明 細 書 ポリアミ ック酸およびポリイミ ド 技術分野
本発明は、 新規な脂環式テトラカルボン酸二無水物から得られ る新規なポリアミ ック酸およびそれから得られる新規なポリイミ ドに関する。 背景技術
ポリイミ ドはその特徴である優れた機械的強度、 耐熱性、 絶縁 性、 耐溶剤性を利用して各種工業部品の素材原料として使用され るほか、反応性を利用してエポキシ樹脂の硬化剤として使用され、 さらに、 近年では、 液晶表示素子、 半導体における保護材料、 絶 縁材料などの電子材料、 光導波路用材料等の光通信用材钭、 液晶 配向膜として使用されている。
しかし、 代表的な全芳香族ポリイミ ド (例えば、 ピロ リ ッ ト 酸と 4 4 ' ージアミ ノ ジフエ二ルェ一テルとの開環重付加反応 からなるポリイミ ド等) は、 濃い琥珀色であるため、 高い透明性 を要求される用途においては問題が生じてくる。
また、 主鎖に芳香族環が連続して存在するために紫外線領域の 光に対する吸収が大きく、 光機能部材に使用するときに問題とな ることがある。
また、全芳香族ポリイミ ドは有機溶剤に極めて不溶であ るため、 実際にはその前駆体であるポリ アミ ック酸を特定有機溶剤に溶解 させ、 これを加熱して脱水イミ ド閉環反応させる場合がある。 し
かし、 例えば、 Ϊ恢晶表示装置におけるポリイ ミ ド製膜とカラーフ ィルターの関係に見られるよう に 、 この工程に必要とされる温度 と時間によつては、 当該ポリイ ミ ドと併用される他部材の機能に 亜影響を与える こ とがある。 上記問題の解決手段として、 テ ト ラカルボン酸二無水物モノマ 一として脂環式テ トラカルボン酸二無水物を用いてポリ アミ ック 酸を製造し、 つづいて脱水イ ミ ド閉環反応して着色性の小さいポ
Uイ ミ ドを製造する ことが提案されている。
しかしながら、 これら技術において提案されてきた脂環式テト ラ力ルポン酸二無水物モノマーは 、 ディ ールス · アルダー反応の 後にさ らに、 一般に収率に問題のあるェン反応を必要とする化合 物 (例えば、 特許文献 1〜 2 を参照。)、 あるいは、 よ り複雑な構 造のために容易に得る ことが困難な化合物である (例えば、 特許 文献 3〜 5 を参照。) したがって、 これらの提案は、 コス トの面で 問題がある とに加え、 不純物が混入する危険が潜在する と考え ら る。 また 、 当該テ ト ラカルボン酸ニ無水物は比較的低融点を 有する化合物であ り、 得られるポリイ ミ ドには十分な耐熱性が得 られない。 なお、 1 モルの 1 , 1 —ジフエニルエチレンと 2モル の無水マレイ ン酸から得られる ト リ シクロ環構造のテ トラ力ルポ ン酸ニ無水物モノマ一も提案されているが、 ディ ールス · アルダ 一反応で形成された 1位の炭素 · 炭素不飽和結合部が高温で逆デ ィ 一ルス · アルダー反応して分解する ことがある。 (例えば、 特許 文献 1〜 6、 非特許文献 1 を参照。)
[特許文献 1 ] 特開平 9 一 7 1 6 5 0号公報
[特許文献 2 ] 特開平 2 0 0 2 — 3 3 8 6 8 6号公報
[特許文献 3 ] 特開平 6 — 1 3 6 1 2 0号公報
[特許文献 4 ] 特開 2 0 0 1 - 4 8 8 7 4号公報
[特許文献 5 ] 特開 2 0 0 3 — 9 6 0 7 0号公報
[特許文献 6 ] 特開平 9 _ 2 1 1 4 6 ·7号公報
[非特許文献 1 ] W.N.Emmerling et al 、 European Polymer Journal, Vol.13, pl79-184
この問題を解決するためには、 テ トラカルボン酸二無水物をポ リイ ミ ドのモノマーとして使用した場合の特性である紫外線低吸 収性、 有機溶剤への溶解性に加えて、 高い融点を有し、 製造工程 で容易に高収率で得ることができ、 かつ精製が容易であり高純度 の製品が得られ、 さ らにポリ アミ ック酸およびポリイ ミ ドの構成 モノマーとして適当な反応性を有するテ トラカルボン酸二無水物 を見出すことが必要である。 発明の開示
本発明の第 1 は、 下記一般式 ( 1 ) および ( 2 ) で表されるテ トラカルボン酸二無水物の少なく とも一つと下記一般式 ( 3 ) で 表されるジァミ ンとを反応させて得られるポリ アミ ック酸に関す るものである。
[化 5 ]
-般式 (1)
[化 6 ]
一般式 (2)
一般式 ( 1 )、 ( 2 ) において、 R 1 は水素
1 〜 1 0 のアルキル基、 R 2は灰素数 1 〜 1 0 のアルキル基を表 す。 m、 nは互いに独立の 0 〜 5 までの任意
nが複数の場合、 複数の R 2は互いに同じで
ても良い
般式 (3) 丽― R3— NH2 般式 ( 3 ) において、 R 3は 2価の有機基を表す。 本発明の第 2は、 本発明の第 1の一般式 ( 1 ) および ( 2 ) で 表されるテ トラカルボン酸二無水物の少なく とも一つおよび下記 一般式 (4) で表されるテトラカルボン酸二無水物と下記一般式 ( 3 ) で表されるジァミ ンとを反応させて得られるポリアミ ック 酸に関するものである。
[化 8 ]
