JP4732415B2 - 車両の空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インストルメントパネル背面に設けられ、車両窓や車室に向けて空調風を吹き出すダクトを引き回した車両の空調装置に関するものである。
車両の空調装置の中には、車両窓や車室に向けて空調風を吹き出すために、車両窓に向けて空調風を吹き出すデフロスタダクトや、車室に向けて空調風を吹き出すエアコンディショナダクトを備えたものが知られている。
この種の車両の空調装置は、インストルメントパネル等に、デフロスタダクトやエアコンディショナダクトからの空調風を吹き出す吹き出し口を設け、インストルメントパネル等に、デフロスタダクトやエアコンディショナダクトを、適宜、ねじや係合爪などで固定するものであった。
このような車両の空調装置として、インストルメントパネルにデフロスタダクトやエアコンディショナダクトをねじで固定したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平2−21010公報
特許文献1の車両の空調装置は、空調風を吹き出すダクトが、車両窓に向けて空調風を吹き出すデフロスタダクト(デフロスタノズル)と、車室に向けて空調風を吹き出すエアコンディショナダクト(センタベンチレータダクト)とから構成され、インストルメントパネルにデフロスタダクトがねじで取付けられ、インストルメントパネルにエアコンディショナダクトがねじで取付けられ、これらのデフロスタダクト及びインストルメントパネル同士がねじで結合されたものである。
しかし、車両の空調装置では、インストルメントパネルにエアコンディショナダクトがねじで取付けられ、これらのデフロスタダクト及びエアコンディショナダクト同士がねじで結合されたものなので、部品点数やコストの増大や作業性を損ねるという問題があった。
また、車両の空調装置などのデフロスタダクト及びエアコンディショナダクトに係合爪を設ける場合にも、成形が複雑になり成形性の悪化を招くことがあった。
本発明は、デフロスタダクト及びエアコンディショナダクト廻りの取付作業を容易に確実に行うことができるとともに、デフロスタダクト及びエアコンディショナダクトの成形性が良好な車両の空調装置を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車両のインストルメントパネル背面に設けられる空調ユニットと、この空調ユニットからの空調風を搬送するデフロスタダクトと、このデフロスタダクトの先端に設けられ車室内窓面に向けて吹き出す第1吹き出し口と、空調ユニットから空調風を搬送するエアコンディショナダクトと、このエアコンディショナダクトの先端に設けられ車室内の乗員に向けて吹き出す第2吹き出し口とを備えた車両の空調装置において、エアコンディショナダクトは、第2吹き出し口が形成されるダクトノズルと、このダクトノズルに連結されるとともに空調ユニットに連結され、且つデフロスタダクトに隣接する連結ダクトとからなり、連結ダクトに、空調ユニットの端部で且つデフロスタダクトに係合する係合部が設けられるとともに、ダクトノズル内に嵌合され連結ダクトがダクトノズルから外れることを防止する脱落防止部材が設けられたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、脱落防止部材が、連結ダクトからダクトノズルに向けて突出された脱落防止用リブであることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、連結ダクトが略矩形の断面形状を有するダクトであり、脱落防止部材は、略矩形の断面形状のコーナ部に設けられることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、脱落防止部材が、連結ダクトに一体成形されることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、車両の空調装置に、空調ユニットが設けられ、この空調ユニットからの空調風を搬送するデフロスタダクトが設けられ、このデフロスタダクトの先端に車室内窓面に向けて吹き出す第1吹き出し口が設けられ、空調ユニットから空調風を搬送するエアコンディショナダクトが設けられ、このエアコンディショナダクトの先端に車室内の乗員に向けて吹き出す第2吹き出し口が設けられる。また、エアコンディショナダクトは、第2吹き出し口が形成されるダクトノズルと、このダクトノズルに連結されるとともに空調ユニットに連結され、且つデフロスタダクトに隣接する連結ダクトとから構成される。
