JP4870173B2 - ポリイミド金属積層板 - Google Patents

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Description

本発明はフレキシブル配線基板などに広く使用されるポリイミド金属積層板に関するものである。
近年、電子機器の小型携帯化に伴い、回路基板材料として部品、素子の高密度実装が可能なポリイミド金属積層板の利用が増大している。そして、さらなる高密度化に対応するため、配線幅が10〜50μmとなる微細パターンの加工に適するポリイミド金属積層板が望まれており、また配線の信頼性の観点から、金属とポリイミド間の密着性の指標であるピール強度が高いことが必要とされている。更に、微細パターンの加工では、TABやCOF(チップオンフィルム)と呼ばれる部品、素子の実装方式が主流であるが、実装時に金-金接合、金-錫接合と呼ばれる300−500℃程度の高温接合が必要であり、また近年、環境面の配慮から、部品、素子の実装に用いられてきた鉛入り半田から、鉛を含まないものへと変わってきているため、実装時の温度や、特にリペアと呼ばれる部品、素子の取り外し作業時の温度がより高温になってきている。このような背景から、ポリイミド金属積層板は微細加工性、回路信頼性(ピール強度や高温時の耐熱性)がますます重要になってきている。
従来よりポリイミド金属積層板は提案されており、例えばピロメリット酸二無水物と4,4’−オキシジアニリン(別称:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)からなるポリイミドの前駆体ワニスを銅箔上に塗布し乾燥させてからなるポリイミド金属積層板が挙げられるが(特許文献1参照)、従来用いられている銅箔はポリイミドと高いピール強度を得るために、粗化処理と呼ばれる凹凸処理があり、粗化処理は根残りと呼ばれる金属のエッチング残りが発生し、配線間でショートする問題が生じ易い。
最近ではこれを解決するために粗化処理後の凹凸を小さくしていくことが試みられており、このような低粗度の金属箔に該ポリイミドを塗布した場合、ピール強度は18μmの銅箔を使用した場合、せいぜい0.3kN/m程度であり回路基板材料には使用できないことが分かった。これは該ポリイミドがガラス転移温度を持たないいわゆる非熱可塑ポリイミドであることが要因である。
そこでこのような低粗度箔を用い高ピール強度を達成する為に、金属箔と接する好適なポリイミドとして、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ジアミベンゾフェノンからなる群から選ばれた少なくとも一種のジアミンと、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれた少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物からなるポリイミドが開示されており(特許文献2参照)、これらは約170〜300℃未満のガラス転移温度を有する熱可塑性ポリイミドである。これらを主成分とした場合のポリイミド金属積層板のピール強度は約1.3kN/m以上と、従来用途には十分利用できるものの、高温で部品や素子を実装した際に、変形や剥離といった問題が発生する場合があることが分かり、より高温で部品や素子を実装する用途に適したものの開発が望まれていた。
一方、樹脂のガラス転移温度が250〜300℃になると、金属箔と加熱圧着法により積層する場合、加熱温度が350℃程度以上の温度が必要となり、金属箔の酸化劣化や、製造時の温度差が大きくなり熱皺と呼ばれる外観上の不具合が発生しやすくなり、非常に高度な製造技術が必要になる等、利用が限られてしまい、課題となっていた。
特開昭61−19352号公報 特開2000−052483号公報
本発明の目的は、上記の問題を解決すること、即ち、従来技術と同等の容易な方法により製造でき、低粗度の金属箔を用いても金属層とポリイミド層とのピール強度に優れ、微細配線パターンを形成でき、かつ、高温での部品、素子実装に際しても変形や剥離が発生しないポリイミド金属積層板を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリイミドの片面若しくは両面に金属箔が積層されたポリイミド積層板において、ポリイミド層が、異なる組成を有するポリイミドブロックポリマーを用いた場合、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下に関するものである。
(1)ポリイミドの片面若しくは両面に金属箔が積層されたポリイミド積層板において、ポリイミド層の少なくとも一層が、異なる組成を有するポリイミドブロックポリマーを用いることを特徴とするポリイミド金属積層板であり、より好ましくは、
(2)異なる組成を有するポリイミドブロックポリマーが、ガラス転移温度(Tg1)が250℃以上のポリイミドとガラス転移温度(Tg2)が100℃以上250℃未満のポリイミドによる少なくとも2種類のポリイミドからなるブロックポリマーであって、且つ、Tg1−Tg2≧10である(1)記載のポリイミド金属積層板、更に、
(3)異なる組成の、イミド化率が0以上20%以下であるポリアミック酸とイミド化率が80以上100%以下であるポリイミドを、溶媒中に混合して得られるポリアミック酸/ポリイミドワニスを塗布乾燥してポリイミドを得、該ポリイミドを含むポリイミド層の片面若しくは両面に金属箔に積層することを特徴とするポリイミド金属積層板の製造方法であり、好ましくは、
(4)イミド化率が0以上20%以下であるポリアミック酸のイミド化後のガラス転移温度(Tg1)が250℃以上であり、イミド化率が80以上100%以下であるポリイミド成分のガラス転移温度(Tg2)が100℃以上250℃未満であって、且つ、Tg1−Tg2≧10である請求項3記載のポリイミド金属積層板の製造方法、である。
本発明のポリイミド金属積層板は、金属箔と接するポリイミドが高Tgのポリアミック酸と低Tgのポリイミド組成物を使用することにより、微細加工が可能な低粗度の金属箔と低温の熱厚着条件で高い密着性を有し、且つ、金属箔を除去した後のポリイミドフィルムの光透過率が高く、高密度配線や高信頼性実装を必要とする、フレキシブルプリント配線板、ICパッケージ、LCD配線板等の配線基材として有効に利用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るポリイミド金属積層板は、異なる組成のイミド化率が0以上20%以下であるポリアミック酸とイミド化率が80以上100%以下であるポリイミドが溶媒中に混合して得られるポリアミック酸/ポリイミド組成物をイミド化して製造されたブロックポリマーをポリイミド層とし、そのポリイミドを少なくとも一層有するポリイミド層の片面若しくは両面に金属箔が積層されたものである。
