JPH069936A - 耐熱性接着剤 - Google Patents

耐熱性接着剤

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JPH069936A
JPH069936A JP10436993A JP10436993A JPH069936A JP H069936 A JPH069936 A JP H069936A JP 10436993 A JP10436993 A JP 10436993A JP 10436993 A JP10436993 A JP 10436993A JP H069936 A JPH069936 A JP H069936A
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JP
Japan
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group
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bis
dianhydride
aminophenoxy
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JP10436993A
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English (en)
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Masahiro Ota
田 正 博 太
Saburo Kawashima
島 三 郎 川
Yoshio Sonobe
部 善 穂 園
Masaji Tamai
井 正 司 玉
Teruhiro Yamaguchi
口 彰 宏 山
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、高温で使用しても、使用
中、使用後において接着力の低下しない耐熱性と、より
強力な接着力を有する新規な耐熱性接着剤を提供するこ
とにある。 【構成】 式(I) 【化1】 (式中Yは直結、炭素数1乃至10の2価の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基、スルフィニル基、スルホニル基又はオキシドか
ら成る群より選ばれた基を表わし、 Zは 【化2】 又は 【化3】 を表わし、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
香族基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)で
表わされる2種以上の繰り返し単位を有する重合体およ
びそれよりなる耐熱性接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性接着剤に関する
ものであり、特に強力な接着力と耐熱性に極めて優れた
接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の有機合成高分子からなる接
着剤が知られており、これ等のうちで耐熱性の優れたも
のとしては、ポリベンズイミダゾール系、ポリイミド系
等の接着剤が開発されている。特に耐熱性フィルムであ
るポリイミド系フィルム用の接着剤としては、前記の接
着剤以外にもフッ素系樹脂、ポリアミドイミド、シリコ
ーン、エポキシノボラック、エポキシアクリル、ニトリ
ルゴムフェノールまたはポリエステル系等の接着剤が開
発されているが、これらも耐熱性の面で満足のいくもの
は接着力が劣り、逆に接着力の優れているものは耐熱性
が劣るなど充分に満足できるものではない。耐熱性の接
着剤として、耐熱性および接着力ともに優れているもの
は、D.J.Progarらによって開発されたポリイミド接着剤
(米国特許第 4,065,345号)が知られているにすぎな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、高
温で使用しても、使用中、使用後において接着力の低下
しない耐熱性と、より強力な接着力を有する新規な耐熱
性接着剤を得ることにある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは前記目的
を達成するために鋭意研究を行い、本発明を完成するに
至ったものである。すなわち、本発明の耐熱性接着剤
は、式(I)
【化4】 (式中Yは直結、炭素数1乃至10の2価の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基、スルフィニル基、スルホニル基又はオキシドか
ら成る群より選ばれた基を表わし、Zは
【化5】 又は
【化6】 を表わし、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
香族基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)で
表わされる繰り返し単位を有する重合体よりなる耐熱性
接着剤である。
【0005】本発明の耐熱性接着剤は、前記式(I)で
表わされる繰り返し単位を有する重合体、すなわち前記
式(I)で表わされる繰り返し単位のポリアミド酸およ
び/又はポリイミドである。
【0006】このような本発明の耐熱性接着剤である重
合体はジアミン成分として式(II)
【化7】 (式中Yは直結、炭素数1乃至10の2価の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基、スルフィニル基、スルホニル基又はオキシドか
ら成る群より選ばれた基を表わす。)で表わされるエー
テルジアミンを使用したものであり、これと一種以上の
テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリ
アミド酸および/またはこれを更に脱水環化して得られ
るポリイミドである。
【0007】この方法で使用されるジアミンとしては、
ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,
1-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、
1,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エタ
ン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ブタン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェ
ニル〕-1,1,1,3,3,3- ヘキサフルオロプロパン、4,4'−
ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4-(3-
アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(3-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3-
アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4-
(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-
(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル等があげら
れ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いられ
る。
【0008】このようなエーテル結合と芳香族アミノ基
を同一分子中に有するエーテルジアミン類を使用するポ
リイミドを接着剤として使用することは全く知られてい
