JP2006205924A - 車両用空調装置のドレン構造及びドレン構造用の防水シール材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両用空調装置のドレン構造において、高い気密性及び防水性を得ると共に、生産性及び組付性を向上させる。
【解決手段】 クーリングユニット3のケース7の底部に傾斜部17を形成し、傾斜部17にドレンパイプ18を一体に形成する。傾斜部17にドレン穴21が開口された弾性を有する防水シール材20を取付ける。車体のフロアパネル24に、傾斜面25を形成し、傾斜面25にドレン開口26を設ける。クーリングユニット3をインストルメントパネルアセンブリに取付けて一体化したモジュールを車体後部側から前部のダッシュパネル13に向って水平方向に組み付け、傾斜部17と傾斜面25との間で防水シール材を圧縮して、これらの隙間Cをシールする。このとき、ドレン開口26からはみ出した防水シール材20のはみ出し部20Aによってドレン開口26の縁部を覆って防水性、気密性を高める。
【選択図】 図1
【解決手段】 クーリングユニット3のケース7の底部に傾斜部17を形成し、傾斜部17にドレンパイプ18を一体に形成する。傾斜部17にドレン穴21が開口された弾性を有する防水シール材20を取付ける。車体のフロアパネル24に、傾斜面25を形成し、傾斜面25にドレン開口26を設ける。クーリングユニット3をインストルメントパネルアセンブリに取付けて一体化したモジュールを車体後部側から前部のダッシュパネル13に向って水平方向に組み付け、傾斜部17と傾斜面25との間で防水シール材を圧縮して、これらの隙間Cをシールする。このとき、ドレン開口26からはみ出した防水シール材20のはみ出し部20Aによってドレン開口26の縁部を覆って防水性、気密性を高める。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車に搭載される空調装置において、クーリングユニットのドレン室に溜まる凝縮水を外部へ排出するための車両用空調装置のドレン構造及びドレン構造用の防水シール材に関するものである。
一般的に、自動車に搭載される空調装置においては、エバポレータ及びエキスパンションバルブが設けられたクーリングユニット、ヒータコアが設けられたヒータユニット及びブロワモータが設けられたブロワユニットは、車室内に配置され、コンプレッサ、レシーバドライヤ及びコンデンサは、エンジンルーム内に配置されており、冷媒配管によってコンプレッサ、レシーバドライヤ及びコンデンサとエバポレータ及びエキスパンションバルブとの間で冷媒を循環させ、また、ヒータ配管によってエンジン冷却装置とヒータコアとの間でエンジン冷却水を循環させるようにしている。このため、冷媒配管及びヒータ配管は、車室とエンジンルームとを区画するダッシュパネルを貫通している。
クーリングユニットのケースの底部には、エバポレータで凝縮されてドレン室に溜まった凝縮水を排出するためのドレンパイプが設けられている。ドレンパイプには、ドレンホースが接続されて車体パネルを貫通して車外へ延ばされており、ドレンホースと車体パネルとの間はグロメットによってシールされている。自動車の組立ラインにおいて、これらのドレンホース及びグロメットの組付作業は、作業姿勢、作業位置の点で問題があり、作業環境の改善が望まれている。
そこで、特許文献1において、ドレンパイプをダッシュパネルに貫通させてエンジンルーム側へ突出させ、弾性シール部材をダッシュパネルに押圧して、ドレンパイプとダッシュパネルとの間をシールすることにより、ドレンホース及びドレンパイプを不要とした自動車用空調装置のドレン構造が提案されている。
特開平9−76727号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたものでは、ドレンパイプをダッシュパネルに貫通させてエンジンルーム側へ突出させるため、クーリングユニットの合成樹脂製のケースから突出するドレンパイプの突出長が長いので、ケースとドレンパイプとを一体成形する場合、成形型が大きくなり、製造コストが高くなるという問題がある。
一方、冷媒配管、ヒータ配管及びドレンパイプを貫通させるためにダッシュパネル等の車体パネルに設けられる開口は、車両の気密性及び防水性を確保するため、できるだけ小さいことが望ましい。また、車室内に搭載されるクーリングユニット、ヒータユニット及びブロワユニットは、小型であり、かつ、生産性、組付性に優れたものが要求されている。