本発明に用いるポリアミック酸/ポリイミド組成物は、ポリアミック酸のイミド化率が0以上20%以下、好ましくは0以上10%以下、更に好ましくは0以上5%以下であって、且つ、ポリイミドのイミド化率が80以上100%以下、好ましくは90以上100%以下、更に好ましくは95以上100%以下であることが望まれる。異なる組成の溶液がどちらもポリアミック酸状態では、異なる組成同士が相互に交換反応を伴いランダムな構造になるため、イミド化反応後、ブロックポリマーとならず、本発明の効果が得られない。
また、更に、イミド化率が0以上20%以下であるポリアミック酸のイミド化後のガラス転移温度(Tg1)が250℃以上であり、イミド化率が80以上100%以下であるポリイミド成分のガラス転移温度(Tg2)が100℃以上250℃未満であって、且つ、Tg1とTg2の差が10℃以上あることが好ましい。
仮に、ガラス転移温度が異なるポリアミック酸同士を混合すると、Tg1とTg2の中間的なガラス転移温度になってしまい、本発明の効果を発揮できない。
また、ポリアミック酸/ポリイミド組成物で、ポリイミド側のガラス転移温度が250℃以上のものを使用した場合、溶液中の安定性が悪く均一に溶解しない為、塗工が困難になる傾向にある為、本発明のように、ポリアミック酸側はイミド化後のガラス転移温度を250℃以上のものを用いることが好ましく、更にポリイミド側のガラス転移温度を100℃以上250℃未満のものを使用した場合、溶液として安定で均一に溶解した組成物を得ることができるため好ましい。
本発明において、ポリイミド側のガラス転移温度は100℃以上250℃未満が好ましく、より好ましくは150℃以上220℃未満であることが望まれ、ポリアミック酸側のイミド化後のガラス転移温度は好ましくは250℃以上、より好ましくは280℃以上であり、300℃以上450℃未満の融点を有することも好ましい。
ここで、ポリアミック酸/ポリイミド組成物の内、ポリアミック酸に用いる原料のジアミンおよび酸二無水物は、所望のガラス転移温度になるように選ばれれば特に限定はないが、好ましいジアミンの例として、3,4’−オキシジアニリン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル等が挙げられ、これらを単独または混合したものを用いることができる。尚、性質を損なわない範囲で、その他のジアミンを混合しても、もちろん構わない。また、好ましい酸二無水物の例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらを単独または混合したものを用いることができる。ジアミンと同様に、上記例以外の酸二無水物を混合して使用しても、もちろん問題ない。これら、他のジアミンおよび/または酸二無水物を使用する範囲は、主となるジアミンおよび/または酸二無水物に対して通常50重量%未満である。
次に、ポリアミック酸/ポリイミド組成物の内、ポリイミドに用いる原料のジアミンおよび酸二無水物は、所望のガラス転移温度になるように選ばれれば特に限定はしないが、好ましいジアミンの例として、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル及び、3,3’−ジアミベンゾフェノンからなる群から選ばれた少なくとも一種のジアミンと、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれた少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物からなるものが好ましい。尚、ジアミン及び酸二無水物は、それぞれ、その他のジアミン及び酸二無水物を性質を損なわない範囲でポリアミック酸の時と同様、代替して使用しても問題ない。
ここでジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分の反応モル比は、通常、0.75〜1.25の範囲であり、好ましくは、0.8〜1.2の範囲である。また、用いる原料純度は高いほうが好ましく、特にジアミンが各々の分子量より高分子量の不純物を含まないことが好ましく、その為に予め蒸留など定法により不純物を除去する方法が使用できる。
また、ポリアミック酸/ポリイミド組成物の安定性を向上させる目的で、両者の末端の何れかに酸無水物とアミンを残すことにより、両者をアミド結合させることが好ましいが、溶解性を阻害しない程度で一部末端を封止することも可能である。
例えばポリマー末端を封止する目的でジカルボン酸無水物を添加しても良く、使用されるジカルボン酸無水物としては、例として無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、1−フェニル−2−(3,4−ジカルボキシフェニル)アセチレン無水物、無水マレイン酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸無水物はアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されてもよい。
ジカルボン酸無水物の添加量は、通常、主原料である上記特定のジアミン、これと併用する他のアミン化合物、上記特定のテトラカルボン酸二無水物、及び、これと併用する他のテトラカルボン酸二無水物の合計量100モルに対して0.001〜0.5モルの範囲、好ましくは0.005〜0.25モルの範囲である。
同様に、ポリイミドのポリマー末端を封止する目的でモノアミンを添加してもよい。使用されるモノアミンとしては、例としてアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ニトロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アニリジン、m−アニリジン、p−アニリジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノベンツアルデヒド、m−アミノベンツアルデヒド、p−アミノベンツアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェノールフェニルエーテル、3−アミノフェノールフェニルエーテル、4−アミノフェノールフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェノールフェニルスルフィド、3−アミノフェノールフェニルスルフィド、4−アミノフェノールフェニルスルフィド、2−アミノフェノールフェニルスルホン、3−アミノフェノールフェニルスルホン、4−アミノフェノールフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。
