JP2004278542A - 内燃機関の燃料供給系異常診断装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給系異常診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料供給系の異常を速やかに検出できるようにする。
【解決手段】 (1)空燃比センサ28で検出した空燃比λと目標空燃比λTGとの差と(2)空燃比補正係数FAF(フィードバック補正量)と(3)学習補正量KGjとを燃料供給系の異常診断データとして用い、これら3つの異常診断データ(1)〜(3)を合計して異常診断パラメータを求める。その後、この異常診断パラメータをなまし処理し、そのなまし値を異常診断基準値と比較して燃料供給系の異常の有無を診断する。これにより、学習補正量KGjが更新されなくても、実空燃比λと目標空燃比λTGとの差と空燃比補正係数FAFとから、燃料供給系の異常(つまり実空燃比λの異常なずれ)を速やかに検出することができる。異常診断基準値は、吸入空気量Ga等のエンジン運転パラメータに応じてマップ等により求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料供給系の異常の有無を診断する内燃機関の燃料供給系異常診断装置に関するものである。
例えば、特許文献1に記載された燃料供給系異常診断装置では、目標空燃比からの実空燃比のずれ量を補正する補正量(補正係数)を学習して得られた学習補正量を異常診断データとして用い、この学習補正量を基本燃料噴射量が略等しい運転領域毎に平均化し、この学習補正量の平均値を基本燃料噴射量が異なる運転領域の学習補正量の平均値と比較して燃料供給系の異常の有無を診断するようにしている。
また、特許文献2に記載された燃料供給系異常診断装置では、学習補正量と空燃比のフィードバック補正量を異常診断データとして用い、学習補正量とフィードバック補正量とが共に空燃比制御範囲の上下限値(ガード値)に張り付いた状態が所定時間継続するか否かで、燃料供給系の異常の有無を診断するようにしている。
特開平4−171237号公報 米国特許第5,09,214号公報
上述した2つの燃料供給系異常診断装置は、いずれも、学習補正量を異常診断データとして用いるが、学習補正量の更新は、誤学習を防止するために、一般的には極めて更新速度が遅く設定されている。このため、学習補正量が更新されるまでの期間が比較的長く、この期間に燃料供給系の異常が発生しても、学習補正量が更新されるまで燃料供給系の異常を検出することができない。また、空燃比がフィードバック補正量以上になった場合は、学習補正量の更新が禁止されることがあり、この場合は、空燃比がフィードバック補正量以下になるまで燃料供給系の異常を検出することができない。要するに、従来の燃料供給系異常診断装置では、異常診断が学習補正量の更新時期に左右されてしまい、燃料供給系の異常を速やかに検出することができないことがあるという欠点がある。
そこで、本発明の目的は、学習補正量が更新されなくても、燃料供給系の異常が発生した時には、その異常を速やかに検出することができる内燃機関の燃料供給系異常診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の燃料供給系異常診断装置は、機関運転状態に基づいて設定した基本燃料噴射量と学習補正量とフィードバック補正量とに基づいて要求燃料噴射量を要求燃料噴射量設定手段により設定し、この要求燃料噴射量に基づいて燃料噴射装置により燃料を噴射する内燃機関において、(1)実空燃比と目標空燃比との差と(2)学習補正量と(3)フィードバック補正量とを燃料供給系の異常診断データとして用い、これら3つの異常診断データ(1)〜(3)に基づいて燃料供給系の異常の有無を噴射異常診断手段により診断する。このようにすれば、たとえ(2)学習補正量が更新されなくても、(1)実空燃比と目標空燃比との差と(3)フィードバック補正量とから、燃料供給系の異常(つまり実空燃比の異常なずれ)を速やかに検出することができ、異常診断の信頼性を向上することができる。
更に、請求項1の内燃機関の燃料供給系異常診断装置は、上述した3つの異常診断データ(1)〜(3)を合計し、その合計値((1)+(2)+(3))に基づいて燃料供給系の異常の有無を診断する。このようにするので、異常診断のロジックが極めて簡単である。
この場合、請求項2のように、3つの異常診断データ(1)〜(3)の合計値をなまし処理し、そのなまし値に基づいて燃料供給系の異常の有無を診断するようにしても良い。このようにすれば、ノイズ等による瞬間的な空燃比検出値の変動や過渡運転時の急激な機関運転状態の変動等の影響を受けずに安定した異常診断が可能となり、異常診断精度を向上することができる。