一般式 ( 4) において、 R 1は水素原子、 または炭素数 1〜 1 0のアルキル基、 R 2は炭素数 1〜 1 0のアルキル基を表す。 m、 nは互いに独立の 0〜 5までの任意の整数であり、 m + nが複数 の場合、複数の R 2は互いに同じでも、 または、 異なっても良い。
本発明の第 3 は、 本発明の第 1 または第 2 におけるポリ アミ ツ ク酸を脱水閉環して得られるポリイ ミ ドに関するものである。 本発明は、 高純度で 守られる特定の構造を有する新規な脂環式
— * ^fnH
テ ト ラカリレボン酸 水物をモノ ―として用いて、 紫外線領域 に吸収がなく、 光透過性が高く 更に有機溶媒に対する溶解性に 優れたポリ アミ ヅク酸およぴポ Uィ ドを得る ことができる。 有 機溶媒に対する溶解性に優れるのでスピンコー ト等による製膜加 ェが容易であり 特に液晶表示衣置に使用される液晶配向膜への 成形性に優れるポリィ ^ ドを得る とができる。 また、 金属ゃェ ポキシ樹脂との接着性に優れ、各種フ レキシブル回路基板( TAB COF等を含む。) に使用できるポリイ ミ ドを得る ことができる。 一般式 ( 1 ) または ( 2 ) を必須成分として含むテ 卜ラ力ルポ ン酸ニ無水物と 般式 ( 3 ) で表されるンァミ ンを反応させて得 られるポリ アミ ク酸を脱水閉環して得られるポリイミ ドは、 そ の構成材料として含有される一般式 ( 1 )、 ( 2 ) で表される脂環 式テ ト ラ力ルポン酸二無水物の構造に由来して 以下の優れた特 性を有する。
( 1 ) 脂環式テ 卜ラカルボン酸二 水物中の主鎖を構成する部分 は ト リ シクロ環構造であるため、 ポ ィ ドの耐熱性を大きく低 下させる ことがない。
( 2 ) 脂環式テ トラカルボン酸二無水物の構造が非対称であ り、 さ らに、芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含むため、 ポリイ ミ ド分子に屈曲性が付与され、 光透過性が高い。
( 3 ) 脂環式テ トラカルボン酸二無水物が非対称構造であり、 さ ら に、 芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含むため、 ポリ イミ ド分子に屈曲性が付与され、 塗膜成形体の靭性が高い。
( 4 ) 脂環式テ トラカルボン酸二無水物が温和で副反応の無い経路 で生成されるため、 ポリイミ ド中の不純物濃度が低い。 ·
( 5 ) ディールス · アルダー反応で生成した炭素 · 炭素二重結合部 が水素添加されているため高温環境したでの逆ディールス · アルダ 一反応による分解が抑制される。 図面の簡単な説明
図 1 は、 テトラカルボン酸二無水物を生成する反応経路図。
図 2は、 実施例に係るテ ト ラカルボン酸二無水物を生成する反応経 路図。
図 3は、 ポリアミ ック酸の I Rスぺク トル図。
図 4は、 ポリイ ミ ドの I Rスペク トル図。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明について詳細に説明する。 - 本発明のポリ アミ ック酸およびポリイミ ドは、 一般式 ( 1 )、 ( 2 ) で表されるテ ト ラカルボン酸二無水物の少なく とも一つと一般式 ( 3 ) で表されるジァミ ンから得られる。 または、 本発明のポリ ア ミ ック酸およびポリイ ミ ドは、 一般式 ( 1 ) および ( 2 ) で表され るテ トラカルボン酸二無水物の少なく とも一つおよび一般式 ( 4 ) で表されるテ トラカルボン酸二無水物と一般式 ( 3 ) で表されるジ ァミ ンとから得られる。 一般式 ( 1 )、 ( 2 ) で表されるテ トラカル ボン酸二無水物は、 一般式 ( 5 ) で表される化合物 1 モルと一般式
( 6 ) で表される化合物 2モルとを反応させて得られる一般式 ( 4 ) で表されるテ トラカルボン酸二無水物を水素添加する ことによって 得られる。 (非特許文献 1 を参照。)
一般式 ( 5 )、 ( 6 ) において、 R 1 は水素原子または炭素数 1 〜 1 0のアルキル基、 R 2は炭素数 1 〜 1 0のアルキル基を表す。 m 、 nは互いに独立の 0 〜 5 までの任意の敕 &であり 、 m + nが 複数の場合 、 複数の R 2は互いに同じでも 、 または、 異なつても 良い □ 般式 ( 5 ) で表される化合物の具体例としては、 1 , 1 - ン フェ ルェチレン、 1 , 1 ージ (メチルフ 二ル) ェチレン 、 1 -フェニル - 1 ーメチルフエニルェチレン 、 1 , 1 ジフエニル プ Dぺン、 1 , 1 -ジ (メチルフエニル) プ口ペン、 1 フ X二 ル ― 1 メチルフエ二ルプロペン等が挙げられる
式 ( 6 ) で示される化合物の具体例としては、 無水マレイ
ン酸、 無水シトラコン酸 ( 3 —メチル無水マレイン酸)、 3 —ェチ ル無水マレイ ン酸、 3 , 4—ジメチル無水マレイン酸、 3 —クロ ル無水マレイ ン酸、 3 , 4—ジメチル無水マレイ ン酸、 等が挙げ られる。 一般式 ( 5 ) の化合物 1 モルと、 一般式 ( 6 ) の化合物 2モル とは、 図 1 に示す経路で反応して、 一般式 ( 4 ) のテトラ力ルポ ン酸ニ無水物を生成するものと考えられる。 反応の進行には、 特 に触媒を必要とせず、 適宜、 溶剤を使用して、 両者を混合して加 熱攪拌して得ることができる。 反応温度は、 溶媒を使用した場合 は当該溶媒の沸点付近で行うのが一般的であるが、 5 0 2 0 0 ^間で行う ことができる。 より好ましくは、 6 0 1 5 0 °Cで ある。 反応時間は反応温度との関係から定まるが、 通常 0 . 1 2 0時間の範囲が好ましい。 以下、 反応経路を図 1 にしたがって説明する。
