JP2587810B2 - ポリイミドよりなる耐熱性接着剤 - Google Patents

ポリイミドよりなる耐熱性接着剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリイミドよりなる新規な耐熱性接着剤に
関する。
〔従来の技術〕
従来から、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの反
応により得られるポリイミドは、種々の優れた物性や良
好な耐熱性のために、今後も耐熱性が要求される分野に
広く用いられることが期待されている。
従来開発されたポリイミドには優れた特性を示すもの
が多いが、優れた耐熱性を有するけれども加工性にはと
ぼしいとか、また加工性向上を目的として開発された樹
脂は耐熱性、耐溶剤性に劣るなど性能に一長一短があっ
た。
例えば、式(III) で表わされる様な基本骨格からなるポリイミド(デュポ
ン社製;商品名 Kapton,Vespel)は明瞭なガラス転移温
度を有せず、耐熱性に優れたポリイミドであるが、成形
材料として用いる場合に加工が難しく、焼結成形などの
手法を用いて加工しなければならない。
また、式(IV) で表わされる様な基本骨格を有するポリエーテルイミド
(ゼネラル・エレクトリック社製;商品名ULTEM)は加
工性の優れた樹脂であるが、ガラス転移温度が217℃と
低く、またメチレンクロリドなどのハロゲン化炭化水素
に可溶で、耐熱性、耐溶剤性の面からは満足のゆく樹脂
ではない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、ポリイミドが本来有する優れた耐熱
性に加え、優れた加工性を有し、しかも耐熱接着性に優
れ、多目的用途に使用可能なポリイミドよりなる新規な
耐熱性接着剤を得ることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討し
た結果、耐熱接着性に優れたポリイミドよりなる新規な
耐熱性接着剤を見出した。
すなわち、本発明は 式(I) (式中、Rは からなる群からなる4価の基を表す)で表される繰り返
し単位からなり、そのポリマー分子の末端が、式(I−
1) (式中、Rは上記と同じである)および/または式(I
−2) であり、その前駆体である式(II) (式中、Rは上記と同じである)で表される繰り返し単
位からなり、そのポリマー分子の末端が、式(II−1) (式中、Rは上記と同じである)および/または式(II
−2) であるポリアミド酸の対数粘度が0.1ないし3.0dl/gであ
るポリイミドよりなる耐熱性接着剤である。
ここに対数粘度は、N,N−ジメチルアセトアミドを溶
媒として用い、ポリアミド酸0.5gを100mlの溶媒に溶解
し、35℃で測定した値である。
本発明にかかわるポリイミドは、ジアミン成分として
4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスル
フィドを用い、これと1種以上のテトラカルボン酸二無
水物とを重合させて得られるポリアミド酸を、さらに脱
水環化させて得られるポリイミドである。
このポリイミドは、4,4′−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ジフェニルスルフィドをジアミン成分として用い
ることを特長とし、特に優れた加工性および耐熱接着性
を有するポリイミドである。ちなみに4,4′−ビス(3
−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィドにかえてそ
のアミノ基の置換位置異性体である4,4′−ビス(4−
アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィドを用い、テト
ラカルボン酸二無水物、たとえばピロメリット酸二無水
物や3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物とから得られるポリイミドは明瞭なガラス転移温
度を持たず、接着力がほとんどないか、またはとぼし
く、加工性にも劣る。
本発明にかかわるポリイミドは、従来のポリイミドと
同様な耐熱性を有していながら、熱可塑性であるため加
工性および耐熱接着性に優れており、本発明のポリイミ
ドの中のあるものは、高耐熱性の溶融成形可能なポリイ
ミドである。さらにまたある種のテトラカルボン酸二無
水物から得られるポリイミドフィルムはほとんど無色で
あるという優れた特長も持っている。
従って、このポリイミドは、宇宙・航空機用基材、電
気電子部品用基材として、さらには耐熱性接着剤として
極めて有用なポリイミドである。
本発明にかかわるポリイミドは次のごとき方法で得ら
れる。
すなわち、まず4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ジフェニルスルフィドとテトラカルボン酸二無水物
とを有機溶媒中で重合させてポリアミド酸を得る。
この方法で使用されるテトラカルボン酸二無水物は、
式(V) (式中、Rは式(I)の場合と同じである。)で表わさ
れるテトラカルボン酸二無水物である。即ち、使用され
るテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エチレ
ンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンカルボン
酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,1−ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2
−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水
物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エー
テル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ス
ルホン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,
4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7
−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−
フェナントレンテトラカルボン酸二無水物があげられ
る。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独あるい
は2種以上混合して用いられる。
上記したポリアミド酸の生成反応は、通常、有機溶媒
中で実施する。この反応に用いる有機溶媒としては、例
えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカ
プロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メ
トキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエ
トキシ)エタン、ビス{2−(2−メトキシエトキシ)
エチル}エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキ
サン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルホスホルアミドなどが挙げられる。ま
た、これらの有機溶剤は単独でも或いは2種以上混合し
て用いても差し支えない。
反応温度は、通常、60℃以下、好ましくは50℃以下で
ある。
反応圧力は、特に限定されず、常圧で十分実施でき
る。
反応時間は、使用するテトラカルボン酸二無水物、溶
剤の種類および反応温度により異なり、通常、下記式
(II)で表わされるポリアミド酸の生成が完了するに十
分な時間反応させる。通常4〜24時間で十分である。
このような反応により、下記式(II)の繰り返し単位
からなるポリアミド酸が得られる。
(式中、Rは前記と同じである)。
本発明においては、ポリイミドの前駆体であるポリア
ミド酸の対数粘度は、0.1ないし3.0dl/gであることが必
要で、好ましくは0.3ないし2.5dl/gである。
さらに得られたポリアミド酸を100〜400℃に加熱脱水
するか、または通常用いられるイミド化剤を用いて化学
イミド化することにより下記式(I)の繰り返し単位か
らなる対応するポリイミドが得られる。
(式中、Rは前記と同じである)。
本発明のポリイミドは次の如き方法で接着剤として使
用される。
すなわち、前記ポリアミド酸を加熱脱水、あるいは化
学的に脱水して例えばフィルム状、または粉状のポリイ
ミドとなし、このフィルムまたは粉末を被接着物の間に
挿入し、1〜1,000kg/cm2の圧力、50〜400℃の温度で圧
着し、100〜400℃の温度でキュアさせると、接着物質を
強固に接着することができる。
この際ポリイミド中にアミド酸部分が一部含有されて
いても何ら差し支えはない。
また別の方法として前記ポリアミド酸を有機溶媒に溶
解した溶液、あるいは有機溶媒中でポリアミド酸を生成
させた反応液そのまゝ用い、貼合わすべき被接着物に薄
い層として披着させ、ついで空気中で所要時間、220℃
程度に予熱して過剰の溶剤を除去し、被接着物の表面で
ポリアミド酸をポリイミドに転化し、これに別の被着物
を重ね、次いで1〜1,000kg/cm2の圧力、50〜400℃の温
度で圧着し、100〜400℃の温度でキュアさせるのも好適
な方法で、被接着物を強固に接着することができる。
〔実 施 例〕
本発明を実施例、比較例および合成例により具体的に
説明する。
合成例 3ガラス製反応容器に4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド218g(1モル)、m−ジニトロベンゼン
403g(2.4モル)、炭酸カリウム331g(2.4モル)および
N,N−ジメチルホルムアミド2.5を装入し、145〜150℃
で20時間反応させた。反応終了後、冷却、ろ過し、ろ液
より溶媒を減圧留去した。65℃に冷却した後、メタノー
ル800mlを装入して1時間かきまぜた。得られた結晶を
ろ別し、メタノールで洗浄した後、乾燥して4,4′−ビ
ス(3−ニトロフェノキシ)ジフェニルスルフィドの結
晶429g(収率92.3%)を得た。ついで、この粗製品428g
(0.93モル)を3ガラス製反応容器に入れ、活性炭2
2.6g、三塩化鉄六水和物0.9gおよびメチルセロソルブ1.
