JP6621294B2 - 多層ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
1)ポリイミドの前駆体またはポリイミドを含有する溶液を、少なくとも2種以上同時に支持体上に流延して多層液膜を形成し、前記多層液膜を熱処理して多層自己支持性フィルムとした後、前記多層自己支持性フィルムを熱処理する多層ポリイミドフィルムの製造方法であって、過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程を含むことを特徴とする多層ポリイミドフィルムの製造方法に関する。
2)残存溶媒量が31重量%〜150重量%である多層自己支持性フィルム、または残存溶媒量が0.01重量%〜30重量%である多層ポリイミドフィルムの少なくとも一方を過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程を含むことを特徴とする多層ポリイミドフィルムの製造方法に関する。
3)多層ポリイミドフィルムが、少なくとも非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に、少なくとも熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を積層した多層ポリイミドフィルムであることを特徴とする多層ポリイミドフィルムの製造方法に関する。
本発明における多層ポリイミドフィルムは、少なくとも非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に、少なくとも熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を積層するものをいう。
多層ポリイミドフィルムの非熱可塑性ポリイミド層に含まれる非熱可塑性ポリイミドの原料として用いる芳香族酸二無水物は特に限定されない。例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの誘導体を含み、これらを単独で、または任意の割合で混合した混合物を例示することができる。
熱可塑性ポリイミド層に含まれる熱可塑性ポリイミドの原料として用いる芳香族酸二無水物は特に限定されない。例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの誘導体を含み、これらを単独で、または任意の割合で混合した混合物を例示することができる。
1)芳香族ジアミンを有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法、
2)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法、
3)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここに芳香族ジアミン化合物を追加添加後、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法、
4)芳香族テトラカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解および/または分散させた後、実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法、
5)実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法、
などのような方法である。これらの方法を単独で用いても良いし、部分的に組み合わせて用いることもできる。
(i)芳香族酸二無水物と、これに対し過剰モル量の芳香族ジアミンとを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る工程、
(ii)続いて、ここに芳香族ジアミンを追加添加する工程、
(iii)更に、全工程における芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンが実質的に等モルとなるように芳香族酸二無水物を添加して重合し、ポリアミド酸溶液を得る工程。
(i)芳香族酸二無水物と、これに対して過剰モル量の芳香族ジアミンとを有機極性中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る工程、
(ii)続いて、全工程における芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンの比が、決めた比になるように、芳香族酸二無水物を添加して重合し、ポリアミド酸溶液を得る工程、
が好ましい。
(ii)で、芳香族酸二無水物を添加する方法として、粉末を投入する方法、予め酸二無水物を有機極性溶媒に溶解した酸溶液を投入する方法等があるが、反応が均一に進行しやすい面で、酸溶液を投入する方法が好ましい。
本発明の多層ポリイミドフィルムは、何層でもよく、特に制限されない。例えば、金属張積層板に用いられる多層ポリイミドフィルムは金属箔をラミネートできるように最外層が熱可塑性ポリイミドであることが好ましい。また、多層ポリイミドフィルムの加熱収縮率を抑制し、金属と同等程度とするため、多層ポリイミドフィルムの最外層以外の層は非熱可塑性ポリイミドであることも好ましいが、これらの構造に限定されるわけではない。また、設備面・コスト面・生産性の観点から多層ポリイミドフィルムにおける層の総数は最低限に抑えることが好ましい。多層ポリイミドフィルムのカール抑制のためにも三層であることが好ましい。これらの結果として、非熱可塑性ポリイミドの両面に熱可塑性ポリイミドを配した三層構造の多層ポリイミドフィルムが、金属張積層板、特に両面金属張積層板を製造でき、FPCの軽量化、小型化、高密度化を実現できる点で特に好ましい。
