以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
浴槽1は一端部側が入浴者Mの足先側が位置する足先配置部51となり、他端部側が入浴者Mの頭部側が位置する頭部配置部52となっており、ここで、本発明においては、上記足先配置部51側を後、頭部配置部52側を前と定義し、足先配置部51と頭部配置部52とを結ぶ方向を前後方向(X方向)と定義している。また、平面視において、足先配置部51と頭部配置部52とを結ぶ方向である前後方向と直交する方向を左右方向(Y方向)と定義しており、浴槽1が平面視略長方形状、あるいは平面視略楕円形状をしたものにおいては、浴槽1の長辺と平行な方向が前後方向であり、短辺と平行な方向が左右方向である。
入浴者Mが、浴槽1内の一端部側である足先配置部51側に足先側を位置させ且つ他端部側である頭部配置部52側に頭部側を位置させるという一般的な浴槽1への入浴姿勢を取って入浴した場合、図1に示すように、入浴者Mの臀部を浴槽1の底面部2の前側端部(頭部配置部52側の端部)寄りの部分に置いて背中を頭部配置部52側(前側)の側壁部6aに当接又は僅かな隙間をあけて対向させて沿わせると共に、下肢を緩やかにく字状に曲げて足先を足先配置部51側(後側)の側壁部6bの下部又は底面部2の足先配置部51側の端部付近に位置させるという入浴姿勢となるものである。この場合、両碗を身体の両側に自然に沿わせると、両碗は身体の胴部分の両側から両下肢の大腿部に沿って配置される姿勢となる。
ここで頭部配置部52側(前側)の側壁部6aは、入浴者Mが上記のような一般的な入浴姿勢を取って、入浴者Mの臀部を浴槽1の底面部2の前側端部(頭部配置部52側の端部)寄りの部分に置いた場合、背中を沿わせることができるように他の側壁部に比べて緩やかに傾斜している。
上記のような一般的な入浴姿勢で入浴した場合、底面部2は後側の端部寄りの部位が臀部置き部53となり、底面部2の前側端部と上記臀部置き部53との間の部分の上方が入浴者の下肢が位置する下肢配置部54となっている。
浴槽1の底面部2には浴水又は気泡入り浴水を底面部2から上方に向けて噴出させるための噴出口3を設けてある。
ここで、底面部2の前後方向に複数噴出口3を設けると共に左右方向にも複数個噴出口3が設けてあり、添付図面に示す実施形態では、前後方向の複数箇所に噴出口3が設けてあり、上記前後方向の複数箇所毎に左右方向にも噴出口3が複数設けてある。噴出口3には主噴出口3aと腕用噴出口3bとがある。
底面部2には、左右方向の中間部分のやや両側の部位にそれぞれ前後方向に複数の主噴出口3aを隔設した複数列(実施形態では四列)の主噴出口3a列が設けてあり、この複数列の主噴出口3a列の左右両側に腕用噴出口3bが一又は複数列設けてある。
図に示す実施形態において主噴出口3aとしては、後側から前側にかけて順に、入浴者の両下肢の足先部の背面にそれぞれ上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を下方から当てて、この部位を足先側から膝の方に向けて擦るような水流を生じさせるための足先部擦り用噴出口3a1と、入浴者Mの両下肢の下腿部の背面から膝の背面にかけての領域にそれぞれ上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を当てて、この部位を足先側から膝の方に向けて擦るような水流を生じさせるための下腿部擦り用噴出口3a2と、入浴者Mの下肢の膝部に向けて上方に浴水又は気泡入り浴水を噴出する膝部擦り用噴出口3a3と、入浴者Mの下肢の大腿部に向けて上方に浴水又は気泡入り浴水を噴出する大腿部擦り用噴出口3a4と、大腿部の付け根寄りの部位に上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を下方から当てて、この部位を下肢側から心臓側に向けて擦るような水流を生じさせるための大腿部付け根寄り部擦り用噴出口3a5と、大腿部の付け根(下肢の付け根)の部位に上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を当てて、この部位を下肢側から心臓側に向けて擦るような水流を生じさせるための下肢付け根擦り用噴出口3a6と、背中を下から上に向けて(つまり腰側から心臓側に向けて)擦るような水流を生じさせるための背中擦り用噴出口3a7とが設けてある。
また、両側の大腿部擦り用噴出口3a4の左右両側には、入浴者の手先部の背面に上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を下方から当てて、この部位を手先側から肘側に向けて擦るような水流を生じさせるための手先部擦り用噴出口3b1が設けてあり、両側の大腿部付け根寄り部擦り用噴出口3a5の左右両側には、入浴者Mの前腕の背面に上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を当てて、この部位を手先側から肘側に向けて擦るような水流を生じさせるための前腕擦り用噴出口3b2が設けてあり、更に、両下肢付け根擦り用噴出口3a6の左右両側には、入浴者の肘の背面に上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を下方から当てて、この部位を肘側から上腕の付け根側に向けて擦るような水流を生じさせるための肘部擦り用噴出口3b3が設けてある。
次に、噴出口3から浴水又は気泡入り浴水を噴出する機構につき説明する。
本実施形態では、浴槽1の底面部2に上記のように複数の噴出口3が設けてあると共に浴槽1の頭部配置部52側(前側)の側壁部6aに浴槽1内の浴水を吸い込むための吸い込み口9が設けてあり、この吸い込み口9と上記複数の噴出口3とが配管11により連通してある。該配管11は吸い込み口9に接続した吸い込み側流水管11aと、該吸い込み側流水管11aの下流側端部にそれぞれ電磁弁13a、13b、13c、13d、13e、13f、13gを有し且つ先端がそれぞれ噴出口3に連通した複数の分岐水流管12a、12b、12c、12d、12e、12f、12gとで構成してあり、吸い込み側流水管11aにポンプ14を設けてある。また、各分岐水流管12a、12b、12c、12d、12e、12f、12gにはエジェクター作用により先端が空気取り入れ口10となった空気供給管15から空気を吸い込んで浴水に混入するようになっている。
