JP2017177604A - ポリイミド積層フィルム - Google Patents

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裕之 後
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Abstract

【課題】ポリイミド積層フィルムを用いるフレキシブル金属張積層板をロールツーロール式で連続的にフレキシブルプリント配線板を製造する際に、アルカリ環境下に起因するクラック発生を抑制できるポリイミド積層フィルムを提供することにある。【解決手段】熱可塑性ポリイミド由来のブロック成分を有する非熱可塑性樹脂を含む非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、凝集構造を有する熱可塑性ポリイミド成分を含む接着層を有するポリイミド積層フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブル金属張積層板の製造工程におけるフィルムのクラックの発生を抑制し得るポリイミドフィルム、および当該ポリイミドフィルムの製造方法に関するものである。
近年、スマートフォン、タブレットパソコン、ノートパソコン等を中心としたエレクトロニクス製品の需要拡大に伴い、各種フレキシブルプリント配線板(以下、FPCともいう)の需要が伸びている。中でも接着層として熱可塑性ポリイミドを用いた2層フレキシブルプリント配線板(以下、2層FPCともいう)は、耐熱性、屈曲性に優れることから需要が更に伸びることが期待される。従来以上の電子機器の軽量化、小型化、薄膜化の要求が進んでおり、市場からはこれを達成するために、実装するFPCも薄膜化することが望まれている。また、生産性向上(コストダウン化)に伴うフレキシブル銅張積層板の製造工程の変更に伴い、ポリイミドフィルムなどの材料にかかる負荷、特に機械強度の向上などの要求も増している。FPCの従来の製造方法は、現像工程、エッチング処理工程、レジスト剥離工程などからなる製造工程が、各工程をバッチ式(非連続工程)で行っていた。従来、現像・エッチング処理・レジスト剥離工程で使用するアルカリ溶液に対する耐性を制御したポリイミド(例えば、特許文献1)により報告がなされている。また、高配向化によりポリイミドフィルムの強度を改善する方法も開示されている(例えば、特許文献2)。
特開2012−186377号公報 WO01/081456号公報
本発明者らが鋭意検討した結果、FPCに加工する際には、アルカリ水溶液に接触する工程があり、耐アルカリ性も求められているが、連続式の一例であるロールツーロール式において、従来のバッチ式よりも強い荷重がポリイミド積層フィルム にかかった状態でアルカリ水溶液と接触することとなり、その結果として、特許文献1に開示されたような、従来のバッチ式におけるアルカリ処理では認められていなかったポリイミド積層フィルムにおけるクラックや割れ・裂けといった現象が発生するという課題が顕在化した。
また、特許文献2に開示された材料では、従来のバッチ式のFPC製造工程においては問題にならずとも、上記のようなロールツーロール式により連続的にFPCを製造する工程に耐えるには不十分であり、このような工程を経てもクラックが発生しないようなポリイミド材料は、これまで提供されていなかった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであって、ロールツーロール式のフレキシブル金属積層板製造工程中のアルカリ環境下において、フィルムに発生するクラックや割れ・裂けを抑制できるポリイミドフィルム、ポリイミド積層フィルム、並びに金属張積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意検討をした結果、フィルムの割れや裂けを抑制するためには、熱可塑性ポリイミド由来のブロック成分を有する非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に凝集構造を有する熱可塑性ポリイミド成分を含む接着層を有することが効果的で、そのようなポリイミド積層フィルムがフィルムの靭性を向上でき、アルカリ環境下でのフィルムのクラック(以下、デスミアクラックともいう)を抑制できることを見出した。熱可塑性ポリイミド成分の凝集構造はポリイミドの一次構造やポリイミド積層フィルムの製造方法等で制御することが可能である。
上記した様に、ロールツーロール式でFPCを加工する場合、基材には長手方向の張力に加えて厚み方向の繰返し応力や曲げ応力などがかかっており、従来のバッチ式に比べ極めて厳しい状態にさらされる。さらにアルカリ水溶液などの溶剤が介在する場合、一般的に高分子の強度は溶剤が介在しない場合と比較して弱くなる。そのため、塑性変形を抑制するためにも降伏強度は高い方が好ましい。また、繰り返し応力下では、高分子は疲労し、徐々に塑性変形を開始する。そのため、塑性変形が開始した後も、その応力に対する抵抗値が大きい(塑性変形しにくい)方が、クラックの抑制には有効なのではないかと考えた。
本発明では、クラック発生の抑制において、降伏強度と塑性変形のしにくさを改善することが重要であることを見出し、一次構造、製造方法を検討することで本発明の完成に至った。
本発明により得られるポリイミド積層フィルムはロールツーロール式の連続的なFPCの製造工程においてもポリイミドフィルムに発生するクラックを抑制することができる。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。まず、本発明に係るポリイミドフィルムの場合について、その実施の形態の一例に基づき説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」をそれぞれ意味する。