本発明における多層ポリイミドフィルムの製造方法としては目的とするものを製造することができれば特に制限されず、種々の方法が挙げられる。例えば、
(a)ポリイミドの前駆体またはポリイミドを含有する溶液を、少なくとも2種以上同時に支持体上に流延して多層液膜を形成し、
(b)前記多層液膜を熱処理して多層自己支持性フィルムとした後、
(c)前記多層自己支持性フィルムを熱処理する多層ポリイミドフィルムの製造方法が挙げられる。
本発明における、(a)ポリイミドの前駆体またはポリイミドを含有する溶液を、少なくとも2種以上同時に支持体上に流延して多層液膜を形成する工程について説明する。
本発明における、(b)多層液膜を熱処理して多層自己支持性フィルムを形成する工程について説明する。
(A−B)×100/B・・・・式(1)
式(1)中、A,Bは以下のものを表す。
A:多層膜の重量
B:多層膜を350℃で10分間加熱した後の重量
から算出される残存溶媒量は5重量%〜150重量%であることが好ましく、10重量%〜100重量%がより好ましく、30重量%〜80重量%であることがさらに好ましい。揮発分含量をこの範囲とすることにより、フィルム破断、乾燥ムラによるフィルムの色調ムラ、特性ばらつき等の不具合を抑制できる点で好ましい。また、熱可塑性ポリイミド層の溶融流動性を向上させる目的で、意図的にイミド化率を低くしたり、溶媒を残留させてもよい。
本発明における、(c)前記多層自己支持性フィルムを熱処理してイミド化反応を進めて多層ポリイミドフィルムとする工程について説明する。
本発明においては、ポリイミドの前駆体またはポリイミドを含有する溶液を、少なくとも2種以上同時に支持体上に流延して多層液膜を形成し、前記多層液膜を熱処理して多層自己支持性フィルムとした後、前記多層自己支持性フィルムを熱処理する多層ポリイミドフィルムの製造方法であって、過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程を含むことを特徴とする。いずれの工程においても過熱水蒸気雰囲気下での熱処理を行うことが可能であるが、残存溶媒量が31重量%〜150重量%である多層自己支持性フィルム、または残存溶媒量が0.01重量%〜30重量%である多層ポリイミドフィルムの少なくとも一方を過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行うことが好ましい。多層自己支持性フィルムの場合、35重量%〜100重量%であることがより好ましく、40重量%〜80重量%であることがさらに好ましい。残存溶媒量がこの範囲にある場合に過熱水蒸気雰囲気下での熱処理を行うと、加水分解しやすいポリイミドの特性に対して分子量低下等を抑制することが可能となる。また、多層ポリイミドフィルムの場合、0.1重量%〜20重量%であることがより好ましく、0.5重量%〜10重量%であることがさらに好ましく、1重量%〜5重量%であることが特に好ましい。残存溶媒量がこの範囲にある場合に過熱水蒸気雰囲気下での熱処理を行うと、ポリイミドの凝集化をより効率良く進めることが可能となる。
本発明の多層ポリイミドフィルムは、これに金属箔を積層して金属張積層板とし、さらに当該金属張積層板を用いてロールツーロール式で連続的にFPCを製造する場合に、クラックを抑制することができる。多層ポリイミドフィルムが、非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を形成したフィルムである場合、特に容易に連続的に金属張積層板を製造できる。
このようにして得られた金属張積層板を用いて連続的にFPCを製造するには、現像工程、エッチング処理工程、レジスト剥離工程の主要3工程をロールツーロール式で連続的に行う。現像工程で使用される現像液はレジストの種類により異なるが、一般的には炭酸ナトリウム系のアルカリ水溶液が使用される。現像作業は液をスプレー噴射して行い、スプレーノズルは左右に振るなどしてレジスト表面に均一に当てられる。エッチング工程では、エッチング液を回路基板の上下からスプレー噴射することにより、金属を溶解するのが一般的であるが、ここでも、エッチング液として、主に塩化鉄、塩化銅、アルカリ溶液が使用される。剥離工程も、現像、エッチングと同様に剥離液のスプレー噴射によって行われ、剥離液はアルカリ水溶液が使用される。
各合成例により得られたポリアミド酸溶液を、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延し、130℃×100秒で加熱した。その後、アルミ箔から、単層の自己支持性フィルムを引き剥がして、金属枠に固定した。300℃×20秒、450℃×1分の熱処理を行い、フィルムが溶融せず、外観も変形しなければ非熱可塑性ポリイミドであると判定し、フィルムが溶融したり、外観が変形したら、熱可塑性ポリイミドであると判定した。
多層ポリイミドフィルムの両面に12μmの電解銅箔(3EC−M3S−HTE(K);三井金属鉱業製)、さらにその両側に保護材料(アピカル125NPI;カネカ製)を配して、熱ロールラミネート機を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で連続的に熱ラミネートを行い、金属張積層板を作製した。
