JP2017186285A - フルオレン骨格を有するジアミン化合物、ポリアミック酸、及びポリイミド - Google Patents

フルオレン骨格を有するジアミン化合物、ポリアミック酸、及びポリイミド Download PDF

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Abstract

【課題】ポリイミド樹脂等の原料として有用なフルオレン骨格を有する新規なジアミン化合物、及び該ジアミンを用いたポリアミック酸並びにフィルムの脆弱性が改良されたポリイミドの提供。【解決手段】式(1)で表されるジアミン化合物、及び該ジアミンを用いたポリアミック酸並びにポリイミド。[R1及びR2は夫々独立にC1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C4〜12のシクロアルキル基又はC6〜12の芳香族基;n1及びn2は夫々独立に0又は1〜3の整数;R3及びR4は夫々独立にC1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、C4〜12のシクロアルキル基又はC6〜12の芳香族基;p1及びp2は夫々独立に0〜4の整数]【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミド樹脂等の原料として有用なフルオレン骨格を有する新規なジアミン化合物及び前記ジアミンを用いたポリアミック酸、ポリイミドに関する。
ポリイミドは優れた機械特性、電気特性、耐熱性、耐薬品性を有し、電気・電子材料、特に半導体用電子材料の分野で、フレキシブルプリント配線用基板、層間絶縁膜、保護膜等として広く利用されている。このようにさまざまな用途に使用されるポリイミドの中でも、下記式(4)
Figure 2017186285
で表されるフルオレン骨格を有する9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(以下BAPFと称することもある)から製造されるポリイミドは、優れた耐熱特性に加え、低い比誘電率を有するといった特徴からデバイスの電気絶縁有機材料として利用されたり、高い選択分離性と高いガス透過性と同時に耐熱性や機械的強度にも優れるといった特性を有することから分離膜材料としての利用等が為されている(例えば特許文献1、2)。
しかしながら、他のジアミン化合物を併用せず、ジアミン成分としてBAPFのみを用いたポリイミドは脆く、フィルムとして得ることが困難であることから、前記文献においてはBAPFと併せて他のジアミンを併用することによって脆弱性を改善し、フィルム状のポリイミドを得ている。しかしながら、他のジアミン化合物を併用した場合、溶媒溶解性が低下する等、BAPFの性能が十分に発揮されない場合があった。
特開2005−298625号公報 特開平05−031341号公報
本発明の目的は、フルオレン骨格を有し、かつ、従来公知のBAPFから得られるポリイミドフィルムの欠点である脆弱性が改良されたポリイミド及び該ポリイミドを製造するためのジアミン化合物を提供することにある。
発明者らが鋭意研究を重ねた結果、以下一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物から得られるポリイミドは、フルオレン骨格を有しているにもかかわらず脆弱性が改善され、更には他のジアミン化合物を併用しても良好な溶媒溶解性を保つことを見出した。具体的には以下の発明を含む。
[1]
下記一般式(1)で示されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物。
Figure 2017186285
(式中、R及びRは同一又は異なって炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12の芳香族基を表し、n1及n2は同一又は異なって0または1〜3の整数を表す。なお、R及び/又はRが複数存在する場合、それぞれは同一でも異なっていても良い。R及びRは同一又は異なって炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数4〜12のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12の芳香族基を表し、p1及びp2は同一又は異なって0または1〜4の整数を表す。なお、R及び/又はRが複数存在する場合、それぞれは同一でも異なっていても良い。)
[2]
下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸。
Figure 2017186285
(式中、R、R、R、R、n1、n2、p1、p2の意味は上述の通りである。また、Aは酸二無水物残基を示す。)
[3]
下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリイミド。
Figure 2017186285
(式中、R、R、R、R、n1、n2、p1、p2、Aの意味は上述の通りである。)
本発明により見出されたフルオレン骨格を有するジアミン化合物は、該ジアミンから得られるポリイミドがフルオレン骨格を有しているにもかかわらず脆弱性が改善され、他のジアミン化合物を併用しなくともフィルム状のポリイミドを得ることが可能となる。更には、他のポリイミドを併用しても良好な溶媒溶解性を保持し、BAPFと他のジアミン化合物から得られるポリイミドに比べ同等の透明性を保持しながら、特に複屈折率が大幅に改善されたポリイミドが提供可能となるので、光学材料、電子材料として好適に用いられることは勿論のこと、特に透明フレキシブルディスプレイの樹脂基板用途として特に好適に用いられる。
上記一般式(1)で表わされるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の内、下記式(1−A)で表されるジアミン化合物の1H−NMRスペクトルである。 上記一般式(1)で表わされるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の内、下記式(1−A)で表されるジアミン化合物の質量分析チャートである。