5を装入して、還流下で30分間かきまぜた。ついで110
〜115℃でヒドラジン水和物155.2g(3.1モル)を2時間
かけて滴下した後、さらに還流下に3.5時間かきまぜ
た。冷却後、触媒をろ別し、溶液を減圧濃縮し、次いで
35%塩酸205mlと水1120mlおよびイソプロピルアルコー
ル480mlを加え、加熱溶解した後、活性炭20gを装入し、
熱ろ過した。次いで食塩112gを加えて冷却し、析出した
塩酸塩の結晶をろ別した。得られた結晶を常法によりア
ンモニア水で中和し、目的とする4,4′−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ジフェニルスルフィドを得た。収量26
5g(収率66%)。
実施例−1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた容
器に、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニ
ルスルフィド40g(0.1モル)と、N,N−ジメチルアセト
アミド184.5gを装入し、室温で窒素雰囲気下に、ピロメ
リット酸二無水物21.5g(0.0986モル)を溶液温度の上
昇に注意しながら分割して加え室温で約22時間かきまぜ
た。かくして得られたポリアミド酸の対数粘度は1.4dl/
gであった。
このポリアミド酸の溶液をトリクロロエチレン洗浄し
た冷間圧延鋼板(JIS G3141,SPCC/SD,25×100×1.6mm。
以下同様。)に塗布し、100℃で1時間、220℃で1時間
乾燥加熱した後、他の冷間圧延鋼板を重ねて320℃、20k
g/cm2で5分間加圧して圧着した。塗布した接着剤の厚
みは35ミクロンであった。
このものの引張せん断接着強さは室温で370kg/cm2
あり、これをさらに240℃の高温下で測定したところ230
kg/cm2であった(測定方法はJIS−K6848および6850に拠
る。以下同様。)。
また上記ポリアミド酸溶液の一部を取り、ガラス板上
にキャストした後、100℃、200℃、300℃で各々1時間
加熱して淡黄色透明、フィルム厚35μのポリイミドフィ
ルムを得た。このポリイミドフィルムの引張強さは13.5
kg/mm2、引張り伸び率は42%であった。(測定方法は、
ともにASTM D−882に拠る。以下同様。)またこのポリ
イミドフィルムのガラス転移温度は225℃(TMA針入法で
測定。以下同様。)、空気中での5%重量減少温度は54
2℃(DTA−TGで測定。以下同様。)であった。さらにこ
のポリイミドフィルムを130℃に予備加熱した冷間圧延
鋼板間に装入し、320℃、20kg/cm2で5分間加圧圧着さ
せた。このものの室温での引張せん断接着強さは350kg/
cm2であり、これをさらに240℃の高温下で測定したとこ
ろ212kg/cm2であった。
また上記ポリアミド酸溶液を電解銅箔上にキャストし
た後、100℃、200℃、300℃で各々1時間加熱してフレ
キシブル銅張回路基板を得た。コーティング膜の膜厚は
約35μであった。この銅張回路基板の銅箔引き剥し強さ
は90゜ピール強度試験で2.6kg/cmであった。また300℃
で180秒はんだ浴に浸漬しても膨れなどは全く生じなか
った。
比較例−1 実施例−1において4,4′−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ジフェニルスルフィドのかわりに4,4′−ビス
(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィドを用い
た以外は実施例−1と同様に重合を行なった。かくして
得られたポリアミド酸の対数粘度は1.6dl/gであった。
このポリアミド酸溶液を実施例−1と同様に冷間圧延
鋼板に塗布し、100℃、220℃で各1時間乾燥した後、冷
間圧延鋼板を重ねて320℃、20kg/cm2で5分間加圧して
圧着した。塗布した接着剤の厚みは35μであった。この
ものの引張せん断接着強さは室温で20kg/cm2であり、こ
れをさらに240℃の高温下で測定したところ15kg/cm2
劣ったものであった。
またこのポリアミド酸溶液の一部を取り、ガラス板上
