JP4357724B2 - ポリイミド塗布金属板の加工品及び二次加工品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミド塗布積層体の加工品および該加工品と他の基材または部品との接合による二次加工品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基材上にポリイミド等の耐熱樹脂を形成させた、耐熱樹脂塗布積層体は、電磁波シールド材料、耐熱絶縁板、放熱板、包装材料等に使用される。従来の耐熱樹脂塗布積層板は、一般にポリイミド等の耐熱樹脂と基材の接着性に問題があるため、通常は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の接着剤を用いて、耐熱樹脂に基材を張り合わせることにより製造されていた。
【0003】
しかし、これらの場合、耐熱樹脂に比べ接着剤の耐熱温度が劣るため使用温度が制限されていた。また、この接着材の加工性能のために、打ち抜き加工、切断加工、孔開け加工、切り込み加工、エッチング加工、めっき加工、研磨加工、曲げ加工および絞り加工が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、打ち抜き加工、切断加工、孔開け加工、切り込み加工、エッチング加工、研磨加工、めっき加工、曲げ加工および絞り加工が容易な、耐熱性ポリイミド塗布積層体の加工品および該加工品と他の基材または部品とを接合した複合剤すなわち二次加工品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の脂環式ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を重縮合させて得られる熱可塑ポリイミドを金属板に直接塗布すればよいことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち本発明は、▲1▼基材上に、下記式(1)
【0007】
【化3】
【0008】
(式中、アミノメチル基はノルボルナンの2位と5位あるいは2位と6位に結合している)で示される脂環式ジアミンの少なくとも一つの成分と下記式(2)
【0009】
【化4】
【0010】
(式中、Wは四価の有機基を表す)で示されるテトラカルボン酸二無水物とを重縮合させて得られるポリイミドを塗布してなるポリイミド塗布積層体の、ポリイミドまたは/および基材に、打ち抜き加工、切断加工、孔開け加工、切り込み加工、エッチング加工、研磨加工、めっき加工、曲げ加工および絞り加工からなる群から選ばれた少なくとも一つの加工を施すことを特徴とするポリイミド積層体の加工品であり、
また、▲2▼基材が、金属箔、金属板、または金属面をもつ複合体であることを特徴とする▲1▼記載の加工品であり、
また、▲3▼基材が、シリコンウエハー、セラミック板、ガラスなどの無機基材または無機基材面をもつ複合体であることを特徴とする▲1▼記載の加工品であり、
また、▲4▼基材が、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホンなどの耐熱樹脂板、耐熱樹脂フィルムまたは耐熱樹脂面をもつ成型体であることを特徴とする▲1▼記載の加工品であり、
また、▲5▼、▲1▼〜▲4▼記載のポリイミド塗布積層体の加工品に接着剤を介して他基材または部品を接合させた二次加工品であり、
また、▲6▼、▲1▼〜▲4▼記載のポリイミド塗布積層体の加工品に半田または導電性ペーストを介して他基材または部品を接合させた二次加工品であり、
また、▲7▼、▲1▼〜▲4▼記載のポリイミド塗布積層体の加工品と他基材または部品を物理的な接触を保持する方法で接合させた二次加工品である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属板の加工品および二次加工品の製造方法について詳細に説明する。
【0012】
本発明に係わる熱可塑ポリイミドは、ジアミンとして下記式(1)
【0013】
【化5】
【0014】
(式中、アミノメチル基はノルボルナンの2位と5位あるいは2位と6位に結合している)で示される脂環式ジアミンの混合物あるいは純品の少なくとも一つの成分と、下記式(2)
【0015】
【化6】
【0016】
(式中、Wは四価の有機基を表す)で示されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つの成分を用いて得られる重縮合ポリマーである。
【0017】
本発明の熱可塑ポリイミドは、上記のジアミンとテトラカルボン酸二無水物を主たる成分とする重縮合ポリマーであるが、ジアミンの一部を50%を越えない範囲で他のジアミンに代替することも出来る。ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の反応モル比は、通常0.75〜1.25であり、好ましくは0.8〜1.2である。
【0018】
上記したジアミンの一部を代替することができるアミン化合物として、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を併用してもよい。
【0019】