<フルオレン骨格を有するジアミン化合物>
以下、本発明をその実施の形態とともに記載する。本願発明におけるフルオレン骨格を有するジアミン化合物は上記一般式(1)で表される。
上記一般式(1)中、置換基R〜Rにおける炭素数1〜12のアルキル基として例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐状アルキル基を挙げることができ、好ましくは炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状アルキル基である。炭素数4〜12のシクロアルキル基として例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アルキル(例えば、炭素数1〜4のアルキル)置換シクロペンチル基、アルキル(例えば、炭素数1〜4のアルキル)置換シクロヘキシル基等の炭素数4〜16(好ましくは炭素数5〜8)で表されるシクロアルキル基又はアルキル置換シクロアルキル基を挙げることができ、好ましくはシクロペンチル基又はシクロヘキシル基である。炭素数6〜12の芳香族基として例えば、フェニル基、アルキル(例えば、炭素数1〜4のアルキル)置換フェニル基、ナフチル基を挙げることができ、好ましくはフェニル基又はアルキル置換フェニル基(例えば、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等)であり、より好ましくはフェニル基である。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素等が例示され、好ましくは塩素または臭素である。
上記一般式(1)中、R及びRの置換基数を表すn1及びn2は0または1〜3の整数であり、好ましくは0または1、更に好ましくは0である。R及びRの置換基数を表すp1及びp2は0または1〜4の整数であり、好ましくは0または1、更に好ましくは0である。
以上詳述した上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の中でも、原料の入手性の観点から、n1=n2=p1=p2=0(即ちすべての置換基が水素原子であるもの)であるものが好ましい。
以下に上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の具体例(以下式(1−A))を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2017186285
<上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の製造方法>
本発明の上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物は公知の方法を適用することができる。例えば、下記一般式(5):
Figure 2017186285
(式中、R、R、n1、n2の意味は上述の通りである。)で表されるフルオレン骨格とスピロ構造とを併せ持つジオール類(以下スピロフルオレン類と称することもある。)と下記一般式(6):
Figure 2017186285

(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数4〜12のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12の芳香族基を表し、kは0または1〜4の整数を表し、Acはアセチル基を表す。Rが複数存在する場合、それぞれは同一でも異なっていても良い。)で表されるアセトアミドベンゼンスルホン酸ハライド類を脱酸剤存在下で反応させ、下記一般式(7):
Figure 2017186285
(式中、R、R、R、R、n1、n2、p1、p2、Acの意味は上述の通りである。)で表される中間体を得、該中間体を脱アセチル化することで得られる。
原料として使用する上記一般式(5)で表されるスピロフルオレン類は、市販品を用いてもよく、また、慣用の方法、例えば特開2006−36648号公報や特開2014−237605号公報に記載される方法にて製造することができる。上記一般式(5)で表されるスピロフルオレン類の純度は、所望の上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の純度が向上させやすいことから、通常、95重量%以上、好ましくは99重量%以上のものを用いる。
上記一般式(5)で表されるスピロフルオレン類と上記一般式(6)で表されるアセトアミドベンゼンスルホン酸ハライド類とを反応させる(以下、本反応を酸ハライド反応と称することもある)際の上記一般式(6)で表されるアセトアミドベンゼンスルホン酸ハライド類の使用量として例えば、上記一般式(5)で表されるスピロフルオレン類1モルに対して、2モル〜10モル使用し、好ましくは2モル〜5モル使用する。アセトアミドベンゼンスルホン酸ハライド類の使用量を2モル以上とすることにより反応速度が向上し、10モル以下とすることにより選択的に反応を進行させることが可能となる。
酸ハライド反応で用いられる脱酸剤として例えば、ピリジン、ピロール、ウラシル、コリジン、ルチジン等の塩基性を示す含窒素環状化合物類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等の脂肪族3級アミン類、N,N−ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン等の芳香族3級アミン、1,8−ジアザ−ビシクロ−[4.3.0]―5―ノネン等の環状アミジン、プロピレンオキサイド等のエポキシ類、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。製造コストおよび分離のしやすさの観点からトリエチルアミン、ピリジンが好適に用いられる。脱酸剤の使用量としては、上記一般式(5)で表されるスピロフルオレン類1モルに対して、通常2モル〜10モル、好ましくは2モル〜5モル、さらに好ましくは、2モル〜4モルである。脱酸剤の使用量を2モル以上とすることにより反応速度が向上し、10モル以下とすることにより不純物の生成を抑制することが可能となる。
