JPH07266493A - 熱可塑ポリイミド塗布金属板の加工品及び二次加工品 - Google Patents

熱可塑ポリイミド塗布金属板の加工品及び二次加工品

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JPH07266493A
JPH07266493A JP24128494A JP24128494A JPH07266493A JP H07266493 A JPH07266493 A JP H07266493A JP 24128494 A JP24128494 A JP 24128494A JP 24128494 A JP24128494 A JP 24128494A JP H07266493 A JPH07266493 A JP H07266493A
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JP
Japan
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thermoplastic polyimide
metal plate
bis
aminophenoxy
punching
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Pending
Application number
JP24128494A
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English (en)
Inventor
Shigeki Kijima
重基 木島
Kimiteru Tagawa
公照 田川
Yoshitake Kobayashi
喜剛 小林
Toshihiko Kabetani
俊彦 壁谷
Takeshi Yamamura
武 山村
Eiji Otsubo
英二 大坪
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】打ち抜き加工、切断加工、孔開け加工、切り込
み加工、エッチング加工、研磨加工、めっき加工、曲げ
加工または絞り加工が容易で、耐熱性に優れた熱可塑ポ
リイミド塗布金属板の加工品を得る。さらに該熱可塑ポ
リイミドを接着剤として該金属板と被着物を加熱圧着し
た二次加工品を得る。 【構成】金属板上に、1,3−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェニキ
シ)ビフェニルおよび3,3’−ジアミノベンゾフェノ
ンのうち少なくとも一つのジアミンと、3,3’,4,
4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、および3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物のうち少なくとも一つのテトラカ
ルボン酸二無水物を重縮合させて得た熱可塑ポリイミド
を塗布する。該金属板を用いて加工品や二次加工品を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑ポリイミド塗布
金属板の加工品および該加工品の金属板と被着物を加熱
圧着してなる積層板すなわち二次加工品に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】金属板上にポリイミド等の耐熱樹脂を形
成させた、耐熱樹脂塗布金属板は、電磁波シールド材
料、耐熱絶縁板、放熱板、包装材料等に使用される。従
来の耐熱樹脂塗布金属板は、一般にポリイミド等の耐熱
樹脂と金属の接着性に問題があるため、通常は、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂等の接着剤を用いて、耐熱フィル
ムに金属板を張り合わせることにより製造されていた。
しかし、これらの場合、耐熱樹脂に比べ接着剤の耐熱温
度が劣るため使用温度が制限されていた。また、この接
着材の加工性能のために、打ち抜き加工、切断加工、孔
開け加工、切り込み加工、エッチング加工、めっき加
工、研磨加工、曲げ加工および絞り加工が困難であっ
た。
【0003】また、特公平4−71707号には、熱可
塑ポリイミドを介し、ポリイミドフィルムと金属箔を積
層した積層板が開示され、この積層板にエッチング加工
を施して印刷配線板を製造する方法が開示されている。
しかし、積層板製造後に、ポリイミドフィルムと熱可塑
ポリイミドに同時にエッチング加工を施した場合、エッ
チング速度に違いがあるために精密な加工が困難であっ
た。さらに、特定の部分のみのポリイミドフィルム部や
金属部を残したい場合には、不要な部分をすべてエッチ
ング加工により除去する必要があり、無駄が多く経済的
な方法ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、打ち
抜き加工、切断加工、孔開け加工、切り込み加工、エッ
チング加工、研磨加工、めっき加工、曲げ加工および絞
り加工が容易で、耐熱性に優れた熱可塑ポリイミド塗布
金属板の加工品および該加工品の金属板と被着物を加熱
圧着してなる積層板すなわち二次加工品を供給すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のジアミ
ンと特定のテトラカルボン酸二無水物を重縮合させて得
られる熱可塑ポリイミドを金属板に直接塗布すればよい
ことを見出し、遂に本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち本発明の第一の目的は、基材とな
る金属板に、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェニキシ)ビフ
ェニルおよび3,3’−ジアミノベンゾフェノンからな
る群から選ばれた少なくとも一つのジアミンと、3,
3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、および3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれ
た少なくとも一つのテトラカルボン酸二無水物とを重縮
合させて得られる熱可塑ポリイミドを塗布してなる熱可
塑ポリイミド塗布金属板の金属板に、打ち抜き加工、切
断加工、孔開け加工、切り込み加工、エッチング加工、
研磨加工、めっき加工、曲げ加工および絞り加工からな
る群から選ばれた少なくとも一つの加工を施すことを特
徴とする熱可塑ポリイミド塗布金属板の加工品であり、