上記した式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の式中Wの4価の有機基としては、炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基である。具体的なテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,4−ジフルオロピロメリット酸、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、2,2'−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン〕―1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を併用して使用してもよい。
【0020】
本発明の熱可塑性ポリイミド層に係わる熱可塑ポリイミドのポリマー末端を封止する目的として、ジカルボン酸無水物を添加してもよい。ジカルボン酸無水物としては、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物が挙げられる。これらのジカルボン酸無水物はアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されていてもよい。ジカルボン酸無水物の添加量は、通常、主原料であるジアミンとテトラカルボン酸二無水物の合計モル量100モルに対して0.001〜0.5モル、好ましくは0.005〜0.25モルである。
【0021】
同様にポリイミドのポリマー末端を封止する目的でモノアミンを添加してもよい。使用されるモノアミンとしては、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアリニン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノベンズアルデヒド、m−アミノベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエーテル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。これらモノアミンは単独でまたは2種以上を併用して使用してもよい。モノアミンの添加量は、通常、主原料であるジアミンとテトラカルボン酸二無水物の合計モル量100モルに対して0.001〜0.5モル、好ましくは0.005〜0.25モルである。また前記のジカルボン酸無水物とモノアミンを併用してもよい。
【0022】
熱可塑ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の合成は、通常、有機溶媒中で実施する。この反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素、N−メチルカプロラクタム、ブチロラクタム、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、トリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル、テトラ(エチレングリコール)ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、クレゾール酸、p−クロロフェノール、フェノール、アニソール等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独でまたは2種以上を併用して使用してもよい。
【0023】
本発明のポリイミドは、ポリイミド溶液、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液またはポリイミドとポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の混合溶液(以下、これらを総称してポリイミドワニスと呼ぶ。)を金属板に流延塗布し、ついで溶剤除去、イミド化反応完結および不純物の揮発除去を行なうために、加熱乾燥する。その他、前記ポリイミドワニスから単離したポリイミド粉を粉体塗布する方法、ポリイミド粉を粒化した後、該ポリイミド粒を加熱溶融して流延塗布する方法がある。
【0024】
本発明のポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を製造する方法には特に限定はなく、前記の有機溶媒中で、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物成分を、反応温度を均一に保ちながら重合させればよい。さらに必要に応じて、前記ジカルボン酸無水物またはモノアミンを添加し反応させることができる。
【0025】
本発明に係わるポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を製造する際の反応温度は0〜100℃、好ましくは0〜70℃である。反応圧力は特に限定されず、常圧で充分である。反応時間は使用するテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル比、溶剤の種類および反応温度等により異なり、ポリアミド酸の生成が完了するのに充分な時間反応させる。反応時間は3〜24時間、好ましくは4〜12時間である。
【0026】
