JP4348073B2 - ポリイミド金属箔積層板 - Google Patents

ポリイミド金属箔積層板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフレキシブル配線基板などに広く使用されるポリイミド金属箔積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型携帯化に伴い、回路基板材料として部品、素子の高密度実装が可能なポリイミド金属箔積層板の利用が増大している。そして、さらなる高密度化に対応するため、配線幅が10〜50μmとなる微細パターンの加工に適するポリイミド金属箔積層板が望まれ、配線の信頼性の観点から、金属とポリイミド間の密着性の指標であるピール強度が高いことが必要とされている。
【0003】
更に、微細パターンの加工では、TABやCOF(チップオンフィルム)と呼ばれる部品、素子の実装方式が主流であるが、実装時に金-金接合、金-錫接合と呼ばれる300-500℃程度の高温接合が必要である。また近年、環境面の配慮から、部品、素子の実装にもちいられてきた鉛入り半田から、鉛を含まないものへと変わってきており、実装時の温度や、特にリペアと呼ばれる部品、素子の取り外し作業時の温度がより高温になってきている。このような背景から、ポリイミド金属箔積層板は微細加工性、回路信頼性(ピール強度や高温時の耐熱性)がますます重要になってきている。
【0004】
従来よりポリイミド金属箔積層板は提案されており、例えばピロメリット酸二無水物と4,4’−オキシジアニリン(別称:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)からなるポリイミドの前駆体ワニスを銅箔上に塗布し乾燥させてからなるポリイミド金属箔積層板が知られているが(特許文献1参照)、従来用いられている銅箔はポリイミドと高いピール強度を得るために、粗化処理と呼ばれる凹凸があるものが用いられている。
【0005】
粗化処理は根残りと呼ばれる金属のエッチング残りが発生し、配線間でショートする問題が生じ易く、最近ではこれを解決するために粗化処理後の凹凸を小さくしていくことが試みられている。当業者によれば、このような低粗度の金属箔に該ポリイミドを塗布した場合、ピール強度は18μmの銅箔を使用した場合、せいぜい0.3kN/m程度であり回路基板材料には使用できないことが分かった。これは該ポリイミドがガラス転移温度を持たない、いわゆる非熱可塑ポリイミドであることが要因である。
【0006】
そこでこのような低粗度箔を用い高ピール強度を達成する為に、金属箔と接する好適なポリイミドとして、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ジアミベンゾフェノンからなる群から選ばれた少なくとも一種のジアミンと、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれた少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物からなるポリイミドが開示されている(特許文献2参照)。これらは約170〜300℃未満のガラス転移温度を有する熱可塑性ポリイミドであり、これらを主成分とした場合のポリイミド金属箔積層板のピール強度は約1.3kN/m以上と従来用途には十分利用できるものの、高温で部品や素子を実装した際に変形や剥離といった問題が発生することが分かり、高温で部品や素子を実装する用途には使用できなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開昭61−19352号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−052483号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題を解決することであって、低粗度の金属箔を用いても金属層とポリイミド層とのピール強度に優れ、微細配線パターンを形成でき、かつ、高温での部品,素子実装に際しても変形や剥離が発生しないポリイミド金属箔積層板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本出願人らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリイミド金属箔積層体において、金属箔と接する1層目のポリイミド層が特定ジアミンと特定テトラカルボン酸二無水物からなるものであり、更にポリイミド層を多層とした時それぞれのポリイミド層を特定のものを使用することにより、高温で金属箔とポリイミドが高い剪断強度を有することから部品、素子実装に際しても変形や剥離が発生しないことを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、1層又は2層以上の同一又は異なる組成のポリイミド層と金属箔からなるポリイミド金属箔積層板において、金属箔と接する1層目のポリイミド層が、ジアミン成分として3,4’−オキシジアニリンおよび/または1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを50mol%以上100mol%以下含む特定のジアミン、テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、並びに3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から選ばれた少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物からなる熱可塑性ポリイミドを含むことを特徴とするポリイミド金属箔積層板に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリイミド金属箔積層体において、金属箔と接する1層目のポリイミド層が、ジアミン成分として3,4’−オキシジアニリンおよび/または1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを50mol%以上100mol%以下含む特定のジアミン、テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、並びに3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から選ばれた少なくとも一種の特定テトラカルボン酸二無水物からなることが、重要であり、これら特定ジアミン成分と特定テトラカルボン酸二無水物成分の反応モル比は、好ましくは0.75〜1.25の範囲であり、より好ましくは、0.8〜1.2の範囲である。
