JP6621294B2 - 多層ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層ポリイミドフィルムの製造方法に関する。詳しくは、フレキシブルプリント配線板を製造する材料として用いた場合に、フレキシブルプリント配線板の製造工程で発生するクラックを抑制することができる多層ポリイミドフィルムの製造方法に関するものである。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、小型化が急速に進んでおり、これに伴って電子機器に用いられる電子部品に対しても小型化、薄型化の要請が高まっている。更に、コストダウン化も進み、フレキシブルプリント配線板(以下、FPCともいう)の製造工程は従来のバッチ式からロールツーロール式の加工方法へと変化しつつある。
具体的には、従来のFPCの製造工程は、現像、エッチング処理、レジスト剥離といった各工程をバッチ式で行っていた。一方、主に現像、エッチング処理、レジスト剥離の3工程をロールツーロール式で連続的に行うことにより、高生産性と人員の削減の両方が可能となり、コストダウンが実現できる。
バッチ式のFPC製造工程は、各工程ごとに細かい条件設定が可能であるというメリットがある一方で、手間がかかる。一方、ロールツーロール式では、コストダウンが見込める一方で、一つの工程の処理時間が長くなると、自ずと連続的に続く工程全体の処理時間も長くなる等、バッチ式に対して小回りが利きづらく、結果として金属張積層板にかかる熱的な負担も大きくなる。また、基材の搬送時にシワを発生させないために基材にある一定以上の張力をかける必要があるなど、バッチ式に比べてロールツーロール式のほうが基材への機械的な負担が大きくなるケースがある。また、FPC加工におけるエッチング処理等における各種薬液に由来する化学的な負担もあり、バッチ式でもロールツーロール式でも負荷を及ぼす。
従来、現像・エッチング処理・レジスト剥離工程で使用するアルカリ溶液に対する耐性を制御したポリイミド(例えば、特許文献1、2)については報告がなされている。
また、FPCの製造方法において、銅箔が多用される金属箔にポリイミド系樹脂を塗布、乾燥させて、金属張積層板を得て、さらにエッチング等の処理を行い、FPCを得る方法がある。最近、この金属張積層板の製造において、従来の熱処理方法である、熱風乾燥、赤外線乾燥などに代わり、過熱水蒸気による熱処理が提案されている。(例えば、特許文献3、4)。これらの方法は、金属箔にポリイミド系樹脂層を塗布、乾燥して金属張積層板を得るキャスト方法では一定の効果が認められている。
特開平06−120659号公報 特開2012−186377号公報 特開2009−286093号公報 特開2009−286095号公報
本発明者らの検討によれば、バッチ式のFPC製造工程では問題とはならなかった新たな課題、すなわち、ロールツーロール式のFPC製造工程で基材のポリイミドフィルムにクラックが発生するという問題が発生することが判明した。
すなわち、特許文献1、2に開示された材料では、従来のバッチ式であるFPC製造工程においては問題にならずとも、上述のようなロールツーロール式により連続的にFPCを製造する工程に耐えるには不十分であることが判明し、このような工程を経てもクラックが発生しないようなポリイミド材料は、これまで提供されていなかった。また、特許文献3、4に開示された過熱水蒸気による熱処理方法は、金属箔に樹脂層を直接積層するキャスト方法より金属張積層板の生産性などの点において優れる熱ラミネート方法に関する技術は開示されていない。
つまり、多層ポリイミドフィルムの製造において、(1)ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のイミド化を十分に促進するに十分な熱処理を行う場合、過剰な熱履歴により多層ポリイミドフィルム、特に熱可塑性ポリイミド層の酸化分解反応に起因する多層ポリイミドフィルムの劣化が起こり、金属箔との密着性が低下する課題がある。一方、(2)酸化分解反応が起こらない比較的温和な熱処理条件下でイミド化を行うと非熱可塑性ポリイミドの凝集化が不十分な場合があり、その結果FPCの製造工程における張力荷重下でアルカリ条件下での多層ポリイミドフィルムにおけるクラックが発生する要因となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属箔と積層する工程において熱ラミネート法に好適な多層ポリイミドフィルムを提供することである。他の目的は、FPCの製造工程における過酷な環境に晒されてもクラックが発生しない多層ポリイミドフィルムを提供することにある。具体的には、多層ポリイミドフィルムに金属箔を積層して金属張積層板とし、さらにロールツーロール式で連続的にFPCを製造する際に、銅箔との十分な密着性を発現することができる。あわせて、ロールツーロール式におけるアルカリ処理条件下でもクラックの発生を抑制することができる多層ポリイミドフィルムの製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、以下の新規な多層ポリイミドフィルムの製造方法により上記課題を解決しうる。
1)ポリイミドの前駆体またはポリイミドを含有する溶液を、少なくとも2種以上同時に支持体上に流延して多層液膜を形成し、前記多層液膜を熱処理して多層自己支持性フィルムとした後、前記多層自己支持性フィルムを熱処理する多層ポリイミドフィルムの製造方法であって、過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程を含むことを特徴とする多層ポリイミドフィルムの製造方法に関する。
