JPH0568698A - 浴槽装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入浴者の肩等に当る感じがやわらかく、心地
よいマッサージ効果を与えることができると共に、入浴
者の肩等に当って飛び散る量の少ない泡沫状の吐出ブロ
ーを提供すること。 【構成】 浴槽本体と循環ポンプとの間に吐水配管を配
置し、同吐水配管の先端吐出口を浴槽の標準お湯張り水
位よりも上方に位置させて、同先端吐出口より浴湯を吐
出可能とした浴槽装置において、先端吐出口に泡沫吐水
用の吐出ノズルを取付けて、泡沫状の浴湯を吐出可能と
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、泡沫状の浴湯による吐
出ブローが可能な浴槽装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、浴槽本体内の浴湯を利用して、い
わゆる打たせ湯等のマッサージ効果を得ることのできる
浴槽装置の一つとして、実開昭63-169130 号公報に記載
されたものがある。

【０００３】すなわち、上記浴槽装置は、浴槽本体に循
環ポンプを吸水配管を介して連通連結し、同循環ポンプ
に吐水配管の基端を連通連結すると共に、同吐水配管の
先端吐出口を浴槽本体内のお湯張り水面よりも上方に位
置させて構成している。

【０００４】そして、吐水配管の先端吐出口から浴湯を
吐出させて、吐出浴湯を入浴者の肩等に当てて肩口を暖
める効果を得ることができるようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記浴槽装
置の場合、吐出口より吐出される浴湯は、滝状であるた
めに、入浴者によっては肩等に当たる浴湯の衝撃がな
く、マッサージ効果や刺激感が少ないという問題があっ
た。

【０００６】また、吐水量が多い場合には、肩等に当た
って浴槽本体の外に飛び散る量が多いという無駄がある
と共に、浴湯を循環させて使用している間に浴湯が少な
くなるために、浴湯を補充しなければならないという煩
わしさもあった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、浴
槽本体と循環ポンプとの間に吐水配管を配置し、同吐水
配管の先端吐出口を浴槽の標準お湯張り水位よりも上方
に位置させて、同先端吐出口より浴湯を吐出可能とした
浴槽装置において、先端吐出口に泡沫吐水用の吐出ノズ
ルを取付けて、泡沫状の浴湯を吐出可能としたことを特
徴とする浴槽装置を提供せんとするものである。

【０００８】また、本発明では、泡沫吐水用の吐出ノズ
ルは、ノズル本体内に浴湯を通水させる吐水路を設け、
同吐水路内の下流側に順次浴湯を高速にて噴出させる浴
湯噴出口と、空気を取込むための空気取込部とを設け、
吐水路を通過した浴湯が浴湯噴出口から噴出する際に生
じる負圧を利用して外部の空気を取込むと共に、浴湯中
に混入して、泡沫状となった浴湯を吐出可能としたこと
にも特徴を有する。

【０００９】ここで、浴槽の標準お湯張り水位とは、浴
槽カタログ等に記載されている満水水量である。

【００１０】

【作用】本発明では、循環ポンプを作動させて、浴槽本
体内の浴湯を吸水配管を通して吸水すると共に、吐水配
管を通して先端吐出口より浴槽本体内に吐出させるとい
う強制循環を行なうことができるものであり、その際、
先端吐出口は浴槽本体内の水面よりも上方に位置させ
て、同先端吐出口より吐出される浴湯を入浴者の肩等に
当ててマッサージ効果を得ることができる。

【００１１】この際、先端吐出口には、泡沫吐水用の吐
出ノズルを取付けており、同吐出ノズルは、ノズル本体
内に吐水路を設け、同吐水路内の下流側に順次浴湯を高
速にて噴出させる浴湯噴出口と、空気を取込むための空
気取込部とを設け、吐水路を通過した浴湯が浴湯噴出口
から噴出する際に生じる負圧を利用して外部の空気を取
込むと共に、浴湯中に混入して泡沫状とし、かかる泡沫
状の浴湯を吐出することができる。

