JP2001270036A - フレキシブル金属箔積層体 - Google Patents

フレキシブル金属箔積層体

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JP2001270036A
JP2001270036A JP2000088280A JP2000088280A JP2001270036A JP 2001270036 A JP2001270036 A JP 2001270036A JP 2000088280 A JP2000088280 A JP 2000088280A JP 2000088280 A JP2000088280 A JP 2000088280A JP 2001270036 A JP2001270036 A JP 2001270036A
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thermocompression
polyimide
bondable
flexible metal
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JP2000088280A
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Tomohiko Yamamoto
智彦 山本
Katsuzo Kato
勝三 加藤
Toshinori Hosoma
敏徳 細馬
Takashi Okuno
崇 奥野
Hideji Watakabe
秀治 渡壁
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来公知の基板用の金属箔積層体が有する前
記の表面粗さの小さい金属箔を使用すると接着強度が小
さいという問題点を解消した、オ−ルポリイミドの基板
材料として好適なフレキシブル金属箔積層体を提供す
る。 【解決手段】 Raが0.2μm以下程度の表面粗さの
小さい金属箔表面に予め熱圧着性ポリイミド塗膜を形成
した後、該塗膜形成金属箔と熱圧着性多層ポリイミドフ
ィルムとをダブルベルトプレス装置によって加圧下に熱
圧着−冷却して積層されたフレキシブル金属箔積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フレキシブル金
属箔積層体に関するものであり、さらに詳しくは表面粗
さの小さい金属箔を使用するにも関わらず大きな接着強
度を有し、製品外観が良好である基板材料として好適な
フレキシブル金属箔積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カメラ、パソコン、液晶ディスプレイな
どの電子機器類への用途として芳香族ポリイミドフィル
ムは広く使用されている。芳香族ポリイミドフィルムを
フレキシブルプリント板(FPC)やテ−プ・オ−トメ
イティッド・ボンディング(TAB)などの基板材料と
して使用するためには、エポキシ樹脂などの接着剤を用
いて銅箔を張り合わせる方法が採用されている。
【0003】芳香族ポリイミドフィルムは耐熱性、機械
的強度、電気的特性などが優れているが、接着剤の耐熱
性等が劣るため、本来のポリイミドの特性を損なうこと
が指摘されている。このような問題を解決するために、
接着剤を使用しないでポリイミドフィルムに銅を電気メ
ッキしたり、銅箔にポリアミック酸溶液を塗布し、乾
燥、イミド化したり、熱可塑性ポリイミドを熱圧着させ
たオ−ルポリイミド基材が開発されている。しかし、こ
れらの方法によって得られるオ−ルポリイミドの金属箔
積層体は、接着強度が小さいとか、接着強度は大きいが
広幅、長尺の製品を得ることが困難であり、塗工厚みが
厚い場合にイミド化に長時間を要し生産性が悪いという
問題点が指摘されている。
【0004】また、ポリイミドフィルムと金属箔との間
にポリイミド接着剤をサンドイッチ状に接合したポリイ
ミドラミネ−トが知られている(米国特許第45432
95号)。しかし、このポリイミドラミネ−トでは、低
熱線膨張のビフェニルテトラカルボン酸系ポリイミドフ
ィルムについては接着強度が小さく使用できないという
問題がある。
【0005】このため、ロ−ルラミネ−ト法においてラ
ミネ−トロ−ルの材質として特定の硬度を有する金属を
使用する方法や、熱圧着性のポリイミドとして特定の芳
香族ジアミンによって得られたものを使用する方法が提
案されている。しかし、このポリイミドラミネ−トおよ
びその製法は、表面粗さの小さい金属箔については剥離
強度(接着強度)が小さく使用が制限されるという問題
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来公知の基板用の金属箔積層体が有する前記の表面粗さ
の小さい金属箔を使用すると接着強度が小さいという問
題点を解消した、オ−ルポリイミドの基板材料として好
適なフレキシブル金属箔積層体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
Raが0.2μm以下程度の表面粗さの小さい金属箔表
面に予め熱圧着性ポリイミド塗膜を形成した後、該塗膜
形成金属箔と熱圧着性多層ポリイミドフィルムとをダブ
ルベルトプレスによって加圧下に熱圧着−冷却して積層
されたフレキシブル金属箔積層体に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の好ましい態様を
列記ずる。 1)表面粗さの小さい金属箔の反対側の面に同種または
異種の金属箔が積層された前記のフレキシブル金属箔積
層体。 2)熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、高耐熱性の芳
香族ポリイミド層の少なくとも片面、好ましくは両面に
熱圧着性の芳香族ポリイミド層を有するものである前記
のフレキシブル金属箔積層体。 3)表面粗さの小さい金属箔が、銅箔、ステンレス箔、
アルミニウム箔あるいは合金箔である前記のフレキシブ
ル金属箔積層体。 4)表面粗さの小さい金属箔が、厚み3μm〜40μm
の金属箔である前記のフレキシブル金属箔積層体。 5)熱圧着性多層ポリイミドフィルムが厚み7〜50μ
mである前記のフレキシブル金属箔積層体。 6)熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、共押出−流延
