JPH07228857A - 耐熱性接着剤溶液 - Google Patents

耐熱性接着剤溶液

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JPH07228857A
JPH07228857A JP11645794A JP11645794A JPH07228857A JP H07228857 A JPH07228857 A JP H07228857A JP 11645794 A JP11645794 A JP 11645794A JP 11645794 A JP11645794 A JP 11645794A JP H07228857 A JPH07228857 A JP H07228857A
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JP
Japan
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dianhydride
bis
mol
aminophenoxy
heat
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Pending
Application number
JP11645794A
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English (en)
Inventor
Masaji Tamai
正司 玉井
Saburo Kawashima
三郎 川島
Tadashi Asanuma
浅沼  正
Hideaki Oikawa
英明 及川
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 1,3 -ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
または特定モル比の1,3 -ビス(3-アミノフェノキシ)
ベンゼンと他のジアミンを含むジアミン成分と、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物またはベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物と他の特定のテトラカルボ
ン酸二無水物から選ばれる2種以上のテトラカルボン酸
二無水物を、有機溶媒中でジカルボン酸無水物および/
またはモノアミノ化合物の存在下に加熱反応させて得ら
れるポリイミド共重合体を含有する耐熱性接着剤溶液。 【効果】 本発明の接着剤溶液は保存安定性に優れ、し
かも接着強度も良好であり、工業的に極めて価値があ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミド系耐熱性接
着剤溶液に関する。詳しくは、保存安定性に優れた、低
温、低圧で接着可能なポリイミド系耐熱性接着剤溶液に
関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス、宇宙航空機器、輸送
機器などの分野に用いられる各種高性能材料の接着剤と
して、従来より多くの有機合成高分子からなる耐熱性接
着剤が知られており、これらのうちで耐熱性の優れたも
のとしては、ポリベンズイミダゾール系、ポリイミド系
の接着剤が開発されている。特に、ポリイミド系の耐熱
性接着剤として、耐熱性及び接着力ともに優れているも
のとして、米国特許第 4,065,345号や特開昭 61-143,47
7 号公報等に開示された接着剤が知られている。これら
の耐熱性接着剤は優れた耐熱性、接着性を有しているも
のの、良好な接着状態を得るためには、高温、高圧の接
着条件が必要であった。
【0003】これらは、その前駆体であるポリアミド酸
の溶液を被着体に塗布し、脱溶剤とイミド化を行った
後、乾燥し、これを別の被着体に高温、高圧の接着条件
下で接着させる方法で適用されている。この方法は、イ
ミド化して接着する必要があり操作が煩雑であるばかり
か、イミド化の反応が溶媒の除去と同時に行われるた
め、イミド化反応が一定とならず接着強度等の再現性に
乏しいという問題があった。これに対して、イミド化を
溶液で管理して行って得られたポリイミド溶液を接着剤
として用いることが提案されている。しかし、この方法
に公知のポリイミドを適用すると、再現性という点では
優れているものの、ポリイミド溶液の保存安定性が悪
く、また接着面に溶液を塗布する際にポリイミドが析出
して接着面の平坦性が悪くなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、接着
剤溶液が保存安定性に優れ、しかも接着強度の再現性が
良好なポリイミド系耐熱性接着剤溶液を提供することに
ある。また、更なる課題は、銅箔とポリイミドフィルム
との90°剥離接着強度に優れ、しかも接着剤溶液の保
存安定性に優れたポリイミド系耐熱性接着剤溶液を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ポリイミドのモノ
マー成分として、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベン
ゼンを主体とするジアミン成分を用い、またベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物を主体とするテトラカル
ボン酸二無水物またはこのベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、ビス(ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
ビス(ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス
(ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物およびビ
ス(ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二
無水物からなる群から選ばれた少なくとも2種のテトラ
カルボン酸二無水物を用い、特定の方法で得られるポリ
イミド共重合体が有機溶剤に対して優れた溶解性を有
し、その溶液の経時安定性が良好であり、またこの溶液
が接着剤として、優れた接着性能を有し、溶液を長期保
存後、接着剤として使用しても接着効果にほとんど変化
がなく優れていることを見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は(1)使用するジアミン成
分の総量1モルに対して、0.1 〜0.9 モルの1,3 −ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼンおよび0.5 〜0.1 モル
の他のジアミンを含むジアミン成分と、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物をテトラカルボン酸二無水物
成分として、有機溶媒中でジカルボン酸無水物および/
またはモノアミノ化合物の存在下に加熱反応させて得ら
れるポリイミド共重合体を含有する耐熱性接着剤溶液、
【0007】(2)1,3 −ビス(3-アミノフェノキシ)
ベンゼンをジアミン成分とし、ピロメリット酸二無水
物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、ビス(ジカルボキシフェニル)スルホン二無
水物、ビス(ジカルボキシフェニル)プロパン二無水
物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物
およびビス(ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン二無水物からなる群から選ばれた少なくとも2種
のテトラカルボン酸二無水物であり、かつそのうちの1
種が当該テトラカルボン酸二無水物の総量1モルに対し
て0.02〜0.98モルの範囲の量である少なくとも2種のテ
トラカルボン酸二無水物をテトラカルポン酸二無水物成
分として、有機溶媒中でジカルボン酸無水物および/ま
たはモノアミノ化合物の存在下に加熱反応させて得られ
るポリイミド共重合体を含有する耐熱性接着剤溶液、
【0008】(3)前記(1)および(2)において、
テトラカルボン酸二無水物成分の総量1モルに対し、0.
8 〜1.20モルのジアミン成分を使用することを特徴とす
る耐熱性接着剤溶液、 (4)前記(1)ないし(3)において、テトラカルボ
ン酸二無水物成分の総量1モルに対し、0.001 〜0.20モ
ルのジカルボン酸無水物および/またはモノアミノ化合
物を使用することを特徴とする耐熱性接着剤溶液、 (5)前記(1)ないし(4)において、有機塩基触媒
共存下に加熱反応させることを特徴とする耐熱性接着剤
溶液、 (6)前記(5)において、有機塩基触媒が、テトラカ
ルボン酸二無水物成分の総量1モルに対し、0.001 〜0.
