JP2005152792A - 複合材料シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カールの発生を有効に防止することができ、ひいては、高品質の複合材料シートを得ることができる複合材料シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】 基材上に有機溶剤を塗布した後、この基材上の有機溶剤を所定の雰囲気温度下で乾燥して硬化することによって、前記基材上に前記有機溶剤を硬化してなる樹脂の薄膜層を備えた複合材料シートを製造する複合材料シートの製造方法において、前記有機溶剤を、前記樹脂のガラス転移点以上の温度下で硬化させることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 基材上に有機溶剤を塗布した後、この基材上の有機溶剤を所定の雰囲気温度下で乾燥して硬化することによって、前記基材上に前記有機溶剤を硬化してなる樹脂の薄膜層を備えた複合材料シートを製造する複合材料シートの製造方法において、前記有機溶剤を、前記樹脂のガラス転移点以上の温度下で硬化させることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複合材料シートの製造方法に係り、特に、基材上に有機溶剤を硬化してなる樹脂の薄膜層を備えた複合材料シートの製造方法に関する。
従来から、基材上に樹脂の薄膜層を備えた複合材料シートが種々の分野において利用されている。
例えば、基材をステンレス箔(SUS箔)とした複合材料シートはHDD(ハードディスク)のバネ材として、また、基材を洋白としたものは絶縁シールドとして、さらに、基材を銅箔としたものはフレキシブルプリント基板として、さらにまた、基材をPET(ポリエステルフィルム)、PEN、PES、プチラール、ナイロン等としたものは、耐熱性フィルムあるいは電子用カバーレイフィルムとして使用されている。
このような多岐の利用分野にわたる複合材料シートの製造に際しては、長尺の基板を、ローラ等の搬送手段によって塗工位置まで搬送するとともに、塗工位置において、ダイコートやグラビアコート等の塗工方法を用いて前記基材上に有機溶剤を塗布し、その後、前記有機溶剤を乾燥して有機溶剤中の溶媒を除去することによって前記有機溶剤の硬化を行っていた。この結果、前記基材上に前記有機溶剤を硬化してなる樹脂の薄膜層が形成された複合材料シートが得られるようになっていた。
しかしながら、従来は、図5に示すように、複合材料シート1の形成に際して、基材2上に塗布した有機溶剤を乾燥して硬化することによって基材2上に樹脂の薄膜層3を形成する段階において、複合材料シート1の幅方向の両端縁が樹脂の薄膜層3側にめくれ上がってフィルム全体が丸みを帯びるカールと称される現象が生じてしまうことが問題となっていた。
より具体的には、例えば、基材1上に、ポリイミド樹脂等の有機溶剤を塗布する場合は、N−メチルピロリドン、DMF、ジメチルホルムアミド等の有機極性溶媒を使用するため、高温での乾燥が必要となり、この結果、樹脂の乾燥による収縮が大きく、カールが発生し易かった。
特に、ポリイミド樹脂は、樹脂の前駆体であるアミック酸溶液を塗布原料とし、乾燥時にキュア(硬化)しながら反応させてポリイミド樹脂とするため、反応による収縮が他の樹脂の比べて著しく大きく、カールがより発生し易いものとなっていた。
また、ポリイミド樹脂が、前述の有機極性溶媒を有機溶剤中から揮散させにくい樹脂であることも、ポリイミド樹脂がカールを発生させ易いことの一因と考えられている。
このような問題を解決すべく、これまでにも、例えば、有機溶剤の塗布後に、200℃以上のアニール炉に窒素ガスを導入しながら20〜100時間もの長時間静置することによってカールを除去する等の方法が採られていた。
また、特に、長尺の複合材料シート1では複合材料シート1を巻き取る段階において複合材料シート1が硬く巻かれてしまい、中心部の残留溶媒を完全に除去することが困難であるため、複合材料シート間に合紙等の別のフィルムを挟み込んで残留溶媒を処理する方法が一般的に採られていた。
さらに、基材としての銅箔上に有機溶剤を塗布する場合は、アニールの最中に銅箔が酸化することを防止するために、高温・真空下でアニールする方法も提案されていた(特開平05−175634号公報参照)。
