JP4389338B2 - フレキシブル金属箔積層体の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダブルベルトプレス法によるフレキシブル金属箔積層体の製造法に関するものであり、さらに詳しくは高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に熱圧着性の芳香族ポリイミド層を有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とが積層されてなるオ−ルポリイミドで製品外観および寸法安定性が良好であるフレキシブル金属箔積層体の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラ、パソコン、液晶ディスプレイなどの電子機器類への用途として芳香族ポリイミドフィルムは広く使用されている。
芳香族ポリイミドフィルムをフレキシブルプリント板(FPC)やテ−プ・オ−トメイティッド・ボンディング(TAB)などの基板材料として使用するためには、エポキシ樹脂などの接着剤を用いて銅箔を張り合わせる方法が採用されている。
【0003】
芳香族ポリイミドフィルムは耐熱性、機械的強度、電気的特性などが優れているが、接着剤の耐熱性等が劣るため、本来のポリイミドの特性を損なうことが指摘されている。
このような問題を解決するために、接着剤を使用しないでポリイミドフィルムに銅を電気メッキしたり、銅箔にポリアミック酸溶液を塗布し、乾燥、イミド化したり、熱可塑性ポリイミドを熱圧着させたオ−ルポリイミド基材が開発されている。
【0004】
また、真空プレス機などを用いてポリイミドフィルムと金属箔との間にポリイミド接着剤をサンドイッチ状に接合したポリイミドラミネ−トが知られている(米国特許第4543295号)。
しかし、このポリイミドラミネ−トでは、長尺状のものが得られずしかも低熱線膨張のビフェニルテトラカルボン酸系ポリイミドフィルムについては接着強度が小さく使用できないという問題がある。
【0005】
また、ロ−ルラミネ−ト法によって耐熱性ポリイミド層と熱圧着性ポリイミド層との熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とを加熱圧着したフレキシブル金属箔積層体が提案されているが、製品外観が良好なものを得ることは困難であった。
このため、ロ−ルの材質として特定の硬度を有する金属を使用するとか、熱圧着性のポリイミドとして特定の芳香族ジアミンによって得られたものを使用する試みがなされている。
しかし、これらの方法によって得られるフレキシブル金属箔積層体も製品外観が十分ではなく、しかもフレキシブル金属箔積層体として厚みの小さいものが求められる場合に、幅方向の均一性および寸法変化率が十分なものを得ることが難しく、電子回路形成時に製品収率が悪化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、ポリイミドと金属箔とを積層した、製品外観および寸法安定性が良好であるフレキシブル金属箔積層体の製造法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明は、高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に熱圧着性のポリイミド層を有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とをダブルベルトプレスを用いてフレキシブル金属箔積層体を製造する方法であり、
金属箔の厚みが3μm〜35μmで、
高耐熱性の芳香族ポリイミド層は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラ−フェニレンジアミンとを含む成分より製造される芳香族ポリイミド、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物とパラ−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとを含む成分より製造される芳香族ポリイミド、
或いはピロメリット酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとを含む成分より製造される芳香族ポリイミドで、
熱圧着性のポリイミド層は、300〜400℃の温度で熱圧着できる熱可塑性のポリイミドで、
熱圧着性多層ポリイミドフィルムの厚みが7〜50μmで、各々の熱圧着性のポリイミド層の厚さが2〜10μmである熱圧着性多層ポリイミドフィルムを用い、
ダブルベルトプレスに熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔との組み合わせを1組以上供給するとともに両最外層とベルトとの間に保護材として厚み5〜125μmの金属箔を熱圧着性多層ポリイミドフィルムの幅方向全てを保護するように介在させ、加圧下に熱圧着−冷却して張り合わせて、高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に金属箔が熱圧着性のポリイミド層を介して積層することを特徴とするフレキシブル金属箔積層体を製造方法に関する。なお、±0.10%とは、絶対値が0.10%であることを意味する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の好ましい態様を列記ずる。