一般式 ( 5 ) と一般式 ( 6 ) の化合物とは、 炭素 · 炭素二重結 合の電子密度差を誘因として電荷移動錯体を形成する。
したがって、 一般式 ( 5 ) および一般式 ( 6 ) それぞれの化合 物に存在する置換基が、 両者の炭素 · 炭素二重結合の電子密度差 を減少させないようにすることが好ましい。すなわち、一般式( 5 ) の化合物の芳香族環以外の灰系に電子吸引性の強い置換基を存在 させすることは好ましくな 一般式 ( 6 ) の化合物の炭素に電 子供与性の強い置換基を存在させることは好ましくない。さ らに、 立体障害効果を有する置換基の存在も好ましくない。
したがって、 一般式 ( 5 ) 中の R 1 および一般式 ( 6 ) 中の R 1 の少なく とも 1 つが水素原子である ことが好ましい。 また、 R 1および R 2 は、 それぞれがアルキル基である場合、 炭素数 1 0 以下である こ とが好ましく 、 炭素数 5以下がさ らに好ましく 、 特 にメチル基、 プロ ピル基が好ましい。
さ らに、 一般式 ( 5 ) の化合物については、 m+ n≤ 4 とする ことが好ましく 、 特に、 m+ n≤ 2が好ましい。 よって、 最も好 ましい一般式 ( 5 ) で表される化合物は 1, 1 ージフエ二ルェチ レンであ り、 最も好ましい一般式 ( 6 ) で表される化合物は無水 マレイ ン酸である。 一般式 ( 5 ) と一般式 ( 6 ) とから形成される電荷移動錯体は、 分子内環化反応によ り六員環 (シクロへキサジェン環) となり、 当該六員環化合物内のシクロへキサジェン部と原料化合物一般式 ( 6 ) の炭素 · 炭素二重結合部とが、 ディ 一ルス · アルダー反応 を経由して一般式 ( 4 ) の化合物を生成するものと考えられる。 当該ディ 一ルス · アルダー反応によって生成する炭素 · 炭素二重 結合部は高温環境下で逆ディ一ルス · アルダー反応で分解する こ とがあるので、 公知の還元法等を用いて常法によ り水素添加して 当該部分を単結合として一般式 ( 1 ) で表されるテ ト ラカルボン 酸二無水物、 さ ら に、 側鎖の芳香族環を核水添して一般式 ( 2 ) で表されるテ ト ラカルボン酸二無水物とする。 接触還元方法は、 金属触媒として、 パラジウム、 ルテニウム、 ロジウム、 白金、 ニッケル、 コバルト等を使用 して、 溶媒中で、 水素圧を常圧から 1 O M P aの範囲、 温度を 0〜 1 5 0 °Cの範囲
で行う ことができる。
さ らに詳しく述べれば、 一般式 ( 1 ) で表されるテ トラ力ルポ ン酸ニ無水物を高い収率で得る場合は、 パラジウム系触媒存在下 で水素圧を I MP a〜 5 MP aの範囲とし、 温度を室温〜 5 0 の範囲で 5〜 2 0時間接触還元を行う とよく、 一般式 ( 2) で表 されるテ ト ラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、 パラ ジゥム系触媒存在下で水素圧を 5 M P a〜 8 MP aの範囲とし、 温度を 5 0〜 1 0 0 °Cの範囲で 5〜 2 0時間接触還元を行う とよ い。 1又; c ( 1 )、 ( 2 )、 ( 4 ) で されるテ 卜ラ力ルポン酸ニ無水 物は 、 従刖の脂環式ポ Uィ へ に使用されているテ 卜 ラカルボン 酸一 -無水物に比ベて、 特 の反応条件変更を さずに実筲的にひ とつの反応操作で、 ェン反応等と比較して温和な条件下による反 応で 、 副生成物を生じる ことなく得られ、 特に高い純度が要求さ れる光学機能部材中で使用されるポリイ ミ ドを製造するモノマ一 として極めて優れた特性を発揮する。これらの中でも、一般式( 1 )、
( 2 ) で表されるテトラカルボン酸二無水物は、 高温環 下でも 逆ディ 一ルス ·アルダー反応がないので、 高い耐熱性、 あるいは、 長期の安定性が要求されるポリイ ミ ドの構成モノマーとして優れ ている
本発明に係る一般式 ( 1 )、 ( 2 )、 ( 4 ) で されるテ卜ラ力 ボン酸二無水物は、 2つの力ルボン酸二ハ、、水物基がト リ シク口 構造中に非対称に配置されている こ と、 および 、 側鎖 (例えば n = 0であればベンゼン環。) を有している ことを特徵とする。 本