酸ハライド反応を実施する際、必要に応じ有機溶媒を使用することができる。使用可能な有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類、アセトニトリルなどのニトリル類が例示される。好ましくはニトリル類である。有機溶媒を使用する場合、通常、上記一般式(5)で表されるスピロフルオレン類1重量倍に対し2〜50重量倍、好ましくは5〜20重量倍使用する。
酸ハライド反応は通常、上記一般式(5)で表されるスピロフルオレン類、及び上記一般式(6)で表されるアセトアミドベンゼンスルホン酸ハライド類と有機溶媒とを混合させた溶液に、該溶液を撹拌しながら脱酸剤を、通常−20℃〜40℃、好ましくは−10〜30℃で間欠あるいは連続的に添加し、添加後、−10℃〜50℃、好ましくは0℃〜40℃、さらに好ましくは10℃〜30℃で更に反応を行うことにより実施される。左記の手順、温度範囲で反応を行うことにより、反応速度を向上させつつ副生成物の抑制が可能となる。
酸ハライド反応の実施後、例えば得られた反応マスを冷却することにより上記一般式(7)で表される中間体の結晶を析出させ、該結晶をろ別することにより上記一般式(7)で表される中間体を得ることができる。このようにして得られた中間体はこのまま次工程で使用してもよく、また、慣用の精製方法(抽出、晶析など)を利用して再精製したものを用いてもよい。
上述の方法により得られた、上記一般式(7)で表される中間体を更に脱アセチル化することにより、本願発明の上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物を得ることができる。以下、脱アセチル化反応について詳述する。
上記一般式(7)で表される中間体の脱アセチル化は、上記一般式(7)で表される中間体を酸で処理することにより実施される。
脱アセチル化に使用される酸として例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸、フッ化ホウ素酸等の無機酸が挙げられる。これらの酸は単独で用いても良いし、必要に応じ2種類以上を混合して用いても良い。これらの酸のうち、塩酸、硫酸が後処理の容易な点から特に好ましい。
酸の使用量は、上記一般式(7)で表される中間体1モルに対して、2.0〜40.0モルが好ましく、より好ましくは4.0〜20.0モルである。酸の使用量を2.0モル以上とすることで、より収率良く上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物が得られ、40.0モル以下とすることで、過剰な酸の除去が容易となることから好ましい。
脱アセチル化を実施する際、必要に応じ溶媒を用いても良い。脱アセチル化を実施する際に使用可能な溶媒としては、上記一般式(7)で表される中間体、あるいは生成物である上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物と反応せず、脱アセチル化時に反応を受けないものであれば良く、このような溶媒として例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグライム、トリグライム等のエーテル類、アセトン等のケトン類、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、その他ピコリン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これら溶媒は単独でも、必要に応じ2種類以上混合して用いてもよい。反応後の溶媒留去や乾燥除去のしやすさの観点から、メタノール等のアルコール類が好適に用いられる。これら溶媒の使用量として例えば、上記一般式(7)で表される中間体1重量倍に対し通常2〜20重量倍使用する。
脱アセチル化を実施する際の温度は通常0〜160℃であり、反応速度の向上及び不純物生成抑制の観点から20〜100℃とすることが好ましい。
脱アセチル化終了後、得られた反応液を中和し、冷却することにより結晶を析出させ、あるいは溶媒の一部または全部を留去した後、必要に応じ貧溶媒を添加し結晶を析出させた後、析出した結晶をろ別することにより、上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物を得ることができる。
こうして得られた上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物は、このまま次工程で使用してもよいし、慣用の精製方法(抽出、再晶析など)を利用して再精製したものを用いてもよい。こうして得られるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の純度は通常95重量%以上、好ましくは上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物から上記一般式(2)で表されるポリアミック酸又は上記一般式(3)で表されるポリイミドの重合度を向上させやすいことから好ましくは98重量%以上とする。
<上記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸及びその製造方法>
続いて、上記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸(以下、本発明のポリアミック酸と称することもある)について詳述する。本発明のポリアミック酸は、上記一般式(2)で表される繰り返し単位を有している。なお、上記一般式(2)における酸二無水物残基(A)とは、上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物及び必要に応じ他のジアミンと、後述する酸二無水物とを反応させる際に用いる酸二無水物の、二つの酸無水物基(−CO−O−CO−)以外の構造部分を表す。