本発明の第二の目的は、基材となる金属板に、1,3−
ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビ
ス(3−アミノフェニキシ)ビフェニルおよび3,3’
−ジアミノベンゾフェノンからなる群から選ばれた少な
くとも一つのジアミンと、3,3’,4,4’−ジフェ
ニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物からなる群から選ばれた少なくとも一つのテ
トラカルボン酸二無水物とを重縮合させて得られる熱可
塑ポリイミドを塗布してなる熱可塑ポリイミド塗布金属
板の熱可塑ポリイミドに、打ち抜き加工、切断加工、孔
開け加工、切り込み加工、エッチング加工、研磨加工、
めっき加工、曲げ加工および絞り加工からなる群から選
ばれた少なくとも一つの加工を施すことを特徴とする熱
可塑ポリイミド塗布金属板の加工品であり、本発明の第
三の目的は、基材となる金属板に、1,3−ビス(3−
アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、APBと略記す
る)、4,4’−ビス(3−アミノフェニキシ)ビフェ
ニル(以下、m−BPと略記する)および3,3’−ジ
アミノベンゾフェノン(以下、DABPと略記する)か
らなる群から選ばれた少なくとも一つのジアミンと、
3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボ
ン酸二無水物(以下、ODPAと略記する)、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物(以下、BTDAと略記する)、および3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以
下、BPDAと略記する)からなる群から選ばれた少な
くとも一つのテトラカルボン酸二無水物とを重縮合させ
て得られる熱可塑ポリイミドを塗布してなる熱可塑ポリ
イミド塗布金属板の金属板と熱可塑ポリイミドに、打ち
抜き加工、切断加工、孔開け加工、切り込み加工、エッ
チング加工、研磨加工、めっき加工、曲げ加工および絞
り加工からなる群から選ばれた少なくとも一つの加工を
施すことを特徴とする熱可塑ポリイミド塗布金属板の加
工品であり、本発明の第四の目的は、前記した熱可塑ポ
リイミド塗布金属板の加工品の金属板上の熱可塑ポリイ
ミドを接着剤として該金属板と被着物を加熱圧着するこ
とを特徴とする二次加工品である。
【0007】以下、本発明の金属板の加工品および二次
加工品の製造方法について具体的に述べる。本発明に係
わる熱可塑ポリイミドは、ジアミンとしてAPB、m−
BP、DABPからなる群から選ばれる少なくとも一つ
の成分と、テトラカルボン酸二無水物としてBPDA、
BTDA、ODPAからなる群から選ばれた少なくとも
一つの成分を用いて得られる重縮合ポリマーである。本
発明の熱可塑ポリイミドは、上記のジアミンとテトラカ
ルボン酸二無水物を主たる成分とする重縮合ポリマーで
ある。ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の反応モル
比は、通常0.75〜1.25であり、好ましくは0.
8〜1.2である。
【0008】上記したジアミンの一部を代替することが
できるアミン化合物として、例えば、m−フェニレンジ
アミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジア
ミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジル
アミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3
−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3
−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニ
ル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−
アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)
(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフ
ェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジ
アミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニル
エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2
−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタ
ン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス
〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3
−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ス
ルホキシド、ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニ
ル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼ
ン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベン
ゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノ
フェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,
4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイ
ル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−
アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベン
ゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,
