JP4706590B2 - 内燃機関の気筒別空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の気筒別空燃比制御装置 Download PDF

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本発明は、複数の気筒の排出ガスが合流する排気合流部に設置した空燃比センサの検出値に基づいて各気筒の空燃比(気筒別空燃比)を推定する機能を備えた内燃機関の気筒別空燃比制御装置に関する発明である。
近年、特許文献1(特開2005−207405号公報)に記載されているように、複数の気筒の排出ガスが合流する排気合流部に設置した1つの空燃比センサの出力に基づいて複数の気筒の空燃比を気筒毎に推定すると共に、気筒毎に空燃比の気筒間ばらつきを補正するための各気筒の空燃比補正量(気筒別空燃比補正量)を算出して、この気筒別空燃比補正量に基づいて複数の気筒の空燃比(燃料噴射量)を気筒毎に制御する気筒別空燃比制御を実施するようにしたものがある。更に、この特許文献1の気筒別空燃比制御システムでは、気筒別空燃比の推定が困難(気筒別空燃比補正量の算出が困難)となる運転条件では、気筒別空燃比補正量の学習値を用いて気筒別空燃比制御を実施するようにしている。
特開2005−207405号公報
近年の電子制御化が進んだエンジン制御システムでは、触媒劣化診断、燃料系異常診断、空燃比センサの異常診断、燃焼状態診断(失火検出)、燃料性状診断等の様々な異常診断を行う自己診断機能が搭載されている。
これらの異常診断は、いずれも、空燃比センサの出力や、空燃比の影響を受けて変化するパラメータ(例えばエンジン回転変動)を用いて行われるため、気筒別空燃比制御の制御状態が安定しないときには、その影響で異常診断を誤診断する可能性がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、排気合流部に設置した1つの空燃比センサの検出値に基づいて気筒別空燃比制御を行うシステムにおいて、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断の誤診断を防止することができる内燃機関の気筒別空燃比制御装置を提供することにある。
ところで、内燃機関の吸気管内に導入されるガスの気筒分配で各気筒の空燃比に影響を及ぼす制御(排出ガス還流制御、ブローバイガス還流制御、エバポガスパージ制御等)は、各気筒の空燃比に影響を及ぼす度合が気筒毎に異なる可能性があり、気筒間の空燃比ばらつきを大きくする原因となる。従って、気筒別空燃比補正量又はその学習値が所定範囲(許容範囲)から外れたときに、気筒分配で各気筒の空燃比に影響を及ぼす制御を通常時と同様に行うと、気筒別空燃比補正量又はその学習値が益々異常な値になって気筒別空燃比制御の制御状態が益々悪化する可能性がある。
このような事情を考慮して、請求項1に係る発明では、内燃機関の吸気管内に導入されるガスの気筒分配で各気筒の空燃比に影響を及ぼす制御である、排出ガス還流制御、ブローバイガス還流制御、エバポガスパージ制御の少なくとも1つを実行するシステムでは、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量又はその学習値が所定範囲を外れたときに、気筒分配で各気筒の空燃比に影響を及ぼす制御の制御割合を小さくし又は当該制御を禁止する制限手段を備えた構成としている。このようにすれば、制限手段によって気筒別空燃比制御の制御状態の悪化を抑えることができ、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断の誤診断を防止することができる。
この場合、請求項2のように、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量又はその学習値が所定範囲を外れた運転領域についてのみ、気筒分配で各気筒の空燃比に影響を及ぼす制御の制御割合を小さくし又は当該制御を禁止するようにしても良い。このようにすれば、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量又はその学習値が所定範囲を外れた場合でも、運転領域によっては、気筒分配で各気筒の空燃比に影響を及ぼす制御を通常時と同様に実行することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図9に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関である例えば直列4気筒のエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ等によって開度調節されるスロットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。
更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。エンジン運転中は、燃料タンク21内の燃料が燃料ポンプ22によりデリバリパイプ23に送られ、各気筒の噴射タイミング毎に各気筒の燃料噴射弁20から燃料が噴射される。デリバリパイプ23には、燃料圧力(燃圧)を検出する燃圧センサ24が取り付けられている。
また、エンジン11には、吸気バルブ25と排気バルブ26の開閉タイミングをそれぞれ可変する可変バルブタイミング機構27,28が設けられている。更に、エンジン11には、吸気カム軸29と排気カム軸30の回転に同期してカム角信号を出力する吸気カム角センサ31と排気カム角センサ32が設けられ、エンジン11のクランク軸の回転に同期して所定クランク角毎(例えば30℃A毎)にクランク角信号のパルスを出力するクランク角センサ33が設けられている。