2)残存溶媒量が31重量%〜150重量%である多層自己支持性フィルム、または残存溶媒量が0.01重量%〜30重量%である多層ポリイミドフィルムの少なくとも一方を過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程を含むことを特徴とする多層ポリイミドフィルムの製造方法に関する。
3)多層ポリイミドフィルムが、少なくとも非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に、少なくとも熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を積層した多層ポリイミドフィルムであることを特徴とする多層ポリイミドフィルムの製造方法に関する。
本発明の製造方法により得られる多層ポリイミドフィルムは、金属箔との十分な密着性を発現するとともに、張力がかかり、かつアルカリ条件下という過酷な環境に晒されてもクラックの発生がない。本発明の製造方法により得られる多層ポリイミドフィルムを用いれば、金属張積層板を用いたFPCの加工工程での生産性を向上させることができる。
本発明の割れ裂け耐性テストで使用する試験片を示す図である。
本発明の実施の一形態について、以下に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できる。
なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。
本発明は、多層ポリイミドフィルムが、少なくとも非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に、少なくとも熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を積層した多層ポリイミドフィルムの製造方法に関する。
(多層ポリイミドフィルム)
本発明における多層ポリイミドフィルムは、少なくとも非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に、少なくとも熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を積層するものをいう。
本発明における非熱可塑性ポリイミドとは、単独で製膜した場合に得られるフィルムを、450℃、1分間加熱した場合に、シワが入ったり伸びたりすることがなく、形状を保持しているポリイミドをいう。
本発明における熱可塑性ポリイミドとは、単独で製膜した場合に得られるフィルムを、450℃、1分間加熱した場合に、シワが入ったり、伸びたりして、形状を保持しないポリイミドをいう。
(非熱可塑性ポリイミド)
多層ポリイミドフィルムの非熱可塑性ポリイミド層に含まれる非熱可塑性ポリイミドの原料として用いる芳香族酸二無水物は特に限定されない。例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの誘導体を含み、これらを単独で、または任意の割合で混合した混合物を例示することができる。
これらの中でも、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸二無水物であることが好ましく、製造時の溶媒溶解性の面で、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物がさらに好ましい。
多層ポリイミドフィルムの非熱可塑性ポリイミド層に含まれる非熱可塑性ポリイミドの原料として用いる芳香族ジアミンは特に制限されない。例えば、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン(4,4’-ジアミノビフェニル)、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニル−N−メチルアミン、4,4’−ジアミノビフェニル−N−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル−N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルおよびそれらの誘導体などが挙げられ、これらを単独で、または任意の割合で混合した混合物を例示することができる。
これらの中でも、非熱可塑性ポリイミドを構成するジアミンとしては、熱可塑性ブロックを形成する面で2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルを用いることが好ましく、線膨張係数及び強度の制御の面で、p−フェニレンジアミンを用いることが好ましい。
なお、非熱可塑性ポリイミド中において熱可塑性ブロック成分を含むこと、すなわち、非熱可塑性ポリイミド層になるポリアミド酸が、分子中に熱可塑性ブロック成分を有する非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸であることは、非熱可塑性ポリイミドと熱可塑性ポリイミドとの密着性を向上させることができる点で好ましい。
(熱可塑性ポリイミド)
熱可塑性ポリイミド層に含まれる熱可塑性ポリイミドの原料として用いる芳香族酸二無水物は特に限定されない。例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの誘導体を含み、これらを単独で、または任意の割合で混合した混合物を例示することができる。
これらの中でも、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸二無水物であることが好ましく、金属張積層板の銅箔引き剥がし強度を高める面で3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましく、金属張積層板の銅箔引き剥がし強度を高めたままで、半田耐熱性の向上をさせる点で、ピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を併用することが好ましい。