製膜成形法によって高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少
なくとも片面、好ましくは両面に熱圧着性の芳香族ポリ
イミド層を積層一体化して得られるものである前記のフ
レキシブル金属箔積層体。
【0009】この発明のフレキシブル金属箔積層体の構
成としては、例えば次の組み合わせが挙げられる。次の
記載でTPIは熱圧着性ポリイミド塗膜を示し、TPI
−Fは熱圧着性多層ポリイミドフィルムを示す。 表面粗さの小さい金属箔/TPI/TPI−F 表面粗さの小さい金属箔/TPI/TPI−F/金属
箔 表面粗さの小さい金属箔/TPI/TPI−F/TP
I/表面粗さの小さい金属箔
【0010】この発明においては、Raが0.2μm以
下程度の表面粗さの小さい金属箔表面に予め熱圧着性ポ
リイミド塗膜を形成しておくことが必要である。この熱
圧着性ポリイミド塗膜は厚みが5μm以下程度、特に
0.1〜5μm程度が好適である。
【0011】前記の表面粗さの小さい金属箔としては、
粗化処理を施していない金属箔が挙げられる。特にこの
発明においては前記の表面粗さの小さい金属箔として、
SUS(新日本製株式会社製、SUS304H)や、ア
ルミニウム箔(日本製箔株式会社製、A1085H)な
どの粗化処理を施していない金属箔を使用すると顕著な
効果が得られる。前記の粗化処理を施していないレベル
以上の表面状態の金属箔は、表面のRaが0.2μm程
度以下で、厚みが1〜100μm程度、特に3〜40μ
mであることが高密度化の要求される基板材料用として
好ましい。
【0012】前記の表面粗さの小さい金属箔に塗膜を形
成するための熱圧着性ポリイミドとしては、好適にはガ
ラス転移温度が200〜300℃の範囲にある非結晶性
ポリイミドが使用でき、好適には、3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPD
A)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(a−BPDA)、2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)エ−テル二無水物やこれら
の誘導体(酸、酸エステル、酸のハ−フエステル)など
の芳香族テトラカルボン酸成分と1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,3−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、2,
2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン
(BAPP)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ
フェニル)スルホン(BAPS)、ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ビフェニルなどの柔軟な結合[O、C(CH
32、SO2]を有する多環芳香族ジアミン成分とから
得ることができる。前記の芳香族テトラカルボン酸成分
および多環芳香族ジアミン成分の一部を他の芳香族テト
ラカルボン酸成分、例えばピロメリット酸二無水物や他
の芳香族ジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニ
ルエ−テルで置き換えてもよい。また、前記の非結晶性
ポリイミドの末端を無水フタル酸などで封止したもので
あってもよい。
【0013】前記の熱圧着性ポリイミド塗膜は、前記各
成分を有機溶媒中、約100℃以下、特に20〜60℃
の温度で反応させてポリアミック酸の溶液とし、このポ
リアミック酸の溶液あるいはポリアミック酸の溶液にさ
らに有機溶媒を加えてポリアミック酸濃度を1〜20重
量%程度に調節したものをド−プとして使用し、表面粗
さの小さい金属箔に前記のド−プ液の薄膜を形成し、5
0〜400℃で1〜30分間程度加熱乾燥して、その薄
膜から溶媒を蒸発させ除去すると共にポリアミック酸を
イミド環化することにより形成することができる。
【0014】この発明における熱圧着性多層ポリイミド
フィルムは、例えば高耐熱性の芳香族ポリイミドの前駆
体(ポリアミック酸ともいう)溶液乾燥膜の片面あるい
は両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液を積
層した後、あるいは好ましくは、共押出し−流延製膜法
によって高耐熱性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液の片
面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドの前駆体
溶液を積層した後、乾燥、イミド化して熱圧着性多層ポ
リイミドフィルムを得る方法によって得ることができ
る。
【0015】前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムに
おける高耐熱性の芳香族ポリイミドは、好適には3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
(以下単にs−BPDAと略記することもある。)とパ
ラ−フェニレンジアミン(以下単にPPDと略記するこ
ともある。)と場合によりさらに4,4’−ジアミノジ
フェニルエ−テル(以下単にDADEと略記することも
ある。)および/またはピロメリット酸二無水物(以下
単にPMDAと略記することもある。)とから製造され
る。この場合PPD/DADE(モル比)は100/0
〜85/15であることが好ましい。また、s−BPD
A/PMDAは100:0〜50/50であることが好
ましい。また、高耐熱性の芳香族ポリイミドは、ピロメ
リット酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび4,
4’−ジアミノジフェニルエ−テルとから製造される。
この場合DADE/PPD(モル比)は90/10〜1
0/90であることが好ましい。さらに、高耐熱性の芳
