JP4257587B2 - フレキシブル金属箔積層体 - Google Patents

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本発明は、フレキシブル金属箔積層体に関するものであり、さらに詳しくは高耐熱性のポリイミド層の少なくとも片面に熱圧着性のポリイミド層を有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とを積層してなるフレキシブル金属箔積層体に関するものである。
カメラ、パソコン、液晶ディスプレイなどの電子機器類への用途としてポリイミドフィルムは広く使用されている。ポリイミドフィルムをフレキシブルプリント板(FPC)、チップオンフィルム(COF)、テープ・オートメイティッド・ボンディング(TAB)などの基板材料として使用するためには、エポキシ樹脂などの接着剤を用いて銅箔を張り合わせる方法が採用されている。
ポリイミドフィルムは耐熱性、機械的強度、電気的特性などが優れているが、接着剤の耐熱性等が劣るため、本来のポリイミドの特性を損なうことが指摘されている。このような問題を解決するために、接着剤を使用しないでポリイミドフィルムに銅を電気メッキしたり、銅箔にポリアミド酸溶液を塗布し、乾燥、イミド化したり、熱可塑性のポリイミドを熱圧着させた全てがポリイミドからなる基材も開発されている。
例えば、真空プレス機などを用いてポリイミドフィルムと金属箔との間にポリイミド接着剤をサンドイッチ状に接合したポリイミドラミネート法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このポリイミドラミネート法では、長尺品を得ることが不可能であり、しかもある種のポリイミドフィルムについては接着強度が小さく使用できないという問題がある。
米国特許第4543295号公報
また、ロールプレスで製造した金属箔積層ポリイミドフィルムが開示されている(例えば、特許文献2および3参照)。しかし、これらの金属箔積層ポリイミドフィルムでは、得られた金属箔積層フィルムに皺が発生する場合があり、しかも幅が比較的狭いものしか得られず、電子部品製造のトータルコスト上昇をもたらす。
特開平4−33847号公報 特開平4−33848号公報
上記課題を改善する方法として、熱融着性多層ポリイミド樹脂を一般的な芳香族ポリイミドフィルムの少なくとも片面に塗布し、さらに金属箔とラミネートしたフレキシブル積層板が提案されている(例えば、特許文献4および5参照)。かかる方法では生産性は確保されるが、得られる積層板の基本特性は中心材となる芳香族ポリイミドフィルムに支配されてしまう。また、芳香族ポリイミド樹脂と銅箔の線膨張係数の差に伴い基板の反りが生じるという課題を有する。
特開平11−157026号公報 特開2000−103010号公報
上記課題を改善する方法として、高耐熱性ポリイミド層を2層化しトータル5層よりなるポリイミド−金属積層体が開示されている(特許文献6参照)。該方法は製造工程が煩雑となり経済的に不利であるという課題を有している。
また、上記の特許文献5〜6の方法で得られたポリイミド−金属積層体は、ポリイミドと金属との界面の接着性の耐久性が劣るという課題を有しており、上記課題を含めた課題解決が強く嘱望されていた。
特開平11−291391号公報
本発明の目的は、基体層としての耐熱性ポリイミと熱圧着性ポリイミド系樹脂との積層ポリイミドフィルムおよび金属箔を使用し、外観、接着強度および接着強度の耐久性が良好で長尺で幅広のフレキシブル金属箔積層体を提供することである。
すなわち本発明は、以下の構成によるものである。
(1)高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に熱圧着性の芳香族ポリイミド層
が積層一体化された熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とが熱圧着されて積層され
てなるフレキシブル金属箔積層体において、高耐熱性の芳香族ポリイミドが、5−アミノ−2−(p―アミノフェニル)ベンズオキサゾール、6−アミノ−2−(p―アミノフェニル)ベンズオキサゾール、5−アミノ−2−(m―アミノフェニル)ベンズオキサゾール、6−アミノ−2−(m―アミノフェニル)ベンズオキサゾールから選ばれる少なくとも一種のジアミン類と、ピロメリット酸ニ無水物、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、4,4’―オキシジフタル酸ニ無水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物、3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ニ無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸ニ無水物から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸ニ無水物とを反応させて得られるポリイミドであり、熱圧着性の芳香族ポリイミドが、1,3−ビス(3−アミノフェノキシベンゼン)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、および1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパンから選ばれる少なくとも一種のジアミン類と、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および4,4’−オキシジフタル酸二無水物から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物から得られるポリイミドであり、かつ高耐熱性の芳香族ポリイミド層の面方向の線膨張係数が1〜15ppm/℃であり、かつ金属箔の面方向の線膨張係数より小さいことを特徴とするフレキシブル金属箔積層体。
)金属箔の面方向の線膨張係数と高耐熱性の芳香族ポリイミド層の面方向の線膨張係
数が、下記式を満たすことを特徴とする(1) に記載のフレキシブル金属箔積
層体。
1.0 <(金属箔の線膨張係数)/(高耐熱ポリイミドの線膨張係数)< 2.0