にキャストした後、100℃、200℃、300℃で各々1時間
加熱してポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフ
ィルムの引張強度は10.2kg/mm2、引張り伸び率は10%で
あった。またこのポリイミドフィルムはTMA針入法でガ
ラス転移温度を測定したところ明瞭なガラス転移温度を
示さなかった。また空気中での5%重量減少温度は521
℃であった。またこのポリイミドフィルムを用いて実施
例−1と同様な方法で冷間圧延鋼板を圧着し、室温で引
張せん断接着強さを測定したところ20kg/cm2と劣ったも
のであった。
実施例−2 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた容
器に、実施例−1で得られたポリアミド酸溶液150gとN,
N−ジメチルアセトアミド225gを装入し、かきまぜなが
ら窒素雰囲気下に、室温で24.8g(0.24モル)の無水酢
酸および9.05g(0.09モル)のトリエチルアミンを滴下
し3時間かきまぜた。この溶液を水400gに排出し、析出
物をろ別し、メタノールで洗浄し、150℃で8時間減圧
乾燥して、34gの淡黄色のポリイミド粉末を得た(収率9
6.3%)。このポリイミド粉末の対数粘度は0.72dl/gで
あった。またこの粉末のDSC測定によるガラス転移温度
は215℃、5%熱分解温度は540℃であった。
こゝに得られたポリイミド粉の赤外吸収スペクトル図
を第1図に示す。
このスペクトル図は、イミドの特性吸収帯である1780
cm-1付近と1720cm-1付近、およびエーテル結合の特性吸
収帯である1240cm-1付近の吸収が顕著に認められた。
また本実施例で得られた粉末を用いフローテスター
(島津製作所製、CFT−500)で溶融粘度の測定を行っ
た。オリフィスは直径0.1cm、長さ1cmである。温度を変
化させて得られたせん断応力と溶融粘度の関係を第2図
に示す。得られたストランドは淡黄色透明で非常に可撓
性に富むものであった。
またこのポリイミド粉末を130℃に予備加熱した冷間
圧延鋼板間に挿入し、320℃、20kg/cm2で5分間加圧圧
着させた。このものの室温での引張せん断接着強さは36
0kg/cm2であり、これらをさらに240℃の高温室で測定し
たところ210kg/cm2であった。
実施例−3 実施例−1と同様な反応装置に4,4′−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド40g(0.1モル)
と、N,N−ジメチルアセトアミド214.8gを装入し、室温
で窒素雰囲気下に、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物31.6g(0.098モル)を乾燥固体の
まゝ、溶液温度の上昇に注意しながら小量づつ加え、室
温で23時間かきまぜた。かくして得られたポリアミド酸
の対数粘度は1.2dl/gであった。
このポリアミド酸溶液を実施例−1と同様の操作で冷
間圧延鋼板に塗布、乾燥し、重ね合せ320℃、20kg/cm2
の圧力で5分間加圧して圧着させた。接着層の厚みは35
μであった。このものの引張せん断接着強さは室温で34
0kg/cm2であり、240℃の高温室では210kg/cm2であっ
た、また上記ポリアミド酸溶液の一部を取り、ガラス板
上にキャストした後、100℃、200℃、300℃で各々1時
間加熱して淡黄色透明、35μの厚さがポリイミドフィル
ムを得た。このポリイミドフィルムの引張強度は14.0kg
/mm2、引張り伸び率は10%であった。またこのポリイミ
ドフィルムのガラス転移温度は210℃、空気中での5%
重量減少温度は530℃であった。さらにこのポリイミド
フィルムを130℃に予備加熱した冷間圧延鋼板間に挿入
し、320℃、20kg/cm2で5分間加圧圧着させた。このも
のの室温での引張せん断接着強さは340kg/cm2であり、
これをさらに240℃の高温下で測定したところ205kg/cm2
であった。
比較例−2 実施例−3における4,4′−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ジフェニルスルフィドのかわりに4,4′−ビス