香族ポリイミドは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)およびピロメ
リット酸二無水物(PMDA)とパラフェニレンジアミ
ン(PPD)および4,4’−ジアミノジフェニルエ−
テル(DADE)とから製造される。この場合、酸二無
水物中BTDAが20〜90モル%、PMDAが10〜
80モル%、ジアミン中PPDが30〜90モル%、D
ADEが10〜70モル%であることが好ましい。前記
の高耐熱性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範囲
で、他の種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香
族ジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン等を使用してもよい。また、前記の芳香族テトラカル
ボン酸二無水物や芳香族ジアミンの芳香環にフッ素基、
水酸基、メチル基あるいはメトキシ基などの置換基を導
入してもよい。
【0016】前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドとして
は、単層のポリイミドフィルムの場合にガラス転移温度
が約350℃未満程度の温度では確認不可能であるもの
が好ましく、特に線膨張係数(50〜200℃)(M
D、TDおよびこれらの平均のいずれも)が5×10-6
〜25×10-6cm/cm/℃であるものが好ましい。
この高耐熱性の芳香族ポリイミドの合成は、最終的に各
成分の割合が前記範囲内であればランダム重合、ブロッ
ク重合、ブレンド、あるいはあらかじめ2種類以上のポ
リアミック酸溶液を合成しておき各ポリアミック酸溶液
を混合してポリアミック酸の再結合によって共重合体を
得る、いずれの方法によっても達成される。
【0017】この発明における熱圧着性多層ポリイミド
フィルムを構成する熱圧着性の芳香族ポリイミドとして
は、300〜400℃程度の温度で熱圧着できる熱可塑
性の芳香族ポリイミドであれば何でも良い。好適には
1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)(以
下、TPERと略記することもある。)と2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以
下、a−BPDAと略記することもある。)とから製造
される。また、前記の熱圧着性の芳香族ポリイミドとし
ては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2
−ジメチルプロパン(DANPG)と4,4’−オキシ
ジフタル酸二無水物(ODPA)とから製造される。あ
るいは、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODP
A)およびピロメリット酸二無水物と1,3−ビス(4
−アミノフェノキシベンゼン)とから製造される。ま
た、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物とから、あるいは3,3’−ジアミノベンゾフ
ェノンおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物とから製造される。
【0018】この熱圧着性の芳香族ポリイミドの物性を
損なわない範囲で他のテトラカルボン酸二無水物、例え
ば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、2,2−ビス(3、4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物などで置き換えられてもよい。ま
た、熱圧着性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範
囲で他のジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニ
ルエ−テル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−
アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフ
ェニル)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−ア
ミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4
−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−
ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,
2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕ヘキサフルオロプロパンなどの複数のベンゼン環
を有する柔軟な芳香族ジアミン、1,4−ジアミノブタ
ン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオク
タン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノ
ドデカンなどの脂肪族ジアミン、ビス(3−アミノプロ
ピル)テトラメチルジシロキサンなどのジアミノジシロ
キサンによって置き換えられてもよい。前記の熱圧着性
の芳香族ポリイミドのアミン末端を封止するためにジカ
ルボン酸類、例えば、フタル酸およびその置換体、ヘキ
サヒドロフタル酸およびその置換体、コハク酸およびそ
の置換体やそれらの誘導体など、特に、フタル酸を使用
してもよい。
【0019】前記の熱圧着性の芳香族ポリイミドは、前
記各成分と、さらに場合により他のテトラカルボン酸二
無水物および他のジアミンとを、有機溶媒中、約100
℃以下、特に20〜60℃の温度で反応させてポリアミ
ック酸の溶液とし、このポリアミック酸の溶液をド−プ
液として使用できる。この発明における熱圧着性のポリ
イミドを得るためには、前記の有機溶媒中、酸の全モル
数(テトラ酸二無水物とジカルボン酸の総モルとして)
の使用量がジアミン(モル数として)に対する比とし
て、好ましくは0.92〜1.1、特に0.98〜1.