噴出口3は図3に示すように上方を向くノズル体3aにより構成してあり、この上方を向くノズル体3aは図3(b)に示すように先端側に行く程末広がりとなるように前後方向から見て断面扇状となっている。したがって、噴出口3から噴出される噴出流は浴槽1の底面部2から上方に向けて噴出し且つ平面視で左右方向に末広がり状に噴出するようになっている。
気泡入り浴水を噴出するに当たっては上記の各例にのみ限定されず、エジェクター作用により吸い込んで浴水中に混入した空気を更に空気溶解タンクで浴水中に溶解させ、浴水中に微細な気泡を含んだ気泡入り浴水として噴出口3から上方に向けて噴出するようにしてもよい。
また、空気を混入することなく単に浴水を吸い込み口9から吸い込んでポンプ14により噴出口13から上方に向けて噴出するようにしてもよい。
本発明においては、浴槽1内の一端部側である後側に入浴者Mの足先側を位置させ且つ他端部側である前側に入浴者Mの頭部側を位置させるという一般的な浴槽1への入浴姿勢を取って入浴した状態で、本実施形態では、まず、両足先部擦り用噴出口3a1から浴水又は気泡入り浴水を上方に向けて噴出して、入浴者Mの両足先部の背面に当てて、この部位を足先側から膝の方に向けて擦るような水流を生じさせ、これにより下肢の足先部のリンパ管を足先側から膝の方に向けて揉み上げるようにリンパマッサージをし、足先部のリンパ管内のリンパ液が下腿部の先端(つまり足先)側から膝側に向かう流れをより促進し、足先側に逆流したり、途中で滞留したりしないようにするのである。
次に、図2に示すように、足先部擦り用噴出口3a1からの浴水又は気泡入り浴水の噴出を停止するやや前の段階で、下腿部擦り用噴出口3a2から浴水又は気泡入り浴水を上方に向けて噴出することを開始する。この場合、下腿部擦り用噴出口3a2から上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を入浴者Mの両下肢の下腿部の背面に当てて、この部位を足先側から膝の方に向けて擦るような水流を生じさせ、これにより下肢の下腿部のリンパ管を足先側から膝側に向けて揉み上げるようにリンパマッサージをし、上記のようにして足先側から膝側に向けて流されたリンパ液の流れを促進し、足先部側に逆流したり、途中で滞留したりしないようにするのである。
次に、下腿部擦り用噴出口3a2からの浴水又は気泡入り浴水の噴出を停止するやや前の段階で、膝部擦り用噴出口3a3から浴水又は気泡入り浴水を上方に向けて噴出することを開始する。この場合、膝部擦り用噴出口3a3から上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を入浴者Mの両下肢の膝部の背面に当てて、この部位を足先側から下肢の付け根の方に向けて擦るような水流を生じさせ、これにより下肢の膝部のリンパ管、リンパ節を足先側から膝側に向けて揉み上げるようにリンパマッサージをし、上記のようにして足先側から大腿部の付け根(下肢の付け根)側に向けて流されたリンパ液の流れを促進し、足先部側に逆流したり、途中で滞留したりしないようにするのである。
次に、膝部擦り用噴出口3a3からの浴水又は気泡入り浴水の噴出を停止するやや前の段階で、大腿部擦り用噴出口3a4と、手先部擦り用噴出口3b1から浴水又は気泡入り浴水を上方に向けて噴出することを開始する。この場合、大腿部擦り用噴出口3a4から上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を入浴者Mの両下肢の大腿部の背面に当てて、この部位を膝側から大腿部の付け根に向けて擦るような水流を生じさせ、これにより下肢の大腿部のリンパ管を膝側から大腿部の付け根側に向けて揉み上げるようにリンパマッサージをし、上記のようにして膝側に向けて流されたリンパ液が更に大腿部のリンパ管内を膝側から大腿部の付け根側に向けて流れるという大腿部のおけるリンパ液の流れを促進し、下腿部側に逆流したり、途中で滞留したりしないようにするのである。また、手先部擦り用噴出口3b1から噴出する浴水又は気泡入り浴水を入浴者Mの両碗の手先部の背面に当てて、この部位を手先側から肘側に向けて擦るような水流を生じさせ、これにより手先部のリンパ管を手先側から肘側に向けて揉み上げるようにリンパマッサージをし、手先部のリンパ管内のリンパ液が手先側から肘側に向かう流れをより促進し、手先側に逆流したり、途中で滞留したりしないようにするのである。
次に、大腿部擦り用噴出口3a4と、手先部擦り用噴出口3b1から浴水又は気泡入り浴水の噴出を停止するやや前の段階で、大腿部付け根寄り部擦り用噴出口3a5と、前腕擦り用噴出口3b2から浴水又は気泡入り浴水を上方に向けて噴出することを開始する。この場合、大腿部付け根寄り部擦り用噴出口3a5から上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を入浴者Mの両下肢の大腿部の付け根寄りの部分の背面に当てて、この部位を膝側から大腿部の付け根に向けて擦るような水流を生じさせ、これにより下肢の大腿部の付け根寄りの部分のリンパ管を膝側から大腿部の付け根側に向けて揉み上げるようにリンパマッサージをし、上記のようにして膝側に向けて流されたリンパ液が更に大腿部のリンパ管内を膝側から大腿部の付け根側に向けて流れるという大腿部のおけるリンパ液の流れを促進し、膝部側に逆流したり、途中で滞留したりしないようにするのである。また、前腕擦り用噴出口3b2から噴出する浴水又は気泡入り浴水を入浴者Mの両碗の前腕の背面に当てて、この部位を手先側から肘側に向けて擦るような水流を生じさせ、これにより前腕のリンパ管を手先側から肘側に向けて揉み上げるようにリンパマッサージをし、前腕のリンパ管内のリンパ液が手先側から肘側に向かう流れをより促進し、手先側に逆流したり、途中で滞留したりしないようにするのである。