)金属箔が、電解銅箔、圧延銅箔、アルミニウム箔あるいはステンレス箔である(1
)〜()に記載のフレキシブル金属箔積層体。
本発明のフレキシブル金属箔積層体は、熱圧着性の芳香族ポリイミド層が積層されているので、熱圧着法という簡便な方法で金属箔との積層ができ、かつポリイミド層の基材となる高耐熱性芳香族ポリイミド層が単層よりなるので積層体の製造がシンプルであり、さらに、高耐熱性ポリイミド層の面方向の線膨張係数が金属箔の面方向の線膨張係数より小さく設定されているので、外観、接着強度および接着強度の耐久性が良好で長尺で幅広のフレキシブル金属箔積層体が、単純化された方法で得られる。従って、集積回路およびその他電子回路の配線材料として有効に利用できる。なお、高耐熱性ポリイミド層の面方向の線膨張係数が金属箔の面方向の線膨張係数より小さく設定されていることで従来公知の方法における課題であった接着強度の耐久性が改善されることの理由は明確化できていないが、従来公知の高耐熱性ポリイミド層の方が金属箔より面方向の線膨張係数が高い場合は、熱変化による両素材の歪差が界面に集中するのに対して、本発明のこの関係が逆転したケースはでは、金属により発現される歪がポリイミド層全体で緩和されるために界面への歪の集中が低減されるので接着強度の耐久性が改善されものと推察している。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のフレキシブル金属箔積層体は、高耐熱性ポリイミド、熱圧着性ポリイミド、金属箔からなる。
本発明の高耐熱性ポリイミドはベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸無水物類の縮合により得られる物である。
一般にポリイミドは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸無水物を反応して得られるポリアミド酸溶液を、支持体に塗布・乾燥してフィルム状と成し、さらに支持体上で、あるいは支持体から剥がした状態でフィルム状成形体を高温熱処理することにより脱水閉環反応を行うことによって得られる物である。
本発明におけるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられる。
Figure 0004257587
Figure 0004257587
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を例示することができる。該ジアミンは、単独であっても二種以上を用いることも可能である。
本発明においては、全ジアミンの30モル%以下であれば下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種または二種以上を併用しても構わない。例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン,4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル、および上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシ基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシ基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明において用いられるテトラカルボン酸無水物は芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
Figure 0004257587
Figure 0004257587
の使用が好ましい。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独でも二種以上を用いることも可能である。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%以下であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上を併用しても構わない。用いられるテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6ラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等である。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独でも二種以上を用いることも可能である。
また、本発明の線状ポリイミドまたは線状ポリアミド酸の分子末端を炭素−炭素二重結合を有する末端基で封止するために無水マレイン酸等を用いることが出来る。無水マレイン酸の使用量は、芳香族ジアミン成分1モル当たり0.001〜1.0モル比である。
本発明で使用する極性有機溶剤としては、原料モノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、例えば,N−メチル−2−ピロリドン,N−アセチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジエチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,ジメチルスルホキシド,ヘキサメチルホスホリックアミド,エチルセロソルブアセテート,ジエチレングリコールジメチルエーテル,スルホラン,ハロゲン化フェノール類等があげられ,これらの溶媒は,単独あるいは混合して使用することができる。極性有機溶媒の使用量は,仕込みモノマーを溶解するのに十分な量であればよく,通常は5〜50質量%であり,好ましくは10〜20質量%の固形分を含むものであればよい。
本発明で用いるポリアミド酸の有機溶媒溶液は、固形分を好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%を含有するものであって、またその粘度はブルックフィールド粘度計による測定で10〜2000Pa・s、好ましくは100〜1000Pa・sのものが、安定した送液が可能であることから好ましい。重合反応は、有機溶媒中で撹拌および/または混合しながら、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して進められるが、必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両反応体の添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸類を添加するのが好ましい。