1、そのなかでも特に0.99〜1.1であり、ジカル
ボン酸の使用量がテトラカルボン酸二無水物のモル量に
対する比として、好ましくは0.00〜0.1、特に
0.02〜0.06であるような割合が好ましい。
【0020】また、ポリアミック酸のゲル化を制限する
目的でリン系安定剤、例えば亜リン酸トリフェニル、リ
ン酸トリフェニル等をポリアミック酸重合時に固形分
(ポリマ−)濃度に対して0.01〜1%の範囲で添加
することができる。また、イミド化促進の目的で、ド−
プ液中に塩基性有機化合物系触媒を添加することができ
る。例えば、イミダゾ−ル、2−イミダゾ−ル、1,2
−ジメチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ルな
どをポリアミック酸(固形分)に対して0.01〜20
重量%、特に0.5〜10重量%の割合で使用すること
ができる。これらは比較的低温でポリイミドフィルムを
形成するため、イミド化が不十分となることを避けるた
めに使用する。また、接着強度の安定化の目的で、熱圧
着性の芳香族ポリイミド原料ド−プに有機アルミニウム
化合物、無機アルミニウム化合物または有機錫化合物を
添加してもよい。例えば水酸化アルミニウム、アルミニ
ウムトリアセチルアセトナ−トなどをポリアミック酸
(固形分)に対してアルミニウム金属として1ppm以
上、特に1〜1000ppmの割合で添加することがで
きる。
【0021】前記のポリアミック酸を得るために使用す
る有機溶媒は、高耐熱性の芳香族ポリイミドおよび熱圧
着性の芳香族ポリイミドのいずれに対しても、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、N−メチルカプロラクタム、クレゾ−ル類な
どが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0022】前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムの
製造においては、好適には共押出し−流延製膜法、例え
ば上記の高耐熱性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミ
ック酸溶液の片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリ
イミドを与えるポリアミック酸溶液を共押出して、これ
をステンレス鏡面、ベルト面等の支持体面上に流延塗布
し、100〜200℃で半硬化状態またはそれ以前の乾
燥状態とする方法が採用できる。200℃を越えた高い
温度で流延フィルムを処理すると、熱圧着性多層ポリイ
ミドフィルムの製造において、接着性の低下などの欠陥
を来す傾向にある。この半硬化状態またはそれ以前の状
態とは、加熱および/または化学イミド化によって自己
支持性の状態にあることを意味する。
【0023】前記高耐熱性の芳香族ポリイミドを与える
ポリアミック酸の溶液と熱圧着性の芳香族ポリイミドを
与えるポリアミック酸の溶液との共押出しは、例えば特
開平3−180343号公報(特公平7−102661
号公報)に記載の共押出法によって二層あるいは三層の
押出し成形用ダイスに供給し、支持体上にキャストして
おこなうことができる。前記の高耐熱性の芳香族ポリイ
ミドを与える押出し物層の片面あるいは両面に、熱圧着
性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸溶液を積
層して多層フィルム状物を形成して乾燥後、熱圧着性の
芳香族ポリイミドのガラス転移温度(Tg)以上で劣化
が生じる温度以下の温度、好適には300〜400℃の
温度(表面温度計で測定した表面温度)まで加熱して
(好適にはこの温度で1〜60分間加熱して)乾燥およ
びイミド化して、高耐熱性(基体層)の芳香族奥ポリイ
ミドの片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミド
を有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムを製造するこ
とができる。
【0024】この発明における熱圧着性多層ポリイミド
を構成する熱圧着性の芳香族ポリイミドは、前記の酸成
分とジアミン成分とを使用することによって、ガラス転
移温度が180〜275℃、特に200〜275℃であ
って、好適には前記の条件で乾燥・イミド化して熱圧着
性の芳香族ポリイミドのゲル化を実質的に起こさせない
ことによって得られる、ガラス転移温度以上で300℃
以下の範囲内の温度で液状化せず、かつ弾性率が、通常
275℃での弾性率が室温付近の温度(50℃)での弾
性率の0.0002〜0.2倍程度を保持しているもの
が好ましい。
【0025】この発明において、前記の熱圧着性多層ポ
リイミドを構成する高耐熱性の(基体層)ポリイミド層
の厚さは5〜120μm、特に5〜40μmであること
が好ましい。5μm未満では作成した熱圧着性多層ポリ
イミドフィルムの機械的強度、寸法安定性に問題が生じ
る。また120μmより厚くなると溶媒の除去、イミド
化に難点が生じる。また、この発明において、前記の熱
圧着性多層ポリイミドを構成する熱圧着性の芳香族ポリ
イミド層の厚みは各々0.5〜10μm、特に1〜8μ
m程度が好ましい。0.5μm未満では接着性能が低下
し、10μmを超えても使用可能であるがとくに効果は
なく、むしろフレキシブル金属箔積層体の耐熱性が低下
