JP2007302003A - ポリイミド金属箔積層板及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミド金属箔積層板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】平板性及び金属箔と熱可塑性ポリイミド層との密着性が良好で、且つ、接着層にマイクロボイドの無い、高密度回路基板材料に適するポリイミド金属積層体を提供する。
【解決手段】非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層が形成され、該熱可塑性ポリイミド層の表面に金属箔が積層されたポリイミド金属箔積層板であって、熱可塑性ポリイミドと接合する金属箔の表面の最大粗度が3.0μm以下であり、且つ、中心線平均粗度が0.35μm以下であるポリイミド金属箔積層板。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミド金属箔積層板及びその製造方法に関する。詳しくは、平板性及び金属箔と熱可塑性ポリイミド層との密着性が良好で、しかもマイクロボイドの無い、高密度回路基板材料に適するポリイミド金属箔積層板及びその製造方法に関する。
ポリイミド金属箔積層板は、主として回路基板材料として使用され、プリント配線板用基材、一体型サスペンション基材、ICパッケージ用配線基材、面状発熱体、LCD用配線基材等に用いられている。近年、電子機器が小型化、高密度化されるに伴い、部品・素子の高密度実装が可能な、ポリイミド金属箔積層板の利用が増大している。更に、高密度化の為、回路パターンの回路の線の幅が10〜50μmとなる微細化が図られ、これを適するポリイミド金属箔積層板が望まれていた。
従来、ポリイミド金属箔積層板の製造方法として、金属箔上にポリイミド前駆体であるポリイミドワニス、及び/又はポリアミック酸ワニスを直接塗布・乾燥・キュアする方法が知られている。しかしながら、直接塗布・乾燥・キュアした場合、溶媒乾燥時及びキュア時の熱収縮により、ポリイミド金属箔積層体にしわ、波打ち、反り等が発生し、回路基板材料として満足できるものではなかった。そこで、しわ、波打ち、反り等のないポリイミド金属積層体の製造方法が提案されている。
例えば、特開平7−193349号公報には、非熱可塑性ポリイミド基材上に熱可塑性ポリイミドワニス及び/又は熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸ワニスを直接塗布・乾燥・キュアを行い熱可塑性ポリイミド層を形成し、次いで、熱可塑性ポリイミド層の表面に金属箔を加熱圧着するポリイミド金属積層体の製造方法が開示されている。該方法により得られるポリイミド金属積層体は、しわ、波打ち、カール等の欠陥がなく、金属箔とポリイミド層とのピール強度が充分に強く、回路基板材料として優れたポリイミド金属積層体である。しかしながら、金属箔と熱可塑性ポリイミド層との間に直径10〜50μm程度のマイクロボイドが存在することがあり、微細な回路パターンを形成する高密度回路基板材料としては必ずしも満足できるものではなかった。
特開平7−193349号公報
本発明の目的は、上記問題に鑑み、平板性及び金属箔と熱可塑性ポリイミド層との密着性が良好で、且つ、接着層にマイクロボイドの無い、高密度回路基板材料に適するポリイミド金属積層板、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、非熱可塑性ポリイミド層、熱可塑性ポリイミド層及び金属箔を順次積層されたポリイミド金属積層板において、金属箔の表面粗度に着目し、中心線平均粗度が0.35μm以下であり、且つ、最大粗度が3.0μm以下である金属箔を用い、その表面と熱可塑性ポリイミド層とを積層することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明は、非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層が形成され、該熱可塑性ポリイミド層の表面に金属箔が積層されたポリイミド金属箔積層板であって、熱可塑性ポリイミドと接合する金属箔の表面の最大粗度が3.0μm以下、中心線平均粗度が0.35μm以下であるものを選定して用い、且つ、前記熱可塑性ポリイミド層が熱可塑性ポリイミド又はその前駆体であるポリアミック酸を含むワニスを塗布、乾燥、キュアして形成されたものであることを特徴とするポリイミド金属箔積層板である。
本発明に係わる上記ポリイミド金属箔積層板は、非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱可塑性ポリイミドまたは該熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含むワニスを塗布し、60〜600℃において乾燥・キュアして熱可塑性ポリイミド層を形成し、さらに熱可塑性ポリイミド層の表面に、最大粗度が3.0μm以下であり、且つ、中心線平均粗度が0.35μm以下である金属箔を選定して用い、150〜600℃において熱圧着することにより製造される。