本発明は、上記の点に鑑みて成されたものであり、充分な気密性及び防水性を確保することができ、かつ、生産性及び組付性に優れた車両用空調装置のドレン構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車室内に配置されたクーリングユニットのドレン室から凝縮水を車外へ排出するための車両用空調装置のドレン構造において、前記クーリングユニットの底部に車体の前部へ向って上方に傾斜する傾斜部が形成され、該傾斜部には、前記ドレン室に連通するドレンパイプが突出され、また、前記ドレンパイプが挿入される該ドレンパイプよりも大径のドレン穴が開口された弾性を有する防水シール材が取付けられ、車体のフロアパネルに前記傾斜部に沿って傾斜する傾斜面が形成され、該傾斜面には前記ドレン穴に対向するドレン開口が設けられており、前記クーリングユニットは、インストルメントパネルアセンブリに取付けられてモジュール化され、該モジュールを車体の後部側から前部のダッシュパネルに向って水平方向に組付けることにより、前記防水シール材を前記傾斜面に押付け、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮された前記防水シール材によって該隙間をシールするようにしたことを特徴とする。
請求項2の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項1の構成において、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて前記ドレン開口からはみ出す前記防水シール材によって前記ドレン開口の縁部を覆うようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項1又は2の構成において、前記傾斜部及び前記傾斜面の水平方向に対する傾斜角度は、15°乃至30°であることを特徴とする。
請求項4の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項1乃至3のいずれかの構成において、前記傾斜部の前端部には、上方に傾斜する案内部が形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項4の構成において、前記案内部の前記傾斜部に対する傾斜角度は、5°以上であることを特徴とする。
請求項6の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項1乃至5のいずれかの構成において、前記防水シール材の前記ドレン穴の前方には、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮された前記防水シール材を逃す逃し穴が設けられていることを特徴とする。
請求項7の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項1乃至6のいずれかの構成において、前記ドレンパイプは、前記ドレン開口から外部へ突出していないことを特徴とする。
請求項8に係る発明は、車室内に配置されたクーリングユニットのドレン室から凝縮水を車外へ排出するための車両用空調装置のドレン構造に使用される防水シール材であって、
前記ドレン構造は、前記クーリングユニットの底部に、車体の前部へ向って上方に傾斜する傾斜部が形成され、該傾斜部には、前記ドレン室に連通するドレンパイプが突出され、車体のフロアパネルに、前記傾斜部に沿って傾斜する傾斜面が形成され、該傾斜面には前記ドレンパイプに対向するドレン開口が設けられており、前記クーリングユニットは、インストルメントパネルアセンブリに取付けられてモジュール化され、該モジュールは、車体の後部側から前部のダッシュパネルに向って水平方向に組付けられるようになっており、
弾性を有し、前記ドレンパイプが挿入される該ドレンパイプよりも大径のドレン穴が開口され、前記傾斜部に取付けられて、前記モジュールが前記車体に組み付けられたとき、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて、該隙間をシールすることを特徴とする。
請求項9の発明に係る防水シール材は、上記請求項8の構成において、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて、前記ドレン開口からはみ出して、該ドレン開口の縁部を覆うことを特徴とする。
請求項10の発明に係る防水シール材は、上記請求項8又は9の構成において、前記傾斜部の前端部には、上方に傾斜する案内部が形成されており、該案内部に沿って折曲された形状に成形されていることを特徴とする。
請求項11の発明に係る防水シール材は、上記請求項8乃至10のいずれかの構成において、前記ドレン穴の前方に、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて変形した部分を逃す逃し穴が設けられていることを特徴とする