50モルの範囲の使用量であることを特徴とする耐熱性接
着剤溶液。 (7)前記(1)ないし(6)において、ポリイミド共
重合体の対数粘度が0.2〜1.5 dl/gである耐熱性接着剤
溶液、である。
【0009】本発明の前記(1)〜(7)の耐熱性接着
剤溶液は、溶液の経時変化が極めて小さく、安定性に優
れた溶液であり、この溶液は接着剤として優れた接着効
果を示し、接着の作業性・安定性に優れている。1,3-ビ
ス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンと上記のテトラカル
ボン酸二無水物群から選ばれる一種のテトラカルボン酸
二無水物をモノマーとして得られるポリイミド単独重合
体が、有機溶剤溶液の安定性や経時変化が極めて劣るの
に対して、本発明にかかわるポリイミド共重合体は有機
溶剤に対する溶解性が良好で、その溶液の安定性が極め
て優れ、本発明の耐熱性接着剤は、従来のポリイミドを
溶液で接着剤溶液として使用するときの問題点を解決す
るものであり、耐熱性の優れたポリイミドの接着剤とし
ての適用分野を拡張するものである。
【0010】本発明において、本発明の効果を奏するポ
リイミド共重合体は、必須のジアミンと他のジアミン
を含有する2種以上のジアミン成分と必須のテトラカル
ボン酸二無水物をテトラカルボン酸二無水物成分とする
ポリイミド共重合体と、一種の必須のジアミンと特定
のテトラカルボン酸二無水物群から選ばれる2種以上の
テトラカルボン酸二無水物をテトラカルボン酸二無水物
成分とするポリイミド共重合体とがある。
【0011】必須のジアミン成分とは、1,3 −ビス(3-
アミノフェノキシ)ベンゼンであり、本発明で使用する
ジアミン成分は、(1)使用するジアミン成分の総量1モ
ルに対して、0.1 〜0.9 モルの1,3 −ビス(3-アミノフ
ェノキシ)ベンゼンと0.5 〜0.1 モルの他のジアミンを
含有するジアミン成分を使用する場合と、(2)実質的に
は 1,3−ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンを必須の
ジアミン成分とし、所望により他のジアミンを、得られ
るポリイミド共重合体を含有する耐熱性接着剤の性能を
損なわない範囲で併用する場合がある。
【0012】上記(1)および(2)において、他のジアミン
としては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、o−アミノベンジル
アミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジ
ルアミン、2,3−ジアミノトルエン、2,4−ジアミ
ノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジア
ミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、3,5−ジ
アミノトルエン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジ
アミン、4−メトキシ−1,2−フェニレンジアミン、
4−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、3−クロ
ロ−1,2−フェニレンジアミン、4−クロロ−1,2
−フェニレンジアミン、
【0013】ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジ
ン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメト
キシベンジジン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'
−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェ
ノン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミ
ノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエー
テル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、ビス
(4−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェ
ニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−
アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェ
ニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−ア
ミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニ
ル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、
(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホ
ン、
【0014】1,3-ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4-ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
【0015】ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル)ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕メタン、1,1-ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1-ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2-ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,
2-ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタ
ン、1,1-ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、1,1-ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、1,2-ビス〔4−(3−アミノ
フェキシ)フェニル〕プロパン、1,2-ビス〔4−(4−
アミノフェキシ)フェニル〕プロパン、1,3-ビス〔4−
(3−アミノフェキシ)フェニル〕プロパン、1,3-ビス
〔4−(4−アミノフェキシ)フェニル〕プロパン、2,
2-ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン、2,2-ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、2-〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕-2-〔4−(4−アミノフェノキシ)-3- メチル
フェニル〕プロパン、2-〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕-2-〔4−(4−アミノフェノキシ)-3,
5- ジメチルフェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3-ヘキサ
フルオロプロパン、2,2-ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)-3-メチルフェニル〕
プロパン、2,2-ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)-3
- メチルフェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)-3,5- ジメチルフェニル〕プロパン、
2,2-ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)-3,5- ジメチ
ルフェニル〕プロパン、1,1-ビス〔4−(3−アミノフ
ェキシ)フェニル〕ブタン、1,1-ビス〔4−(4−アミ
ノフェキシ)フェニル〕ブタン、1,3-ビス〔4−(3−
アミノフェキシ)フェニル〕ブタン、1,3-ビス〔4−
(4−アミノフェキシ)フェニル〕ブタン、1,4-ビス
〔4−(3−アミノフェキシ)フェニル〕ブタン、1,4-
ビス〔4−(4−アミノフェキシ)フェニル〕ブタン、
2,3-ビス〔4−(3−アミノフェキシ)フェニル〕ブタ
ン、2,3-ビス〔4−(4−アミノフェキシ)フェニル〕
ブタン、2,2-ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕ブタン、2,2-ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ブタン、4,4'−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ビフェニル、4,4'−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)
−3,3'5,5'−テトラメチルビフェニル、4,4'−ビス(4
−アミノフェノキシ)−3,3'5,5'−テトラメチルビフェ
ニル、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3'5,5'
−テトラクロロビフェニル、4,4'−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)−3,3'5,5'−テトラクロロビフェニル、4,4'
−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3'5,5'−テトラブ
ロモビフェニル、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)
−3,3'5,5'−テトラブロモビフェニル、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メトキシフェ
ニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)−3,5-ジメトキシフェニル〕スルフィド、〔4-(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕〔4-(3−アミノフェ
ノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕スルフィド、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホ
キシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕スルホン、
【0016】1,4-ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
ベンゾイル〕ベンゼン、1,4-ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3-ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3-ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼ
ン、1,3-ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α
−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3-ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベン
ゼン、1,4-ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,
α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,4-ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベ
ンゼン、
【0017】ビス〔4−{3−(3−アミノフェノキ
シ)ベンゾイル}フェニル〕エーテル、ビス〔4−{3
−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル}フェニル〕エ
ーテル、ビス〔4−{4−(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゾイル}フェニル〕エーテル、ビス〔4−{4−(4
−アミノフェノキシ)ベンゾイル}フェニル〕エーテ
ル、ビス〔4−{4−(4−アミノ−α,α−ジメチル
ベンジル)フェノキシ}フエニル〕ケトン、ビス〔4−
{4−(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェ
ノキシ}フエニル〕ケトン、ビス〔4−{4−(4−ア
ミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ}フエニ
ル〕スルフィド、ビス〔4−{4−(3−アミノ−α,
α−ジメチルベンジル)フェノキシ}フエニル〕スルフ
ィド、ビス〔4−{4−(4−アミノ−α,α−ジメチ
ルベンジル)フェノキシ}フエニル〕スルホキシド、ビ
ス〔4−{4−(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジ
ル)フェノキシ}フエニル〕スルホキシド、ビス〔4−
{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニ
ル〕スルホン、ビス〔4−{4−(3−アミノフェノキ
シ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、ビス〔4−{4
−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキ
シ}フエニル〕スルホン等が挙げられ、これらは単独で
または2種以上混合して用いることができる。これらの
ジアミンの中でも、特に、1分子中にベンゼン核を2個
以上有するジアミンが好ましく用いられる。本発明にお
けるジアミン成分の使用量は、通常、上記またはの
何れの使用においても、ジアミン成分の総量として、テ
トラカルボン酸二無水物の総量1モルに対して、0.8 〜
1.20モルの範囲である。
【0018】本発明において、テトラカルボン酸二無水
物としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無
水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジ
カルボキフェニル)スルホン二無水物、ビス(ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、ビス(ジカルボキシ
フェノキシ)ベンゼン二無水物およびビス(ジカルボキ
シフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物からなる
群から選ばれるものが使用される。
【0019】これらのテトラカルボン酸二無水物の使用
態様は、ジアミン成分として前記の「使用するジアミ
ンの総量1モルに対して、0.1 〜0.9 モルの1,3 −ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼンと0.5 〜0.1 モルの他
のジアミンを含有するジアミン成分を使用する場合」
は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が必須の
成分として使用され、得られるポリイミドの性能を損な
わない範囲で他のテトラカルボン酸二無水物を代替使用
してもよい。代替して使用できる他のテトラカルボン酸
二無水物として、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビス
(ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(ジ
カルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(ジカル
ボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙
げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用
いることができる。
【0020】また、ジアミン成分として前記の「実質
的には 1,3−ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンを必
須のジアミン成分とし、所望により他のジアミンを、得
られるポリイミドの性能を損なわない範囲で併用する場
合」は、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水
物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、ビス(ジカルボキシ
フェノキシ)ベンゼン二無水物およびビス(ジカルボキ
シフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物からなる
群から選ばれた少なくとも2種のテトラカルボン酸二無
水物を、そのうちの1種がテトラカルボン酸二無水物成
分の総量1モルに対して、0.02〜0.98モルの範囲の量で
使用される。特にピロメリット酸二無水物以外を多い成
分として用いるのが好ましい。通常は、多く使用する成
分が、好ましくは0.6 〜0.98モル、最も好ましくは0.7
〜0.95モルとなるようにして用いられる。
【0021】また、前記のいずれの場合も得られる接着
剤溶液の特性を損なわない範囲で他のテトラカルボン酸
二無水物を混合使用しても差し支えない。混合して用い
ることのできるテトラカルボン酸二無水物としては、エ
チレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水
物、ビス(3,4- ジカルボキシフェニル)メタン二無水
物、1,1-ビス(2,3- ジカルボキシフェニル)エタン二無
水物、1,1-ビス(3,4- ジカルボキシフェニル)エタン二
無水物、1,2-ビス(3,4- ジカルボキシフェニル)エタン
二無水物、1,3-ビス(2,3- ジカルボキシフェノキシ)ベ
ンゼン二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二
無水物、3,4,6,10- ペリレンテトラカルボン酸二無水
物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が
挙げられる。
【0022】本発明において、ポリマー分子末端を封止
する目的で、ジカルボン酸無水物および/またはモノア
ミノ化合物を使用する。ジカルボン酸無水物としては具
体的には、無水フタル酸、2,3-ベンゾフェノンジカルボ
ン酸無水物、3,4-ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、
2,3-ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,
4-ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3-
ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4-ビフェニルジカル
ボン酸無水物、2,3-ジカルボキフェニルフェニルスルホ
ン無水物、3,4-ジカルボキフェニルフェニルスルホン無
水物、2,3-ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無
水物、3,4-ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無
水物、1,2-ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3-ナフタ
レンジカルボン酸無水物、1,8-ナフタレンジカルボン酸
無水物、1,2-アントラセンジカルボン酸無水物、2,3-ア
ントラセンジカルボン酸無水物、1,9-アントラセンジカ
ルボン酸無水物が挙げられる。これらのジカルボン酸無
水物はアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有し
ない基で置換されていても差し支えない。これらは単独
でまたは2種以上混合して用いることができる。これら
の芳香族ジカルボン酸無水物の中で、好ましくは無水フ
タル酸が使用される。
【0023】またモノアミノ化合物としては、次のよう
なものが挙げられる。例えば、アニリン、o−トルイジ
ン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリ
ジン、2,4−キシリジン、2,5−キシリジン、2,
6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリ
ジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−
クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニ
リン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、m−
ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アミノフェ
ノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノー
ル、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジ
ン、o−フエネチジン、m−フエネチジン、p−フエネ
チジン、o−アミノベンツアルデヒド、m−アミノベン
ツアルデヒド、p−アミノベンツアルデヒド、o−アミ
ノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−ア
ミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミ
ノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェ
ニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエ
ーテル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−ア
ミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−
アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルス
ルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4
−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェ
ニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルス
ルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナ
フチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−
ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ
−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−
アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトー
ル、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナ
フトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアント
ラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。通
常、これらの芳香族モノアミノ化合物の中で、好ましく
はアニリンまたはその誘導体が使用される。これらは単
独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0024】これらジカルボン酸無水物または芳香族モ
ノアミノ化合物は、いずれも単独または2種以上混合し
て用いても何ら問題はない。また分子量分布を調節する
ためにジカルボン酸無水物とモノアミノ化合物を併用す
ることもある。ジカルボン酸無水物またはモノアミノ化
合物は、原料のジアミンとテトラカルボン酸二無水物の
うち、過剰成分がテトラカルボン酸二無水物である場
合、主として、モノアミノ化合物を使用し、また過剰成
分がジアミンである場合、主としてジカルボン酸無水物
を、原料のジアミンまたはテトラカルボン酸二無水物の
総量1モルに対し、0.001 〜0.20モル比を使用する。す
なわち、ジカルボン酸無水物および/またはモノアミノ
化合物の使用量は、ジアミンとテトラカルボン酸二無水
物の使用モル数の差の1〜数倍のモノアミノ化合物(過
剰成分がテトラカルボン酸二無水物)またはジカルボン
酸無水物(過剰成分がジアミン)であれば良いが、通
常、テトラカルボン酸二無水物成分の総量1モルに対し
て、0.001 〜0.20モル比の範囲であれば十分である。特
に、全ジアミン成分の使用量を、全テトラカルボン酸二
無水物1モル当たり0.80〜0.999 モルとし、モノアミノ
化合物で末端を封止するか、または1.10〜1.001 モルと
し、ジカルボン酸無水物で末端を封止するのがポリイミ
ドの分子量を接着剤として適当なものとする為にが好ま
しい。
【0025】本発明において用いる有機溶剤としては、
ポリイミドを製造する反応に問題がなく、しかもポリイ
ミドを溶解できるものであれば特に制限はなく利用でき
る。好ましい溶媒としては、具体的には、アミド系の溶
剤、エーテル系の溶剤、フェノール系の溶剤が例示で
き、より具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメト
キシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、
ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、テト
ラメチル尿素、N−メチルカプロラクタム、ブチロラク
タム、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタ
ン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビ
ス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−
メトシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジ
ン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホ
ン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、クレゾール酸、o−クロロフェノール、m−クロロ
フェノール、p−クロロフェノール、フェノール、アニ
ソール等が挙げられ、これらは1種または2種以上混合
して使用することもできる。特に好ましくは、溶剤が溶
液の安定性、接着剤としての利用点からアミド系溶媒で
ある。
【0026】また、本発明にかかわるポリイミド共重合
体の製造に際して、有機塩基触媒を共存させると反応を
促進でき、かつこれらの有機塩基触媒が耐熱性接着剤の
安定性に影響が無いので、有機塩基触媒を使用するのが
が好ましい。有機塩基触媒としては、ピリジン、α−ピ
コリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソ
キノリン、トリエチルアミン等の第3級アミン類が用い
られるが、特に好ましくはピリジンまたはγ−ピコリン
である。これら触媒の使用量としては、テトラカルボン
酸二無水物の総量1モルに対し、0.001 〜0.5 モルであ
る。特に好ましくは0.01〜0.1 モルである。
【0027】また、本発明にかかわるポリイミド共重合
体の製造において、ジアミン成分、テトラカルボン酸二
無水物、ジカルボン酸無水物および/またはモノアミノ
化合物を有機溶剤中、またはこれらを更に有機塩基触媒
存在下に有機溶剤中で反応させる方法としては、 (a)テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分を有機
溶媒中、場合によっては有機塩基存在下で、反応させた
後、ジカルボン酸無水物および/またはモノアミノ化合
物を添加して反応を続ける方法。 (b)テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分を有機
溶媒中で反応させた後、ジカルボン酸無水物および/ま
たはモノアミノ化合物を、場合によっては有機塩基とと
もに、添加して反応を続ける方法。 (c)ジアミン成分とジカルボン酸無水物を、場合によ
っては有機塩基存在下加えて、有機溶剤中で反応させた
後、テトラカルボン酸二無水物を添加し、更に反応を続
ける方法。 (d)ジアミン成分にジカルボン酸無水物を加えて有機
溶剤中で反応させた後、テトラカルボン酸二無水物と場
合によっては有機塩基添加し、更に反応を続ける方法。 (e)テトラカルボン酸二無水物にモノアミノ化合物を
加えて有機溶剤中、場合によっては有機塩基存在下で反
応させた後、ジアミン成分にジカルボン酸無水物を添加
し、更に反応を続ける方法。 (f)テトラカルボン酸二無水物にモノアミノ化合物を
加えて有機溶剤中反応させた後、場合によっては有機塩
基存在下でジアミン成分および及びジカルボン酸無水物
を添加し、更に反応を続ける方法。 (g)テトラカルボン酸二無水物、ジアミン成分、ジカ
ルボン酸無水物および/またはモノアミノ化合物を同時
に添加し、場合によっては有機塩基存在下反応させる方
法等が挙げられ、いずれの添加・反応方法をとっても差
し支えない。
【0028】ポリイミド共重合体を製造する際の反応温
度は、100 ℃以上、好ましくは150〜300 ℃であり、反
応によって生じる水を抜き出しながら行うのが一般的で
ある。イミド化に先立ち、ポリアミド酸を100 ℃以下の
低温でまず合成し、ついで温度を上げてイミド化するこ
とも可能であるが、単に上記の方法でテトラカルボン酸
二無水物とジアミンを混合した後、有機塩基存在下、す
ぐに昇温することでイミド化することもできる。
【0029】反応時間は使用するジアミンおよびテトラ
カルボン酸二無水物の種類、溶剤の種類、有機塩基、触
媒の種類と量および反応温度により異なるが、目安とし
ては、留出する水が、ほぼ理論量に達する(通常は全て
回収されるわけではないので、70〜90% の回収率であ
る。)まで反応することであり、通常数時間から十数時
間である。この場合、イミド化反応によって生じる水は
トルエン等の共沸剤を反応系に加えて、共沸により水を
除去する方法が一般的に有効である。
【0030】また低温でまずポリアミド酸を合成した
後、有機塩基触媒存在下、無水酢酸等のイミド化剤を用
いて化学的にイミド化反応を行いポリイミドを得ること
もできる。このイミド化反応において、反応温度は、通
常、室温から200 ℃以下であり、好ましくは室温から10
0 ℃以下であり、反応時間は、0.5 時間から24時間で十
分である。
【0031】通常、以上の反応により生成したポリイミ
ド共重合体は、それを溶解含有する反応溶液をその儘ま
たは溶媒を蒸去・濃縮または追加して調整して本発明の
耐熱性接着剤溶液とし、あるいは反応後単離されたポリ
イミド共重合体を、前記の反応に好適に使用できる有機
溶媒の中から接着剤溶液として所望の有機溶媒を選択し
て溶解し、本発明の耐熱性接着剤溶液とすることができ
る。これらの接着剤溶液において、ポリイミド共重合体
の含有量は、本発明の効果を奏する範囲であれば特に限
定はないが、通常、溶液濃度として、5〜40重量%程
度、溶液の粘度で100 〜100,000 cps程度が好まし
い。
【0032】本発明の耐熱性接着剤溶液において、前記
の方法によって得られるポリイミド共重合体の対数粘
度、すなわち、上記の方法で得られたポリイミド共重合
体を含有する反応溶液を固型分が0.5 g/dlの濃度になる
ようにN-メチル-2- ピロリドンで希釈したポリイミド共
重合体含有溶液を、35℃において測定した対数粘度が0.