上記製造方法の好ましい方法として、上記方法により熱可塑性ポリイミド層を形成した後、熱可塑性ポリイミド層の表面に該熱可塑性ポリイミド層に対する粘着力が0.1〜50g/cmである保護フィルムを貼付して巻芯に巻き、次いで、巻芯から巻きして保護フィルムを剥離して熱可塑性ポリイミド層を露出させ、該層に金属箔を熱圧着する方法が挙げられる。
本発明によれば、しわ、すじ、反り、カール等のない平板性が良好なポリイミド金属箔積層板が得られる。また、金属箔と熱可塑性ポリイミド層との密着性が良好で、ピール強度の高いポリイミド金属箔積層板が得られる。さらに、熱可塑性ポリイミド層と金属箔の間にボイドの無いポリイミド金属箔積層板が得られる。そのため、本発明のポリイミド金属箔積層板は、特に、高密度回路基板材料として好適に使用される。
尚、本発明における金属箔表面の最大粗度、及び中心線平均粗度は、後述の実施例に記載した方法により測定した値である。その他の特性の測定方法も実施例に記載する。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のポリイミド金属箔積層板は、非熱可塑性ポリイミド層の片面または両面に熱可塑性ポリイミドまたは該熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含むワニスを塗布し、乾燥・キュアして熱可塑性ポリイミド層を形成し、さらに熱可塑性ポリイミド層の表面に、特定の表面粗度を有する金属箔の該面を熱圧着することにより製造される。
本発明で使用する金属箔としては、銅及び銅合金、ステンレス鋼及びその合金、ニッケル及びニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム及びアルミニウム合金等が挙げられる。好ましくは銅及び銅合金である。また、これらの金属表面に防錆層や耐熱層(例えば、クロム、亜鉛などのメッキ処理)などを形成したものも利用できる。
熱可塑性ポリイミド層と接合する面の金属箔の表面粗度は、ポリイミド金属箔積層板の性能に大きな影響を及ぼす。表面粗度が大きいと、熱可塑性ポリイミド層と金属箔との層間にボイドが生成し易くなり、高密度回路基板の形成用材料として好ましくない。本発明では、かかる観点から、熱可塑性ポリイミド層と接合する側の金属箔の表面粗度の最大粗度(以下、Rmaxという)が3.0μm以下であり、且つ、中心線平均粗度(以下、Raという)が0.35μm以下である金属箔を選定して使用する。
金属箔層の厚みは、テープ状に利用できる厚みであれば制限はないが、9〜150μmが好ましく利用できる。市販の金属箔としては、例えば、オーリン社製、商品名:C7025(銅・ニッケル合金、圧延箔)、三井金属株式会社製、商品名:SQ−VLP(電解銅箔)等が挙げられる。
熱可塑性ポリイミド層を形成する熱可塑性ポリイミドとしては、特定のジアミンと特定のテトラカルボン酸二無水物から合成される組成物が利用できる。特定のジアミンとして、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、APBと略す)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル(以下、m−BPと略す)及び3,3’−ジアミノベンゾフェノン(以下、DABPと略す)から選ばれた少なくとも一種のジアミンが好ましい。
特定のテトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(以下、ODPAと略す)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAと略す)、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAと略す)及び、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと略す)から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
言い換えれば、本発明の熱可塑性ポリイミドは、APB、m−BP、DABPからなるジアミン群から選ばれる少なくとも一種のジアミン成分と、ODPA、BTDA、PMDA及びBPDAからなる群から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物成分を用いて得られる重縮合ポリマーである。ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分の反応モル比は、通常、0.75〜1.25の範囲であり、好ましくは、0.8〜1.2の範囲である。