更に、請求項3のように、燃料供給系の異常の有無を診断する際に用いる異常診断基準値を機関運転状態に基づいて設定するようにしても良い。このようにすれば、機関運転状態に応じた最適な異常診断基準値を設定することが可能となり、異常診断精度を向上することができる。
また、燃料蒸発ガスパージシステムから吸気系に導入される燃料蒸発ガス濃度が高いと、その影響で実空燃比のずれが一時的に大きくなって、異常有りと誤診断されるおそれがあるため、請求項4のように、吸気系に導入される燃料蒸発ガス濃度が所定値以上の場合に異常診断を診断禁止手段によって禁止するようにしても良い。このようにすれば、燃料蒸発ガス濃度の影響をあまり受けない安定した運転条件下で異常診断を実施でき、異常診断の信頼性を向上できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側には、吸気温度THAを検出する吸気温度センサ14と、吸入空気量Gaを検出するエアフローメータ10とが設けられている。このエアフローメータ10の下流側には、スロットルバルブ15とスロットル開度THを検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。
更に、スロットルバルブ15の下流側には、吸気管圧力PMを検出する吸気管圧力センサ17が設けられ、この吸気管圧力センサ17の下流側にサージタンク18が設けられている。このサージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が接続され、この吸気マニホールド19の各気筒の分岐管部に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20(燃料噴射装置)が取り付けられている。この燃料
噴射弁20は、燃料タンク40、燃料ポンプ(図示せず)等と共に燃料供給系を構成し、燃料タンク40内から燃料ポンプで汲み上げた燃料が燃料配管(図示せず)を通して各気筒の燃料噴射弁20に分配される。
また、燃料タンク40内から蒸発する燃料蒸発ガスは、連通管41を通してキャニスタ42内の活性炭等の吸着体(図示せず)に吸着される。このキャニスタ42と吸気管12との間には、キャニスタ42内に吸着されている燃料蒸発ガスを吸気管12にパージ(放出)するためのパージ配管44が設けられ、このパージ配管44の途中にパージ流量を調整するパージ制御弁45が設けられている。これらキャニスタ42、パージ制御弁45、パージ配管44等から燃料パージシステム46が構成されている。
また、エンジン11には各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21には、点火回路22で発生した高圧電流がディストリビュータ23を介して供給される。このディストリビュータ23には、720℃A(クランク軸2回転)毎に例えば24個のパルス信号を出力するクランク角センサ24が設けられ、このクランク角センサ24の出力パルス間隔によってエンジン回転数Neを検出するようになっている。また、エンジン11には、エンジン冷却水温THWを検出する水温センサ38が取り付けられている。
一方、エンジン11の排気ポート(図示せず)には、排気マニホールド25を介して排気管26が接続され、この排気管26の途中に排ガス中の有害成分(CO,HC,NOx等)を低減させる三元触媒等の触媒27が設けられている。この触媒27の上流側には、排ガスの空燃比に応じたリニアな空燃比信号λを出力する空燃比センサ28(空燃比検出手段)が設けられている。また、触媒27の下流側には、排ガスの空燃比が理論空燃比に対してリッチかリーンかによって出力電圧R/Lが反転する酸素センサ29が設けられている。
上述した各種のセンサの出力はエンジン制御回路30内に入力ポート31を介して読み込まれる。このエンジン制御回路30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、CPU32、ROM33(記憶媒体)、RAM34、バッテリ(図示せず)でバックアップされたバックアップRAM35等を備え、ROM33に記憶された後述する図2、図4及び図7に示す燃料噴射制御用のプログラムや点火制御プログラム(図示せず)を実行することで、各種センサで検出されたエンジン運転パラメータを用いて要求燃料噴射量TAUや点火時期Ig等を演算し、その演算結果に応じた信号を出力ポート36から燃料噴射弁20や点火回路22に出力してエンジン11の運転を制御する。
更に、このエンジン制御回路30は、後述する図8乃至図12に示す燃料供給系異常診断用の各プログラムや、これらのプログラムに用いる図13の異常診断基準値マップや初期値等をROM33に記憶し、これら図8乃至図12に示す各プログラムを実行することで、(1)実空燃比と目標空燃比との差と(2)学習補正量と(3)フィードバック補正量とに基づいて燃料供給系の異常の有無を診断し、燃料供給系の異常有りと診断した時には、出力ポート36から警告ランプ37に点灯信号を出力して警告ランプ37を点灯し、運転者に警告する。