ない。これらの重合体は通常、エーテルジアミンをテト
ラカルボン酸二無水物と有機極性溶媒中で反応させて製
造することができる。
【0009】この方法で使用されるテトラカルボン酸二
無水物は、式(III)
【化8】 (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族
基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)で表わ
されるテトラカルボン酸二無水物である。
【0010】即ち、使用されるテトラカルボン酸二無水
物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水
物、シクロペンタンカルボン酸二無水物、ピロメリット
酸二無水物、3,3',4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2',3,3' −ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3',4,4' −ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2',3,3' −ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、 2,2−ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)
プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)スルホン二無水物、 1,1−ビス(2,3-ジカルボキシ
フェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフ
ェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェ
ニル)メタン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,
9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ア
ントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナ
ントレンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。こ
れら、テトラカルボン酸二無水物は単独あるいは2種以
上混合して用いられる。
【0011】重合体の生成反応は通常、有機極性溶媒中
で実施する。この反応に用いる有機極性溶媒としては、
例えば、N-メチル−2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセト
アミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル−2-
イミダゾリジノン、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジ
メチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルア
ミド、テトラメチル尿素、N-メチルカプロラクタム、ブ
チロラクタム、テトラヒドロフラン、m−ジオキサン、
p−ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-メト
キシエチル)エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエトキ
シ)エタン、ビス〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル〕
エーテル等があげられる。
【0012】反応温度は通常60℃以下、好ましくは50℃
以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実
施できる。反応時間は、使用するテトラカルボン酸二無
水物、エーテルジアミン、溶剤の種類および反応温度に
より異なり、通常、前記式(I)で表わされるポリアミ
ド酸の生成が完了するに十分な時間反応させる。通常4
〜24時間で充分である。このような反応により、下記式
(IV)の繰り返し単位を有するポリアミド酸が得られ
る。
【化9】 (式中Yは直結、炭素数1乃至10の2価の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基、スルフィニル基、スルホニル基又はオキシドか
ら成る群より選ばれた基を表わし、Zは
【化10】 を表わし、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
香族基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)
【0013】さらに得られたポリアミド酸を 100〜300
℃に加熱脱水することにより、下記式(V)の繰り返し
単位を有する対応するポリイミドが得られる。
【化11】 (式中Yは上記と同様であり、Zは
【化12】 を表わし、Rは上記と同様である。)
【0014】かくして得られた重合体を接着剤として使
用するに際しては、(1) 主として上記式(IV)で表わさ
れるポリアミド酸を含有する接着剤溶液として使用する
場合と、(2) 主として上記式(V)で表わされるポリイ
ミドを使用する場合とに大別される。(1) の場合、主と
して上記(IV)式で表わされるポリアミド酸を含有する
接着剤溶液とは、ポリアミド酸を有機極性溶媒に溶解し
た溶液であり、有機極性溶媒中でエーテルジアミンとテ
トラカルボン酸二無水物とを反応させて得られたポリア
ミド酸を含有する反応生成液であってもよい。またポリ
アミド酸を主成分とし、これにポリアミド酸の環化物で
あるポリイミドを含有するものであってもよい。したが
って、ポリアミド酸を含有する接着剤溶液とは、ポリイ
ミドを一部含有する溶液または懸濁液であってもよい。
【0015】このようなポリアミド酸を含有する接着剤
を使用する場合は、貼合わすべき被接着物にポリアミド
酸接着剤の薄い層を被着し、ついで被着した被接着物を
空気中で所要時間、220 ℃程度に予熱して過剰の溶剤を
除去し、ポリアミド酸接着剤を、より安定なポリイミド
に転化し、次いで 1〜1000kg/cm2 の圧力、50〜400℃
の温度で圧着し、 100〜400 ℃の温度でキュアさせる
と、被接着物を強固に接着することができる。(2) の場
合、上記式(V)で表わされるポリイミドとは上記式
(IV)のポリアミド酸を加熱脱水して例えばフィルム状
にしたもの、または粉状にした実質的にポリイミドその
ものである。また、上記式(IV)のポリアミド酸を一部
含有しても差し支えない。
【0016】このような実質的にポリイミドを使用する
場合は、フィルムまたは粉末を被接着物の間に挿入し、
1〜1000kg/cm2 の圧力、50〜400 ℃の温度で圧着し、
100〜400 ℃の温度でキュアさせると、接着物質を強固
に接着することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例−1 攪拌器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に、
2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン 41.0g( 0.1モル)と、N,N-ジメチルアセトアミド18
8.4gを装填し、0℃付近まで冷却し、窒素雰囲気下にお
いてピロメリット酸二無水物17.44g(0.08モル)を溶液
温度の上昇に注意しながら、4分割して加え、0℃付近
で約2時間攪拌した。次に上記溶液を室温にもどし、窒
素雰囲気下においてピロメリット酸二無水物4.36g(0.