一方、エンジン11の各気筒の排気マニホールド35が合流する排気合流部36には、排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサ37が設置され、この空燃比センサ37の下流側に排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒38が設けられている。更に、この触媒38の下流側に、触媒38を通過した排出ガスのリッチ/リーンを検出する酸素センサ41(排出ガスセンサ)が設置されている。この酸素センサ41の出力は、触媒38上流側の目標空燃比を補正するサブフィードバック制御に用いられたり、或は、触媒38の劣化診断を行うのに使用される。
その他、図示はしないが、エンジン11には、排出ガスの一部を吸気系に還流させる排出ガス還流装置と、クランクケース内に漏れ出るブローバイガスを吸気系に還流させるブローバイガス還流装置と、燃料タンク21内で発生したエバポガス(燃料蒸発ガス)をキャニスタ内に吸着して吸気系にパージ(放出)するエバポガスパージ装置等が搭載されている。
上述した空燃比センサ37等の各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)40に入力される。このECU40は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて各気筒の燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火時期を制御する。
更に、ECU40は、触媒38上流側の空燃比センサ37及び/又は触媒38下流側の酸素センサ41の出力、若しくは、空燃比の影響を受けて変化するパラメータ(エンジン回転変動)に基づいて異常診断を実施する異常診断手段として機能し、例えば、触媒38の劣化診断、燃料系異常診断、空気系異常診断、空燃比センサ37の応答性異常診断、酸素センサ41の異常診断、燃焼状態診断(失火検出)、燃料性状診断等の様々な異常診断を行う。
例えば、触媒38の劣化診断は、空燃比センサ37の出力変化量と酸素センサ41の出力変化量との比に基づいて診断する。燃料系異常診断は、後述する気筒別空燃比補正量とその学習値に基づいて診断する。空燃比センサ37の応答性異常診断は、空燃比センサ37の出力変化量に基づいて診断する。失火検出は、エンジン回転速度の変動に基づいて診断する。酸素センサ41の異常診断は、酸素センサ41の出力の挙動と空燃比センサ37の出力の挙動との関係に基づいて診断する。例えば、触媒38上流側の空燃比が連続的にリッチの状態が続くと、その後、触媒38のリッチ成分吸着量が飽和状態となる時間だけ遅れて触媒38下流側の空燃比がリッチに変化するため、この時点で、酸素センサ41の出力がリッチに変化したか否かで、酸素センサ41の異常の有無を判定すれば良い。
本実施例1では、ECU40は、図2乃至図4の気筒別空燃比制御用の各ルーチンを実行することで、エンジン運転中に後述する気筒別空燃比推定モデルを用いて空燃比センサ37の検出値(排気合流部36を流れる排出ガスの実空燃比)に基づいて各気筒の空燃比(気筒別空燃比)を推定し、全気筒の推定空燃比の平均値を算出して、その平均値を基準空燃比(全気筒の目標空燃比)に設定すると共に、各気筒の推定空燃比(気筒別推定空燃比)と基準空燃比との偏差を各気筒毎に算出して、その偏差が小さくなるように各気筒の燃料噴射量に対する燃料補正係数(気筒別空燃比補正量)を算出すると共に、この気筒別空燃比補正量をなまし処理等により学習して、気筒別空燃比補正量とその学習値に基づいて各気筒の燃料噴射量を補正することで、各気筒に供給する混合気の空燃比を各気筒毎に補正して気筒間の空燃比ばらつきを少なくするように制御する(以下、この制御を気筒別空燃比制御という)。この際、気筒別空燃比補正量をなまし処理等により学習して、その学習値をECU40のバックアップRAM等の書き換え可能な不揮発性メモリ(図示せず)に気筒毎に更新記憶する。尚、気筒別空燃比の推定が困難(気筒別空燃比補正量の算出が困難)となる運転条件では、気筒別空燃比補正量の学習値を用いて気筒別空燃比制御を実施するようにしても良い。
ここで、空燃比センサ37の検出値(排気合流部36を流れる排出ガスの実空燃比)に基づいて各気筒の空燃比を推定するモデル(以下「気筒別空燃比推定モデル」という)の具体例を説明する。
排気合流部36におけるガス交換に着目して、空燃比センサ37の検出値を、排気合流部36における各気筒の推定空燃比の履歴と空燃比センサ37の検出値の履歴とにそれぞれ所定の重みを乗じて加算したものとしてモデル化し、該モデルを用いて各気筒の空燃比を推定するようにしている。この際、オブザーバとしてはカルマンフィルタを用いる。
より具体的には、排気合流部36におけるガス交換のモデルを次の(1)式にて近似する。
ys(t)=k1 ×u(t-1) +k2 ×u(t-2) −k3 ×ys(t-1)−k4 ×ys(t-2)
……(1)
ここで、yS は空燃比センサ37の検出値、uは排気合流部36に流入するガスの空燃比、k1 〜k4 は定数である。
排気系では、排気合流部36におけるガス流入及び混合の一次遅れ要素と、空燃比センサ37の応答遅れによる一次遅れ要素とが存在する。そこで、上記(1)式では、これらの一次遅れ要素を考慮して過去2回分の履歴を参照することとしている。
上記(1)式を状態空間モデルに変換すると、次の(2a)、(2b)式が導き出される。
X(t+1) =A・X(t) +B・u(t) +W(t) ……(2a)
Y(t) =C・X(t) +D・u(t) ……(2b)