上記したジアミンの一部を他のアミン化合物で代替えすることができる。他のアミン化合物としては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4'−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用しても良い。他のアミン化合物による代替え量は、通常、前記したジアミンの0〜50モル%の範囲である。
上記した特定のテトラカルボン酸二無水物は他のテトラカルボン酸二無水物と併用してもよい。他のテトラカルボン酸二無水物として、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニルスルホン)二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用できる。併用する他のテトラカルボン酸の代替え量は、通常、前記した特定のテトラカルボン酸の0〜50モル%の範囲である。
熱可塑性ポリイミド層を形成する熱可塑性ポリイミドのポリマー末端を封止する目的でジカルボン酸無水物を添加しても良い。使用されるジカルボン酸無水物としては、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカロボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
これらのジカルボン酸無水物はアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されてもよい。ジカルボン酸無水物の添加量は、通常、主原料である上記特定のジアミン、これと併用する他のアミン化合物、上記特定のテトラカルボン酸二無水物、及び、これと併用する他のテトラカルボン酸二無水物の合計量100モルに対して0.001〜0.5モルの範囲、好ましくは0.005〜0.25モルの範囲である。
同様に、熱可塑ポリイミドのポリマー末端を封止する目的でモノアミンを添加してもよい。使用されるモノアミンとしては、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ニトロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アニリジン、m−アニリジン、p−アニリジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノベンツアルデヒド、m−アミノベンツアルデヒド、p−アミノベンツアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェノールフェニルエーテル、3−アミノフェノールフェニルエーテル、4−アミノフェノールフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェノールフェニルスルフィド、3−アミノフェノールフェニルスルフィド、4−アミノフェノールフェニルスルフィド、2−アミノフェノールフェニルスルホン、3−アミノフェノールフェニルスルホン、4−アミノフェノールフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。
これらのモノアミンは単独でまたは2種以上組み合わせて使用しても良い。モノアミンの添加量は、通常、主原料である上記特定のジアミン、これと併用される他のアミン化合物、上記特定のテトラカルボン酸二無水物、及び、これと併用される他のテトラカルボン酸二無水物の合計100モルに対して0.001〜0.5モルの範囲、好ましくは0.005〜0.25モルの範囲である。
非熱可塑ポリイミド層を形成する非熱可塑ポリイミドは、特定のジアミンと特定のテトラカルボン酸二無水物から合成される組成物が利用できる。特定のジアミンとして、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。これらは、単独または2種類以上使用しても良い。また、前記のアミン化合物を併用してもよい。前記のアミン化合物を併用する場合、特定のジアミン成分の使用量は、少なくとも70モル%、好ましくは80モル%以上である。
特定のテトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸等が挙げられる。これらは、単独または2種類以上使用しても良い。また、前記の他のテトラカルボン酸二無水物を併用することもできる。他のテトラカルボン酸二無水物を併用する場合、特定のテトラカルボン酸の使用量は、少なくとも70モル%、好ましくは80モル%以上である。
言い換えると、本発明に使用できる非熱可塑性ポリイミドは、前記の特定のジアミン成分の少なくとも一種を少なくとも70モル%を含むジアミン成分と特定のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一種を少なくとも70モル%を含むテトラカルボン酸二無水物を用いて得られる重縮合ポリマーである。ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分の反応モル比は、通常、0.75〜1.25の範囲であり、好ましくは0.8〜1.2の範囲内である。