本発明で使用される閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミンおよびイソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどの複素環式第3級アミンなどが挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンを使用するのが好ましい。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効な方法である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封鎖剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。
本発明では閉環触媒を用いても良い。本発明で使用される閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミンおよびイソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどの複素環式第3級アミンなどが挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンを使用することが好ましい。
本発明で使用される脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などの脂肪族カルボン酸無水物、および無水安息香酸などの芳香族カルボン酸無水物などが挙げられるが、無水酢酸および/または無水安息香酸が好ましい。ポリアミド酸に対する閉環触媒の含有量は、閉環触媒の含有量(モル)/ポリアミド酸の含有量(モル)が0.5〜8となる範囲が好ましい。また、ポリアミド酸に対する脱水剤の含有量は、脱水剤の含有量(モル)/ポリアミド酸の含有量(モル)が0.1〜4となる範囲が好ましい。尚、この場合には、アセチルアセトンなどのゲル化遅延剤を併用してもよい。
本発明における熱圧着性ポリイミド系樹脂としては、230〜400℃程度の温度で熱圧着できる熱可塑性のポリイミド系樹脂であれば何でも良い。かかる熱融着性多層ポリイミドとしては、好ましくは、ジアミン類として、
APB :1,3−ビス(3−アミノフェノキシベンゼン)、
m−BP :4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、
DABP :3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
DANPG:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、
から選ばれる少なくとも一種のジアミン類と、テトラカルボン酸無水物として、
PMDA :ピロメリット酸二無水物、
ODPS :3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
BTDA :3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
BPDA :3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
α−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
ODPA :4,4’−オキシジフタル酸二無水物、
から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物から得られるポリイミドを用いることができる。これらは、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。さらにジアミン類或いはテトラカルボン酸無水物類の各々50モル%を超えない範囲で、先に例示した、その他のジアミン類あるいはテトラカルボン酸無水物類を併用することができる。
本発明では、好適には1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)と2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物〜得られるポリイミド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)とピロメリット酸二無水物とから得られるポリイミド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパンと4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)とから製造されるポリイミド、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)およびピロメリット酸二無水物と、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)とから得られるポリイミド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから得られるポリイミド、3,3’−ジアミノベンゾフェノンおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから得られるポリイミド、を例示できる。
ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物の反応モル比は、通常、ジアミン成分1モルに対し、テトラカルボン酸二無水物成分0.75〜1.25モルの範囲である。好ましくは0.8〜1.2モルの範囲である。