ここで、A,B,C,Dはモデルのパラメータ、Yは空燃比センサ37の検出値、Xは状態変数としての各気筒の推定空燃比、Wはノイズである。
更に、上記(2a)、(2b)式によりカルマンフィルタを設計すると、次の(3)式が得られる。
X^(k+1|k)=A・X^(k|k-1)+K{Y(k) −C・A・X^(k|k-1)} ……(3) ここで、X^(エックスハット)は各気筒の推定空燃比、Kはカルマンゲインである。X^(k+1|k)の意味は、時間(k) の推定値により次の時間(k+1) の推定値を求めることを表す。
以上のようにして、気筒別空燃比推定モデルをカルマンフィルタ型オブザーバにて構成することにより、燃焼サイクルの進行に伴い各気筒の空燃比を順次推定することができる。
ところで、ECU40は、エンジン運転中に、触媒38の劣化診断、燃料系異常診断、空気系異常診断、空燃比センサ37の異常診断、酸素センサ41の異常診断、燃焼状態診断(失火検出)、燃料性状診断等の様々な異常診断を行うが、これらの異常診断は、空燃比センサ37と酸素センサ41の出力や、空燃比の影響を受けて変化するパラメータ(エンジン回転変動)を用いて行われるため、気筒別空燃比制御が異常な状態のときには、その影響で異常診断を誤診断する可能性がある。
この対策として、本実施例1では、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が許容される所定範囲から外れた状態が暫く続いたときに、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断を禁止することで、不安定な気筒別空燃比制御による異常診断の誤診断を防止するようにしている。ここで、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断は、例えば、触媒38の劣化診断、燃料系異常診断、空気系異常診断、空燃比センサ37の異常診断、酸素センサ41の異常診断、燃焼状態診断(失火検出)、燃料性状診断等であり、これらのうちの少なくとも1つの異常診断を禁止する。
以上説明した気筒別空燃比制御と異常診断の誤診断防止は、ECU40によって図2乃至図6の各ルーチンに従って実行される。以下、各ルーチンの処理内容を説明する。
[気筒別空燃比制御メインルーチン]
図2の気筒別空燃比制御メインルーチンは、クランク角センサ33の出力パルスに同期して所定クランク角毎(例えば30℃A毎)に起動され、特許請求の範囲でいう気筒別空燃比制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、気筒別空燃比制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。この気筒別空燃比制御の実行条件としては、例えば次の条件(1) 〜(4) がある。
(1) 空燃比センサ37が活性状態であること
(2) 空燃比センサ37が異常(故障)と判定されていないこと
(3) エンジン11が暖機状態(例えば冷却水温が所定温度以上)であること
(4) エンジン運転領域(例えばエンジン回転速度と吸気管圧力)が空燃比推定精度を確保できる運転領域であること
これら4つの条件(1) 〜(4) を全て満したときに気筒別空燃比制御の実行条件が成立し、いずれか1つでも満たさない条件があれば、実行条件が不成立となる。この実行条件が不成立であれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
一方、実行条件が成立していれば、ステップ102に進み、各気筒の空燃比検出タイミング(空燃比センサ37の出力のサンプルタイミング)を、その時点のエンジン負荷(例えば吸気管圧力)に応じてマップにより設定する。尚、各気筒の空燃比検出タイミングをエンジン負荷とエンジン回転速度に応じてマップにより設定しても良い。
この後、ステップ103に進み、現在のクランク角が上記ステップ102で設定した空燃比検出タイミングであるか否かを判定し、空燃比検出タイミングでなければ、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
これに対して、現在のクランク角が上記ステップ102で設定した空燃比検出タイミングであれば、ステップ104に進み、図3の気筒別空燃比制御実行ルーチンを実行する。この後、ステップ105に進み、後述する図5の異常診断禁止判定ルーチンを実行して、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が許容される所定範囲から外れた状態が暫く続いたときに、異常診断禁止フラグをON(異常診断禁止)にセットして、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断を禁止する。
[気筒別空燃比制御実行ルーチン]
図3の気筒別空燃比制御実行ルーチンは、図2の気筒別空燃比制御メインルーチンのステップ104で実行されるサブルーチンである。本ルーチンが起動されると、まずステップ201で、空燃比センサ37の出力(空燃比検出値)を読み込む。この後、ステップ202に進み、前記気筒別空燃比推定モデルを用いて今回の空燃比推定対象となる気筒の空燃比を空燃比センサ37の検出値に基づいて推定する。このステップ202の処理が特許請求の範囲でいう気筒別空燃比推定手段としての役割を果たす。この後、ステップ203に進み、全気筒の推定空燃比の平均値を算出して、その平均値を基準空燃比(全気筒の目標空燃比)に設定する。
この後、ステップ204に進み、各気筒の推定空燃比と基準空燃比との偏差を算出して、その偏差が小さくなるように気筒別空燃比補正量(各気筒の燃料補正量)を算出した後、ステップ205に進み、後述する図4の気筒別空燃比補正量学習ルーチンを実行して、気筒別空燃比補正量を学習する。