また、非熱可塑性ポリイミドとして市販の非熱可塑性ポリイミドフィルムが使用できる。例えば、ユーピレックスS、ユーピレックスSGA、ユーピレックスMGA(宇部興産株式会社製、商品名)、カプトンH、カプトンV、カプトンE、カプトンENZT(東レ・デュポン株式会社製、商品名)、アピカルAH、アピカルNPI、アピカルHP(鐘淵化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。非熱可塑性ポリイミドの表面はプラズマ処理、コロナ放電処理等を施してもよい。
熱可塑性ポリイミド層の厚みは、目的により選択され制限はないが、0.5〜10μmの範囲が好適である。非熱可塑性ポリイミド層の厚みは、目的により制限はないが、5〜250μmの範囲が好適に利用できる。
本発明のポリイミド金属箔積層板の製造方法について更に詳細に述べる。本発明の方法は、非熱可塑性ポリイミド基体の片面または両面に熱可塑性ポリイミド層を形成し、該熱可塑性ポリイミド層を接着層とする。熱可塑性ポリイミド層に金属箔の表面の表面粗度が最大粗度が3.0μm以下であり、且つ、中心線平均粗度が0.35μm以下である金属箔を選択して用い、これを熱圧着する方法で製造できる。
ここで、非熱可塑性ポリイミド基体の片面または両面に熱可塑性ポリイミド層を形成する方法、すなわち、接着テープの製造方法について詳細に説明する。非熱可塑性ポリイミド基体上に熱可塑性ポリイミドの溶液、または該熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液(以下、これらを総称してワニスという)を直接塗布・乾燥・キュアすることにより製造することができる。ワニスは、前記の特定のジアミンとテトラカルボン酸二無水物を溶媒中で重合して得られた溶液である。
塗布の作業性を考慮すると、ワニス中のポリアミック酸またはポリイミドの含有率は5〜70重量%が好ましい。また25℃での粘度は1〜100,000cpsが好ましい。利用する溶媒としては、ポリアミック酸またはポリイミドが安定に存在し得る溶媒であればどの溶媒も利用できる、例えば、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N,N−ジメチルイミダソリジノン、ヘキサメチルホスフォルアミド等が挙げられる。これらは単独でも混合物でも利用できる。
非熱可塑性ポリイミド基体上に直接塗布する方法としては、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビヤコーター、同時ダイコーター、カーテンコーター、ドクターブレードコーター、スプレーコーター等の公知の方法が採用できる。塗布する厚み、ワニスの粘度等に応じて適宜利用できる。
塗布したワニスを乾燥・キュアする方法は、通常の加熱乾燥炉が利用できる。乾燥炉の雰囲気としては、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用でき、乾燥・キュアの温度としては、溶媒の沸点により適宜選択するが、60〜600℃の温度範囲が好適に利用される。乾燥・キュアの時間は、厚み、濃度、溶媒の種類により適宜選択するが0.05〜500分程度で行うことが望ましい。
非熱可塑性ポリイミド基体上に熱可塑性ポリイミド層が形成された積層体(以下、接着テープという)は、通常、巻芯にロール状に巻かれる。その場合、接着テープにしわ、すじ等が発生し易い。これを防止するために、熱可塑性ポリイミド層の表面に保護フィルムを貼付することが好ましい。保護フィルムとしては、弱粘着性を有する保護フィルムが好ましい。保護フィルムの粘着力が弱いと、巻取り工程において剥離することがあり、巻しわ、折れ、すじ等の発生を防止する効果が低下する。また、強すぎると、保護フィルムが剥離し難くなり、接着テープの破れ等、すじ、しわが発生する原因となることがある。かかる点を考慮すると、熱可塑性ポリイミド層に対する粘着力が0.1〜50g/cmの範囲にあることが好ましい。保護フィルムの厚みは、10〜100μmの範囲にあるものが好ましい。
保護フィルムの基材としては、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等が使用できる。これらのフィルム用樹脂の成分を多層成形した多層フィルムも使用できる。上記の粘着力を示すものは、フィルム単体として使用できる。市販のフィルムとして、例えば、サニテクトPAC2、サニテクトPAC4(サンエー化研株式会社製、商品名)、MF1(三陽化成株式会社製、商品名)等が挙げられる。
また、上記単層または多層フィルムの表面に弱粘着性の粘着剤層を形成したフィルムも好適に使用できる。粘着剤成分には特に制限はないが、アクリル系粘着剤、ウレタン粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、シリコン系粘着剤が挙げられる。好ましくはアクリル系粘着剤である。市販のフィルムとして、例えば、三井マスキングT555(三井東圧プラテック株式会社製、商品名)が挙げられる。