熱可塑性ポリイミド層に含まれる熱可塑性ポリイミドの原料として用いる芳香族ジアミンは特に制限されない。例えば、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン(4,4’-ジアミノビフェニル)、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル−N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルおよびそれらの誘導体などが挙げられ、これらを単独で、または任意の割合で混合した混合物をを例示することができる。
これらの中でも、熱可塑性ポリイミドを構成する2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルは、金属張積層板の金属箔の引き剥がし強度を向上させる点で好ましい。
本発明においてポリアミド酸を製造するための好ましい溶媒は、ポリアミド酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができる。例えば、アミド系溶媒、すなわちN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどを例示することができる。中でも、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドを特に好ましく用いることができる。
本発明においてポリアミド酸の製造にはいかなるモノマーの添加方法を用いても良い。代表的な重合方法として、次のような方法が挙げられる。すなわち、
1)芳香族ジアミンを有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法、
2)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法、
3)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここに芳香族ジアミン化合物を追加添加後、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法、
4)芳香族テトラカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解および/または分散させた後、実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法、
5)実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法、
などのような方法である。これらの方法を単独で用いても良いし、部分的に組み合わせて用いることもできる。
中でも、非熱可塑性ポリイミド層のポリアミド酸は、下記の工程(i)〜(iii)で得られることが好ましい。
(i)芳香族酸二無水物と、これに対し過剰モル量の芳香族ジアミンとを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る工程、
(ii)続いて、ここに芳香族ジアミンを追加添加する工程、
(iii)更に、全工程における芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンが実質的に等モルとなるように芳香族酸二無水物を添加して重合し、ポリアミド酸溶液を得る工程。
前記方法の中でも、(i)で得られたプレポリマーが、熱可塑性ブロック成分となることが好ましい。プレポリマーが熱可塑性ブロック成分であるかの判定は、以下のようにして行うことができる。
プレポリマー製造時に使用した酸二無水物とジアミンを等モル量に補正して(使用した酸二無水物が複数種である場合、その比率は固定し、また使用したジアミンが複数種である場合も、その比率は固定した)得られたポリアミド酸溶液を、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延し、130℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲルフィルムを引き剥がして、金属枠に固定する。その後、300℃×20秒、450℃×1分熱処理した際に、フィルムが軟化したり、溶融したりして、外観が変形している場合、熱可塑性ブロック成分と判定する。
熱可塑性ポリイミドの熱可塑性ポリアミド酸の製造方法は、
(i)芳香族酸二無水物と、これに対して過剰モル量の芳香族ジアミンとを有機極性中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る工程、
(ii)続いて、全工程における芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンの比が、決めた比になるように、芳香族酸二無水物を添加して重合し、ポリアミド酸溶液を得る工程、
が好ましい。
(ii)で、芳香族酸二無水物を添加する方法として、粉末を投入する方法、予め酸二無水物を有機極性溶媒に溶解した酸溶液を投入する方法等があるが、反応が均一に進行しやすい面で、酸溶液を投入する方法が好ましい。
これらポリアミド酸の合成時の固形成分濃度は、10重量%〜30重量%であることが好ましい。
また、摺動性、熱伝導性、導電性、耐コロナ性等のフィルムの諸特性を改善する目的でフィラーを添加することもできる。フィラーとしては特に制限されないが、好ましい例としてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