本発明では、熱可塑性ポリイミド層に係わる熱可塑性ポリイミドのポリマー末端を封止する目的として、ジカルボン酸無水物を添加しても良い。使用されるジカルボン酸無水物としては、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカロボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物が挙げられる。
これらのジカルボン酸無水物はアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されてもよい。ジカルボン酸無水物の添加量は、通常、主原料である前記特定のジアミンとテトラカルボン酸二無水物の合計量100モルに対して、0.001〜0.5モルの範囲である。好ましくは、0.005〜0.25モルの範囲である。
同様に、熱可塑性ポリイミドのポリマー末端を封止する目的でモノアミンを添加してもよい。使用されるモノアミンとしては、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ニトロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アニリジン、m−アニリジン、p−アニリジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノベンツアルデヒド、m−アミノベンツアルデヒド、p−アミノベンツアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェノールフェニルエーテル、3−アミノフェノールフェニルエーテル、4−アミノフェノールフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェノールフェニルスルフィド、3−アミノフェノールフェニルスルフィド、4−アミノフェノールフェニルスルフィド、2−アミノフェノールフェニルスルホン、3−アミノフェノールフェニルスルホン、4−アミノフェノールフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。
これらモノアミンは単独でまたは2種以上組み合わせて使用しても良い。モノアミンの添加量は、通常、主原料である前記特定のジアミンとテトラカルボン酸二無水物の合計100モルに対して、0.001〜0.5モルの範囲である。好ましくは0.005〜0.25モルの範囲である。
この他、条件を満たす範囲でポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂などを単独で、あるいは適宜組み合わせて使用することができる。
前記の熱圧着性ポリイミド系樹脂は、前記各成分と、さらに場合により他のテトラカルボン酸二無水物および他のジアミンとを、有機溶媒中、約100℃以下、特に20〜60℃の温度で反応させてポリアミド酸の溶液とし、このポリアミド酸の溶液をドープ液として使用して製造することができる。
また、前述のようにして製造したポリアミド酸の溶液を150〜250℃に加熱するか、またはイミド化剤を添加して150℃以下、特に15〜50℃の温度で反応させて、イミド環化した後溶媒を蒸発させる、もしくは貧溶媒中に析出させて粉末とした後、該粉末を有機溶液に溶解して熱圧着性ポリイミド系樹脂の有機溶媒溶液を得ることができる。
本発明における熱圧着性ポリイミド系樹脂を得るためには、前記の有機溶媒中、ジアミン(アミノ基のモル数として)の使用量が酸無水物の全モル数(テトラ酸二無水物とジカルボン酸無水物の酸無水物基としての総モルとして)に対する比として、好ましくは0.92〜1.1、特に0.98〜1.1、そのなかでも特に0.99〜1.1であり、ジカルボン酸無水物の使用量がテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基モル量に対する比として、好ましくは0.05以下、特に0.02以下であるような割合の各成分を反応させることが好ましい。
前記のジアミンおよびジカルボン酸無水物の使用割合が前記の範囲外であると、得られるポリアミド酸、従って熱融着性のポリイミドの分子量が小さく、フレキシブル金属箔積層体の接着強度の低下をもたらす。また、ポリアミド酸のゲル化を制限する目的でリン系安定剤、例えば亜リン酸トリフェニル、リン酸トリフェニル等をポリアミド酸重合時に固形分(ポリマー)濃度に対して0.01〜1質量%の範囲で添加することができる。また、イミド化促進の目的で、ドープ液中に塩基性有機化合物系触媒を添加することができる。例えば、イミダゾール、2−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどをポリアミド酸に対して0.05〜10質量%、特に0.1〜2質量%の割合で使用することができる。これらは比較的低温でポリイミドフィルムを形成するため、イミド化が不十分となることを避けるために使用する。また、接着強度の安定化の目的で、熱圧着性のポリイミド原料ドープに有機アルミニウム化合物、無機アルミニウム化合物または有機錫化合物を添加してもよい。例えば水酸化アルミニウム、アルミニウムトリアセチルアセトナートなどをポリアミド酸に対してアルミニウム金属として1ppm以上、特に1〜1000ppmの割合で添加することができる。
前記のポリアミド酸製造に使用する有機溶媒は、高耐熱性のポリイミドおよび熱圧着性のポリイミドのいずれに対しても、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、クレゾール類などが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一般に、ポリイミドフィルムは所定のポリアミド酸溶液を回転する支持体にフィルム状に連続的に押し出し又は塗布して形成したフィルム状成型体を、前記支持体から剥離し、延伸あるいは固定し、乾燥、熱処理することにより製造される。ポリアミド酸の有機溶媒からポリイミドフィルムを製造する代表的な方法としては、閉環触媒および脱水剤を含有しないポリイミド酸の有機溶媒溶液をスリット付き口金から支持体上に流延してフィルム状に成形し、支持体上で加熱乾燥することにより自己支持性を有するフィルム状成型体にした後、支持体よりフィルムを剥離し、更に高温下で乾燥熱処理することによりイミド化する熱閉環法、および閉環触媒および脱水剤を含有せしめたポリド酸の有機溶媒をスリット付き口金から支持体上に流延してフィルム状に成形し、支持体上でイミド化を一部進行させて自己支持性を有するフィルムとした後、支持体よりフィルムを剥離し、加熱乾燥、イミド化し、熱処理を行う化学閉環法が挙げられる。