JIS C6471の「6.5 引きはがし強さ」に従って、サンプルを作製し、1mm幅の金属箔部分を、90度の剥離角度、50mm/分の条件で剥離し、その荷重を測定した。なお、引き剥がし強度として好ましくは、10〜20N/cmである。
フィルムの両端部および中央部の3点からフィルムを切り取り、それぞれ金属張積層板とした。6.0cm×5.5cm角の大きさに金属張積層板を切り取り、その金属箔の一部を図1に示すように格子状(格子サイズ;1.3cm×1.5cm)にエッチングして試験片を得た。800mLの濃度4%の水酸化ナトリウム水溶液(23±2℃)が入った容器に試験片を入れ、230rpmの振とう速度で、23±2℃において振とうしてクラックが入る時間(ST)を測定し、割れ裂け耐性テストとした。なお、エッチング後、格子状の各角部の内側の曲率半径が50μm以下となっていることを光学顕微鏡にて確認して、50μm以下となっているものを試験片とした。この試験片を水酸化ナトリウム水溶液に投入した。クラックの有無は、振とうを100秒毎に止め、試験片を入れた容器ごとにライトボックスにより光を当てて、試験片に光が透過したらクラックと判断した。STは連続的にFPCを製造する工程において、クラックを抑制するために、900秒以上であることが好ましい。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
PDA:p−フェニレンジアミン
BAPB:4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
以下に、ポリアミド酸溶液の合成例を示す。
10℃に冷却したDMF(1137.4g)に、BAPP(57.3g:0.140mol)、ODA(18.6g:0.093mol)、を溶解した。ここに、BTDA(30.0g:0.093mol)、PMDA(25.4g:0.116mol)を添加して、30分間均一攪拌し、プレポリマーを得た。この溶液にPDA(25.2g:0.233mol)を溶解した後、PMDA(50.7g:0.233mol)を溶解し、別途調製してあったPMDAの7.2重量%DMF溶液を注意深く70.5g(PMDA:0.023mol)添加し、粘度が2500poise程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って、23℃での回転粘度が2600ポイズのポリアミド酸溶液を得た。当該ポリアミド酸溶液を用いた単層ポリイミドフィルムの非熱可塑性、熱可塑性の判定の結果、フィルムが溶融せず、外観も変形しなかったため、本合成例1のポリイミドは、非熱可塑性ポリイミドであると判定した。
10℃に冷却したDMF(1639.2g)に、ODA(72.2g:0.360mol)を溶解した。ここに、BPDA(63.6g:0.216mol)、BTDA(34.8g:0.108mol)を添加して、45分間均一攪拌し、プレポリマーを得た。この溶液にODA(8.66g:0.043mol)、PDA(34.3g:0.317mol)を溶解した後、PMDA(81.7g:0.375mol)を溶解し、別途調製してあったPMDAの7.2重量%DMF溶液を注意深く65.5g(PMDA:0.022mol)添加し、粘度が2500poise程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って、23℃での回転粘度が2600ポイズのポリアミド酸溶液を得た。当該ポリアミド酸溶液を用いた単層ポリイミドフィルムの非熱可塑性、熱可塑性の判定の結果、フィルムが溶融せず、外観も変形しなかったため、本合成例2のポリイミドは、非熱可塑性ポリイミドであると判定した。
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)861.2gに、BAPP(118.6g:0.289mol)を溶解した。ここに、BPDA(12.8g:0.043mol)を投入し、50℃に加熱した後、10℃に冷却し、PMDA(50.4g:0.231mol)を添加し、プレポリマーを得た。その後、別途調製してあったPMDAの7重量%DMF溶液40.5g(PMDA:0.013mol)を注意深く添加し、固形成分濃度約17%で粘度が23℃において800poiseのポリアミド酸溶液を得た。その後、DMFを加え、固形成分濃度14重量%のポリアミド酸溶液を得た。当該ポリアミド酸溶液を用いた単層ポリイミドフィルムの非熱可塑性、熱可塑性の判定の結果、フィルムが溶融して外観が変形しため、本合成例3のポリイミドは、熱可塑性ポリイミドであると判定した。