本発明者らは、ポリイミド積層フィルムのアルカリ環境下での強靭性を向上するためにポリイミドの分子設計を鋭意検討した。その結果、ポリイミド積層フィルムの凝集構造がアルカリ環境下での強靭化に寄与しており、ポリイミドの一次構造および製造方法で凝集構造を制御することにより、フィルム製造工程に大きな変更を加えることなく、アルカリ環境下でのフィルムのクラックや割れ・裂けを抑制可能であることを見出した。つまり、ポリマーが凝集構造を形成しやすくすることにより、これらの特性が発現し、アルカリ環境下での強靭性が改良されるという知見は、本発明者らが初めて見出したものである。
本発明における熱可塑性ポリイミドとは 、一般的に示差走査熱量測定(DSC)で、ガラス転移温度(Tg)を有するポリイミドをいう。本発明での熱可塑性ポリイミドは、前記ガラス転移温度が150℃〜350℃であるものをいう。
本発明における非熱可塑性ポリイミドとは 、一般に加熱しても軟化、接着性を示さないポリイミドをいう。本発明では、フィルムの状態で380℃、2分間加熱を行い、シワが入ったり伸びたりせず、形状を保持しているポリイミドをいう。
(凝集構造)
本発明では、ポリイミド積層フィルムの凝集構造がデスミア液の侵入を抑制し、クラックの発生を防ぐ効果をもたらすと考えられる。本発明の凝集構造とは、局所的な秩序性有する分子鎖のパッキングを意味する。ポリイミドは芳香環あるいは芳香族複素環などの剛直な構成単位からなるため、絡み合いが少なく、一般的な高分子のように折りたたみ鎖を形成しづらい。一方で、イミド環を有する分子鎖に特有な分子鎖のパッキングが起こり、その局所的な秩序性をもった分子鎖のパッキングが起こる。凝集構造はポリイミドフィルムの製膜条件とポリイミド積層フィルムの一次構造により、制御することが可能である。ポリイミド積層フィルムの一次構造による凝集構造を実現する手段としては種々の方法があるが、ポリイミド積層フィルムの加熱処理温度を上げること、あるいはポリイミド積層フィルムを成す非熱可塑性ポリイミドもしくは熱可塑性ポリイミドが剛直成分を有する酸二無水物成分または剛直成分を有するジアミンの少なくとも一方を含むブロック成分を有することによっても達成できる。
(応力―ひずみ曲線における塑性変形領域の傾き)
本発明のポリイミド積層フィルムは、応力―ひずみ曲線(以下、s−s曲線ということもある)における塑性変形領域の傾きが0.7以上であることを特徴とする。本発明者らは、ポリイミドフィルムのアルカリ環境下におけるクラックや割れ・裂けに対する耐久性について鋭意検討を重ねた結果、ポリイミドフィルムが、塑性変形しにくいこと、かつ高い降伏強度を有すること、の二つの条件を満たす場合、アルカリ環境下におけるクラックや割れ・裂けに対する高い耐久性を示すという新規知見を見出した。
(塑性変形領域の傾き)
上記、「塑性変形しにくい」特性は、塑性変形時において応力が増加していくこと、又は塑性変形時に必要な応力が大きいこと、を意図したものである。上記、「塑性変形しにくい」特性は、塑性変形領域における傾きと言い換えることが出来る。例えば、ASTM D882にしたがって引張特性を測定した結果を、縦軸に“応力”、横軸に“ひずみ”のグラフとして表した際の「傾き(すなわちs−s曲線の傾き)」と言い換えることが出来る。具体的には、s−s曲線における“10%歪み時応力”〜“破断応力”の間の傾きを例示することが出来る。計算式を下記に示す。
塑性変形領域の傾き=(Stress2−Stress1)/(Strain2−Strain1)
Stress1:10%ひずみ時応力
Stress2:破断応力
Strain1:10%ひずみ
Strain2:破断歪み
例えば、「塑性変形しにくい材料」とは、本明細書では「塑性変形領域の傾きが0.7以上である」を意図する。
本発明における「降伏強度」は、ASTM D882にしたがって引張特性を測定した際の「10%ひずみ時応力」により定義する。例えば、「高い降伏強度を有する材料」とは、本明細書では「10%ひずみ時応力が160MPa以上であること」を意図する。
本発明の非熱可塑性ポリイミドフィルムを構成するポリイミド樹脂は、熱可塑性ポリイミド由来のブロック成分からなるブロックを少なくとも1つ有する非熱可塑性ポリイミドフィルムからなることを特徴とする。
(熱可塑性ポリイミド層)
本発明における熱可塑性ポリイミド層に含まれる熱可塑性ポリイミドは、その前駆体となる熱可塑性ポリアミド酸(以下、熱可塑性ポリアミド酸ともいうことがある)をイミド化して得られる。
(接着層)
FPCは、例えばポリイミドのような絶縁性フィルム層をコアフィルムとし、このコアフィルムの表面に、各種接着材料による接着層を介して金属箔層を加熱・圧着することにより貼りあわされたフレキシブル金属張積層板に製造し、さらに回路パターンを形成することで得られる。接着層には従来、エポキシ樹脂やアクリル樹脂が使用されていたが、これらは耐熱性に乏しく、使用用途が限定されてしまう。しかし、接着層として熱可塑性ポリイミドを用いた2層フレキシブルプリント配線板(以下、2層FPCともいう)は、耐熱性、屈曲性に優れることから需要が更に伸びることが期待される。
(原料モノマー)
本発明において用いられる原料モノマーは、前駆体であるポリアミド酸をイミド化した非熱可塑性ポリイミドおよび熱可塑性ポリイミドが凝集構造を有し、一次構造と製造方法によりそれが制御されれば特に制限されない。ポリアミド酸の合成に通常用いられるジアミンおよび酸ニ無水物を使用可能である。
芳香族ジアミンとしては本発明の効果を発現できれば特に制限されないが、2,2’-ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン等が挙げられ、これらを単独または複数併用することができる。
また、ポリアミド酸の原料モノマーとして使用し得る酸二無水物系化合物としては本発明の効果を発現できれば特に制限されないが、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシフタル酸二無水物、3,4’−オキシフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの類似物等が挙げられる。