ここに支持体とは、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形する際に用いられるドラムまたはベルト状回転体、長尺フィルム、あるいは金属箔である。ポリアミド酸溶液は支持体上に塗布され、加熱乾燥により自己支持性を与えられる。支持体の表面は金属、プラスチック、ガラス、磁器などが挙げられ、支持体表面として好ましい物として、金属、なお、好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるSUS材である。また、Cr、Ni、Snなどの金属メッキをしても良い。本発明における金属表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。また、本発明においては支持体として、平滑な高分子フィルムを用いることが出来る。高分子フィルムとして好ましく用いられる物はポリエチレンテレフタレートフィルム、ないしはポリエチレンナフタレートフィルムである。
本発明では、高耐熱性ポリイミドとは別に、熱融着性多層ポリイミドのフィルムを同様の方法で作成し、後工程で金属箔と積層する際に同時に圧着する方法を用いることができる。かかる方法では、高耐熱性ポリイミドフィルムの生産と、熱融着性多層ポリイミドフィルムの生産とを完全に独立して行うことができるため品質管理がさらに容易になる。
本発明では、高耐熱性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のフィルム状成型体の片面ないし両面に熱融着性多層ポリイミドの前駆体を塗布し、その後に加熱、脱水閉環反応を行うことにより多層ポリイミドフィルムを得ることが出来る。この方法によれば高耐熱性ポリイミドと熱融着性多層ポリイミド層との境界面が相互侵入した形どなるため、界面は繰りが生じにくくなる。また、多層フィルムの内層側になる高耐熱性ポリイミド層の溶剤が抜けやすく均質なフィルムが得られる。
本発明における熱圧着性多層ポリイミドフィルムの製造においては、高耐熱性のポリイミドのポリアミド酸溶液の片面あるいは両面に熱圧着性のポリイミドまたはその前駆体の溶液を共押出して、これをステンレス鏡面、ベルト面等の支持体面上に流延塗布しフィルム化する方法を用いることができる。共押し出し後の製造条件は先に述べた高耐熱性のポリイミドフィルムの製法に準じる。
前記高耐熱性のポリイミドを与えるポリアミド酸の溶液と、熱圧着性のポリイミドを与えるポリアミド酸あるいはポリイミドの溶液との共押出しとは、二層あるいは三層の押出し成形用ダイスに溶液を供給し、支持体上にキャストする方法である。前記の高耐熱性のポリイミドを与える押出し物層の片面あるいは両面に、熱圧着性のポリイミドを与えるポリアミド酸あるいはポリイミド溶液を積層して多層フィルム状物を形成して乾燥後、熱圧着性のポリイミドのガラス転移温度(Tg)以上で劣化が生じる温度以下の温度、好適には250〜400℃の温度まで加熱して(好適にはこの温度で1〜60分間加熱して)乾燥およびイミド化して、高耐熱性ポリイミドの片面あるいは両面に熱圧着性ポリイミドを有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムを製造することができる。
本発明における熱圧着性のポリイミドは、前記の酸成分とジアミン成分とを使用することによって、ガラス転移温度が180〜275℃、特に200〜275℃であって、好適には前記の条件で乾燥・イミド化して熱圧着性ポリイミド系樹脂のゲル化を実質的に起こさせないことによって得られるもので、ガラス転移温度以上〜300℃の温度範囲で液状化せず、かつ275℃での引張弾性率が室温付近の温度(50℃)での引張弾性率の0.0002〜0.2倍程度を保持しているものが好ましい。
前記の共押出し−流延製膜法によれば、高耐熱性ポリイミド層とその片面あるいは両面の熱圧着性ポリイミド系樹脂とを比較的低温度でキュアして熱圧着性ポリイミド系樹脂の劣化を来すことなく、自己支持性フィルムのイミド化、乾燥を完了させた熱圧着性多層ポリイミドフィルムを得ることができる。本発明における多層ポリイミドフィルムは、好適には寸法変化率が、室温で±0.10%以下で、150℃で±0.10%以下である。
本発明において、高耐熱性ポリイミド層の厚さは3〜100μmであることが好ましく、さらには4〜50μm、なおさらには5〜25μmが好ましい。所定の範囲より薄いと作成した熱圧着性多層ポリイミドフィルムの機械的強度、寸法安定性に問題が生じる。また所定の範囲より厚くなると溶媒の除去、イミド化に難点が生じる。また、本発明において、熱圧着性のポリイミド層の厚さは1〜20μm、特に2〜12μmが好ましい。1μm未満では接着性能が低下し、20μmを超えると多層ポリイミドフィルム全体の耐熱性、機械強度に悪影響が出る。また、高耐熱性のポリイミド層の厚さは全体の多層フィルムの10%以上で99%以下、特に30%以上で90%以下であることが好ましい。この割合より小さいと作製した多層フィルムの取り扱いが難しく、この割合より大きいと得られるフレキシブル金属箔積層体の接着強度が小さくなる。
本発明においては、請求項3に記載のごとく、張り合わせられる金属箔の線膨張係数と高耐熱ポリイミドの面方向の線膨張係数が、下記式を満足することが好ましい。
1.0 <(金属箔の線膨張係数)/(高耐熱ポリイミドの線膨張係数)< 2.0
本発明では、さらに好ましくは下記式を満足することがより好ましく、
1.0 <(金属箔の線膨張係数)/(高耐熱ポリイミドの線膨張係数)< 1.5
特に、下記式を満足することがより好ましい。
1.1 <(金属箔の線膨張係数)/(高耐熱ポリイミドの線膨張係数)< 1.5
上記した範囲に設定することでポリイミド層と金属箔との界面の接着性の耐久性が向上する。
本発明において使用される金属箔としては、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、金などの金属箔あるいはこれら金属の合金箔など各種金属箔が挙げられる。好適には圧延銅箔、電解銅箔などがあげられる。金属箔として、表面粗度の小さい、好適にはRzが7μm以下、特にRaが5μm以下、特に0.5〜5μmであるものが好ましい。