ポリイミドは、ポリイミドの前駆体、即ちポリアミド酸からの脱水転化反応により得られる。脱水転化反応を行う方法としては、熱によってのみ行う熱キュア法と、化学脱水剤を使用する化学キュア法が広く知られており、これらを適宜選択可能である。生産性に優れていることから、化学キュア法の採用が好ましい。熱キュア法と化学キュア法はともに、イミド化触媒を用いることがイミド化反応を早く進行させる面で好ましい。
化学脱水剤とは、ポリアミック酸に対する脱水閉環剤であり、その主成分として、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N′−ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族酸無水物、アリールスルホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種以上の混合物を好ましく用いることができる。その中でも特に、脂肪族酸無水物及び芳香族酸無水物が良好に作用する。また、イミド化触媒とは硬化剤のポリアミック酸に対する脱水閉環作用を促進する効果を有する成分であるが、例えば、脂肪族3級アミン、芳香族3級アミン、複素環式3級アミンを用いることができる。そのうち、イミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、キノリン、またはβ−ピコリンなどの含窒素複素環化合物であることが好ましい。さらに、化学脱水剤またはイミド化触媒の少なくとも一方に有機極性溶媒を添加することも適宜選択されうる。
(多層ポリイミドフィルム)
本発明の多層ポリイミドフィルムは、何層でもよく、特に制限されない。例えば、金属張積層板に用いられる多層ポリイミドフィルムは金属箔をラミネートできるように最外層が熱可塑性ポリイミドであることが好ましい。また、多層ポリイミドフィルムの加熱収縮率を抑制し、金属と同等程度とするため、多層ポリイミドフィルムの最外層以外の層は非熱可塑性ポリイミドであることも好ましいが、これらの構造に限定されるわけではない。また、設備面・コスト面・生産性の観点から多層ポリイミドフィルムにおける層の総数は最低限に抑えることが好ましい。多層ポリイミドフィルムのカール抑制のためにも三層であることが好ましい。これらの結果として、非熱可塑性ポリイミドの両面に熱可塑性ポリイミドを配した三層構造の多層ポリイミドフィルムが、金属張積層板、特に両面金属張積層板を製造でき、FPCの軽量化、小型化、高密度化を実現できる点で特に好ましい。
多層ポリイミドフィルムの厚みは、7.5μm〜125μmが好ましい。多層ポリイミドフィルム中の非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面の熱可塑性ポリイミド層の厚みは1.7μ〜35μmが好ましい。熱可塑性ポリイミド層の厚みがこの範囲であれば、金属箔表面との密着性が良好となり、また金属張積層板とした後に金属箔をエッチングしてFPCを製造する際の寸法変化率も良好になる。熱可塑性ポリイミド層の厚みは1.7μm〜10μmがより好ましく、1.7μm〜8μmがさらに好ましい。
(多層ポリイミドフィルムの製造方法)
本発明における多層ポリイミドフィルムの製造方法としては目的とするものを製造することができれば特に制限されず、種々の方法が挙げられる。例えば、
(a)ポリイミドの前駆体またはポリイミドを含有する溶液を、少なくとも2種以上同時に支持体上に流延して多層液膜を形成し、
(b)前記多層液膜を熱処理して多層自己支持性フィルムとした後、
(c)前記多層自己支持性フィルムを熱処理する多層ポリイミドフィルムの製造方法が挙げられる。
(多層液膜の形成)
本発明における、(a)ポリイミドの前駆体またはポリイミドを含有する溶液を、少なくとも2種以上同時に支持体上に流延して多層液膜を形成する工程について説明する。
多層ポリイミドフィルムの製造方法としては、多層共押出ダイにより、同時に数種類のポリアミド酸溶液を支持体に流延して、多層液膜を形成することが好ましい。
上記の多層共押出ダイとしては各種構造のものが使用できる。例えば、多層フィルム作成が可能な多層Tダイ等を使用できる。また、従来既知のあらゆる構造のものを好適に使用可能であるが、特に好適に使用可能なものとして、フィードブロックTダイやマルチマニホールドTダイが例示される。
本発明における(a)の工程では、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を含んだ溶液に化学脱水剤もしくはイミド化触媒の少なくとも一方を必要に応じて混合した溶液を得て、この溶液を支持体上に流延、塗布して、多層液膜を得る。
(多層自己支持性フィルムの形成)
本発明における、(b)多層液膜を熱処理して多層自己支持性フィルムを形成する工程について説明する。
前記多層液膜を、ドラム、エンドレスベルト等の支持体上に流延した後、支持体上での熱処理温度を行い、多層自己支持性フィルムを得る。
支持体上での熱処理温度は、得られる多層液膜の厚みにもよるが、100℃〜160℃が好適である。その後、溶媒がある程度除去された液膜状態であるゲルフィルムを支持体から剥がし、多層自己支持性フィルムを得る。
支持体から引き剥がした自己支持性フィルムは、ポリアミド酸からポリイミドへの硬化の中間段階にあり、自己支持性を有する。また、式(1)
(A−B)×100/B・・・・式(1)
式(1)中、A,Bは以下のものを表す。
A:多層膜の重量
B:多層膜を350℃で10分間加熱した後の重量
から算出される残存溶媒量は5重量%〜150重量%であることが好ましく、10重量%〜100重量%がより好ましく、30重量%〜80重量%であることがさらに好ましい。揮発分含量をこの範囲とすることにより、フィルム破断、乾燥ムラによるフィルムの色調ムラ、特性ばらつき等の不具合を抑制できる点で好ましい。また、熱可塑性ポリイミド層の溶融流動性を向上させる目的で、意図的にイミド化率を低くしたり、溶媒を残留させてもよい。