そして、次のステップ206で、各気筒の気筒別空燃比補正量とその学習値を用いて、各気筒の燃料噴射量を補正することで、各気筒に供給する混合気の空燃比を各気筒毎に補正して気筒間の空燃比ばらつきを少なくするように制御する。
[気筒別空燃比補正量学習ルーチン]
図4の気筒別空燃比補正量学習ルーチンは、図3の気筒別空燃比制御実行ルーチンのステップ205で実行されるサブルーチンであり、気筒別学習手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ301で、学習実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、学習実行条件としては、例えば次の2つの条件(1) ,(2) がある。
(1) 気筒別空燃比制御の実行中であること
(2) 空燃比変動量が所定値以下の安定した運転状態であること
上記2つの条件(1) ,(2) を両方とも満たせば、学習実行条件が成立し、いずれか1つでも満たさない条件があれば、学習実行条件が不成立となる。この学習実行条件が不成立であれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
一方、学習実行条件が成立していれば、ステップ304に進み、ECU40の書き換え可能な不揮発性メモリ(図示せず)に記憶されている図7の気筒別空燃比補正量学習マップにおいて、現在のエンジン運転領域(エンジン回転速度と負荷)に対応する学習領域(気筒別空燃比補正量の学習値を更新する学習領域)を選択する。この後、ステップ305に進み、気筒毎に気筒別空燃比補正量のなまし値をなまし係数Kを用いて次式により算出する。
気筒別空燃比補正量なまし値=
{前回なまし値×(K−1)+今回の気筒別空燃比補正量}/K
この後、ステップ306に進み、気筒別空燃比補正量学習値の更新タイミングであるか否かを判定する。この学習値更新タイミングは、学習値の更新周期が少なくとも気筒別補正量の算出周期よりも長くなるよう設定されている。このステップ306で、学習値の更新タイミングでないと判定されれば、そのまま本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ306で、学習値の更新タイミングであると判定されれば、ステップ307に進み、気筒別空燃比補正量なまし値の絶対値が所定値THA以上であるか否かを判定し、当該なまし値の絶対値が所定値THAよりも小さければ、学習値を更新する必要がないと判断して本ルーチンを終了する。
また、上記ステップ307で、気筒別空燃比補正量なまし値の絶対値が所定値THA以上であると判定されれば、ステップ308に進み、気筒別空燃比補正量なまし値に基づいてマップにより学習値更新量を算出する。この学習値更新量を算出するマップは、気筒別空燃比補正量なまし値が大きくなるほど、学習値更新量が大きくなるように設定されている。
この後、ステップ309に進み、前回の気筒別空燃比補正量学習値に今回の学習値更新量を加算して求めた値を、新たな気筒別空燃比補正量学習値としてECU40の書き換え可能な不揮発性メモリ(図示せず)に更新記憶する。この際、図7の気筒別空燃比補正量学習マップのうちの前記ステップ304で選択された学習領域の学習値が更新される。尚、図7の気筒別空燃比補正量学習マップは、気筒毎に作成される。
[異常診断禁止判定ルーチン]
図5の異常診断禁止判定ルーチンは、図2の気筒別空燃比制御メインルーチンのステップ105で実行されるサブルーチンであり、特許請求の範囲でいう診断実行条件判定手段としての役割を果たす。
本ルーチンが起動されると、まずステップ401で、各気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)を読み込み、次のステップ402で、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外であるか否かを判定し、全ての気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲内であれば、異常診断が許可される。この場合は、ステップ406に進み、気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外になっている状態の継続時間を計測するディレイ時間カウンタTの値を0にリセットして本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ402で、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外であると判定されれば、ステップ403に進み、ディレイ時間カウンタTをカウントアップして、気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外になっている状態の継続時間を計測する。この後、ステップ404に進み、ディレイ時間カウンタTのカウント時間が所定値を越えたか否かを判定し、ディレイ時間カウンタTのカウント値が所定値を越えていなければ、そのまま本ルーチンを終了する。その後、ディレイ時間カウンタTのカウント値が所定値を越えた時点で、ステップ405に進み、異常診断禁止フラグをON(異常診断禁止)にセットして本ルーチンを終了する。
[異常診断実行ルーチン]