1)熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、高耐熱性の芳香族ポリイミド層の両面に熱圧着性のポリイミド層が積層されてなるものである前記フレキシブル金属箔積層体の製造法。
2)金属箔が、電解銅箔、圧延銅箔、アルミニウム箔あるいはステンレス箔である前記フレキシブル金属箔積層体の製造法。
3)金属箔が、厚み3μm〜35μmの金属箔である前記フレキシブル金属箔積層体の製造法。
4)ポリイミド層の厚みが7〜50μmである前記フレキシブル金属箔積層体の製造法。
5)熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面、好ましくは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミド層を共押出−流延製膜成形法で積層一体化して得られるものである前記フレキシブル金属箔積層体の製造法。
6)フレキシブル金属箔積層体の厚みが15〜120μmである前記フレキシブル金属箔積層体の製造法。
【0009】
この発明によって得られるフレキシブル金属箔積層体の構成としては、例えば次の各種の組み合わせが挙げられる。次の記載でTPI−Fは熱圧着性多層ポリイミドフィルムを、TPIは熱圧着性の芳香族ポリイミド層を、PIは高耐熱性の芳香族ポリイミド層を各々示し、[ ]中の記載は熱圧着性多層ポリイミドフィルムの構成を示す。
フレキシブル金属箔積層体を構成する1組単位の構成:
▲1▼金属箔/TPI−F[TPI/PI]
▲2▼金属箔/TPI−F[TPI/PI/TPI]
▲3▼金属箔/TPI−F[TPI/PI/TPI]/金属箔
この▲1▼〜▲3▼から2組以上を製造する場合には、任意の組み合わせが可能で、例えば同じ構成の組み合わせでもよく異なった構成の組み合わせであってもよい。
【0010】
この発明においては、ダブルベルトプレス及び熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔との組み合わせを1組以上供給する際に両最外層とベルトとの間に保護材を介在させ、加圧下に熱圧着−冷却して張り合わせて、積層する。
【0011】
この発明における熱圧着性多層ポリイミドフィルムは、例えば高耐熱性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液乾燥膜の片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液を積層した後、あるいはより好ましくは、共押出し−流延製膜法によって高耐熱性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液の片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドまたはその前駆体溶液を積層した後、乾燥、イミド化して熱圧着性多層ポリイミドフィルムを得る方法によって得ることができる。
【0012】
前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムの高耐熱性の芳香族ポリイミドは、好適には3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下単にs−BPDAと略記することもある。)とパラフェニレンジアミン(以下単にPPDと略記することもある。)と場合によりさらに4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(以下単にDADEと略記することもある。)および/またはピロメリット酸二無水物(以下単にPMDAと略記することもある。)とから製造される。この場合PPD/DADE(モル比)は100/0〜85/15であることが好ましい。また、s−BPDA/PMDAは100:0−50/50であることが好ましい。
また、高耐熱性の芳香族ポリイミドは、ピロメリット酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとから製造される。この場合DADE/PPD(モル比)は90/10〜10/90であることが好ましい。
さらに、高耐熱性の芳香族ポリイミドは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)とパラフェニレンジアミン(PPD)および4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(DADE)とから製造される。この場合、酸二無水物中BTDAが20〜90モル%、PMDAが10〜80モル%、ジアミン中PPDが30〜90モル%、DADEが10〜70モル%であることが好ましい。