請求項2の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項1の構成において、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて前記ドレン開口からはみ出す前記防水シール材によって前記ドレン開口の縁部を覆うようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項1又は2の構成において、前記傾斜部及び前記傾斜面の水平方向に対する傾斜角度は、15°乃至30°であることを特徴とする。
請求項4の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項1乃至3のいずれかの構成において、前記傾斜部の前端部には、上方に傾斜する案内部が形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項4の構成において、前記案内部の前記傾斜部に対する傾斜角度は、5°以上であることを特徴とする。
請求項6の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項1乃至5のいずれかの構成において、前記防水シール材の前記ドレン穴の前方には、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮された前記防水シール材を逃す逃し穴が設けられていることを特徴とする。
請求項7の発明に係る車両用空調装置のドレン構造は、上記請求項1乃至6のいずれかの構成において、前記ドレンパイプは、前記ドレン開口から外部へ突出していないことを特徴とする。
請求項8に係る発明は、車室内に配置されたクーリングユニットのドレン室から凝縮水を車外へ排出するための車両用空調装置のドレン構造に使用される防水シール材であって、
前記ドレン構造は、前記クーリングユニットの底部に、車体の前部へ向って上方に傾斜する傾斜部が形成され、該傾斜部には、前記ドレン室に連通するドレンパイプが突出され、車体のフロアパネルに、前記傾斜部に沿って傾斜する傾斜面が形成され、該傾斜面には前記ドレンパイプに対向するドレン開口が設けられており、前記クーリングユニットは、インストルメントパネルアセンブリに取付けられてモジュール化され、該モジュールは、車体の後部側から前部のダッシュパネルに向って水平方向に組付けられるようになっており、
弾性を有し、前記ドレンパイプが挿入される該ドレンパイプよりも大径のドレン穴が開口され、前記傾斜部に取付けられて、前記モジュールが前記車体に組み付けられたとき、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて、該隙間をシールすることを特徴とする。
請求項9の発明に係る防水シール材は、上記請求項8の構成において、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて、前記ドレン開口からはみ出して、該ドレン開口の縁部を覆うことを特徴とする。
請求項10の発明に係る防水シール材は、上記請求項8又は9の構成において、前記傾斜部の前端部には、上方に傾斜する案内部が形成されており、該案内部に沿って折曲された形状に成形されていることを特徴とする。
請求項11の発明に係る防水シール材は、上記請求項8乃至10のいずれかの構成において、前記ドレン穴の前方に、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて変形した部分を逃す逃し穴が設けられていることを特徴とする
本発明に係る車両用空調装置のドレン構造及びドレン構造用の防水シール材によれば、充分な気密性及び防水性を確保すると共に、生産性及び組付性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る車両用空調装置1は、車室内に搭載される室内ユニット2と、エンジンルーム内に配置されるコンプレッサ4及びコンデンサ4Aを備えている。図3に示すように、室内ユニット2は、エバポレータ(図示せず)及びエキスパンションバルブ(図示せず)を有するクーリングユニット3と、ブロワモータ(図示せず)を有するブロワユニット5と、ヒータコアを有するヒータユニット6と、空調エアのダクトを切り替えるサーボモータ(図示せず)等を一体化したものであり、合成樹脂製のケース7で覆われている。クーリングユニット3のエバポレータ及びエキスパンションバルブは、冷媒配管8によって、コンプレッサ4及びコンデンサ4Aに接続され、また、ヒータユニット6のヒータコアは、冷却水配管9によって、エンジン冷却装置(図示せず)に接続されている。室内ユニット2のケース7の一側には、冷媒配管8を接続するための冷媒ジョイント10及び冷却水配管9を接続するための冷却水ジョイント11が設けられている。