2 〜1.5 dl/gの範囲であるポリイミド共重合体を含有す
る耐熱性接着剤が好ましい。このような溶液で測定した
ポリイミド共重合体の対数粘度が0.2 dl/g未満では、接
着層を構成するポリイミド自体の機械強度が弱く、接着
強度が充分でないものがある。一方、1.5 dl/gを超える
と、耐熱性接着剤溶液の保存安定性が低下し、ゲル化し
やすくなり好ましくない。ポリイミド共重合体の対数粘
度は、好ましくは0.3 〜1.2 dl/gであり、さらに好まし
くは0.4 〜1.0 dl/gであり、最適には、0.5 〜0.9 dl/g
である。
【0033】通常、以上のようにして得られた本発明の
ポリイミド共重合体を含有する耐熱性接着剤は、保存安
定性が良好で、しかも接着面に塗布、乾燥して接着する
と比較的低温で、低圧力下でも充分な接着強度が得られ
る。ここで乾燥温度としては、溶媒の沸点によって異な
り特定出来ないが、通常、100 〜300 ℃である。また接
着温度としては、通常、150 〜300 ℃、特に250 ℃以下
で充分である。とくにジアミン成分として、主として1,
3-ビス(3- アミノフェノキシ) ベンゼンを用いたポリイ
ミド共重合体を含有する耐熱性接着剤は、銅箔とポリイ
ミドフィルムの接着において比較的低温でも十分な90°
剥離接着剥離強度が得られる。
【0034】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
する。以下の実施例において、ポリイミド共重合体の対
数粘度とは、下記の方法で測定したものである。 1)得られたポリイミド共重合体を含有する耐熱性接着
剤溶液をアルミ箔上に塗工する。 2)300 ℃のオーブンに30分保持する。 3)塗工時の重量と300 ℃/30 min 乾燥後との重量差よ
り固型分を算出す。 4)上記耐熱性接着剤溶液を1部とり、濃度が0.5 g/dl
になる様に、N-メチル-2- ピロリドンで希釈する。 5)ウベローデ粘度測定管を用い、一定体積の0.5 g/dl
の溶液が降下する時間tを測定する。(35℃) 6)同一の粘着管を用い、一定体積のN-メチル-2- ヒロ
リドンが降下する時間t0を測定する。(35℃) 7)tとt0の値より下式により対数粘度を算出する。
【数1】
【0035】実施例1 攪拌器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に1,
3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン23.36g(0.08 モ
ル)、4,4'- ビス(3- アミノフェノキシ)ビフェニル7.
36g(0.02モル)、N,N-ジメチルアセトアミド183.9gを
装入し、室温で窒素雰囲気下において、3,3',4,4'-ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物30.90 g(0.096
モル)を溶液温度の上昇に注意しながら、分割して加
え、室温で約20時間攪拌した。その後、無水フタル酸
1.184g(0.008 モル)を加えた後、室温でさらに4時間
攪拌をつづけた。かくして得られたポリアミド酸は35
℃、N,N-ジメチルアセトアミド溶剤中0.5 %濃度での対
数粘度が0.52dl/gであった。ついで溶液を加熱してN,N-
ジメチルアセトアミドの還流温度で6時間処理し、さら
に6時間掛けて100gのN,N-ジメチルアセトアミドを留去
して得られたポリイミド溶液を室温で100 日保管したが
異常はなかった。この保存前後の溶液を用い接着試験を
実施した。ポリイミド溶液を厚さ約80μmになるように
塗布し、250 ℃で3時間加熱乾燥した後、25μm厚みの
銅箔を重ね230 ℃で5kg/cm2に5分間加熱圧着した。塗
布した接着剤の厚みは25μmであった。保存前のポリイ
ミドを用いた時の180 °剥離接着強さは室温において2.
8 kg/cm であった(測定方法はJPCA-BOM 01に準拠す
る)、保存後のものは2.9 kg/cm であり変化はなかっ
た。
【0036】比較例1 ジアミンとして1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン29.2g(0.1 モル)のみを用いた他は実施例1と同様に
してポリイミド溶液を作り評価したところ、保存前のポ
リイミドを用いた時の180 °剥離接着強さは室温におい
て2.9 kg/cm であったが、保存後のものは液が濁ってポ
リマーが析出しており、加熱溶解して評価したところ1.