これらのモノアミンは単独でまたは2種以上組み合わせて使用しても良い。モノアミンの添加量は、通常、主原料である上記特定のジアミン、これと併用される他のアミン化合物、上記特定のテトラカルボン酸二無水物、及び、これと併用される他のテトラカルボン酸二無水物の合計100モルに対して0.001〜0.5モルの範囲、好ましくは0.005〜0.25モルの範囲である。
また、ポリアミック酸/ポリイミド組成物にガラス転移温度を調整するために50重量%未満でビスマレイミドを添加しても良く、例として4,4’−ビス(4−フェニル)メタン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)メタン、1,1−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エタン、1,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エタン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ブタン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ケトン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エーテル等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。より好ましくは、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼンである。
ここで、本発明のポリアミック酸/ポリイミド組成物の内、イミド化率が0以上20%以下であるポリアミック酸溶液の重合温度は、好ましくは120℃未満、より好ましくは100℃以下の低温であり、具体的には−20℃以上70℃以下、更に好ましくは0℃以上60℃以下の温度であることが、イミド化反応を進めない為に好ましい。
一方、イミド化率が80以上100%以下であるポリイミドの重合温度としては、好ましくは120℃以上300℃未満、より好ましくは140℃以上220℃以下の温度で熱イミド化により反応を進行させるか、および/または、無水酢酸などのイミド化剤を用いて化学的にイミド化を行う、いわゆる化学イミド化、あるいはジアミン、テトラカルボン酸二無水物及び架橋基含有ジカルボン酸無水物を混合した後、有機塩基及び/または共沸脱水用溶媒の存在下または不存在下、すぐに昇温することでイミド化する直接熱イミド化により、イミド化反応を進めることが肝要である。
本発明において使用するポリアミック酸/ポリイミド組成物は、上記方法で得られたポリアミック酸溶液とポリイミド溶液を混合するか、反応が終了したポリイミド溶液中で、ポリアミック酸を重合しても良く、あるいは、反応で得られたポリイミド溶液から水やアルコール等の貧溶媒を添加し、単離・精製した後、オーブン等で溶媒や水分を除去したポリイミド粉を再度溶媒に溶解させたものを用いることもできる。更に、混合した溶液に、前述したジアミンや、酸無水物、ビスマレイミドや、その他シランカップリング剤やフィラー等も添加しても良い。
ここで、ポリアミック酸/ポリイミド組成物のポリアミック酸とポリイミドの混合割合は、各々ポリアミック酸時の含有量を基準として、イミド化率が0以上20%以下であるポリアミック酸に対するイミド化率が80以上100%以下であるポリイミドの重量比が好ましくは1以上40重量%以下、より好ましくは5以上40重量%以下であることが好ましい。
本発明で用いるポリアミック酸/ポリイミド組成物を、溶媒中に混合する際使用できる有機溶媒として、例えば、フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノ−ル、2,4−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、2,6−キシレノ−ル、3,4−キシレノ−ル、3,5−キシレノ−ル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、アニソール等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独でもまたは2種以上混合して用いても差し支えないが、ポリイミド溶液の安定性の面からフェノールやクレゾール系の溶媒か、それを用いた混合溶媒が好ましい。
また、更に、以下に示す溶媒を共存させても何ら問題ない。共存できる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、o−クロロトルエン、m−クロロトルエン、p−クロロトルエン、o−ブロモトルエン、m−ブロモトルエン、p−ブロモトルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等が挙げられる。
イミド化率0〜20%のポリアミック酸をジアミンと酸二無水物から製造する際のポリアミック酸の反応時間は、使用するモノマーの種類、溶剤の種類、有機塩基触媒の種類、共沸脱水用溶媒の種類、量及び反応温度により異なるが、目安としては、1時間〜48時間であり、通常4時間から24時間である。また熱イミド化によりポリイミドを得る方法における目安として、留出する水がほぼ理論量に達する(通常は全てが回収されるわけではないので、70〜90%の回収率である。)まで反応することであり、通常数時間から十数時間程度である。この場合、イミド化によって生じる水を、キシレンやトルエン等の共沸剤で除去する方法が一般的で有効である。
反応圧力は、特に制限されるものではないが、通常、大気圧で十分である。反応雰囲気は、特に制限されるものではないが、通常、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンであり、好ましくは不活性気体である窒素やアルゴンである。
また、原料の酸無水物とジアミンよりポリイミドを有機溶媒中製造するに際して、有機塩基触媒が好ましく用いられる。有機塩基触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、キノリン、イソキノリン等が挙げられるが、好ましくはピリジン、γ−ピコリンである。これら触媒の使用量は、重合反応速度が実質的に向上すれば、特に制限はない。
次に、ポリイミド金属積層板に係る製造に際し、用いるポリイミド層は本発明のポリアミック酸/ポリイミド組成物から得られる1層だけでも良いが、異なる組成のポリイミドを用いて多層にすることが、ポリイミド金属積層板の外観上の反りや、寸法安定性、耐熱性の面で好ましい。
