JPWO2015151924A1 - 酸二無水物およびその利用 - Google Patents

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Abstract

式(1−1)で表される酸二無水物を酸成分に用いて作製されたポリイミドは、低線膨張係数および高ガラス転移温度を有するとともに、適度な透明性、低誘電率および十分な靭性をも併せ持つ。(式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表す。)

Description

本発明は、酸二無水物およびその利用に関する。
ポリイミドは優れた耐熱性のみならず、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁信頼性、優れた機械的性質などの特性を併せ持つことから、近年、電子機器における耐熱絶縁材料等として、その重要性が益々高まっている。
具体的には、上記のような特性を有するポリイミドは、フレキシブルプリント配線用基材、テープオートメーションボンディング回路基材、チップオンフィルム回路基材、光導波路材料、半導体素子の保護膜、多層回路における層間絶縁膜等、様々な用途に現在広く利用されている。
一般的にポリイミドは、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを、溶媒中、触媒を用いずに等モル重付加反応させてポリアミック酸とし、得られたポリアミック酸溶液(ワニス)を塗布・硬化させて製造される。
このように、ポリイミドは、触媒を用いずに製造できるうえ、脱離生成物が水であるため、膜純度がきわめて高いという特徴も有している。
代表的なポリイミドとして、ピロメリット酸無水物(PMDA)と4,4’−ジオキシアニリン(ODA)から製造されるポリイミド(カプトン:商品名)が挙げられる。このような芳香族ポリイミドは、一般的に400℃以上の高耐熱性を有するが、線膨張係数は30ppm/℃以上と比較的高い。
この問題を解決し得るポリイミドとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンから得られる脂環構造を有するポリイミドが挙げられる。
このポリイミドは、トリフルオロメチル基を含有するため非常に低い誘電率(2.66)を示すとともに、比較的直線性の高い剛直な主鎖骨格を有するため、低線膨張係数(21ppm/K)および高ガラス転移温度(356℃)を同時に満たすという性質を有する(非特許文献1)。
しかし、このような脂環構造を有するポリイミドは、全芳香族ポリイミドに比べ、半導体チップ製造時のプラズマ処理工程等に対する化学的安定性に著しく劣り、アウトガスを発生し易いといった問題点が指摘されており、低線膨張係数および高耐熱性を有する新たなポリイミド材料が求められている。
ハイパフォーマンスポリマーズ(High Performance Polymers),15巻,2003年,p.47−64
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低線膨張係数および高ガラス転移温度を有するとともに適度な透明性、低誘電率および十分な靭性をも併せ持つポリイミドを与え得る酸二無水物化合物、並びにそれを用いたポリアミック酸およびポリイミドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ベンジリデンシクロヘキサノン等のベンジリデンシクロアルカノン骨格を中心に有する所定の酸二無水物化合物をポリイミド合成のテトラカルボン酸成分として用いることで、低線膨張係数および高ガラス転移温度を有するとともに適度な透明性および十分な靭性をも併せ持つポリイミドが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1. 式(1−1)で表されることを特徴とする酸二無水物、
Figure 2015151924
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表す。)
Figure 2015151924
2. 式(1−2)で表される1の酸二無水物、
Figure 2015151924
(式中、R1、R2およびCyは、前記と同じ意味を表す。)
3. 前記Cyが、式(C3)で表される1または2の酸二無水物、
4. 式(2−1)で表されることを特徴とするポリアミック酸、
Figure 2015151924
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表し、Aは2価の芳香族基を表し、n1は、繰り返し単位数で、2以上の整数を表す。)
Figure 2015151924
5. 式(2−2)または(2−3)で表される3のポリアミック酸、
Figure 2015151924
(式中、R1、R2、CyおよびAは、前記と同じ意味を表し、n2およびn3は、繰り返し単位数で、互いに独立して2以上の整数を表す。)
6. 式(2−1′)で表される繰り返し単位を10モル%以上含むことを特徴とするポリアミック酸、
Figure 2015151924
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表し、Aは2価の芳香族基を表す。)
Figure 2015151924
7. 前記Cyが、式(C3)で表される4〜6のいずれかのポリアミック酸、
8. 式(3−1)で表されることを特徴とするポリイミド、
Figure 2015151924
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表し、Aは2価の芳香族基を表し、n4は、繰り返し単位数で、2以上の整数を表す。)
Figure 2015151924
9. 式(3−2)で表される5のポリイミド、
Figure 2015151924
(式中、R1、R2、CyおよびAは、前記と同じ意味を表し、n5は、繰り返し単位数で、2以上の整数を表す。)
10. 式(3−1′)で表される繰り返し単位を10モル%以上含むことを特徴とするポリイミド、
Figure 2015151924