以下、このエンジン制御回路30が実行する各種プログラムの処理の流れを説明する。
[空燃比制御]
図2に示す空燃比制御プログラムは、空燃比のフィードバック制御を通じて要求燃料噴射量TAUを設定するプログラムであり、所定クランク角毎(例えば360℃A毎)に起動される。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、前記各種センサからの検出信号(例えばエンジン回転数Ne、吸気管圧力PM、冷却水温THW、空燃比λ、排ガス中の酸素濃度R/L等)を読み込む。この後、ステップ102で、エンジン運転状態(エンジン回転数Neと吸気管圧力PM等)に応じてマップ等から基本燃料噴射量Tpを演算する。このステップ102の処理が特許請求の範囲でいう基本燃料噴射量設定手段として機能する。
そして、次のステップ103で、空燃比フィードバック条件が成立しているか否かを判定する。ここで、空燃比フィードバック条件は、次の(A1)〜(A4)の条件を全て満たした時に成立し、1つでも満たさない条件があれば、不成立となる。
(A1)各種の燃料増量補正が行われていないこと
(A2)燃料カット中でないこと
(A3)高負荷運転中でないこと
(A4)空燃比センサ28が活性化していること
尚、上記(A4)の空燃比センサ28の活性化の有無は、例えば、1)冷却水温THWが所定温度(例えば30℃)以上となっているか否かで判定したり、2)始動後の経過時間が所定時間以上となっているか否かで判定したり、3)実際に空燃比センサ28から出力λが出たか否かで判定したり、或は、4)空燃比センサ28の素子インピーダンス(素子温相当)を検出してその素子インピーダンスから判定しても良い。
上記ステップ103で、空燃比フィードバック条件が不成立と判定された場合には、ステップ104に進み、空燃比補正係数FAF(フィードバック補正量に相当)を「1.0」に設定して、ステップ109に進む。この場合は、空燃比の補正は行われない。
一方、上記ステップ103で、空燃比フィードバック条件成立と判定された場合には、ステップ105に進み、触媒28が活性化しているか否かを判定する。この触媒28の活性の有無は、例えば、冷却水温THWが所定温度(例えば40℃)以上となっているか否かで判定する。このステップ105で、触媒28が活性化していると判定された時には、ステップ106に進み、後述する図4の目標空燃比設定プログラムを実行し、触媒28下流の酸素センサ29の出力R/Lに基づいて目標空燃比λTGを設定してから、ステップ108に進む。
これに対し、上記ステップ105において、触媒28が活性化していないと判定された時には、ステップ107に進み、図3に示す冷却水温THWをパラメータとする目標空燃比マップを検索して、その時点の冷却水温THWに応じた目標空燃比λTGを設定してステップ108に進む。
以上のようにして、ステップ106又は107で目標空燃比λTGを設定した後、ステップ108に進み、目標空燃比λTGと空燃比センサ28の出力λ(空燃比)とに基づいて空燃比補正係数FAFを次式により算出する。
FAF(k)=K1・λ(k)+K2・FAF(k−3)+K3・FAF(k−2)+K4・FAF(k−1)+ZI(k)
但し、ZI(k)=ZI(k−1)+Ka・{λTG−λ(k)}
ここで、kは最初のサンプリング開始からの制御回数を示す変数、K1〜K4は最適フィードバック定数、Kaは積分定数である。このステップ108の処理が特許請求の範囲でいう空燃比フィードバック手段として機能する。
そして、次のステップ109で、基本燃料噴射量Tp、空燃比補正係数FAF、バックアップRAM35に格納されている空燃比の学習補正量KGjのうちの現在の運転領域に属する学習補正量KGjとを用いて、次式の演算を実行し、要求燃料噴射量TAUを算出して、本プログラムを終了する。
TAU=Tp・FAF・KGj・FALL
ここで、FALLは、空燃比補正係数FAFと学習補正量KGjによらない他の補正係数(例えばエンジン温度による補正係数、加減速時の補正係数等)である。このステップ109の処理が特許請求の範囲でいう要求燃料噴射量設定手段として機能する。
[目標空燃比設定]
図4に示す目標空燃比設定プログラムは、図2の空燃比制御プログラムのステップ106で実行されるサブルーチンである。本プログラムが起動されると、まずステップ111〜113で、酸素センサ29の出力R/Lに基づいて、実際の空燃比と空燃比センサ28の出力λ(検出した空燃比)とのずれを補正するように、目標空燃比の中央値λTGCを設定する。具体的には、まずステップ111で、酸素センサ29の出力R/Lがリッチ(R)かリーン(L)かを判別し、リッチ(R)の場合は、ステップ112に進み、中央値λTGCを所定値λMだけ大きく、すなわちλMだけリーンに設定する(λTGC←λTGC+λM)。