つまり、片面に金属箔が積層されたポリイミド金属積層板の場合、金属箔と接する第1層目のポリイミド層は本発明で用いるポリアミック酸/ポリイミド組成物より製造されるポリイミドであり、更に2層目に異なるポリイミド層を用いることが好ましい。第2層目のポリイミド層の例としてはジアミンが、p−フェニレンジアミンおよび/または、4,4’−オキシジアニリンを主成分とし、酸二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および/または、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および/または、ピロメリット酸二無水物を主成分とするポリイミドが好ましく、このポリイミド層を第2層目に用いることで、ポリイミド金属積層板の寸法安定性や耐熱性の面で好ましい。また、同様の目的で、2層目に使用できるポリイミド層の好ましいものの例として、市販のポリイミドフィルムが使用でき、例えば、ユーピレックスS、ユーピレックスSGA、ユーピレックスSN(宇部興産株式会社製、登録商標)、カプトンH、カプトンV、カプトンE、EN(東レ・デュポン株式会社製、登録商標)、アピカルAH、アピカルNPI、アピカルHP(鐘淵化学工業株式会社製、登録商標)などが挙げられる。また、該ポリイミドフィルムには密着力を高める目的でその表面をプラズマ処理、コロナ放電処理、シランカップリング剤処理等を施してもよい。
更に、第3層目のポリイミド層を設けることも好ましい。3層目のポリイミド層として使用可能な例として、ジアミンが、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、p−フェニレンジアミンおよび、4,4’−オキシジアニリンからなり、酸二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および、ピロメリット酸二無水物からなるポリイミド層が挙げられ、これは、金属箔をエッチングした場合に発生する反りを防止するのに役立つため好ましい。
尚、2層目、3層目のポリイミドにも好ましくは0〜20mol%の範囲で前述したアミン化合物、酸二無水物、末端封止、ビスマレイミドや、その他フィラー、シランカップリング剤を適宜加えることができる。
ここで、1層目のポリアミック酸/ポリイミド組成物から得られるポリイミドの厚さは0.2以上10μm以下であることが好ましく、更に好ましくは1以上4μm以下であり、100〜200℃の平均線膨張係数が20以上70ppm/℃以下であることが望まれる。
2層目に用いるポリイミドの厚さは1以上250μm以下が好ましく、更に好ましくは4以上50μm以下、より好ましくは10以上40μm以下であり、ガラス転移温度が300℃以上又はガラス転移温度が無く、また、100〜200℃の平均線膨張係数が5以上30ppm/℃以下、好ましくは10以上20ppm/℃以下であることが望まれる。
3層目のポリイミドの厚さは0以上10μm以下が好ましく、更に好ましくは0.5以上5μm以下であり、ガラス転移温度が300℃以上又はガラス転移温度が無く、また、100〜200℃の平均線膨張係数が10以上60ppm/℃以下、好ましくは20以上40ppm/℃以下であることが望まれる。
尚、両面ポリイミド金属積層板の場合の構成も、本発明のポリアミック酸/ポリイミド組成物を1層のみ用いても良いが、好ましくは多層であることが望まれ、その際、少なくとも片方の金属箔に本発明のポリアミック酸/ポリイミド組成物を用い、もう片方の金属箔には本発明のポリアミック酸/ポリイミド組成物またはそれ以外のガラス転移温度が100℃以上250℃未満になるように前述記載の原料から適宜選択されたポリイミドが使用でき、両ポリイミドで挟まれた、ポリイミド層には前述した2、3層目に用いたポリイミドを単独または組み合わせで使用できる。
また、ポリアミック酸/ポリイミド組成物から得られるポリイミドフィルムのガラス転移温度+50℃での引張弾性率は、ポリイミド金属積層板の加工時の温度で変形や金属箔との剥離を発生させないために8.0×10Pa以上であることが好ましい。
本発明に用いる金属箔の金属種は特に限定はないが、例として銅及び銅合金、ステンレス鋼及びその合金、ニッケル及びニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム及びアルミニウム合金等が挙げられる。好ましくは銅及び銅合金である。また、これらの金属表面に防錆層や耐熱層(例えば、クロム、亜鉛などのメッキ処理)、シランカップリング剤などを形成したものも利用できる。好ましくは銅および/または、ニッケル、亜鉛、鉄、クロム、コバルト、モリブテン、タングステン、バナジウム、ベリリウム、チタン、スズ、マンガン、アルミニウム、燐、珪素等のうち、少なくとも1種以上の成分と銅を含む銅合金であり、これらは回路加工上好まれて使用される。特に望ましい金属箔としては圧延または電解メッキ法によって形成された銅箔であり、その好ましい厚さは3〜150μm、更に好ましくは3〜35μm、より好ましくは3〜12μmである。
該金属箔は両面共に如何なる粗化処理も施されていないものであっても、片面若しくは両面に粗化処理が施されていても良いが、好ましくは低粗度または無粗化処理箔が好ましく、具体的に使用可能な市販品の例として、F1−WS、F0−WS(古河サーキットフォイル社製 商品名)、BHY、NK120(ジャパンエナジー社製 商品名)、SLP、USLP(日本電解社製 商品名)、TQ−VLP、SQ-VLP、FQ-VLP(三井金属鉱業社製 商品名)、C7025、B52(オーリン社製 商品名)等が挙げられる。
また、その表面の10点平均粗さ(Rz)が、ポリイミド層に接する面において3μm未満であることが好ましく、より好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下であり、その裏面が3μm以下、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下であることが望まれる。
表面の10点平均粗さ(Rz)は、JIS B-0601に規定される方法であり、カットオフ値0.25mm、測定長さ2.5mmとし、金属箔の幅方向に向かって測定を行う方法である。
このような金属箔を用いてポリイミド金属積層板を形成した後、金属箔を完全にエッチング除去させ光透過性を測定したときに、600nmの波長の光を10%以上、好ましくは50%以上、更に好ましくは55%以上透過させることが画像認識性を高めるために望まれる。
また、回路の信頼性の点から、金属箔とポリイミドのピール強度が常態で0.5kN/m以上有ることが望まれ、更に好ましくは0.6kN/m以上あることが回路加工時の熱処理や溶剤処理時の信頼性に繋がる。