このような金属箔、例えば銅箔はVLP、LP(またはHTE)として知られている。金属箔の厚さは特に制限はないが、2〜40μm、特に3〜20μm、さらには4〜12μmであることが好ましい。
本発明においては、前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とを積層する。積層する方法としては、ホットメルト法を用いるわけであって、公知のラミネータ、連続プレス、圧延ロールなどを使用することが出来る、本発明では、特にダブルベルトプレスを用いて加圧下に熱圧着ー冷却して積層して、フレキシブル金属箔積層体を得ることが好ましい。ダブルベルトプレスは、加圧下に高温加熱ー冷却を行うことができるものであって、熱媒を用いた液圧式のものが好ましい。本発明のフレキシブル金属箔積層体は、好適にはダブルベルトプレスの加熱ゾーンの温度が熱圧着性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度より20℃以上高く400℃以下の温度、特にガラス転移温度より30℃以上高く400℃以下の温度で加圧下に熱圧着し、引き続いてダブルベルトプレスの冷却ゾーンで加圧下に冷却して、好適には熱圧着性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度より20℃以上低い温度、特に30℃以上低い温度まで冷却して、積層することによって製造することができる。また、加熱ゾーンに導入するまえに、熱圧着性多層ポリイミドフィルムのみあるいは熱圧着性ポリイミド系樹脂フィルムと金属箔との両方を予熱することが好ましい。
本発明においては、前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とを組み合わせ、ダブルベルトプレスを用いて加圧下に熱圧着ー冷却して積層することによって、好適には巻き取り速度1m/分以上とすることができ、得られるフレキシブル金属箔積層体は、長尺で幅が約480mm以上、特に約520mm以上の幅広の、接着強度が大きく(90°ピール強度:0.7kgf/cm2以上、特に1kgf/cm2以上)、金属箔表面に皺が実質的に認めれられない程外観が良好なフレキシブル金属箔積層体を得ることができる。また、本発明においては、フレキシブル金属箔積層体は、好適には寸法変化率が、各幅方向のL、CおよびR(フィルムの巻き出し方向の左端、中心、右端)の平均で、MD、TDともに室温(エッチング後乾燥のみ)および150℃(エッチング後加熱処理)で±0.10%以下であり、寸法変化の均一性が高い。
前記の積層において、加圧下に熱圧着−冷却することが好ましく、加圧下の冷却工程がないと外観の良好なフレキシブル金属箔積層体を得ることが困難になる。本発明のフレキシブル金属箔積層体は、熱圧着性多層ポリイミドフィルムおよび金属箔がロール巻きの状態でダブルベルトプレスにそれぞれ供給され、金属箔積層フィルムをロール巻きの状態で得ることができるので特に好適である。
本発明によって得られるフレキシブル金属箔積層体は、ロール巻き、エッチング、および場合によりカール戻し等の各処理を行った後、所定の大きさに切断して、電子部品用基板、FPC、COF、TAB、リジッドフレキ、多層フレキなどテープサブストレートとして使用できる。本発明のフレキシブル金属箔積層体には、前記の長尺状のものだけでなく前記のように所定の大きさに切断したものも含まれる。
以下、本発明の有効性を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.初期の導体接着性
銅箔面にフォトレジスト(FR−200、シプレー社製)を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cm2のスプレー圧でエッチングし、幅2.00mm長さ180mmの長矩形テストパターンを作製し、長矩形が中央になるように余白を配した幅20mm、長さ200mmに試験片を切り抜き、JIS C5016方法Aに準拠して、90度剥離試験を行った。
3.加熱試験後の導体接着性
150℃のドライオーブン中に100時間放置した後、初期と同じ方法にて、90度剥離試験を行った。
4.加圧加湿試験後の導体接着性
平山製作所製PCT試験機にて121℃、2気圧(飽和水蒸気圧雰囲気)条件下にて100時間処理した後、初期と同じ方法にて90度剥離試験を行った。
5.体積抵抗率
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、得られたポリイミドフィルムについて JIS C6481準拠の方法にて行った。
6.表面抵抗
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、得られたポリイミドフィルムについてJIS C6481準拠の方法にて行った。
7.耐マイグレーション性
40μmピッチの櫛形電極に、電圧(DC60V)を印可し、85℃×85%RHの恒温恒湿槽(エタック(R)FX412Pタイプ、楠本化成(株)製)の中に入れ電圧負荷状態のまま5分毎に絶縁抵抗値を測定記録し、線間の抵抗値が100Mオーム以下に達する時間を測定しマイグレーション評価とした。なお、評価パターンは初期の導体接着性評価と同じ手法で形成した。
8.フィルム(総絶縁層)の厚さ
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
9.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度および破断伸度
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ長さ100mm、幅10mmの短冊状に切り出して試験片とし、引張試験機(島津製作所製オートグラフ(R)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmで測定し、引張弾性率、引張強度及び破断伸度を求めた。
10.ポリイミドフィルム及び金属箔の面方向の線膨張係数(CTE)