しかし、これらの方法は、いずれも、多くの資材、時間および労力を要するため、実用的な方法とは言えなかった。
そこで、本発明者は鋭意研究した結果、複合材料シートのカール量と、有機溶剤中の残留溶媒の温度特性とに着目し、その温度特性に基づいて複合材料シートのカール量を有効に低減し、あわせて有機溶剤中の残留溶媒を効果的に除去することができる本発明をなすに至った。
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、カールの発生を有効に防止することができ、ひいては、高品質の複合材料シートを得ることができる複合材料シートの製造方法を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る複合材料シートの製造方法の特徴は、基材上に有機溶剤を塗布した後、この基材上の有機溶剤を所定の雰囲気温度下で乾燥して硬化することによって、前記基材上に前記有機溶剤を硬化してなる樹脂の薄膜層を備えた複合材料シートを製造する複合材料シートの製造方法において、前記有機溶剤を、前記樹脂のガラス転移点以上の温度下で硬化させる点にある。
そして、このような方法によれば、カール量を十分に低減し、有機溶剤中の残留溶媒を十分に除去し得るような温度下で有機溶剤を硬化させることが可能となる。
請求項2に係る複合材料シートの製造方法の特徴は、請求項1において、前記有機溶剤の表面に不活性ガスを吹き付けながら前記有機溶剤を硬化させる点にある。
そして、このような方法によれば、金属製の基材を用いる場合においても、有機溶剤の表面側に不活性ガスを吹き付けながら有機溶剤を硬化させることができるため、有機溶剤の反対側の金属表面の酸化を有効に防止することができるとともに、有機溶剤をさらに効率的に硬化させることが可能となる。
請求項3に係る複合材料シートの製造方法の特徴は、請求項1または請求項2において、前記基材の少なくとも前記有機溶剤と反対側の表面の温度を前記ガラス転移点よりも低い温度に保持する点にある。
そして、このような方法によれば、金属製の基材を用いる場合において、基材の温度が高すぎることによる基材の酸化を有効に防止することが可能となる。
請求項4に係る複合材料シートの製造方法の特徴は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記有機溶剤を350℃以上の温度下で硬化させる点にある。
そして、このような方法によれば、カール量を十分に低減し、有機溶剤中の残留溶媒を除去するためにさらに好適な温度下で有機溶剤を硬化させることが可能となる。
請求項5に係る複合材料シートの製造方法の特徴は請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、0.5体積%以下の酸素濃度下で前記有機溶剤を硬化させる点にある。
そして、このような方法によれば、金属製の基材を用いる場合における基材の酸化をさらに有効に防止することが可能となる。
請求項1に係る複合材料シートの製造方法によれば、カールが有効に低減され、有機溶剤中の残留溶媒が適正に除去された高品質の複合材料シートを効率的にかつ安価に得ることができる。
請求項2に係る複合材料シートの製造方法によれば、請求項1に係る複合材料シートの製造方法の効果に加えて、さらに、金属製の基材の酸化を防止してより品質に優れた複合材料シートを得ることができる。
請求項3に係る複合材料シートの製造方法によれば、請求項1または請求項2に係る複合材料シートの製造方法の効果に加えて、金属製の基材の酸化をさらに有効に防止してより高品質の複合材料シートを得ることができる。
請求項4に係る複合材料シートの製造方法によれば、請求項1乃至請求項3に係る複合材料シートの製造方法の効果に加えて、特に、ポリイミド樹脂の有機溶媒を用いる場合に、カール量をさらに有効に低減することができ、さらに高品質の複合材料シートを得ることができる。
請求項5に係る複合材料シートの製造方法によれば、請求項1乃至請求項4に係る複合材料シートの効果に加えて、金属製の基材の酸化をさらに有効に防止してより高品質の複合材料シートを得ることができる。