発明者らは、 当該基本構造が、 ポリ アミ ック酸およびポリ イ ミ ド の耐熱性、 有機溶剤への溶解性、 靭性の付与に大きく 関与してい るものと考えている。 上 し基本的特性に加えて、 よ り優れた耐熱性と芳香族系材料と の親和性を所望する場合は一般式 ( 1 ) で表されるテ 卜ラカルポ ン酸 水物、 よ りすぐれた透明性と溶解性を所望する場合は一 般式 ( 2 ) で表されるテ トラカルボン酸二無水物を単独で使用す るが れらの特性をバランスよく所望する場合は、 混合して使 用 しても良い。 なお、 一般式 ( 4 ) で表されるテ トラカルボン酸 水物も、 化学修飾や架橋反応を所望する場合、 3 0 0 °C以上 で残渣を大量に残さない熱分解を所望する場合は併用する ことが 好ましい また、 本発明に係るポリ アミ ック酸およびポリイミ ドを得るた めには、 一般式 ( 1 )、 ( 2 )、 ( 4 ) で表されるテ トラカルボン酸 二無水物中に開環重付加反応ゃ閉環反応の進行に関して立体障害 となる置換基を含まない こ とが好ま し く 、 一般式 ( 1 )、 ( 2 )、 ( 4 ) の中でも、 1 1 —ジフエニルエチレンと無水マレイ ン酸か ら合成されるテ卜 ラカルボン酸二無水物が好ましい。 なお、 本発 明の効果を損なわない範囲で、 ポリイ ミ ドの構成成分として使用 される公知の他のテト ラカルボン酸無水物を併用する ことができ る ことはもちろんである。 一般式 ( 3 ) で表されるジァミ ン化合物としては、 特に制限は 無く 、 ポリイ ミ ド構成モノマーとして知られているジァミ ン化合
物であればよい。 R 3 の好ましい灰素数は 6 〜 1 8 であり、 芳香 族環を有するものがさ らに好ましい
好ましい例を挙げれば、 Ρ —フエ一レンンヽヽ、
ァミ ン、 4 4, 一 ジアミ ノジフェニルメタ ン 、 1 , 5 ―ジァへ ノナフ夕レン 、 2 ,
7 —ジァミ ノ フルオレン、 4 , 4 ' ―ジァへ ノジフエ ―ルエーテ ル、 4 , 4 ' 一 ( p —フエ二レンィ ソプ口 ピ Uデン) ビスァニリ ン、 2 , 2 一ビス [ 4 一 ( 4 一アミ ノ フェノキシ) フ X一ル] へ キサフルォロプロパン、 2 , 2 -ビス ( 4 ―ァミ ノ フ X一ル) へ キサフルォロプロパン、 2 , 2 ' -ビス [ 4 ― ( 4 一ァ ノ ー 2 一 卜 U フルォロメチルフエノキシ) フ X二ル] へキサフルォロブ 口パン 、 4 , 4 , 一ジアミ ノ ー 2 , 2 ビス ( 卜 U フルォロメ チル) ビフエニル、 4 , 4 ' ' 一ビス [ ( 4 一ァ ノ ー 2 ― リ フル ォロメチル) フエノキシ] 一才クタフルォ ビフエ二ルなどがあ り、 特に好ましく は、 p —フエニレンジァ へ ン 、 4 , 4 ?
ージァ ミ ノ ジフエ二ルメタンおよび 4 , 4 一 ンァ ノ ジフェ一ルエー テルが挙げら しる
—
本発明のポ U ァ ック酸は、 一般式 ( 1 )、 ( 2 )、 ( 4 ) で表さ れるテ ト ラ力ルポン酸二ハ、に、水物と一般式 ( 3 ) で表されるジアミ ン化合物とを 、 例えば、 環重付加反応させる こ とによ り合成す るこ とが出来る 一般式 ( 1 )、 ( 2 )、 ( 4 ) で表されるテ トラカルボン酸二無水 物と一般式 ( 3 ) で表されるジァミ ン化合物とでポリ アミ ック酸 を合成するとさの好ましい使用割合は、 上記ジァミ ン化合物に含 まれるアミ ノ基 1 景に対する上記テ トラカルボン酸二無水物の
酸無水物基が 0 . 2 4当量となる範囲である。 重合度の高いポ リ アミ ック酸を得たいときは、 0 . 8 1 . 2 当量の範囲とする。 上記手法によ り、 対数粘度が 0 . 0 5 1 0 の範囲にあるポリ ァミ ック酸を得る ことができる。 なお、 対数粘度の値は、 N—メ チル— 2 —ピロ リ ドンを溶媒として用い、 濃度が 0 . 5 g / 1 0 0 ミ リ リ ッ トルである溶液について 3 0 °Cで、 対数粘度 = [ I n (溶液粘度ノ溶媒粘度)] / [溶液濃度] によって求める。
ポ U 7ミ ック酸の合成反応は 有機溶媒中において、 通常 0
1 5 0 °C 、 好ましくは 0 1 0 0 の温度条件下で行われ
で 、 有機溶媒としては 成されるポリ アミ ック酸を溶解でき るものであれば特に制限はない なお、 溶媒を例示すれば N一 メチルー 2 — ピロ リ ドン N Nージメチルァセ トアミ ド N ,
、
N ―ジメチルホルムアミ ド、 ンメチルスルホキシ ド、 r -プチ口 ラク 卜ン 、 テ 卜 ラメチル尿素 へキサメチルホスホル ト リ アミ ド などの非プロ ト ン系極性溶媒 m一ク レゾ一ル、 フエノール、 八
Πゲン化フエノールなどのフ ノール系溶媒が挙げられる
つづいて、 この反応溶液とポリ アミ ック酸の貧溶媒を混合して 析出物を得、 この析出物を減圧下乾燥することによりポリ アミ ツ ク酸を得る ことができる。 また、 このポリ アミ ック酸を再び有機 溶媒に溶解させ、 貧溶媒で析出させる工程を 1 回または数回行う ことによ り、 ポリ アミ ック酸を精製することができる。
なお、 貧溶媒を例示すれば、 水、 メチルアルコール、 ェチルァ ルコール、 イ ソプロピルアルコール、 シクロへキサノール等のァ ルコール類、 アセ トン、 メチルェチルケ ト ン、 メチルイソブチル
ケ ン等のケ トン類、 酢酸メチル 酢酸ェチル等のエステル類、
、や
ンェチルェ一テル、 エチレンダリ 一ルメチルエーテル等のエー テル類が挙げられる。 本発明に係るポリイ ミ ドは、 公知の方法に従って、 上記ポリ ァ ック酸をそのまま、 あるいは、 有機溶媒中で、 イ ミ ド化反応時 に生成する低分子化合物を系外に除去しながら、 加熱して、 脱水 閉 (ィミ ド化反応) して合成する 加熱における反応温度は 5