また、前記重縮合反応で得られたポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を、100〜300℃で、0.5〜24時間加熱することによってイミド化させるか、または、ピリジン、γ−ピコリン、イミダゾール、トルエチルアミン等の第3級アミン類を触媒としてイミド化させるかして、ポリイミドを含有する反応混合物を得る。この場合の反応条件は無水酢酸などのイミド化剤を使用して、室温〜200℃、好ましくは室温〜100℃の温度で、0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間の反応させる。これを熱可塑ポリイミドワニスとして用いてもよい。さらにこの反応混合物を熱可塑ポリイミドの貧溶媒に排出するか、貧溶媒を反応系内に添加するかのいずれかの方法により析出させるか、または、この反応系混合物、すなわち含有する熱可塑ポリイミド以外の反応系内に混在する溶媒、触媒等を加熱および減圧により除去するかのいずれかの方法により熱可塑ポリイミドを単離した後、この熱可塑ポリイミド粉を溶媒に溶解させ熱可塑ポリイミドワニスを調節し、実質的にこの熱可塑ポリイミドワニスを熱可塑性ポリイミドとして使用してもよい。ここで用いられる溶媒としては先に重合溶液として挙げた溶媒が例として挙げられる。
【0027】
本発明において貧溶媒とは本発明に係るポリイミドの溶解度が20%以下のものであり、貧溶媒として具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素、N−メチルカプラクタム、ブチロラクタム、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、トリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル、テトラ(エチレングリコール)ジメチルエーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス2−(2−メトシエトキシ)エチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、クレゾール酸、p−クロロフェノール、フェノール、アニソール等が挙げられる。 これらの有機溶媒は単独でまたは2種以上を併用して用いてもよい。
【0028】
なお、前記の熱可塑ポリイミドは、反応系より単離した後に、不純物等の除去のため、メタノールやエタノールなどのアルコールで洗浄し、使用したアルコールを除去できる温度下で乾燥を行った方がよい。さらに、本発明の熱可塑ポリイミド塗布金属板を作る他の方法として、前記の反応系から単離した熱可塑ポリイミド粉を粉体塗布する方法、または熱可塑ポリイミド粉を粒化した後、該熱可塑ポリイミド粒を溶融温度(以下、Tmと称する)から熱分解を起こさない温度で、好ましくはTm〜400℃の温度範囲で加熱溶融して流延塗布する方法がある。
【0029】
前記のポリイミドワニスの加熱乾燥の温度と時間は、ポリイミドの種類と残存溶媒量および塗布厚さによって異なる。溶媒の沸点〜500℃、好ましくは溶剤沸点より15℃高い温度〜420℃であり、できるだけ短時間の加熱が好ましい。塗布厚さが25μmの場合は、0.1秒〜6時間、好ましくは2秒〜1時間、さらに好ましくは5秒〜30分である。基材、特に金属基材の場合、酸化防止のため、好ましくは窒素ガス、アルゴンガスのような不活性ガス中で加熱乾燥させる。
【0030】
本発明のポリイミドワニスまたはポリイミド粉の溶融物には、基材との接着力を高くするためにカップリング剤を添加したり、表面平滑性を高めるために界面活性剤を添加したり、その他ポリイミドの特性を変化させるための添加剤やフィラーを添加してもよい。このようにして得られた熱可塑ポリイミドは、ガラス転移点を160〜320℃の範囲で制御することができる。
【0031】
金属板に本発明のポリイミドワニスまたはポリイミド粉溶融物を流延塗布する方法に制限はなく、従来公知のコンマコーター、ダイコーター、ロールコーター、ナイフコーター、リバースコーター、グラビアコーター、ブレードコーター、スピンコーター等の塗布装置を使用して塗布するか、充分な時間と温度をかけて加熱乾燥し硬化させればよい。吹き付け塗装などの装置を使用して非平面にもポリイミド層を形成できる。
【0032】
本発明の基材に特に制限はないが、金属基材の場合、通常は銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼、ベリリウム銅合金、ニッケル銅合金、モリブデン合金、磁性合金等が使用されることが多い。特に、電気導体回路を形成するための金属基材としては、銅板または銅箔が多く用いられる。樹脂基材としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホンなどの耐熱樹脂が好ましいが、該積層体加工時や加工品の使用環境が許すなら非耐熱樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂やアクリル樹脂でも構わない。その他、シリコンウエハー、ガラス、酸化アルミなどのセラミックスでも良い。更に、これらの基材面があるなら異種基材からなる複合材であっても良い。
【0033】
また、基材の形態は、板、フィルム、箔など特に制限は無い。加工生産性を考えれば、箔、テ−プまたはフィルムなど連続加工が可能な形状が望ましい。しかし、ポリイミド層が形成できるのであるならば、非平滑面からなる3次元成型物でも良い。
【0034】