【0013】
特定ジアミンは、特定ジアミンを100mol%とした場合、3,4’−オキシジアニリンおよび/または1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを50mol%以上100mol%以下、好ましくは60〜100mol%用いる。
【0014】
特定テトラカルボン酸二無水物は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、並びに3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から選ばれた少なくとも一種であり、より好ましくは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物の混合物か、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の混合物である。
【0015】
特定ジアミンと特定テトラカルボン酸二無水物の組み合わせは、上記化合物で可能性のある組み合わせであれば、特に限定されない。
【0016】
上記特定原料の組み合わせから得られるポリイミドは乾燥・イミド化条件にもよるが、150〜300℃未満程度のガラス転移温度を持つ熱可塑性ポリイミドであるにも関わらず、前述した同程度のガラス転移温度を持つ特開2000-052483号公報記載の熱可塑性ポリイミドと異なり、高温での部品、素子実装に際しても変形や剥離が発生しない。、
【0017】
用いる原料純度は高いほうが好ましく、特に特定ジアミンが各々の分子量より高分子量の不純物を含まないことが好ましく、その為に予め蒸留など定法により不純物を除去する方法が使用できる。
【0018】
ここで、特定ジアミンに加えても良いアミン成分としては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3ーアミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−メチルベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−エチルベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)−5−sec−ブチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノ−6−メチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノ−6−エチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)−4−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)−4−tert−ブチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,3−ジメチルベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−3−n−ブチルベンゼン、1,2−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用しても良い。好ましくは1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル等である。他のアミン化合物の添加量は通常、前記した特定ジアミンの0〜50未満mol%の範囲である。
【0019】
同様に酸二無水物成分として添加できるものは、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニルスルホン)二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用できる。併用する他のテトラカルボン酸の添加量は、通常、前記した特定のテトラカルボン酸の0〜50mol%未満の範囲である。
【0020】
これら添加可能なアミン成分とテトラカルボン酸二無水物は特定熱可塑性ポリイミドの結晶化やガラス転移温度を調節するのに役立ち、加工条件や使用条件により適宜種類と量を選択することが好ましい。
【0021】
また、熱可塑性ポリイミドのポリマー末端を封止する目的でジカルボン酸無水物を添加しても良い。使用されるジカルボン酸無水物の例としては、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、1−フェニル−2−(3,4−ジカルボキシフェニル)アセチレン無水物、無水マレイン酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸無水物はアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されてもよい。
【0022】
ジカルボン酸無水物の添加量は、通常、主原料である上記特定のジアミン、これと併用する他のアミン化合物、上記特定のテトラカルボン酸二無水物、及び、これと併用する他のテトラカルボン酸二無水物の合計量100モルに対して0.001〜0.5モルの範囲が好ましく、より好ましくは0.005〜0.25モルの範囲である。