α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホ
ン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノ
キシ}フェニル〕スルホン、ビス〔4−{4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、
1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α
−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジ
ル〕ベンゼン等が挙げられ、これらは単独でまたは2種
以上を併用して使用してもよい。アミン化合物による代
替量は通常0〜50モル%である。
【0009】上記したテトラカルボン酸二無水物の一部
を代替することができる無水物として、例えば、エチレ
ンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸
二無水物、シクロペンタンカルボン酸二無水物、ピロメ
リット酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二
無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ス
ルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニ
レンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−
フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水
物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカル
ボン酸二無水物等を例示することができ、これらは単独
でまたは2種以上を併用して使用してもよい。無水物に
よる代替量は通常0〜50モル%である。
【0010】本発明の熱可塑性ポリイミド層に係わる熱
可塑ポリイミドのポリマー末端を封止する目的として、
ジカルボン酸無水物を添加してもよい。ジカルボン酸無
水物としては、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノン
ジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボ
ン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエ
ーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水
物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−
ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4
−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,
3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、
3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水
物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−
ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジ
カルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸
無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、
1,9−アントラセンジカルボン酸無水物が挙げられ
る。これらのジカルボン酸無水物はアミンまたはジカル
ボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されていても
よい。ジカルボン酸無水物の添加量は、通常、主原料で
あるジアミンとテトラカルボン酸二無水物の合計モル量
100モルに対して0.001〜0.5モル、好ましく
は0.005〜0.25モルである。
【0011】同様にポリイミドのポリマー末端を封止す
る目的でモノアミンを添加してもよい。使用されるモノ
アミンとしては、次のようなものが挙げられる。例え
ば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−
トルイジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジ
ン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4
−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリ
ン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブ
ロモアニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリ
ン、o−ニトロアリニン、m−ニトロアニリン、p−ニ
トロアニリン、o−アミノフェノール、m−アミノフェ
ノール、p−アミノフェノール、o−アニシジン、m−
アニシジン、p−アニシジン、o−フエネチジン、m−
フエネチジン、p−フエネチジン、o−アミノベンツア
ルデヒド、m−アミノベンツアルデヒド、p−アミノベ
ンツアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミ
ノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−ア
ミノビフェニル、3−アミノビェニル、4−アミノビフ
ェニル、2−アミノフェノールフェニルエーテル、3−
アミノフェノールフェニルエーテル、4−アミノフェノ
ールフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3
−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、
2−アミノフェノールフェニルスルフィド、3−アミノ
フェノールフェニルスルフィド、4−アミノフェノール
フェニルスルフィド、2−アミノフェノールフェニルス
ルホン、3−アミノフェノールフェニルスルホン、4−