(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィドを用い
た以外は実施例−3と同様に重合を行なった。かくして
得られたポリアミド酸の対数粘度は0.84dl/gであった。
このポリアミド酸溶液を実施例−1と同様の操作で冷
間圧延鋼板に塗布、乾燥し、重ね合せ320℃、20kg/cm2
で5分間加圧圧着した。このものの引張せん断接着強さ
は室温で160kg/cm2であり、これをさらに240℃の高温下
で測定したところ100kg/cm2であった。
また上記ポリアミド酸溶液の一部を取り、ガラス板上
にキャストした後、100℃、200℃、300℃で各々1時間
加熱して淡黄色透明な35μの厚さのポリイミドフィルム
を得た。このポリイミドフィルムは明瞭なガラス転移温
度を示さず、また空気中での5%重量減少温度は530℃
であった。またこのポリイミドフィルムの引張強度は1
3.0kg/mm2、引張り伸び率は10%であった。さらにこの
ポリイミドフィルムを用いて実施例−1と同様な方法で
冷間圧延鋼板を圧着し、室温で引張せん断接着強さを測
定したところ150kg/cm2であり、これをさらに240℃の高
温下で測定したところ100kg/cm2と劣ったものであっ
た。
実施例−4 実施例−1と同様な反応装置に4,4′−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド40g(0.1モル)
と、N,N−ジメチルアセトアミド184.5g装入し、室温で
窒素雰囲気下に、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物36.3g(0.0986モル)を溶液温
度の上昇に注意しながら分割して加え、室温で約22時間
かきまぜた。かくして得られたポリアミド酸の対数粘度
は1.1dl/gであった。
このポリアミド酸溶液の一部を取り、ガラス板上にキ
ャストした後、100℃、200℃、300℃で各々1時間加熱
して厚み約50μの無色透明のポリイミドフィルムを得
た。このポリイミドフィルムの光線透過率は88%、ヘイ
ズは0.69%であった。(測定方法は共にASTM D−1003に
拠る。)またこのポリイミドフィルムのガラス転移温度
は174℃、空気中での5%重量減少温度は521℃であっ
た。
さらにこのポリイミドフィルムを130℃に予備加熱し
た冷間圧延鋼板間に挿入し、250℃、20kg/cm2で5分間
加圧圧着させたものの室温での引張せん断接着強さは32
0kg/cm2であった。
〔発明の効果〕
本発明は、ポリイミドが本来有する優れた耐熱性に加
え、優れた加工性および耐熱接着性を有し、透明性が良
好で、多目的用途に使用可能なポリイミドよりなる新ら
しい耐熱性接着剤を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例−2で得られたポリイミド粉末の赤外
吸収スペクトル図であり、第2図は、実施例−2で得ら
れたポリイミドのせん断応力と溶融粘度の関係を示す図
である。
フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 鎌倉市材木座1−13―24 (56)参考文献 特開 昭55−163513(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) (式中、Rは からなる群から選ばれる4価の基を表す)で表される繰
    り返し単位からなり、そのポリマー分子の末端が、式
    (I−1) (式中、Rは上記と同じである)および/または式(I
    −2) であり、その前駆体である式(II) (式中、Rは上記と同じである)で表される繰り返し単
    位からなり、そのポリマー分子の末端が、式(II−1) (式中、Rは上記と同じである)および/または式(II
    −2) であるポリアミド酸の対数粘度(N,N−ジメチルアセト
    アミド溶媒、濃度0.5g/100ml溶媒,35℃で測定)が0.1な
    いし3.0dl/gであるポリイミドよりなる耐熱性接着剤。
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