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)902.0gに、BAPB(26.5g:0.072mol)、BPDA(17.6g:0.060mol)を溶解した後、BAPP(68.9g:0.168mol)を溶解した。ここに、PMDA(36.6g:0.168mol)を投入し、別途調製してあったPMDAの7.2重量%DMF溶液を注意深く28.3g(PMDA:0.0094mol)を添加し、固形成分濃度約14%で粘度が23℃において300poiseのポリアミド酸溶液を得た。当該ポリアミド酸溶液を用いた単層ポリイミドフィルムの非熱可塑性、熱可塑性の判定の結果、フィルムが溶融して外観が変形しため、本合成例4のポリイミドは、熱可塑性ポリイミドであると判定した。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比3.5:1.0:7.2)からなる硬化剤をポリアミド酸溶液に対して重量比50%で添加し、ミキサーにより攪拌後、3層共押出ダイ中央層に供給し、合成例3で得られたポリアミド酸溶液を中央層両面に供給した。3層押出ダイのリップ開口1.3mmから押出し、この樹脂液膜を120℃のステンレス製エンドレスベルトにて80秒乾燥させ、自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムをベルトから引き剥がした後、両端をピンにより固定し、270℃×12秒、300℃×12秒、350℃×10秒、320℃×35秒で乾燥・イミド化し、熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/熱可塑性ポリイミド層の厚みが、2μm/8.5μm/2μmの三層ポリイミドフィルムを得た。得られた三層ポリイミドフィルム中の残溶媒量は1.2重量%であった。得られた三層ポリイミドフィルムを金属枠に固定し、オーブン内で過熱水蒸気雰囲気下とし、350℃にて30分加熱した。得られた三層ポリイミドフィルムを金属張積層板に加工した。結果を表1にまとめた。
追加加熱を過熱水蒸気雰囲気下の代わりにイナートオーブン内で窒素雰囲気下として実施した。350℃にて60分加熱した。他の処理は実施例1と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
追加加熱を空気雰囲気下で実施したことを除き、実施例1と同様に実施した。最終的に得られた三層ポリイミドフィルムは、外観が著しく変化し、各種評価に供するに値しなかった。
追加加熱を実施せず、実施例1と同様に評価を実施した。
合成例2で得られたポリアミド酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比3.5:1.0:7.2)からなる硬化剤をポリアミド酸溶液に対して重量比50%で添加し、ミキサーにより攪拌後、3層共押出ダイ中央層に供給し、合成例4で得られたポリアミド酸溶液を中央層両面に供給した。3層押出ダイのリップ開口1.3mmから押出し、この樹脂液膜を115℃のステンレス製エンドレスベルトにて80秒乾燥させ、自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムをベルトから引き剥がした後、両端をピンにより固定し、280℃×15秒、350℃×30秒、340℃×30秒で乾燥・イミド化し、熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/熱可塑性ポリイミド層の厚みが、2μm/8.5μm/2μmの三層ポリイミドフィルムを得た。得られた三層ポリイミドフィルム中の残溶媒量は1.3重量%であった。得られた三層ポリイミドフィルムを金属製の枠に固定し、ナノスチームオーブン内で300℃にて60分加熱した。得られた三層ポリイミドフィルムを金属張積層板に加工した。結果を表1にまとめた。
追加加熱を過熱水蒸気雰囲気下の代わりにイナートオーブンを使用して窒素雰囲気下として実施した。他の処理は実施例2と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
追加加熱を空気雰囲気下で実施したことを除き、実施例2と同様に実施した。最終的に得られた三層ポリイミドフィルムは、外観が著しく変化し、各種評価に供するに値しなかった。
追加加熱を実施せず、実施例2同様に評価を実施した。
2.ポリイミドフィルム
Claims (3)
- ポリイミドの前駆体またはポリイミドを含有する溶液を、少なくとも2種以上同時に支持体上に流延して多層液膜を形成し、前記多層液膜を熱処理して多層自己支持性フィルムとした後、前記多層自己支持性フィルムを熱処理する多層ポリイミドフィルムの製造方法であって、
前記多層自己支持性フィルムを熱処理して多層ポリイミドフィルムとする工程と、
前記多層ポリイミドフィルムを過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程と、を含み、
過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程は、残存溶媒量が0.01重量%〜30重量%である多層ポリイミドフィルムに対して行われることを特徴とする多層ポリイミドフィルムの製造方法。 - 多層ポリイミドフィルムが、少なくとも非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に、少なくとも熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を積層した多層ポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項1に記載の多層ポリイミドフィルムの製造方法。
- 前記多層自己支持性フィルムを熱処理して多層ポリイミドフィルムとする工程の最高温度よりも、過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程の温度が高いことを特徴とする、請求項1または2に記載の多層ポリイミドフィルムの製造方法。
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