02モル)を添加し、引き続き窒素雰囲気下に約20時間攪
拌を行なった。こうして得られたポリアミド酸の35℃、
N,N-ジメチルアセトアミド溶剤中 0.5%濃度での固有粘
度は1.5 dl/g であった。上記ポリアミド酸溶液をガラ
ス板上にキャストした後、100 ℃、200 ℃及び300℃で
各々1時間加熱して、ポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムを 130℃に予備加熱した冷間圧延鋼
板( JIS G3141, SPCC/SD, 25×100 ×1.6mm)間に挿
入し、340 ℃で20kg/cm2 に5分間加圧して圧着させ
た。このものの室温での引張せん断接着強さは 300kg/
cm2 であり、これをさらに240℃の高温下で測定したと
ころ180 kg/cm2 であった。(測定方法はJIS-K6848 及
び6850に拠る。以下同様。)
【0018】比較例−1 実施例−1における2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパンを、2,2-ビス〔4-(4-アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパンに代えた他は全て実施例
−1と同様の操作により、35℃、N,N-ジメチルアセトア
ミド溶剤中 0.5%濃度での固有粘度1.70dl/g のポリア
ミド酸を得た。このポリアミド酸溶液をガラス板上にキ
ャストした後、100 ℃、200 ℃及び300 ℃で各々1時間
加熱してポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフ
ィルムを用いて実施例−1と同様な条件で冷間圧延鋼板
を圧着した。このものの室温での引張せん断接着強さは
84kg/cm2 であった。これをさらに 240℃の高温下で測
定したところ67kg/cm2 であった。
【0019】実施例−2 攪拌器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に、
ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン 39.
6g( 0.1モル)と、N,N-ジメチルアセトアミド215.4gを
装入し、室温で、窒素雰囲気下において3,3',4,4' −ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32.2g( 0.1モ
ル)を乾燥固体のまま、溶液温度の上昇に注意しながら
少量づつ加え、室温で約23時間攪拌した。こうして得ら
れたポリアミド酸の35℃、N,N-ジメチルアセトアミド溶
剤中 0.5%濃度での固有粘度は0.87dl/g であった。上
記ポリアミド酸接着剤溶液をトリクロロエチレン洗浄し
た冷間圧延鋼板(実施例−1と同様。以下同様。)に塗
布し、100 ℃で1時間、220 ℃で1時間加熱乾燥した
後、冷間圧延鋼板を重ねて340 ℃、20kg/cm2 で5分間
加圧して圧着した。塗布した接着剤の厚みは35ミクロン
であった。このものの引張せん断接着強さは室温で270
kg/cm2 であった。これをさらに240℃の高温下で測定
したところ 167kg/cm2 であった。
【0020】実施例−3 攪拌器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に、
ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン 39.
6g( 0.1モル)を、N,N-ジメチルアセトアミド182.9gに
窒素雰囲気下に溶解した。これを0℃付近まで冷却し、
攪拌しながら、窒素雰囲気下でピロメリット酸二無水物
17.44g(0.08モル)を乾燥固体のまま溶液温度に注意し
ながら5回に分けて加え、1時間攪拌した。次に上記溶
液を室温にもどし、窒素雰囲気下、ピロメリット酸二無
水物 3.92g( 0.018モル)を添加し、引き続き窒素雰囲
気下約20時間攪拌した。こうして得られたポリアミド酸
の35℃、N,N-ジメチルアセトアミド溶剤中 0.5%濃度で
の固有粘度は0.85dl/g であった。上記ポリアミド酸溶
液をガラス板上にキャストした後、100 ℃、200 ℃及び
300 ℃で各々1時間加熱してポリイミドフィルムを得
た。このポリイミドフィルムを 130℃に予備加熱した2
枚の冷間圧延鋼板間に挿入し、340 ℃で20kg/cm2 に5
分間加圧して圧着させた。このものの室温での引張せん
断接着強さは 240kg/cm2 であった。これをさらに 240
℃の高温下で測定したところ163 kg/cm2 であった。
【0021】実施例−4 攪拌器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に、
ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン 39.
6g( 0.1モル)と、N,N-ジメチルアセトアミド184.2gを
窒素雰囲気下で装入し、0℃付近まで冷却し攪拌しなが
ら、窒素雰囲気下でピロメリット酸二無水物17.44g(0.