次いで、接着テープの熱可塑性ポリイミド層の表面に金属箔を熱圧着する方法について述べる。熱圧着する前に保護フィルムを剥離して熱可塑性ポリイミド層を露出させる。熱圧着する方法について制限はないが、例えば、代表的方法として、加熱プレス法及び/又は熱ラミネート法が挙げられる。加熱プレス法としては、例えば、接着テープと金属箔をプレス機の所定のサイズに切り出し、重ねあわせを行い加熱プレスにより熱圧着することにより製造できる。加熱温度としては、150〜600℃の温度範囲が好ましい。更に好ましくは240〜400℃の温度範囲で製造できる。加圧力としては、制限はないが、好ましくは0.1〜500kg/cmで製造できる。加圧時間としては、好ましくは0.05〜5000分の時間範囲が好ましい。また、圧力を平坦化する目的で、鏡面板、クッション材を挟み込むことも好ましい。クッション材としては、シリコンゴムシート、キンヨウボート(キンヨウ社製)を使用することも好ましい。また、熱プレス前に60〜200℃の温度範囲で、1〜5000分の時間範囲で乾燥することも好ましい。
ラミネート方法としては、特に制限はないが、ロールとロール間に挟み込み貼り合わせを行う方法が好ましい。ロールは、金属ロール、ゴムロール等が利用できる。材質に制限はないが、金属ロールとしては、鋼材やステンレス材料が使用される。表面にクロムメッキ等で処理されたロールを使用することが好ましい。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性のあるシリコンゴム、フッソ系ゴムを使用することが好ましい。ラミネート温度としては、100〜300℃の温度範囲が好ましい。加熱方式は、ロールを加熱炉内に設置し、外部から加熱する加熱方式、または、ロール内部に熱媒体を通し内部から加熱する方式のどちらでも好ましい。また、両者併用することでも好ましい。加熱方式は、前記の伝導加熱方式の他、遠赤外等の輻射加熱方式、誘導加熱方式等も利用できる。
熱ラミネート時にロールからの汚染を防止する為に、離型フィルムを同時にラミネートすることも好ましい。離型フィルムとしては、耐熱性があり剥離性に優れていればどの様なフィルムでも利用できる。ポリイミドフィルム、アラミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム等が好ましい。
熱ラミネート後、加熱アニールすることも好ましい。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等が利用できる。加熱雰囲気として、空気、イナートガス(窒素、アルゴン等)等が利用できる。加熱方法としては、フィルムを連続的に加熱する方法またはフィルムをコアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射加熱方式、及びこれらの併用方式等が好ましい。加熱温度は、200〜600℃の温度範囲が好ましい。加熱時間は、0.05〜5000分の時間範囲が好ましい。
本発明により提供されるポリイミド金属箔積層板は、平板性に優れ、また金属箔と熱可塑性ポリイミド層との層間にマイクロボイドが無く、接着力に優れることから、打ち抜き、エッチング、穴あけ、メッキ等の加工を行い10〜50μmの微細回路を形成しても、剥がれ等の問題の無い電子部品として高密度実装加工が可能となる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。尚、実施例に示した熱可塑性ポリイミド層表面の最大粗度、中心線平均粗度、及びマイクロボイド面積比率、ポリイミド金属箔積層板の平板性、熱可塑性ポリイミド層と金属箔層とのピール強は、下記方法により測定した。
(1)最大粗度(Rmax)、中心線平均粗度(Ra)
表面粗度計(小坂研究所製、形式:サーフコーダーSE−30D)を用いて、JIS B−0601に規定される方法に従い、カットオフ値0.25mm、測定長さ2mmとして測定する。
(2)マイクロボイド面積比率(%)
一辺が100mmの正方形の試料の金属箔を塩化第二鉄溶液を用いて全面エッチングした後、熱可塑性ポリイミド層の表面を光学顕微鏡(倍率:100倍)で観察し、未接着部位と観察される部分の面積を画像解析により算出し、面積比率で示す。
(3)平板性(mm)
一辺が300mmの正方形の試料を定磐上に載せて定磐からの反りの最大距離を測定する。
(4)ピール強度(kg/cm)
長さ100mm、幅2mmの試料について、JIS C−6471に規定される方法に従って、短辺の端から金属箔と熱可塑性ポリイミド層を剥離し、その応力を測定する。剥離角度を90度、剥離速度を50mm/minとした。但し、比較例2は金属箔と非熱可塑性ポリイミド層との剥離応力を測定する。
合成例1
<熱可塑性ポリイミド前駆体の合成>