【0023】
同様に、ポリイミドのポリマー末端を封止する目的でモノアミンを添加してもよい。使用されるモノアミンとしては、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ニトロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アニリジン、m−アニリジン、p−アニリジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノベンズアルデヒド、m−アミノベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェノールフェニルエーテル、3−アミノフェノールフェニルエーテル、4−アミノフェノールフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェノールフェニルスルフィド、3−アミノフェノールフェニルスルフィド、4−アミノフェノールフェニルスルフィド、2−アミノフェノールフェニルスルホン、3−アミノフェノールフェニルスルホン、4−アミノフェノールフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。
【0024】
これらのモノアミンは単独でまたは2種以上組み合わせて使用しても良い。モノアミンの添加量は、通常、主原料である上記特定のジアミン、これと併用される他のアミン化合物、上記特定のテトラカルボン酸二無水物、及び、これと併用される他のテトラカルボン酸二無水物の合計100モルに対して0.001〜0.5モルの範囲が好ましく、より好ましくは0.005〜0.25モルの範囲である。
【0025】
このような末端封止を目的としたジカルボン酸やモノアミンは、特定熱可塑性ポリイミドがその前駆体から脱水縮合によるイミド化反応過程で、分子間反応など余分な反応を抑制する作用があり、結晶性やガラス転移温度を調整するのに好ましい。
【0026】
また、該特定原料から得られるポリイミドにビスマレイミドを添加しても良く、ビスマレイミド化合物の例としてビス(4−マレイミドフェニル)メタン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)メタン、1,1−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エタン、1,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エタン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ブタン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ケトン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エーテル等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。好ましくはポリイミドに対して0以上60wt%以下で、より好ましくは、5以上40wt%以下である。このようなビスマレイミドも結晶性やガラス転移温度を調整するのに好ましい。
【0027】
本発明のポリイミド金属箔積層板において、1層目以外のポリイミド層に用いるポリイミド層は、ジアミンが、p−フェニレンジアミンおよび/または、4,4’−オキシジアニリンを主成分とし、酸二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および/または、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および/または、ピロメリット酸二無水物を主成分とする非熱可塑性ポリイミドを用いることで、ポリイミド金属箔積層板の寸法安定性や耐熱性の面で好ましく、その組み合わせはガラス転移温度が300℃以上であることが好ましく、更に好ましくはガラス転移温度が無い組み合わせが望まれる。
【0028】
また、上記非熱可塑性ポリイミドとしては、非熱可塑性ポリイミドの前駆体ワニスを塗布乾燥して得られる他、市販の非熱可塑性ポリイミドフィルムが使用でき、例えば、ユーピレックスS、ユーピレックスSGA、ユーピレックスSN(宇部興産株式会社製、商品名)、カプトンH、カプトンV、カプトンE、EN(東レ・デュポン株式会社製、商品名)、アピカルAH、アピカルNPI、アピカルHP(鐘淵化学工業株式会社製、商品名)などが挙げられる。また、該ポリイミドフィルムには密着力を高める目的でその表面をプラズマ処理、コロナ放電処理、シランカップリング剤処理等を施してもよい。
【0029】
このような市販のポリイミドフィルムを用いた場合、金属箔と接する1層目のポリイミドと前述の非熱可塑性ポリイミドフィルムを接着を促進させる目的で、その間に2層目の熱可塑性ポリイミドとして、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル及び、3,3’−ジアミベンゾフェノンからなる群から選ばれた少なくとも一種のジアミンと、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれた少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物からなる熱可塑性ポリイミドを用いることも好ましい。
【0030】
金属箔と接する1層目の熱可塑性ポリイミド層と非熱可塑性ポリイミド層の間に積層すする前述の熱可塑性ポリイミド層のより好ましい例として、ジアミンとして1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を用いることよりできる熱可塑性ポリイミド、ジアミンとして3,3’−ジアミベンゾフェノン、テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物より得られる熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。これらのジアミンとテトラカルボン酸二無水物の使用モル比は、好ましくは0.75〜1.25、より好ましくは0.8〜1.0未満である。