本発明では、ポリイミド積層フィルムに凝集構造を形成させることによって、フィルム本来の靭性を向上させ、ロールツーロールの製造工程で発生するクラックや裂け等を抑制できると考えられる。すなわち、接着層を成す熱可塑性ポリイミドの凝集構造を制御することで、外界からの薬剤の侵入を抑制し、クラックの発生を防ぐ効果をもたらすと考えられる。さらに、コア層を成す非熱可塑性ポリイミドが凝集構造を有することによって、ポリイミド積層フィルムに靭性が付与され、連続的な張力にも耐えられる力学強度が発現するようになると考えられる。
以上の各層を積層することによって、ロールツーロール式のFPC製造工程中で発生する割れ・裂け・デスミアクラックの発生を抑制することができる。
この凝集構造とは、上述したように、局所的な秩序性をもった分子鎖のパッキングを意図し、凝集構造はポリイミドフィルムの製膜条件とポリイミド積層フィルムの一次構造により、制御することが可能である。
凝集構造を少なくとも一つ有する熱可塑性ポリイミド成分を構成する酸二無水物単量体及びジアミン単量体の合計モル数の60%以上が熱可塑性ポリイミド由来のブロック成分を有する非熱可塑性ポリイミド樹脂を構成する酸二無水物単量体とジアミン単量体のそれぞれ少なくとも1種の単量体と同じであることが好ましい。この場合、非熱可塑性ポリイミドフィルムと接着層の層間剥離が生じにくく、ポリイミド積層フィルムの白化や剥がれなどが発生しない。
(ポリアミド酸の重合方法)
本発明における非熱可塑性ポリアミド酸および熱可塑性ポリアミド酸の製造方法は、イミド化した熱可塑性ポリイミドが凝集構造を有していれば公知のどうような方法も用いることが可能である。
例えば、下記の工程(A−a)〜(A−c):
(A−a)芳香族ジアミンと、芳香族酸二無水物とを、芳香族ジアミンが過剰の状態で有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る工程、
(A−b)工程(A−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族ジアミンを追加添加する工程、
(A−c)更に、工程(A−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族酸二無水物を、全工程における芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物が実質的に等モルとなるように添加して重合する工程、
によって製造することができる。
または、下記の工程(B−a)〜(B−c):
(B−a)芳香族ジアミンと、芳香族酸二無水物とを、芳香族酸二無水物が過剰の状態で有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る工程、
(B−b)工程(B−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族酸二無水物を追加添加する工程、
(B−c)更に、工程(B−a)で用いたものとは構造の異なる芳香族ジアミンを、全工程における芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物が実質的に等モルとなるように添加して重合する工程、
を経ることによってポリアミド酸を得ることも可能である。
任意のジアミンもしくは酸二無水物に、特定のジアミンもしくは酸二無水物が選択的に結合するように添加順序を設定する合成方法(例えば工程(A−a)〜(A−c)、および(B−a)〜(B−c))を本発明ではシーケンス重合と呼ぶ。これに対し、結合するジアミンと酸二無水物を投入順序で選択しない合成方法を本発明ではランダム重合と呼ぶ。
(ポリアミド酸の固形分濃度)
本発明のポリアミド酸の固形分濃度は特に限定されず、通常5〜35wt%、好ましくは10〜30wt%の濃度で得られる。この範囲の濃度である場合に適当な分子量と溶液粘度を得る。
(ポリアミド酸の組成物)
本発明のポリアミド酸には、フィラー、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、有機滑剤(例えばワックス)等の、各種添加剤を加えることができる。
また、得られる非熱可塑性ポリイミドフィルム、またはポリイミド積層フィルムとしての特性を損なわない範囲で、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂を混合しても良い。これら樹脂の添加方法としては、溶剤に可溶のものであれば非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸に添加する方法が挙げられる。ポリイミドも可溶性のものであるなら、ポリイミド溶液に添加しても良い。溶剤に不溶のものであれば、上記非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を先にイミド化した後、溶融混練で複合化する方法が挙げられる。但し、得られるフレキシブル金属張積層体の吸湿半田耐熱性や加熱収縮率などが悪化する可能性があるため、本発明では溶融性のあるポリイミドは使用しないことが望ましい。従って、ポリイミドと混合する樹脂は可溶性のものを用いることが望ましい。
(熱可塑性ポリイミド由来のブロック成分を有する非熱可塑性ポリイミド樹脂)
本発明におけるポリイミド積層フィルムは、熱可塑性ポリイミドのブロック成分を含む非熱可塑性ポリイミドからなる非熱可塑性ポリイミドフィルムがコア層を形成することを特徴とする。非熱可塑性ポリイミドの分子中に熱可塑性ポリイミドのブロック成分を含有させることにより、ポリアミド前駆体溶液の高い貯蔵安定性、高い接着性、特にはポリイミド系接着剤との高い接着性を発現する。接着層が凝集構造を有する熱可塑性ポリイミドを含む場合には、コア層に接着性向上のための表面処理を施さなくとも高い接着性を発現することができるという点で、コア層を形成する非熱可塑性ポリイミドに熱可塑性ポリイミドのブロック成分を持たせることは好適である。
(非熱可塑性ポリアミド酸の製造)