また、ポリイミドと基材板との接着力を高めるために基材上に金属単体やその酸化物や合金、例えば基材が銅箔の場合には、銅単体や酸化銅やニッケル銅合金や亜鉛銅合金等の無機物を形成させてもよく、また、無機物以外にもアミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン等のカップリング剤を金属板上に形成させてもよい。さらに、金属板表面に、サンドブラスト処理、ホーニング処理、コロナ処理、プラズマ処理、エッチング処理等の処理を施してもよい。
【0035】
本発明に係わる基材およびポリイミドのうち少なくとも一つに、打ち抜き加工、切断加工、切り込み加工、エッチング加工、研磨加工、めっき加工、曲げ加工および絞り加工のうち少なくとも一つを施す場合に特に制限はなく、それぞれ公知の方法、装置、条件にて加工すればよい。必要に応じてこれらの加工を複数回行なってもよい。
【0036】
本発明のポリイミド塗布基材に他の基材または/および部品を接合して二次加工品が得られる。被着物の例として、金属、シリコン基板、碍子等のセラミックス、ガラス、そしてポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、テフロン等の耐熱樹脂等さらに回路部品、導体線、絶縁物、光ファイバー、各種センサー、発光体、徐熱体および発熱体などが例示される。
【0037】
接合に介して、ねじ、バネ、絞り、かしめなど物理的な接合維持や各種接着剤による接合、半田や導電性ペーストに代表される導電性の接合が可能である。
【0038】
また、この被接合基材は、打ち抜き加工、切断加工、切り込み加工、エッチング加工、研磨加工、めっき加工、曲げ加工、圧延加工および絞り加工のうち少なくとも一つが施されているものまたは、前記の金属単体やその酸化物や合金等の無機物層やカップリング剤層を形成させているものまたは、金属板表面に、サンドブラスト処理、ホーニング処理、コロナ処理、プラズマ処理等の処理を施しているものを用いても良い。
【0039】
【実施例】
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれによって何ら制限されるものではない。
【0040】
合成例1
攪拌機、窒素導入管、および温度計を備えたフラスコに、2,5−(2,6−)ジアミノメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下NBDAと表記する)154.25g(1モル)とN,N−ジメチルアセトアミド2500gを装入し、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら溶解した。これに、4,4'−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物(以下ODPAと表記する)307.11g(0.99モル)を、4分割して加え、室温で10時間攪拌した。その後、無水フタル酸11.84g(0.08モル)を加え、室温で3時間攪拌した。かくして得られたポリアミド酸は、対数粘度0.50dl/g(23℃、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中0.5%濃度での対数粘度測定値、E型粘度計使用、以下、この値を対数粘度と表記する)であった。上記のポリアミド酸溶媒に無水酢酸408g(4モル)とトリエチルアミン150gを滴下し室温で10時間攪拌した。得られた反応混合物を10000gのメタノール中に強力に攪拌しながら排出し、析出物を濾別分取した。得られた粉末状析出物をさらにメタノールで洗浄後、180℃で12時間乾燥して、ポリイミド粉401.29gを得た。ここで得られたポリイミド粉は、ガラス転移点温度が204℃(DSCによる測定)であった。
【0041】
合成例2
合成例1で得られたポリイミド粉200gをN−メチル−2−ピロリドン800g(濃度20重量%)に溶解させ熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0042】
合成例3
NBDA154.25g(1.00モル)をN,N−ジメチルアセトアミド1839gに、室温窒素雰囲気下で攪拌しながら溶解した。これに、ODPA80.65g(0.26モル)と3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下BTDAと表記する)225.56g(0.70モル)を、温度上昇に注意しながら、それぞれ4分割して加え、室温で10時間攪拌した。その後、無水フタル酸11.85g(0.08モル)を加え、室温でさらに3時間攪拌した。かくして得られたポリアミド酸は、対数粘度0.42dl/gであった。ついで溶液を加熱してN,N−ジメチルアセトアミドの還流温度で6時間処理し、さらに、6時間かけて1000gのN,N−ジメチルアセトアミドを除去し、熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0043】
合成例4
合成例1のODPA(0.97モル)を3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下BPDAと表記する)282.45g(0.96モル)に変更してポリイミド粉を得、合成例2と同様の条件で熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0044】
合成例5