【００１２】かかる泡沫状の浴湯は感触がやわらかく、
入浴者の肩等に心地よいマッサージ効果を与えることが
できる。

【００１３】しかも、泡沫状の浴湯は、入浴者の両肩に
当っても、大きく飛散することがなく、入浴者の肩に沿
って浴槽本体内に流れ落ちるために、飛散による浴湯の
無駄を少なくして、循環浴湯の補充の必要性をなくすこ
とができる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。

【００１５】図１は、本発明に係る浴槽装置Ａの説明図
である。

【００１６】浴槽装置Ａは、浴槽本体10と、循環ポンプ
Ｐとの間に、吸水配管11と吐水配管12とからなる浴湯循
環流路13を介設すると共に、同吐水配管の先端吐出口12
a を浴槽本体10内のお湯張り水面ｗよりも上方に位置さ
せて、同先端吐出口12a より浴湯Ｙを吐出可能とし、さ
らに、吐水配管12の中途部に濾過機Ｆを取付けている。

【００１７】浴槽本体10は、図１及び図２に示すよう
に、上面開口の箱型に形成すると共に、周縁に一定幅を
有する鍔状の縁部10a を形成し、後壁のみを入浴者Ｎが
傾斜した姿勢で入浴できるように傾斜状に形成して背も
たれ部10b とし、同背もたれ部10b の上縁部には上方へ
膨出させた曲面状の枕形に形成した頭掛け部10c を設
け、同頭掛け部10c に入浴者Ｎの後頭部を掛けることが
できるようにしている。19は取手、20は浴湯排出口であ
る。

【００１８】そして、頭掛け部10c の左右側方には、入
浴者の両肩に向けて浴湯Ｙを吐出（いわゆるショルダー
ブロー運転）するための吐出ノズル14,14 を取付け、各
吐出ノズル14,14 に、吐水配管12の先端を二又状に分岐
させて形成した先端吐出口12a,12a をそれぞれ連通連結
している。

【００１９】吐出ノズル14は、図３に示すように、浴槽
本体10の背もたれ部10b に取付けたノズル本体支持部15
に、ノズル本体14a を上下左右及び斜め方向に首振り自
在に取付け、同ノズル本体14a内に吐水路16を貫通状態
に形成し、同吐水路16の上流側に吐水配管連通部14b を
設け、その下流側に旋回流形成部14c を設け、その下流
側に泡沫形成部14d を設け、さらにその下流側に泡沫吐
水板14e を設けて構成している。

【００２０】そして、泡沫吐水板14e の中央部には泡沫
形成部14d内に空気を取込むための空気取込み孔14f を
設けると共に、同空気取込み孔14f の周囲の同心円上に
多数個の泡沫吐水孔14g を設けている。

【００２１】また、図３中、14h は浴湯流入孔、14i は
旋回流噴出口、14j は円板状の邪魔板、14k は気水混合
用仕切体（図４参照）、14w は旋回流形成部壁、21は化
粧カバー、22はパッキン、23は押え体である。

【００２２】このようにして、吐水配管12により吐水配
管連通部14bを通して流入してきた浴湯Ｙを、旋回流形
成部14c にて旋回流とすると共に下流側の泡沫形成部14
d 内に向けて放射状に広角飛散させ、同泡沫形成部14d
にて、かかる広角飛散水に、泡沫吐水板14e の空気取込
み孔14f より負圧を利用して取込んだ空気を混入させて
泡沫状とし、かかる泡沫状の浴湯Ｙを泡沫吐水板14e の
泡沫吐水孔14g より吐出することにより、触感のやわら
かい泡沫状の浴湯Ｙを入浴者Ｎの両肩に当てて心地よい
マッサージ効果を与えることができる。

【００２３】この際、泡沫状の浴湯Ｙは、図５に示すよ
うに、入浴者Ｎの両肩に当っても、大きく飛散すること
がなく、入浴者Ｎの肩に沿って浴槽本体10内に流れ落ち
るために、飛散による浴湯の無駄を少なくして、循環浴
湯の補充の必要性をなくすことができる。

【００２４】また、ノズル本体支持部15は、内側支持部
構成体15a と外側支持部構成体15bとから構成し、内側
支持部構成体15a に設けたフランジ部15c と、外側支持
部構成体15b に設けたフランジ部15d とにより、パッキ
ン22を介して浴槽本体10の背もたれ部10b を内外側より
挾持状態に各構成体15a,15b の内外側周面に設けた螺着
部15e,15f を介して着脱自在に螺着している。