本発明のポリアミック酸の分子量は、重量平均分子量で1万〜50万であることが好ましく、1万〜30万であることがより好ましく、2万〜20万であることがさらに好ましい。ポリアミック酸の分子量が1万以上であれば、成型可能であり、また良好な力学特性を維持しやすい。またポリアミック酸の分子量が20万以下であれば、合成する場合に分子量をコントロールしやすく、また適度な粘度の溶液が得られやすく取扱いが容易である場合が多い。なお、ポリアミック酸の分子量は、ポリアミック酸溶液の粘度を目安にすることができる。
本発明のポリアミック酸の製造方法として例えば、上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物を後述する重合溶媒に溶解後、通常10〜30℃で後述する酸二無水物粉末を添加した後、10〜100℃、好ましくは10〜30℃で撹拌することでポリアミック酸を、重合溶媒の溶液(以下、ポリアミック酸溶液と称することもある)として得ることができる。また十分な分子量が得られない場合には、更に100〜180℃、好ましくは160〜180℃で撹拌することで、十分な分子量のポリアミック酸溶液(一部ポリイミドとなった溶液)を得る事ができる。
本発明で使用可能な酸二無水物として例えば、無水ピロメリット酸、4,4’―オキシジフタル酸二無水物、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、m−タ−フェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−タ−フェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−カルボキシメチル−2,3,5−シクロペンタントリカルボン酸−2,6:3,5−二酸無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボン酸)1,4−フェニレン等が例示され、これらは2種類以上併用することもできる。これら酸二無水物の中でも重合反応性等の観点から4,4’―オキシジフタル酸二無水物、ベンゾフェノン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物が好適に使用される。これら酸二無水物は上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物、及び他のジアミンを併用する場合は他のジアミンも含めた全ジアミン1モルに対し通常0.9〜1.1モル、重合度を高める観点から好ましくは0.95〜1.05モル使用する。
また、必要に応じ一般的な芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン等を共重合成分として併用することができる。併用可能なジアミンとして例えば、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、4,4−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,7−ジアミノ−ジメチルジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、4,4−ジアミノベンゾフェノン,3,3’−ジアミノベンゾフェノン,4,4’−ビス(4−アミノフェノル)スルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズリドアニ、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)―2,2−ジメチルプロパン、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、1−(4−アミノフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−1H−インデン−5−アミン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,6−ジヒドロキシ−1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル、1,6−ジアミノヘキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(4−シクロヘキシルアミン)、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンビス(メチルアミン)、トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン−1,3−ジアミン、4−アミノ安息香酸−4−アミノフェニルエステル、2−(4−アミノフェニル)−5−アミノベンゾオキサゾール、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2’−ビス(3−スルホプロポキシ)―4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル―3,3’−ジスルホン酸等が挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。他のジアミンを併用する場合の全ジアミン中の他のジアミンの使用量は、好ましくは10重量%以上であり、より好ましくは30重量%以上であり、一方、好ましくは90重量%以下であり、より好ましくは70重量%以下である。他のジアミンを10重量%以上使用することにより、他のジアミンを併用することによる物性向上効果を十分に得ることができる。例えば、ポリイミドの着色を抑制する観点から脂環式ジアミンを併用した場合、得られるポリイミドの透明性向上が期待できる。一方、他のジアミンの使用量を90重量%以下とすることにより、本発明の上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の構造に由来する物性を十分に得ることができる。