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表し、Aは2価の芳香族基を表す。)
Figure 2015151924
11. 前記Cyが、式(C3)で表される8〜10のいずれかのポリイミド、
12. 4〜7のいずれかのポリアミック酸と、有機溶媒とを含む薄膜形成用組成物、
13. 8〜11のいずれかのポリイミドを含む薄膜
を提供する。
本発明の酸二無水物は、その中心にベンジリデンシクロアルカノン骨格を有しているため、これを用いて得られたポリイミドは、直線性を有する比較的剛直な主鎖骨格を有する。したがって、本発明のポリイミドは、低線膨張係数および高ガラス転移温度を有するとともに適度な透明性、低誘電率および十分な靭性をも併せ持つ。
このような特性を有するポリイミドを含む薄膜(フィルム)は、TFT基板、フレキシブルディスプレイ基板、太陽電池等の電子デバイス材料に好適に用いることができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る酸二無水物は、式(1−1)で表される。
Figure 2015151924
ここで、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表す。
炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等の炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の炭素数3〜5の環状アルキル基などが挙げられるが、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
また、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの2価のシクロアルカノン基を表すが、(C1)〜(C3)で表されるいずれかの2価のシクロアルカノン基が好ましい。
Figure 2015151924
特に、得られるポリイミドの線膨張係数をより低下させるとともに、ガラス転移点をより高めることを考慮すると、式(1−2)で表される酸二無水物がより好ましく、中でも式(1−2)において、特に、Cyが上記式(C3)、かつ、R1およびR2がメチル基の下記式(2)で示される酸二無水物がより一層好ましい。
Figure 2015151924
(式中、R1、R2およびCyは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2015151924
本発明の酸二無水物は、例えば、下記スキームで示されるように、有機溶媒中、シクロヘキサノン等のシクロアルカノンと、バニリン等の3−アルコキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させて得られたフェノール性水酸基を有する中間体と、無水トリメリット酸クロリド等の1,2,3−または1,2,4−ベンゼントリカルボン酸1,2−無水物のハロゲン化物を反応させて得ることができる。
Figure 2015151924
(式中、kは1〜5の整数を表し、R1およびR2は上記と同じ意味を表す。)
第1段階の反応において、シクロアルカノンと3−アルコキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドとの反応仕込み比は、シクロアルカノン1モルに対し、ベンズアルデヒド2〜4モルが好ましい。
酸触媒としては、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が好適に用いられる。
有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという)、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという)等のアミド類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類などを用いることができるが、副生物である水を共沸除去して反応促進させる場合には、芳香族炭化水素類等の共沸組成において水の割合が高い溶媒が好ましい。これらの溶媒は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応温度は、0〜200℃程度とすることができるが、20〜150℃が好ましい。
上述のとおり、反応中は、副生した水を共沸等により除去して反応の進行を促進させることが好ましい。
反応後は、溶媒を留去し、粗生成物のまま、あるいは精製して次工程に用いる。精製法は任意であり、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等公知の手法から適宜選択すればよい。
第2段階の反応において、中間体化合物と無水トリメリット酸ハロゲン化物との反応仕込み比は、中間体化合物1モルに対し、酸ハロゲン化物2〜5モルが好ましく、2〜3モルが好ましく、2〜2.2モルがより好ましい。
この反応は、有機溶媒中で行ってもよく、使用可能な有機溶媒としては上記と同様のものが挙げられる。
また、反応で副生する塩酸等の酸を中和するために、塩基または酸吸収剤を用いてもよい。塩基としては、特に限定されるものではなく、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム等の無機塩基類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等の有機アミン類が挙げられる。酸吸収剤としては、プロピレンオキシド等のエポキシド類が挙げられる。塩基または酸吸収剤の使用量は、中間体化合物1モルに対して2モル以上であれば特に限定されるものではないが、通常2〜10モル程度である。
反応温度は、0〜100℃程度とすることができるが、10〜50℃が好ましい。
反応後は、溶媒を留去後、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等公知の手法を用いて精製し、目的物を得ることができる。
以上説明した本発明の酸二無水物は、ジアミンとの重縮合反応によりポリアミック酸とした後、熱または触媒を用いた脱水閉環反応により対応するポリイミドとすることができる。