【００２５】そして、化粧カバー21は、内側支持部構成
体15a の内周面に螺着部21a,15g を介して着脱自在に螺
着している。

【００２６】しかも、化粧カバー21は、先端部にてノズ
ル本体14a を押え体23を介して押圧状態に固定してい
る。

【００２７】このようにして、吐出ノズル14は、化粧カ
バー21、押え体23を浴槽本体10内より取外すことによ
り、ノズル本体14aを取出し可能として、メンテナンス
等が楽に行なえるようにしている。

【００２８】また、旋回流形成部14c と泡沫形成部14d
は、一体成形して、ノズル本体14aの吐水路16内に抜差
し自在に装着し、泡沫吐水板14e はノズル本体14a に螺
着部14m,14n を介して着脱自在に螺着している。

【００２９】このようにして、吐出ノズル14は、ノズル
本体14a を装着状態のまま、泡沫吐水板14e を浴槽本体
10内より取外すことができ、さらに旋回流形成部14c 及
び泡沫形成部14d を取出すことができて、これらのメン
テナンス等を楽に行なえるようにしている。

【００３０】また、図１中、Ｓは制御部であり、同制御
部Ｓの出力側に循環ポンプＰを駆動するモーターＭとを
接続している。18は、制御部Ｓを操作するための操作パ
ネル部であり、浴槽本体10に近接する浴室側壁又は浴槽
本体10の縁部10a 等に取付けて、手元操作可能としてい
る。

【００３１】濾過機Ｆとしては、先に出願人が出願した
特願平2-16938号に記載のものを使用することができ
る。

【００３２】図６〜図９は、他の実施例としての吐出ノ
ズル14を示している。

【００３３】かかる吐出ノズル14は、図６〜図８に示す
ように、浴槽本体10の背もたれ部10b に取付けたノズル
本体支持部15に、ノズル本体14a を取付け、同ノズル本
体14a 内に吐水路16を貫通状態に形成し、同吐水路16の
上流側に吐水配管連通部14bを設け、その下流側に浴湯
噴出部14s を設け、その下流側に泡沫形成部14d を設
け、さらに、その下流側にスロート部14t を設けて構成
している。

【００３４】そして、スロート部14t の外周面に沿わせ
て一端が泡沫形成部14d と連通する空気取込み流路14p
を形成して、同空気取込み流路14p より泡沫形成部14d
内に、浴湯噴出部14s にて浴湯噴出時に生じる負圧を利
用して外部の空気を取込むと共に浴湯中に混入して、泡
沫状とした浴湯Ｙを吐水可能としている。

【００３５】しかも、スロート部14t は、図６及び図７
に示すように、スロート部支持体30により上下方向に首
振り自在に支持しており、同スロート部14t の内面は、
基端開口部14q より先端開口部14rに向けて漸次縮径に
形成して先端開口部14r をスロート中心より上方向にず
らし、やや下向きで、かつ、図９に示すように、左右幅
方向に横長に形成している。14u は係合凹部、30a は係
合凸部である。

【００３６】また、スロート部14t の先端部には、手掛
り用凹部14y を形成して、同凹部14y によりスロート部
14t の首振り操作性を向上させている。

【００３７】さらには、スロート部14t の基端開口部14
q は泡沫形成部14d 内に開口させ、同基端開口部14q に
は多数個の散水孔31a を有する散水板31を取付けること
により、空気の混合効率を良好にしている。

【００３８】また、図６〜図８中、15h は締付け工具嵌
合用凹部、32は位置決め溝、33はシールリング、34はス
リップワッシャー、35は係合凸部嵌合部である。

【００３９】このようにして、吐水配管により吐水配管
連通部14b を通して流入してきた浴湯を、浴湯噴出部14
s より泡沫形成部14d 内に噴出させると共に、負圧を利
用して空気取込み流路14p を通して泡沫形成部14d 内に
空気を取込んで、浴湯中に空気を混入させて泡沫状の浴
湯Ｙにしてスロート部14t より吐出させることができ
る。