ポリアミック酸を製造する際に用いられる重合溶媒として例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル等の鎖状エステル系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、トリエチレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールメチルアセテート、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチレングリコール等のグリコール系溶媒、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール等のフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、ブタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、キシレン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒、ジメチルスルホキシド等が使用可能である。好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン等のアミド溶媒が例示される。これら溶媒は1種、あるいは必要に応じ2種以上混合して使用してもよい。
重合溶媒の使用量としては反応系中のモノマー成分(酸二無水物+ジアミン)の合計濃度が通常5〜60重量%、好ましくは8〜50重量%となるような量とする。前述のモノマー濃度範囲で重合を行うことにより、均一で高重合度のポリアミック酸溶液を得ることができる。なお、上記モノマー濃度範囲よりも低濃度で重合を行うと、ポリアミック酸の重合度が十分高くならず、最終的に得られるポリイミド膜が脆弱になる場合があり、上記モノマー濃度範囲よりも高濃度で重合を行うとモノマーが十分溶解しない場合や反応溶液が不均一になりゲル化する場合がる。上記の方法で得られた上記一般式(2)で表されるポリアミック酸溶液は通常、後述する方法でそのままポリイミド化工程へと使用する。
<上記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリイミド及びその製造方法>
続いて、上記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリイミド(以下、本発明のポリイミドと称することもある)について詳述する。
上記一般式(3)で表されるポリイミドは、上記の方法で得られた上記一般式(2)で表されるポリアミック酸溶液を脱水閉環反応(イミド化反応)することで製造することができる。イミド化反応の方法として例えば、熱イミド化法や化学イミド化法が例示される。まず、熱イミド化法について詳述する。
熱イミド化法として例えば、ポリアミック酸の重合溶液をガラス板上に流延し、真空中、あるいは窒素等の不活性ガス中、又は空気中で加熱を行う。例えば、オーブン中、通常50〜190℃、好ましくは100〜180℃で乾燥することにより、ポリアミック酸のフィルムを得ることができる。
続いて、得られたポリアミック酸フィルムをガラス板上で通常200〜400℃、好ましくは230〜350℃で加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミドフィルムを得ることができる。加熱温度は、イミド化反応を十分に行う観点から200℃以上、生成したポリイミドフィルムの熱安定性の観点から400℃以下が好ましい。
イミド化反応は真空中あるいは不活性ガス中で行うことが望ましいが、イミド化反応温度が高すぎなければ空気中で行っても差し支えない。
続いて化学イミド化法について詳述する。まず、上記の方法で得られた上記一般式(2)で表されるポリアミック酸溶液に重合時と同一の溶媒を加えて撹拌し易い適度な溶液粘度とし、撹拌しながら、有機酸無水物及び脱水閉環剤(これら2種を合わせて化学イミド化剤と称することもある)を滴下し、温度0〜100℃、好ましくは10〜50℃で1〜72時間撹拌することで化学的にイミド化を完結させることができる。その際に使用可能な有機酸無水物としては無水酢酸、無水プロピオン酸等が挙げられ、取り扱いや分離のし易さから無水酢酸が好ましい。また脱水閉環剤としては、ピリジン、トリエチルアミン、キノリン等が挙げられ、取り扱いや分離のし易さからピリジンが好ましい。化学イミド化剤中の有機酸無水物量は、ポリアミック酸の理論脱水量の1〜10倍モルの範囲であり、より好ましくは2〜5倍モルである。また脱水閉環剤の量は、有機酸無水物量に対して0.1〜2倍モルの範囲であり、より好ましくは0.2〜1倍モルの範囲である。
化学イミド化法で得られた反応溶液中には、未反応の化学イミド化剤、有機酸などの副生成物(以下、不純物という)が混入しているため、これらを除去してポリイミドを単離・精製してもよい。精製は公知の方法が利用できる。例えば、最も簡便な方法としては、イミド化した反応溶液を、大量の貧溶媒中に滴下してポリイミドを析出させた後、ポリイミド粉末を回収して不純物が除去されるまで繰返し洗浄し、減圧乾燥して、ポリイミド粉末を得る方法が適用できる。この際、使用できる溶媒としては、ポリイミドを析出させ、不純物を効率よく除去でき、乾燥し易い溶媒であれば良く、例えば、水やメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好適であり、これらを混合して用いてもよい。貧溶媒中に滴下して析出させる際のポリイミド溶液の濃度は、高すぎると析出するポリイミドが粒塊となり、その粒塊中に不純物が残留する場合や、得られたポリイミド粉末を溶媒に再溶解する際に長時間を要する場合がある。一方、ポリイミド溶液の濃度を低くし過ぎると、多量の貧溶媒が必要となり、その結果、多量の廃溶剤処理が必要となるため、環境負荷増大や製造コスト高となる場合がある。したがって、貧溶媒中に滴下する時のポリイミド溶液の濃度は、20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。この時使用する貧溶媒の量はポリイミド溶液に対し1重量倍以上が好ましく、1.5〜10重量倍量が好適である。得られたポリイミド粉末を回収し、残留溶媒を真空乾燥や熱風乾燥などで除去する際の温度と時間は、ポリイミドが変質しない温度であれば制限はなく、例えば30〜150℃で乾燥させる。