前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範囲で、他の種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルメタン等を使用してもよい。
また、前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミンの芳香環にフッ素基、水酸基、メチル基あるいはメトキシ基などの置換基を導入してもよい。
【0013】
上記の高耐熱性の芳香族ポリイミドとしては、単層のポリイミドフィルムの場合にガラス転移温度が350℃未満の温度では確認不可能であるものが好ましく、特に熱線膨張係数(50〜200℃)(MD、TDおよびこれらの平均のいずれもで、通常はこれらに差が少ないためMDの値で表示する。)が5×10-6〜25×10-6cm/cm/℃であるものが好ましい。
この高耐熱性の芳香族ポリイミドの合成は、最終的に各成分の割合が前記範囲内であればランダム重合、ブロック重合、ブレンドあるいはあらかじめ2種類以上のポリアミック酸溶液を合成しておき各ポリアミック酸溶液を混合してポリアミック酸の再結合によって共重合体を得る、いずれの方法によっても達成される。
【0014】
この発明における熱圧着性ポリイミドとしては、300〜400℃程度の温度で熱圧着できる熱可塑性ポリイミドであれば何でも良い。好適には1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)(以下、TPERと略記することもある。)と2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもある。)とから製造される。
また、前記の熱圧着性ポリイミドとしては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン(DANPG)と4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)とから製造される。
あるいは、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)およびピロメリット酸二無水物と1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)とから製造される。
また、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから、あるいは3,3’−ジアミノベンゾフェノンおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから製造される。
【0015】
この熱圧着性ポリイミドの物性を損なわない範囲で他のテトラカルボン酸二無水物、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物などで置き換えられてもよい。
また、熱圧着性ポリイミドの物性を損なわない範囲で他のジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパンなどの複数のベンゼン環を有する柔軟な芳香族ジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカンなどの脂肪族ジアミン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどのジアミノジシロキサンによって置き換えられてもよい。
前記の熱圧着性の芳香族ポリイミドのアミン末端を封止するためにジカルボン酸類、例えば、フタル酸およびその置換体、ヘキサヒドロフタル酸およびその置換体、コハク酸およびその置換体やそれらの誘導体など、特に、フタル酸を使用してもよい。
【0016】
前記の熱圧着性のポリイミドは、前記各成分と、さらに場合により他のテトラカルボン酸二無水物および他のジアミンとを、有機溶媒中、約100℃以下、特に20〜60℃の温度で反応させてポリアミック酸の溶液とし、このポリアミック酸の溶液をド−プ液として使用できる。
この発明における熱圧着性のポリイミドを得るためには、前記の有機溶媒中、酸の全モル数(テトラ酸二無水物とジカルボン酸の総モルとして)の使用量がジアミン(モル数として)に対する比として、好ましくは0.92〜1.1、特に0.98〜1.1、そのなかでも特に0.99〜1.1であり、ジカルボン酸の使用量がテトラカルボン酸二無水物のモル量に対する比として、好ましくは0.00〜0.1、特に0.02〜0.06であるような割合が好ましい。
【0017】
また、ポリアミック酸のゲル化を制限する目的でリン系安定剤、例えば亜リン酸トリフェニル、リン酸トリフェニル等をポリアミック酸重合時に固形分(ポリマ−)濃度に対して0.01〜1%の範囲で添加することができる。また、イミド化促進の目的で、ド−プ液中に塩基性有機化合物系触媒を添加することができる。例えば、イミダゾ−ル、2−イミダゾ−ル、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ルなどをポリアミック酸(固形分)に対して0.01〜20重量%、特に0.5〜10重量%の割合で使用することができる。これらは比較的低温でポリイミドフィルムを形成するため、イミド化が不十分となることを避けるために使用する。
