特性を併せ持っていることが特長であり、極めてバランスのとれたポリイミドである。
従来の脂環式テトラカルボン酸二無水物から得られたポリイミドの主鎖には、テトラカルボン酸二無水物中の自由回転可能な炭素・炭素結合が導入されるものがあり、そのために良好な耐熱性が得られなかったが、本発明に係るポリイミド中では、テトラカルボン酸二無水物が構成する主鎖部分はトリシクロ環構造であり、さらに、逆ディールス・アルダー反応が水素添加で抑制された場合は、特に、耐熱性が良好である。
本発明に係る接着層の形成方法には特に制限はなく、例えば、その前駆体であるポリアミック酸(あるいは、ポリアミック酸を含むポリイミド)を含む溶液を、濾過・脱泡処理後、T−ダイから押出され、ドラムまたはベルトの上に流延し、加熱・溶媒除去され自己支持性のあるポリアミック酸フィルムとした後、ポリイミドと金属箔を介するように貼り合わせ、熱イミド法、または、化学イミド法でポリイミド化して製造される。あるいは、ポリアミック酸を溶液としてポリイミドフィルムあるいは金属箔上に塗布して、当該フィルムあるいは箔上で自己支持性フィルムとしてから上記操作を行ってもよく、また、ポリイミドにしてからこれら操作を行っても良い。
本発明において、積層体に含まれる金属の種類には特に制約はなく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、クロム、マグネシウム、亜鉛等或いはこれら金属の2種以上からなる合金等を例示することができるが、銅が電気特性の面から好ましい。金属箔であれば、たとえば銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔等があげられるが、厚さ3〜70μmの銅箔が好ましく使用される。さらに電気伝導率、最近のファインピッチ化の進行から、厚さ3〜35μmの電解銅箔、あるいは圧延銅箔が好ましく使用される。
以下、実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
<テトラカルボン酸二無水物の合成例>
容量20mlのナス型フラスコに1,1−ジフェニルエチレン5.10gと無水マレイ
ン酸2.78g(モル比1:1)を入れ、10分間溶存酸素を脱気した後、油浴を140
℃に保ち5時間加熱攪拌した。反応系の温度は106℃であった。反応終了後、トルエン
をフラスコに加えて析出する沈殿物を濾過して集めた。濾過物の重量は3.65gであっ
た。
本合成例においては、1,1−ジフェニルエチレンは反応原料として仕込まれたと同時に、過剰分は溶剤として機能している。本合成例の収率は、1,1−ジフェニルエチレン2.55gと無水マレイン酸2.78g(モル比1:2)を基準として、68%である。
(DSC分析による融点測定)
酢酸エチルから再結晶した当該化合物は、20℃/minでの昇温条件で290℃ に明
確な吸熱ピークを示した。
<テトラカルボン酸二無水物の構造決定>
(マススペクトル)
マススペクトルの結果、生成物の分子量は376であった。
(IRスペクトル測定)
700cm−1〜740cm−1:1置換芳香族帰属ピーク
760cm−1〜860cm−1:炭素・炭素二重結合帰属ピーク
1780cm−1〜1880cm−1:カルボン酸無水物帰属ピーク
(1HNMRスペクトル測定)
1H NMRスペクトル(DMSO−d6)
2.55(m、2H)、2.75(m、2H):カルボニル基隣接炭素上の水素
3.50〜3.60(m、2H)
3.70(t、1H):シクロへキセン環とシクロヘキサジエン環結合部炭素上の水素
3.80(m、2H):シクロヘキセン中のメチン水素
6.00(t、1H)、6.25(t、1H):炭素・炭素二重結合部の水素
7.20(d、2H)、7.35(t、1H)、7.45(t、2H):
一置換ベンゼン部の水素
以上の分析結果から、生成物の化学構造は一般式(1)の構造を満足するテトラカルボン酸二無水物のうち、下記の化学式(1)(3−フェニルトリシクロ[6,2,2,02,7]ドデカ−2,11−エン−5,6,9,10−テトラカルボン酸二無水物)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることを確認した。なお、当該化合物の構造に関しては、(W.N.Emmerling et al 、European Polymer Journal, Vol.13, p179)も参照した。
Figure 0004504087
化学式(1)で表される上記テトラカルボン酸二無水物を1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)100mgを加えて、50℃、5〜4.50MPa(水素圧)で水素化還元を16時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積が消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元されたことを示した。一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環の核水添が生じていないことを示した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認し、また、マススペクトルの結果から分子量が化学式(1)の化合物より2多い378になっていることを確認した。