次に、大腿部付け根寄り部擦り用噴出口3a5と、前腕擦り用噴出口3b2から浴水又は気泡入り浴水の噴出を停止するやや前の段階で、大腿部付け根擦り用噴出口3a6と、肘部擦り用噴出口3b3から浴水又は気泡入り浴水を上方に向けて噴出することを開始する。この場合、大腿部付け根擦り用噴出口3a6から上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を入浴者Mの両大腿部の付け根部に当てて、この部位を大腿部側から心臓側に向けて擦るような水流を生じさせ、これにより大腿部の付け根部にあるリンパ節を大腿部側から心臓側に向けて揉み上げるようにリンパマッサージをし、上記のようにして大腿部の付け根のリンパ節に流されたリンパ液が更に心臓側に向けて流れるという大腿部の付け根のリンパ管、リンパ節におけるリンパ液の流れを促進し、大腿部側に逆流したり、リンパ節で滞留したりしないようにするのである。また、肘部擦り用噴出口3b3から噴出する浴水又は気泡入り浴水を入浴者Mの両碗の肘部の背面に当てて、この部位を手先側から上腕の付け根に向けて擦るような水流を生じさせ、これにより肘部のリンパ管、リンパ節を手先側から上腕の付け根側に向けて揉み上げるようにリンパマッサージをし、肘腕のリンパ管内のリンパ液が手先側から上腕の付け根側に向かう流れをより促進し、手先側に逆流したり、途中で滞留したりしないようにするのである。
次に、大腿部付け根擦り用噴出口3a6と、肘部擦り用噴出口3b3から浴水又は気泡入り浴水の噴出を停止するやや前の段階で、背中擦り用噴出口3a7から浴水又は気泡入り浴水を上方に向けて噴出することを開始する。この場合、背中擦り用噴出口3a7から上方に向けて噴出する浴水又は気泡入り浴水を入浴者Mの背中に当てて、この部位を下から上に向けて斜めに擦るような水流を生じさせ、これにより下肢の付け根部にあるリンパ節から首の付近にあるリンパ節側に向けて(つまり下肢の付け根部分にあるリンパ節から心臓側に向けて)揉み上げるようにリンパマッサージをし、上記のようにして下肢の付け根のリンパ節に流されたリンパ液が更に心臓側に向けての流れを促進し、リンパ液が下肢の付け根のリンパ節側に逆流したり、滞留したりしないようにするのである。
次に、背中擦り用噴出口3a7からの浴水又は気泡入り浴水の噴出を停止するやや前の段階で、両側の足先部擦り用噴出口3a1からの浴水又は気泡入り浴水の噴出を開始するものであり、同様にして次々と後側の噴出口3から前側の噴出口3にかけて浴水又は気泡入り浴水を順番に噴出するように制御する。
上記の各噴出口3からの噴出を、後側の噴出口3から前側の噴出口3にかけて浴水又は気泡入り浴水を順番に噴出するように制御部4により制御することで、足先側や手先側から心臓側に向けて、順番に位置を変えながら皮膚表面が心臓側に向けて擦られ、これにより足先側や手先側のリンパ管の先端側から、リンパ管、リンパ節を次々と心臓側に向けて順番に揉み上げるようにリンパマッサージがされることになり、足先側や手先側から下肢や腕の付け根にあるリンパ節から次のリンパ節に向けてのリンパ液のスムーズな流れを促進するというように、リンパ管、リンパ節内のリンパ液が心臓の方に向けてよりいっそうスムーズに流れるようにリンパマッサージができることになる。
ところで、浴槽1内の一端部側である後側に入浴者Mの足先側を位置させ且つ他端部側である前側に入浴者Mの頭部側を位置させるという一般的な浴槽への入浴姿勢を取って入浴しても、入浴者Mの体格や入浴姿勢により噴出口3から上方に向けて噴出する噴流が入浴者Mの足や手に当たらない場合が考えられるが、前述の実施形態のように、噴出口3を図3に示すようなノズル体3aとして噴出口3から噴出する浴水又は気泡入り浴水が前後方向から見て上方に行く程左右方向に広がるように設定することで、足や手の位置がずれたり、体格の違いがあっても噴出口3から上方に向けて傾斜して噴出する噴流が確実に入浴者Mに当たって、上方に噴出する噴出流によって皮膚表面を足先側や手先側から心臓側に向けてするような流れを作ることができ、リンパ管、リンパ節を足先側や手先側から心臓側に向けて揉み上げるようにリンパマッサージがなされることになり、リンパ管、リンパ節内のリンパ液が心臓の方に向かう流れを促進させることができるものである。
次に、本発明の他の実施形態につき説明する。本発明は既に述べたように、浴槽1に浴水又は気泡入り浴水を噴出させるための噴出口3を前後方向に複数設け、後側の噴出口3から前側の噴出口3にかけて浴水又は気泡入り浴水を順番に噴出して、入浴者Mの足先や手先から心臓側にかけて順番に水流を当て、これにより入浴者Mの足先や手先から心臓側にかけてリンパ液をスムーズに流すようなリンパマッサージを行うことに特徴があるのであるが、この入浴者Mの足先や手先から心臓側にかけて順番に水流を当てリンパマッサージを行うに当たり、本実施形態では入浴者Mの足先側から心臓側にかけて存在する複数のツボに複数の噴出口3から水流を順番に当てることで複数のツボマッサージを順番に行いながら同時に前述の実施形態と同様の入浴者Mの足先や手先から心臓側にかけてリンパ液をスムーズに流すようなリンパマッサージを行うことができるようになっている。
図4、図5、図6にはそれぞれツボマッサージを順番に行いながらリンパマッサージを行うことができる浴槽装置の一実施形態を示している。
本実施形態では浴槽1には前後方向の複数箇所に噴出口3が設けてある。図4、図5、図6においては複数の噴出口3として、足先配置部51側から頭部配置部52側にかけて順に、頭部配置部52に入浴者Mが頭部を配置し且つ足先配置部51に足先を配置するという一般的な入浴姿勢をした入浴者Mの内くるぶしの下位置に向けて噴射するための内くるぶし下用噴出口3A1、足首脹脛に向けて噴射するための足首脹脛用噴出口3A2、膝裏に向けて噴射するための膝裏用噴出口3A3、太ももに向けて噴出するための太もも用噴出口3A4、腰・背中に向けて噴射するための腰・背中用噴出口3A5、腕の付け根に向けて噴射するための腕付け根用噴出口3A6、肩に向けて噴射するための肩用噴出口3A7が設けてある。