また、接着強度の安定化の目的で、熱圧着性の芳香族ポリイミド原料ド−プに有機アルミニウム化合物、無機アルミニウム化合物または有機錫化合物を添加してもよい。例えば水酸化アルミニウム、アルミニウムトリアセチルアセトナ−トなどをポリアミック酸(固形分)に対してアルミニウム金属として1ppm以上、特に1〜1000ppmの割合で添加することができる。
【0018】
前記のポリアミック酸製造に使用する有機溶媒は、高耐熱性の芳香族ポリイミドおよび熱圧着性の芳香族ポリイミドのいずれに対しても、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、クレゾ−ル類などが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
この発明における熱圧着性多層ポリイミドフィルムの製造においては、好適には共押出し−流延製膜法、例えば上記の高耐熱性の芳香族ポリイミドのポリアミック酸溶液の片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミド前駆体の溶液を共押出して、これをステンレス鏡面、ベルト面等の支持体面上に流延塗布し、100〜200℃で半硬化状態またはそれ以前の乾燥状態とする方法が採用できる。200℃を越えた高い温度で流延フィルムを処理すると、熱圧着性多層ポリイミドフィルムの製造において、接着性の低下などの欠陥を来す傾向にある。この半硬化状態またはそれ以前の状態とは、加熱および/または化学イミド化によって自己支持性の状態にあることを意味する。
【0020】
前記高耐熱性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸の溶液と熱圧着性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸の溶液との共押出しは、例えば特開平3−180343号公報(特公平7−102661号公報)に記載の共押出法によって二層あるいは三層の押出し成形用ダイスに供給し、支持体上にキャストしておこなうことができる。
前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドを与える押出し物層の片面あるいは両面に、熱圧着性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸溶液を積層して多層フィルム状物を形成して乾燥後、熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度(Tg)以上で劣化が生じる温度以下の温度、好適には300〜500℃の温度(表面温度計で測定した表面温度)まで加熱して(好適にはこの温度で1〜60分間加熱して)乾燥およびイミド化して、高耐熱性(基体層)の芳香族ポリイミドの片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドを有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムを製造することができる。
【0021】
この発明における熱圧着性の芳香族ポリイミドは、前記の酸成分とジアミン成分とを使用することによって、ガラス転移温度が180〜275℃、特に200〜275℃であって、好適には前記の条件で乾燥・イミド化して熱圧着性ポリイミドのゲル化を実質的に起こさせないことによって得られる、ガラス転移温度以上で300℃以下の範囲内の温度で液状化せず、かつ弾性率が、通常275℃での弾性率が室温付近の温度(50℃)での弾性率の0.0002〜0.2倍程度を保持しているものが好ましい。
【0022】
この発明において、高耐熱性の(基体層)ポリイミド層の厚さは5〜70μm、特に5〜50μmであることが好ましい。5μm未満では作成した熱圧着性多層ポリイミドフィルムの機械的強度、寸法安定性に問題が生じる。また70μmより厚くなっても特に効果はなく、高密度化の点で不利である。
また、この発明において、熱圧着性の芳香族ポリイミド層の厚みは各々2〜10μm、特に2〜8μm程度が好ましい。2μm未満では接着性能が低下し、10μmを超えても使用可能であるがとくに効果はなく、むしろフレキシブル金属箔積層体の耐熱性が低下する。
また、熱圧着性の多層ポリイミドフィルムは厚みが7〜75μm、特に7〜50μmであることが好ましい。7μm未満では作成したフィルムの取り扱いが難しく、75μmより厚くても特に効果はなく、高密度化に不利である。
【0023】
前記の共押出し−流延製膜法によれば、高耐熱性ポリイミド層とその片面あるいは両面の熱圧着性ポリイミドとを比較的低温度でキュアして熱圧着性ポリイミドの劣化を来すことなく、自己支持性フィルムのイミド化、乾燥を完了させた熱圧着性多層ポリイミドフィルムを得ることができ、好適である。
【0024】