ジアミン成分としてAPBを10モルとテトラカルボン酸成分としてBTDAを9.7モル秤量し、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中で混合した。混合温度及び混合時間は、23℃、4時間であった。また、混合時の固形分濃度は15重量%で実施した。得られたポリアミック酸ワニスの粘度は、25℃において300cpsであり、塗工に適したものであった。
合成例2
<熱可塑性ポリイミド前駆体の合成>
ジアミン成分としてAPBを10モルとテトラカルボン酸成分としてBPDAを9.7モル秤量し、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中で混合した。混合温度及び混合時間は、23℃、4時間であった。また、混合時の固形分濃度は15重量%で実施した。得られたポリアミック酸ワニスの粘度は、25℃において300cpsであり、塗工に適したものであった。
合成例3
<熱可塑性ポリイミド前駆体の合成>
ジアミン成分としてm−BPを10モルとテトラカルボン酸成分としてBPDAを4.9モル及びPMDAを4.9モルを秤量し、N−メチルピロリドン溶媒中で混合した。混合温度及び混合時間は、23℃、4時間であった。また、混合時の固形分濃度は、23重量%で実施した。得られたポリアミック酸ワニスの粘度は、25℃において20000cpsであり、塗工に適したものであった。
合成例4
<非熱可塑性ポリイミド前駆体の合成>
ジアミン成分として、PPDを7.7モル、ODAを1.15モル、m−BPを1.15モルを秤量した。テトラカルボン酸成分として、BPDAを5.4モル、PMDAを4.45モルを秤量した。N,N−ジメチルアセトアミドとN−メチル−2−ピロリドン混合溶媒に溶解し混合した。溶媒の比率は、前者23重量%、後者77重量%であった。反応温度と反応時間は、23℃、6時間であった。また、反応時の固形分濃度は、20重量%である。得られたポリアミック酸ワニスの粘度は、25℃において20000cpsであり、塗工に適したものであった。
実施例1
<接着テープの製造>
非熱可塑性ポリイミド層として、市販のポリイミドフィルム(鐘淵化学工業株式会社製、商品名:アピカルNPI、厚み:12.5μm)を用い、その両面にコータードライヤー装置を用いて、合成例1のポリアミック酸ワニス塗布し、乾燥・キュアを行って、非熱可塑性ポリイミド層の表裏両面に熱可塑性ポリイミド層を形成した。塗布には、リバースロールコーターを使用し、塗布厚みは、乾燥・キュア後の厚みで2μmであった。乾燥・キュアの最高温度は270℃で行った。
尚、熱可塑性ポリイミド層を形成した後、その一方の表面に市販の弱粘着性保護フィルム(株式会社サンエー化研製、商品名;サニテクトPAC2、粘着力:3g/cm、厚み:70μm)のラミネートを実施し、保護フィルム付き接着テープとした。ラミネートの方法としては、クロムメッキ処理した金属ロールとゴムロールに挟む方法で実施した。ラミネート温度は23℃で行った。ラミネートを実施した後、巻芯に巻取った。得られた接着テープにしわ、すじ等が認められなかった。
<加熱圧着の実施>
金属箔として、市販の銅合金箔〔オーリン社製、商品名:C7025(特注銘柄)、厚み:18μm、熱可塑性ポリイミド層側の表面最大粗度(Rmax):1.8μm、中心線平均粗度(Ra):0.18μm〕を使用した。接着テープの熱可塑性ポリイミド層から保護フィルムを剥離し、保護フィルムの両面に一辺が300mmの正方形の銅合金を重ね合わせたものを20セット重ね合わせ、それをクッション材(金陽社製、商品名:キンヨーボードF200)で挟み、更にその外側を鏡面板で挟み、加熱プレス機にて245℃、75kg/cm2 の条件下で、1時間加熱圧着して銅合金箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド/銅合金箔の5層からなるポリイミド金属箔積層板を製造した。
<金属箔積層板の評価>
得られたポリイミド金属箔積層板の評価を上記方法により実施した。その結果、平板性(反り量)は0.5mmで良好であった。マイクロボイドの評価を実施した結果、銅合金箔の表面と同一の表面状態が観察され、マイクロボイドが形成された形跡は見られなかった。画像解析によるマイクロボイド面積比率は0%であった。ピール強度は1.3kg/cmであった。以上の評価結果から、回路基板用材料として適した材料であった。結果を〔表1〕に示す。
実施例2
<接着テープの製造>
非熱可塑性ポリイミド層として、市販のポリイミドフィルム(宇部興産株式製、商品名:ユーピレックスSGA、厚み:50μm)を用い、その両面に合成例2のポリアミック酸ワニスを塗布した以外、実施例1と同様にして接着テープを製造した。
<ラミネートの実施>
金属箔は実施例1と同様の銅合金箔を用いた。接着テープから保護フィルムを剥離して熱可塑性ポリイミド層を露出させ、両面が銅合金箔となるように、銅合金箔、接着テープ、銅合金箔の順に重ね合わせ熱ラミネートを実施し、銅合金箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド/銅合金箔の5層からなるポリイミド金属箔積層板を製造した。熱ラミネートは、シリコンゴムラミネートロールを使用し、ロール内部加熱及び外部加熱併用方式のラミネート機を使用した。ラミネートロールの表面温度を240℃に加熱した。