本発明で得られるポリイミドは、シクロアルカノン環構造を有しているため、従来の脂環式ポリイミドと同様、比較的高い耐熱性、良好な透明性および絶縁性を有する。
ジアミンとしては、特に限定されるものではなく、従来ポリイミド合成に用いられている芳香族ジアミンおよび脂肪族ジアミンを用いることができるが、本発明では、芳香族ジアミンを用いることが好ましい。
芳香族ジアミンの炭素数は特に限定されるものではないが、得られるポリアミック酸の溶媒への溶解性を確保する観点から、好ましくは6〜30、より好ましくは6〜20、より一層好ましくは6〜14である。
また、脂肪族ジアミンの炭素数も特に限定されるものではないが、ジアミンの取扱の容易性、得られる薄膜の耐熱性等の観点から、その下限値は、好ましくは3以上であり、その上限値は、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、より一層好ましくは12以下である。
芳香族ジアミンの具体例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、3,5−ジアミノ−1,6−ジメトキシベンゼン、3,5−ジアミノ−1,6−ジメトキシトルエン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−メチルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−エイコシルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ドデシルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−シアノベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−クロロベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−メトキシベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−ビニルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−アリルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−カルボキシベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−シクロプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−シクロヘキシルベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−メチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−エイコシルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ドデシルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−シアノベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−メトキシベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−ビニルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−アリルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−カルボキシベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−シクロプロピルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−シクロヘキシルベンゼン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンの具体例としては、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、ビス(4−アミノシクロヘキシル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)エーテル、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルフィド、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)スルフィド、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)スルホン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)ジメチルシラン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)ジメチルシラン等の脂環式ジアミン;テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂鎖式ジアミン等が挙げられる。
なお、上記各ジアミンは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明のポリアミック酸(ポリイミド)製造に使用されるテトラカルボン酸成分の全モル数のうち、少なくとも10mol%は上記式(1−1)等で表される本発明の酸二無水物であることが好ましく、本発明の目的である低線膨張係数および高ガラス転移温度等の特性を有するポリイミドを効率的に得るためには、酸二無水物のうち、50mol%以上が本発明の酸二無水物であることが好ましく、70mol%以上が本発明の酸二無水物であることがより好ましく、90mol%以上が本発明の酸二無水物であることがより一層好ましく、全てが本発明の酸二無水物であることが最適である。
芳香族ジアミン由来の2価の芳香族基をAとすると、テトラカルボン酸成分として本発明の酸二無水物のみを用いた場合、ポリアミック酸は式(2−1)で表され、上述した酸二無水物の製造時に酸ハロゲン化物として無水トリメリット酸ハロゲン化物を用いたポリアミック酸は式(2−2)および/または式(2−3)で表される。