アミノフェノールフェニルスルホン、α−ナフチルアミ
ン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトー
ル、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナ
フトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−
2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−ア
ミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、
1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9
−アミノアントラセン等が挙げられる。これらモノアミ
ンは単独でまたは2種以上を併用して使用してもよい。
モノアミンの添加量は、通常、主原料であるジアミンと
テトラカルボン酸二無水物の合計モル量100モルに対
して0.001〜0.5モル、好ましくは0.005〜
0.25モルである。また前記のジカルボン酸無水物と
モノアミンを併用してもよい。
【0012】熱可塑ポリイミドの前駆体であるポリアミ
ド酸の生成反応は、通常、有機溶媒中で実施する。この
反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N−メチル−
2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,
N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホス
ホルアミド、テトラメチル尿素、N−メチルカプロラク
タム、プチロラクタム、テトラヒドロフラン、m−ジオ
キサン、p−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、
ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス
(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス2−(2−メト
キシエトキシ)エチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、
ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ク
レゾール酸、p−クロロフェノール、フェノール、アニ
ソール等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独でまた
は2種以上を併用して使用してもよい。
【0013】本発明の熱可塑ポリイミドは、熱可塑ポリ
イミド溶液、熱可塑ポリイミドの前駆体であるポリアミ
ド酸溶液または熱可塑ポリイミドと熱可塑ポリイミドの
前駆体であるポリアミド酸の混合溶液(以下、これらを
総称して熱可塑ポリイミドワニスと呼ぶ。)を金属板に
流延塗布し、ついで溶剤除去、イミド化反応完結および
不純物の揮発除去を行なうために、加熱乾燥する。その
他、前記熱可塑ポリイミドワニスから単離した熱可塑ポ
リイミド粉を粉体塗布する方法、熱可塑ポリイミド粉を
粒化した後該熱可塑ポリイミド粒を加熱溶融して流延塗
布する方法がある。
【0014】本発明の熱可塑ポリイミドの前駆体である
ポリアミド酸を製造する方法には特に限定はなく、前記
の有機溶媒中で、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物
成分を、反応温度を均一に保ちながら重合させればよ
い。さらに必要に応じて、前記ジカルボン酸無水物また
はモノアミンを添加し反応させることができる。
【0015】本発明に関わる熱可塑ポリイミドの前駆体
であるポリアミド酸を製造する際の反応温度は通常0〜
60℃、好ましくは0〜50℃である。また反応圧力は
特に限定されず、常圧で充分である。反応時間は使用す
るテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル比、溶剤
の種類および反応温度等により異なり、通常ポリアミド
酸の生成が完了するに充分な時間反応させる。通常、4
〜24時間で充分である。
【0016】また、前記重縮合反応で得られた熱可塑ポ
リイミドの前駆体であるポリアミド酸を、100〜30
0℃、0.5〜24時間加熱することによってイミド化
させるか、または、ピリジン、γ−ピコリン、イミダゾ
ール、トルチルアミン等の第3級アミン類を触媒として
イミド化させるかして、ポリイミドを含有する反応混合
物を得る。この場合の反応条件は無水酢酸などのイミド
化剤を使用して、室温〜200℃、好ましくは室温〜1
00℃の温度で、0.5〜24時間の反応時間である。
これを熱可塑ポリイミドワニスとして用いてもよい。さ
らにこの反応混合物を熱可塑ポリイミドの貧溶媒に排出
するか、貧溶媒を反応系内に添加するかのいずれかの方
法により析出させるか、または、この反応系混合物、す
なわち含有する熱可塑ポリイミド以外の反応系内に混在
する溶媒、触媒等を加熱および減圧により除去するかの
いずれかの方法により熱可塑ポリイミドを単離した後、
単離した熱可塑ポリイミドを、この熱可塑ポリイミド粉
を溶解する溶媒に溶解させ熱可塑ポリイミドワニスを調
節し、実質的にこの熱可塑ポリイミドワニスを熱可塑性
ポリイミドとして使用してもよい。ここで用いられる溶
媒としては先に重合溶液として掲げた溶媒が例として挙
げられる。
【0017】貧溶媒として具体的には、N−メチル−2
−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、テトラメチル尿素、N−メチルカプラクタ
ム、プチロラクタム、テトラヒドロフラン、m−ジオキ
サン、p−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビ
ス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2
−メトキシエトキシ)エタン、ビス2−(2−メトシエ
トキシ)エチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3
−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、o−ク
レゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、クレゾー
ル酸、p−クロロフェノール、フェノール、アニソール
等が挙げられる。 これらの有機溶媒は単独でまたは2
種以上を併用して用いてもよい。
【0018】なお、前記の熱可塑ポリイミドは、反応系
より単離した後に、不純物等の除去のため、メタノール
やエタノールなどのアルコールで洗浄し、使用したアル
コールを除去できる温度下で乾燥を行った方がよい。さ
らに、本発明の熱可塑ポリイミド塗布金属板を作る他の
方法として、前記の反応系から単離した熱可塑ポリイミ
ド粉を粉体塗布する方法または熱可塑ポリイミド粉を粒
化した後該熱可塑ポリイミド粒を溶融温度(以下、Tm
という)〜熱分解を起こさない温度で、好ましくはTm
〜400℃の温度範囲で加熱溶融して流延塗布する方法
がある。
【0019】前記の熱可塑ポリイミドワニスの加熱乾燥
の温度と時間は、熱可塑ポリイミドの種類と残存溶媒量
および塗布厚さによって異なる。溶媒の沸点〜500
℃、好ましくは溶剤沸点より15℃高い温度〜420℃
であり、できるだけ短時間の加熱が好ましい。塗布厚さ
が25μmの場合は、通常は、0.1秒〜6時間、好ま
しくは2秒〜1時間、さらに好ましくは5秒〜30分で
ある。金属板の酸化防止のため、好ましくは窒素ガス、
アルゴンガスのような不活性ガス中で加熱乾燥させる。
【0020】本発明の熱可塑ポリイミドワニスまたはポ
リイミド粉の溶融物には、金属板との接着力を高くする
ためにカップリング剤を添加したり、表面平滑性を高め
るために界面活性剤を添加したり、その他ポリイミドの
特性を変化させるための添加剤やフィラーを添加しても
よい。このようにして得られた熱可塑ポリイミドは、ガ
ラス転移点を160〜280℃の範囲で制御することが
できる。
【0021】金属板に本発明の熱可塑ポリイミドワニス
またはポリイミド粉溶融物を流延塗布する方法に制限は
なく、従来公知のコンマコーター、ダイコーター、ロー
ルコーター、ナイフコーター、リバースコーター、グラ
ビアコーター、ブレードコーター、スピンコーター等の
塗布装置を使用して塗布し、充分な時間と温度をかけて
加熱乾燥し硬化させればよい。
【0022】本発明の金属板の厚さは、2μmから30
mm、強度、重量、作業性、ピンホールの存在を考える
と5μmから5mmが好ましい。また、形状的に板でも
箔でも差し支えない。本発明に用いられる金属板の種類
には特に限定はなく、通常は銅、ニッケル、アルミニウ
ム、ステンレス鋼、ベリリウム銅合金、ニッケル銅合
金、モリブデン合金等が使用されることが多い。特に、
導体回路を形成するための金属板としては、銅板または
銅箔が多く用いられる。銅箔については、圧延銅箔、電
解銅箔のいずれも使用できる。
【0023】また、金属板に直接に接しているポリイミ
ドと金属板との接着力を高めるために金属板上に金属単
体やその酸化物や合金、例えば金属板が銅箔の場合に
は、銅単体や酸化銅やニッケル銅合金や亜鉛銅合金等の
無機物を形成させてもよく、また、無機物以外にもアミ
ノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン等のカッ
プリング剤を金属板上に形成させてもよい。さらに、金
属板表面に、サンドブラスト処理、ホーニング処理、コ
ロナ処理、プラズマ処理、エッチング処理等の処理を施
してもよい。
【0024】本発明に関わる金属板、および熱可塑ポリ
イミドのうち少なくとも一つに、打ち抜き加工、切断加
工、切り込み加工、エッチング加工、研磨加工、めっき
加工、曲げ加工および絞り加工のうち少なくとも一つを
施す場合に特に制限はなく、それぞれ公知の方法、装
置、条件にて加工すればよい。必要に応じてこれらの加
工を複数回行なってもよい。
【0025】本発明の熱可塑ポリイミド塗布金属板上の
熱可塑ポリイミドを接着剤とし、新たなる基材を被着物
として加熱圧着することにより、二次加工品が得られ
る。なお、塗布時に金属に接していない面または塗布時
に金属に接しておりかつ金属エッチング加工により金属
を除去した面が、被着物と接する熱可塑ポリイミドの面
となる。このとき、被着物としては、加熱圧着条件にて
変質や劣化を伴わないものであるならば特に制限はな
い。被着物の例として、金属、シリコン基板、碍子等の
セラミックス、ガラス、そしてポリイミド、ポリエーテ
ルエーテルケトン、テフロン等の耐熱樹脂等が例示され
る。さらには、本発明の熱可塑ポリイミド同士を加熱圧
着してもよい。
【0026】また、この被着物は加熱圧着以前に、打ち
抜き加工、切断加工、切り込み加工、エッチング加工、
研磨加工、めっき加工、曲げ加工、圧延加工および絞り
加工のうち少なくとも一つが施されているものまたは、
前記の金属単体やその酸化物や合金等の無機物層やカッ
プリング剤層を形成させているものまたは、金属板表面
に、サンドブラスト処理、ホーニング処理、コロナ処
理、プラズマ処理等の処理を施しているものを用いる。
【0027】さらに、この被着物は加熱圧着以後に、打
ち抜き加工、切断加工、切り込み加工、エッチング加
工、研磨加工、めっき加工、曲げ加工、圧延加工および
絞り加工のうち少なくとも一つが施されているものまた
は、前記の金属単体やその酸化物や合金等の無機物層や
カップリング剤層を形成させているものまたは、金属板
表面に、サンドブラスト処理、ホーニング処理、コロナ
処理、プラズマ処理等の処理を施してもよい。
【0028】本発明の熱可塑ポリイミドと被着物との積
層に関わる加熱圧着法に特に限定はなく、熱プレス法、
真空プレス法、オートクレーブプレス法、熱ロールプレ
ス法、寸動プレス法等を用いる。また、これら加熱圧着
の条件に特に制限はなく、積層に必要十分でありかつ使
用材料および熱プレス設備等の劣化等実用上支障のない
範囲で、圧力、温度、時間を取ればよい。なお、好まし
い温度は、本発明に関わる熱可塑ポリイミドのガラス転
移点温度〜500℃、さらに好ましくはガラス転移点温
度より10℃高い温度〜430℃である。
【0029】
【実施例】
合成例1 APB292g(1モル)とN,N−ジメチルアセトア
ミド2456gを、室温窒素雰囲気下で攪拌・溶解し
た。これに、ODPA3187g(0.99モル)を、
4分割して加え、室温で24時間攪拌した。その後、無
水フタル酸11.84g(0.08モル)を加え、室温
で3時間攪拌した。かくして得られたポリアド酸は、対
数粘度0.75dl/g(23℃、N,N−ジメチルア
セトアミド溶媒中0.5%濃度での対数粘度測定値、E
型粘度計使用、以下、この値を対数粘度と表記する。)