更に金属箔のポリイミド層に接する面の表面に、ニッケルが0.05〜1.0mg/dm、好ましくは0.1〜0.4mg/dm、亜鉛が0.5mg/dm以下、好ましくは0mg/dm以上0.3mg/dm以下、より好ましくは0mg/dm以上0.2mg/dm以下、クロムが0.2mg/dm以下、好ましくは0mg/dm以上0.1mg/dm以下、珪素が0.2mg/dm以下、好ましくは0mg/dm以上0.1mg/dm以下それぞれ付着していることが、回路の信頼性の面で望ましい。また、ポリイミド層に接しない面にも、ニッケルや亜鉛メッキ、更にクロメート処理が施されていることが好ましい。
ここで珪素はポリイミドとの密着を高める目的で施されるシランカップリング剤由来のものである。このシランカップリング剤は、金属箔表面処理の最表層にアルコールや水に溶解させたものを均一に塗布し、その後50〜150℃程度で乾燥し形成させることが一般的で、その種類も、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン系、β-(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系などが代表的であるが、これらに限定されるものではない。
ポリイミド金属積層板の製造方法としては、ポリイミドと金属箔が、加熱圧着により積層される、いわゆるラミネート方式か、または、ポリイミドの前駆体ワニスを金属箔に塗布乾燥して積層される、キャスト方式か、さらにそれらを組み合わせることで積層させるか、それらいずれかを適宜選択できるが、ポリイミド層の厚さが25μmを超える用途では、ラミネート方式が乾燥に要する時間が短くて済み、生産能力とコスト面で好ましい。
ここで、ラミネート方法としては、加熱プレス法及び/又は連続ラミネート法が挙げられる。加熱プレス法としては、例えば、プレス機の所定のサイズに切りだした金属箔とポリイミドとを重ね合わせを行ない加熱プレスにより熱圧着することにより製造できる。
連続ラミネート法としては、特に制限は無いが、例えば、ロールとロール間に挟み込み、張り合わせを行なう方法がある。このロールは金属ロール、ゴムロール等が利用できる。材質に制限はないが、金属ロールとしては、鋼材やステンレス材料が使用される。表面にハードクロムメッキ、タングステンカーバイド等表面硬度を高めた処理ロールを使用することが好ましい。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性のあるシリコンゴム、フッ素系のゴムを使用することが好ましい。
また、ベルトラミネートと呼ばれる、上下2本の金属ロールを1組とし、それを1組以上直列に配置した上下ロール間に上下2つのシームレスのステンレスベルトを間に配置させ、そのベルトを金属ロールにより加圧し、更に、金属ロールやその他熱源により加熱させることで連続ラミネートしても良い。
ラミネート温度としては、200〜300℃の温度範囲で有れば良く、高度な技術が必要な300℃程度以上の高温度はあえて用いなくても良い。好ましい加熱方式は、伝導加熱方式の他、遠赤外等の輻射加熱方式、誘導加熱方式等も利用できる。
加熱プレス法及び/又は連続ラミネート後、加熱アニールすることも好ましい。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等が利用できる。加熱雰囲気として、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。加熱方法としては、フィルムを連続的に加熱する方法またはフィルムをコアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。加熱温度は、200〜600℃の温度範囲が好ましい。加熱時間は、0.05〜5000分の時間範囲が好ましい。
キャスト方法としては、ポリアミック酸/ポリイミド組成物の溶液(以下、これらを総称してワニスという)を直接塗布・乾燥することにより製造することが出来る。ワニスは、作業性を考慮すると、ワニス中のポリアミック酸/ポリイミドの含有率は5〜70重量%が好ましい。また25℃での粘度は1〜100,000cpsが好ましい。
直接塗布する方法としては、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の公知の方法が採用できる。塗布する厚み、ワニスの粘度等に応じて適宜利用できる。
塗布したワニスを乾燥・キュアする方法は、通常の加熱乾燥炉が利用できる。乾燥炉の雰囲気としては、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。乾燥の温度としては、溶媒の沸点により適宜選択するが、60〜600℃の温度範囲が好適に利用される。乾燥の時間は、厚み、濃度、溶媒の種類により適宜選択するが0.05〜500分程度で行なうのが望ましい。
また、製造工程中や最終製品のポリイミド層の表面に保護フィルムを貼付することも搬送性や異物等のコンタミ防止の観点から好ましい。保護フィルムとしては、弱粘着性を有する保護フィルムが好ましい。保護フィルムの粘着力が弱いと、巻取り工程において剥離することがあり、巻しわ、折れ、すじ等の発生を防止する効果が低下する。また、強すぎると、保護フィルムが剥離し難くなり、接着テープの破れ等、すじ、しわが発生する原因となることがある。かかる点を考慮すると、熱可塑性ポリイミド層に対する粘着力が0.1〜50g/cmの範囲にあることが好ましい。保護フィルムの厚みは、10〜100μmの範囲にあるものが好ましい。
保護フィルムの基材としては、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等が使用できる。これらのフィルム用樹脂の成分を多層成形した多層フィルムも使用できる。上記の粘着力を示すものは、フィルム単体として使用できる。市販のフィルムとして、例えば、サニテクト(サンエー化研株式会社製、商品名)、MF1(三陽化成株式会社製、商品名)等が挙げられる。
また、上記単層または多層フィルムやポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル等のフィルムの表面に弱粘着性の粘着剤層を形成したフィルムも好適に使用できる。粘着剤成分には特に制限はないが、アクリル系粘着剤、ウレタン粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、シリコン系粘着剤が挙げられる。好ましくはポリエステルフィルムにアクリル系粘着剤を積層したものである。
本発明により提供されるポリイミド金属積層板は、金属箔とポリイミド層のピール強度が強いことから、エッチング、穴あけ、メッキ等の加工を行ない10〜40μmの微細加工を形成しても、電気的信頼性に優れ、且つ、ポリイミドとの密着が強く、高温での部品、素子実装時に変形や剥がれ等の問題の無い電子部品として高密度実装加工が可能となる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