非熱可塑性ポリアミド酸の製造の際に使用する有機溶媒は、非熱可塑性ポリアミド酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができる。例えば、アミド系溶媒、すなわち、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドがより好ましく用いられ得る。非熱可塑性ポリアミド酸の固形分濃度は特に限定されず、5重量%〜35重量%の範囲内であれば非熱可塑性ポリイミドフィルムとした際に十分な機械強度を有する非熱可塑性ポリアミド酸が得られる。
原料である芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物の添加順序についても特に限定されないが、原料の化学構造だけでなく、添加順序を制御することによっても、得られる非熱可塑性ポリイミドの特性を制御することが可能である。
上記非熱可塑性ポリアミド酸には、摺動性、熱伝導性、導電性、耐コロナ性、ループスティフネス等のフィルムの諸特性を改善する目的でフィラーを添加することもできる。フィラーとしてはいかなるものを用いても良いが、好ましい例としてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
得られる非熱可塑性ポリイミドフィルム、またはポリイミド積層フィルムとしての特性を損なわない範囲で、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂を混合しても良い。これら樹脂の添加方法としては、溶剤に可溶のものであれば非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸に添加する方法が挙げられる。ポリイミドも可溶性のものであるなら、ポリイミド溶液に添加しても良い。溶剤に不溶のものであれば、上記非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を先にイミド化した後、溶融混練で複合化する方法が挙げられる。但し、得られるフレキシブル金属張積層体の吸湿半田耐熱性や加熱収縮率などが悪化する可能性があるため、本発明では溶融性のあるポリイミドは使用しないことが望ましい。従って、ポリイミドと混合する樹脂は可溶性のものを用いることが望ましい。
(非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法)
上記非熱可塑性ポリイミドフィルムを得るには、以下の工程
i) 有機溶剤中で芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させて非熱可塑性ポリアミド酸溶液を得る工程、
ii)上記非熱可塑性ポリアミド酸溶液を含む製膜ドープをダイスから支持体上に流延して、樹脂層(液膜ともいうことがある)を形成する工程、
iii)樹脂層を支持体上で加熱して自己支持性を持ったゲルフィルムとした後、支持体からゲルフィルムを引き剥がす工程、
iv)更に加熱して、残ったアミド酸をイミド化し、かつ乾燥させ非熱可塑性ポリイミドフィルムを得る工程、
を含むことが好ましい。
ii)以降の工程においては、熱イミド化法と化学イミド化法に大別される。熱イミド化法は、脱水閉環剤等を使用せず、ポリアミド酸溶液を製膜ドープとして支持体に流延、加熱だけでイミド化を進める方法である。一方の化学イミド化法は、ポリアミド酸溶液に、イミド化促進剤として脱水閉環剤及び触媒の少なくともいずれかを添加したものを製膜ドープとして使用し、イミド化を促進する方法である。どちらの方法を用いても構わないが、化学イミド化法の方が生産性に優れる。
脱水閉環剤としては、無水酢酸に代表される酸無水物が好適に用いられ得る。触媒としては、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、複素環式第三級アミン等の三級アミンが好適に用いられ得る。
製膜ドープを流延する支持体としては、ガラス板、アルミ箔、エンドレスステンレスベルト、ステンレスドラム等が好適に用いられ得る。最終的に得られるフィルムの厚み、生産速度に応じて加熱条件を設定し、部分的にイミド化または乾燥の少なくとも一方を行った後、支持体から剥離してポリアミド酸フィルム(以下、ゲルフィルムという)を得る。
上記ゲルフィルムの端部を固定して硬化時の収縮を回避して乾燥し、ゲルフィルムから、水、残留溶媒、イミド化促進剤を除去し、そして残ったアミド酸を完全にイミド化して、ポリイミドを含有するフィルムが得られる。加熱条件については、最終的に得られるフィルムの厚み、生産速度に応じて適宜設定すれば良い。
(ポリイミド積層フィルムの製造 )
本発明のポリイミド積層フィルムを製造する方法としては、上記ii)工程において複数の流路を有する共押出しダイを使用して、熱可塑性ポリアミド酸および非熱可塑性ポリアミド酸を含む複層の樹脂層を同時に形成しても良い(この方法を三層共押出ともいう)し、上記i)において非熱可塑性ポリアミド酸を合成し、その後上記ii)〜iv)工程まで進めて非熱可塑性ポリイミドフィルムを一旦回収した後、その上に新たに熱可塑性ポリアミド酸を含む樹脂層を形成しても良い(この方法を塗工ともいう)。イミド化には非常に高い温度が必要となるため、ポリイミド以外の樹脂層を設ける場合は、熱分解を抑えるために後者の手段を採った方が好ましい。なお、塗工により熱可塑性ポリイミド層を設ける場合は、熱可塑性ポリアミド酸を塗布し、その後イミド化を行ってもよいし、熱可塑性ポリイミド層を形成することができる熱可塑性ポリイミド溶液を塗布・乾燥してもよい。 本発明に係るポリイミド積層フィルム全体の厚みは7μm〜60μmであることが好ましい。その範囲内でも厚みが薄い方が、FPCとしての軽量化に貢献し、また折り曲げ性が向上するので好ましい。
(フレキシブル金属張積層板)
本発明のポリイミド積層フィルムを用いて、金属箔と積層することにより、2層FPCに加工されるフレキシブル金属張積層体を製造することができる。金属箔上にポリイミド積層フィルムを形成する手段としては、
a)上述のようにしてポリイミド積層フィルムを得た後、加熱加圧により金属箔を貼り合せてフレキシブル金属張積層体を得る手段(熱ラミネート法)