図6の異常診断実行ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ501で、異常診断禁止フラグがON(異常診断禁止)にセットされているか否かを判定し、異常診断禁止フラグがON(異常診断禁止)にセットされていなければ、ステップ502に進み、各種の異常診断ルーチン(異常診断手段)を実行するが、異常診断禁止フラグがON(異常診断禁止)にセットされていれば、異常診断ルーチンを実行することなく、本ルーチンを終了する。この機能が特許請求の範囲でいう診断禁止手段に相当する。
異常診断禁止フラグがONの場合は、気筒別空燃比制御の影響を受けて誤診断する可能性のある異常診断のみを禁止すれば良く、それ以外の異常診断は禁止する必要はない。ここで、気筒別空燃比制御の影響を受けて誤診断する可能性のある異常診断は、例えば、触媒38の劣化診断、燃料系異常診断、空気系異常診断、空燃比センサ37の異常診断、酸素センサ41の異常診断、燃焼状態診断(失火検出)、燃料性状診断等である。
以上説明した本実施例1の制御例を図8及び図9のタイムチャートを用いて説明する。 図8は、気筒別空燃比補正量を所定範囲(許容範囲)と比較して異常診断禁止フラグをON/OFFする例である。本例では、時刻t1 で、気筒別空燃比制御の実行条件が成立して、気筒別空燃比制御が開始され、各気筒#1〜#4の気筒別空燃比補正量が算出される。この気筒別空燃比制御の実行中は、各気筒#1〜#4の気筒別空燃比補正量が所定範囲外(許容範囲外)であるか否かが判定され、いずれかの気筒(図8の例では#1)の気筒別空燃比補正量が所定範囲外になった時点t2 で、ディレイ時間カウンタTのカウントアップ動作が開始され、気筒別空燃比補正量が所定範囲外になっている状態の継続時間が計測される。
その後、ディレイ時間カウンタTのカウント値が所定値を越えた時点t3 で、異常診断禁止フラグがON(異常診断禁止)にセットされる。この後は、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断が禁止される。
一方、図9は、気筒別空燃比補正量の学習値を所定範囲(許容範囲)と比較して異常診断禁止フラグをON/OFFする例である。本例では、時刻t1 で、気筒別空燃比制御の実行条件が成立して、気筒別空燃比制御が開始され、各気筒#1〜#4の気筒別空燃比補正量が算出される。
その後、時刻t2 で、学習実行条件が成立して、気筒別空燃比補正量の学習が開始され、各気筒#1〜#4の気筒別空燃比補正量学習値が更新される。
その後、各気筒#1〜#4の気筒別空燃比補正量学習値が所定範囲外(許容範囲外)であるか否かが判定され、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量学習値が所定範囲外になった時点t3 で、ディレイ時間カウンタTのカウントアップ動作が開始され、気筒別空燃比補正量学習値が所定範囲外になっている状態の継続時間が計測される。
その後、ディレイ時間カウンタTのカウント値が所定値を越えた時点t4 で、異常診断禁止フラグがON(異常診断禁止)にセットされる。この後は、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断が禁止される。
以上説明した本実施例1によれば、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外になっている状態が暫く続いたときに、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断を禁止するようにしたので、不安定な気筒別空燃比制御による異常診断の誤診断を防止することができ、異常診断の信頼性を向上することができる。
また、いずれか1つの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外になっている状態が暫く続いたときに、異常診断を禁止せず、異常診断の診断結果を無効とするようにしても良い。このようにしても、実質的に同じ効果を得ることができる。
上記実施例1で説明した図4の気筒別空燃比補正量学習ルーチンでは、エンジン運転領域(エンジン回転速度と負荷)毎に気筒別空燃比補正量学習値を更新するようにしている(図7参照)。
この点を考慮して、図10及び図11に示す本発明の実施例2では、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた場合に、気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた運転領域についてのみ、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断を禁止し、それ以外の運転領域では、当該異常診断を許可するようにしている。
以下、本実施例2で実行する図10及び図11のルーチンの処理内容を説明する。
図10の異常診断禁止判定ルーチンは、前記実施例1で説明した図5の異常診断禁止判定ルーチンのステップ405の次にステップ407の処理を追加しただけであり、その他のステップの処理は同じである。
図10の異常診断禁止判定ルーチンでは、ステップ401〜405の処理により、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外になっている状態が所定時間経過すると、異常診断禁止フラグをON(異常診断禁止)にセットする。この後、ステップ407に進み、現在のエンジン運転領域を異常診断禁止運転領域としてECU40の書き換え可能な不揮発性メモリ(図示せず)に記憶して、本ルーチンを終了する。
図11の異常診断実行ルーチンは、前記実施例1で説明した図6の異常診断実行ルーチンのステップ501の次にステップ503の処理を追加しただけであり、その他のステップの処理は同じである。