【００４０】さらに、浴湯噴出部14s は、円形孔中に十
文字のリブを取付けた構造であり、流速を速め、負圧を
大きくすると共に、浴湯を分割して噴出させるために、
浴湯の空気に対する接触面積を大きくすることができ
て、泡沫形成部14d においてマイルドな泡沫を形成する
ことができる。

【００４１】この際、スロート部14t は、上下方向に首
振り自在としているために、泡沫状の浴湯Ｙの落下位置
を容易に変更することができて、入浴者Ｎの所望の体の
部位を適確にマッサージすることができる。

【００４２】しかも、スロート部14t の先端開口部14r
は、左右幅方向に横長に形成しているために、入浴者Ｎ
の体に泡沫状の浴湯Ｙを一定幅にわたって集中的に吐出
させることができて、入浴者Ｎに刺激的でかつ心地良い
マッサージ効果を与えることができる。

【００４３】また、本実施例に係る吐出ノズル14も、浴
槽本体10内より分解して取外すことができ、メンテナン
ス等を楽に行なえるようにしている。

【００４４】図１０は、さらにもう一つの他の実施例と
しての吐出ノズル14を示している。

【００４５】かかる吐出ノズル14では、スロート部14t
を上下左右及び斜め方向に首振り自在に取付け、同スロ
ート部14t の先端開口部14r を小径の円形に形成して、
スロート部14t を首振り調節することにより、同先端開
口部14r より所望の方向に泡沫状の浴湯Ｙを入浴者Ｎの
体にスポット的に吐出させて、マッサージ効果を高める
ことができるようにしている。

【００４６】なお、本実施例では、吐出ノズル14を浴槽
本体10に取付けているが、同吐出ノズル14は、浴槽本体
10のみではなく、浴槽の標準お湯張り水位より上方であ
れば、浴室の壁等に配置しても良い。

【００４７】

【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果が得
られる。

【００４８】すなわち、本発明では、先端吐出口に泡沫
吐水用の吐出ノズルを取付けているために、同吐出ノズ
ルを通して吐出される泡沫状の浴湯が入浴者の肩等に当
る感じがやわらかく、そのために入浴者に心地よいマッ
サージ効果を与えることができる。

【００４９】そして、泡沫状の浴湯は、入浴者の肩等に
当っても飛び散る量が少ないために、ほとんど浴槽本体
内に流れ落ちて、浴槽本体が外に放出される浴湯の無駄
が少なく、浴槽本体内に浴槽本体内に浴湯を補充しなけ
ればならないという煩わしさも生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る浴槽装置の概念的構成説明図。

【図２】同浴槽装置の平面図

【図３】吐出ノズルの断面側面図。

【図４】同泡沫吐水板の正面図。

【図５】泡沫状浴湯のショルダーブロー状態説明図。

【図６】他の実施例としての吐出ノズルの断面側面図。

【図７】同吐出ノズルの断面平面図。

【図８】ノズル本体の斜視図。

【図９】吐出ノズルの正面図。

【図１０】さらにもう一つの他の実施例としての吐出ノ
ズルの断面側面図。

【符号の説明】

Ａ 浴槽装置 Ｆ 濾過機 Ｐ 循環ポンプ 13 浴湯循環流路 10 浴槽本体 11 吸水配管 12 吐水配管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽本体と循環ポンプとの間に吐水配管
   を配置し、同吐水配管の先端吐出口を浴槽の標準お湯張
   り水位よりも上方に位置させて、同先端吐出口より浴湯
   を吐出可能とした浴槽装置において、 先端吐出口に泡沫吐水用の吐出ノズルを取付けて、泡沫
   状の浴湯を吐出可能としたことを特徴とする浴槽装置。
2. 【請求項２】 泡沫吐水用の吐出ノズルは、ノズル本体
   内に浴湯を通水させる吐水路を設け、同吐水路内の下流
   側に順次浴湯を高速にて噴出させる浴湯噴出口と、空気
   を取込むための空気取込部とを設け、吐水路を通過した
   浴湯が浴湯噴出口から噴出する際に生じる負圧を利用し
   て外部の空気を取込むと共に、浴湯中に混入して、泡沫
   状となった浴湯を吐出可能としたことを特徴とする請求
   項１記載の浴槽装置。