ピール強度、ガラス転移温度、イミド化率、光透過率、ブロックポリマー評価は、下記の方法により測定した。
(1)ピール強度(kN/m)
長さ50mm、幅1mmの導体を、金属箔をエッチングすることにより形成し、JIS C−6471に規定される方法に従い、短辺の端から金属導体側をポリイミド層から剥離角度を90°、剥離速度を50mm/minにて剥離し、その応力を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)(℃)
板ガラス上に合成したワニスを乾燥後10μm程度になるように塗布し、50−270℃まで窒素パージしたオーブン中で7℃/min昇温にて加熱させた後、80℃程度の熱水中で剥離後、室温〜80℃程度で乾燥させたフィルム、約10〜20mgをJIS C 6481に準拠し、マック・サイエンス社(現 ブルカー・エシエックスエス)製DSC3110を用いDSC(示差走査型熱量計)測定により10℃/minで450℃まで昇温させた時の変化から求めた。
(3)光透過率(%)
ポリイミド金属積層板の金属箔を40℃の塩化第二鉄溶液でエッチング除去後、フィルムを十分に水洗し、20℃〜80℃程度で乾燥させた後、日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−3010を用い、波長200〜850nm、スキャンスピードを600nm/min、測定回数1回の条件で測定した後、600nmにおける光透過率の値を読み取った。
(4)イミド化率(%)
0.5mm厚のシリコンウェハ上にワニスを1μm程度になるように塗布し、Bio−Rad製・FT−IR FTS−165を用い、積算32回、分解能4cm−1の透過法にて測定し、内部標準として1500cm−1のベンゼン環(νC=C)由来のピーク面積A(ベンゼン)と、1780cm−1のイミド環(νaC=0)由来のピーク面積A(イミド)の比、R1=A(イミド)/A(ベンゼン)を求める。次に、測定で用いたシリコンウェハ上に塗布されたワニスを室温から250℃まで窒素パージしたオーブン中で7℃/min昇温にて加熱させた後同様の比率R2を求め、イミド化率(%)=R1/R2×100により算出した。
(5)ブロックポリマー評価 TMA法
マック・サイエンス(現 ブルカー・エシエックスエス)社製TMA−4000を用い、ガラス転移温度測定で作成したフィルムを、幅4mm、長さ20mm、荷重10gf、昇温速度10℃/min、空気雰囲気条件で測定し、ガラス転移温度由来の変曲点の有無を確認し、変曲点が2つの場合にブロックポリマーと判定した。
尚、DSC法、TMA法共にTgが見られないポリアミック酸と低Tgポリイミドとの混合ワニスの場合、仮に変曲点が一つであっても低Tg側ポリイミド由来の変曲点が現れた場合はブロックポリマーとした。
また、実施例に用いた酸二無水物、ジアミンの略称は以下の通りである。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
PPD:p−フェニレンジアミン
ODA:4,4’−オキジアニリン
m−BP:4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
3,4’−ODA:3,4’ −オキジアニリン(3,4’−ジアミノジフェニルエーテル)
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
APB5:1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン
合成例1[ポリアミック酸の合成]
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、ポリアミック酸の含有率が10重量%になるように溶媒としてフェノールとp−クレゾールが重量比で1:9の混合溶媒を加え、これに3,4’−ODAを加え、溶解するまで室温にて撹拌を行った。その後、ジアミンを1としたときのモル比で0.995のBPDAを加え、60℃において48時間撹拌を行い、ポリアミック酸ワニスを得た。得られたポリアミック酸のイミド化率は2%未満で、Tgは280℃で、400℃付近に融点が検出された。
合成例2[ポリイミドの合成]
撹拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた容器に、m−クレゾールを加え、これにAPBを加え、ポリアミック酸の含有率が25重量%になるように溶解するまで室温にて撹拌を行った。その後、ジアミンを1としたときのモル比で0.975のBPDAと、γ−ピコリンを15mol%添加し、窒素雰囲気下で撹拌しながら150℃まで加熱昇温した。その後150℃で4時間反応させたところ、その間に水の留出が確認された。反応終了後室温まで冷却し、メタノールを装入後、ポリイミド粉を濾別した。このポリイミド粉をメタノールで洗浄した後、窒素中で50℃/12時間乾燥してポリイミド粉を得た。得られたポリイミド粉を、含有率が10重量%になるようにフェノールとp−クレゾールが重量比で1:9の混合溶媒を加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら150℃まで加熱昇温し、150℃で4時間攪拌溶解させることで、ポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドのイミド化率は90%で、Tgは197℃で、融点はなかった。
合成例3[ポリアミック酸の合成]
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、総ジアミンと総酸二無水物のモル比が1:0.997になるようにPPD(30mol%)、及び、ODA(49mol%)をDMAcとNMPを7:3の割合の溶媒中にポリアミック酸の含有率が15重量%になるように加え、撹拌しながら50〜60℃に加熱して溶解させた。その後、氷で約30℃になるまで冷却した後、BPDA(30mol%)を加え60℃に加熱し約2時間撹拌を行った。さらに、m−BP(21mol%)を加え60℃に温度を保ちながら撹拌を行った。最後にPMDA(70mol%)を加え60℃で2時間撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。 得られたポリアミック酸のイミド化率は2%未満で、Tg、融点共に検出されなかった。
合成例4[ポリアミック酸の合成]