b)金属箔上に、熱可塑性ポリアミド酸溶液または非熱可塑性ポリアミド酸溶液の少なくともいずれか一方の溶液を含有する多層の有機溶剤溶液をキャストし、加熱により溶剤除去、イミド化を行ってフレキシブル金属張積層体を得る手段
c)金属箔上に、熱可塑性ポリアミド酸溶液または非熱可塑性ポリアミド酸溶液の少なくともいずれか一方のポリイミドを含有する溶融液をキャストし、冷却することによりフレキシブル金属張積層体を得る手段等が挙げられる。これらのうち、ポリイミドに溶融性を持たせると、得られるフレキシブル金属張積層板の吸湿半田耐熱性や加熱収縮率などが悪化する可能性があるため、a)もしくはb)の手段を用いることが好ましい。ポリイミドが溶剤可溶性のものであるなら、ポリアミド酸を含有する有機溶剤溶液の代わりにポリイミドを含有する有機溶剤溶液を用いても良い。a)ならびにb)の詳細について、以下説明する。
a)の手段では、得られたポリイミドフィルムに、金属箔を加熱加圧により貼り合せる熱ラミネートにより、本発明のフレキシブル金属張積層体が得られる。金属箔を貼り合せる手段、条件については、従来公知のものを適宜選択すればよい。
b)の手段において、金属箔上にポリアミド酸を含有する有機溶剤溶液をキャストする手段については特に限定されず、ダイコーターやコンマコーター(登録商標)、リバースコーター、ナイフコーターなどの従来公知の手段を使用できる。溶剤除去、イミド化を行うための加熱手段についても従来公知の手段を利用可能であり、例えば熱風炉、遠赤外線炉が挙げられる。a)の手段と同様に 、化学イミド化法によって加熱時間を短縮し、生産性を向上させることができる。しかし、イミド化の過程で脱水閉環剤である酸無水物から酸が生成するため 、金属箔の種類によっては酸化が進行してしまう場合がある。脱水閉環剤の添加については、金属箔の種類や加熱条件に応じて適宜選択することが好ましい。本発明における熱可塑性ポリイミド層と非熱可塑性ポリイミドフィルムを含む場合などポリイミド樹脂層を複層設ける場合、もしくはポリイミド以外の樹脂層も設ける場合は、上記キャスト、加熱工程を複数回繰り返すか、共押出しや連続キャストによりキャスト層を複層形成して一度に加熱する手段が好適に用いられうる。b)の手段では、イミド化が完了すると同時に、フレキシブル金属張積層体が得られる。樹脂層の両面に金属箔を設ける場合、加熱加圧により反対側の樹脂層面に金属箔を貼り合わせれば良い。
金属箔は、特に限定されるものではなく、あらゆる金属箔を用いることができる。例えば、銅、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、およびこれら金属の合金などを好適に用いることができる。また、一般的な金属張積層板では、圧延銅、電解銅といった銅が多用されるが、本発明においても好ましく用いることができる。
また、上記金属箔は、目的に応じて表面処理、表面粗さ等種々特性を有したものを選択できる。さらに、上記金属箔の表面には、防錆剤や耐熱処理剤あるいは接着剤が塗布されていてもよい。上記金属箔の厚みについては特に限定されるものではなく、その用途に応じて、十分な機能が発揮できる厚みであればよい。
(フレキシブル金属箔積層体のデスミアクラック耐性)
本発明によって得られるポリイミド積層フィルムは、ロールツーロール式で連続的にフレキシブルプリント配線板を製造する際に、デスミアクラックの発生を抑制できる。これを調べる方法として、本発明ではフレキシブル金属箔積層体のデスミア液浸漬時のクラック耐性を評価した。この方法で膨潤液に15分以上浸漬させてもクラックが確認されなかったものはアルカリ環境下に起因するクラックの発生を抑制できるという点で好適であり、45分以上浸漬させてもクラックが確認されなかったものが特に好適である。
(シェイキングテスト)
本発明によって得られるポリイミド積層フィルムは、ロールツーロール式で連続的にフレキシブルプリント配線板を製造する際に、ポリイミドフィルムに発生する割れ・裂けを抑制できる。これを調べる方法として、本発明では以下の方法でシェイキングテストを実施した。この方法で1400秒振とうさせてもフィルムが裂けなかったものはロールツーロール式で連続的に応力下にさらされても割れ・裂けが発生しないという点で好適であり、2000秒振とうさせてもフィルムが裂けなかったものは特に好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
なお、合成例、実施例及び比較例におけるポリイミド積層フィルムの引張特性、10%ひずみ時応力、フレキシブル金属箔積層体のデスミアクラック耐性、強靭性の指標となるSTの求め方、および吸湿半田耐熱評価の評価方法は次の通りである。
(引張特性、10%歪み時応力、塑性変形領域の傾き)
引張弾性率の測定データから10%歪み時応力は求められる。引張弾性率はASTM D882に準じて行った。測定には、島津製作所製のAUTOGRAPH AGS−Jを使用し、25℃、55RH% の環境下で測定した。
サンプル測定範囲;15mm
つかみ具間距離;100mm
引張速度;200mm/min
(フレキシブル金属箔積層体のデスミアクラック耐性)
実施例ならびに比較例で得られたフレキシブル金属箔積層体から長手方向に20cm、幅25cmの大きさに積層体を切り取った。切り取った積層体の片側の金属箔層をエッチング処理し、配線幅250μm、配線間隔250μmのパターンを形成した。パターン形成していない側の金属箔は全て除去した。配線と平行な方向を長手方向とし、長手方向に10cm、幅1.5cmのテストピースを切り出した。このテストピースを図2示すようにクッション材に挟み、180℃、3.8kgf/cmの条件で60分間熱プレスを行った。
続いて、10cm×12cmのFR4基板の中央部を1cm×10cmにくり抜き、縁の部分に両面テープを貼り付けた。上記熱プレス後のテストピースの端が両面テープに重なるように、テストピースをFR4基板の開口部に並べ、180℃、30kgf/cm2の条件で60分間熱プレスを行った。
熱プレス後、テストピースをFR4基板から切り離し、50℃に保った膨潤液(セキュリガントP、Atotech社製)に90秒、65℃に保ったデスミア液(セキュリガントP500 P−Etch、Atotech社製)に300秒、40℃に保った中和液(セキュリガントP500、Atotech社製)に40秒、順次浸漬した。浸漬後、水で洗浄した後に60℃で10分間乾燥させた。