0 3 0 0 、 好ましく は、 1 0 0 2 0 0 °Cである。 反応温度 が 5 0 °C未満ではイミ ド化反応が十分に進行せず、 反応温度が 3
0 0 °cを超えると得られるポリイ の分子量が低下する
とがある また、 上記ポリ アミ ック酸の溶液中に脱水剤およびィミ ド化触 媒を添加しても、 本発明に係るポ ィ ミ ドを合成する ことができ る 脱水剤を例示すれば、 無水酢酸 無水プロピオン酸等の酸無 水物が挙げられる。 イ ミ ド化触媒を例示すれば、 ト リェチルアミ ン、 ピリ ジン、 コ リ ジン等の第 3級ァミ ンが挙げられる。 また、 このようにして得られる反応溶液に対し、 ポリ アミ ック酸の精製 方法と同様の操作を行う こ とによ り、 本発明のポリイ ミ ドを精製 する ことができる。 本発明に係るポリ イ ミ ドは、 その構成材料として含有される一 般式 ( 1 )、 ( 2 ) で表される脂環式テ ト ラカルボン酸二無水物の 構造に由来して、 従来の脂環式テ ト ラカルボン酸二無水物を含有 するポリイ ミ ドと比較して、 以下の優れた特性を併せ持つている
ことが特長であり、 極めてバランスのとれたポリイミ ドである。 従来の脂環式テ トラカルボン酸二無水物から得られたポリイ ミ ドの主鎖には、 テ トラカルボン酸二無水物中の自由回転可能な炭 素 · 炭素結合が導入されるものがあ り、 そのために良好な耐熱性 が得られなかったが、 本発明に係るポリ ィ ミ ド中では、 テ ト ラ力 ルボン酸二無水物が構成する主鎖部分は ト リ シク口環構造であ り、 また、 逆ディ 一ルス ' アルダー反応が抑制されているため、 耐熱 性が良好である。 (後述の T G A分析を参照。) 本発明の脂環式テ トラカルボン酸二無水物の構造が非対称であ り、 さ らに、 芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含む ため、 ポリイ ミ ド分子に屈曲性が付与され、 光透過性が高い。 (後 述の溶液の目視観察、 および、 U Vスペク トルを参照。) 従来のビシクロ環構造の脂環式テ トラカルボン酸二無水物モノ マ一は、 対称構造が通常であつたが、 本発明に係るテ トラ力ルポ ン酸ニ無水物は非対称構造であり、 非対称構造がもたらすポリィ ミ ド分子の屈曲性により靭性が付与され、強靭な塗膜が得られる。 本発明の脂環式テ ト ラカルボン酸二無水物が温和で副反応の無 い経路で生成されるため、 ポリイミ ド分子の不純物濃度が低い。 なお、 後述の実施例の記載から明らかなよう に、 再結晶による精 製で、 シャープな融点を有する結晶が得られる。
[実施例]
以下、 実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、 本発 明はこれらに限定されるものではない。
<テ トラカルボン酸二無水物の合成 >
容量 2 0 m 1 のナス型フラスコに 1 , 1 ージフエニルエチレン 5. 1 0 g と無水マレイ ン酸 2. 7 8 g (モル比 1 : 1 ) を入れ、 1 0分間溶存酸素を脱気した後、 油浴を 1 4 0 °Cに保ち 5時間加 熱攪拌した。 反応系の温度は 1 0 6でであった。 反応終了後、 卜 ルェンをフラスコに加えて析出する沈殿物を濾過して集めた。 濾 過物の重量は 3. 6 5 gであった。
本合成例おいては、 1 , 1 ージフエニルエチレンは反応原料と して仕込まれたと同時に、 過剰分は溶剤として機能している。 本 合成例の収率は、 1 , 1 —ジフエ二ルエチレン 2. 5 5 g と無水 マレイ ン酸 2. 7 8 g (モル比 1 : 2 ) を基準として、 6 8 %で ある。
( D S C分析による融点測定)
酢酸ェチルから再結晶した当該化合物は、 2 0 °C/minでの昇 温条件で 2 9 0 X: に明確な吸熱ピークを示した。 ぐテ トラカルボン酸二無水物の構造決定 >
(マススぺク トル)
マススぺク トルの結果、 生成物の分子量は 3 7 6であった。 ( I Rスぺク トル測定 )
7 0 0 c m - 1〜 7 4 0 c m- 1 : 1置換芳香族帰属ピーク 7 6 0 c m - 1〜 8 6 0 c m- 1 : 炭素 ' 炭素二重結合帰属ピ一 ク 1 7 8 0 c m― 1〜 1 8 8 0 c m— 1 : カルポン酸無水物帰属
ピーク
( 1 H N M Rスペク トル測定)
1 H NM Rスペク トル (D M S O— d 6 )
2. 5 5 (m、 2 H)、 2. 7 5 (m、 2 H ) : 力ルポ二ル基隣 接炭素上の水素
3. 5 0〜 3. 6 0 (m、 2 H)
3. 7 0 ( t 、 1 H ) : シク ロへキセン環とシクロへキサジェン 環結合部炭素上の水素
3. 8 0 (m、 2 H ) : シク ロへキセン中のメチン水素
6. 0 0 ( t 、 1 H)、 6. 2 5 ( t 、 1 H) : 炭素 · 炭素二重 結合部の水素
7. 2 0 ( d、 2 H)、 7. 3 5 ( t 、 1 H)、 7. 4 5 ( t 、 2 H) :
一置換ベンゼン部の水素
以上の分析結果から、 生成物の化学構造は一般式 ( 4 ) の構造 を満足するテ トラカルボン酸二無水物のうち、 下記の化学式 ( 7