4 kg/cm であり大きく低下していた。また製造後2日経
過した後塗布しようとしたところ塗布中に白濁し、接着
強度も1.1 kg/cm と劣っていた。
【0037】実施例2 4,4'−ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニルにかえ2,
2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン
8.2g(0.02モル)を用いた他は実施例1と同様にしてポ
リイミド溶液を合成した。保存前のポリイミドを用いた
時の180 °剥離接着強さは室温において2.5 kg/cm であ
った。また保存後のものは2.6 kg/cm であり変化はなか
った。
【0038】実施例3 4,4'- ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニルにかえビ
ス(3-アミノフェニル)スルホキシド8.64g(0.02モ
ル)を用いた他は実施例1と同様にしたところ、保存前
のポリイミドを用いた時の180 °剥離接着強さは室温に
おいて2.9 kg/cmであった。また保存後のものは3.1 kg/
cm であり変化はなかった。
【0039】実施例4 実施例1と同様の反応容器に1,3-ビス(3-アミノフェノ
キシ)ベンゼン29.2g(0.1 モル)はN,N-ジメチルアセ
トアミド183.9gを装入し、室温で窒素雰囲気下におい
て、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物22.53 g(0.070モル)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物7.64g(0.026 モル)を溶液温度の
上昇に注意しながら、分割して加え、室温で約20時間攪
拌した。その後、無水フタル酸1.18g(0.008 モル)を
加えた後、室温でさらに4時間攪拌をつづけた。かくし
て得られたポリアミド酸は23℃、N,N-ジメチルアセトア
ミド溶剤中0.5 %濃度での対数粘度が0.49dl/gであっ
た。ついで溶液を加熱してN,N-ジメチルアセトアミドの
還流温度で6時間処理し、さらに6時間掛けて100gのN,
N-ジメチルアセトアミドを留去して得られたポリイミド
溶液を室温で100 日保管したが異常はなかった。この保
存前後の溶液を用い接着試験を実施した。ポリイミド溶
液を厚さ約80μmになるように塗布し、250 ℃で3時間
加熱乾燥した後、25μm厚みの銅箔を重ね230 ℃で5kg
/cm2に5分間加熱圧着した。塗布した接着剤の厚味は25
μmであった。保存前のポリイミドを用いた時の180 °
剥離接着強さは室温において2.8 kg/cm であった(測定
方法はLCPA-BOM 01に準拠する)、保存後のものは2.9 k
g/cm であり変化はなかった。
【0040】実施例5 3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物8.
37g(0.026 モル)と3,3',4,4'-ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物20.58g(0.070モル)を用いた他は実施例
4と同様にしたところ、保存前のポリイミドを用いた時
の180 °剥離接着強さは室温において2.5 kg/cm であっ
た。保存後のものは2.6 kg/cm であり変化はなかった。
【0041】実施例6 3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物2
7.68g(0.086 モル)とピロメリット酸二無水物2.18g
(0.010 モル)を用いた他は実施例4と同様にしたとこ
ろ、保存前のポリイミドを用いた時の180 °剥離接着強
さは室温において2.9 kg/cm であった。保存後のものは
3.1 kg/cm であり変化はなかった。
【0042】以上の実施例1〜6および比較例1の原料
モノマー、末端封止剤の使用量、反応溶媒および結果を
表−1に纏めて示す。
【表1】
【0043】表-1において、 *1: 溶液の保存安定性を保存日数とその時の状態を示
す。○は殆ど変化がなく安定であることを示す。×は白
濁し安定性が劣ることを示す。 *2: APB -- 1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、 *3: mBAP-- 4,4'- ビス(3- アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、 *4: BPTCA-- 3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物、 *5: PA -- 無水フタル酸、 *6: DMAC -- N,N-ジメチルアセトアミド、 *7: BAPP -- 2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、 *8: BAPS -- ビス(3-アミノフェニル)スルホキシド、 *9: BiPTCA- 3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、 *10:PMDA -- ピロメリット酸二無水物、
【0044】実施例7 実施例1と同様の反応容器に1,3-ビス(3-アミノフェノ
キシ)ベンゼン29.2g(0.1 モル)、γ−ピコリン0.93
g(0.01モル)、N-メチル-2- ピロリドン183.9 gを装
入し、窒素雰囲気下において、3,3',4,4'-ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物22.53 g(0.070 モル)、
3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物7.64g
(0.026 モル)を溶液温度の上昇に注意しながら、分割
して加え、室温で約20時間攪拌した。その後、無水フタ
ル酸1.18g(0.08モル)を加えた後、室温でさらに4時
間攪拌を続けた。かくして得られたポリアミド酸は35
℃、N−メチル−2−ピロリドン溶剤中、0.5 g/dl濃度
での対数粘度が0.49dl/gであった。ついで溶液を加熱し
てN-メチル-2- ピロリドンの還流温度で6時間加熱を続
け、約50gのN-メチル-2- ピロリドンを留去した。得ら
れたポリイミドの対数粘度は、0.5 dl/g であった。ま
た、得られたポリイミド溶液をポリイミドフィルム上に
出来上がりコート厚み15μmになるように塗布し、250
℃で加熱乾燥した後、lozの銅箔と銅箔の鏡沢面と重ね
合わせ、230 ℃、5kg/cm2に15分間加熱圧着した。得ら
れた試験片を用い、IPC-TM-650 method 2,4,9 に従って
90°剥離接着強度を測定したところ、1.95kg/cmであっ
た。 上記ポリイミド溶液を室温で保存したが、全く外
観上の変化はなかった。この保存後のポリイミド溶液を
用いて、同様にして試験片を作成して90°剥離接着強度
を測定したところ、1.95kg/cm であった。
【0045】実施例8 実施例1と同様の反応容器に1,3-ビス(3-アミノフェノ
キシ)ベンゼン29.2g(0.1 モル)、ピリジン0.79g
(0.01モル)、N−メチル−2−ピロリドン183.9 g、
3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物2
2.53 g(0.070 モル)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物7.64g(0.026 モル)、無水フタル
酸1.18g(0.08モル)、キシレン36.4gを加えた後、窒
素雰囲気下で180 ℃まで加熱し、この温度でさらに2時
間攪拌を続けた。この間約3ccの水の留去が確認され
た。かくして得られたポリイミドの対数粘度は、0.54dl
/gであった。また、得られたポリイミド溶液をポリイミ
ドフィルム上に出来上がりコート厚み15μmになるよう
に塗布し、250 ℃で加熱乾燥した後、lozの銅箔と銅箔
の鏡沢面と重ね合わせ、230 ℃、5kg/cm2で15分間加熱
圧着した。得られた試験片を用い、IPC-TM-650 method
2,4,9 に従って90°剥離接着強度を測定したところ、1.