図2に示すように、本実施形態に係る車両用空調装置1は、車室内に搭載される室内ユニット2と、エンジンルーム内に配置されるコンプレッサ4及びコンデンサ4Aを備えている。図3に示すように、室内ユニット2は、エバポレータ(図示せず)及びエキスパンションバルブ(図示せず)を有するクーリングユニット3と、ブロワモータ(図示せず)を有するブロワユニット5と、ヒータコアを有するヒータユニット6と、空調エアのダクトを切り替えるサーボモータ(図示せず)等を一体化したものであり、合成樹脂製のケース7で覆われている。クーリングユニット3のエバポレータ及びエキスパンションバルブは、冷媒配管8によって、コンプレッサ4及びコンデンサ4Aに接続され、また、ヒータユニット6のヒータコアは、冷却水配管9によって、エンジン冷却装置(図示せず)に接続されている。室内ユニット2のケース7の一側には、冷媒配管8を接続するための冷媒ジョイント10及び冷却水配管9を接続するための冷却水ジョイント11が設けられている。
図4に示すように、室内ユニット2は、車両のインストルメントパネルアセンブリ12の下部の車幅方向略中央に取付けられて一体化されたモジュールMとして車体に組み付けられる。このとき、室内ユニット2の冷媒ジョイント10及び冷却水ジョイント11は、ダッシュパネル13に設けられた開口14に挿通されて、冷媒配管8及び冷却水配管9に接続可能になると共に、開口14の周囲をシールする。モジュールMは、図4中に太矢印で示すように、車体後部側から車体前部のダッシュパネル13側へ水平方向に組付けられて、ボルト等の締結手段によって固定されるようになっており、これにより、組付作業性を高めると共に、冷媒ジョイント10及び冷却水ジョイント11を挿通させるためのダッシュパネル13の開口14の大きさを最小限にすることができ、気密性を高めることができる。
クーリングユニット3のケース7の底部には、エバポレータによって凝縮された凝縮水を排出するためのドレン構造15が設けられている。
ドレン構造15について、図1及び図5を参照して説明する。図1及び図5に示すように、クーリングユニット3のケース7の底部には、凝縮水を溜めるドレン室16が形成されている。ドレン室19の下部には、車体前部のダッシュパネル13側へ向って上方へ傾斜する傾斜部17が形成されている。傾斜部17の略中央部には、ドレン室19に連通するドレンパイプ18が突出されている。ドレンパイプ18は、ケース7と一体成形されて、傾斜部17に対して垂直方向に突出されている。傾斜部17の前端部には、さらに上方に傾斜された案内部19が形成されている。なお、ドレンパイプ18の先端部に、その流路面積を調整し、また、走行時の風の吹込みによる逆流を防止するためのキャップ18Aが装着される(図5参照)。
ドレン構造15について、図1及び図5を参照して説明する。図1及び図5に示すように、クーリングユニット3のケース7の底部には、凝縮水を溜めるドレン室16が形成されている。ドレン室19の下部には、車体前部のダッシュパネル13側へ向って上方へ傾斜する傾斜部17が形成されている。傾斜部17の略中央部には、ドレン室19に連通するドレンパイプ18が突出されている。ドレンパイプ18は、ケース7と一体成形されて、傾斜部17に対して垂直方向に突出されている。傾斜部17の前端部には、さらに上方に傾斜された案内部19が形成されている。なお、ドレンパイプ18の先端部に、その流路面積を調整し、また、走行時の風の吹込みによる逆流を防止するためのキャップ18Aが装着される(図5参照)。
傾斜部17には、防水シール材20が取付けられている。防水シール材20は、独立気泡の発泡材等からなる防水性を有する弾性体であり、所定の厚さを有し、傾斜部17及びその案内部19の表面に沿って折曲した形状に形成されている。また、四隅が面取りされて、平面形状が六角形となっている。防水シール材20には、ドレンパイプ18が挿入されるドレン穴21(長穴)が開口されている。また、ドレン穴21の前方には、2つの逃がし穴22(長穴)が開口されている。傾斜部17の後端部及び側部には、防水シール材20を支持する支持枠23(図5参照)が突出されている。