であった。上記のポリアミド酸溶媒に無水酢酸408g
(4モル)とトリエチルアミン150gを滴下し室温で
10時間攪拌した。得られた反応混合物を10000g
のメタノールに強力な攪拌下に排出し、析出物を濾別分
取した。得られた粉末状析出物をさらにメタノールで洗
浄後、180℃で12時間乾燥して、ポリイミド粉56
9gを得た。ここで得られたポリイミド粉は、ガラス転
移点温度が182℃(DSCによる測定)であった。
【0030】合成例2 合成例1で得られたポリイミド粉200gをN−メチル
−2−ピロリドン800g(濃度20重量%)に溶解さ
せ熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0031】合成例3 APB292g(1モル)とN,N−ジメチルアセトア
ミド1839gを、室温窒素雰囲気下で攪拌・溶解し
た。これに、ODPA76.9g(0.26モル)とB
TDA225.3g(0.70モル)を、温度上昇に注
意しながら、それぞれ4分割して加え、室温で約20時
間攪拌した。その後、無水フタル酸11.84g(0.
08モル)を加え、室温でさらに3時間攪拌した。かく
して得られたポリアミド酸は、対数粘度0.49dl/
gであった。ついで溶液を加熱してN,N−ジメチルア
セトアミドの還流温度で6時間処理し、さらに、6時間
掛けて1000gのN,N−ジメチルアセトアミドを除
去し、熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0032】合成例4 合成例1のODPA(0.99モル)をBPDA(0.
965モル)に変更してポリイミド粉を得、合成例2と
同様の条件で熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0033】合成例5 合成例3のODPA(0.26モル)をBPDA(0.
25モル)に変更して、合成例3と同様の条件で熱可塑
ポリイミドワニスを得た。
【0034】合成例6 合成例4のAPB(1モル)をm−BP(1モル)に変
更して、合成例4と同様の条件で熱可塑ポリイミドワニ
スを得た。
【0035】合成例7 APB(1モル)とN,N−ジメチルアセトアミド24
56gを、室温窒素雰囲気下で攪拌・溶解した。これ
に、ODPA(0.985モル)を、4分割して加え、
室温で24時間攪拌して、熱可塑ポリイミドの前駆体で
あるポリアミド酸からなる熱可塑ポリイミドワニスを得
た。
【0036】合成例8 合成例1と合成例7の熱可塑ポリイミドワニスを、それ
ぞれ2000gずつを3時間に混合して、熱可塑ポリイ
ミドと熱可塑ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸か
らなる熱可塑ポリイミドワニスを得た。
【0037】合成例9 APB(1モル)とN,N−ジメチルアセトアミド24
56gを、室温窒素雰囲気下で攪拌・溶解した。これ
に、BDPA(0.95モル)を、4分割して加え、室
温で20時間攪拌した。その後、無水フタル酸(0.0
4モル)を加え、室温で3時間攪拌し、熱可塑ポリイミ
ドの前駆体であるポリアミド酸からなる熱可塑ポリイミ
ドワニスを得た。
【0038】合成例10 合成例7のAPB(1モル)をDABP(1モル)に、
かつODPA(0.985モル)をBTDA(0.95
モル)にそれぞれ変更して、合成例7と同様の条件で熱
可塑ポリイミドワニスを得た。
【0039】実施例1 図1は、本発明に関わる熱可塑ポリイミド塗布金属板の
断面図である。図2は、熱可塑ポリイミド塗布金属板の
加工の一例を示す断面図である。金属板の一例として重
量換算厚さ25μmの電解銅箔(古河電工社製 商品
名:GT−MP)の片面に、ナイフコーターを用いて、
合成例2の熱可塑ポリイミドワニスを均一に直接流延塗
布し、最高温度250℃の窒素雰囲気下の乾燥炉にて、
滞留時間約25分にて溶媒除去し、図1のように、熱可
塑ポリイミド11、金属板12、からなる熱可塑ポリイ
ミド塗布金属板13を得た。この熱可塑ポリイミド11
の厚さは25μmであった。図2は、熱可塑ポリイミド
塗布金属板13の加工の一例を示す断面図である。エッ
チング剤の例として過塩化鉄液(東亜合成化学社製 商
品型番40度Be’)を用いる金属板エッチング加工2
1、エッチング剤の例として80%ヒドラジン/KOH
/エタノール=4:1:5(重量比)の混合液を用いる
ポリイミドエッチング加工22、孔開け加工23、めっ
き加工24、切り込み加工25、折り曲げ加工26、絞
り加工27、研磨加工28を施し、被着物15の一例と
して液晶表示用ガラス基板(コーニング社製)の加熱圧
着加工31を施したものの一例の断面図である。この一
群の加工工程の他に、打ち抜き加工、切断加工等を、適
宜、必要に応じて施すことによって、望ましい形状の熱
可塑ポリイミド塗布金属板の加工品が得られる。
【0040】実施例2 ロールコーターを用いて、市販の圧延銅箔(ジャパン・
エナジー社製 商品名:BHY−02B−T)で重量換
算厚さ35μmのものに、合成例3の熱可塑ポリイミド
ワニスを均一に連続的に直接流延塗布し、加熱して溶媒
除去し、最高温度260℃の窒素雰囲気下の連続搬送式
乾燥炉にて、滞留時間約13分にて溶媒除去し、滞留時
間約20分にて溶媒除去し、長尺状の熱可塑ポリイミド
塗布金属板を得た。この熱可塑ポリイミドの厚さはそれ
ぞれ20μmであった。さらに、実施例1と同様な加工
を施し、印刷回路用の熱可塑ポリイミド塗布金属板の加
工品を得た。
【0041】実施例3 圧延ステンレスSUS304箔(日新製鋼社製)に合成
例4の熱可塑ポリイミドを、メイヤーバーコート、ダイ
コート、リバースコート、グラビアコートの各方式を用
いて、多層塗工し、均一に総厚流延塗布した。加熱して
溶媒除去し、最高温度240℃の窒素雰囲気下の乾燥炉
にて、滞留時間約45時間にて溶媒除去し、長尺状の熱
可塑ポリイミド塗布金属板を得た。この熱可塑ポリイミ
ドの厚さは100μmであった。さらに、金属エッチイ
ング加工、ポリイミドエッチイング加工、打ち抜き加
工、切断加工を施し、さらに金属加工面に耐熱絶縁塗料
層を形成して、発熱体用の熱可塑ポリイミド塗布金属板
の加工品を得た。
【0042】実施例4 280℃に加熱した窒素雰囲気下の溶融炉内で、合成例
1の熱可塑ポリイミド粉を溶融させ、ダイコーターに
て、圧延ステンレスSUS304箔(日新製鋼社製)に
均一に流延塗布して、熱可塑ポリイミド20μmからな
る熱可塑ポリイミド塗布金属板を得た。さらに、この熱
可塑ポリイミド塗布金属板を、打ち抜き加工、切断加