08モル)を乾燥固体のまま溶液温度に注意しながら5回
に分けて加え1時間攪拌した。次に上記溶液を室温にも
どし、窒素雰囲気下においてピロメリット酸二無水物
4.36g(0.02モル)を添加し、引き続き窒素雰囲気下に
約20時間攪拌を行なった。こうして得られたポリアミド
酸の35℃、N,N-ジメチルアセトアミド溶剤中 0.5%濃度
での固有粘度は2.8 dl/g であった。上記ポリアミド酸
溶液をガラス板上にキャストした後、100 ℃、200 ℃及
び300 ℃で各々1時間加熱して、ポリイミドフィルムを
得た。このポリイミドフィルムを 130℃に予備加熱した
冷間圧延鋼板間に挿入し、340 ℃で20kg/cm2に5分間
加圧して圧着させた。このものの引張せん断接着強さは
室温で 280kg/cm2 であった。これをさらに240℃の高
温下で測定したところ 192kg/cm2 であった。
【0022】比較例−2 実施例−4におけるビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フ
ェニル〕ケトンをビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェ
ニル〕ケトンに代えた他は全て実施例−4と同様の操作
により、35℃、N,N-ジメチルアセトアミド溶剤中 0.5%
濃度での固有粘度2.8 dl/g のポリアミド酸を得た。こ
のポリアミド酸から実施例−4と同様の操作によりポリ
イミドフィルムを得た。このフィルムを用いて実施例−
4と同様な条件で冷間圧延鋼板を圧着したところ、室温
で60kg/cm2 の引張せん断接着強さであった。これをさ
らに 240℃の高温下で測定したところ48kg/cm2 であっ
た。
【0023】実施例−5,6、比較例−3,4 実施例−1における2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパンに代えて各種ジアミンを用い、
ジアミン、N,N-ジメチルアセトアミド及びピロメリット
酸二無水物の量は変えて反応を行った他は全て実施例−
1と同様に行って表1に示す結果を得た。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明は耐熱性を低下させることなく、
強力な接着力を示し、とくに高温時においても高い接着
力を維持できる接着剤を提供するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 耐熱性接着剤
【特許請求の範囲】
【化1】 で表わされる繰り返し単位および式 (2)
【化2】 で表わされる繰り返し単位を有することを特徴とする重
合体。 但し、式 (1) および式 (2) 中、Z1 およびZ
2
【化3】 (ここで、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
香族基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)を
表し、互いに同一でも異なっていてもよい、また、式
(2) 中、Yは炭素数1乃至10の2価の炭化水素基、六
フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チ
オ基、スルフィニル基、スルホニル基又はオキシドから
成る群より選ばれた基を表わす。
【化4】 で表わされる繰り返し単位および式 (3)
【化5】 で表わされる繰り返し単位を有することを特徴とする重
合体。但し、式 (1) および式 (3) 中、Z1 およびZ
3
【化6】 (ここで、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
香族基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)を
表し、互いに異なる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合体およびそれらを
含む耐熱性接着剤に関するものであり、特に強力な接着
力と耐熱性に極めて優れた接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の有機合成高分子からなる接
着剤が知られており、これ等のうちで耐熱性の優れたも
のとしては、ポリベンズイミダゾール系、ポリイミド系
等の接着剤が開発されている。特に耐熱性フィルムであ
るポリイミド系フィルム用の接着剤としては、前記の接
着剤以外にもフッ素系樹脂、ポリアミドイミド、シリコ
ーン、エポキシノボラック、エポキシアクリル、ニトリ
ルゴム、フェノールまたはポリエステル系等の接着剤が
開発されているが、これらも耐熱性の面で満足のいくも
のは接着力が劣り、逆に接着力の優れているものは耐熱
性が劣るなど充分に満足できるものではない。耐熱性の
接着剤として、耐熱性および接着力ともに優れているも
のは、D.J.Progarらによって開発されたポリイミド接着
剤(米国特許第 4,065,345号)が知られているにすぎな
い。
【0003】また、特公昭52−30319号公報に
は、ポリイミドのモノマーとして、少なくとも一種のジ
アミン化合物と、場合によっては2種以上混合してもよ
いテトラカルボン酸またはその誘導体が開示されてい
る。すなわち、2種以上の繰り返し単位を有するポリイ
ミドをも開示しているとみなされる。しかしながら、ジ
アミン化合物として、4,4'- ビス(3- アミノフェノキ
シ) ビフェニルは開示されておらず、したがって、この
芳香族ジアミンをモノマーとするポリイミドまたはポリ
イミド共重合体は開示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、高
温で使用しても、使用中、使用後において接着力の低下
しない耐熱性と、より強力な接着力を有する新規な重合
体およびそれらを含む耐熱性接着剤を提供することであ
る。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、前記目
的を達成するために鋭意研究を行い、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明の重合体は、 式(1)
【化7】 で表わされる繰り返し単位および式 (2)
【化8】 で表わされる繰り返し単位を有することを特徴とする重