Figure 2015151924
(式中、R1、R2およびCyは、上記と同じ意味を表し、n1は、繰り返し単位数で、2以上の整数を表す。)
Figure 2015151924
(式中、R1、R2、CyおよびAは、上記と同じ意味を表し、n2およびn3は、繰り返し単位数で、互いに独立して2以上の整数を表す。)
なお、本発明の酸二無水物とともに用いられるその他のテトラカルボン酸成分の具体例としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸などの脂環式テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物;ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジンなどの芳香族テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
なお、これらのテトラカルボン酸およびその誘導体は、1種単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい
本発明のポリアミック酸を得る方法は特に限定されるものではなく、本発明の酸二無水物を含むテトラカルボン酸成分とジアミンとを公知の手法によって反応、重合させればよい。
ポリアミック酸を合成する際のテトラカルボン酸成分のモル数と全ジアミンのモル数との比は、テトラカルボン酸成分/ジアミン化合物=0.8〜1.2であることが好ましい。
ポリアミック酸合成に用いられる溶媒としては、例えば、m−クレゾール、NMP、DMF、DMAc、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリアミック酸を溶解しない溶媒であっても、均一な溶液が得られる範囲内で上記溶媒に加えて使用してもよい。
重縮合反応の温度は、−20〜150℃、好ましくは−5〜100℃の任意の温度を選択することができる。
本発明のポリイミドは、以上のようにして合成したポリアミック酸を、加熱により脱水閉環(熱イミド化)、または公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環して得ることができる。
加熱による方法は、100〜300℃、好ましくは120〜250℃の任意の温度で行うことができる。
化学的に閉環する方法は、例えば、ピリジンやトリエチルアミンなどと、無水酢酸などとの存在下で行うことができ、この際の温度は、−20〜200℃の任意の温度を選択することができる。
この場合、上記式(2−1)で表されるポリアミック酸から得られるポリイミドは式(3−1)で表され、上記式(2−2)および/または(2−3)で表されるポリアミック酸から得られるポリイミドは式(3−2)で表される。
Figure 2015151924
(式中、R1、R2、CyおよびAは、上記と同じ意味を表し、n4は、繰り返し単位数で、2以上の整数を表す。)
Figure 2015151924
(式中、R1、R2、CyおよびAは、上記と同じ意味を表し、n5は、繰り返し単位数で、2以上の整数を表す。)
上述したポリアミック酸の閉環反応により得られたポリイミド溶液は、そのまま使用することもでき、また、メタノール、エタノールなどの貧溶媒を加えてポリイミドを沈殿させ、これを単離してポリイミド粉末として、あるいはそのポリイミド粉末を適当な溶媒に再溶解させて使用することができる。
再溶解用溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m−クレゾール、2−ピロリドン、NMP、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、DMAc、DMF、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
また、単独ではポリイミドを溶解しない溶媒であっても、溶解性を損なわない範囲であれば上記溶媒に加えて使用することができる。その具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどが挙げられる。
本発明において、ポリイミド(ポリアミック酸)の数平均分子量は、フィルムにした場合の柔軟性などを考慮すると、少なくとも5000が好ましく、6000〜100000がより好ましい。
このため、上記各式におけるn1〜n5は2以上の整数であるが、ポリイミド(ポリアミック酸)の数平均分子量が5000以上となる整数が好ましく、具体的には、8〜180、特に10〜100が好適である。
以上のようにして調製したポリアミック酸(ポリイミド前駆体)溶液は薄膜形成用組成物として好適に用いることができる。
すなわち、当該組成物を基板に塗布し、加熱により溶媒を蒸発させながら脱水閉環させることで、本発明のポリイミドを含む薄膜を得ることができる。この際、加熱温度は、通常100〜500℃程度であり、例えば、100〜150℃の範囲、180〜350℃の範囲、450〜480℃の範囲で段階的に加熱してもよい。
なお、ポリイミド溶液または分散液を基板に塗布し、加熱により溶媒を蒸発させ、本発明のポリイミドを含む薄膜を製造することもできる。
また、ポリイミド膜と基板との密着性を更に向上させる目的で、ポリアミック酸溶液やポリイミド溶液に、カップリング剤等の添加剤を加えてもよい。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で使用した装置等は以下のとおりである。
[モノマー構造の同定]
モノマーの構造は、1H−NMR{機種:JNM−ECP300 (JEOL製)(300MHz) 測定溶媒:d6−DMSO}で行った。
[純度決定]
純度は、液体クロマトグフラフィー(以下、LC)を用いて決定した。なお、LCの代表的な条件を下記に示す。
LC条件例:
・Column:Capcellpak C18 AQ 4.6*100mm 3μm
・Oven Temp:40℃
・Eluent:CH3CN,H2
CH3CN=10%(10min.)→(30min.)→90%(15min.)