連結ダクトに、空調ユニットの端部で且つデフロスタダクトに係合する係合部が設けられるとともに、ダクトノズル内に嵌合され連結ダクトがダクトノズルから外れることを防止する脱落防止部材が設けられる。これにより、デフロスタダクトやエアコンディショナダクトを車体に搭載するときに、連結ダクトが脱落したり、連結ダクトの外れを防ぐことができる。この結果、デフロスタダクト及びエアコンディショナダクト廻りの取付作業を容易に確実に行うことができるとともに、不用意な空調風の漏れを防止することができる。
請求項2に係る発明では、脱落防止部材が、連結ダクトからダクトノズルに向けて突出された脱落防止用リブなので、特別な締結部品を用いなくても連結ダクトの脱落を防ぐことができる。従って、連結ダクトや廻りの部材に、例えば、締結孔等を開ける必要がなく、デフロスタダクト及びエアコンディショナダクトの密閉性を向上することができる。
また、脱落防止部材が、連結ダクトからダクトノズルに向けて突出された脱落防止用リブなので、成形が複雑になり成形性の悪化を招くことを回避することができる。
請求項3に係る発明では、連結ダクトが略矩形の断面形状を有するダクトであり、脱落防止部材は、略矩形の断面形状のコーナ部に設けられたので、脱落防止部材を設けることによるエアコンディショナダクト内での空調風乱れを最小限に止めることができる。
請求項4に係る発明では、脱落防止部材が、連結ダクトに一体成形されたので、連結ダクトの脱落を防止するために、別部材を用いる必要がない。この結果、部品点数及びコストの増加を抑えることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両の空調装置を採用した車室の一例を示す斜視図であり、図2は本発明に係る車両の空調装置の平面図であり、図3は図2に示された車両の空調装置の底面図である。
図1に示されるように、車室(車両)11は、前方にインストルメントパネル12が配置され、このインストルパネル12の前方にフロントウインドウ13が配置され、このフロントウインドウ13の側方に左サイド窓15及び右サイド窓16が配置される。また、インストルメントパネル12の内側に車両の空調装置30(以下、「空調装置30」と略記する)が配置される。
インストルメントパネル12は、中央上面に形成されたセンタ開口21と、側方上面に形成された左開口22及び右開口23と、中央前面に形成されたセンタルーバ25,25と、左右前面に形成された左・右ルーバ26,27とが形成される。
センタ開口21は、空調装置30のセンタ側第1吹き出し口34が臨まされ、左開口22及び右開口23は、それぞれ空調装置30の左・右側第1吹き出し口35,36が臨まされ、これらのセンタ開口21及び左・右開口22,23は、主に車室11内のフロントウインドウ13及び左・右サイド窓15,16などの窓面の空調(曇り取り)のための空調風が吹き出しされる開口である。
センタルーバ25,25は、空調装置30のセンタ側第2吹き出し口37が臨まされ、
左ルーバ26及び右ルーバ27は、それぞれ空調装置30の左・右側第2吹き出し口38,39が臨まされ、これらのセンタルーバ25,25及び左・右ルーバ26,27は、主に車室11内の乗員に向けて空調風が吹き出しされるように、風向き調整可能な開口である。
図1〜図3に示されるように、空調装置30は、インストルメントパネル12背面下部に設けられる空調ユニット31と、この空調ユニット31からの空調風を搬送するデフロスタダクト32と、空調ユニット31から空調風を搬送するエアコンディショナダクト(インストダクト)33とからなる。
デフロスタダクト32は、フロントウインドウ13面に向けて空調風を吹き出すセンタ側第1吹き出し口34と、左・右サイド窓15,16面に向けて空調風を吹き出す左・右側第1吹き出し口35,36とを備える。
エアコンディショナダクト33は、車室11内の乗員に向けて吹き出すセンタ側第2吹き出し口37と、車室11内の乗員に向けて吹き出す左・右側第2吹き出し口38,39とを備える。
図4は図2に示された車両の空調装置の分解斜視図であり、図5は図2に示された車両の空調装置の連結ダクトの斜視図である。