(多層自己支持性フィルムを熱処理する工程)
本発明における、(c)前記多層自己支持性フィルムを熱処理してイミド化反応を進めて多層ポリイミドフィルムとする工程について説明する。
本発明においては、(b)の工程において得られた多層自己支持性フィルムを支持体から剥がし、多層自己支持性フィルムの端部をクリップ、チャックやピン等の把持部材により固定して硬化時のフィルム幅方向の収縮を回避しながら、加熱炉内を搬送させて残存する溶媒、水、化学脱水剤、イミド化触媒などを除去し、そして残ったアミド酸を完全にイミド化して多層ポリイミドフィルムを得る。
(c)の工程における熱処理方法は、多層自己支持性フィルムに残存する溶媒の除去は、ポリアミド酸からポリイミド化を進めることができれば、公知の方法を適用可能である。例えば、熱風乾燥、赤外線乾燥などが挙げられる。
このとき、多層自己支持性フィルムを焼成して多層ポリイミドフィルムを得る方法や条件は特に限定されるものではなく、自己支持性フィルムを有効に熱処理して多層ポリイミドフィルムに焼成できる方法や条件であればよい。例えば、フィルムの上方の面または下方の面、あるいは、両面から熱風をフィルム全体に噴射して加熱する方式、または遠赤外線をフィルムに照射する方式等を好適に用いることができる。上記焼成工程における焼成温度は、必要最低限のイミド化を完了できるとともに、残存成分を十分に除去できる温度範囲であれば特に限定されるものではないが、200℃〜400℃であることが好ましい。焼成時間も特に限定されるものではなく、従来公知の範囲内の時間で焼成することができる。
また、イミド化工程は通常の多層ポリイミドフィルムの製造工程とは別工程で後焼きの形式で行うことも可能である。加熱の方法としては、繰り出してシート状にカットしたものをバッチ式のオーブンに入れる方法、ロールツーロールで再度、熱処理炉内へ搬送しながら加熱する方法などを例示することができるが、限定されるものではなく、従来公知の範囲内で実施することができる。
(過熱水蒸気雰囲気下で熱処理)
本発明においては、ポリイミドの前駆体またはポリイミドを含有する溶液を、少なくとも2種以上同時に支持体上に流延して多層液膜を形成し、前記多層液膜を熱処理して多層自己支持性フィルムとした後、前記多層自己支持性フィルムを熱処理する多層ポリイミドフィルムの製造方法であって、過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程を含むことを特徴とする。いずれの工程においても過熱水蒸気雰囲気下での熱処理を行うことが可能であるが、残存溶媒量が31重量%〜150重量%である多層自己支持性フィルム、または残存溶媒量が0.01重量%〜30重量%である多層ポリイミドフィルムの少なくとも一方を過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行うことが好ましい。多層自己支持性フィルムの場合、35重量%〜100重量%であることがより好ましく、40重量%〜80重量%であることがさらに好ましい。残存溶媒量がこの範囲にある場合に過熱水蒸気雰囲気下での熱処理を行うと、加水分解しやすいポリイミドの特性に対して分子量低下等を抑制することが可能となる。また、多層ポリイミドフィルムの場合、0.1重量%〜20重量%であることがより好ましく、0.5重量%〜10重量%であることがさらに好ましく、1重量%〜5重量%であることが特に好ましい。残存溶媒量がこの範囲にある場合に過熱水蒸気雰囲気下での熱処理を行うと、ポリイミドの凝集化をより効率良く進めることが可能となる。
フィルムの製膜工程の条件を適切に選択することにより、ポリイミドの一次構造に由来する本来の物性低下を防止し、かつ熱処理工程におけるポリイミドの凝集化による高次構造を制御することにより、連続的なFPCの製造に供してもクラック発生が抑制される多層ポリイミドフィルムを得ることができる。従来から知られている、金属張積層板の製造工程で過熱水蒸気を導入する方法は単層のポリイミドフィルムに対するものであり、熱圧着の前処理やフィルム中の残溶媒の効率的な乾燥除去が目的であるのに対し、本発明では、多層ポリイミドフィルムのポリイミドの高次構造の制御を目的として過熱水蒸気雰囲気下での熱処理を行う。
本発明では、多層ポリイミドフィルムの製造工程のうち、多層自己支持性フィルムを引き剥がし、加熱炉内を搬送する他の工程の最高温度よりも、過熱水蒸気雰囲気下での熱処理工程の温度を高く設定することが好ましい。過熱水蒸気雰囲気下における熱処理工程の温度を高く設定する場合は、取り扱う多層ポリイミドフィルムにもよるが、加熱炉内を搬送する他の温度より、20℃〜120℃高い温度を例示できる。あるいは、多層自己支持性フィルムを引き剥がし、加熱炉内を搬送する他の工程で加熱する時間よりも、過熱水蒸気雰囲気下での熱処理工程の時間を長く設定することが好ましい。過熱水蒸気雰囲気下における熱処理工程の時間を長く設定する場合は、取り扱う多層ポリイミドフィルム、加熱温度にもよるが、加熱炉内を搬送する他の時間より、0.1分〜90分長い時間を例示できる。0.1分〜60分がさらに好ましく 、0.1分〜30分が特に好ましい。
過熱水蒸気雰囲気下で熱処理する工程による効果は、フィルム製膜工程での温度を極端に高くできないなどの製膜条件に制約のある、熱可塑性ポリイミド層を有する多層ポリイミドフィルムにおいて、特に共押出法を用いて製造製膜された多層ポリイミドフィルムにおいて、格段に発揮される。
大気中の空気や窒素ガスのような熱風による伝熱は対流伝熱に限られ、表面から順に加熱されるため、フィルム表層に着目すると、過剰な加熱による熱分解が生じた結果、銅箔との密着強度が低下する可能性がある。一方、過熱水蒸気での熱処理は、対流伝熱に限らず、放射伝熱ならびに水蒸気の凝縮熱の複合的な伝熱によるものであり、熱効率が高い。何よりもフィルム表面に触れた高温の水蒸気が凝縮して水になった際に凝縮熱により急激に加熱されることを考えれば、フィルム表面は100℃前後の状態が保たれることとなり、フィルム表層の熱分解は限りなく抑制されていると考えられる。