このようにして得られた上記一般式(3)で表されるポリイミド粉末をポリイミドフィルムとする場合、一旦上記一般式(3)で表されるポリイミド粉末を溶媒に溶解させポリイミド溶液とする必要がある。使用可能な溶媒としては、使用用途や加工条件に合わせて適宜溶媒を選ぶことができ、具体的に例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール系溶媒、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール等のフェノール系溶媒、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒の他、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールメチルアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブタノール、エタノール、キシレン、トルエン、クロルベンゼン、ターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサ系といった汎用溶媒なども使用可能であり、これら溶媒は1種、あるいは2種類以上混合して用いてもよい。ポリイミド粉末の溶解方法は、空気中、または不活性ガス中で室温〜溶媒の沸点以下の温度範囲で1〜48時間かけて溶解させ、ポリイミド溶液にすることができる。
こうして得られたポリイミド溶液をガラス板上に流延し、真空中、あるいは窒素等の不活性ガス中、または空気中で加熱することによりポリイミドフィルムを得ることができる。例えば、オーブン中、通常200〜400℃、好ましくは250〜350℃で乾燥することにより、ポリイミドフィルムを得ることができる。ポリイミドフィルム作成は真空中あるいは不活性ガス中で行うことが望ましいが、温度が高すぎなければ空気中で行っても、差し支えない。
化学イミド化反応は、基板上に形成されたポリアミック酸フィルムをピリジン、或いはトリエチルアミン等の3級アミン存在下、無水酢酸等酸無水物を含有する溶液に浸漬することによって行うことも可能である。これにより、部分的またはほぼ完全にイミド化したポリイミドフィルムを作製することもでき、これを更に上記のように熱処理することでポリイミドフィルムが得られる。
上述した方法によって得られた上記一般式(3)で表されるポリイミドの分子量は、重量平均分子量で1万〜50万であることが好ましく、1万〜30万であることがより好ましく、2万〜20万であることがさらに好ましい。ポリイミドの分子量が1万以上であれば、成型可能であり、また良好な力学特性を維持しやすい。またポリイミドの分子量が50万以下であれば、合成する場合に分子量をコントロールしやすく、また適度な粘度の溶液が得られやすく取扱いが容易である場合が多い。なお、ポリイミドの分子量はポリイミド溶液の粘度を目安にすることができる。
上述した方法によって得られる上記一般式(3)で表されるポリイミドの屈折率は通常1.65以上、更には1.66以上、特には1.67又はそれ以上の屈折率を示すと共に、その複屈折率も低く、通常0.01以下、更には0.005以下、特には0.003又はそれ以下の複屈折率を示す。さらに、全光線透過率も80%以上と高い値を有することから、透明性ポリイミドとして光学材料、電子材料として好適に用いることが可能である。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、各実施例・比較例で示した値は下記分析方法により分析した値である。
[1]HPLC純度
次の測定条件でHPLC測定を行ったときの面積百分率値を実施例に記載している各化合物の純度とした。
液体クロマトグラフィー測定条件:
装置:島津製作所(株)製LC−2010C
カラム:ODS(5μm、4.6mmφ×150mm)
移動相:水/メタノール、流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃、検出波長:UV254nm
[2]ポリアミック酸の重量平均分子量
次の測定条件で、重量平均分子量を測定した。
装置:東ソー(株)製 HLC−8200
カラム:TSK−GEL Super AWM―H (6.0 mmI.D.×15cm)
移動相:N,N−ジメチルホルムアミド、流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
[3]NMR測定
H−NMRは、内部標準としてテトラメチルシランを用い、溶媒として重クロロホルムあるいは重ジメチルスルホオキシド(DMSO)を用いて、JEOL−ESC400分光計によって記録した。
[4]LC−MS測定
LC−MSは次の測定条件で分離、質量分析し、目的物を同定した。
・装置:(株)Waters製「Xevo G2 Q−Tof」
・カラム:(株)Waters製「ACQUITY CSH C18」
(1.7μm、2.1mmφ×100mm)
・カラム温度:40℃
・検出波長:UV 220−500nm
・移動相:A液=10mM酢酸アンモニウム水、B液=メタノール
・移動相流量:0.3ml/分
移動相グラジエント:B液濃度:65%(0分)→100%(10分後)→100%(15分後)
検出法:Q−Tof
イオン化法:ESI(+)法
Ion Source:電圧(+)2.0kV、温度120℃
Sampling Cone :電圧 30V、ガスフロー50L/h