ここで、人体の内くるぶし下には「照海」というツボ(図において符号100で示す)が在り、したがって、内くるぶし下用噴出口3A1から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して内くるぶし下に当てることで、内くるぶし下の「照海」というツボのツボマッサージができることになる。また、人体の足首脹脛には「三陰交」、「承山」というツボ(図において符号101で示す)があり、したがって、足首脹脛用噴出口3A2から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して足首脹脛に当てることで、足首脹脛の「三陰交」、「承山」というツボのツボマッサージができることになる。また、人体の膝裏には「委中」というツボ(図において符号102で示す)があり、したがって、膝裏用噴出口3A3から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して膝裏に当てることで、膝裏の「委中」というツボのツボマッサージができることになる。また、人体の太ももには「殷門」というツボがあり(図において符号103で示す)、したがって、太もも用噴出口3A4から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して太ももに当てることで、太ももの「殷門」というツボのツボマッサージができることになる。また、人体の腰・背中には下から上に向けて順に「腎兪」、「胃兪」、「肝兪」、「心兪」というツボがあり(図において符号104、105、106、107で示す)、したがって、腰・背中用噴出口3A5から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して腰・背中に当てることで、腰・背中の「腎兪」、「胃兪」、「肝兪」、「心兪」というツボのツボマッサージができることになる。また、人体の腕の付け根には「天宗」というツボ(図において符号108で示す)があり、したがって、腕付け根用噴出口3A6から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して腕の付け根に当てることで、腕の付け根の「天宗」というツボのツボマッサージができることになる。また、人体の肩には「肩井」というツボ(図において符号109で示す)があり、したがって、肩用噴出口3A7から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して肩に当てることで、肩の「肩井」というツボのツボマッサージができることになる。
図4、図5、図6に示す実施形態では浴槽1の足先配置部51側(後側)の側壁部6bの下部の左右方向の中央位置に1つの内くるぶし下用噴出口3A1が設けてあり、この内くるぶし下用噴出口3A1には図4(b)、図5(b)、図6(b)の矢印に示すように平面視で斜め左前方向に噴射する水流と斜め右前方向に噴射する水流との2つの水流を噴射するように2つのノズル孔が設けてあるか、または後述の噴出方向可変手段20を設けることで噴出口3から噴射方向噴射方向を変化させながら噴出させてたりして、入浴者Mが両足先を足先配置部51に配置する際に、左右の足先がそれぞれ内くるぶし下用噴出口3A1の左右両側に位置するようにように配置することで左右両足先の各内くるぶしの下の部分(つまり「照海」というツボの部分)にそれぞれ斜めから水流を当てて「照海」というツボのツボマッサージができるようになっている。
また、図4には足首脹脛用噴出口3A2、膝裏用噴出口3A3、太もも用噴出口3A4を浴槽1の底面部2の前後方向の異なる位置にそれぞれ左右2個づつ配置して下方よりそれぞれ入浴者Mの足首脹脛、膝裏、太ももに水流を当てて、足首脹脛の「三陰交」、「承山」というツボ、膝裏の「委中」というツボ、太ももの「殷門」というツボのツボマッサージができるようにしてある。
また、図5には足首脹脛用噴出口3A2、膝裏用噴出口3A3、太もも用噴出口3A4を浴槽1の左右側壁部の下部の前後方向の異なる位置にそれぞれ配置して側面斜め下よりそれぞれ斜め上方に水流を噴射して入浴者Mの足首脹脛、膝裏、太ももに水流を当てて、足首脹脛の「三陰交」、「承山」というツボ、膝裏の「委中」というツボ、太ももの「殷門」というツボのツボマッサージができるようにしてある。
更に、図6には膝裏用噴出口3A3を浴槽1の底面部2の左右に配置して下方よりそれぞれ入浴者Mの膝裏に水流を当てて、膝裏の「委中」というツボのツボマッサージを行い、足首脹脛用噴出口3A2、太もも用噴出口3A4を浴槽1の左右側壁部の下部の前後方向の異なる位置にそれぞれ配置して側面斜め下よりそれぞれ斜め上方に水流を噴射して入浴者Mの足首脹脛、太ももに水流を当てて、足首脹脛の「三陰交」、「承山」というツボ、太ももの「殷門」というツボのツボマッサージができるようにしてある。
また、図4、図5、図6の各実施形態において、腰・背中用噴出口3A5、腕付け根用噴出口3A6、肩用噴出口3A7は浴槽1の上程前となるように緩やかに傾斜した前側の側壁部6aに下から上にかけて順に設けてある。腕付け根用噴出口3A6、肩用噴出口3A7はそれぞれ左右方向に1個ずつ(各2個)ずつ設けてあるが、腰・背中用噴出口3A5は中央部に1個又は左右方向に1個ずつ設けてもよい。このように腰・背中用噴出口3A5は中央部に1個又は左右方向に1個ずつ設ける場合、後述のように噴出口3から浴水又は気泡入り浴水を噴出する際、噴出方向可変手段20により噴出方向を変化させながら噴出し、腰・背中に下から上にかけて順に在る「腎兪」、「胃兪」、「肝兪」、「心兪」というツボを順番にツボマッサージできるようにする。もちろん、前側の前壁部6aに下から上にかけて4個の腰・背中用噴出口3A5を設け、各腰・背中用噴出口3A5をそれぞれ「腎兪」、「胃兪」、「肝兪」、「心兪」というツボに対応したものとし、「腎兪」、「胃兪」、「肝兪」、「心兪」というツボを対応する4個の腰・背中用噴出口3A5により順番にツボマッサージするようにしてもよい。