1 ) ( 3 —フエニル ト リ シクロ [ 6, 2 , 2 , 0 2' ドデ力— 2, 1 1 一ェン— 5, 6 , 9 , 1 0 —テ ト ラカルボン酸二無水物) で 表されるテ ト ラカルボン酸二無水物であることを確認した。なお、 当該化合物の構造決定に関しては、上記非特許文献 1 も参照した。
[化 1 1 ]
化学式 (1)
化学式 ( 1 ) で表される上記テトラカルボン酸二無水物を l g を 1 0 m l の T H Fに溶解し、 1 0 %パラジウム Zカーボン触媒 (小島薬品製) l O O m gを加えて、 5 0 °C、 5〜 4. 5 0 M P a (水素圧) で水素化還元を 1 6時間行った。 触媒を除去後、 T H Fを減圧蒸留して白色の結晶を 9 5 %の収率で回収した。
当該結晶の 1 H N M Rスぺク トル測定を上記と同様に行ったと ころ、 (5 = 6. 0 0〜 6. 2 5 の領域に現れる炭素 ' 炭素二重結 合部分の 2個の水素原子に帰属されるピーク面積が消滅し、 化学 式 ( 1 ) 中の 1 1位の炭素 · 炭素二重結合 ( 2置換ォレフィ ン) が水素化還元されたことを示した。 一方、 0 0〜 2. 0 0 にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環の 核水添が生じていないことを示した。 なお、 これ以外に大きな変 化は見られなかった。 また、 I Rスペク トル解析から無水力ルポ ニル基が残存していることを確認し、 また、 マススペク トルの結 果から分子量が化学式 ( 1 ) の化合物より 2多い 3 7 8になって いることを確認した。
この結果から、 当該水素化生成物が、 一般式 ( 1 ) の構造を満 足する下記の化学式 ( 2 ) で表されるテトラカルボン酸二無水物
であることが確認された。
[化 1 2 ]
化学式 (2)
化学式 ( 1 ) で表されるテトラカルボン酸二無水物 l gを 1 0 m 1 の T H Fに溶解し、 1 0 %パラジウム Zカーボン触媒 (小島 薬品製) 5 0 m gを加えて、 1 0 0で、 :! 〜 0. 9 5 M P a (水 素圧) で水素化還元を 6時間行った。 触媒を除去後、 T H Fを減 圧蒸留して白色の結晶を 9 5 %の収率で回収した。
当該結晶の 1 H N M Rスぺク トル測定を上記と同様に行ったと ころ、 δ = 6. 0 0〜 6. 2 5の領域に現れる炭素 · 炭素二重結 合部分の 2個の水素原子に帰属されるピーク面積と δ = 7. 2 0 〜 7. 4 5 の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の 5個の水素原 子に帰属されるピーク面積との比が、 還元処理前の 2 : 5から、 1 . 2 : 5 に変化し、 (5 = 6 . 0 0近傍にメチン系水素のピーク が新たに出現し、 化学式 ( 1 ) 中の 1 1位の炭素 · 炭素二重結合 ( 2置換ォレフイ ン) の一部が水素化還元されたことを示した。 一方、 (5 = 1 . 0 0〜 2. 0 0 にはシクロアルカン系メチン水 素は新たに出現せず芳香族環族の核水添が生じていないことを示 した。 なお、 これ以外に大きな変化は見られなかった。 また、 I
Rスペク トル解析から無水カルポニル基が残存していることを確 認した。 この結果から、 当該還元処理化合物が、 一般式 ( 4 ) の構造を満足する化学式 ( 1 ) で表されるテ トラカルボン酸二無 水物約 6 0モル%と一般式 ( 1 ) の構造を満足する化学式 ( 2 ) で表されるテ ト ラカルボン酸二無水物約 4 0モル%とから構成さ れる ことが確認された。
以下、 当該方法で得られた混合物を 「水添テ ト ラカルボン酸二 無水物混合物 A」 という。
化学式 ( 1 ) で表される上記テ ト ラカルボン酸二無水物 l gを 1 0 m 1 の T H Fに溶解し、 1 0 %パラジウム /カーボン触媒(小 島薬品製) l O O m gを加えて、 1 2 0 °C、 9. 0 0 - 8. 5 0 M P a (水素圧) で水素化還元を 1 6時間行った。触媒を除去後、 T H Fを減圧蒸留して白色の結晶を 9 5 %の収率で回収した。 当該結晶の 1 H N M Rスぺク トル測定を上記と同様に行ったと ころ、 (5 = 6. 0 0〜 6. 2 5 の領域に現れる炭素 . 炭素二重結 合部分の 2個の水素原子に帰属されるピークおよび δ = 7. 2 0 〜 7. 0 0の領域に現れる芳香族環の水素原子に帰属されるピー クが消滅し、 化学式 ( 1 ) 中の 1 1位の炭素 · 炭素二重結合 ( 2 置換ォレフィ ン) が水素化還元され、 かつ芳香族環が核水添され たこ とを示した。 一方、 (5 = 1 . 0 0〜 2. 0 0 にはシクロアル カン系メチン水素が出現した。 また、 I Rスペク トル解析から無 水カルボニル基が残存している ことを確認し、 また、 マススぺク トルの結果から分子量が化学式 ( 1 ) の化合物よ り 8多い 3 8 6 になっている ことを確認した。
この結果から、 当該還元処理化合物が、 一般式 ( 2 ) の構造を
満足する下記の化学式 ( 9 3 ) で表されるテ ト ラカルボン酸二無 水物である こ とが確認された。 .