する。また、熱圧着性多層ポリイミドフィルムは厚みが
7〜50μm、特に7〜50μmであることが好まし
い。7μm未満では作成したフィルムの取り扱いが難し
く、125μmより厚くなると溶媒の除去、イミド化に
難点が生じる。
【0026】前記の共押出し−流延製膜法によれば、高
耐熱性の芳香族ポリイミド層とその片面あるいは両面の
熱圧着性の芳香族ポリイミドとを比較的低温度でキュア
して熱圧着性の芳香族ポリイミドの劣化を来すことな
く、自己支持性フィルムのイミド化、乾燥を完了させる
ことができ、良好な電気特性および接着強度を有する熱
圧着性多層ポリイミドフィルムを得ることができる。
【0027】この発明において場合により使用される他
の金属箔としては、銅、アルミニウム、鉄、金などの金
属箔あるいはこれら金属の合金箔など各種金属箔が挙げ
られるが、好適には圧延銅箔、電解銅箔などがあげられ
る。金属箔として、表面粗度の余り大きくなくかつ余り
小さくない、好適にはRzが7μm以下、特にRaが5
μm以下、特に0.5〜5μmであるものが好ましい。
このような金属箔、例えば銅箔はVLP、LP(または
HTE)として知られている。前記の他の金属箔の厚さ
は特に制限はないが、5〜35μm、特に5〜18μm
であることが好ましい。また、Raが小さい場合には、
金属箔表面を表面処理したものを使用してもよい。
【0028】この発明においては、前記の熱圧着性ポリ
イミドフィルム塗膜を形成した表面粗さの小さい金属箔
と熱圧着性多層ポリイミドフィルムと場合によりさらに
熱圧着性ポリイミドフィルム塗膜を形成した同種の金属
箔あるいは異種の金属箔とをダブルベルトプレスに導入
し、好適には導入する直前のインラインで150〜25
0℃程度に予熱して、加圧下に高温加熱−冷却して積層
一体化して、積層体を得る。
【0029】また、ダブルベルトプレスの加熱圧着ゾ−
ンの温度が熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温
度より20℃以上高く400℃以下の温度、特にガラス
転移温度より30℃以上高く400℃以下の温度で加圧
下に熱圧着し、引き続いて冷却ゾ−ンで加圧下に冷却し
て、好適には熱圧着性ポリイミドのガラス転移温度より
20℃以上低い温度、特に30℃以上低い温度まで冷却
して、積層体を得ることが好ましい。前記の方法におい
て、製品が片面金属箔のフレキシブル金属箔積層体であ
る場合には、剥離容易な高耐熱性フィルム、例えばRz
が2μm未満の高耐熱性フィルムまたは金属箔、好適に
はポリイミドフィルム(宇部興産社製、ユ−ピレックス
S)やフッ素樹脂フィルムなどの高耐熱性樹脂フィルム
や圧延銅箔などであって表面粗さが小さく表面平滑性の
良好な金属箔を保護材として、熱圧着性ポリイミド層と
他の金属面との間に介在させてもよい。この保護材は積
層後、積層体から除いて巻き取っても良く、保護材を積
層したままで巻き取って使用時に取り除いてもよい。
【0030】特に、この発明においてダブルベルトプレ
スを用いて加圧下に熱圧着−冷却して積層することによ
って、長尺で幅が約400mm以上、特に約500mm
以上の幅広の、接着強度が大きく(90°ピ−ル強度:
0.7kg/cm以上、特に1kg/cm以上)、金属
箔表面に皺が実質的に認めれられない程外観が良好なフ
レキシブル金属箔積層体を得ることができる。
【0031】この発明のフレキシブル金属箔積層体は、
そのままあるいはロ−ル巻き、エッチング、および場合
によりカ−ル戻し等の各処理を行った後、必要ならば所
定の大きさに切断して、電子部品用基板として使用でき
る。例えば、FPC、TAB、多層FPC、フレックス
リジッド基板の基板として好適に使用することができ
る。特に、金属箔の厚みが5〜12μmで熱圧着性多層
ポリイミドフィルム層の厚みが7〜15μmである片面
銅箔積層体(全体厚みが15〜27μm)あるいは両面
銅箔積層体(全体厚みが25〜40μm)から、エポキ
シ系接着剤あるいは熱可塑性ポリイミドや熱可塑性ポリ
アミドイミドあるいはポリイミドシロキサン−エポキシ
系などの耐熱性ポリイミド系接着剤から選ばれる耐熱性
接着剤(厚み5〜50μm、好ましくは5〜15μm、
特に7〜12μm)で複数の銅箔積層体を接着すること
によって銅箔積層体が2〜10層で、高耐熱性・低吸水
・低誘電率・高電気特性を満足する多層基板を好適に得
ることができる。この発明のフレキシブル金属箔積層体
には、長尺状のものだけでなく前記のように長尺状のも
のを所定の大きさに切断したものも含まれる。
【0032】この発明のフレキシブル金属箔積層体に
は、それ自体公知のエッチング工程および加熱工程の逐
次処理を加えて、回路基板として使用される。前記のエ
ッチング工程としては、例えばフレキシブル金属箔積層
体の銅箔などの金属箔を常温で塩化第二鉄水溶液などの
エッチング処理液によってエッチング処理する方法が挙
げられる。また、前記の加熱工程としては、例えばフレ
キシブル金属箔積層体を280℃の半田浴に10秒間程
度浸漬する半田処理や、他のフレキシブル金属箔積層体
と耐熱性接着剤によって積層して多層基板とする加熱圧
着が挙げられる。
【0033】
【実施例】以下、この発明を実施例によりさらに詳細に
説明する。以下の各例において、物性評価は以下の方法
に従って行った。 熱線膨張係数:50−200℃、5℃/分で測定(T
D、MDの平均値)、cm/cm/℃ ガラス転移温度(Tg):粘弾性より測定。 接着強度:90°剥離強度を測定した。特記しない限り