【0031】
更に、最外層にジアミン成分が、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、p−フェニレンジアミンおよび、4,4’−オキシジアニリンからなり、酸二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および、ピロメリット酸二無水物からなる非熱可塑性ポリイミドを用いることが好ましく、その組み合わせはガラス転移温度が300℃以上であることが好ましく、更に好ましくはガラス転移温度が無い組み合わせが望まれる。これは、金属箔をエッチングした場合に発生する反りを防止するのに役立つ。
【0032】
ここで、金属箔に接する1層目の特定熱可塑性ポリイミドの厚さは0.2μm以上10μm以下であることが好ましく、更に好ましくは1μm以上4μm以下である。更に結晶性または非晶性であり、その融点が300℃以上450℃未満および/またはガラス転移温度が150℃以上300℃未満であることが好ましく、より好ましくは融点が350℃以上450℃未満および/またはガラス転移温度が200℃以上300℃未満である。また、100−200℃の平均線膨張係数が20以上70ppm/℃以下であることが望まれる。
【0033】
金属箔に接する1層目の熱可塑性ポリイミド層と非熱可塑性ポリイミド層の間に積層する2層目の熱可塑性ポリイミドの厚さは、0μm以上10μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.2μm以上2μm以下である。そのガラス転移温度は、好ましくは150℃以上250℃未満、更に好ましくは190℃以上220℃以下であり、また、100−200℃の平均線膨張係数が20以上70ppm/℃以下であることが望まれる。
【0034】
2層目または、2層目に熱可塑性ポリイミドを用いる場合には3層目の非熱可塑性ポリイミドの厚さは1μm以上250μm以下が好ましく、更に好ましくは4μm以上50μm以下、より更に好ましくは10μm以上40μm以下である。また、100−200℃の平均線膨張係数が5以上30ppm/℃以下、好ましくは10以上20ppm/℃以下であることが望まれる。
【0035】
最外層の非熱可塑性ポリイミドの厚さは0μm以上10μm以下が好ましく、更に好ましくは0.5μm以上5μm以下であり、また、100−200℃の平均線膨張係数が10以上60ppm/℃以下、好ましくは20以上40ppm/℃以下であることが望まれる。
【0036】
尚、両面ポリイミド金属箔積層板の場合、その構成は、金属箔/特定熱可塑性ポリイミド層/金属箔、または、金属箔/特定熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/特定熱可塑性ポリイミド層/金属箔であり、この場合の特定熱可塑性ポリイミド層間に挟まれるポリイミド層は、前述した熱可塑性ポリイミド、非熱可塑性ポリイミドの単独または組み合わせで使用できる。
【0037】
本発明に用いる金属箔の金属種は特に限定はないが、銅及び銅合金、ステンレス鋼及びその合金、ニッケル及びニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム及びアルミニウム合金等が挙げられる。好ましくは銅及び銅合金である。また、これらの金属表面に防錆層や耐熱層(例えば、ニッケル、クロム、亜鉛などのメッキ処理)、シランカップリング剤などを形成したものも利用できる。好ましくは銅および/または、ニッケル、亜鉛、鉄、クロム、コバルト、モリブテン、タングステン、バナジウム、ベリリウム、チタン、スズ、マンガン、アルミニウム、燐、珪素等のうち、少なくとも1種以上の成分と銅を含む銅合金であり、これらは回路加工上好まれて使用される。
特に望ましい金属箔としては圧延または電解メッキ法によって形成された銅箔であり、その好ましい厚さは3〜150μm、更に好ましくは3〜35μm、より好ましくは3〜12μmである。
【0038】
金属箔は両面共に如何なる粗化処理も施されていないものであっても、片面若しくは両面に粗化処理が施されていても良いが、好ましくは低粗度または無粗化処理箔が好ましく、使用可能な市販品の例として、F1-WS、F0-WS(古河サーキットフォイル株式会社製 商品名)、BHY、NK120(株式会社ジャパンエナジー製 商品名)、SLP、USLP(日本電解株式会社製 商品名)、TQ-VLP、SQ-VLP、FQ-VLP(三井金属鉱業株式会社製 商品名)、C7025、B52(オーリン社製 商品名)等が挙げられる。
【0039】
また、その表面の10点平均粗さ(Rz)が、ポリイミド層に接する面において3μm未満、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下であり、その裏面が3μm以下、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下であることが微細な回路加工上望まれ、好ましい例としては粗化処理を施していないF0-WS箔等が挙げられる。
【0040】
表面の10点平均粗さ(Rz)は、JIS B-0601に規定される方法であり、カットオフ値0.25mm、測定長さ2.5mmとし、金属箔の幅方向に向かって測定を行う方法である。
【0041】
このような金属箔を用いてポリイミド金属箔積層体を形成した後、金属箔を完全にエッチング除去させ光透過性を測定したときに、600nmの波長の光を10%以上、好ましくは50%以上、更に好ましくは55%以上透過させることが加工時の検査効率や部品や素子実装時の位置合わせのための画像認識性を高めるために望まれる。