・Flow rate:1.0mL/min.
・Detector:UV254nm
[線膨張係数の測定]
得られたフィルムから、20mm×5mmの短冊を作製し、TMA−4000SA(ブルカー・エイエックスエス(株)製)を用いて、50℃から250℃までの線膨張係数を測定した。
[1]酸二無水物の合成
[合成例1](2E,6E)−2,6−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)シクロヘキサノン(式(1))の合成
Figure 2015151924
乾燥窒素置換した2Lセパラブルフラスコに、バニリン(東京化成工業(株)製)472g、シクロヘキサノン(東京化成工業(株)製)168gおよびトルエン300mLを加えて撹拌し、そこにp−トルエンスルホン酸(東京化成工業(株)製)120mgを加えた。
ディーンスターク共沸脱水装置を設置し、溶液を内温114℃に加熱して3時間共沸脱水させた。水分はトラップ内に30mLほど回収された。HPLCにより反応転化を確認すると、原料のバニリン(13.57min)が減少し、目的生成物(25.83min)が増加していることが確認できた。反応液からトルエンをさらに200mL留去し、70℃に冷却してから酢酸エチル1Lを加え再度加熱還流させたところ、黄色結晶の析出が見られた。その後30℃に冷却し、析出物を減圧ろ過後、酢酸エチルで洗浄し、減圧乾燥した。得られた黄緑色結晶を、エタノール200mLおよび酢酸エチル1000mLの混合溶液中で加熱洗浄し、室温まで冷却後、減圧ろ過し、得られたろ物を乾燥し、黄緑色結晶の(2E,6E)−2,6−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)シクロヘキサノン151gを得た。HPLC分析を行い、ほぼ純粋な目的物であることを確認した。
1H−NMR(300MHz;d6−DMSO):δ7.8(m,2H)、7.0−7.5(m,6H)、5.8(s,2H)、4.0(s,6H)、2.9(m,4H)、1.8(m,2H).
[合成例2](2E,6E)−2,6−ビス(4−(オキシカルボニル−3,4−ジカルボキシフェニル)−3−メトキシベンジリデン)シクロヘキサノン二無水物(式(2))の合成
Figure 2015151924
乾燥窒素置換させた3Lセパラブルフラスコに、合成例1で得られた(2E,6E)−2,6−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)シクロヘキサノン151g、およびアセトニトリル1Lを入れて5℃で撹拌懸濁し、そこに別途調製した無水トリメリット酸クロリド(東京化成工業(株)製)207g、ピリジン78gおよびアセトニトリル1Lの溶液をゆっくり滴下して加えた。滴下中、発熱したため氷冷して温度上昇を抑えた。
2時間後、一部サンプリングしてHPLCにより反応転化を確認すると、原料(25.83min)が消失していることが確認された。その後、反応液から溶媒を50℃で減圧留去し、酢酸1Lを加えて50℃で1時間撹拌した。減圧濾過により液から固体を回収し、酢酸1Lで固体を洗浄した。回収した固体を無水酢酸300mLとトルエン700mL内で懸濁させ、135℃に加熱撹拌した。4時間後、室温まで冷却して生じた析出物を減圧ろ過した。ろ物をトルエンで洗浄後、減圧乾燥し、黄色結晶として(2E,6E)−2,6−ビス(4−(オキシカルボニル−3,4−ジカルボキシフェニル)−3−メトキシベンジリデン)シクロヘキサノン二無水物258gを得た。HPLC分析を行い、ほぼ純粋な目的物であることを確認した。
1H−NMR(300MHz;d6−DMSO):δ8.3−8.6(m,6H)、5.2−5.7(m,8H)、3.8(s,6H)、3.0(s,4H)、1.8(m,2H).