・Desolvation Cas:温度500℃、ガスフロー1000L/h
[5]全光線透過率測定
ヘイズメータ(スガ試験機(株)製「HGM−2DP」)を用いてポリイミドフィルムの全光線透過率を測定した。
[6]屈折率の測定
アッベ屈折計((株)アタゴ製「多波長アッベ屈折計 DR−2M」)を用いて、20℃における屈折率(波長:589nm)を測定した。
なお、上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物自身の屈折率は下記の方法により測定した。
上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物をジメチルホルムアミドに溶解して10重量%、20重量%及び30重量%溶液を調製し、各溶液について屈折率を測定した。次に、得られた3点の測定値から近似曲線を導き、これを100重量%に外挿したときの値を上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の屈折率とした。
また、ポリイミドフィルムについては、これをフィルム状に成形したものから短冊状に切り出した試験片を用い、上記条件にて測定を行った。
[7]複屈折率の測定
アッベ屈折計((株)アタゴ製「多波長アッベ屈折計 DR−2M」)を用いて、ポリイミド膜に平行な方向(nin)と垂直な方向(nout)の屈折率を、波長486nmで測定し、これらの屈折率の差から複屈折率(Δn=nin―out)を求めた。
[8]透過率の測定
紫外可視分光光度計((株)島津製作所製「紫外可視分光光度計 UV−2450」)を用いて、ポリイミド膜の400nmにおける透過率を測定した。
[9]ガラス転移温度の測定
示差走査熱量計(エスアイアイナノテクノロジー(株)製「EXSTAR DSC 7020」)を用いて、昇温速度10℃/分、または20℃/分で測定した。
[10]ポリイミドの各種溶剤溶解性
表2に示す溶媒1mLに対し、各種ポリイミドフィルム10mgを添加することにより、それぞれのポリイミドフィルムの溶解性を評価した。なお、室温で溶解しなかった場合、テトラヒドロフランは60℃、その他は90℃まで加熱した。
1.上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の製造例
<実施例1>
上記一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物の内、下記式(1−A)で表されるジアミン化合物の合成
Figure 2017186285
攪拌機、温度計及び還流冷却管を備えた四つ口フラスコに、スピロ[フルオレン9,9’−(2’,7’―ジヒドロキシキサンテン)]15.00g(0.041mol)、4−アセトアミドベンゼンスルホン酸クロライド20.3g(0.087mol)、アセトニトリル150gを仕込んだ後、トリエチルアミン9.2g(0.091mol)を20〜35℃で15分かけて滴下した。その後、20〜35℃で2.5時間反応を行った。
反応終了後、反応中に析出した結晶を濾過、メタノールで洗浄した後乾燥することにより、中間体の結晶28.29g(純度99.1%、収率90.0%)を得た。
得られた中間体を上述した反応容器に加えた後、更に、メタノール283g、35%塩酸25.7g(0.247mol)を加え、67℃で5時間撹拌した。
撹拌後、得られた反応マスに28%アンモニア水20.0g(0.329mol)、イオン交換水282.9gを添加し撹拌することにより結晶を析出させ、更に反応マスを室温まで冷却した後結晶を濾別し、濾別した結晶をメタノール水で更に洗浄した後乾燥することにより、白色結晶23.8g(純度98.7%、収率94.7%(通算収率85.2%))を得た。得られた結晶をH−NMR、LC−MSにて分析することにより、得られた結晶が上記(1−A)で表される結晶のジアミン化合物であることを確認した。以下に、得られた結晶の分析結果を記載する。
H−NMR(重DMSO):
6.24ppm(2H、d)、6.41ppm(4H、s)、6.56(2H、dd)、6.62(4H、d)、6.96(2H、d)、7.05(2H、d)、7.28(2H、t)、7.43(6H、m)、7.98(2H、d)
マススペクトル値(M+H):675.12
屈折率:1.65
2.上記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸及び上記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの製造
<実施例2>
(上記式(1−A)で表されるジアミン化合物と4,4’―オキシジフタル酸無水物(以下ODPAと称することもある)から得られるポリイミドの製造)
実施例1で得られた、上記式(1−A)で表されるジアミン化合物1.00g(1.48mmol)を脱水N,N−ジメチルアセトアミド1.5g中に溶解した後、ODPA0.46g(1.48mmol)をゆっくり加えて、室温で23時間撹拌し、更に180℃まで昇温して同温度で8時間撹拌することにより、上記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸(一部ポリイミドとなった溶液)を合成した。得られたポリアミック酸の重量平均分子量(Mw)は、46,955であった。
続いて、得られたポリアミック酸溶液に、N,N−ジメチルアセトアミド4.4gを加えた後、1時間撹拌した。その後、ポリアミック酸溶液をガラス板上に塗布し、150℃で1時間、250℃で1時間加熱して上記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの薄膜を得た。薄膜の膜厚は約26μmであった。以下表1に、得られたポリイミド薄膜のガラス転移温度(Tg)、屈折率、複屈折率、透過率(400nm)、全光線透過度の測定結果を示す。また、以下表2に、得られたポリイミドの各種溶媒に対する溶剤溶解性を示す。
<実施例3>