この結果から、当該水素化生成物が、一般式(2)の構造を満足する下記化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが確認された。
Figure 0004504087
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)50mgを加えて、100℃、1〜0.95MPa(水素圧)で水素化還元を6時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積とδ=7.20〜7.45の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の5個の水素原子に帰属されるピーク面積との比が、還元処理前の2:5から、1.2:5に変化し、δ=6.00近傍にメチン系水素のピークが新たに出現し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)の一部が水素化還元されたことを示した。
一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環族の核水添が生じていないことを示した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(1)の構造を満足する化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物約60モル%と一般式(2)の構造を満足する化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物約40モル%とから構成されることが確認された。
以下、当該方法で得られた化合物を「水添テトラカルボン酸二無水物混合物A」という。
化学式(1)で表される上記テトラカルボン酸二無水物1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)100mgを加えて、120℃、9.00〜8.50MPa(水素圧)で水素化還元を16時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク、および、δ=7.20〜7.00の領域に現れる芳香族環の水素原子に帰属されるピークが消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元されたことを示した。および芳香族環が水素化還元(核水添)されたことを示した。一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素が出現した。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認し、また、マススペクトルの結果から分子量が化学式(1)の化合物より8多い386になっていることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(3)の構造を満足する化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが確認された。
これらの脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物の合成経路を図2に示した。
Figure 0004504087
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)50mgを加えて、100℃、1〜0.95MPa(水素圧)で水素化還元を6時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合の2個の水素原子に帰属するピークが消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元されたことを示した。δ=7.20〜7.45の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の5個の水素原子に帰属されるピーク面積とδ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認した。
それぞれのピーク面積の比から、当該還元処理化合物が、一般式(2)の構造を満足する化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物約50モル%と一般式(3)の構造を満足する化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物約50モル%とから構成されることが確認された。
以下、当該方法で得られた化合物を「水添テトラカルボン酸二無水物混合物B」という。
<ポリイミドフィルムの製造例1>