(金属張積層板)
本発明の多層ポリイミドフィルムは、これに金属箔を積層して金属張積層板とし、さらに当該金属張積層板を用いてロールツーロール式で連続的にFPCを製造する場合に、クラックを抑制することができる。多層ポリイミドフィルムが、非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を形成したフィルムである場合、特に容易に連続的に金属張積層板を製造できる。
本発明に用いられる金属箔は特に限定されるものではなく、あらゆる金属箔を用いることができる。例えば、銅、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、およびこれら金属の合金などを好適に用いることができる。また、一般的な金属張積層板では、圧延銅箔、電解銅箔などの銅箔が多用されるが、本発明においてもこれらを用いることが好ましい。
また、上記金属箔は、目的に応じて表面処理、表面粗さ等種々特性を有したものを選択できる。さらに、上記金属箔の表面には、防錆層や耐熱層あるいは接着層が塗布されていてもよい。上記金属箔の厚みについては特に限定されるものではなく、その用途に応じて、十分な機能が発揮できる厚みであればよい。
金属張積層板で用いられる金属箔の厚みはFPCとして使用することができれば特に限定されるものではないが、例えば、厚みが1μm〜25μmの金属箔を用いることが好ましい。
多層ポリイミドフィルムと金属箔の貼り合わせ方法としては、例えば、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置、またはダブルベルトプレス(DBP)による連続処理を用いることができる。中でも、装置構成が単純であり保守コストの面で有利であるという点から、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を用いることが好ましい。
本発明にかかる金属張積層板を得るためには、連続的に被積層材料を加熱しながら圧着する熱ラミネート装置を用いることが好ましい。さらに、この熱ラミネート装置では、熱ラミネート手段の前段に、被積層材料を繰り出す被積層材料繰出手段を設けてもよいし、熱ラミネート手段の後段に、被積層材料を巻き取る被積層材料巻取手段を設けてもよい。これらの手段を設けることで、上記熱ラミネート装置の生産性をより一層向上させることができる。
(FPCの製造)
このようにして得られた金属張積層板を用いて連続的にFPCを製造するには、現像工程、エッチング処理工程、レジスト剥離工程の主要3工程をロールツーロール式で連続的に行う。現像工程で使用される現像液はレジストの種類により異なるが、一般的には炭酸ナトリウム系のアルカリ水溶液が使用される。現像作業は液をスプレー噴射して行い、スプレーノズルは左右に振るなどしてレジスト表面に均一に当てられる。エッチング工程では、エッチング液を回路基板の上下からスプレー噴射することにより、金属を溶解するのが一般的であるが、ここでも、エッチング液として、主に塩化鉄、塩化銅、アルカリ溶液が使用される。剥離工程も、現像、エッチングと同様に剥離液のスプレー噴射によって行われ、剥離液はアルカリ水溶液が使用される。
このように、近年採用されているFPCの製造工程では、ポリイミドが長時間アルカリと接触するとともに、基材には長手方向に張力がかかっており、さらに各工程での薬液のスプレー噴射により回路基板の厚み方向に繰返し応力がかかる状態となる。本発明の多層ポリイミドフィルムは、これらの過酷な工程を通過しても、クラックが発生しないので、連続的にFPCを製造するのに好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、合成例、実施例及び比較例における多層ポリイミドフィルムと金属箔の張り合わせ方法および特性の評価法は次の通りである。
(ポリイミドの非熱可塑性、熱可塑性の判定)
各合成例により得られたポリアミド酸溶液を、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延し、130℃×100秒で加熱した。その後、アルミ箔から、単層の自己支持性フィルムを引き剥がして、金属枠に固定した。300℃×20秒、450℃×1分の熱処理を行い、フィルムが溶融せず、外観も変形しなければ非熱可塑性ポリイミドであると判定し、フィルムが溶融したり、外観が変形したら、熱可塑性ポリイミドであると判定した。
(金属張積層板の作製方法)
多層ポリイミドフィルムの両面に12μmの電解銅箔(3EC−M3S−HTE(K);三井金属鉱業製)、さらにその両側に保護材料(アピカル125NPI;カネカ製)を配して、熱ロールラミネート機を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で連続的に熱ラミネートを行い、金属張積層板を作製した。
(金属箔の引き剥がし強度)
JIS C6471の「6.5 引きはがし強さ」に従って、サンプルを作製し、1mm幅の金属箔部分を、90度の剥離角度、50mm/分の条件で剥離し、その荷重を測定した。なお、引き剥がし強度として好ましくは、10〜20N/cmである。
(割れ裂け耐性テスト)