これらの脂環式テ トラカルボン酸二無水物系化合物の合成経路 を図 2 に示した。
化学式 ( 1 ) で表されるテ トラカルボン酸二無水物 l gを 1 0 m 1 の T H Fに溶解し、 1 0 %パラジウム Z力一ボン触媒 (小島 薬品製) 5 0 m gを加えて、 1 0 0 °C、 :! 〜 0. 9 5 M P a (水 素圧) で水素化還元を 6時間行った。 触媒を除去後、 T H Fを減 圧蒸留して白色の結晶を 9 5 %の収率で回収した。 当該結晶の
1 H N M Rスぺク トル測定を上記と同様に行ったと ころ、 δ = 6. 0 0〜 6. 2 5の領域に現れる炭素 · 炭素二重結 合の 2個の水素原子に帰属するピーク面積が消滅し、 化学式 ( 1 ) 中の 1 1位の炭素 · 炭素二重結合 ( 2置換ォレフィ ン) が水素化 還元されたことを示した。 また、 (5 = 7. 2 0〜 7. 4 5 の領域 に現れる一置換ベンゼン環部分の 5個の水素原子に帰属されるピ —ク面積と δ = 1 . 0 0〜 2. 0 0 にはシクロアルカ ン系メチン
水素が新たに出現した。 なお、 これ以外に大きな変化は見られな かった。 また、 I Rスペク トル解析から無水カルポニル基が残存 している こ とを確認した。
それぞれのピーク面積の比から、 当該還元処理化合物が、 一般 式 ( 1 ) の構造を満足する化学式 ( 2 ) で表されるテ トラカルボ ン酸ニ無水物約 5 0モル%と一般式 ( 2 ) の構造を満足する化学 式 ( 3 ) で表されるテ ト ラカルボン酸二無水物約 5 0モル%とか ら構成されることが確認された。
以下、 当該方法で得られた混合物を 「水添テ トラカルボン酸二 無水物混合物 B」 という。
(参考例 1 ) <ポリ アミ ック酸の合成 >
化学式 ( 1 ) で表されるテ ト ラカルボン酸二無水物 7 5 2 m g
( 2 m m o 1 )、 4 ,4 ' -ジァミ ノジフエニルエーテル 4 0 0 m g
( 2 m m o 1 )、 溶媒としての N, N—ジメチルァセ トアミ ド 1 .
5 m 1 を 3 0 m 1 のナスフラスコに入れ室温で 1昼夜攪拌反応さ せた 反応溶液は粘稠となった。
づいて、 上記反応溶液に N, N—ジメチルァセ トアミ ド 1 5 m 1 を加えて溶解させて粘稠度を低下させ、 当該反応溶液を 1 5
0 m 1 のメ夕ノール中にあけた。 沈殿物を濾過にて回収し、 過剰 メタノールで洗浄した。 対数粘度は 2. 3であった。
<ポリ アミ ック酸の構造決定 >
( I Rスぺク トル測定)
1 5 4 0 c m- 1 6 8 0 c m- 1 アミ ド結合帰属ピーク
1 7 8 0 c m" 1 , 1 8 6 0 c m- 1 カルボン酸無水物帰属ピ
クの 失 I Rスペク トルを 3 に示した
以上の分析結果から、 参考例 1 によるホリ アミ ック酸は下記化 学式 ( 4 ) の繰り返し単位構造を有するものであることが確認さ れた。 [化 14]
くポリイミ ドの合成 >
化学式 ( 1 ) で表されるテトラカルボン酸二無水物 7 5 2 m g ( 2 mm o 1 )、 4 ,4 ' -ジアミノジフエニルエーテル 4 0 0 m g ( 2 mm o 1 )、 溶媒としての N , Ν—ジメチルァセ トアミ ド 1 . 5 m 1 を 3 0 m 1 のナスフラスコに入れ室温で 1昼夜攪拌反応さ せた。 反応溶液は粘稠となった。
つづいて、上記反応溶液を減圧下、 1 0 0でで 3 0分、 2 0 0 °C で 2時間加熱した。 室温まで冷却後、 N, N—ジメチルァセ トァ ミ ド 1 5 m 1 を加えて溶解させて粘稠度を低下させ、 当該反応溶 液を 1 5 0 m 1 のメタノール中にあけた。 沈殿物を濾過にて回収 し、 過剰メタノールで洗浄した。 合成物は薄金色の粉体であり、 収率は 1 0 0 %であった。 ぐポリイミ ドの構造決定 >
( I Rスぺク トル測定)
1 5 4 0 c m- 1 , 1 6 8 0 c m- 1 アミ ド結合帰属ピークの 消失
1 7 1 0 c m- 1 1 7 8 0 c m— 1 ィ ミ ド結合帰属ピーク 1 7 8 0 c m- 1 1 8 6 0 c m" 1 カルボン酸無水物帰属ピ ークの消失
I Rスぺク トルを図 4に示した。
以上の分析結果から、 参考例 1 によるポリイ ミ ドは下記化学式 ( 5 )の繰り返し単位構造を有するものである こ とが確認された。
[化 1 5 ]
(実施例 1 〜 4 )
参考例 1 における化学式 ( 1 ) で表されるテ ト ラカルボン酸二 無水物 2 m m o 1 に代えて、 化学式 ( 2 ) で表されるテ トラカル ボン酸二無水物 (以下、 「実施例 1」 という。)、 化学式 ( 3 ) で表 されるテ ト ラカルボン酸二無水物 (以下、 「実施例 2」 という。)、 水添テ 卜 ラカルボン酸二無水物混合物 A (以下、 「実施例 3」 とい う。)、水添テ トラカルボン酸二無水物混合物 B (以下、 「実施例 4」 という。) をそれぞれ約 2 mm o 1 とした他は、 参考例に示した手