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物752mg(2mmol)、4,4´-ジアミノジフェニルエーテル400mg(2mmol)、溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド1.5mlを30mlのナスフラスコに入れ室温で10時間、攪拌反応させた。反応溶液は粘稠となった。得られたポリアミック酸の対数粘度はそれぞれ1.9、であった。
つづいて、上記反応溶液を減圧下、脱泡を行った後、その一部をポリエステルフィルム上にあけて、スピンコーターを用いて均一な膜として、100℃で30分加熱して自己保持性の厚さ12μmのフィルムフィルム(ポリアミック酸フィルム)とした後、さらに、200℃で2時間加熱してフィルム(ポリイミドフィルム)を得た。
<ポリアミック酸の構造決定;100℃30分間加熱後のフィルム>
(IRスペクトル測定)
1540cm−1、1680cm−1 アミド結合帰属ピーク
1780cm−1、1860cm−1 カルボン酸無水物帰属ピークの消失
以上の分析結果から、製造例1によるポリアミック酸フィルムは下記化学式(4)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。(以下、「ポリアミック酸フィルム1」という。)
Figure 0004504087
<ポリイミドの構造決定;200℃2時間加熱後のフィルム>
(IRスペクトル測定)
1540cm−1、1680cm−1 アミド結合帰属ピークの消失
1710cm−1、1780cm−1 イミド結合帰属ピーク
1780cm−1、1860cm−1 カルボン酸無水物帰属ピークの消失
以上の分析結果から、製造例1によるポリイミドフィルムは下記化学式(5)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。(以下、「ポリイミドフィルム1」という。)
Figure 0004504087
(製造例2〜5)
製造例1における化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物2mmolに代えて、化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下、「製造例2」という。)、化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下、「製造例3」という。)、水添テトラカルボン酸二無水物混合物A(以下、「製造例4」という。)、水添テトラカルボン酸二無水物混合物B(以下、「製造例5」という。)をそれぞれ約2mmolとした他は、製造例1に示した手法と同様にして、約12μm厚みのポリアミック酸フィルム、および、ポリイミドフィルムを製造し、IRスペクトルで構造決定を行った。各合成反応における収率はほぼ同一であり、IRスペクトルの帰属もほぼ同一であった。
製造例2によるポリアミック酸フィルム(ポリアミック酸の対数粘度は1.9であった。)は下記化学式(6)(以下、「ポリアミック酸フィルム2」という。)、ポリイミドフィルムは下記化学式(7)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された(以下、「ポリイミドフィルム2」という。)。
Figure 0004504087
Figure 0004504087
製造例3によるポリアミック酸フィルム(ポリアミック酸の対数粘度は1.9であった。)は下記化学式(8)(以下、「ポリアミック酸フィルム3」という。)、ポリイミドフィルムは下記化学式(7)(以下、「ポリイミドフィルム3」という。)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
Figure 0004504087
Figure 0004504087
製造例4によるポリアミック酸フィルム(ポリアミック酸の対数粘度は1.8であった。)は化学式(4)と化学式(6)の繰り返し単位構造を有するもの(以下、「ポリアミック酸フィルム4」という。)、ポリイミドフィルムは化学式(5)と化学式(7)の繰り返し単位構造を有するもの(以下、「ポリイミドフィルム4」という。)であることが確認された。
製造例5によるポリアミック酸フィルム(ポリアミック酸の対数粘度は1.7であった。)は化学式(6)と化学式(8)の繰り返し単位構造を有するもの(以下、「ポリアミック酸フィルム5」という。)、ポリイミドフィルムは化学式(7)と化学式(9)の繰り返し単位構造を有するもの(以下、「ポリイミドフィルム5」という。)であることが確認された。
比較フィルムの作成
下記組成物を20質量%含むモノクロルベンゼン/ベンジルアルコール/イソプロピルアルコール混合溶液を、PETフィルム上に乾燥膜厚が12μmとなるように塗布し、エアーオーブンを使用し120℃で1分、170℃で2分乾燥した接着剤比較用フィルムを作成した。(以下、「比較フィルム」という。)
ポリアミド樹脂(ユニケマ社製、「PRIADIT2053」) 50重量部
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、「エピコート828」) 30重量部
フェノール樹脂(群栄化学(株)製、「PS2780」) 20重量部。
[実施例1]
(ポリイミドフィルム/ポリイミド接着層/金属箔における接着性評価(1))