フィルムの両端部および中央部の3点からフィルムを切り取り、それぞれ金属張積層板とした。6.0cm×5.5cm角の大きさに金属張積層板を切り取り、その金属箔の一部を図1に示すように格子状(格子サイズ;1.3cm×1.5cm)にエッチングして試験片を得た。800mLの濃度4%の水酸化ナトリウム水溶液(23±2℃)が入った容器に試験片を入れ、230rpmの振とう速度で、23±2℃において振とうしてクラックが入る時間(ST)を測定し、割れ裂け耐性テストとした。なお、エッチング後、格子状の各角部の内側の曲率半径が50μm以下となっていることを光学顕微鏡にて確認して、50μm以下となっているものを試験片とした。この試験片を水酸化ナトリウム水溶液に投入した。クラックの有無は、振とうを100秒毎に止め、試験片を入れた容器ごとにライトボックスにより光を当てて、試験片に光が透過したらクラックと判断した。STは連続的にFPCを製造する工程において、クラックを抑制するために、900秒以上であることが好ましい。
以下に、合成例で用いるモノマーの略称を示す。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
PDA:p−フェニレンジアミン
BAPB:4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
以下に、ポリアミド酸溶液の合成例を示す。
(合成例1)
10℃に冷却したDMF(1137.4g)に、BAPP(57.3g:0.140mol)、ODA(18.6g:0.093mol)、を溶解した。ここに、BTDA(30.0g:0.093mol)、PMDA(25.4g:0.116mol)を添加して、30分間均一攪拌し、プレポリマーを得た。この溶液にPDA(25.2g:0.233mol)を溶解した後、PMDA(50.7g:0.233mol)を溶解し、別途調製してあったPMDAの7.2重量%DMF溶液を注意深く70.5g(PMDA:0.023mol)添加し、粘度が2500poise程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って、23℃での回転粘度が2600ポイズのポリアミド酸溶液を得た。当該ポリアミド酸溶液を用いた単層ポリイミドフィルムの非熱可塑性、熱可塑性の判定の結果、フィルムが溶融せず、外観も変形しなかったため、本合成例1のポリイミドは、非熱可塑性ポリイミドであると判定した。
なお、プレポリマーを製造する際に用いた、酸二無水物とジアミンを等モル量にして合成したポリアミド酸溶液を、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延し、130℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲルフィルムを引き剥がして、金属枠に固定した。その後、300℃×20秒、450℃×1分熱処理したところ、フィルムが溶融し、外観が変形していたため、本合成例1のブロック成分は熱可塑性ブロック成分であると判定した。
(合成例2)
10℃に冷却したDMF(1639.2g)に、ODA(72.2g:0.360mol)を溶解した。ここに、BPDA(63.6g:0.216mol)、BTDA(34.8g:0.108mol)を添加して、45分間均一攪拌し、プレポリマーを得た。この溶液にODA(8.66g:0.043mol)、PDA(34.3g:0.317mol)を溶解した後、PMDA(81.7g:0.375mol)を溶解し、別途調製してあったPMDAの7.2重量%DMF溶液を注意深く65.5g(PMDA:0.022mol)添加し、粘度が2500poise程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って、23℃での回転粘度が2600ポイズのポリアミド酸溶液を得た。当該ポリアミド酸溶液を用いた単層ポリイミドフィルムの非熱可塑性、熱可塑性の判定の結果、フィルムが溶融せず、外観も変形しなかったため、本合成例2のポリイミドは、非熱可塑性ポリイミドであると判定した。
なお、プレポリマーを製造する際に用いた、酸二無水物とジアミンを等モル量にして合成したポリアミド酸溶液を、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延し、130℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲルフィルムを引き剥がして、金属枠に固定した。その後、300℃×20秒、450℃×1分熱処理したところ、フィルムが溶融し、外観が変形していたため、本合成例2のブロック成分は熱可塑性ブロック成分であると判定した。
(合成例3)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)861.2gに、BAPP(118.6g:0.289mol)を溶解した。ここに、BPDA(12.8g:0.043mol)を投入し、50℃に加熱した後、10℃に冷却し、PMDA(50.4g:0.231mol)を添加し、プレポリマーを得た。その後、別途調製してあったPMDAの7重量%DMF溶液40.5g(PMDA:0.013mol)を注意深く添加し、固形成分濃度約17%で粘度が23℃において800poiseのポリアミド酸溶液を得た。その後、DMFを加え、固形成分濃度14重量%のポリアミド酸溶液を得た。当該ポリアミド酸溶液を用いた単層ポリイミドフィルムの非熱可塑性、熱可塑性の判定の結果、フィルムが溶融して外観が変形しため、本合成例3のポリイミドは、熱可塑性ポリイミドであると判定した。
(合成例4)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)902.0gに、BAPB(26.5g:0.072mol)、BPDA(17.6g:0.060mol)を溶解した後、BAPP(68.9g:0.168mol)を溶解した。ここに、PMDA(36.6g:0.168mol)を投入し、別途調製してあったPMDAの7.2重量%DMF溶液を注意深く28.3g(PMDA:0.0094mol)を添加し、固形成分濃度約14%で粘度が23℃において300poiseのポリアミド酸溶液を得た。当該ポリアミド酸溶液を用いた単層ポリイミドフィルムの非熱可塑性、熱可塑性の判定の結果、フィルムが溶融して外観が変形しため、本合成例4のポリイミドは、熱可塑性ポリイミドであると判定した。