この発明において使用される金属箔としては、銅、アルミニウム、鉄、金などの金属箔あるいはこれら金属の合金箔など各種金属箔が挙げられるが、好適には圧延銅箔、電解銅箔などがあげられる。金属箔として、表面粗度が余り大きくなくかつ余り小さくない、好適にはRzが7μm以下、特にRzが5μm以下、特に0.5〜5μmであるものが好ましい。このような金属箔、例えば銅箔はVLP、LP(またはHTE)として知られている。
金属箔の厚さは特に制限はないが、70μm以下、特に3〜35μmであることが好ましい。
また、Rzが小さい場合には、金属箔表面を表面処理したものを使用してもよい。
【0025】
この発明においては、熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔との組み合わせを1組以上供給するとともに最外層の両側とベルトとの間に保護材(つまり保護材2枚)を介在させ、加圧下に熱圧着−冷却して張り合わせて、積層することが必要であり、これによって薄いフレキシブル金属箔積層体であっても、150℃で30分加熱処理後のフィルムについて測定した寸法変化率(エッチング処理前の積層体に対する、金属箔をエッチング除去し150℃で30分加熱処理してフィルムの寸法変化を示す。)が|0.10|%以下、特に±0.001〜±0.10%、その中でも特に±0.001〜±0.08%の寸法安定性を有し幅方向の平面性の程度、皺の発生の有無及び擦り傷の有無を目視観察して判定した製品外観の良好なフレキシブル金属箔積層体を得ることができる。
【0026】
前記の保護材としては、非熱圧着性で表面平滑性が良いものであれば特に材質を問わず使用でき、例えば金属箔、特に銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔や、高耐熱性ポリイミドフィルム(宇部興産社製のユ−ピレックスS、東レ・デュポン社製のカプトンH)などの厚み5〜125μm程度のものが好適に挙げられる。
前記の保護材を構成材の最外層とベルトとの間に介在させることによって、構成材の総厚みが薄くても、金属箔と熱圧着性ポリイミドフィルムとが積層した製品外観が良好なフレキシブル金属箔積層体を得ることができる。特に、金属箔と前記熱圧着性多層ポリイミドフィルムとを積層して、製品外観が良好でしかも寸法安定性の良好なフレキシブル金属箔積層体を得ることができる。
前記の製造法において、ダブルベルトプレスを使用しても、熱圧着性ポリイミドフィルムと金属箔との構成材の最外層とベルトとの間に保護材を介在させずにに熱圧着−冷却して張り合わせても、高い寸法安定性および製品外観の良好なフレキシブル金属箔積層体を得ることが容易ではない。
【0027】
前記のダブルベルトプレスにおいて、熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とを、好適にはダブルベルトプレスに導く入口ドラムに沿わせるなどして100℃より高く250℃以下の温度で2〜120秒間程度予熱して、加圧下で熱圧着−冷却して張り合わせることことが好ましい。
前記のダブルベルトプレスは、加圧下に高温加熱−冷却を行うことができるものであって、熱媒を用いた液圧式のものが好ましい。
【0028】
この発明におけるフレキシブル金属箔積層体は、好適にはダブルベルトプレスの加熱圧着ゾ−ンの温度が熱圧着性ポリイミドのガラス転移温度より20℃以上高く400℃以下の温度、特にガラス転移温度より30℃以上高く400℃以下の温度で加圧下に熱圧着し、引き続いて冷却ゾ−ンで加圧下に冷却して、好適には熱圧着性ポリイミドのガラス転移温度より20℃以上低い温度、特に30℃以上低い温度で約25℃以上の温度まで冷却し、積層することによって製造することができる。
前記の方法において、製品が片面金属箔のフレキシブル金属箔積層体である場合には、剥離容易な高耐熱性フィルム、例えば前記のRzが2μm未満の高耐熱性フィルムまたは金属箔、好適にはポリイミドフィルム(宇部興産社製、ユ−ピレックスS)やフッ素樹脂フィルムなどの高耐熱性樹脂フィルムや圧延銅箔などであって表面粗さが小さく表面平滑性の良好な金属箔を、熱圧着性ポリイミド層と他の金属面との間に介在させてもよい。この介在されたフィルムあるいは金属箔は積層後、積層体から除いて巻き取ってもよく、積層したままで巻き取って使用時に取り除いてもよい。
【0029】
この発明においては、プレス面と金属箔との間に保護材を介在させること及びダブルベルトプレスを用いて加圧下に熱圧着−冷却して積層することを組み合わせることによって、長尺で幅が約400mm以上、特に約500mm以上の幅広であっても、接着強度が大きく(90°ピ−ル強度:0.7kg/cm以上、特に1kg/cm以上)、金属箔表面に皺や擦り傷が実質的に認めれられない程外観が良好なフレキシブル金属箔積層体を得ることができる。また、この発明においては、フレキシブル金属箔積層体は、寸法変化率が、各幅方向のL、CおよびR(フィルムの巻き出し方向の左端、中心、右端)の平均で、150℃×30分間加熱後で|0.10%|以下となり、寸法安定性が高い。
【0030】
この発明において、フレキシブル金属箔積層体は、好適には熱圧着性多層ポリイミドフィルムおよび金属箔と保護材とが各々ロ−ル巻きの状態でダブルベルトプレスにそれぞれ供給され、加圧下に熱圧着−冷却して積層し、製品巻取り時に保護材を分離除去して連続的にロ−ル巻きの状態で得ることができる。