乾燥後のテストピースについて、二回目の熱プレス時にFR4基板と重なっていた箇所を光学顕微鏡にて観察を実施し、クラックの発生有無を確認した。クラックが確認されないものを合格とした。
(シェイキングテスト)
フィルムの両端部および中央部の3点からフィルムを切り取り、それぞれフレキシブル金属張積層板とした。6.0cm×5.5cm角の大きさにフレキシブル金属張積層板を切り取り、その金属箔の一部を格子状(格子サイズ;1.3mm×1.5mm、)にエッチングして試験片を得た。800mLの濃度4%の水酸化ナトリウム水溶液(23±2℃)が入った容器に試験片を入れ、230rpmの振とう速度で、23±2℃において振とうしてクラックが入る時間(ST(秒))を測定する。なお、エッチング後、格子状の各角部の内側の曲率半径が50μm以下となっていることを光学顕微鏡にて確認して、50μm以下となっているものを試験片とした。この試験片を水酸化ナトリウム水溶液に投入した。クラックの有無は、震とうを100秒毎に止め、試験片を入れた容器ごとにライトボックスにより光を当てて、試験片に光が透過したらクラックと判断した。
(フレキシブル金属張積層板の吸湿半田耐熱)
実施例ならびに比較例で得られた両面フレキシブル金属張積層板について、3.5cm角に切り出し、片面(便宜的にA面とする)は2.5cm角の銅箔層がサンプル中央に残るように、反対面(便宜的にB面とする)は銅箔層が全面に残るように、エッチング処理で余分な銅箔層を除去してサンプルを五つ作製した。得られたサンプルを85℃、85%R.H.の加湿条件下で、72時間放置し、吸湿処理を行った。吸湿処理後、サンプルを300℃の半田浴に10秒間浸漬させた。半田浸漬後のサンプルについて、B面の銅箔層をエッチングにより完全に除去し、銅箔が重なっていた部分の外観に変化が無い場合は○(良)、積層ポリイミド層の白化、膨れ、銅箔層の剥離のいずれかが確認された場合は×(悪)とした。
(非熱可塑性ポリイミド前駆体の合成)
(合成例1)
容量2000mlのガラス製フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFともいう)を657.8g、ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAともいう)を10.5gと2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPPともいう)を32.4g添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAともいう)17.0gとピロメリット酸二無水物(以下、PMDAともいう)14.3gを徐々に添加した。BTDAとPMDAが溶解したことを目視で確認後、p−フェニレンジアミン(以下、PDAともいう)を14.22g加えて5分間攪拌を行った。続いて、PMDAを28.69g添加した後、30分攪拌した。最後に、1.7gのPMDAを固形分濃度7.2%ととなるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加して、23℃での粘度が2000ポイズに達した時点で添加、撹拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
(合成例2)
容量2000mlのガラス製フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFともいう)を655.7g、ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAともいう)を28.9g加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAともいう)25.4gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視で確認後、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAともいう)13.9gを添加し、30分間攪拌を行った。その後、再度ODAを3.5g、p−フェニレンジアミン(以下、PDAともいう)を13.7g加えて5分間攪拌を行った。続いて、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAともいう)32.7gを添加し、30分間撹拌した。最後に、1.9gのPMDAを固形分濃度7.2%ととなるようにDMFに溶解した溶液を調整し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加して、23℃での粘度が2000ポイズに達した時点で添加、撹拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
(合成例3)
容量2000mlのガラス製フラスコにDMFを334.1g、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル(以下、m−TBともいう)4.4g、PDA3.8gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、PMDA10.9gを徐々に添加した。PMDAが溶解したことを目視で確認後30分間攪拌を行った。その後、ODA16.7gを加え、続いて、BPDA18.4gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視で確認後、PMDA5.3gを添加し、30分間撹拌した。最後に、0.5gのPMDAを固形分濃度7.2%ととなるようにDMFに溶解した溶液を調整し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加して、23℃での粘度が2000ポイズに達した時点で添加、撹拌をやめ、ポリイミド前駆体を得た。