合体、〔但し、式 (1) および式 (2) 中、Z1 および
2
【化9】 (ここで、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
香族基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)を
表し、互いに同一でも異なっていてもよい、また、式
(2) 中、Yは、炭素数1乃至10の2価の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基、スルフィニル基、スルホニル基又はオキシドか
ら成る群より選ばれた基を表わす。〕、
【0006】および式 (1)
【化10】 で表わされる繰り返し単位および式 (3)
【化11】 で表わされる繰り返し単位を有することを特徴とする重
合体、〔但し、式 (1) および式 (3) 中、Z1 および
3
【化12】 (ここで、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
香族基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)を
表し、互いに異なる〕、ならびにこれらの重合体を含む
耐熱性接着剤である。
【0007】このような本発明の重合体は、ジアミン成
分として式(4)
【化13】 で表される4,4'−ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニ
ルと2種以上のテトラカルボン酸二無水物、または前記
式 (4) の4,4'−ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニ
ルと式 (5)
【化14】 (式中Yは、炭素数1乃至10の2価の炭化水素基、六フ
ッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ
基、スルフィニル基、スルホニル基又はオキシドから成
る群より選ばれた基を表わす。)で表わされるエーテル
ジアミンを併用し、一種以上のテトラカルボン酸二無水
物とを、有機極性溶媒中で反応させて得られるポリアミ
ド酸および/またはこれを更に脱水環化して得られるポ
リイミドである。
【0008】この方法で使用される式 (5) で表される
ジアミンとしては、具体的には、ビス〔4-(3-アミノフ
ェノキシ)フェニル〕メタン、1,1-ビス〔4-(3-アミノ
フェノキシ)フェニル〕エタン、1,2-ビス〔4-(3-アミ
ノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2-ビス〔4-(3-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-
(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2-ビス
〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-
ヘキサフルオロプロパン、ビス〔4-(3-アミノフェノキ
シ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(3-アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3-アミノフェノ
キシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4-(3-アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフ
ェノキシ)フェニル〕エーテル等があげられ、これらの
中から1種以上を式(4)のジアミンと混合して用いら
れる。 このようなエーテル結合と芳香族アミノ基を同
一分子中に有するエーテルジアミン類を使用するポリイ
ミドを接着剤として使用することは全く知られていな
い。
【0009】この方法で使用されるテトラカルボン酸二
無水物は、式(6)
【化15】 (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族
基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)で表わ
されるテトラカルボン酸二無水物である。
【0010】即ち、使用されるテトラカルボン酸二無水
物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水
物、シクロペンタンカルボン酸二無水物、ピロメリット
酸二無水物、3,3',4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2',3,3' −ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3',4,4' −ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2',3,3' −ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、 2,2−ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)
プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)スルホン二無水物、 1,1−ビス(2,3-ジカルボキシ
フェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフ
ェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェ
ニル)メタン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,
9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ア
ントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナ
ントレンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。こ
れらのテトラカルボン酸二無水物は単独あるいは2種以
上混合して用いられる。
【0011】本発明のポリイミドは、とくに使用される