まず、本発明に係る複合材料シートの製造方法の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
なお、従来と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
本実施形態においては、例えば、図1に示すような複合材料シート1の製造装置5を用いて長尺の基材2上に樹脂の薄膜層3を形成することよって複合材料シート1を製造する。なお、基材としては、ステンレス箔(SUS箔)、洋白、銅箔、PET(ポリエステルフィルム)、PEN、PES、プチラール、ナイロン等の種々のものを適宜選択することができる。
ここで、図1の製造装置5は、原反ロール6から巻き取り装置7に至る基材2の搬送経路を有しており、この一連の搬送経路中には、基材2の搬送を保持する複数のローラ9が配設されている。原反ロール6の下流には、この原反ロール6に巻回された長尺な基材2を繰り出す繰り出し装置10を有しており、この繰り出し装置10の下流には、前記繰り出し装置10から繰り出された基材2の表面に有機溶媒を塗布する塗工装置11、11aが配設されている。上流側の塗工装置11においては、ダイコート、リバースコーター、ナイフコーターを配設し、下流側の塗工装置11aにおいては、グラビアロールの直径が50mm以下のマイクログラビアコーターを配設するとよい。また、前記塗工装置11、11aの下流側には、基材2上の有機溶媒を乾燥するための図示しない赤外線ヒータを備えた複数(図1において3個)の乾燥炉13,14,15が連設されており、これら乾燥炉13,14,15の下流側には、有機溶剤を最終的に硬化するキュア炉16が配設されている。キュア炉16の下流側には、複合材料シート1を巻き取る前記巻き取り装置7が配設されている。
そして、このような装置5を用いて本発明を実施するには、まず、原反ロール6から繰り出し装置10を介して塗工装置11、11a部分に基材2を搬送した後、この基材2上に、有機溶剤を塗布する。
このとき、有機溶剤の塗布方法としては、前述したダイコート、リバースコーター、ナイフコーターやマイクログラビアコートを含むグラビアコート等の塗工方法を選択して用いることができる。
そして、基材2上に有機溶剤を塗布した後、この基材2を乾燥炉13,14,15内に搬送し、各乾燥炉13,14,15内において、基材2上の有機溶剤を所定の雰囲気温度下で乾燥することによって、有機溶剤の硬化を促進させる。このとき、ブロワ等の送風機を用いて有機溶剤の表面に熱風を吹き付けることによって、乾燥を効率的に行うことができる。
そして、乾燥炉15を経た基材2をキュア炉16内に搬送し、このキュア炉16内において、有機溶剤の最終的な乾燥・硬化を行う。
本実施形態においては、この有機溶剤の硬化を、この有機溶剤によって形成される樹脂のガラス転移点以上の温度下で行う。
なお、有機溶剤が、ポリイミド樹脂の前駆体としてのアミック酸溶液である場合は、キュア温度をポリイミド樹脂のガラス転移点以上の温度となる350℃以上にすることが好ましい。
ここで、図2に示すように、ポリイミド樹脂のガラス転移点以上の温度となる350℃のキュア温度においては、キュアによって生成された複合材料シート1のカール量の減少が急峻となる。
また、図3に示すように、350℃近傍においては、有機溶剤中の残留溶媒の量が十分に少なくなっている。
このような特性に基づいて、有機溶剤の硬化をガラス転移点以上の温度下で行うことによって、図4に示すように、基材2の上にカールが十分に低減された状態で樹脂の薄膜層3が形成され、長尺の複合材料シート1が完成する。
このとき、基材2として銅箔等の金属製の基材2を用いる場合は、キュア炉16内において、基材2上に塗布された有機溶剤の表面に、200℃以上に熱せられた不活性ガスを吹き付けながら不活性雰囲気下で有機溶剤を硬化することが好ましい。不活性ガスとしては、例えば窒素等を用いることができる。
そのようにすれば、金属製の基材2を用いる場合においても、有機溶剤の反対側の金属表面の酸化を有効に防止することができるとともに、不活性ガスの熱風によって有機溶剤をさらに効率的に硬化させることができる。
また、キュア炉16内の酸素濃度は、金属製の基材2の酸化をより有効に防止する観点から、0.5体積%以下にすることが好ましい。