本ルーチンが起動されると、まずステップ501で、異常診断禁止フラグがON(異常診断禁止)にセットされているか否かを判定し、異常診断禁止フラグがON(異常診断禁止)にセットされていなければ、ステップ502に進み、各種の異常診断ルーチンを実行するが、異常診断禁止フラグがON(異常診断禁止)にセットされていれば、ステップ503に進み、現在のエンジン運転領域がECU40の不揮発性メモリ(図示せず)に記憶された異常診断禁止運転領域であるか否かを判定する。
その結果、現在のエンジン運転領域がECU40の不揮発性メモリ(図示せず)に記憶された異常診断禁止運転領域でないと判定されれば、ステップ502に進み、各種の異常診断ルーチンを実行する。これに対して、現在のエンジン運転領域が異常診断禁止運転領域であれば、異常診断ルーチンを実行することなく、本ルーチンを終了する。これにより、異常診断禁止運転領域についてのみ、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断を禁止する。或は、当該異常診断の診断結果を無効としても良い。
以上説明した本実施例2では、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた運転領域のみで、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断を禁止するようにしたので、気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた運転領域のみで異常診断を禁止(又は無効)として異常診断の誤診断を防止しながら、気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲内に収まる他の運転領域では、異常診断を継続することができ、異常発生時にその異常を早期に検出することができる。
尚、本発明は、いずれか1つの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた運転領域のみで異常診断を禁止する構成に限定されず、いずれか2つ以上の気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた運転領域のみで異常診断を禁止するようにしても良い。
図12に示す本発明の実施例3では、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)を所定範囲と比較し、その比較結果に基づいて異常診断の判定条件(判定しきい値)を変更するようにしている。
図12の判定条件変更ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう判定条件変更手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ601で、各気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)を読み込み、次のステップ602で、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外であるか否かを判定する。その結果、全ての気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲内であると判定されれば、ステップ606に進み、気筒別空燃比補正量が所定範囲外になっている状態の継続時間を計測するディレイ時間カウンタTの値を0にリセットし、次のステップ607で、異常診断の判定しきい値を通常時の判定しきい値Kaにセットして本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ602で、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外であると判定されれば、ステップ603に進み、ディレイ時間カウンタTをカウントアップして、気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外になっている状態の継続時間を計測する。この後、ステップ604に進み、ディレイ時間カウンタTのカウント時間が所定値を越えたか否かを判定し、ディレイ時間カウンタTのカウント値が所定値を越えていなければ、そのまま本ルーチンを終了する。その後、ディレイ時間カウンタTのカウント値が所定値を越えた時点で、ステップ605に進み、異常診断の判定しきい値を異常が検出されにくい判定しきい値Kbにセットして本ルーチンを終了する。
以上説明した本実施例3では、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)を所定範囲と比較し、その比較結果に基づいて異常診断の判定しきい値を変更するようにしたので、いずれか1つ又は2つ以上の気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲から外れたときに、異常診断の判定しきい値を、異常が検出されにくい厳しい判定しきい値に変更することが可能となり、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断の誤診断を防止することができる。
この場合、いずれか1つ又は2つ以上の気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた運転領域と異なる運転領域では、異常診断の判定しきい値を、気筒別空燃比補正量が所定範囲内のときの運転領域と同じ判定しきい値としても良い。このようにすれば、気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた運転領域のみで異常診断の判定しきい値を異常が検出されにくい厳しい判定しきい値に変更して異常診断の誤診断を防止しながら、気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲内に収まる他の運転領域では、通常時と同様の異常診断を継続することができ、異常発生時にその異常を早期に検出することができる。