一方、車体のフロアパネル24には、ダッシュパネル13に連なる前部に、傾斜部17に沿って傾斜する傾斜面25が形成されている。傾斜面25には、ドレンパイプ18及びドレン穴21に対向する部位にドレン開口26が設けられている。ドレン開口26は、モジュールMを水平方向に車体に組付ける際、ドレンパイプ18を円滑に挿入させることができ、かつ、フロアパネル24の開口面積を最小限に抑えるため、車体前後方向に伸びる長穴となっている。また、ドレン開口26の大きさは、防水シール材20のドレン穴21よりもやや大きくなっている。そして、クーリングユニット3が車体に装着された状態で、傾斜部17と傾斜面25との間に防水シール材20の板厚よりも小さい隙間Cが形成され、防水シール材20を圧縮することによって隙間Cをシールする(防水シール材20の車体への組付前の形状を図1中に二点鎖線で示す)。このとき、傾斜面26のドレン穴26が防水シール材20のドレン穴21よりも大きいので、ドレン開口26から防水シール材20が適度にはみ出し(はみ出し部20A参照)、はみ出し部20Aによってドレン開口26の縁部が覆われる。圧縮された防水シール材20の余肉を2つの逃し穴22に逃すことによって防水シール材20のドレン開口26からのはみ出し量を制御している。
クーリングユニット3の傾斜部17及びフロアパネル24の傾斜面25の傾斜角度αは、水平面に対して15°乃至30°であり、傾斜部17の案内部19の傾斜角度βは、傾斜部17に対して5°以上であることが望ましい。なお、傾斜面25は、例えば車体の中央のフロアトンネルとダッシュパネルとの結合部の傾斜を利用して形成することができ、あるいは、別途、フロアパネルに形成してもよい。また、ドレンパイプ18のケース7からの突出長さは、傾斜部17と傾斜面15との隙間Cよりも小さく、車体への組付状態において、ドレンパイプ18の先端がフロアパネル24から突出しないようにすることが望ましい。このように、ドレンパイプ18の突出長さを充分小さくすることにより、ケース7と一体成形する際に、金型を小型化することができる。
クーリングユニット3のドレン室16に溜まった凝縮水は、ドレンパイプ18を通って直接車外へ排出される。フロアパネル24のドレン開口26の縁部が防水シール材20のはみ出し部20Aによって覆われているので、防水性及び気密性を高めるともに、ドレン開口26の縁部の腐食を確実に防止することができる。
次に、モジュールMの車体への組付について、図4、図6及び図7を参照して説明する。
図4及び図6に示すように、モジュールMを車体後部側からダッシュパネル13へ向って水平方向に沿って車体に組付けると、傾斜部17及び傾斜面25の傾斜によって、防水シール部材20は、フロアパネル24の傾斜面25に押付けられ、傾斜部17と傾斜面25との隙間Cに圧縮状態で充填されて傾斜部17及び傾斜面25に密着する。このとき、防水シール材20は、傾斜面25に引きずられることになるが、傾斜部17の案内部19に沿って防水シール材20が上方に折曲され、防水シール材20の前端角部に面取りが施されているので、防水シール材20の捲れ及び剥れを防止することができ、円滑な組付を行うことができる。そして、傾斜面25のドレン開口26から防水シール材20が適度にはみ出して(はみ出し部20A参照)、ドレン開口26の縁部を覆う。このとき、傾斜面25によって引きずられる防水シール材20の余肉を2つの逃し穴22に逃すことによって防水シール材20のドレン開口26からのはみ出し量を制御することができる。
図4及び図6に示すように、モジュールMを車体後部側からダッシュパネル13へ向って水平方向に沿って車体に組付けると、傾斜部17及び傾斜面25の傾斜によって、防水シール部材20は、フロアパネル24の傾斜面25に押付けられ、傾斜部17と傾斜面25との隙間Cに圧縮状態で充填されて傾斜部17及び傾斜面25に密着する。このとき、防水シール材20は、傾斜面25に引きずられることになるが、傾斜部17の案内部19に沿って防水シール材20が上方に折曲され、防水シール材20の前端角部に面取りが施されているので、防水シール材20の捲れ及び剥れを防止することができ、円滑な組付を行うことができる。そして、傾斜面25のドレン開口26から防水シール材20が適度にはみ出して(はみ出し部20A参照)、ドレン開口26の縁部を覆う。このとき、傾斜面25によって引きずられる防水シール材20の余肉を2つの逃し穴22に逃すことによって防水シール材20のドレン開口26からのはみ出し量を制御することができる。
なお、逃し穴22を設けなかったとした場合、図7に示すように、傾斜面25によって引きずられた防水シール材20の余肉がドレン開口26から過度にはみ出し、はみ出し部20Aによってドレンパイプ18の出口が覆われて、凝縮水の排出が阻害される虞がある。
このようにして、モジュールMを車体に組付けることにより、ドレン構造15を容易に構成することができ、組付作業性を改善して生産性を高めることができる。そして、従来のドレンホース及びグロメットを不要にすると共に、気密性及び防水性を高めることができる。また、ドレンパイプ18のケース7からの突出長さを小さくして、金型を小型化することができ、製造コストを低減することができる。
3 クーリングユニット、12 インストルメントパネルアセンブリ、13 ダッシュパネル、15 ドレン構造、16 ドレン室、17 傾斜部、18 ドレンパイプ、20 防水シール材、21 ドレン穴、22 逃し穴 24 フロアパネル、25 傾斜面、26 ドレン開口、M モジュール