さらに、銅箔等の金属製の基材2の表面に塗布した有機溶剤を高温で硬化させる場合、キュア温度が200℃を超えると金属表面が酸化される場合が多い。
従って、基材2として金属製の基材を用いる場合におけるより好ましい実施形態としては、キュア炉16内における基材2の少なくとも有機溶剤の反対側の表面の温度をガラス転移点よりも低温に保持する。
例えば、基材2の有機溶剤と反対の表面を保持するキュア炉16内の2本のローラ17を、熱媒を介して例えば200℃程度に保持することによって、基材2をガラス転移点よりも低温に保持するようにしてもよい。
そのようにすれば、金属製の基材2を用いる場合において、基材2の温度が高すぎることによる基材2の酸化を有効に防止することができる。
次に、本発明の実施例について、表1を参照して説明する。
なお、本実施例においては、複合材料シート1として実施例1乃至4および比較例1および2の各試料を製造し、製造した各試料の品質を評価した。
各試料を製造するにあたり、基材2上に塗布する有機溶剤は、いずれも以下のように生成した。
すなわち、酸化合物として3,3’,4,4’・ビフェニルエーテルテトラカルボン酸ジ無水物と、ジアミン化合物として2,5・ジアミノトルエンおよび4,4’ジアミノ・3,3’ジヒドロキシビフェニルがモル比で4:6となる混合物とを、酸とアミンが等モルになるようにして、N−メチルピロリドン溶液に加える。続いて、系内に窒素を送り、脱水剤としてトルエンを加えた後、この溶液を攪拌しながら180℃の油浴に浸漬する。そして、約5時間攪拌した後、溶液の粘度が上昇し、水分離装置に反応で生成した水が流出したのを確認し、油浴から反応容器を遠ざけ、室温まで冷却する。
このようにして生成された有機溶剤中の樹脂固形成分は18重量%で、室温における粘度は1400ポアズであった。また、ガラス転移点は300℃であった。
次に、実施例1乃至4の各試料の製造方法について説明すると、まず、基材2として、銅箔(古河電工製 WS3:厚さ18μm)を用意し、この銅箔を、図1の装置を用いて原反ロール6から塗工装置11に順次繰り出す。そして、塗工装置11において、前記銅箔の一方の表面に、前述した有機溶剤をダイコートによって乾燥時の膜厚が25μmとなるようにコーティングした。
次いで、このような有機溶剤を塗布した基材2を、第1番目の乾燥炉13内において、100℃の温度下で乾燥し、第2番目の乾燥炉14内においては150℃の温度下で乾燥し、第3番目の乾燥炉15内においては180℃の温度下で乾燥した。このとき、キュア炉16内の酸素濃度を0.1体積%とし、基材2の搬送速度は1m/分とした。
次いで、基材2をキュア炉16内に搬送し、このキュア炉16内において、実施例1乃至4の各試料ごとに表1のように設定されたキュア温度に従って、有機溶剤を硬化した。
このような工程を経て形成された実施例1乃至4の各試料は、表1に示すようなカール量、外観を有したものとなった。なお、カール量は、試料を10×10cmに裁断した後、一辺を固定した状態で反り量を計量することによって測定した。
表1に示すように、実施例1乃至4のいずれの試料もカール量が十分に低減され、実用に適したものとなった。また、高温でのキュアにもかかわらず、銅箔の酸化は見られなかった。
<比較例1>
次に、比較例1の試料の製造に際しては、実施例で示した有機溶剤と同じ有機溶剤を、実施例と同じ銅箔上にダイコートによって乾燥時の膜厚が25μmとなるように塗布した。そして、このような有機溶剤を塗布した銅箔を、第1番目の乾燥炉13内においては、100℃の温度下で乾燥し、第2番目の乾燥炉16内においては、150℃の温度下で乾燥し、第3番目の乾燥炉15内においては、220℃の温度下で乾燥した。このときの基材2の搬送速度は、1m/分とした。なお、比較例1では、キュア炉16内におけるキュアは行わなかった。このときの有機溶剤中の残留溶媒の量は2.5%となった。
次に、比較例1の試料の製造に際しては、実施例で示した有機溶剤と同じ有機溶剤を、実施例と同じ銅箔上にダイコートによって乾燥時の膜厚が25μmとなるように塗布した。そして、このような有機溶剤を塗布した銅箔を、第1番目の乾燥炉13内においては、100℃の温度下で乾燥し、第2番目の乾燥炉16内においては、150℃の温度下で乾燥し、第3番目の乾燥炉15内においては、220℃の温度下で乾燥した。このときの基材2の搬送速度は、1m/分とした。なお、比較例1では、キュア炉16内におけるキュアは行わなかった。このときの有機溶剤中の残留溶媒の量は2.5%となった。