【0042】
また、回路の信頼性の点から、金属箔とポリイミドのピール強度が常態で0.4kN/m以上有ることが望まれ、好ましくは0.5kN/m以上、更に好ましくは0.6kN/m以上あることが回路加工時の熱処理や溶剤処理時の信頼性に繋がり、その上限は1.5kN/m程度も有れば十分であると言われているが特に限定されない。
【0043】
更に金属箔のポリイミド層に接する面の表面に、ニッケルが0.05〜1.0mg/dm2、好ましくは0.1〜0.4mg/dm2、亜鉛が0.2mg/dm2以下、好ましくは0 mg/dm2以上0.1mg/dm2以下、より好ましくは0mg/dm2以上0.05mg/dm2以下、クロムが0.2mg/dm2以下、好ましくは0 mg/dm2以上0.1mg/dm2以下、珪素が0.2mg/dm2以下、好ましくは0 mg/dm2以上0.1mg/dm2以下それぞれ付着していることが、回路の信頼性の面で望ましい。また、ポリイミド層に接しない面にも、ニッケルや亜鉛メッキ、更にクロメート処理が施されていることが好ましい。
【0044】
ここで珪素はポリイミドとの密着を高める目的で施されるシランカップリング剤由来のものである。このシランカップリング剤は、金属箔表面処理の最表層にアルコールや水に溶解させたものを均一に塗布し、その後50-150℃程度で乾燥し形成させることが一般的で、その種類も、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン系、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系などが代表的であるが、これに限定されるものではない。
【0045】
ポリイミド金属箔積層体の製造方法としては、ポリイミドと金属箔が、加熱圧着により積層される、いわゆるラミネート方式か、または、ポリイミドの前駆体ワニスを金属箔に塗布乾燥して積層される、キャスト方式か、さらにそれらを組み合わせることで積層させるか、それらいずれかを適宜選択できる。
【0046】
ここで、ラミネート方法としては、加熱プレス法及び/又は連続ラミネート法が挙げられる。加熱プレス法としては、例えば、プレス機の所定のサイズに切りだした金属箔とポリイミドとを重ね合わせを行ない加熱プレスにより熱圧着することにより製造できる。加熱温度としては、150〜600℃の温度範囲が望ましい。加圧力としては、制限は無いが、好ましくは0.1〜500kg/cm2で製造できる。加圧時間としては、特に制限はない。
【0047】
連続ラミネート法としては、特に制限は無いが、例えば、ロールとロール間に挟み込み、張り合わせを行なう方法がある。このロールは金属ロール、ゴムロール等が利用できる。材質に制限はないが、金属ロールとしては、鋼材やステンレス材料が使用される。表面にクロムメッキ等が処理されたロールを使用することが好ましい。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性のあるシリコンゴム、フッ素系のゴムを使用することが好ましい。
【0048】
また、ベルトラミネートと呼ばれる、上下2本の金属ロールを1組とし、それを1組以上直列に配置した上下ロール間に上下2つのシームレスのステンレスベルトを間に配置させ、そのベルトを金属ロールにより加圧し、更に、金属ロールやその他熱源により加熱させることで連続ラミネートしても良い。ラミネート温度としては、特定熱可塑性ポリイミドおよび/または熱可塑製ポリイミドのガラス転移温度より約40℃以上の温度が一般的であり、その範囲は200〜400℃の温度範囲が好ましい。加熱方式は、伝導加熱方式の他、遠赤外等の輻射加熱方式、誘導加熱方式等も利用できる。
【0049】
加熱プレス法及び/又は連続ラミネート後、加熱アニールすることも好ましい。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等が利用できる。加熱雰囲気として、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。加熱方法としては、フィルムを連続的に加熱する方法またはフィルムをコアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。加熱温度は、200〜600℃の温度範囲が好ましい。加熱時間は、0.05〜5000分の時間範囲が好ましい。
【0050】
キャスト方法としては、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液(以下、これらを総称してワニスという)を直接塗布・乾燥することにより製造することが出来る。ワニスは、前記の特定のジアミンとテトラカルボン酸二無水物を溶媒中で重合して得られた溶液であり、作業性を考慮すると、ワニス中のポリアミック酸またはポリイミドの含有率は5〜70重量%が好ましい。また25℃での粘度は1〜100,000cpsが好ましい。
【0051】
溶媒としてはポリアミック酸またはポリイミドが安定に存在し得る溶媒であればどの溶媒も利用できる、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N,N’−ジメチルイミダソリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド等が挙げられる。これらは単独でも混合物でも利用できる。
【0052】
直接塗布する方法としては、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の公知の方法が採用できる。塗布する厚み、ワニスの粘度等に応じて適宜利用できる。
【0053】
塗布したワニスを乾燥・キュアする方法は、通常の加熱乾燥炉が利用できる。乾燥炉の雰囲気としては、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。乾燥の温度としては、溶媒の沸点により適宜選択するが、60〜600℃の温度範囲が好適に利用される。乾燥の時間は、厚み、濃度、溶媒の種類により適宜選択するが0.05〜500分程度で行なうのが望ましい。