合成例3のODPA(0.26モル)をピロメリット酸二無水物(以下PMDAと表記する)54.53g(0.25モル)に変更して、合成例3と同様の条件で熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0045】
合成例6
NBDA154.25g(1.00モル)とN−メチル−2−ピロリドン2400gを、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら溶解した。これに、ODPA305.56g(0.985モル)を、4分割して加え、室温で12時間攪拌して、熱可塑ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸からなる熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0046】
合成例7
合成例2と合成例6の熱可塑ポリイミドワニスを、それぞれ200gずつを3時間かけて混合して、熱可塑ポリイミドと熱可塑ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸からなる熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0047】
合成例8
NBDA154.25g(1.00モル)とN,N−ジメチルアセトアミド2500gを、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら溶解した。これに、BPDA279.51g(0.95モル)を、4分割して加え、室温で20時間攪拌した。その後、無水フタル酸11.85g(0.04モル)を加え、室温で3時間攪拌し、熱可塑ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸からなる熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0048】
合成例9
合成例6のNBDA(1.00モル)を、NBDA138.83g(0.90モル)とp−フェニレンジアミン10.81g(0.10モル)に変更した以外は同様に操作して熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0049】
合成例10
合成例3のNBDA(1.00モル)を、NBDA138.83g(0.90モル)と4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)21.04g(0.10モル)に変更した以外は同様に操作して熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0050】
実施例1
図1は、本発明に係わるポリイミド塗布積層体の断面図である。基材として重量換算厚さ25μmの電解銅箔(古河電工社製 商品名:GT−MP)の片面に、ナイフコーターを用いて、合成例2のポリイミドワニスを均一に直接流延塗布し、最高温度250℃の窒素雰囲気下の乾燥炉にて、滞留時間約25分にて溶媒除去し、図1のように、熱可塑ポリイミド11、金属板12、からなるポリイミド塗布金属板13を得た。この熱可塑ポリイミド11の厚さは25μmであった。
【0051】
図2は、ポリイミド塗布金属板13の加工を示す断面図である。銅のエッチング剤として過塩化鉄液(東亜合成化学社製 商品型番40度Be’)を用いた金属板エッチング加工21、ポリイミドのエッチング剤として80%ヒドラジン/水酸化ナトリウム/メタノール=5:1:4(重量比)の混合液を用いたポリイミドエッチング加工22、孔開け加工23、めっき加工24、切り込み加工25、折り曲げ加工26、絞り加工27、研磨加工28を施し、被着物15として液晶表示用ガラス基板(コーニング社製)の加熱圧着加工31を施した。
【0052】
実施例2
ロールコーターを用いて、市販の圧延銅箔(ジャパン・エナジー社製 商品名:BHY−02B−T)で重量換算厚さ35μmのものに、合成例3のポリイミドワニスを均一に連続的に直接流延塗布し、加熱して溶媒除去し、最高温度260℃の窒素雰囲気下の連続搬送式乾燥炉にて、滞留時間約15分にて溶媒除去し、長尺状のポリイミド塗布金属板を得た。このポリイミドの厚さはそれぞれ20μmであった。さらに、実施例1と同様な加工を施し、印刷回路用のポリイミド塗布金属板の加工品を得た。
【0053】
実施例3
圧延ステンレスSUS304箔(日新製鋼社製)に合成例4のポリイミドを、メイヤーバーコート、ダイコート、リバースコート、グラビアコートの各方式を用いて、多層塗工し、均一に総厚流延塗布した。加熱して溶媒除去し、最高温度240℃の窒素雰囲気下の乾燥炉にて、滞留時間約45分にて溶媒除去し、長尺状のポリイミド塗布金属板を得た。この熱可塑ポリイミドの厚さは110μmであった。さらに、金属エッチング加工、ポリイミドエッチング加工、打ち抜き加工、切断加工を施し、さらに金属加工面に耐熱絶縁塗料層を形成して、発熱体用のポリイミド塗布金属板の加工品を得た。
【0054】
実施例4
280℃に加熱した窒素雰囲気下の溶融炉内で、合成例1のポリイミド粉を溶融させ、ダイコーターにて、25μm厚さのポリイミドフィルム(東レデュポン社製 商品名;カプトン100V)に均一に流延塗布して、ポリイミド20μmからなるポリイミド塗布ポリイミドを得た。さらに、このポリイミド塗布ポリイミドフィルムを、打ち抜き加工、切断加工、切り込み加工、絞り加工、孔開け加工、折り曲げ加工、研磨加工および一部剥離加工を施し、ポリイミド塗布ポリイミドフィルムの加工品を得た。