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、総ジアミンと総酸二無水物のモル比が1:0.975になるようにODA(70mol%)とm−BP(30mol%)をDMAc溶媒中にポリアミック酸の含有率が20重量%になるように加え、撹拌しながら50〜60℃に加熱して溶解させた。その後、氷で約30℃になるまで冷却した後、PMDAを加え60℃に加熱し約4時間撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸のイミド化率は2%未満で、Tg、融点共に検出されなかった。
合成例5[ポリアミック酸の合成]
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、総ジアミンと総酸二無水物のモル比が1:0.975になるようにPPDをNMP溶媒中にポリアミック酸の含有率が23重量%になるように加え、撹拌しながら50〜60℃に加熱して溶解させた。その後、氷で約30℃になるまで冷却した後、BTDAを加え60℃に加熱し約4時間撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸のイミド化率は2%未満で、Tg、融点共に検出されなかった。
合成例6[ポリイミドの合成]
撹拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた容器に、メシチレンとNMPが1:3〜4になるように加え、これにAPB(70mol%)とビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(30mol%)を加え、ポリアミック酸の含有率がNMPに対して25重量%になるように溶解するまで室温にて撹拌を行った。その後、ジアミンを1としたときのモル比で1.02のBTDAを添加し、窒素雰囲気下で撹拌しながら約160−175まで加熱昇温した。その後約175℃で6時間反応させたところ、その間に水の留出が確認された。更に180−195℃まで温度を上げながらメシチレンを排出した後室温まで冷却することで、ポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドのイミド化率は95%で、Tgは143℃で、融点はなかった。
合成例7[ポリイミドの合成]
合成例6のAPBをAPB5に替えた以外は同様の方法でポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドのイミド化率は95%で、Tgは110℃で、融点はなかった。
実施例1
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、合成例2で得られた10重量%の末端がアミンのポリイミドワニスに、ポリイミドワニス中の原料ジアミンを1としたときのモル比で、酸二無水物が1.004になるようにBPDAを更に添加し、窒素雰囲気下で撹拌しながら60℃で溶解させ、酸無水物末端のポリイミドワニスを得た。合成例1のポリアミック酸ワニスに、先の方法で得た酸無水物末端のポリイミドワニスを5重量%になるように加え(各々のポリアミック酸含有量を基準として計算)、窒素雰囲気下で撹拌しながら60℃で48時間攪拌し、ポリアミック酸/ポリイミド組成物からなる均一なワニスを得た。このワニスから得られたフィルムをTMA法によりブロックポリマー評価をした結果、200℃と280℃付近に2つの変曲点をもつブロックポリマーであった。
次に、市販のポリイミド樹脂フィルム(東レ・デュポン(株)製、商品名:カプトン150EN)を用い、第一面に得られたブロックポリマーのワニスをコンマコーターにより乾燥後の厚さで2μmになるように塗布し、115℃で2分乾燥後、第二面に合成例3のポリアミック酸ワニスをコンマコーターにより乾燥後の厚さで2μmになるように塗布し、115℃で2分、140℃で2分、180℃で5分、265℃で2分、エアーフロート方式の乾燥炉にて乾燥を行い、絶縁フィルムを得た。
この絶縁フィルムの第一面と電解銅箔(古河サーキットフォイル社製:F0−WS箔、厚さ9μm、ポリイミド積層面Rz:0.9μm、裏面Rz:1.5μm)が重なるようにして、130℃15分プレドライ後、温度280℃、圧力1.5MPa下で4時間加熱圧着し、ポリイミド金属積層板を得た。得られたポリイミド金属積層板を評価した結果、ピール強度は0.80kN/mで、光透過率は57.9%であった。
実施例2
合成例1のポリアミック酸ワニスに、実施例1の方法で得られた酸無水物末端のポリイミドワニス25重量%を加えた以外は、実施例1と同様の方法でポリアミック酸/ポリイミド組成物のワニスとポリイミド金属積層板を得た。
ワニスから得られたフィルムをTMA法によりブロックポリマー評価をした結果、200℃と280℃付近に2つの変曲点をもつブロックポリマーであった。得られたポリイミド金属積層板を評価した結果、ピール強度は0.75kN/mで、光透過率は54.1%であった。
実施例3
合成例1のポリアミック酸ワニスに、実施例1の方法で得られた酸無水物末端のポリイミドワニス40重量%にした以外は、実施例1と同様の方法でポリアミック酸/ポリイミド組成物のワニスとポリイミド金属積層板を得た。
ワニスから得られたフィルムをTMA法によりブロックポリマー評価をした結果、200℃と280℃付近に2つの変曲点をもつブロックポリマーであった。得られたポリイミド金属積層板を評価した結果、ピール強度は0.75kN/mで、光透過率は48%であった。
実施例4
合成例1のポリアミック酸ワニスに実施例1の方法で得られた酸無水物末端のポリイミドワニス50重量%混合した以外は、実施例1と同様の方法でポリアミック酸/ポリイミド組成物のワニスとポリイミド金属積層板を得た。
ワニスから得られたフィルムをTMA法によりブロックポリマー評価をした結果、200℃と280℃付近に2つの変曲点をもつブロックポリマーであった。得られたポリイミド金属積層板を評価した結果、ピール強度は0.6kN/mで、光透過率は27%だった。カプトンの第一面に塗布したポリアミック酸/ポリイミド組成物の乾燥後の状態を2500倍の光学顕微鏡にて観察した結果、海島状態にポリイミド同士が相分離しており、島部分は10μm程度の球状であった。
実施例5