宇部興産(株)製「ユーピレックスS」(50mm×50mm×厚さ50μm)/ポリイミドフィルム1/電解銅箔(三井金属鉱業(株)製「FQ−VLP箔」(厚さ18μm))を重ね合わせロールラミネータで240℃で加熱圧着して張り合わせた。さらには得られた積層体を250℃オーブン中で15分間加熱処理を行い、フィルム積層体(50mm×50mm)を作成した。
[実施例2〜5、比較例1]
ポリイミドフィルム1をポリイミドフィルム2(実施例2)、ポリイミドフィルム3(実施例3)、ポリイミドフィルム4(実施例4)、ポリイミドフィルム5(実施例5)に代えて、同様にして、フィルム積層体を製造した。また、ポリイミドフィルム1を、全芳香族系ポリイミドフィルム:宇部興産(株)製「ユーピレックスS」(厚さ10μm)に代えて、同様にして、フィルム積層体を製造した。(比較例1)
上記各積層体のポリイミドフィルムとしての「ユーピレックスS」の端部を掴み剥離試験を行い剥離面の観察を目視および走査型電子顕微鏡(SEM)で行った。実施例1〜5のポリイミドフィルムを使用したの「ユーピレックスS」剥離面には接着層である本発明に係るポリイミドが付着し、接着層が内部で凝集破壊を生じたことを示した。なお、「ユーピレックスS」を接着層として使用した比較例1では、剥離は界面で生じ、接着層の凝集破壊は見られなかった。この結果から、本発明に係るポリイミドフィルムが、金属箔に対する接着剤に対して優れた接着性を有していることがわかる。
[実施例6]
(ポリイミドフィルム/ポリイミド接着層/金属箔における接着性評価(2))
宇部興産(株)製「ユーピレックスS」(50mm×50mm×厚さ50μm)/ポリアミック酸フィルム1/電解銅箔(三井金属鉱業(株)製「FQ−VLP箔」(厚さ18μm))を重ね合わせ、ロールラミネータで140℃で加熱圧着して張り合わせた。さらには得られた積層体をオーブン中で150℃×5分間、150℃×5分間、200℃×5分間、250℃×5分間加熱イミド化処理を行い、ポリイミドフィルム積層体(50mm×50mm)を作成した。
[実施例7〜10、比較例2]
ポリイミドフィルム1をポリイミドフィルム2((実施例7)、ポリイミドフィルム3(実施例8)、ポリイミドフィルム4(実施例9)、ポリイミドフィルム5(実施例10)に代えて、同様にして、フィルム積層体を製造した。また、ポリイミドフィルム1を、比較用に製造した前記接着層を使用して同様にして、ポリイミドフィルム積層体を作成した。(比較例2)
上記各積層体のポリイミドフィルム「ユーピレックスS」の端部を掴み剥離試験を行い剥離面の観察を目視および走査型電子顕微鏡(SEM)で行った。実施例「ユーピレックスS」の銅箔の剥離面には多くのポリイミドが付着し、ポリイミド層が内部で凝集破壊を生じたことを示した。なお、実施例1と実施例6、実施例2と実施例7、実施例3と実施例8、実施例4と実施例9、実施例5と実施例10と比較すると、それぞれ、後者の実施例において接着層の付着量が増加していた。また、実施例6〜10においては目立ったカールは見られなかったが、比較例2はカールが認められた。
実施例6〜10、比較例2を150℃のオーブンで10日間保持した後、直径10mmのステンレス製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付け、目視および光学顕微鏡による観察を行ったが、膨れ、剥離等の異状は観察されなかった。比較例2には一部膨れが認められた。
本発明によれば、ポリイミド基板と金属箔との接着性に優れた積層体を提供でき、本発明のフィルム積層体は、TAB用テープ、フレキシブル回路基板、TAB用テープ、COF用テープ、に使用できるものである。
テトラカルボン酸二無水物を生成する反応経路図 実施例に係るテトラカルボン酸二無水物を生成する反応経路図

Claims (2)

  1. ポリイミドフィルムの少なくとも一方の表面に接着層を介して金属層を積層した積層体において、
    該接着層が一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つと一般式(4)で表されるジアミン化合物とを開環重縮合して得られるポリアミック酸および当該ポリアミック酸を脱水イミド閉環して得られるポリイミドの少なくとも一種を含むことを特徴とする積層体。
    Figure 0004504087
    Figure 0004504087
    Figure 0004504087
    一般式(1)、(2)、(3)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
    Figure 0004504087
    一般式(4)において、R3は2価の有機基を表す。
  2. 請求項1に記載の一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一種と一般式(4)で表されるジアミン化合物とを開環重縮合して得られるポリアミック酸および当該ポリアミック酸を脱水イミド閉環して得られるポリイミドの少なくと一種を含むことを特徴とする接着材料。
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