さらに、エアコンディショナダクト33は、第2吹き出し口37〜39が形成されるダクトノズル41と、このダクトノズル41に連結されるとともに、空調ユニット31側に連結される連結ダクト(ジョイントダクト)42とから構成される。
連結ダクト42は、略断面視矩形の管状に形成され、ダクトノズル41と空調ユニット31とを連結するダクト本体44と、このダクト本体44のダクトノズル41側に形成され、ダクトノズル41の内周に嵌合する嵌合部45と、嵌合部45のコーナ部53〜56からそれぞれ一体的に延出(形成)され、ダクトノズル41の内周に深く入りこみ、ダクトノズル41から嵌合部45が外れることを防止する第1〜第4の脱落防止用リブ(突起)46〜49と、空調ユニット31側且つダクト本体44の外周に形成され、デフロスタダクト32側に係止する係合部51,51とからなる。なお、連結ダクト42には、嵌合部45に嵌められ、空調風の漏れを防止するパッキン52を備える。
すなわち、連結ダクト42は、空調ユニット31側で且つデフロスタダクト32側に係合する係合部51,51が設けられるとともに、ダクトノズル41内に嵌合され連結ダクト42がダクトノズル41から外れることを防止する脱落防止部材である第1〜第4の脱落防止用リブ46〜49が設けられる。
さらに、連結ダクト42は、略矩形の断面形状を有するダクトであり、脱落防止部材46〜49は、略矩形の断面形状のコーナ部53〜56に設けられたものと言え、脱落防止部材46〜49を略矩形の断面形状のコーナ部53〜56に設けることで、エアコンディショナダクト33内での空調風乱れを最小限に止めることができる。
脱落防止部材(第1〜第4の脱落防止用リブ)46〜49は、連結ダクト42に一体成形されたので、連結ダクト42の脱落を防止するために、別部材を用いる必要がない。この結果、部品点数及びコストの増加を抑えることができる。
図6は図2に示された車両の空調装置の連結ダクトとデフロスタダクトとの嵌合部分の断面図である。
係合部51は、ダクト本体44から延出され、弾性変形する弾性部58と、この弾性部58の先端に形成されデフロスタダクト32側に引っ掛かる爪部59とからなる。
デフロスタダクト32は、空調ユニット31側に連結ダクト42の係合部51,51が係合され保持する保持部61,61を備える。
保持部61は、係合部51を囲み保持する囲み部62と、係合部51の爪部が掛かる段部63とからなる。
図4〜図6に示されたように、空調装置30は、連結ダクト42に、空調ユニット31側で且つデフロスタダクト32に係合する係合部51,51が設けられるとともに、ダクトノズル41内に嵌合され連結ダクト42がダクトノズル41から外れることを防止する脱落防止部材46〜49が設けられたので、デフロスタダクト32やエアコンディショナダクト33を車体に搭載するときに、連結ダクト42が脱落したり、連結ダクト42の外れを防ぐことができる。この結果、デフロスタダクト32及びエアコンディショナダクト33廻りの取付作業を容易に確実に行うことができるとともに、不用意な空調風の漏れを防止することができる。
脱落防止部材46〜49は、連結ダクト42からダクトノズル41に向けて突出された脱落防止用リブなので、特別な締結部品を用いなくても連結ダクト42の脱落を防ぐことができる。従って、連結ダクト42や廻りの部材に、例えば、締結孔等を開ける必要がなく、デフロスタダクト32及びエアコンディショナダクト33の密閉性を向上することができる。
また、脱落防止部材46〜49が、連結ダクト42からダクトノズル41に向けて突出された脱落防止用リブなので、成形が複雑になり成形性の悪化を招くことを回避することができる。
図7(a)〜(c)は図2に示された車両の空調装置の比較説明図であり、(a),(b)は比較例の車両の空調装置100(以下、「空調装置100」と略記する)の連結ダクト112を示し、(c)は実施例の空調装置30の連結ダクト42を示す。
(a)において、空調装置100の連結ダクト112は、略断面視矩形の管状に形成され、ダクトノズル111と空調ユニット101とを連結するダクト本体114と、このダクト本体114のダクトノズル111側に形成され、ダクトノズル111の内周に嵌合する嵌合部115と、空調ユニット101側且つダクト本体114の外周に形成され、デフロスタダクト102に係止する係合部121とからなる。