(熱可塑性ポリイミド前躯体の合成)
(合成例4)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF323.0gに、BAPB11.8gを添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA7.9gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、BAPP30.8gを添加し、続けてPMDA16.8gを添加し30分間攪拌を行った。0.7gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。
(合成例5)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF321.7gに、ODA12.3gを添加した。続いてBAPB22.5gを添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA25.2gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、PMDA7.2gを添加し30分間攪拌を行った。0.8gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。
(合成例6)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF312.7gに、BPDA34.1gを添加した。続いてTPE−R32.9gを添加し、窒素雰囲気下で30分間攪拌を行った。1.0gのTPE−Rを固形分濃度5.0%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。
(合成例7)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF309.4gに、BPDA28.4gを添加した。続いてBAPP38.4gを添加し、窒素雰囲気下で30分間攪拌を行った。1.2gのBAPPを固形分濃度5.0%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。
(合成例8)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF323.0gに、BAPP43.6gを添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA43.6gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視確認した後、PMDA19.0gを添加し30分間攪拌を行った。0.7gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が800ポイズに達した時点で重合を終了した。
合成例1〜8のモノマー添加順序(モル比)、重合方法、ガラス転移温度(Tg)を表1に示す。
(実施例1)
合成例1で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×11秒、350℃×11、450℃×120秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例4で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(実施例2)
合成例1で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×11秒、350℃×11秒、450℃×120秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例5で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(実施例3)
合成例2で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×15秒、350℃×79秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例4で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(実施例4)
合成例3で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×15秒、350℃×79秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(実施例5)
合成例2で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×11秒、350℃×11秒、450℃×120秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例4で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(実施例6)
合成例3で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×11秒、350℃×11秒、450℃×120秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例4で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(実施例7)
合成例3で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×15秒、350℃×79秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例5で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(実施例8)