[2]ポリアミック酸の製造、イミド化およびポリイミドフィルムの特性評価
[実施例1]式(2)/p−フェニレンジアミン
よく乾燥した撹拌基付密閉反応容器中に、p−フェニレンジアミン(以下、PDA、東京化成工業(株)製)0.49g(0.005モル)およびNMP26.4gを加えて撹拌した。
この溶液に、合成例2で得られた式(2)で表される酸二無水物3.12g(0.004mmol)を粉末状で加え、室温で24時間撹拌し、均一で粘稠なポリアミック酸を含む溶液を得た。得られたポリマーのMwは38300、分子量分布は2.49であった。
続いて、得られた溶液をガラス基板上にバーコーターを用いて厚さ250μmで塗布し、120℃10分、300℃30分、400℃1時間で硬化させ、膜厚30μmのフィルムを得た。得られたフィルムは自己支持性を示した。このフィルムの線膨張係数を測定したところ、17ppm/℃であった。これは、一般的なポリイミドと比較して、非常に低い値である。
[比較例1]ピロメリット酸無水物/p−フェニレンジアミン
PDA8.23g(0.031モル)をNMP85gに溶解させ、ピロメリット酸無水物(東京化成工業(株)製)6.76g(0.031モル)を添加した後、窒素雰囲気下23℃、24時間反応させてポリアミック酸を含む溶液を得た。得られたポリマーのMwは45000、分子量分布は10.6であった。
続いて、得られた溶液をガラス基板上にバーコーターを用いて、実施例1と同様の条件で膜厚20μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、自己支持性を示さなかった。なお、このポリイミドの線膨張係数は一般的に30〜100ppm/℃である。

Claims (13)

  1. 式(1−1)で表されることを特徴とする酸二無水物。
    Figure 2015151924
    (式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表す。)
    Figure 2015151924
  2. 式(1−2)で表される請求項1記載の酸二無水物。
    Figure 2015151924
    (式中、R1、R2およびCyは、前記と同じ意味を表す。)
  3. 前記Cyが、式(C3)で表される請求項1または2記載の酸二無水物。
  4. 式(2−1)で表されることを特徴とするポリアミック酸。
    Figure 2015151924
    (式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表し、Aは2価の芳香族基を表し、n1は、繰り返し単位数で、2以上の整数を表す。)
    Figure 2015151924
  5. 式(2−2)または(2−3)で表される請求項3記載のポリアミック酸。
    Figure 2015151924
    (式中、R1、R2、CyおよびAは、前記と同じ意味を表し、n2およびn3は、繰り返し単位数で、互いに独立して2以上の整数を表す。)
  6. 式(2−1′)で表される繰り返し単位を10モル%以上含むことを特徴とするポリアミック酸。
    Figure 2015151924
    (式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表し、Aは2価の芳香族基を表す。)
    Figure 2015151924
  7. 前記Cyが、式(C3)で表される請求項4〜6のいずれか1項記載のポリアミック酸。
  8. 式(3−1)で表されることを特徴とするポリイミド。
    Figure 2015151924
    (式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表し、Aは2価の芳香族基を表し、n4は、繰り返し単位数で、2以上の整数を表す。)
    Figure 2015151924
  9. 式(3−2)で表される請求項5記載のポリイミド。
    Figure 2015151924
    (式中、R1、R2、CyおよびAは、前記と同じ意味を表し、n5は、繰り返し単位数で、2以上の整数を表す。)
  10. 式(3−1′)で表される繰り返し単位を10モル%以上含むことを特徴とするポリイミド。
    Figure 2015151924
    (式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Cyは、式(C1)〜(C5)で表されるいずれかの基を表し、Aは2価の芳香族基を表す。)
    Figure 2015151924
  11. 前記Cyが、式(C3)で表される請求項8〜10のいずれか1項記載のポリイミド。
  12. 請求項4〜7のいずれか1項記載のポリアミック酸と、有機溶媒とを含む薄膜形成用組成物。
  13. 請求項8〜11のいずれか1項記載のポリイミドを含む薄膜。
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