【0054】
また、製造工程中や最終製品のポリイミド層の表面に保護フィルムを貼付することも搬送性や異物等のコンタミ防止の観点から好ましい。保護フィルムとしては、弱粘着性を有する保護フィルムが好ましい。保護フィルムの粘着力が弱いと、巻取り工程において剥離することがあり、巻しわ、折れ、すじ等の発生を防止する効果が低下する。また、強すぎると、保護フィルムが剥離し難くなり、接着テープの破れ等、すじ、しわが発生する原因となることがある。かかる点を考慮すると、熱可塑性ポリイミド層に対する粘着力が0.1〜50g/cmの範囲にあることが好ましい。保護フィルムの厚みは、10〜100μmの範囲にあるものが好ましい。
【0055】
保護フィルムの基材としては、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等が使用できる。これらのフィルム用樹脂の成分を多層成形した多層フィルムも使用できる。上記の粘着力を示すものは、フィルム単体として使用できる。市販のフィルムとして、例えば、サニテクト(サンエー化研株式会社製、商品名)、MF1(三陽化成株式会社製、商品名)等が挙げられる。
【0056】
また、上記単層または多層フィルムやポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル等のフィルムの表面に弱粘着性の粘着剤層を形成したフィルムも好適に使用できる。粘着剤成分には特に制限はないが、アクリル系粘着剤、ウレタン粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、シリコン系粘着剤が挙げられる。好ましくはポリエステルフィルムにアクリル系粘着剤を積層したものである。
【0057】
本発明により提供されるポリイミド金属箔積層板は、金属箔とポリイミド層のピール強度が強いことから、エッチング、穴あけ、メッキ等の加工を行ない10〜40μmの微細加工を形成しても、電気的信頼性に優れ、且つ、ポリイミドとの密着が強く、高温での部品、素子実装時に変形や剥がれ等の問題の無い電子部品として高密度実装加工が可能となる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
ピール強度、熱間剪断強度、高温実装性は、下記の方法により測定した。
【0059】
(1)ピール強度(kN/m)
長さ50mm、幅2mmの導体を、金属箔をエッチングすることにより形成し、JIS C-6471に規定される方法に従い、短辺の端から金属導体側をポリイミド層から剥離し、その応力を測定する。剥離角度を90°、剥離速度を50mm/minとした。
【0060】
(2)熱間剪断強度(MPa)
ポリイミドと金属箔が積層された面が幅約1mm長さ約200μmになるように調整された図1に示されるサンプルを作製し、パージガスに空気を用いて予め450℃程度に予備加熱させておいた熱分析装置(TMA)にポリイミドが上、金属箔が下になるように初期荷重1〜5gでセットし、3分後に炉内温度が330-340℃になることを確認し、その後10gf/minで引張り、破断する最大荷重を記録し、その最大荷重を断面積で割った値とした。
【0061】
(3)ガラス転移温度(以下Tg)(℃)
F0-WS銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製)に、合成したワニスを乾燥後20μm程度になるように塗布し、50−270℃まで窒素パージしたオーブン中で7℃/minで昇温にて乾燥およびイミド化させた後、銅箔をエッチング除去したフィルムをJISC6481に準拠し、DSC(示差走査型熱量計)測定により10℃/minで昇温させた時の変化から求めた。
【0062】
(4)融点(以下Tm)(℃)
ガラスに合成したワニスを塗布した以外はTgと同一の手法により求めた。
【0063】
また、実施例に用いた溶剤、酸二無水物、ジアミンの略称は以下の通りである。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
PPD:p−フェニレンジアミン
ODA:4,4’−オキジアニリン(別称:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)
3,4’−ODA:3,4’ −オキジアニリン(3,4’−ジアミノジフェニルエーテル)
m−BP:4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
APB−R:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
APB5:1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
DABP:3,3’−ジアミノベンゾフェノン
APB−BMI:1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン
【0064】
合成例1
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、ポリアミック酸の含有率が15重量%になるように溶媒としてDMAcを加え、これにAPB−Rを加え、溶解するまで室温にて撹拌を行った。その後、ジアミンを1としたときのモル比で0.995のBTDAを加え、60℃において4時間撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。
【0065】
合成例2〜10
表1に示す割合でジアミンと酸二無水物を合成例1と同様のやり方でポリアミック酸溶液を得た。得られたワニスを前述した条件で融点、ガラス転移温度を測定し、結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
Figure 0004348073