合成例3で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×11秒、350℃×11秒、450℃×120秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例5で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(実施例9)
合成例2で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×15秒、350℃×79秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例5で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(実施例10)
合成例2で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×11秒、350℃×11秒、450℃×120秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例5で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(比較例1)
合成例1で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×11秒、350℃×11秒、450℃×120秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例6で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(比較例2)
合成例1で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×11秒、350℃×11秒、450℃×120秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例7で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(比較例3)
合成例1で得られたポリイミド前駆体(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×15秒、350℃×79秒で乾燥・イミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムが450℃で2分間加熱したところ形態を保持したことから、非熱可塑性であることが確認出来た。
続いて得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例8で得られたポリアミック酸溶液を、最終片面厚みが3.0μmとなるように塗布し、150℃×68秒、80℃×9秒で乾燥した後、350℃で12秒間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmのポリイミド積層フィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に12μm電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。得られたポリイミド積層フィルムの主な機械特性、およびフレキシブル金属張積層板のST、デスミアクラック耐性、吸湿半田耐熱性の結果を表2に示す。
(考察)
表2からわかるように、接着層を形成する熱可塑性ポリイミドが、剛直成分を有する酸二無水物成分または剛直成分を有するジアミンの少なくとも一方を含むブロック成分を有し、かつポリイミド積層フィルムの塑性変形領域の傾きが0.7以上であれば、STおよびデスミアクラック耐性に好適であり、ロールツーロール式の連続的なFPCの製造工程においてもポリイミドフィルムに発生するクラックの抑制を期待できる。
Figure 2017177604
Figure 2017177604

Claims (6)

  1. 熱可塑性ポリイミド由来のブロック成分を有する非熱可塑性ポリイミド樹脂を含む非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、凝集構造を少なくとも一つ有する熱可塑性ポリイミド成分を含む接着層を有することを特徴とするポリイミド積層フィルム。
  2. 非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも一方に熱可塑性ポリイミド層を有するポリイミド積層フィルムであって、応力―ひずみ曲線における塑性変形領域の傾きが0.7以上であることを特徴とする、ポリイミド積層フィルム。
  3. 非熱可塑性ポリイミドフィルムの応力―ひずみ曲線における塑性変形領域の傾きが1.0以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリイミド積層フィルム。
  4. 凝集構造が制御されたポリイミド樹脂からなる熱可塑性ポリイミド層を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミド積層フィルム。
  5. 熱可塑性ポリイミドが、剛直成分を有する酸二無水物成分または剛直成分を有するジアミンの少なくとも一方を含むブロック成分を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイミド積層フィルム。
  6. 剛直成分を有する酸二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を少なくとも含み、剛直成分を有するジアミンが4,4’−ジアミノジフェニルエーテルもしくは4,4’−ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニルの少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミド積層フィルム。
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