【0031】
この発明によって得られるフレキシブル金属箔積層体は、そのままあるいはコア巻き、エッチング、および場合によりカ−ル戻し等の各処理を行った後、所定の大きさに切断して、電子部品用基板として使用できる。
例えば、FPC、TAB、多層FPC、フレックスリジッド基板の基板として好適に使用することができる。
特に、金属箔の厚みが3〜35μmで熱圧着性多層ポリイミドフィルム層の厚みが7〜50μmである片面銅箔積層体(全体厚みが15〜85μm)あるいは両面銅箔積層体(全体厚みが25〜120μm)から、エポキシ系接着剤あるいは熱可塑性ポリイミドや熱可塑性ポリアミドイミドあるいはポリイミドシロキサン−エポキシ系などの耐熱性ポリイミド系接着剤から選ばれる耐熱性接着剤(厚み5〜50μm、好ましくは5〜15μm、特に7〜12μm)で複数のフレキシブル銅箔積層体を接着することによってフレキシブル銅箔積層体が2〜10層で、高耐熱性・低吸水・低誘電率・高電気特性を満足する多層基板を好適に得ることができる。
この発明のフレキシブル金属箔積層体には、前記の長尺状のものだけでなく前記のように長尺状のものを所定の大きさに切断したものも含まれる。
【0032】
【実施例】
以下、この発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
以下の各例において、部は重量部を意味する。
以下の各例において、物性評価およびフレキシブル金属箔積層体の接着強度は以下の方法に従って測定した。
【0033】
(1)製品外観:積層後の製品外観について、平面性の程度、皺の有無や擦り傷の有無を目視判定して評価。○は平面性が均一で皺や擦り傷がなく良好、△は平面性がやや不均一か皺あるいは擦り傷が少しあり普通、×は平面性が不均一か皺あるいは擦り傷が発生
(2)寸法安定性:加熱前の積層体の寸法に対する150℃×30分間の加熱処理後の積層体の寸法変化をJIS C−6471の「フレキシブルプリント配線板用銅張積層板試験方法」により測定し、%で表示の寸法変化率を求めた。○は寸法変化率が|0.10|%以下で寸法安定性良好、△は寸法変化率が|0.10|%より大きく|0.12|%未満で寸法安定性普通、×は寸法変化率が|0.12|%以上で寸法安定性不良
(3)熱線膨張係数:50〜200℃、5℃/分で測定(TD、MDの平均値)。
(4)ガラス転移温度(Tg):粘弾性より測定。
(5)接着強度:90°剥離強度を測定し、平均値で示した。
【0034】
高耐熱性の芳香族ポリイミド製造用ド−プの合成例1
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、パラフェニレンジアミン(PPD)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)とを1000:998のモル比でモノマ−濃度が18%(重量%、以下同じ)になるように加えた。添加終了後50℃を保ったまま3時間反応を続けた。得られたポリアミック酸溶液は褐色粘調液体であり、25℃における溶液粘度は約1500ポイズであった。この溶液をド−プとして使用した。
【0035】
熱圧着性の芳香族ポリイミド製造用ド−プの合成−1
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)と2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)とを1000:1000のモル比でモノマ−濃度が22%になるように、またトリフェニルホスフェ−トをモノマ−重量に対して0.1%加えた。添加終了後25℃を保ったまま1時間反応を続けた。このポリアミック酸溶液は、25℃における溶液粘度が約2000ポイズであった。この溶液をド−プとして使用した。
【0036】
参考例1〜3
上記の高耐熱性の芳香族ポリイミド用ド−プと熱圧着性の芳香族ポリイミド製造用ド−プとを三層押出し成形用ダイス(マルチマニホ−ルド型ダイス)を設けた製膜装置を使用し、前記ポリアミック酸溶液を三層押出ダイスの厚みを変えて金属製支持体上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥し、固化フィルムを形成した。この固化フィルムを支持体から剥離した後加熱炉で200℃から320℃まで徐々に昇温して溶媒の除去、イミド化を行い3種類の長尺状の三層押出しポリイミドフィルムを巻き取りロ−ルに巻き取った。
得られた三層押出しポリイミドフィルムは、次のような物性を示した。
【0037】
熱圧着性多層ポリイミドフィルム−1
厚み構成:4μm/17μm/4μm(合計25μm)
熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:250℃(以下同じ)
熱圧着性の芳香族ポリイミドの275℃での弾性率は50℃での弾性率の約0.002倍(以下同じ)
熱圧着性多層ポリイミドフィルム−2
厚み構成:3μm/9μm/3μm(合計15μm)
熱圧着性多層ポリイミドフィルム−2
厚み構成:2μm/6μm/2μm(合計10μm)
【0038】
比較例1