上記図4、図5、図6に示す各実施形態においては、内くるぶし下用噴出口3A1→足首脹脛用噴出口3A2→膝裏用噴出口3A3→太もも用噴出口3A4→腰・背中用噴出口3A5→腕付け根用噴出口3A6→肩用噴出口3A7の順に浴水又は気泡入り浴水を順番に噴出することで、前述の実施形態と同様に入浴者Mの足先側から心臓側にかけて順にリンパマッサージを行う(リンパマッサージの説明については前述の実施形態と同様であるので省略する)のであるが、このリンパマッサージの際に同時に 内くるぶし下用噴出口3A1から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して内くるぶし下に当てて内くるぶし下の「照海」というツボのツボマッサージを行い、次に、足首脹脛用噴出口3A2から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して足首脹脛に当てて足首脹脛の「三陰交」、「承山」というツボのツボマッサージを行い、次に、膝裏用噴出口3A3から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して膝裏に当てて膝裏の「委中」というツボのツボマッサージを行い、次に、太もも用噴出口3A4から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して太ももの「殷門」というツボのツボマッサージを行い、次に、腰・背中用噴出口3A5から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して腰・背中に当てて腰・背中の「腎兪」、「胃兪」、「肝兪」、「心兪」というツボのツボマッサージを行い、次に、腕付け根用噴出口3A6から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して腕の付け根に当てて腕の付け根の「天宗」というツボのツボマッサージを行い、次に、肩用噴出口3A7から浴水や気泡入り浴水の水流を噴射して肩に当てて肩の「肩井」というツボのツボマッサージを行うという順番で、足先側から心臓側にかけて存在する主用なツボを順次ツボマッサージしながら同時に足先側のリンパ管の先端側から心臓側に向けてリンパ液が順次スムーズに流れるようにリンパマッサージがされることになる。したがって、図4、図5、図6に示す実施形態においては、指でツボを押すのと同様のツボマッサージを行いながら同時にリンパマッサージを行うことができるのである。
次に、噴出口3から浴水又は気泡入り浴水を噴出する際、噴射方向を連続して変化させながら噴出させるための噴出方向可変手段20について図7、図8に基づいて説明する。
図7、図8に示す実施形態における噴出方向可変手段20は、2以上の異なる流路から噴出口3内に水を流入させて噴出口3から噴出させるようにしたものにおいて、2以上の異なる流路から噴出口3内に流入させる水の流量比を変化させることで噴出口3から噴出方向を変えながら噴出させるようになっており、噴出方向可変手段20がいわば流量比可変タイプの実施形態である。
すなわち、図7(a)に示すようにポンプ14と噴出口3を有するノズル体3aとを電動弁21を介して連通接続してある。電動弁21は図8に示すように本体19と、本体19の孔23に回動自在に嵌め込まれた回動弁体24と、回動弁体24を回動するためのモータ25とより構成してある。本体19にはポンプ14と配管26により連通接続される流入口22と、後述のノズル体3aの第1入口27に配管28により連通接続される第1流出口29と、ノズル体3aの第2入口30に配管31により連通接続される第2流出口32とを備えており、回動弁体24には回動弁体24の回動軸と同方向に形成した常時流入口22と連通する流入孔33と回動弁体24の側壁部に該流入孔33に連通するように形成した弁口34とを備えており、回動弁体24をモータ25で回動することで図8(b)のように第1流出口29にのみ水が流れる状態から、第1流出口29と第2流出口32の両方に流量比をかえながら流れる状態(図8(c)には流量比が等しい段階を示す)を経て、図8(d)のように第2流出口32のみに水が流れる状態というように、第1流出口29と第2流出口32への水の流れる流量比を変化させながら噴出口3に水を供給することができるようになっている。
本実施形態においてノズル体3aは噴出口3からの水流の噴出方向が連続して変化するスイングノズルであり、図7(b)に示すように両側面部に第1入口27、第2入口30を設け、前面部に噴出口3を設け、第1入口27と噴出口3の底部とを第1傾斜通路35で連通させると共に第2入口30と噴出口3の底部とを第2傾斜通路36で連通させてある。ここで、第1傾斜通路35と第2傾斜通路36とを互いにクロスするように逆方向に傾斜している。また、噴出口3の底部は図7(b)に示すように略V字状となっており、略V字状をした底部の片側半部の傾斜底面37a及び他の片側半部の傾斜底面37bにそれぞれ第1開口38a、第2開口38bが設けてあり、第1傾斜通路35の先端が第1開口38aとなり、第2傾斜通路36の先端が第2開口38bとなっている。
そして、ポンプ14を運転して水を電動弁21を介して噴出口3に供給するのであるが、モータ25を駆動して回動弁体24を回転することで、第1流出口29と第2流出口32への水の流れる流量比が変化しながら第1開口38a、第2開口38bから噴出口3内に供給されて噴出口3内で合流し、合流した水流が噴出口3から外部に噴射されることになる。この場合、噴出口3で合流した水は第1開口38aと第2開口38bから供給される流量比が変化することでその噴出口3からの噴出方向を略扇状の角度の範囲内で変化させることになる。つまり、図8(b)のように第1流出口29にのみ水が流れる時は噴出口3から水流の噴射方向は図7(b)の矢印イ方向となり、回動弁体24が回転して図8(c)のように第1流出口29、第2流出口32との流量比が同じとなると図7(b)の矢印ロ方向となり、更に、回動弁体24が回転して図8(d)のように第2流出口32のみに水が流れる時は噴出口3から水流の噴射方向は図7(b)の矢印ハ方向となる。更に回動弁体24が回動すると矢印ハ方向から矢印ロ方向を経て再び矢印イ方向となる。このように噴出口3から矢印イ方向から矢印ハ方向の範囲内で水流の噴射方向を変えながら噴射するようになっており、本実施形態では噴出口3内に開口した第1開口38aと第2開口38bと、第1開口38aと第2開口38bから供給される水流の流量比を変化させるための前述の電動弁21により噴出口3から浴水又は気泡入り浴水を噴出する際、噴出方向を変化させながら噴出させるための噴出方向可変手段20を構成している。