<アニールの実施>
5層からなるポリイミド金属箔積層板をバッチ式オートクレーブ中でアニールを実施した条件は、温度280℃において、4時間、窒素ガス雰囲気中で行なった。
<ポリイミド金属箔積層板の評価>
実施例1と同様にして評価した。その結果、平板性(反り)は1mmであった。また、マイクロボイドの評価では銅合金箔の表面と同一の形状が観察され、ボイドは見られなかった。画像解析によるボイド面積は0%であった。ピール強度は、両面とも1.7kg/cmであった。以上の評価の結果、高密度回路基板材料として適した材料であった。結果を〔表1〕に示す。
実施例3
<接着テープの製造>
非熱可塑性ポリイミド基材として、市販の非熱可塑性ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、商品名:ユーピレックスSGA、厚み:50μm)を使用し、その片面に合成例3の熱可塑性ポリイミド前駆体ワニスを塗布し、熱可塑性ポリイミド層の厚みを5μmとし、乾燥・キュアの最高温度を300℃とした以外、実施例1と同様にして接着テープを製造した。
<ポリイミド金属箔積層板の製造>
金属箔として、市販の銅箔〔三井金属株式会社製、商品名:SQ−VLP、厚み:12μm、熱可塑性ポリイミド層側の最大表面粗度(Rmax)2.5μm、中心線平均粗度(Ra)0.34μm〕を使用した。接着シートから保護フィルムを剥離し、熱可塑性ポリイミド層を露出させ、それに金属箔を重ねあわせ、温度290℃で実施例1と同様の方法で熱圧着し、銅箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミドの3層からなるポリイミド金属箔積層板を製造した。
<ポリイミド金属箔積層板の評価>実施例1と同様にして評価した。その結果、平板性(反り)は1mmであった。マイクロボイドの評価の結果、銅箔表面形状と同一の形状が観察され、画像解析の結果は、マイクロボイドが0.5%であった。ピール強度は2.1kg/cmであった。以上の結果から、高密度回路基板材料として適した材料であった。結果を〔表1〕に示す。
比較例1
<接着テープの製造>
実施例1と同様の方法で接着テープを製造した。
熱圧着の実施
市販の銅箔〔日本電解株式会社製、商品名:SLP−18、厚み:18μm、熱可塑性ポリイミド層側の表面粗度、Rmax:4.5μm、Ra:0.4μm〕を使用した以外、実施例1と同様の方法で熱圧着を実施し、銅箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド/銅箔の5層からなるポリイミド金属箔積層板を製造した。
<ポリイミド金属箔積層板の評価>
実施例1と同様にして評価した。その結果、平板性(反り)0.5mmであった。また、マイクロボイドの評価を実施したところ、エッチングした熱可塑性ポリイミドフィルム表面全体に10〜50μm程度のボイドの痕跡が観察された。画像処理装置によりボイドの痕跡の面積比率を算出した結果、22%であった。ピール強度は、両面とも1.5kg/cmであった。以上の評価結果から、ボイドが多く、微細回路を必要とする高密度回路基板材料としては不適当な材料であった。結果を〔表1〕に示す。
比較例2
<ポリイミド金属箔積層板の製造>
比較例1で用いた銅箔の片面に合成例4の非熱可塑性ポリイミドを塗工・乾燥・キュアを行い、厚みが50μmの非熱可塑性ポリイミド層を形成した。乾燥・キュアの最高温度は、400℃で実施した。
<ポリイミド金属箔積層板の評価>
実施例1と同様にして評価した。その結果、平板性(反り)は10mmであった。また、マイクロボイドの評価を実施したところ、銅箔の表面と同一の形状が観察され、ボイドの痕跡は見られなかった。画像解析による評価結果もマイクロボイドは0%であった。ピール強度の評価を実施した結果、0.5kg/cmであった。以上の評価の結果、反りが大きく、またピール強度が低いことから、微細回路を必要とする高密度回路基板材料として不適当な材料であった。結果を〔表1〕に示す。
比較例3
<ポリイミド金属箔積層板の製造>
金属箔として、市販の銅合金箔〔オーリン社製、商品名:C7025(普通銘柄)、厚み:18μm、熱可塑性ポリイミド層側の表面最大粗度(Rmax):3.2μm、中心線平均粗度(Ra):0.28μm〕を使用した以外、実施例1と同様にして、銅合金箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド/銅合金箔の5層からなるポリイミド金属箔積層板を製造した。
<ポリイミド金属箔積層板の評価>