このようにして得られた比較例1の試料はカール量が大きくなり過ぎ、巻き取り装置7による巻き取りができなかった。また、ポリイミド樹脂の薄膜層3と銅箔との接着強度(ピール強度)は1.0kg/cmとなり、実施例1乃至4よりも低い値にとどまる結果となった。
<比較例2>
次に、比較例2の試料の製造に際しては、実施例で示した有機溶剤と同じ有機溶剤を、実施例と同じ銅箔上にダイコートによって乾燥時の膜厚が25μmとなるように塗布した。そして、このような有機溶剤を塗布した銅箔を、第1番目の乾燥炉13内においては、100℃の温度下で乾燥し、第2番目の乾燥炉14内においては、150℃の温度下で乾燥し、第3番目の乾燥炉15内においては、180℃の温度下で乾燥した。このときの基材2の搬送速度は、1m/分とした。
次に、比較例2の試料の製造に際しては、実施例で示した有機溶剤と同じ有機溶剤を、実施例と同じ銅箔上にダイコートによって乾燥時の膜厚が25μmとなるように塗布した。そして、このような有機溶剤を塗布した銅箔を、第1番目の乾燥炉13内においては、100℃の温度下で乾燥し、第2番目の乾燥炉14内においては、150℃の温度下で乾燥し、第3番目の乾燥炉15内においては、180℃の温度下で乾燥した。このときの基材2の搬送速度は、1m/分とした。
次いで、乾燥炉15を経た後、残留溶媒をさらに除去するために、酸素濃度が大気と同様とされたキュア炉16内において270℃の温度下で有機溶剤をさらに乾燥して硬化した。このときの有機溶剤中の残留溶媒の量は1%であった。
このようにして得られた比較例2の試料は、やはりカール量が大きくなり過ぎ、巻き取りを行うことができなかった。また、ポリイミド樹脂の薄膜層3と銅箔との接着強度は0.3kg/cmとなり、実施例1乃至4よりも低い値にとどまる結果となった。さらに、銅箔の表面は、酸化によって変色してしまった。
以上の結果からも分かるように、本発明の複合材料シートの製造方法を採用することによって、カール量が十分に低減された高品質の複合材料シートを一連の製造ラインによって効率的に製造することができる。
また、近年においては、携帯電話等の電子機器の薄型化にともなって、電子機器に使用されるフレキシブル配線基板のさらなる薄型化が求められるようになったが、本発明によれば、6μm程度の薄い銅箔を用いる場合においてもカールを有効に防止できる。このため、複合材料シートとしてより薄型でかつ高品質のフレキシブル配線基板を実現することができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、複合材料シートの製造装置の構成については、図1に示した構成に限らず、必要に応じて種々変更することができる。
1 複合材料シート
2 基材
3 薄膜層
2 基材
3 薄膜層
Claims (5)
- 基材上に有機溶剤を塗布した後、この基材上の有機溶剤を所定の雰囲気温度下で乾燥して硬化することによって、前記基材上に前記有機溶剤を硬化してなる樹脂の薄膜層を備えた複合材料シートを製造する複合材料シートの製造方法において、
前記有機溶剤を、前記樹脂のガラス転移点以上の温度下で硬化させることを特徴とする複合材料シートの製造方法。 - 前記有機溶剤の表面に不活性ガスを吹き付けながら前記有機溶剤を硬化させることを特徴とする請求項1に記載の複合材料シートの製造方法。
- 前記基材の少なくとも前記有機溶剤と反対側の表面の温度を、前記ガラス転移点よりも低い温度に保持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合材料シートの製造方法。
- 前記有機溶剤を350℃以上の温度下で硬化させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の複合材料シートの製造方法。
- 0.5体積%以下の酸素濃度下で前記有機溶剤を硬化させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の複合材料シートの製造方法。
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