図9には上記図8に示す実施形態におけるポンプ14を出力一定で連続運転している際に同時に回動弁体24を一方向に連続して回転している時の第1流出口29と第2流出口32の流量比の変化と、噴射方向との関係を示すタイムチャートを示しており、図9において水量Sはポンプ14からの供給水量を示している。また、図9の1サイクルTはモータ25の回転速度の設定により任意に設定が可能である。
図10(a)には噴射方向可変手段20の他の実施形態が示してある。図10(a)に示す実施形態においては、ノズル体3aにはV字状溝部39が設けてあり、該V字状溝部39内にノズル用回動体40が回動軸41により回動自在に取付け取付けてあり、該回動軸41はモータ47により回動するようになっている。V字状溝部39の側壁に円弧状をした長孔42が設けてあり、ノズル体3aの側壁に設けた入口43と長孔42とを通路45が連通している。ノズル用回動体40は有底筒状をしていて先端開口が噴出口3となっており、また、ノズル用回動体40の後部側壁部には孔46が設けてあり、該孔46は長孔42と連通しており、ノズル用回動体40がモータ47の駆動により回動軸41を中心に往復回動する際、長孔42の一部が孔46と連通し、入口43から供給された水が長孔42、孔46を経て回動するノズル用回動体40内に入って先端の噴出口3から外部にその噴出方向を変えながら噴出するようになっている。したがって、本実施形態ではV字状溝部39を設けたノズル体3a、V字状溝部39内に回動自在に取付けられたスイングノズルとなるノズル用回動体40、モータ47等により噴出方向可変手段20を構成している。
また、図10(b)には噴射方向可変手段20の更に他の実施形態が示してある。図10(b)に示す実施形態の噴射方向可変手段20は以下の構成となっている。すなわち、ノズル体3aに凹部49が設けてあり、側壁に設けた入口43と凹部49側壁に設けた出口60とを通路61により連通しており、出口60に後端を接続した筒状をしたスイングノズルとなるフレキシブルなノズル用回動体40が凹部49内に配置してあり、該ノズル用回動体40の上部と凹部49の側壁との間に引っ張り又は圧縮用のばね材62を介在し、ばね材62により図10(b)の想像線のようにノズル用回動体40をほぼ垂直となるように保持していてこの状態で出口60からの水流の吐出する方向と筒状をしたフレキシブルなノズル用回動体40とがほぼ直交している。今、入口43から供給された水が出口60からノズル用回動体40内に流入すると、出口60から出た水流に押されてノズル用回動体40がばね材62のばね力に抗して図10(b)の想像線の状態から実線のように回動してノズル用回動体40の先端の噴出口3から噴出するのであるが、この場合、供給する水の流量を変えることでノズル用回動体40の回動角度を変化させることができる。つまり、供給する水の流量を次第に増加させていき、その後、次第に減少させていくという動作を繰り返すことで噴出方向を可変しながら噴出しつづけることができる。
また、図10(c)には噴射方向可変手段20の更に他の実施形態が示してある。図10(c)に示す実施形態の噴射方向可変手段20は流量比可変タイプの噴出方向可変手段20の実施形態であり、以下の構成となっている。すなわち、図10(c)に示す実施形態においては、ノズル体3aに先端開口が噴出口3となった凹部49を設け、凹部49内に噴出方向変更板63が回動自在に内装し、ノズル体3aの両側部に第1流水路64、第2流水路65が設けてあり、第1流水路64、第2流水路65は噴出方向変更板63の後端部を介して凹部49の両側壁の下部の互いに対向する位置においてそれぞれ開口している。そして、第1流水路64、第2流水路65から流れる水の流量比を変化させることで、噴出方向変更板63が緩やかに回動し、凹部49の噴出口3である先端開口からの噴出方向が変化してスイングノズルとなる。
上記各実施形態のように噴出方向可変手段20により噴出口3から噴出方向を変更しながら噴出することで一つの噴出口3からの噴出で複数のツボに順番に水流を当ててツボマッサージができることになる。
次に、前述の電動弁21を用いたリンパマッサージのシステムを備えた浴槽装置について図11乃至図15に基づいて説明する。図11において4は制御部、90は電源である。
図11においては、浴槽1に前後方向に足先配置部51側から頭部配置部52側にかけて複数の噴出口3が設けてあるが、この複数の噴出口3としては入浴者Mの下半身の複数箇所にそれぞれ噴射する下半身用の複数の噴出口3と、上半身の複数箇所にそれぞれ噴射する噴出口3とがあり、図11の具体例としては、下半身用の複数の噴出口3として内くるぶし下用噴出口3A1、足首脹脛用噴出口3A2を設けてあり、上半身用の複数の噴出口3として腰・背中用噴出口3A5、腕付け根用噴出口3A6を設けた例が示してある。上記内くるぶし下用噴出口3A1、腰・背中用噴出口3A5としては前述の流量比可変タイプの噴出方向可変手段20により噴射方向を変えながら噴射する構造のものが使用される。すなわち、内くるぶし下用噴出口3A1、腰・背中用噴出口3A5を有するノズル体3aはそれぞれ前述の図7(b)に示すような構造のスイングノズルが使用される。スイングノズルの具体的構成については前述の通りであるので説明は省略する。
ポンプ14としては下半身用の第1のポンプ14aと、上半身用の第2のポンプ14bとがあり、両ポンプ14a、14bは配管66により浴槽1に設けた吸い込み口9に連通している。また、本実施形態では電動弁21として下半身用の電動弁21aと上半身用の電動弁21bとの2つが設けてある。