芳香族ジアミン化合物およびテトラカルボン酸二無水物
がつぎの組み合わせで反応させて得られるものである。
すなわち、芳香族ジアミンとして、式 (4) で表される
4,4'−ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニルと式
(5)で表される少なくとも一種のジアミンとを混合し
た、2種以上のジアミン化合物と式 (6) で表される一
種以上のテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得ら
れる重合体、および芳香族ジアミンとして、式 (4) で
表される4,4'−ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル
の一種の芳香族ジアミン化合物と式 (5) で表される2
種以上のテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られ
る重合体である。
【0012】重合体の生成反応は通常、有機極性溶媒中
で実施する。この反応に用いる有機極性溶媒としては、
例えば、N-メチル−2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセト
アミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル−2-
イミダゾリジノン、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジ
メチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルア
ミド、テトラメチル尿素、N-メチルカプロラクタム、ブ
チロラクタム、テトラヒドロフラン、m−ジオキサン、
p−ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-メト
キシエチル)エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエトキ
シ)エタン、ビス〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル〕
エーテル等があげられる。
【0013】反応温度は通常60℃以下、好ましくは50℃
以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実
施できる。反応時間は、使用するテトラカルボン酸二無
水物、エーテルジアミン、溶剤の種類および反応温度に
より異なり、通常、ポリアミド酸の生成が完了するに十
分な時間反応させる。通常4〜24時間で充分である。
【0014】このような反応により、下記式(7)
【化16】 で表される繰り返し単位と下記式 (8)
【化17】 で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸、〔式
(7) および式 (8) 中、Z1 およびZ2
【化18】 (ここで、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
香族基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)を
表し、互いに同一でも異なっていてもよい、また、式
(8) 中、Yは、炭素数1乃至10の2価の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基、スルフィニル基、スルホニル基又はオキシドか
ら成る群より選ばれた基を表わす〕、
【0015】または、下記式 (9)
【化19】 で表わされる繰り返し単位および式 (10)
【化20】 で表わされる繰り返し単位を有するポリアミド酸が得ら
れる。〔但し、式 (9) および式 (10) 中、Z1 および
3
【化21】 (ここで、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
香族基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)を
表し、互いに異なる。〕
【0016】さらに得られたポリアミド酸を 100〜300
℃に加熱脱水することにより、下記式(11)
【化22】 で表される繰り返し単位と下記式 (12)
【化23】 で表わされる繰り返し単位を有する重合体、〔但し、式
(11) および式 (12) 中、Z1 およびZ2
【化24】 (ここで、Rは式 (7) および式 (8) の場合と同じで
ある。)を表し、互いに同一でも異なっていてもよい、
また、式 (12) 中、Yは式 (8) の場合と同じであ
る。〕
【0017】または、式 (13)
【化25】 で表わされる繰り返し単位と式 (14)
【化26】 で表わされる繰り返し単位を有する重合体が得られる。
〔但し、式 (13) および式 (14) 中、Z1 およびZ3
【化27】 (ここで、Rは式 (11) および(12)の場合と同じであ
る。)を表し、互いに異なる。
【0018】かくして得られた重合体を接着剤として使
用するに際しては、(1) 主として上記のポリアミド酸を
含有する接着剤溶液として使用する場合と、(2) 主とし
て上記のポリイミドを使用する場合とに大別される。
(1) の場合、主としてポリアミド酸を含有する接着剤溶
液とは、ポリアミド酸を有機極性溶媒に溶解した溶液で
あり、有機極性溶媒中でエーテルジアミンとテトラカル
ボン酸二無水物とを反応させて得られたポリアミド酸を
含有する反応生成液であってもよい。またポリアミド酸
を主成分とし、これにポリアミド酸の環化物であるポリ
イミドを含有するものであってもよい。したがって、ポ
リアミド酸を含有する接着剤溶液とは、ポリイミドを一
部含有する溶液または懸濁液であってもよい。
【0019】このようなポリアミド酸を含有する接着剤
を使用する場合は、貼合わすべき被接着物にポリアミド
酸接着剤の薄い層を被着し、ついで被着した被接着物を
空気中で所要時間、220 ℃程度に予熱して過剰の溶剤を
除去し、ポリアミド酸接着剤を、より安定なポリイミド
に転化し、次いで 1〜1000kg/cm2 の圧力、50〜400℃
の温度で圧着し、 100〜400 ℃の温度でキュアさせる
と、被接着物を強固に接着することができる。
【0020】(2) の場合、上記のポリイミドとは上記の