前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルム−1と、2つのロ−ル巻きした電解銅箔(三井金属鉱業社製、3EC−VLP、Rzが3.8μm、厚さ18μm)との1組を、金属製の圧着ロ−ルと弾性ロ−ルとからなるラミネ−トロ−ルを使用し、連続的に金属側:380℃、弾性側:200℃で加熱下に圧着して、フレキシブル銅箔積層体(幅:約320mm)を巻き取りロ−ルに巻き取った。なお、操作はすべて空気中で行い、冷却は自然冷却で行った。
得られたフレキシブル銅箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:×
寸法安定性:×
寸法変化率:−0.14%
接着強度ピ−ル強度:平均:1.2kgf/cm
【0039】
比較例2
ダブルベルトプレスに、熱圧着性多層ポリイミドフィルム−1およびその両側から厚み18μmの電解銅箔(三井金属鉱業社製)の1組を連続的に供給し保護材を使用しないで、予備加熱なしで加熱ゾ−ンの温度(最高加熱温度)380℃(設定)、冷却ゾ−ンの温度(最低冷却温度)117℃)で、連続的に加圧下に熱圧着−冷却して積層して、フレキシブル銅箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)のロ−ル巻状物を得た。
得られたフレキシブル銅箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:△
寸法安定性:×
寸法変化率:−0.12%
【0040】
実施例1
熱圧着性多層ポリイミドフィルム−1および銅箔の1組を、保護材として厚み35μmの電解銅箔を両側に全構成要素が同じ幅となるように重ねて、構成を保護材/銅箔/TPI−F/銅箔/保護材として積層した他は比較例2と同様にして、1組のロ−ル巻状両面銅箔のフレキシブル銅箔積層体を巻き取りロ−ルに巻き取った。
このフレキシブル銅箔積層体は構成が銅箔/TPI−F/銅箔で、厚みが18μm/25μm/18μmであった。
得られたフレキシブル銅箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
寸法安定性:○
寸法変化率:−0.08%
接着強度:1.3kgf/cm
【0041】
実施例2
熱圧着性多層ポリイミドフィルム−1およびその両側の銅箔2枚の2組を、保護材として厚み35μmの電解銅箔を両側に全構成要素が同じ幅となるように重ねて、構成を保護材/銅箔/TPI−F/銅箔/銅箔/TPI−F/銅箔/保護材として積層した他は実施例1と同様にして、2組のロ−ル巻状両面銅箔のフレキシブル銅箔積層体を巻き取りロ−ルに巻き取った。
このフレキシブル銅箔積層体は構成が銅箔/TPI−F/銅箔及び銅箔/TPI−F/銅箔で、厚みが各々18μm/25μm/18μmであった。
得られたフレキシブル銅箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
寸法安定性:○
寸法変化率:−0.08%
接着強度:1.3kgf/cm
【0042】
実施例3
熱圧着性多層ポリイミドフィルム−1およびその両側の銅箔の3組を積層したた他は実施例1と同様にして、3組のロ−ル巻状両面銅箔のフレキシブル銅箔積層体を巻き取りロ−ルに巻き取った。
このフレキシブル銅箔積層体は構成が銅箔/TPI−F/銅箔、銅箔/TPI−F/銅箔及び銅箔/TPI−F/銅箔で、厚みが各々18μm/25μm/18μmであった。
得られたフレキシブル銅箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
寸法安定性:○
寸法変化率:−0.07%
接着強度:1.4kgf/cm
【0043】
実施例4〜5
熱圧着性多層ポリイミドフィルム−2および厚み12μmの電解銅箔(三井金属鉱業社製)を使用するか、熱圧着性多層ポリイミドフィルム−3および厚み9μmの電解銅箔(三井金属鉱業社製)を使用した他は実施例3と同様にして、連続的に加圧下に熱圧着−冷却して積層して、3組のフレキシブル銅箔積層体を巻き取りロ−ルに巻き取った。
得られたフレキシブル銅箔積層体についての評価結果は実施例3と同等で良好な結果を示した。
【0044】
【発明の効果】
この発明の製造方法によれば、以上のような構成を有しているため、次のような効果を奏する。
【0045】
この発明の製造方法によれば、製品外観および寸法変化率が|0.10|%以下で寸法安定性が良好なフレキシブル金属箔積層体を、ラミネ−ト装置を大きくすることなく、生産性の向上と品質特性の向上とを両立させて製造することができる。特に、この発明によれば、製品が薄い場合にも、製品外観が良好で寸法安定性を改良することが可能になった。

Claims (8)

  1. 高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に熱圧着性のポリイミド層を有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とをダブルベルトプレスを用いてフレキシブル金属箔積層体を製造する方法であり、
    金属箔の厚みが3μm〜35μmで、