電動弁21は前述のように、本体19と、本体19の孔23に回動自在に嵌め込まれた回動弁体24と、回動弁体24を回動するためのモータ25とより構成してある。本実施形態の場合、図12に示すような電動弁21を使用し、本体19には一側面に開口する流入口22と、孔23の内側の周方向の異なる位置にそれぞれ開口する第1流出口29と第2流出口32と第3流出口68とを有している。流入口22は回動弁体24に設けた流入孔33の一端に常時連通し、流入孔33の他端に連通した弁口34が回動弁体24の回動により第1流出口29、第2流出口32、第3流出口68に順番に連通するようになっている。流入口22は配管26によりポンプ14に接続してある(電動弁21が下半身用の電動弁21aの場合は下半身用の第1のポンプ14aに配管26により連通接続してあり、電動弁21が上半身用の電動弁21aの場合は上半身用の第2のポンプ14bに配管26により連通接続してある)。また、電動弁21が下半身用の電動弁21aの場合は第1の流出口29が内くるぶし下用噴出口3A1を有するノズル体3aの第1入口27と配管69により連通接続してあり、第2の流出口32が内くるぶし下用噴出口3A1を有するノズル体3aの第2入口30と配管70により連通接続してあり、更に、第3の流出口68が配管71により足首脹脛用噴出口3A2に接続してある。また、電動弁21が上半身用の電動弁21bの場合は第1の流出口29が腰・背中用噴出口3A5を有するノズル体3aの第1入口27と配管72により連通接続してあり、第2の流出口32が腰・背中用噴出口3A5を有するノズル体3aの第2入口30と配管73により連通接続してあり、更に、第3の流出口68が配管74により腕付け根用噴出口3A6に接続してある。
ここで、上記の構成の浴槽装置においては、内くるぶし下用噴出口3A1→足首脹脛用噴出口3A2→腰・背中用噴出口3A5→腕付け根用噴出口3A6の順番で水流を噴射すると共にこのサイクルを繰り返すようにして入浴者Mの全身をリンパマッサージする(実施形態では同時にツボマッサージをする)全身噴出モードと、内くるぶし下用噴出口3A1→足首脹脛用噴出口3A2の順番で水流を噴射すると共にこのサイクルを繰り返すようにして入浴者Mの全身を下半身のリンパマッサージする(実施形態では同時にツボマッサージをする)下半身噴出モードと、腰・背中用噴出口3A5→腕付け根用噴出口3A6の順番で水流を噴射すると共にこのサイクルを繰り返すようにして入浴者Mの上半身をリンパマッサージする(実施形態では同時にツボマッサージをする)上半身噴出モードとを選択して運転できるようになっている。上記モードの切り替えは操作部に設けた切り換え手段80で切り換え操作することで行うもので、切り換え手段80おいておこなった切り換え操作の信号が制御部4に入力されて上記各モード切り替えがなされる。
図13には全身噴出モードの動作を示している。図13において太線は各流出口から水が流れている状態を示し、水平な太線は該当する流出口が全開状態で水が流れ、右下がりの太線は該当する流出口が次第に弁口34との連通面積が減りながら水が流れ、右上がりの太線は該当する流出口が次第に弁口34との連通面積が増えながら水が流れている状態を示している。
図13に示すように、まず、下半身用の第1のポンプ14aをオンにする(この場合上半身用の第1のポンプ14bはオフである)。この時、下半身用の電動弁21aの回動弁体24の弁口34と第1の流出口29とが連通している。したがって、内くるぶし下用噴出口3A1部分のノズル体3aの第1入口27から内くるぶし下用噴出口3A1内に流入して内くるぶし下用噴出口3A1から図7(b)の矢印イ方向に水流が噴出し、入浴者Mの両内くるぶし下のうち一方の内くるぶし下に当たり、一方の内くるぶし下に在る「照海」というツボをツボマッサージする。第1のポンプ14aをオンにして一定時間(t)後に下半身用の電動弁21aをオンする(この場合上半身用の電動弁21bはオフである)ことで、回動弁体24が一方向に回転し、弁口34と第1の流出口29との連通面積が減っていくと共に弁口34が第2の流出口32とが連通し始めて次第に連通面積が増えていくことで、ノズル体3aの第1入口27と第2入口30とから内くるぶし下用噴出口3A1内に流入する水の流量比が変化し、これに伴って内くるぶし下用噴出口3A1から噴射する水流の噴出方向が変化していき、第1入口27を流れる水量よりも第2入口30を流れる水量が多くなると(つまり第1の流出口29を流れる水量よりも第2の流出口32を流れる水量が多くなると)内くるぶし下用噴出口3A1から噴出する水流が入浴者Mの両内くるぶし下のうち他方の内くるぶし下に当たり、他方の内くるぶし下に在る「照海」というツボをツボマッサージする。
次に、回動弁体24が更に回転し、弁口34と第2の流出口32との連通面積が最大となると、これを境に弁口34と第2の流出口32との連通面積が次第に減っていくと共に弁口34が第3の流出口68とが連通し始めて次第に連通面積が増えていくことで、内くるぶし下用噴出口3A1には第2入口30からのみ水が供給されて他方の内くるぶし下に在る「照海」というツボのツボマッサージを継続しながら次第に流量が減っていきツボの刺激がゆっくりと減少していくようなツボマッサージとなり、同時に第3の流出口68から流れる水流が足首脹脛用噴出口3A2から噴出して入浴者Mの足首脹脛に当たって足首脹脛の「三陰交」、「承山」というツボのツボマッサージを行う。この場合、弁口34と第3の流出口68との連通面積が次第に増えていくことで、足首脹脛の「三陰交」、「承山」というツボのツボマッサージは最初は弱く、次第に強く水流が当たる。
回動弁体24が更に回転し、弁口34と第3の流出口68との連通面積が最大となると、これを境に弁口34と第3の流出口68との連通面積が次第に減っていくと共に弁口34が第1の流出口29と連通し始めて次第に連通面積が増えていく。これにより足首脹脛の「三陰交」、「承山」というツボのツボマッサージは最大に強い状態を境にして次第に弱くなり、同時に内くるぶし下用噴出口3A1には第1入口27に最初は少なく次第に多くなるように水が供給されて一方の内くるぶし下に在る「照海」というツボのツボマッサージを開始し、弁口34が第1の流出口29とのみ連通するようになった状態で下半身用の第1のポンプ14aをオフにすると共に下半身用の電動弁21aをオフにする。
上記のように下半身用の第1のポンプ14aをオフにした際に同時に上半身用の第2のポンプ14bをオンにする。