工、切り込み加工、絞り加工、孔開け加工、折り曲げ加
工、研磨加工および熱可塑ポリイミドを介して該金属箔
と加熱圧着して、耐熱性の防電磁気箱を作成した。
【0043】実施例5 重量換算厚さ18μmの低粗化電解銅箔(日本電解社製
商品名:SLP)上に、合成例5の熱可塑ポリイミド
ワニスを均一に連続的に直接流延塗布し、最高温度23
0℃の窒素雰囲気下の連続搬送式乾燥炉にて、滞留時間
約20分にて溶媒除去し、長尺状の熱可塑ポリイミド金
属板を得た。この熱可塑ポリイミドの厚さは27.5μ
mであった。さらに、実施例1と同様な加工を施し、印
刷回路用の熱可塑ポリイミド塗布金属板の加工品を得
た。
【0044】実施例6 ブレードコーターを用いて、市販のアルミニウム板(ス
カイアルミ社製)で重量換算厚さ5mmのものに、合成
例6の熱可塑ポリイミドワニスを均一に直接流延塗布
し、加熱して溶媒除去し、最高温度250℃の窒素雰囲
気下の乾燥炉にて、滞留時間約45分にて溶媒除去し、
熱可塑ポリイミド塗布金属板を得た。この熱可塑ポリイ
ミドの厚さは30μmであった。さらに、切断加工後、
切り込み加工により放熱に適した形状に加工し、音響用
増幅管架台側面に、熱可塑ポリイミドを介して加熱圧着
をした。望ましい放熱特性が得られた。
【0045】実施例7 合成例7の熱可塑ポリイミドワニスを、重量換算厚さ1
8μmの電解銅箔(日本電解社製 商品名:SLP)上
にナイフコーターを用いて、均一に直接流延塗布を2回
施し、約52分間、最高温度270℃の窒素雰囲気下の
乾燥炉にて加熱し、溶媒除去、イミド化反応の完結を行
い、長尺状の熱可塑ポリイミド塗布金属板を得た。この
熱可塑ポリイミドの厚さは75μmであった。さらに、
幅10mmにスリット、すなわち切断加工して、耐熱性
の防電磁気テープを得た。このテープは、400℃以下
で10分間の使用にもなんら問題はなかった。また、該
テープの熱可塑ポリイミドを介して金属線等に巻き、熱
可塑ポリイミドのガラス転移点以上で加熱圧着すること
により、耐熱性の防電磁ケーブルが得られた。
【0046】実施例8 合成例8の熱可塑ポリイミドワニスを、重量換算厚さ2
50μmの42ニッケル合金板(日立金属社製)上に、
スピンコートを用いて、均一に直接流延塗布し、約10
分間、最高温度400℃の窒素雰囲気下の乾燥炉にて加
熱し、溶媒除去、イミド化反応の完結を行い、熱可塑ポ
リイミド塗布金属板を得た。この熱可塑ポリイミドの厚
さは17μmであった。打ち抜き加工を施し、半導体封
止材料であるリードフレーム用基材として使用可能であ
った。
【0047】実施例9 実施例7と全く同様にして、合成例9の熱可塑ポリイミ
ドワニスと重量換算厚さ35μmの電解銅箔(三井金属
社製 商品名:DP−VLP)からなる、熱可塑ポリイ
ミド塗布金属板を得た。この熱可塑ポリイミドの厚さは
16μmであった。実施例1と同様な加工を施し、熱可
塑ポリイミドを介して、印刷回路と加熱圧着して積層
し、多層印刷回路を得た。
【0048】実施例10 実施例7と全く同様にして、合成例10の熱可塑ポリイ
ミドワニスと厚さ10mmの銅板(三井金属社製)から
なる、熱可塑ポリイミド塗布金属板を得た。この熱可塑
ポリイミドの厚さは15μmであった。さらに、実施例
1と同様な加工を施し、放熱特性に優れた印刷回路用の
熱可塑ポリイミド塗布金属板の加工品を得た。
【0049】実施例11 合成例5の熱可塑ポリイミドワニスを、厚さ105μm
の電解銅箔(日本電解社製 SLP)上に、ダイコータ
ーを用い、均一に直接流延塗布し、最高温度270℃の
窒素雰囲気下の乾燥炉にて約20分間加熱処理を行い、
熱可塑ポリイミド塗布金属板を得た。この熱可塑ポリイ
ミドの厚さは20μmであった。さらに、実施例1と同
様な加工を施し、被着物として、厚さ30μmの圧延ス
テンレスSUS304箔(日新製鋼社製 品番名 BA
箔)を積層した。この被着物を積層する加熱圧着の条件
は、窒素雰囲気中、加熱温度280℃、加熱圧力30k
gf/cm2 、加圧時間5分であった。そして、この積
層されたSUS304箔に、エッチング加工を施し、続
いて打ち抜き加工、ポリイミドエッチング加工、切断加
工および曲げ加工を施し、発熱回路を形成した。このよ
うにして片面に電解銅からなる放熱板を有する発熱体用
の熱可塑ポリイミド塗布板の加工品を得た。
【0050】実施例12 実施例11で得られた、片面に電解銅からなる放熱板を
有する発熱体用の熱可塑ポリイミド塗布板の加工品の電
解銅に、切り込み加工を施しより放熱特性に優れた、片
面が電解銅からなる放熱板を有する発熱体用の熱可塑ポ
リイミド塗布板の加工品を得た。
【0051】実施例13 実施例11の被着物である厚さ30μmの圧延ステンレ
スSUS304箔(日新製鋼社製 品番名 BA箔)に
あらかじめ、発熱回路の形状に打ち抜き加工を施したS
US箔加工品を用意した。このSUS箔加工品と実施例
11で得られた熱可塑ポリイミド塗布板を積層すること
により、片面が電解銅からなる放熱板を有する発熱体用
の熱可塑ポリイミド塗布板の加工品を得た。
【0052】実施例14 打ち抜き加工およびばり取りのための面取り加工を施し
た重量換算厚さ250μmの42ニッケル合金板(日立
金属社製)上に、スクリーン印刷を用いて、合成例5の
熱可塑ポリイミドワニスを選択的に塗布し、約10分
間、最高温度400℃の窒素雰囲気下の乾燥炉にて加熱
し、溶媒除去、イミド化反応の完結を行い、熱可塑ポリ
イミド塗布金属板を得た。この熱可塑ポリイミドの厚さ
は10μmであった。選択的に形成した熱可塑ポリイミ
ドの一部に厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興
産製 商品名:ユーピレックスSGA)を積層した。こ
の被着物を積層する加熱圧着の条件は、窒素雰囲気中、
加熱温度300℃、加熱圧力12kgf/cm2 、加圧
時間3時間であった。さらに打ち抜き加工を施した加工
品は、半導体封止材料であるリードフレーム用基材とし
て使用可能であった。
【0053】
【発明の効果】打ち抜き加工、切断加工、孔開け加工、
切り込み加工、エッチング加工、めっき加工、曲げ加工
および絞り加工が容易で、耐熱性に優れた熱可塑ポリイ
ミド塗布金属板が得られる。また、この熱可塑ポリイミ
ドの一部を接着剤として使い、金属、ガラスやセラミッ
クス等と加熱圧着することにより、設計上の自由度が大
きく、かつ、不要部の少ない熱可塑ポリイミド塗布金属
板を用いた積層板、すなわち二次加工品を容易に得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関わる熱可塑ポリイミド塗布金属板