(実施例1)
合成例1で得られたポリアミド酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比3.5:1.0:7.2)からなる硬化剤をポリアミド酸溶液に対して重量比50%で添加し、ミキサーにより攪拌後、3層共押出ダイ中央層に供給し、合成例3で得られたポリアミド酸溶液を中央層両面に供給した。3層押出ダイのリップ開口1.3mmから押出し、この樹脂液膜を120℃のステンレス製エンドレスベルトにて80秒乾燥させ、自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムをベルトから引き剥がした後、両端をピンにより固定し、270℃×12秒、300℃×12秒、350℃×10秒、320℃×35秒で乾燥・イミド化し、熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/熱可塑性ポリイミド層の厚みが、2μm/8.5μm/2μmの三層ポリイミドフィルムを得た。得られた三層ポリイミドフィルム中の残溶媒量は1.2重量%であった。得られた三層ポリイミドフィルムを金属枠に固定し、オーブン内で過熱水蒸気雰囲気下とし、350℃にて30分加熱した。得られた三層ポリイミドフィルムを金属張積層板に加工した。結果を表1にまとめた。
(比較例1)
追加加熱を過熱水蒸気雰囲気下の代わりにイナートオーブン内で窒素雰囲気下として実施した。350℃にて60分加熱した。他の処理は実施例1と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
(比較例2)
追加加熱を空気雰囲気下で実施したことを除き、実施例1と同様に実施した。最終的に得られた三層ポリイミドフィルムは、外観が著しく変化し、各種評価に供するに値しなかった。
(比較例3)
追加加熱を実施せず、実施例1と同様に評価を実施した。
(実施例2)
合成例2で得られたポリアミド酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比3.5:1.0:7.2)からなる硬化剤をポリアミド酸溶液に対して重量比50%で添加し、ミキサーにより攪拌後、3層共押出ダイ中央層に供給し、合成例4で得られたポリアミド酸溶液を中央層両面に供給した。3層押出ダイのリップ開口1.3mmから押出し、この樹脂液膜を115℃のステンレス製エンドレスベルトにて80秒乾燥させ、自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムをベルトから引き剥がした後、両端をピンにより固定し、280℃×15秒、350℃×30秒、340℃×30秒で乾燥・イミド化し、熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/熱可塑性ポリイミド層の厚みが、2μm/8.5μm/2μmの三層ポリイミドフィルムを得た。得られた三層ポリイミドフィルム中の残溶媒量は1.3重量%であった。得られた三層ポリイミドフィルムを金属製の枠に固定し、ナノスチームオーブン内で300℃にて60分加熱した。得られた三層ポリイミドフィルムを金属張積層板に加工した。結果を表1にまとめた。
(比較例4)
追加加熱を過熱水蒸気雰囲気下の代わりにイナートオーブンを使用して窒素雰囲気下として実施した。他の処理は実施例2と同様に実施した。結果を表1にまとめた。
(比較例5)
追加加熱を空気雰囲気下で実施したことを除き、実施例2と同様に実施した。最終的に得られた三層ポリイミドフィルムは、外観が著しく変化し、各種評価に供するに値しなかった。
(比較例6)
追加加熱を実施せず、実施例2同様に評価を実施した。
1.金属箔
2.ポリイミドフィルム

Claims (3)

  1. ポリイミドの前駆体またはポリイミドを含有する溶液を、少なくとも2種以上同時に支持体上に流延して多層液膜を形成し、前記多層液膜を熱処理して多層自己支持性フィルムとした後、前記多層自己支持性フィルムを熱処理する多層ポリイミドフィルムの製造方法であって、
    前記多層自己支持性フィルムを熱処理して多層ポリイミドフィルムとする工程と、
    前記多層ポリイミドフィルムを過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程と、を含み、
    過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程は、残存溶媒量が0.01重量%〜30重量%である多層ポリイミドフィルムに対して行われることを特徴とする多層ポリイミドフィルムの製造方法。
  2. 多層ポリイミドフィルムが、少なくとも非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に、少なくとも熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を積層した多層ポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項に記載の多層ポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 前記多層自己支持性フィルムを熱処理して多層ポリイミドフィルムとする工程の最高温度よりも、過熱水蒸気雰囲気下において熱処理を行う工程の温度が高いことを特徴とする、請求項1または2に記載の多層ポリイミドフィルムの製造方法。
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