実施例1と同様にして評価した。その結果、平板性(反り)は0.5mmであった。また、マイクロボイドの評価を実施したところ、エッチングにより露出した熱可塑性ポリイミド層の表面全体に10〜50μm程度のボイドの痕跡が観察された。画像解析による評価結果はマイクロボイドの面積比率は5%であった。ピール強度は両面共に1.3kg/cmであった。以上の結果、マイクロボイドが多く、微細回路を必要とする高密度回路基板材料として不適当な材料であった。結果を〔表1〕に示す。
Figure 2007302003
本発明のポリイミド金属箔積層板は、平板性、密着性に優れ、金属箔と熱可塑性ポリイミド層との間にマイクロボイドの無い優れた積層板である。そのため、微細回路を必要とする、プリント配線板、一体型サスペンション、ICパッケージ、面状発熱体、LCD配線板等の高密度回路の配線材料として有効に利用できる。

Claims (10)

  1. 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層が形成され、該熱可塑性ポリイミド層の表面に金属箔が積層されたポリイミド金属箔積層板であって、熱可塑性ポリイミドと接合する金属箔の表面の最大粗度が3.0μm以下、中心線平均粗度が0.35μm以下であるものを選定して用い、且つ、前記熱可塑性ポリイミド層が熱可塑性ポリイミド又はその前駆体であるポリアミック酸を含むワニスを塗布、乾燥、キュアして形成されたものであることを特徴とするポリイミド金属箔積層板。
  2. 非熱可塑性ポリイミド層の厚みが5〜250μmである請求項1記載のポリイミド金属箔積層板。
  3. 熱可塑性ポリイミドが、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル及び3,3’−ジアミノベンゾフェノンからなる群から選ばれた少なくとも一種のジアミンと、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物及び3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれた少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物から合成され、その厚みが0.5〜10μmである請求項1記載のポリイミド金属箔積層板。
  4. 金属箔が、銅、ニッケル、アルミニウム及びステンレス鋼、並びにそれらの合金からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属であり、その厚みが9〜150μmである請求項1記載のポリイミド金属箔積層板。
  5. マイクロボイド面積比率が、1%以下である請求項1記載のポリイミド金属箔積層板。
  6. 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱可塑性ポリイミドまたは該熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含むワニスを塗布し、60〜600℃において乾燥・キュアして熱可塑性ポリイミド層を形成し、さらに熱可塑性ポリイミド層の表面に、最大粗度が3.0μm以下であり、且つ、中心線平均粗度が0.35μm以下である金属箔を選定して用い、150〜600℃において熱圧着することを特徴とするポリイミド金属箔積層板の製造方法。
  7. 非熱可塑性ポリイミド層の厚みが5〜250μmである請求項6記載のポリイミド金属箔積層板の製造方法。
  8. 熱可塑性ポリイミドが、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル及び3,3’−ジアミノベンゾフェノンからなる群から選ばれた少なくとも一種のジアミンと、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物及び3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれた少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物から合成され、その厚みが0.5〜10μmである請求項1記載のポリイミド金属箔積層板の製造方法。
  9. 金属箔が、銅、ニッケル、アルミニウム及びステンレススチール並びにそれらの合金からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属箔であり、その厚みが9〜150μmである請求項6記載のポリイミド金属箔積層板
    の製造方法。
  10. 熱可塑性ポリイミド層を形成した後、熱可塑性ポリイミド層の表面に該熱可塑性ポリイミド層に対する粘着力が0.1〜50g/cmである保護フィルムを貼付して巻芯に巻き、次いで、巻芯から巻き戻して保護フィルムを剥離して熱可塑性ポリイミド層を露出させ、該層に金属箔を貼付することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のポリイミド金属箔積層板の製造方法。
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