尚、本発明は、異常診断の判定しきい値を変更するようにしたが、この判定しきい値と比較する診断パラメータを変更(補正)するようにしても良く、要は、異常診断の判定条件を変更するようにすれば良い。
ところで、吸気管内に導入されるガスの気筒分配で各気筒の空燃比に影響を及ぼすガス還流制御(排出ガス還流制御EGR、ブローバイガス還流制御PCV、エバポガスパージ制御PGR等)は、各気筒の空燃比に影響を及ぼす度合が気筒毎に異なる可能性があり、気筒間の空燃比ばらつきを大きくする原因となる。従って、気筒別空燃比補正量又はその学習値が所定範囲(許容範囲)から外れたときに、ガス還流制御を通常時と同様に行うと、気筒別空燃比補正量又はその学習値が益々異常な値になって気筒別空燃比制御の制御状態が益々悪化する可能性がある。
このような事情を考慮して、図13及び図14に示す本発明の実施例4では、気筒分配で空燃比に影響を及ぼすガス還流制御(排出ガス還流制御EGR、ブローバイガス還流制御PCV、エバポガスパージ制御PGR等)を実行する際に、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れたときに、ガス還流制御を禁止するようにしている。
図13のガス還流制御禁止判定ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ701で、各気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)を読み込み、次のステップ702で、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外であるか否かを判定し、全ての気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲内であれば、ガス還流制御が許可される。この場合は、ステップ706に進み、気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外になっている状態の継続時間を計測するディレイ時間カウンタTの値を0にリセットして本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ702で、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外であると判定されれば、ステップ703に進み、ディレイ時間カウンタTをカウントアップして、気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外になっている状態の継続時間を計測する。この後、ステップ704に進み、ディレイ時間カウンタTのカウント時間が所定値を越えたか否かを判定し、ディレイ時間カウンタTのカウント値が所定値を越えていなければ、そのまま本ルーチンを終了する。
その後、ディレイ時間カウンタTのカウント値が所定値を越えた時点で、ステップ705に進み、ガス還流制御禁止フラグをON(ガス還流制御禁止)にセットする。この後、ステップ707に進み、現在のエンジン運転領域をガス還流制御禁止運転領域としてECU40の書き換え可能な不揮発性メモリ(図示せず)に記憶して、本ルーチンを終了する。
図14のガス還流制御実行ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう制限手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ801で、ガス還流制御禁止フラグがON(ガス還流制御禁止)にセットされているか否かを判定し、ガス還流制御禁止フラグがON(ガス還流制御禁止)にセットされていなければ、ステップ802に進み、ガス還流制御ルーチンを実行して、排出ガス還流制御EGR、ブローバイガス還流制御PCV、エバポガスパージ制御PGR等の少なくとも1つを実行する。
一方、ガス還流制御禁止フラグがON(ガス還流制御禁止)にセットされていれば、ステップ803に進み、現在のエンジン運転領域がECU40の不揮発性メモリ(図示せず)に記憶されたガス還流制御禁止運転領域であるか否かを判定する。
その結果、現在のエンジン運転領域がECU40の不揮発性メモリ(図示せず)に記憶されたガス還流制御禁止運転領域でなければ、ステップ802に進み、ガス還流制御ルーチンを実行する。これに対して、現在のエンジン運転領域がガス還流制御禁止運転領域であれば、ガス還流制御ルーチンを実行することなく、本ルーチンを終了する。これにより、ガス還流制御禁止運転領域についてのみ、気筒別空燃比制御の制御状態を悪化させるガス還流制御を禁止する。或は、当該ガス還流制御の制御割合を小さくするようにしても良い。
以上説明した本実施例4によれば、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れたときに、ガス還流制御を禁止(又は制御割合を小さく)するようにしたので、気筒別空燃比制御の制御状態の悪化を抑えることができ、気筒別空燃比制御の影響を受ける異常診断の誤診断を防止することができる。