デフロスタダクト102は、空調ユニット101側に連結ダクトの係合部121が係合され保持する保持部131を備える。なお、エアコンディショナダクト103は、ダクトノズル111及び連結ダクト112から構成される。
(b)において、空調装置100では、デフロスタダクト102やエアコンディショナダクト103の組込中に振動や衝撃が加わった場合に、デフロスタダクト102の保持部131に係止された係合部121を支点として矢印b1の如く回転し、ダクトノズル111から連結ダクト112が外れる恐れがある。従って、空調装置100の組込作業の作業性が悪化すことがある。
(c)において、空調装置30では、連結ダクト42に、空調ユニット31(図6参照)側で且つデフロスタダクト32に係合する係合部51,51(図5参照)が設けられるとともに、ダクトノズル41内に嵌合され連結ダクト42がダクトノズル41から外れることを防止する脱落防止部材46〜49が設けられた。
従って、デフロスタダクト32やエアコンディショナダクト33を車体に搭載するときに、連結ダクト42が脱落したり、連結ダクト42の外れを防ぐことができる。この結果、デフロスタダクト32及びエアコンディショナダクト33廻りの取付作業を容易に確実に行うことができる。
尚、本発明に係る車両の空調装置は、図4及び図5に示すように、連結ダクト42に爪形状を有する係合部51が設けられ、デフロスタダクト32側に段差形状の保持部61が設けられたが、これに限るものではなく、連結ダクトに段差形状を設けるとともに、デフロスタダクトに爪形状を設けるものであってもよい。
本発明に係る車両の空調装置は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
本発明に係る車両の空調装置を採用した車室の一例を示す斜視図である。 本発明に係る車両の空調装置の平面図である。 図2に示された車両の空調装置の底面図である。 図2に示された車両の空調装置の分解斜視図である。 図2に示された車両の空調装置の連結ダクトの斜視図である。 図2に示された車両の空調装置の連結ダクトとデフロスタダクトとの嵌合部分の断面図である。 図2に示された車両の空調装置の比較説明図である。
符号の説明
11…車室、12…インストルメントパネル、30…車両の空調装置、31…空調ユニット、32…デフロスタダクト、33…エアコンディショナダクト、34〜36…第1吹き出し口、37〜39…第2吹き出し口、41…ダクトノズル、42…連結ダクト、46〜49…脱落防止部材(第1〜第4の脱落防止用リブ)、51…係合部、53〜56…コーナ部。

Claims (4)

  1. 車両のインストルメントパネル背面に設けられる空調ユニットと、この空調ユニットからの空調風を搬送するデフロスタダクトと、このデフロスタダクトの先端に設けられ車室内窓面に向けて吹き出す第1吹き出し口と、空調ユニットから空調風を搬送するエアコンディショナダクトと、このエアコンディショナダクトの先端に設けられ車室内の乗員に向けて吹き出す第2吹き出し口とを備えた車両の空調装置において、
    前記エアコンディショナダクトは、前記第2吹き出し口が形成されるダクトノズルと、このダクトノズルに連結されるとともに前記空調ユニットに連結され、且つ前記デフロスタダクトに隣接する連結ダクトとからなり、
    前記連結ダクトは、前記空調ユニットの端部で且つ前記デフロスタダクトに係合する係合部が設けられるとともに、前記ダクトノズル内に嵌合され連結ダクトが前記ダクトノズルから外れることを防止する脱落防止部材が設けられたことを特徴とする車両の空調装置。
  2. 前記脱落防止部材は、前記連結ダクトから前記ダクトノズルに向けて突出された脱落防止用リブであることを特徴とする請求項1に記載の車両の空調装置。
  3. 前記連結ダクトは略矩形の断面形状を有するダクトであり、前記脱落防止部材は、前記略矩形の断面形状のコーナ部に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の空調装置。
  4. 前記脱落防止部材は、前記連結ダクトに一体成形されることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車両の空調装置。
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