表面粗さの小さい金属箔面での接着強度を示す。 製品外観:積層後の製品外観について、発泡による膨れ
の有無を目視判定して評価。 ○は発泡無しで良好、△は一部に発泡有り、×全面に発
泡が発生
【0034】高耐熱性の芳香族ポリイミド製造用ド−プ
の合成例1 攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−
2−ピロリドンを加え、さらに、パラフェニレンジアミ
ンと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物とを1000:998のモル比?でモノマ−濃
度が18%(重量%、以下同じ)になるように加えた。
添加終了後50℃を保ったまま3時間反応を続けた。得
られたポリアミック酸溶液は褐色粘調液体であり、25
℃における溶液粘度は約1500ポイズであった。この
溶液をド−プとして使用した。
【0035】熱圧着性の芳香族ポリイミド製造用ド−プ
の合成−1 攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−
2−ピロリドンを加え、さらに、1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼンと2,3,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物とを1000:100
0?のモル比でモノマ−濃度が22%になるように、ま
たトリフェニルホスフェ−トをモノマ−重量に対して
0.1%加えた。添加終了後25℃を保ったまま1時間
反応を続けた。このポリアミック酸溶液は、25℃にお
ける溶液粘度が約2000ポイズであった。この溶液を
ド−プとして使用した。
【0036】参考例1〜3 上記の高耐熱性の芳香族ポリイミド用ド−プと熱圧着性
の芳香族ポリイミド製造用ド−プとを三層押出し成形用
ダイス(マルチマニホ−ルド型ダイス)を設けた製膜装
置を使用し、ダイスの厚みを変え、金属製支持体上に流
延し、140℃の熱風で連続的に乾燥し、固化フィルム
を形成した。この固化フィルムを支持体から剥離した後
加熱炉で200℃から320℃まで徐々に昇温して溶媒
の除去、イミド化を行って、次の三種類の熱圧着性三層
押出しポリイミドフィルムを巻き取りロ−ルに巻き取っ
た。これら熱圧着性三層押出しポリイミドフィルムは、
次のような物性を示した。
【0037】1)熱圧着性多層ポリイミドフィルム−1 厚み構成:4μm/10μm/4μm(合計18μm) 熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:250℃ 熱線膨張係数(50〜200℃):25×10-6×cm
/cm/℃ 体積抵抗:1×1015Ω・cm 2)熱圧着性多層ポリイミドフィルム−2 厚み構成:3μm/9μm/3μm(合計15μm) 熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:250℃ 熱線膨張係数(50〜200℃):22×10-6×cm
/cm/℃ 体積抵抗:1×1015Ω・cm 3)熱圧着性多層ポリイミドフィルム−3 厚み構成:2μm/8μm/2μm(合計12μm) 熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:250℃ 熱線膨張係数(50〜200℃):18×10-6×cm
/cm/℃ 体積抵抗:1×1015Ω・cm
【0038】比較例1 Ra:0.05μmの表面粗さを有する厚み25μmの
SUS(新日本製鉄社製、SUS304H、以下単にS
USと略記する。)と、熱圧着性三層押出しポリイミド
フィルム−1と、厚さ18μmの電解銅箔(三井金属鉱
業社製、3EC−VLP、Rz:3.8μm、以下単に
圧延銅箔と略記する。)とを、ダブルベルトプレスに連
続的に供給し、予熱後、加熱ゾ−ンの温度(最高加熱温
度)380℃(設定)、冷却ゾ−ンの温度(最低冷却温
度)117℃)で、連続的に加圧下に熱圧着−冷却して
積層し、フレキシブル金属箔積層体(幅:約530m
m、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフ
レキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に示
す。 製品外観:○ 接着強度:0.2kgf/cm以下 総合評価:×
【0039】実施例1 2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパ
ン(BAPP)32.84g(0.08モル)、N,N
−ジメチルアセトアミド224.8gを室温で、窒素雰
囲気下反応容器中で攪拌、溶解した。これにs−BPD
A23.31g(0.079モル)を徐々に加え、40
℃で3時間攪拌した。その後、室温で3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二水和物(s−BP
TA)2.12g(0.0058モル)を加え溶解し
た。得られたポリアミック酸溶液を10g取り、DMA
c30gで希釈し5%溶液とした。このワニス(芳香族
テトラカルボン酸成分/芳香族ジアミンが1.06)を
ド−プとしてSUSの表面粗さの小さい面に塗布し、1
00℃×20秒、150℃×20秒、250℃×20秒