98 kg/cmであった。上記ポリイミド溶液を室温で保存し
たが、全く外観上の変化はなかった。この保存後のポリ
イミド溶液を用いて、同様にして試験片を作成して90°
剥離接着強度を測定したところ、1.97 kg/cmであった。
【0046】比較例2 ピリジンを用いない以外は、実施例8と全く同様にして
ポリイミド溶液を得た。このポリイミドの対数粘度は0.
17dl/gであった。また全く同様にして試験片を作成して
90°剥離接着強度を測定したところ、0.35kg/cmと低い
ものであった。
【0047】実施例9 実施例8の3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物22.53g(0.070 モル)、3,3',4,4'-ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物7.64g(0.026 モル)を3,
3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物8.37
g(0.026 モル)と3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物20.58g(0.070 モル)に変更した外は、実
施例8と全く同様にしてポリイミド溶液を得た。このポ
リイミド溶液を用いて、実施例8と全く同様にして90°
剥離接着強度を測定したところ、1.85 kg/cmであった。
【0048】実施例10 実施例8の3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物22.53g(0.070 モル)、3,3',4,4'-ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物7.64g(0.026 モル)を3,
3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物27.6
8g(0.086 モル)、3,3',4,4'-ジフェニルエーテルテト
ラカルボン酸二無水物3.10g(0.010 モル)に変更した
以外は実施例8と全く同様にしてポリイミド溶液を得
た。このポリイミド溶液を用いて、実施例8と全く同様
にして90°剥離接着強度を測定したところ、1.87 kg/cm
であった。
【0049】以上の実施例7〜10および比較例2の原
料モノマー、末端封止剤の使用量、反応溶媒および結果
を表−2に纏めて示す。
【表2】
【0050】表-2において、 *1: 溶液の保存安定性を保存日数とその時の状態を示
す。○は殆ど変化がなく安定であることを示す。×は白
濁し安定性が劣ることを示す。 *2: APB -- 1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、 *4: BPTCA-- 3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物、 *5: PA -- 無水フタル酸、 *9: BiPTCA- 3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、 *11:NMP--- N-メチル-2- ピロリドン、
【0051】実施例11 実施例1と同様の反応容器に1,3-ビス(3-アミノフェノ
キシ)ベンゼン29.2g(0.1 モル)、γ−ピコリン0.93
g(0.01モル)、N−メチル−2−ピロリドン183.9 g
を装入し、窒素雰囲気下において、3,3',4,4'-ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物22.85 g(0.071 モ
ル)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
7.93g(0.027 モル)を溶液温度の上昇に注意しなが
ら、分割して加え、室温で約20時間攪拌した。その後、
無水フタル酸0.592g(0.004 モル)を加えた後、室温で
さらに4時間攪拌を続けた。かくして得られたポリアミ
ド酸は35℃、N−メチル−ピロリドン溶剤中、0.5 g/dl
濃度での対数粘度が0.91dl/gであった。ついで溶液を加
熱してN−メチル−2−ピロリドンの還流温度で6時間
加熱を続け、約50gのN−メチル−2−ピロリドンを留
去した。かくして得られたポリイミドの対数粘度は、0.
90dl/gであった。また、得られたポリイミド溶液をポリ
イミドフィルム上に出来上がりコート厚み15μmになる
ように塗布し、250 ℃で加熱乾燥した後、lozの銅箔
と銅箔の鏡沢面と重ね合わせ、230 ℃、5kg/cm2に15分
間加熱圧着した。得られた試験片を用い、IPC-TM-650 m
ethod 2,4,9 に従って90°剥離接着強度を測定したとこ
ろ、1.95 kg/cmであった。上記ポリイミド溶液を室温で
保存したが、全く外観上の変化はなかった。この保存後
のポリイミド溶液を用いて、同様にして試験片を作成し
て90°剥離接着強度を測定したところ、1.95 kg/cmであ
った。
【0052】比較例3 ピリジンを用いない以外は、実施例11の反応と全く同
様にして得られたポリイミド溶液を用い、また全く同様
にして試験片を作成して90°剥離接着強度を測定したと
ころ、0.35 kg/cmであった。
【0053】比較例4 実施例7の3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物22.53g(0.070 モル)、3,3',4,4'-ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物7.64g(0.026 モル)、無水
フタル酸 1.18 g(0.008 モル)を3,3',4,4'-ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物 21.24g(0.066 モ
ル)と3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
8.08g(0.0275モル)、無水フタル酸3.26g(0.022 モ
ル)に変更した外は、実施例7と全く同様にしてポリイ
ミド溶液を得た。このポリイミド溶液の対数粘度は1.19
dl/g であった。得られたポリイミド溶液を用いて、実
施例7と全く同様にして90°剥離接着強度を測定したと
ころ0.85kg/cm であった。
【0054】比較例5 実施例7の3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物 22.53g(0.070 モル)、3,3',4,4'-ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物 7.64 g(0.026 モル)、無水
フタル酸1.18g(0.008 モル)を3,3',4,4'-ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物23.17g(0.072モル)と3,
3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.08g
(0.0275モル)、無水フタル酸0.15g(0.001 モル)に
変更した外は、実施例7と全く同様にしてポリイミド溶
液を得た。このポリイミド溶液の対数粘度は1.89dl/
gであった。得られたポリイミド溶液を用いて、実施例
7と全く同様にして90°剥離接着強度を測定したところ
0.95kg/cmであった。上記ポリイミド溶液を室温で3日
間保存したが、ゲル化してしまい塗工不能であった。
【0055】実施例12 実施例11の3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物22.53g(0.070 モル)、3,3',4,4'-ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物7.64g(0.026 モル)を3,
3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物8.37
g(0.026 モル)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物20.58 (0.070 モル)に変更した以外は実
施例11と全く同様にしてポリイミド溶液を得た。この
ポリイミド溶液の対数粘度は0.57dl/gであった。こ
のポリイミド溶液を用いて、実施例11と全く同様にし
て90°剥離接着強度を測定したところ、1.85kg/cmであ
った。
【0056】実施例13 実施例11の3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物22.53g(0.070 モル)、3,3',4,4'-ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物7.64g(0.026 モル)を3,
3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物27.6