    高耐熱性の芳香族ポリイミド層は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラ−フェニレンジアミンとを含む成分より製造される芳香族ポリイミド、
    3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物とパラ−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとを含む成分より製造される芳香族ポリイミド、
    或いはピロメリット酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとを含む成分より製造される芳香族ポリイミドで、
    熱圧着性のポリイミド層は、300〜400℃の温度で熱圧着できる熱可塑性のポリイミドで、
    熱圧着性多層ポリイミドフィルムの厚みが7〜50μmで、各々の熱圧着性のポリイミド層の厚さが2〜10μmである熱圧着性多層ポリイミドフィルムを用い、
    ダブルベルトプレスに熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔との組み合わせを1組以上供給するとともに両最外層とベルトとの間に保護材として厚み5〜125μmの金属箔を熱圧着性多層ポリイミドフィルムの幅方向全てを保護するように介在させ、ダブルベルトプレスの加熱圧着ゾーンの温度が熱圧着性ポリイミドのガラス転移温度より20℃以上高く400℃以下の温度で加圧下に熱圧着し、引き続いて冷却ゾーンで加圧下に熱圧着性ポリイミドのガラス転移温度より20℃以上低い温度で25℃以上の温度まで冷却して張り合わせて、高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に金属箔が熱圧着性のポリイミド層を介して積層することを特徴とするフレキシブル金属箔積層体製造方法。
  2. フレキシブル金属箔積層体及び保護材の金属箔は銅箔であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル金属箔積層体製造方法。
  3. フレキシブル金属箔積層体の金属箔は銅箔であり、保護材の金属箔は電解銅箔であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフレキシブル金属箔積層体製造方法。
  4. 保護材の金属箔の厚みは、5〜35μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブル金属箔積層体製造方法。
  5. 熱圧着性多層ポリイミドフィルムの厚みの厚みが7〜15μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブル金属箔積層体製造方法。
  6. 熱圧着性多層ポリイミドフィルムおよび金属箔と保護材とが各々ロ−ル巻きの状態でダブルベルトプレスにそれぞれ供給され、加圧下に熱圧着−冷却して積層し、製品巻取り時に保護材を分離除去して連続的にロ−ル巻きの状態でフレキシブル金属箔積層体を製造することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブル金属箔積層体製造方法。
  7. 熱圧着性のポリイミド層は、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)と2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを含む成分より製造されるもの、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパンと4,4’−オキシジフタル酸二無水物とを含む成分より製造されるもの、
    4,4’−オキシジフタル酸二無水物およびピロメリット酸二無水物と1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)とを含む成分より製造されるもの、
    1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とを含む成分より製造されるもの
    あるいは3,3’−ジアミノベンゾフェノンおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とを含む成分より製造されるものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブル金属箔積層体製造方法。
  8. 熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面、好ましくは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミド層を共押出−流延製膜成形法で積層一体化して得られることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブル金属箔積層体製造方法。
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