この時、上半身用の電動弁21aの回動弁体24の弁口34と第1の流出口29とが連通している。したがって、腰・背中用噴出口3A5を有するノズル体3aの第1入口27から腰・背中用噴出口3A5内に流入して腰・背中用噴出口3A5から図7(b)の矢印イ方向に水流が噴出し、入浴者Mの腰に当たる。
第2のポンプ14bをオンにして一定時間(t)後に上半身用の電動弁21bをオンする(この場合下半身用の電動弁21aはオフである)ことで、回動弁体24が一方向に回転し、弁口34と第1の流出口29との連通面積が減っていくと共に弁口34が第2の流出口32と連通し始めて次第に連通面積が増えていくことで、ノズル体3aの第1入口27と第2入口30とから腰・背中用噴出口3A5内に流入する水の流量比が変化し、これに伴って腰・背中用噴出口3A5から噴射する水流の噴出方向が変化していく。このような腰・背中用噴出口3A5から噴射する水流の噴出方向が変化していくことで、腰・背中に在る「腎兪」、「胃兪」、「肝兪」、「心兪」というツボに次々と水流が当たってこれらのツボマッサージをする。
次に、回動弁体24が更に回転し、弁口34と第2の流出口32との連通面積が最大となると、これを境に弁口34と第2の流出口32との連通面積が次第に減っていくと共に弁口34が第3の流出口68とが連通し始めて次第に連通面積が増えていくことで、腰・背中用噴出口3A5には第2入口30からのみ水が供給されて「心兪」というツボのツボマッサージを継続しながら次第に流量が減っていきツボの刺激がゆっくりと減少していくようなツボマッサージとなり、同時に第3の流出口68から流れる水流が腕付け根用噴出口3A6から噴出して入浴者Mの腕付け根に当たって腕付け根の「天宗」というツボのツボマッサージを行う。この場合、弁口34と第3の流出口68との連通面積が次第に増えていくことで、腕付け根の「天宗」というツボのツボマッサージは最初は弱く、次第に強く水流が当たる。
回動弁体24が更に回転し、弁口34と第3の流出口68との連通面積が最大となると、これを境に弁口34と第3の流出口68との連通面積が次第に減っていくと共に弁口34が第1の流出口29とが連通し始めて次第に連通面積が増えていく。これにより腕付け根の「天宗」というツボのツボマッサージは最大に強い状態を境にして次第に弱くなり、同時に腰・背中用噴出口3A5には第1入口27に最初は少なく次第に多くなるように水が供給されて腰に在る「腎兪」というツボのツボマッサージを開始し、弁口34が第1の流出口29とのみ連通するようになった状態で上半身用の第2のポンプ14bをオフにすると共に上半身用の電動弁21bをオフにする。
上記のようにして下半身のツボマッサージを順番に行いながら下半身のリンパマッサージを行い、次に、上半身のツボマッサージを順番に行いながら上半身のリンパマッサージを行うことで、全身のツボマッサージを順番に行いながら全身のリンパマッサージを行うことができ、しかも、この場合、図12に示すような回動弁体24の回動により弁口34と複数の流出口との連通状態が変化するようにした電動弁21を用いることで、図13の右上がりの太線で示すように入浴者のマッサージ対象の各ツボに対して水流が最初は弱く、次第に強く、最大の強さとなると、図13の右下がりの太線で示すように次第に弱くなるように当たり、あたかも指でツボをマッサージするのに近いマッサージ感が得られることになる。
なお、図11の実施形態においては、下半身用の第1のポンプ14a又は上半身用の第2のポンプ14bを運転した場合、エジェクター作用により先端が空気取り入れ口10となった空気供給管15から空気が浴水中に取込まれて気泡入り浴水として水流が噴出するようになっているが、先端が空気取り入れ口となった空気供給管15を設けないものであってもよい。
上記全身のリンパマッサージを1サイクルとして、これを順番に繰り返すことで、全身のツボマッサージをより効果的に行いながら、全身のリンパマッサージを行うことができる。
本発明においては、上記した全身のリンパマッサージの運転だけでなく、切り換え手段80を切り換え操作することで、図14に示すように下半身用の第1のポンプ14a、下半身用の電動弁21aのみを前述と同様にして運転して、下半身のツボマッサージを順番に行いながら下半身のリンパマッサージのみの運転を行い(この場合、上半身用の第2のポンプ14b、上半身用の電動弁21bはオフとなっている)、この下半身のリンパマッサージを1サイクルとしてこれを繰り返す下半身噴出モード運転や、図15に示すように上半身用の第2のポンプ14b、上半身用の電動弁21bのみを前述と同様にして運転して、上半身のツボマッサージを順番に行いながら上半身のリンパマッサージのみの運転を行い(この場合、下半身用の第1のポンプ14a、下半身用の電動弁21aはオフとなっている)、この上半身のリンパマッサージを1サイクルとしてこれを繰り返すことで、上半身のツボマッサージを順番に行いながら上半身のリンパマッサージを連続して繰り返す上半身噴出モード運転を選択することができる。このようにして、入浴者は、全身、あるいは下半身のみ、あるいは上半身のみを重点的にツボマッサージを順番に行いながらリンパマッサージを行うことを選択できて、効果的なマッサージができる。
上記実施形態では下半身用の第1のポンプ14a、上半身用の第2のポンプ14bを設けた例を示したが、1つのポンプを用いて上記のようなツボマッサージを順番に行いながらリンパマッサージを行うようにしてもよい。
また、図13、図14、図15に示す実施形態では、第1のポンプ14aをオンにして一定時間(t)後に下半身用の電動弁21aをオンしたり、あるいは、第2のポンプ14bをオンにして一定時間(t)後に上半身用の電動弁21bをオンしたりするように制御部4により下半身用の電動弁21aや上半身用の電動弁21bを制御する例を示しているが、図16、図17、図18に示すように第1のポンプ14aのオンと同時に下半身用の電動弁21aをオンするように制御部4により制御すると共に、第2のポンプ14aのオフと同時に下半身用の電動弁21aをオフするように制御部4により制御したり、あるいは、第2のポンプ14bのオンと同時に上半身用の電動弁21bをオンするように制御部4により制御すると共に、第2のポンプ14aのオフと同時に上半身用の電動弁21bをオフするように制御部4により制御したりしてもよい。