の断面図である。
【図2】 熱可塑ポリイミド塗布金属板の加工の一例を
示す断面図である。
【符号の説明】
11 熱可塑ポリイミド 12 金属板 13 熱可塑ポリイミド塗布金属板 15 被着物 21 金属板エッチング加工 22 ポリイミドエッチング加工 23 孔開け加工 24 めっき加工 25 切り込み加工 26 折り曲げ加工 27 絞り加工 28 研磨加工 31 加熱圧着加工
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 壁谷 俊彦 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 山村 武 大阪府吹田市山田西1−25 (72)発明者 大坪 英二 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材となる金属板に、1,3−ビス(3
    −アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−
    アミノフェニキシ)ビフェニルおよび3,3’−ジアミ
    ノベンゾフェノンからなる群から選ばれた少なくとも一
    つのジアミンと、3,3’,4,4’−ジフェニルエー
    テルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
    ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、および3,
    3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
    からなる群から選ばれた少なくとも一つのテトラカルボ
    ン酸二無水物とを重縮合させて得られる熱可塑ポリイミ
    ドを塗布してなる熱可塑ポリイミド塗布金属板の金属板
    に、打ち抜き加工、切断加工、孔開け加工、切り込み加
    工、エッチング加工、研磨加工、めっき加工、曲げ加工
    および絞り加工からなる群から選ばれた少なくとも一つ
    の加工を施すことを特徴とする熱可塑ポリイミド塗布金
    属板の加工品。
  2. 【請求項2】 基材となる金属板に、1,3−ビス(3
    −アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−
    アミノフェニキシ)ビフェニルおよび3,3’−ジアミ
    ノベンゾフェノンからなる群から選ばれた少なくとも一
    つのジアミンと、3,3’,4,4’−ジフェニルエー
    テルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
    ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、および3,
    3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
    からなる群から選ばれた少なくとも一つのテトラカルボ
    ン酸二無水物とを重縮合させて得られる熱可塑ポリイミ
    ドを塗布してなる熱可塑ポリイミド塗布金属板の熱可塑
    ポリイミドに、打ち抜き加工、切断加工、孔開け加工、
    切り込み加工、エッチング加工、研磨加工、めっき加
    工、曲げ加工および絞り加工からなる群から選ばれた少
    なくとも一つの加工を施すことを特徴とする熱可塑ポリ
    イミド塗布金属板の加工品。
  3. 【請求項3】 基材となる金属板に、1,3−ビス(3
    −アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−
    アミノフェニキシ)ビフェニルおよび3,3’−ジアミ
    ノベンゾフェノンからなる群から選ばれた少なくとも一
    つのジアミンと、3,3’,4,4’−ジフェニルエー
    テルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
    ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、および3,
    3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
    からなる群から選ばれた少なくとも一つのテトラカルボ
    ン酸二無水物とを重縮合させて得られる熱可塑ポリイミ
    ドを塗布してなる熱可塑ポリイミド塗布金属板の金属板
    と熱可塑ポリイミドに、打ち抜き加工、切断加工、孔開
    け加工、切り込み加工、エッチング加工、研磨加工、め
    っき加工、曲げ加工および絞り加工からなる群から選ば
    れた少なくとも一つの加工を施すことを特徴とする熱可
    塑ポリイミド塗布金属板の加工品。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の熱可塑ポリイミド塗布金
    属板の加工品の金属板上の熱可塑ポリイミドを接着剤と
    して該金属板と被着物を加熱圧着することを特徴とする
    二次加工品。
  5. 【請求項5】該加熱圧着以前に、該被着物に打ち抜き加
    工、切断加工、孔開け加工、切り込み加工、エッチング
    加工、研磨加工、めっき加工、曲げ加工および絞り加工
    からなる群から選ばれた少なくとも一つの加工を施すこ
    とを特徴とする請求項4の二次加工品。
  6. 【請求項6】該加熱圧着以後に、該被着物に打ち抜き加
    工、切断加工、孔開け加工、切り込み加工、エッチング
    加工、研磨加工、めっき加工、曲げ加工および絞り加工
    からなる群から選ばれた少なくとも一つの加工を施すこ
    とを特徴とする請求項4または5の二次加工品。
  7. 【請求項7】 該被着物が金属、シリコン基板、ガラス
    およびセラミックスからなる群から選ばれた少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項4乃至6の二次加工
    品。
  8. 【請求項8】 該被着物が金属であることを特徴とする
    請求項4乃至6の二次加工品。
  9. 【請求項9】 該被着物がガラスであることを特徴とす
    る請求項4乃至6の二次加工品。
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