Claims (11)
- 車室内に配置されたクーリングユニットのドレン室から凝縮水を車外へ排出するための車両用空調装置のドレン構造において、前記クーリングユニットの底部に、車体の前部へ向って上方に傾斜する傾斜部が形成され、該傾斜部には、前記ドレン室に連通するドレンパイプが突出され、また、前記ドレンパイプが挿入される該ドレンパイプよりも大径のドレン穴が開口された弾性を有する防水シール材が取付けられ、車体のフロアパネルに、前記傾斜部に沿って傾斜する傾斜面が形成され、該傾斜面には前記ドレン穴に対向するドレン開口が設けられており、前記クーリングユニットは、インストルメントパネルアセンブリに取付けられてモジュール化され、該モジュールを車体の後部側から前部のダッシュパネルに向って水平方向に組付けることにより、前記防水シール材を前記傾斜面に押付け、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮された前記防水シール材によって該隙間をシールするようにしたことを特徴とする車両用空調装置のドレン構造。
- 前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて前記ドレン開口からはみ出す前記防水シール材によって前記ドレン開口の縁部を覆うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置のドレン構造。
- 前記傾斜部及び前記傾斜面の水平方向に対する傾斜角度は、15°乃至30°であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置のドレン構造。
- 前記傾斜部の前端部には、上方に傾斜する案内部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用空調装置のドレン構造。
- 前記案内部の前記傾斜部に対する傾斜角度は、5°以上であることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置のドレン構造。
- 前記防水シール材の前記ドレン穴の前方には、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮された前記防水シール材を逃す逃し穴が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用空調装置のドレン構造。
- 前記ドレンパイプは、前記ドレン開口から外部へ突出していないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の車両用空調装置のドレン構造。
- 車室内に配置されたクーリングユニットのドレン室から凝縮水を車外へ排出するための車両用空調装置のドレン構造に使用される防水シール材であって、
前記ドレン構造は、前記クーリングユニットの底部に、車体の前部へ向って上方に傾斜する傾斜部が形成され、該傾斜部には、前記ドレン室に連通するドレンパイプが突出され、車体のフロアパネルに、前記傾斜部に沿って傾斜する傾斜面が形成され、該傾斜面には前記ドレンパイプに対向するドレン開口が設けられており、前記クーリングユニットは、インストルメントパネルアセンブリに取付けられてモジュール化され、該モジュールは、車体の後部側から前部のダッシュパネルに向って水平方向に組付けられるようになっており、
弾性を有し、前記ドレンパイプが挿入される該ドレンパイプよりも大径のドレン穴が開口され、前記傾斜部に取付けられて、前記モジュールが前記車体に組み付けられたとき、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて、該隙間をシールすることを特徴とする防水シール材。 - 前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて、前記ドレン開口からはみ出して、該ドレン開口の縁部を覆うことを特徴とする請求項8に記載の防水シール材。
- 前記傾斜部の前端部には、上方に傾斜する案内部が形成されており、該案内部に沿って折曲された形状に成形されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の防水シール材。
- 前記ドレン穴の前方に、前記傾斜部と前記傾斜面との隙間で圧縮されて変形した部分を逃す逃し穴が設けられていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の防水シール材。
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