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、合成例4のポリアミック酸ワニスに、合成例6のポリイミドワニスを40重量%になるように加え窒素雰囲気下で撹拌しながら60℃で4時間攪拌し、ポリアミック酸/ポリイミド組成物からなる均一なワニスを得た。このワニスから得られたフィルムをTMA法によりブロックポリマー評価をした結果、140℃と330℃付近に2つの変曲点をもつブロックポリマーであった。次に、市販のポリイミド樹脂フィルム(東レ・デュポン(株)製、商品名:カプトン150EN)を用い、第一面に得られたブロックポリマーのワニスをコンマコーターにより乾燥後の厚さで2μmになるように塗布し、115℃で2分乾燥後、第二面に合成例3のポリアミック酸ワニスをコンマコーターにより乾燥後の厚さで2μmになるように塗布し、115℃で2分、140℃で2分、180℃で5分、265℃で2分、エアーフロート方式の乾燥炉にて乾燥を行い、絶縁フィルムを得た。この絶縁フィルムの第一面と電解銅箔(古河サーキットフォイル社製:F0−WS箔、厚さ9μm、ポリイミド積層面Rz:0.9μm、裏面Rz:1.5μm)が重なるようにして、130℃15分プレドライ後、温度300℃、圧力1.5MPa下で4時間加熱圧着し、ポリイミド金属積層板を得た。得られたポリイミド金属積層板を評価した結果、ピール強度は0.51kN/mで、光透過率は56%であった。
実施例6
合成例6のポリイミドワニスの重量比率を60重量%に替えた以外は実施例5と同様の方法でポリアミック酸/ポリイミド組成物からなる均一なワニスを得た。このワニスから得られたフィルムをTMA法によりブロックポリマー評価をした結果、140℃と330℃付近に2つの変曲点をもつブロックポリマーであった。更に得られたブロックポリマーのワニスを用い実施例5と同様の方法でポリイミド金属積層板を得た。得られたポリイミド金属積層板を評価した結果、ピール強度は0.65kN/mで、光透過率は30%で、光学顕微鏡による観察から相分離構造であった。
実施例7
実施例5の合成例6のポリイミドワニスを合成例7のポリイミドワニスに替えた以外は同様の方法でポリアミック酸/ポリイミド組成物からなる均一なワニスを得た。このワニスから得られたフィルムをTMA法によりブロックポリマー評価をした結果、110℃と330℃付近に2つの変曲点をもつブロックポリマーであった。更に得られたブロックポリマーのワニスを用い実施例5と同様の方法でポリイミド金属積層板を得た。得られたポリイミド金属積層板を評価した結果、ピール強度は0.6kN/mで、光透過率は57%であった。
実施例8
実施例6に用いた合成例4のポリアミック酸ワニスを合成例5に替えた以外は同様の方法でポリアミック酸/ポリイミド組成物からなる均一なワニスを得た。このワニスから得られたフィルムをTMA法によりブロックポリマー評価をした結果、140℃付近にしか変曲点がなかったが、合成例5のポリアミック酸ワニスはTMA法でもTgは見出されなかったことから変曲点が一つであってもブロックポリマーと判定した。更に得られたブロックポリマーのワニスを用い実施例5と同様の方法でポリイミド金属積層板を得た。得られたポリイミド金属積層板を評価した結果、ピール強度は0.6kN/mで、光透過率は30%で、光学顕微鏡による観察から相分離構造であった。
比較例1
ブロックコポリマーではない合成例1のポリアミック酸ワニスを非熱可塑性ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製商品名:カプトン150EN)の第一面に塗布した以外は実施例1と同様の方法でポリイミド金属積層板を得た。得られた、ポリイミド金属積層板を評価した結果、ピール強度は0.4kN/mで、光透過率は59%であった。
比較例2
ブロックコポリマーではない合成例4のポリアミック酸ワニスを用いた以外は比較例1と同様の方法でポリイミド金属積層板を得た。得られたポリイミド金属箔積層板を評価した結果、ピール強度は0.2kN/mで、光透過率は59%であった。
比較例3
ブロックコポリマーではない合成例5のポリアミック酸ワニスを用いた以外は比較例1と同様の方法でポリイミド金属積層板を得た。得られたポリイミド金属箔積層板を評価した結果、ピール強度は0kN/mで、光透過率は61%であった。
本発明は、低粗度の金属箔を用いても金属層とポリイミド層とのピール強度に優れ、微細配線パターンを形成でき、かつ、高温での部品、素子実装に際しても変形や剥離が発生しないポリイミド金属積層板が製造でき、フレキシブル回路基板として有用である。

Claims (7)

  1. ポリイミドの片面若しくは両面に金属箔が積層されたポリイミド金属積層板において、
    前記ポリイミド層のうち、少なくとも前記金属箔と接するポリイミド層が、ポリイミドブロックコポリマーであり、
    前記ポリイミドブロックコポリマーは、250℃以上であるガラス転移温度(Tg1)を有するポリイミドブロックと、100℃以上250℃未満であるガラス転移温度(Tg2)を有するポリイミドブロックとを含み
    g1−Tg2≧10であり、かつ
    前記ポリイミドブロックコポリマーのガラス転移温度の測定において、前記ガラス転移温度(Tg1)に由来する変曲点と、前記ガラス転移温度(Tg2)に由来する変曲点とを有する、ポリイミド金属積層板。
  2. 前記ポリイミドブロックコポリマーのガラス転移温度は、TMA法により測定される、請求項1に記載のポリイミド金属積層板
  3. 前記250℃以上のガラス転移温度(Tg1)を有するポリイミドブロックのガラス転移温度(Tg1)、および前記100℃以上250℃未満のガラス転移温度(Tg2)を有するポリイミドブロックのガラス転移温度(Tg2)が、DSC法により測定される、請求項1または2に記載のポリイミド金属積層板
  4. 前記ガラス転移温度(Tg2)が、150℃以上220℃未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイミド金属積層板。
  5. 前記ガラス転移温度(Tg2)を有するポリイミドブロックのジアミン成分は、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3'−ジアミノベンゾフェノンからなる群から選ばれるジアミンを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリイミド金属積層板。
  6. 前記ガラス転移温度(Tg2)を有するポリイミドブロックの酸二無水物成分は、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれるテトラカルボン酸二無水物を含む、請求項に記載のポリイミド金属積層板。
  7. 前記ポリイミドブロックコポリマーは、前記ガラス転移温度(Tg1)を有するポリイミドブロックとなるポリアミック酸(α)と、前記ガラス転移温度(Tg2)を有するポリイミドブロックとなるポリイミド(β)とを含むワニスから得られ、
    前記ポリイミド(β)は、前記ポリアミック酸(α)に対して、5〜40質量%含まれる、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリイミド金属積層板。
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