しかも、本実施例4では、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた運転領域についてのみ、ガス還流制御を禁止(又は制御割合を小さく)するようにしたので、いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた場合でも、運転領域によっては、ガス還流制御を通常時と同様に実行することができ、ガス還流制御の実行頻度を確保することができる。
尚、本発明は、いずれか1つの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた運転領域のみでガス還流制御を禁止(又は制御割合を小さく)する構成に限定されず、いずれか2つ以上の気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲を外れた運転領域のみでガス還流制御を禁止(又は制御割合を小さく)するようにしても良い。
或は、図13のステップ707と図14のステップ803の処理を省略して、ガス還流制御禁止フラグがON(ガス還流制御禁止)にセットされている場合に、全ての運転領域でガス還流制御を禁止(又は制御割合を小さく)するようにしても良い。
また、本発明は、いずれか1つの気筒の気筒別空燃比補正量(又はその学習値)が所定範囲外になっている状態が暫く続いたときに、ガス還流制御を禁止(又は制御割合を小さく)する構成に限定されず、いずれか2つ以上の気筒の気筒別空燃比補正量が所定範囲外になっている状態が暫く続いたときに、ガス還流制御を禁止(又は制御割合を小さく)するようにしても良い。
その他、本発明は、吸気ポート噴射エンジンに限定されず、筒内噴射エンジンにも適用して実施できる等、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。
本発明の実施例1におけるエンジン制御システム全体の概略構成図である。 実施例1の気筒別空燃比制御メインルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の気筒別空燃比制御実行ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の気筒別空燃比補正量学習ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の異常診断禁止判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の異常診断実行ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の気筒別空燃比補正量学習マップを概念的に示す図である。 実施例1の制御例(その1)を説明するタイムチャートである。 実施例1の制御例(その2)を説明するタイムチャートである。 実施例2の異常診断禁止判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の異常診断実行ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3の判定条件変更ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例4のガス還流制御禁止判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例4のガス還流制御実行ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…エアフローメータ、15…スロットルバルブ、19…吸気マニホールド、20…燃料噴射弁、22…燃料ポンプ、24…燃圧センサ、27,28…可変バルブタイミング機構、35…排気マニホールド、36…排気合流部、37…空燃比センサ、38…触媒、40…ECU(気筒別空燃比推定手段,気筒別空燃比補正量算出手段,気筒別空燃比制御手段,異常診断手段,診断禁止手段,診断実行条件判定手段,判定条件変更手段,制限手段)

Claims (2)

  1. 内燃機関の複数の気筒の排出ガスが合流する排気合流部に、該排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサを設置し、前記空燃比センサの検出値に基づいて各気筒の空燃比を推定する気筒別空燃比推定手段と、前記複数の気筒について気筒毎に空燃比の気筒間ばらつきを補正するための各気筒の空燃比補正量(以下「気筒別空燃比補正量」という)を算出する気筒別空燃比補正量算出手段と、前記気筒別空燃比補正量に基づいて各気筒の燃料噴射量を補正して気筒間の空燃比ばらつきを小さくする気筒別空燃比制御を実行する気筒別空燃比制御手段とを備えた内燃機関の気筒別空燃比制御装置において、
    内燃機関の吸気管内に導入されるガスの気筒分配で各気筒の空燃比に影響を及ぼす制御である、排出ガス還流制御、ブローバイガス還流制御、エバポガスパージ制御の少なくとも1つを実行する手段と、
    いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量又はその学習値が所定範囲を外れたときに前記気筒分配で各気筒の空燃比に影響を及ぼす制御の制御割合を小さくし又は当該制御を禁止する制限手段と
    を備えていることを特徴とする内燃機関の気筒別空燃比制御装置。
  2. 前記制限手段は、前記いずれかの気筒の気筒別空燃比補正量又はその学習値が所定範囲を外れた運転領域についてのみ前記気筒分配で各気筒の空燃比に影響を及ぼす制御の制御割合を小さくし又は当該制御を禁止することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の気筒別空燃比制御装置。
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