下記条件で伸縮率を測定し、30〜300℃までを15℃間隔で分割し、各分割範囲の伸縮率/温度の平均値より求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/分
雰囲気 ; アルゴン
11.ポリイミドフィルムの融点、ガラス転位温度
試料を下記条件でDSC測定し、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K 7121に準拠して下記測定条件で求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料重量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/分
雰囲気 ; アルゴン
12.熱分解温度
熱分解温度は、充分に乾燥した試料を下記条件でTGA測定(熱天秤測定)して、5%重量減をもって規定した。
装置名 ; MACサイエンス社製TG−DTA2000S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料重量 ; 10mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/分
雰囲気 ; アルゴン
<実施例1>
(高耐熱性ポリイミド前駆体[HA1]溶液の調製)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンズオキサゾール 500質量部を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン5000質量部を加えて完全に溶解させた後、ピロメリット酸二無水物485質量部を加え、25℃の反応温度で15時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液(HA1)が得られた。得られたポリアミド酸のηsp/Cは2.0であった。
(高耐熱性ポリイミドフィルムの作製)
続いて,このポリアミド酸溶液をステンレスベルトにウエット膜厚180μmとなるようにコーティングし、100℃にて60分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離した。
得られたポリアミド酸フィルムを、連続式の熱処理炉に通し、200℃から400℃まで、ほぼ直線的に20分間にて昇温し10分間で冷却、厚み25μmの褐色の高耐熱性ポリイミドフィルム[HI1]を得た。得られた高耐熱性ポリイミドフィルムの引張破断強度、引張弾性率、伸度、線膨張係数(CTE)、融点、ガラス転位温度、熱分解温度を評価した結果を表1に示す
(熱融着性多層ポリイミド前駆体[SA1]溶液の調製)
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンと2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを1000:1000のモル比でモノマー濃度が22質量%になるように、またトリフェニルホスフェートをモノマー重量に対して0.1質量%加えた。添加終了後25℃を保ったまま1時間反応を続け、ポリアミド酸[SA1]溶液を得た。得られたポリアミド酸のηsp/Cは1.6であった。
(高耐熱性ポリイミドフィルムの両面への熱融着性ポリイミドの積層)
ダブルコーターを用い、高耐熱性ポリイミドフィルム[HI1]の両面に、熱融着性多層ポリイミド前駆体溶液[SA1]を、乾燥厚み7μmとなるように塗布し、90℃にて30分間乾燥し、乾燥後のフィルムを連続式の熱処理炉に通し、200℃から380℃まで、ほぼ直線的に20分間にて昇温し10分間で冷却、厚み25μmの褐色のポリイミドフィルム[HI1]の両面に、厚さ4μmの熱融着性多層ポリイミド[SI1]が配された熱融着性多層ポリイミドフィルムを得た。
(銅張り積層フィルムの製造)
ロール内部加熱及び外部加熱併用方式のシリコーンゴムロール・ラミネート機を用い、加熱により、ロール表面温度を240℃に加熱した。ロール間に得られた熱融着性多層ポリイミドフィルムを通し、その両側から、厚み18μmの電解銅箔(福田金属箔粉工業株式会社製、CF−T9)を供給し、銅箔/熱融着性多層ポリイミドフィルム/銅箔からなる両面銅張り積層フィルムを得た。
(評価)
得られた銅張り積層フィルムについて前記方法で評価を行った結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1で得られた高耐熱性ポリイミド前駆体[HA1]溶液をステンレスベルトにウエット膜厚180μmとなるようにコーティングし、100℃にて5分間乾燥した。次いでその上に同じく実施例1にて得られた熱融着性多層ポリイミド前駆体[SA1]溶液をコーティングし、100℃にて60分間乾燥させ、積層成型体を得た。得られた積層成型体を、連続式の熱処理炉に通し、200℃にて5分保持、ついで200℃から400℃まで、ほぼ直線的に5分間にて昇温し10分間保持した後、10分間で冷却、総厚み30μmの褐色の二層からなる片面熱融着性多層ポリイミドフィルムを得た。得られた片面熱融着性多層ポリイミドフィルムの引張破断強度、引張弾性率、伸度、線膨張係数(CTE)を評価した結果を表1に示す
(銅張り積層フィルムの製造および評価)
以下、実施例1と同様に銅箔をロールラミネートし、片面銅張り積層フィルムを得、以下同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
(高耐熱性ポリイミド前駆体[HA2]溶液の重合)
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物653質量部を用いる以外は,実施例1と同様にしてポリアミド酸溶液[HA2]を得た。このもののηsp/Cは1.5であり,実施例1と同様にして、厚み15μmの褐色のポリイミドフィルム[HI2]を得た。
(高耐熱性ポリイミドフィルムの両面への熱融着性ポリイミドの積層)
ダブルコーターを用い、高耐熱性ポリイミドフィルム[HI2]の両面に、実施例1にて得られた熱融着性多層ポリイミド前駆体[SA1]を、90℃にて30分乾燥後に、乾燥厚み7μmとなるように塗布乾燥し、乾燥後のフィルムを連続式の熱処理炉に通し、200℃から380℃まで、ほぼ直線的に20分間にて昇温し10分間で冷却、厚み15μmの褐色のポリイミドフィルム[HI2]の両面に、厚さ4μmの熱融着性多層ポリイミド[SI1]が配された熱融着性多層ポリイミドフィルムを得た。