【0067】
合成例11
合成例2で重合したポリアミック酸溶液に、20wt%のAPB-BMIを添加し、室温で2時間攪拌し溶解した。それぞれのTg、Tmは表1の通りであった。
【0068】
合成例12
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAcとNMPを7:3の割合でポリアミック酸の含有率が15重量%になるように加え、これに総ジアミンと総酸二無水物のモル比が1:0.997になるようにPPD(30mol%)、及び、ODA(49mol%)を加え、撹拌しながら50〜60℃に加熱して溶解させた。その後、氷で約30℃になるまで冷却した後、BPDA(30mol%)を加え60℃に加熱し約2時間撹拌を行った。さらに、m−BP(21mol%)を加え60℃に温度を保ちながら撹拌を行った。最後にPMDA(70mol%)を加え60℃で2時間撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。
【0069】
実施例1
市販のポリイミド樹脂フィルム(東レ・デュポン(株)製、商品名:カプトン150EN)を用い、第一面に合成例6のワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さで1μmになるように塗布し、150℃2分乾燥後、第二面に合成例12のワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さで2μmになるように塗布し、70℃5分、110℃5分乾燥後、140℃2分、180℃5分、265℃2分、エアーフロート方式の乾燥炉にて乾燥を行い、第一面が熱可塑性ポリイミド樹脂層、第二面が非熱可塑性ポリイミド樹脂層であるポリイミドの絶縁フィルムを得た。また、電解銅箔に(F0-WS箔厚さ9μm、ポリイミド積層面Rz:0.9μm、裏面Rz:1.5μm)に合成例1のワニスを乾燥後の厚さで2μmになるように塗布し、70℃5分、110℃5分乾燥後、140℃2分、180℃5分、265℃2分、エアーフロート方式の乾燥炉にて乾燥を行い、特定熱可塑性ポリイミドと金属箔からなるポリイミド金属箔積層体を得た。
これら絶縁フィルムとポリイミド金属箔積層体が熱可塑性ポリイミドと特定熱可塑性ポリイミドの面が重なるようにして、温度300℃、圧力2.5MPa下で4時間加熱圧着し、ポリイミドが4層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.6kN/mで、熱間剪断強度は4Mpaであった。結果を表2に示す。
【0070】
実施例2
銅箔に合成例1のワニスに代えて、合成例2のワニスを塗工した以外は実施例1と同様にポリイミドが4層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.7kN/mで、熱間剪断強度は4.8Mpaであった。結果を表2に示す。
【0071】
実施例3
銅箔に合成例1のワニスに代えて、合成例3のワニスを塗工した以外は実施例1と同様にポリイミドが4層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.7kN/mで、熱間剪断強度は5.3MPaであった。結果を表2に示す。
【0072】
実施例4
銅箔に合成例1のワニスに代えて、合成例4のワニスを塗工した以外は実施例1と同様にポリイミドが4層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.65kN/mで、熱間剪断強度は3.3MPaであった。結果を表2に示す。
【0073】
実施例5
銅箔に合成例1のワニスに代えて、合成例5のワニスを塗工した以外は実施例1と同様にポリイミドが4層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.72kN/mで、熱間剪断強度は4MPaであった。結果を表2に示す。
【0074】
実施例6
銅箔に合成例1のワニスに代えて、合成例11のワニスを塗工した以外は実施例1と同様にポリイミドが4層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.6kN/mで、熱間剪断強度は5MPaであった。結果を表2に示す。
【0075】
実施例7
市販のポリイミド樹脂フィルム(東レ・デュポン(株)製、商品名:カプトン150EN)を用い、第一面に合成例11のワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さで2μmになるように塗布し、150℃2分乾燥後、第二面に合成例12のワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さで2μmになるように塗布し、70℃5分、110℃5分乾燥後、140℃2分、180℃5分、265℃2分、エアーフロート方式の乾燥炉にて乾燥を行い、第一面が特定熱可塑性ポリイミド樹脂層、第二面が非熱可塑性ポリイミド樹脂層であるポリイミドの絶縁フィルムを得た。この絶縁フィルムの特定熱可塑性ポリイミド層と、電解銅箔(F0-WS箔厚さ9μm、ポリイミド積層面Rz:0.9μm、裏面Rz:1.5μm)が重なるようにして、温度300℃、圧力2.5MPa下で4時間加熱圧着し、ポリイミドが3層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.6kN/mで、熱間剪断強度は5.6MPaであった。結果を表2に示す。
【0076】
比較例1
実施例1で作製した絶縁フィルムの熱可塑性ポリイミド層と電解銅箔(F0-WS箔厚さ9μm、ポリイミド積層面Rz:0.9μm、裏面Rz:1.5μm)が重なるようにして、温度300℃、圧力2.5MPa下で4時間加熱圧着し、ポリイミドが3層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.7kN/mで、熱間剪断強度は1.7MPaであった。結果を表2に示す。