加熱して厚み0.5μmの熱圧着性ポリイミド塗膜を形
成した。このポリイミドは、非結晶でガラス転移温度
(Tg)が245℃であった。得られた熱圧着性ポリイ
ミドを形成したSUS、熱圧着性三層押出しポリイミド
フィルム−1、および厚さ18μmの電解銅箔を、ダブ
ルベルトプレスに連続的に供給した他は比較例1と同様
にしてフレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、
以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキ
シブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。 製品外観:○ 接着強度:1.4kgf/cm 総合評価:○
【0040】実施例2 塗膜形成用の熱圧着性ポリイミドとして、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼンと2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを100
0:1000のモル比でモノマ−濃度が22%になるよ
うに加えて反応させたこのポリアミック酸溶液を希釈し
て5%濃度のド−プとした他は実施例1と同様にして、
SUSの表面粗さの小さい面に1.5μmの熱圧着性ポ
リイミド塗膜を形成した。このポリイミドは、非結晶で
ガラス転移温度(Tg)が250℃であった。得られた
熱圧着性ポリイミド塗膜を形成したSUS、熱圧着性三
層押出しポリイミドフィルム−2、および厚さ18μm
の電解銅箔を、ダブルベルトプレスに連続的に供給した
他は実施例1と同様にしてフレキシブル金属箔積層体
(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を
得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての評
価結果を次に示す。 製品外観:○ 接着強度:1.4kgf/cm 総合評価:○
【0041】実施例3 塗膜形成用の熱圧着性ポリイミドとして、2,2−ビス
(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAP
P)とs−BPDAとから得られたポリアミック酸溶液
をド−プとして塗膜厚みを1.5μmとした他は実施例
1と同様にして、SUSに熱圧着性ポリイミド塗膜を形
成した。この熱圧着性ポリイミド塗膜を形成したSUS
を使用した他は実施例1と同様にしてフレキシブル金属
箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル
巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体につ
いての評価結果を次に示す。 製品外観:○ 接着強度:1.5kgf/cm 総合評価:○
【0042】実施例4 塗膜形成用の熱圧着性ポリイミドとして、2,2−ビス
(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAP
P)とs−BPDAとから得られたポリアミック酸溶液
をド−プとして塗膜厚みを5.0μmとした熱圧着性ポ
リイミド塗膜を形成したSUSと、熱圧着性三層押出し
ポリイミドフィルム−3を使用した他は実施例1と同様
にしてフレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、
以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキ
シブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。 製品外観:○ 接着強度:1.4kgf/cm 総合評価:○
【0043】比較例2 1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンと2,
3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
とを1000:1000のモル比でモノマ−濃度が
%になるように加えて反応させたポリアミック酸溶液を
ド−プとし、SUSに18μmの熱圧着性ポリイミド塗
膜を形成した。このポリイミドは、非結晶でガラス転移
温度(Tg)が250℃であった。この熱圧着性ポリイ
ミド層を形成したSUSと厚さ18μmの電解銅箔のみ
を、ダブルベルトプレスに連続的に供給した他は実施例
1と同様にしてフレキシブル金属箔積層体(幅:約53
0mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られ
たフレキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に
示す。 製品外観:× 接着強度:1.5kgf/cm 総合評価:×
【0044】比較例3 2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパ
ン(BAPP)とs−BPDAとから得られたポリアミ
ック酸溶液をド−プとして、SUSに18μmの熱圧着
性ポリイミド塗膜を形成した。このポリイミドは、非結
晶でガラス転移温度(Tg)が245℃であった。この
熱圧着性ポリイミド層を形成したSUSと厚さ18μm
の電解銅箔のみをダブルベルトプレスに連続的に供給し