(上記式(1−A)で表されるジアミン化合物及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下4,4’−DPEと称することもある)、並びにODPAから得られるポリイミドの製造)
実施例1で得られた、上記式(1−A)で表されるジアミン化合物1.00g(1.48mmol)及び4,4’−DPE0.30g(1.48mmol)を脱水N,N−ジメチルアセトアミド2.2g中に溶解した後、ODPA0.92g(2.96mmol)をゆっくり加えて、室温で23時間撹拌し、更に180℃まで昇温して同温度で8時間撹拌することにより、上記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸(一部ポリイミドとなった溶液)を合成した。得られたポリアミック酸の重量平均分子量(Mw)は、54,636であった。
続いて、得られたポリアミック酸溶液に、N,N−ジメチルアセトアミド6.7gを加えた後、1時間撹拌した。その後、ポリアミック酸溶液をガラス板上に塗布し、150℃で1時間、250℃で1時間加熱して上記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの薄膜を得た。薄膜の膜厚は約26μmであった。以下表1に、得られたポリイミド薄膜のガラス転移温度(Tg)、屈折率、複屈折率、透過率(400nm)、全光線透過度の測定結果を示す。また、以下表2に、得られたポリイミドの各種溶媒に対する溶剤溶解性を示す。
<比較例1>
(9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(BAPF)とODPAから得られるポリイミドの製造)
BAPF1.00g(2.87mmol)を脱水N,N−ジメチルアセトアミド1.9g中に溶解した後、ODPA0.93g(2.87mmol)をゆっくり加えて、室温で23時間撹拌し、更に180℃まで昇温し同温度で8時間撹拌することにより、ポリアミック酸(一部ポリイミドとなった溶液)を合成した。得られたポリアミック酸の重量平均分子量(Mw)は91,168であった。
続いて、得られたポリアミック酸溶液に、N,N−ジメチルアセトアミド5.8gを加えた後、1時間撹拌した。その後、ポリアミック酸溶液をガラス板上に塗布した後、150℃で1時間、250℃で1時間加熱したが、フィルム状のポリイミドは得られず、ガラス板状で無数の亀裂が入り、粉々になっていた。
<比較例2>
(BAPF及び4,4’−DPE、並びにODPAから得られるポリイミドの製造)
BAPF1.00g(2.87mmol)及び4,4’−DPE0.57g(2.87mmol)を脱水N,N−ジメチルアセトアミド3.4g中に溶解した後、ODPA1.78g(5.74mmol)をゆっくり加えて、室温で23時間撹拌し、更に180℃まで昇温して同温度で8時間撹拌することにより、上記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸(一部ポリイミドとなった溶液)を合成した。得られたポリアミック酸の重量平均分子量(Mw)は、67,385であった。
続いて、得られたポリアミック酸溶液に、N,N−ジメチルアセトアミド10.0gを加えた後、1時間撹拌した。その後、ポリアミック酸溶液をガラス板上に塗布し、150℃で1時間、250℃で1時間加熱して上記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの薄膜を得た。薄膜の膜厚は約23μmであった。以下表1に、得られたポリイミド薄膜のガラス転移温度(Tg)、屈折率、複屈折率、透過率(400nm)、全光線透過度の測定結果を示す。また、以下表2に、得られたポリイミドの各種溶媒に対する溶剤溶解性を示す。
Figure 2017186285
Figure 2017186285
上記表2における溶媒の略称、及び評価基準は下記の通りである。
<溶媒の略称>
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
NMP:N―メチル−2−ピロリドン
GBL:γ−ブチロラクトン
THF:テトラヒドロフラン
Tri−GL:トリエチレングリコールジメチルエーテル
<評価基準>
++:室温で速やかに溶解
+:加熱することにより溶解
×:不溶

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で示されるフルオレン骨格を有するジアミン化合物。
    Figure 2017186285
    (式中、R及びRは同一又は異なって炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12の芳香族基を表し、n1及n2は同一又は異なって0または1〜3の整数を表す。なお、R及び/又はRが複数存在する場合、それぞれは同一でも異なっていても良い。R及びRは同一又は異なって炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数4〜12のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12の芳香族基を表し、p1及びp2は同一又は異なって0または1〜4の整数を表す。なお、R及び/又はRが複数存在する場合、それぞれは同一でも異なっていても良い。)
  2. 下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸。
    Figure 2017186285

    (式中、R、R、R、R、n1、n2、p1、p2の意味は上述の通りである。また、Aは酸二無水物残基を示す。)
  3. 下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリイミド。
    Figure 2017186285
    (式中、R、R、R、R、n1、n2、p1、p2、Aの意味は上述の通りである。)
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