ポリアミド酸を加熱脱水して、例えばフィルム状にした
もの、または粉状にした実質的にポリイミドそのもので
ある。また、上記のポリアミド酸を一部含有しても差し
支えない。このような実質的にポリイミドを使用する場
合は、フィルムまたは粉末を被接着物の間に挿入し、1
〜1000kg/cm2 の圧力、50〜400 ℃の温度で圧着し、 1
00〜400 ℃の温度でキュアさせると、接着物質を強固に
接着することができる。
【0021】
【実施例】 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。 実施例−1 攪拌器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に、
芳香族ジアミンとして4,4'- ビス(3-アミノフェノキ
シ)ビフェニル27.56g( 0.07 モル)とビス〔4-(3-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕スルホン12.96g( 0.03 モ
ル)とを、N,N-ジメチルアセトアミド188.4gを装填し、
0℃付近まで冷却し、窒素雰囲気下においてピロメリッ
ト酸二無水物17.44g(0.08モル)を溶液温度の上昇に注
意しながら、4分割して加え、0℃付近で約2時間攪拌
した。次に上記溶液を室温にもどし、窒素雰囲気下にお
いてピロメリット酸二無水物4.36g(0.02モル)を添加
し、引き続き窒素雰囲気下に約20時間攪拌を行なった。
こうして得られたポリアミド酸の35℃、N,N-ジメチルア
セトアミド溶剤中 0.5%濃度での固有粘度は1.20dl/g
であった。測定結果を表1に示した。上記ポリアミド酸
溶液をガラス板上にキャストした後、100 ℃、200 ℃及
び300 ℃で各々1時間加熱して、ポリイミドフィルムを
得た。このポリイミドフィルムを 130℃に予備加熱した
冷間圧延鋼板( JIS G3141, SPCC/SD, 25×100 ×1.6
mm)間に挿入し、340 ℃で20kg/cm2 に5分間加圧して
圧着させた。このものの室温での引張せん断接着強さは
300 kg/cm2 であり、これをさらに240℃の高温下で測
定したところ170 kg/cm2 であった。(測定方法はJIS-
K6848 及び6850に拠る。以下同様。
【0022】実施例−2 実施例−1における芳香族ジアミンを表−1に示すジア
ミン類に代え、表1及び表2に示す芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物とを実施例−1と同様の操作により、ポリ
アミド酸を合成した。得られたポリアミド酸から実施例
−1と同様の操作によりポリイミドフィルムを得た。こ
のフィルムを用いて実施例−1と同様な条件で各種性能
を測定した。結果を表1および表2に示す。
【0023】実施例−21〜28 実施例−1における芳香族ジアミンとして4,4'- ビス
(3-アミノフェノキシ)ビフェニルのみを使用し、表3
に示す2種の芳香族テトラカルボン酸二無水物を用い実
施例−1と同様の操作により、ポリアミド酸を合成し
た。得られたポリアミド酸から実施例−1と同様の操作
によりポリイミドフィルムを得た。このフィルムを用い
て実施例−1と同様な条件で各種性能を測定した。結果
を表3に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】表1、表2および表3において、略号で示
した化合物は次の通りである。 m−BP:4,4'- ビス(3- アミノフエノキシ) ビフェニ
ル m−BS:ビス〔4-(3- アミノフエノキシ) フェニル〕
スルホン m−BK:ビス〔4-(3- アミノフエノキシ) フェニル〕
ケトン m−BM:ビス〔4-(3- アミノフエノキシ) フェニル〕
メタン m−BE−1:1,1-ビス〔4-(3- アミノフエノキシ) フ
ェニル〕エタン m−BE−2:1,2-ビス〔4-(3- アミノフエノキシ) フ
ェニル〕エタン m−BAPP:2,2-ビス〔4-(3- アミノフエノキシ) フ
ェニル〕プロパン m−BAPP−6F:2,2-ビス〔4-(3- アミノフエノキ
シ) フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン m−BSD:ビス〔4-(3- アミノフエノキシ) フェニ
ル〕スルフィド m−BSDO:ビス〔4-(3- アミノフエノキシ) フェニ
ル〕スルホキシド m−BO:ビス〔4-(3- アミノフエノキシ) フェニル〕
エーテル PMDA:ピロメリット酸二無水物 BTDA:3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物 ODPA:ビス(3,4-ジカルボキシフェニル) エーテル
二無水物 BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物 6FDA:2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,
1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物 NTDA:2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水
【0028】
【発明の効果】本発明は耐熱性を低下させることなく、
強力な接着力を示し、とくに高温時においても高い接着
力を維持できる接着剤を提供するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中Yは直結、炭素数1乃至10の2価の炭化水素基、
    六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
    チオ基、スルフィニル基、スルホニル基又はオキシドか
    ら成る群より選ばれた基を表わし、Zは 【化2】 又は 【化3】 を表わし、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
    香族基からなる群より選ばれた4価の基を表わす。)で
    表わされる繰り返し単位を有する重合体よりなる耐熱性
    接着剤。
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