【0055】
合成例5のポリイミドワニスを、実施例1と同様な加工を施し、印刷回路用のポリイミド塗布金属板の加工品を得た。さらに、ポリイミド面にプラズマ研磨をかけ、表面粗化し、導電性ペーストが塗布し易い様に加工した。導電性ペーストで電気的な回路を形成し、多層印刷回路を形成した。
【0056】
実施例6
スピンコーターを用いて、市販の3インチのシリコンウエハーに合成例6のポリイミドワニスを均一に直接流延塗布し、加熱して溶媒除去し、最高温度250℃の窒素雰囲気下の乾燥炉にて、滞留時間約5分にて溶媒除去し、ポリイミド塗布シリコンウエハーを得た。このポリイミドの厚さは5μmであった。さらに、ポリイミドとシリコンウエハーを同時に、3cm角に切断加工して、ポリイミドをレーザーエッチングにて切り込み加工を施し、さらに切りこみ加工面にニッケルメッキ加工を施した。
【0057】
実施例7
合成例7のポリイミドワニスを、重量換算厚さ18μmの電解銅箔(日本電解社製 商品名:SLP)上にナイフコーターを用いて、均一に直接流延塗布を2回施し、約52分間、最高温度270℃の窒素雰囲気下の乾燥炉にて加熱し、溶媒除去、イミド化反応の完結を行い、長尺状の熱可塑ポリイミド塗布金属板を得た。この熱可塑ポリイミドの厚さは80μmであった。さらに、幅10mmにスリット、すなわち切断加工して、耐熱性の防電磁気テープを得た。このテープは、200℃以下で10分間の使用にもなんら問題はなかった。また、該テープのポリイミドを介して銅ケーブル束に巻き、外側よりかしめ加工を施し、耐熱性の防電磁ケーブルが得られた。
【0058】
実施例8
合成例8のポリイミドワニスを、重量換算厚さ250μmの42ニッケル合金板(日立金属社製)上に、スピンコートを用いて、均一に直接流延塗布し、約10分間、最高温度400℃の窒素雰囲気下の乾燥炉にて加熱し、溶媒除去、イミド化反応の完結を行い、ポリイミド塗布金属板を得た。このポリイミドの厚さは17μmであった。42ニッケル面とポリイミド層をそれぞれ別々にエッチング加工をし、打ち抜き加工を施し、42ニッケルは回路を形成した半導体ウエハーと金線にてボンデリングし、全体をエポキシ樹脂で封止した。本基材は半導体向けリードフレーム基材として使用可能であった。
【0059】
実施例9
合成例9のポリイミドワニスを、両面ロールコーターを用いて、銅ポリイミド積層体(三井化学製 商品名;エッチアフレックス)の両面に塗布し、ポリイミド両面塗布複合体を得た。このポリイミドの厚さは8μmと10μmであった。8μmのポリイミドにアクリル接着剤を介してガラスに貼り、磁気シールドガラスを作成した。
【0060】
実施例10
実施例7と全く同様にして、合成例3のポリイミドワニスと厚さ10mmの板状カーボンファイバー強化ポリイミド(三井化学製 商品名;オーラム)成型品からなるポリイミド塗布複合板を得た。このポリイミドの厚さは15μmであった。この複合材のポリイミド面に温度センサーを金属ねじで固定した。
【0061】
実施例11
合成例10のポリイミドワニスを、直径10mm長さ50mmの金属棒に、吹き付け塗装機を用いて、吹き付け塗装をし、240℃窒素雰囲気下で24時間溶媒除去した。ポリイミド塗布厚さは、平均5μmであり、電気的な評価の結果、ピンホールは無かった。本複合材は、150℃、40時間連続で、耐熱絶縁ピンとして使用可能であった。
【0062】
【発明の効果】
打ち抜き加工、切断加工、孔開け加工、切り込み加工、エッチング加工、めっき加工、曲げ加工および絞り加工が容易で、耐熱性に優れたポリイミド塗布積層体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるポリイミド塗布金属板の断面図である。
【図2】熱可塑ポリイミド塗布金属板の加工の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 熱可塑ポリイミド
12 金属板
13 熱可塑ポリイミド塗布金属板
15 被着物
21 金属板エッチング加工
22 ポリイミドエッチング加工
23 孔開け加工
24 めっき加工
25 切り込み加工
26 折り曲げ加工
27 絞り加工
28 研磨加工
31 加熱圧着加工
Claims (7)
- 基材が、金属箔、金属板、または金属面をもつ複合体であることを特徴とする請求項1記載の加工品。
- 基材が、シリコンウエハー、セラミック板、ガラスなどの無機基材または無機基材面をもつ複合体であることを特徴とする請求項1記載の加工品。
- 基材が、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホンなどの耐熱樹脂板、耐熱樹脂フィルムまたは耐熱樹脂面をもつ成型体であることを特徴とする請求項1記載の加工品。
- 請求項1〜4に記載のポリイミド塗布積層体の加工品に接着剤を介して他基材または部品を接合させた二次加工品。
- 請求項1〜4に記載のポリイミド塗布積層体の加工品に半田または導電性ペーストを介して他基材または部品を接合させた二次加工品。
- 請求項1〜4に記載のポリイミド塗布積層体の加工品と他基材または部品を物理的な接触を保持する方法で接合させた二次加工品。
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