法と同様にして、 ポリ アミ ック酸、 および、 ポリ イ ミ ドを合成し
I Rスぺク 卜ルで構造決定を行った。 各合成反応における収率は ほぼ同一であ Ό、 I Rスぺク トルの帰属もほぼ同一であった。 実施例 1 によるポリ アミ ック酸(対数粘度は 2 . 1 であった。 )は 下記化学式 ( 6 )、 ポリ イ ミ ドは下記化学式 ( 7 ) の繰り返し単位 造を有するものである こ とが確認された。
[化 1 6 3
実施例 2 によるポリ アミ ック酸(対数粘度は 2 . 1 であった。 )は、 下記化学式 ( 8 )、 ポリイ ミ ドは下記化学式 ( 9 ) の繰り返し単位
構造を有するものであることが確認された。
[化 1 8 ]
実施例 3 によるポリアミック酸(対数粘度は 2.0であった。 )は、 化学式 ( 4 ) と化学式 ( 6 ) の繰り返し単位構造を有するもの、 ポリイミ ドは化学式 ( 5 ) と化学式 ( 7 ) の繰り返し単位構造を 有するものであることが確認された。 実施例 4によるポリアミック酸(対数粘度は 2.2であった。 )は 化学式 ( 6 ) と化学式 ( 8 ) の繰り返し単位構造を有するもの、
ポリイ ミ ドは化学式 ( 7 ) と化学式 ( 9 ) の繰り返し単位構造を 有するものである ことが確認された。
<ポリイミ ド等の有機溶剤への溶解性 >
上記実施例 1〜 4で得られた各ポリ アミ ック酸、 ポリイ ミ ドを 5 m g秤量し、室温の 5 m 1 のジメチルスルホキシ ド(D M S O)、 N , N—ジメチルホルムアミ ド ( D M F )、 N—メチルピロ リ ドン に投入したところ、 すべての有機溶剤につき、 投入後、 直ちに溶 解した。 また、 溶液は実質透明であった。
(参考例 2 )
上記参考例 1 において、 化学式 ( 1 ) のテ ト ラカルボン酸二無 水物をピロメ リ ツ ト酸ニ無水物に代えて合成したポリ アミ ック酸、 ポリイミ ドを同様に評価したところ、 当該ポリ アミ ック酸はジメ チルスルホキシ ド ( D M S O )、 N , N—ジメチルホルムアミ ド ( D M F )、 N—メチルピロ リ ドンに溶解したものの溶液には着色が見 られ、 当該茶褐色のポリイ ミ ドは全く溶解せず、 沈殿したままで あった。 ぐポリイミ ドの光透過性 >
参考例 1、 実施例 1 〜 4で得られたポリ イ ミ ドを N—メチルピ ロ リ ドンに溶解させ( 0. 1質量%)、 1 c m角の石英セルに入れ、 バン ド幅 2 n m、 走查速度 2 0 0 11 1117111 1 11 . で、 UV—吸収 スぺク トルを測定した。 全てのポリ イ ミ ドは吸収端が 3 3 0 n m 以下で、 可視域 ( 4 0 0〜 7 8 0 n m) に吸収を示さなかった。 なお、 上記可視域での光透過率は、 参考例が 9 0 %、 実施例 1 と
実施例 3が 9 2 %、 実施例 2 と実施例 4が 9 4 %であり、 脂環式 テトラカルボン酸二無水物系化合物からなるポリイミ ド中でも極 めて光透過性に優れる ことがわかる。 <ポリイ ミ ド等の熱分析 >
参考例 1 によるポリイ ミ ドを窒素雰囲気下、 2 0 °C /m i nの 昇温速度で T G A測定を行った。 5 %重量損失温度は 3 2 0 °Cで あり、 液晶配向膜用途としての耐熱性を有している ことが確認さ れた。 また、 6 0 0 °Cでの重量残存率は 3 7 %であ り、 熱分解性 でコーキングを生じ難い特性が確認された。
実施例 1 〜 4によるポリイミ ドの 5 %重量損失温度および 6 0 O t:での重量残存率は、 実施例 1 が 3 5 5 °C ( 5 0 %)、 実施例 2 が 3 5 5で ( 4 4 %)、 実施例 3が 3 3 5で ( 4 2 % )、 実施例 4 が 3 5 5 ( 4 4 % ) であり、 脂環式テト ラカルボン酸二無水物 系化合物からなるポリイミ ド中でも極めて耐熱性に優れる ことが わかる。 また、 後述する参考例 2 との比較から、 芳香族系ポリイ ミ ドに対して熱分解性でコーキングを生じ難い特性が確認された。 参考例 2 のポリイ ミ ドを同様に評価したところ、 6 0 0 での 重量残存率は、 それぞれ 8 2 %であ り、 熱分解性でコ一キングを 生じ易い特性が確認された。 産業上の利用可能性
本発明に係るポリイ ミ ドは、 成形材料として既存のポリイ ミ ド と同様、 複写機等の O A機器のパーツ、 成形体として複写機の分 離爪やべァリ ング等の各種工業部品分野に使用する ことができる。
また、 耐熱性や成形加工性に優れ、 かつ、 有機溶剤に可溶なポ リイミ ドフィルムとして、 フ レキシブル印刷配線板や耐熱性接着 テープの基材に、樹脂ワニスとして半導体の絶縁皮膜、保護皮膜、 耐熱性および接着性に優れた低誘電接着剤、 フィ ルム状接合材、 接着性積層材、 フレキシブル印刷基板 ( F P C ) や T A B (Tape Automated Bonding) テープ、 複合リー ドフレーム、 積層材料等 のよう に低誘電性、 耐熱性、 接着性が要求される用途の積層構造 体の製造に好適であり、 また、 液晶表示素子用配向膜に用いる こ とできる。