8g(0.086 モル)、3,3',4,4'-ジェニルエーテルテトラ
カルボン酸二無水物3.10g (0.010 モル)に変更した以
外は実施例11と全く同様にしてポリイミド溶液を得
た。このポリイミド溶液の対数粘度は0.55dl/gであ
った。このポリイミド溶液を用いて、実施例11と全く
同様にして90°剥離接着強度を測定したところ、1.87kg
/cmであった。
【0057】以上の実施例11〜13および比較例3〜
5の原料モノマー、末端封止剤の使用量、反応溶媒およ
び結果を表−3に纏めて示す。
【表3】
【0058】表-3において、 *1: 溶液の保存安定性を保存日数とその時の状態を示
す。○は殆ど変化がなく安定であることを示す。×は白
濁し安定性が劣ることを示す。 *2: APB -- 1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、 *4: BPTCA-- 3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物、 *5: PA -- 無水フタル酸、 *9: BiPTCA- 3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、 *11:NMP--- N-メチル-2- ピロリドン、
【0059】実施例14〜33および比較例6 表−4〜6に示す各種のジアミン成分、テトラカルボン
酸二無水物を末端封止剤および有機塩基の不存在下また
は存在下、有機溶剤中で反応させ接着剤溶液を得た。得
られた溶液の保存安定性と接着性を表−4〜6に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】表-4〜6 において、 *1: 溶液の保存安定性を保存日数とその時の状態を示
す。○は殆ど変化がなく安定であることを示す。×は白
濁し安定性が劣ることを示す。 *2: APB -- 1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、 *3: mBAP-- 4,4'- ビス(3- アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、 *4: BPTCA-- 3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物、 *5: PA -- 無水フタル酸、 *6: DMAC -- N,N-ジメチルアセトアミド、 *7: BAPP -- 2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、 *8: BAPS -- ビス(3-アミノフェニル)スルホキシド、 *9: BiPTCA- 3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、 *10:PMDA -- ピロメリット酸二無水物、 *11:NMP--- N-メチル-2- ピロリドン、 *12:DPETCA--ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無
水物、 *13:NTCA --ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、 *14:BCSTCA -ビス(ジカルボキフェニル)スルホン二無
水物、 *15:BCPTCA--ビス(ジカルボキシフェニル)プロパン二
無水物、 *16:BPBTCA--ビス(ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン
二無水物、 *17:HFPTCA--ビス(ジカルボキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン二無水物、
【0064】
【発明の効果】本発明の接着剤溶液は保存安定性に優
れ、しかも接着強度も良好であり、また、被着体として
銅箔とポリイミドフィルムを用いた場合、その90°剥離
接着強度が良好であり工業的に極めて価値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−321719 (32)優先日 平5(1993)12月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 及川 英明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用するジアミン成分の総量1モルに対
    して、0.1 〜0.9 モルの1,3 -ビス(3-アミノフェノキ
    シ)ベンゼンおよび0.5 〜0.1 モルの他のジアミンを含
    むジアミン成分と、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
    無水物をテトラカルボン酸二無水物成分として、有機溶
    媒中でジカルボン酸無水物および/またはモノアミノ化
    合物の存在下に加熱反応させて得られるポリイミド共重
    合体を含有する耐熱性接着剤溶液。
  2. 【請求項2】 1,3 −ビス(3-アミノフェノキシ)ベン
    ゼンをジアミン成分とし、ピロメリット酸二無水物、ベ
    ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテ
    トラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカ
    ルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水
    物、ビス(ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
    ビス(ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス
    (ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物およびビ
    ス(ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二
    無水物からなる群から選ばれた少なくとも2種のテトラ
    カルボン酸二無水物であり、かつそのうちの1種が当該
    テトラカルボン酸二無水物の総量1モルに対して0.02〜
    0.98モルの範囲の量である少なくとも2種のテトラカル
    ボン酸二無水物をテトラカルボン酸二無水物成分とし
    て、有機溶媒中でジカルボン酸無水物および/またはモ
    ノアミノ化合物の存在下に加熱反応させて得られるポリ
    イミド共重合体を含有する耐熱性接着剤溶液。
  3. 【請求項3】 テトラカルボン酸二無水物成分の総量1
    モルに対し、0.8 〜1.20モルのジアミン成分を使用する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の耐熱性接着剤
    溶液。
  4. 【請求項4】 テトラカルボン酸二無水物成分の総量1
    モルに対し、0.001〜0.20モルのジカルボン酸無水物お
    よび/またはモノアミノ化合物を使用することを特徴と
    する請求項1ないし3記載の耐熱性接着剤溶液。
  5. 【請求項5】 有機塩基触媒共存下に加熱反応させるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4記載の耐熱性接着剤溶
    液。
  6. 【請求項6】 有機塩基触媒が、テトラカルボン酸二無
    水物成分の総量1モルに対し、0.001 〜0.50モルの範囲
    の使用量であることを特徴とする請求項5記載の耐熱性
    接着剤溶液。
  7. 【請求項7】 ポリイミド共重合体の対数粘度が0.2 〜
    1.5 dl/gである請求項1ないし6記載の耐熱性接着剤溶
    液。
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JP32171993 1993-12-21
JP5-217154 1993-12-21
JP5-129012 1993-12-21
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302003A (ja) * 2007-06-15 2007-11-22 Mitsui Chemicals Inc ポリイミド金属箔積層板及びその製造方法
JP2008045054A (ja) * 2006-08-18 2008-02-28 New Japan Chem Co Ltd 脂環系ポリイミド共重合体及びその製造方法
KR20190126942A (ko) * 2005-07-26 2019-11-12 크나우프 인설레이션, 인크. 접착제 및 이들로 만들어진 물질
CN115838580A (zh) * 2022-11-22 2023-03-24 浙江中科玖源新材料有限公司 一种聚酰亚胺粘结剂及其制备方法、应用

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