【0077】
比較例2
実施例7の合成例11のワニスの代わりに合成例7のワニスを用いた以外は実施例7と同様にポリイミドが3層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.1kN/mで、熱間剪断強度は2MPaであった。結果を表2に示す。
【0078】
比較例3
実施例7の合成例11のワニスの代わりに合成例8のワニスを用いた以外は実施例7と同様にポリイミドが3層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.5kN/mで、熱間剪断強度は2.5MPaであった。結果を表2に示す。
【0079】
比較例4
実施例7の合成例11のワニスの代わりに合成例9のワニスを用いた以外は実施例7と同様にポリイミドが3層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.6kN/mで、熱間剪断強度は2MPaであった。結果を表2に示す。
【0080】
比較例5
実施例7の合成例11のワニスの代わりに合成例10のワニスを用いた以外は実施例7と同様にポリイミドが3層構造のポリイミド金属箔積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属箔積層体を評価した結果、ピール強度は0.3kN/mで、熱間剪断強度は5MPaであった。結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
Figure 0004348073
【0082】
【発明の効果】
本発明のポリイミド金属箔積層板は、金属箔と接するポリイミドが特定ジアミンと酸無水物からなる特定熱可塑性ポリイミドを使用することにより、微細加工が可能な低粗度の金属箔と高い密着性を有し、且つ、高温での使用でも剥離や変形がないことから、高密度配線や高信頼性実装を必要とする、フレキシブルプリント配線板、ICパッケージ、LCD配線板等の配線基材として有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱間剪断強度を測定するためのサンプルである。

Claims (6)

  1. 1層又は2層以上の同一又は異なる組成のポリイミド層と、金属箔と、からなるポリイミド金属箔積層板において、
    金属箔と接する1層目のポリイミド層が、3,4'-オキシジアニリンを50mol%以上100mol%以下含むジアミン成分と、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物および3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むテトラカルボン酸二無水物と、からなる熱可塑性ポリイミドであり
    330〜340℃の温度条件下で前記1層目のポリイミド層または前記金属箔の一方を固定して他方を10gf/分で引っ張った場合に破断するときの最大荷重を、前記1層目のポリイミド層と前記金属箔との積層面の面積で割ることにより算出される熱間剪断強度が3.3MPa以上である、ポリイミド金属箔積層板。
  2. 前記金属と接する1層目のポリイミド層以外のポリイミド層が、p-フェニレンジアミンおよび/または4,4'-オキシジアニリンを主成分とするジアミン成分と、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および/または3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および/またはピロメリット酸二無水物を主成分とするテトラカルボン酸二無水物と、からなる非熱可塑性ポリイミドである、請求項1に記載のポリイミド金属箔積層板。
  3. 前記金属と接する1層目のポリイミド層と、前記金属と接する1層目のポリイミド層以外のポリイミド層である非熱可塑性ポリイミド層との間に、
    ,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニルおよび3,3'-ジアミノベンゾフェノンからなる群から選ばれた少なくとも一種を含むジアミン成分と、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物および3,3',4,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むテトラカルボン酸二無水物とからなる、熱可塑性ポリイミド層を有する
    請求項に記載のポリイミド金属箔積層板。
  4. 前記金属箔と接しない最外層のポリイミド層が、請求項2に記載の非熱可塑性ポリイミドとは異なる組成の非熱可塑性ポリイミドであり、
    4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、p-フェニレンジアミンおよび4,4'-オキシジアニリンからなるジアミン成分と、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物からなる酸二無水物成分と、からなる、
    請求項2または3に記載のポリイミド金属箔積層板。
  5. 前記金属箔と接する1層目のポリイミド層が結晶性または非晶性であり、その融点が300℃以上450℃未満および/またはガラス転移温度が150℃以上300℃未満である
    請求項1に記載のポリイミド金属箔積層板。
  6. 前記金属と接する1層目のポリイミド層と、前記金属と接する1層目のポリイミド層以外のポリイミド層である非熱可塑性ポリイミド層との間にある、前記熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度が、150℃以上250℃未満である
    請求項に記載のポリイミド金属箔積層板。
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