た他は実施例1と同様にして、フレキシブル金属箔積層
体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物
を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての
評価結果を次に示す。 製品外観:× 接着強度:1.3kgf/cm 総合評価:×
【0045】比較例4 Ra:0.03μmの表面粗さを有する厚み18μmの
圧延銅箔(ジャパンエナジ−社製)と、熱圧着性三層押
出しポリイミドフィルム−2と、厚さ18μmの電解銅
箔とを使用した他は実施例1と同様にして、フレキシブ
ル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)である
ロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層
体についての評価結果を次に示す。 製品外観:○ 接着強度:0.2kgf/cm以下 総合評価:×
【0046】実施例5 2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパ
ン(BAPP)とs−BPDAとから得られたポリアミ
ック酸溶液をド−プとして、Ra:0.03μmの表面
粗さを有する厚み18μmの圧延銅箔に厚み1.5μm
の熱圧着性ポリイミド塗膜を形成した。このポリイミド
は非結晶でガラス転移温度(Tg)が245℃であっ
た。この熱圧着性ポリイミド塗膜を形成した表面粗さの
小さい圧延銅箔と、熱圧着性三層押出しポリイミドフィ
ルム−2を使用した他は実施例1と同様にしてフレキシ
ブル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であ
るロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積
層体についての評価結果を次に示す。 製品外観:○ 接着強度:1.0kgf/cm 総合評価:○
【0047】
【発明の効果】この発明によれば、以上のような構成を
有しているため、次のような効果を奏する。
【0048】この発明によれば、広幅で長尺で、表面粗
さの小さい金属箔を使用するにも関わらず大きな接着強
度を有し、製品外観が良好である基板材料として好適な
フレキシブル金属箔積層体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 崇 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部ケミカル工場内 (72)発明者 渡壁 秀治 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部ケミカル工場内 Fターム(参考) 4F100 AB01B AB01D AB04B AB10B AB17B AB33B AB33D AK49C BA02 BA03 BA04 BA07 BA10B BA10C BA10D BA13 EA02 EJ18 EJ50 GB43 JA20A JA20B JJ03C JK06 JK15A JL12A YY00A YY00B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Raが0.2μm以下程度の表面粗さの
    小さい金属箔表面に予め熱圧着性ポリイミド塗膜を形成
    した後、該塗膜形成金属箔と熱圧着性多層ポリイミドフ
    ィルムとをダブルベルトプレスによって加圧下に熱圧着
    −冷却して積層されたフレキシブル金属箔積層体。
  2. 【請求項2】 表面粗さの小さい金属箔の反対側の面に
    同種または異種の金属箔が積層された請求項1に記載の
    フレキシブル金属箔積層体。
  3. 【請求項3】 熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、高
    耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面、好まし
    くは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミド層を有するもの
    である請求項1に記載のフレキシブル金属箔積層体。
  4. 【請求項4】 表面粗さの小さい金属箔が、銅箔、ステ
    ンレス箔、アルミニウム箔あるいは合金箔である請求項
    1〜3のいずれかに記載のフレキシブル金属箔積層体。
  5. 【請求項5】 表面粗さの小さい金属箔が、厚み3μm
    〜40μmの金属箔である請求項1〜4のいずれかに記
    載のフレキシブル金属箔積層体。
  6. 【請求項6】 熱圧着性多層ポリイミドフィルムが厚み
    7〜50μmである請求項1〜5のいずれかに記載のフ
    レキシブル金属箔積層体。
  7. 【請求項7】 熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、共
    押出−流延製膜成形法によって高耐熱性の芳香族ポリイ
    ミド層の少なくとも片面、好ましくは両面に熱圧着性の
    芳香族ポリイミド層を積層一体化して得られるものであ
    る請求項1〜6のいずいずれかに記載のフレキシブル金
    属箔積層体。
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