(銅張り積層フィルムの製造および評価)
以下、実施例1と同様に銅箔をロールラミネートし、両面銅張り積層フィルムを得、以下同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例3にて得られた高耐熱性ポリイミド前駆体[HA2]溶液を用いた以外は実施例3と同様に操作し、片面銅張り積層フィルムを得、以下同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例5>
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを加え、さらに、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物とを1000:990のモル比でモノマー濃度が22質量%になるように加え、23℃において4時間反応し、熱融着性多層ポリイミド前駆体[SA2]溶液を得た。得られたポリアミド酸のηsp/Cは1.5であった。以下、実施例1にて得られた高耐熱性ポリイミド前駆体[HA1]溶液を用いた以外は実施例1と同様に操作し、両面銅張り積層フィルムを得、以下同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例6
実施例1にて得られた高耐熱性ポリイミド前駆体[HA1]溶液、実施例5にて得られた熱融着性多層ポリイミド前駆体[SA2]溶液、を用い、実施例2と同様に操作し、片面銅張り積層フィルムを得、以下同様に評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
(高耐熱性ポリイミド前駆体[HA3]溶液の重合)
ピロメリット酸無水物と4,4’ジアミノジフェニルエーテルの等モルをジメチルアセトアミドに溶解し、温度を20℃以下に保ちながら同様に反応させて高耐熱性ポリイミド前駆体[HA3]溶液を得た。得られた溶液のηsp/Cは2.0であった。以下、実施例1と同様に操作し、両面銅張り積層フィルムを得、評価した結果を表1に示す。
<比較例2>
(高耐熱性ポリイミド前駆体[HA4]溶液の重合)
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、パラフェニレンジアミン(PPD)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)を等モルでモノマー濃度が18質量%になるように加えた。添加終了後50℃を保ったまま3時間反応を続けた。得られた溶液のηsp/Cは1.8であった。以下、実施例1と同様に操作し、両面銅張り積層フィルムを得、評価した結果を表1に示す。
Figure 0004257587
Figure 0004257587
以上述べてきたように、本発明によれば電気特性、機械特性、金属箔との接着性および接着耐久性に優れた銅張り積層フィルムが得られ、またその金属材料は銅に限定されずフレキシブル金属箔積層体全般に適用することが出来る。特に銅張り積層体とした場合には高信頼性のフレキシブルプリント配線板、TABテープ、半導体実装用テープ基材などとして産業界に貢献すること大である。

Claims (3)

  1. 高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に熱圧着性の芳香族ポリイミド層が積層一体化された熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とが熱圧着されて積層されてなるフレキシブル金属箔積層体において、高耐熱性の芳香族ポリイミドが、5−アミノ−2−(p―アミノフェニル)ベンズオキサゾール、6−アミノ−2−(p―アミノフェニル)ベンズオキサゾール、5−アミノ−2−(m―アミノフェニル)ベンズオキサゾール、6−アミノ−2−(m―アミノフェニル)ベンズオキサゾールから選ばれる少なくとも一種のジアミン類と、ピロメリット酸ニ無水物、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、4,4’―オキシジフタル酸ニ無水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物、3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ニ無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸ニ無水物から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸ニ無水物とを反応させて得られるポリイミドであり、熱圧着性の芳香族ポリイミドが、1,3−ビス(3−アミノフェノキシベンゼン)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、および1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパンから選ばれる少なくとも一種のジアミン類と、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および4,4’−オキシジフタル酸二無水物から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物から得られるポリイミドであり、かつ高耐熱性の芳香族ポリイミド層の面方向の線膨張係数が1〜15ppm/℃であり、かつ金属箔の面方向の線膨張係数より小さいことを特徴とするフレキシブル金属箔積層体。
  2. 金属箔の面方向の線膨張係数と高耐熱性の芳香族ポリイミド層の面方向の線膨張係数が、下記式を満たすことを特徴とする請求項1 に記載のフレキシブル金属箔積層体。
    1.0 <(金属箔の線膨張係数)/(高耐熱ポリイミドの線膨張係数)< 2.0
  3. 金属箔が、電解銅箔、圧延銅箔、アルミニウム箔あるいはステンレス箔である請求項1
    に記載のフレキシブル金属箔積層体。
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