一方、酸素センサ29の出力R/Lがリーン(L)の場合は、ステップ113に進み、中央値λTGCを所定値λMだけ小さく、すなわちλMだけリッチに設定する(λTGC←λTGC一λM)。図5は、このような酸素センサ29の出力R/Lに基づいて目標空燃比の中央値λTGCを設定する場合の一例を示している。
以上のようにして、目標空燃比の中央値λTGCを設定した後、ステップ114〜123で、いわゆるディザ制御により目標空燃比λTGを次のようにして設定する。まず、ステップ114で、ディザ周期カウンタのカウント値CDZAがディザ周期TDZA以上となっているか否かを判定する。このディザ周期TDZAは、当該ディザ制御の分解能を決定する因子であり、後述するステップ118の処理により、エンジン11の運転状態に対応した望ましい値がその都度設定される。
もし、ディザ周期カウンタのカウント値CDZAがディザ周期TDZAよりも小さければ、ステップ115に進み、ディザ周期カウンタのカウント値CDZAを1インクリメントして、ステップ123の処理を実行する。この場合は、目標空燃比λTGの値を更新することなく、その時点で設定されている目標空燃比λTGの値を維持する。
一方、ディザ周期カウンタのカウント値CDZAがディザ周期TDZA以上であれば、ステップ116に進み、ディザ周期カウンタのカウント値CDZAを「0」にリセットした後、ディザ制御により目標空燃比λTGが前記中央値λTGCを中心にしてリッチ/リーン側に交互に階段状に変化するように、以下の処理を実行する。
まず、ステップ117,118で、ディザ振幅λDZAとディザ周期TDZAを設定する。ここで、ディザ振幅λDZAは、ディザ制御の制御量を決定する因子であり、ディザ周期TDZAと同じく、エンジン11の運転状態に対応した望ましい値がその都度設定される。これらディザ振幅λDZAとディザ周期TDZAは、エンジン回転数Neと吸気管圧力PMとをパラメータとする2次元マップ(図示せず)を検索して、その時点のエンジン回転数Neと吸気管圧力PMに対応するディザ振幅λDZAとディザ周期TDZAを求める。
この後、ステップ119で、ディザ処理フラグXDZRが「0」であるか否かを判定する。このディザ処理フラグXDZRは、目標空燃比中央値λTGCに対して目標空燃比λTGをリッチに設定する場合にXDZR=1にセットし、リーンに設定する場合にXDZR=0にリセットする。
上記ステップ119で、XDZR=0と判定された場合、つまり前回のディザ制御で目標空燃比中央値λTGCに対して目標空燃比λTGがリーンに設定されている場合には、ステップ120に進み、今回のディザ制御で目標空燃比λTGがリッチに設定されるように、ディザ処理フラグXDZRを「1」にセットする。これに対し、上記ステップ119で、XDZR=1と判定された場合、つまり前回のディザ制御で目標空燃比中央値λTGCに対して目標空燃比λTGがリッチに設定されている場合には、ステップ121に進み、今回のディザ制御で目標空燃比λTGがリーンに設定されるように、ディザ処理フラグXDZRを「0」にリセットする。
このようにして、ステップ120又は121で、ディザ処理フラグXDZRを反転させ、更に、XDZR=1の場合には、ステップ122で、ディザ振幅λDZAを−値に反転させる(XDZR=0の場合はステップ112又は113で設定したディザ振幅λDZAをそのまま用いる)。この後、ステップ123で、目標空燃比中央値λTGCとディザ振幅λDZAとから目標空燃比λTGを設定する。例えば、前回のディザ制御で目標空燃比中央値λTGCに対して目標空燃比λTGがリーンに設定された場合には、今回のディザ制御で、目標空燃比λTGを中央値λTGCに対してディザ振幅λDZAだけリッチに設定するように、次式により目標空燃比λTGを算出する。λTG=λTGC−λDZA
逆に、前回のディザ制御で目標空燃比中央値λTGCに対して目標空燃比λTGがリッチに設定された場合には、今回のディザ制御で、目標空燃比λTGを中央値λTGCに対してディザ振幅λDZAだけリーンに設定するように、次式により目標空燃比λTGを算出する。
λTG=λTGC+λDZA
このようなディザ制御により、図6に示すように、目標空燃比λTGが中央値λTGCを中心にしてリッチ/リーン側に交互にディザ振幅λDZAだけ階段状に変化するように設定される。
[空燃比学習]
図7に示す空燃比学習プログラムは、所定クランク角毎に起動され、特許請求の範囲でいう学習手段として機能する。本プログラムが起動されると、まずステップ201で、後述する例えば8つの運転領域0〜7についての空燃比学習が全て終了したか否かを判定する。この判定は、各運転領域0〜7に対応した学習フラグXDOM0〜XDOM7が学習終了を意味する「1」であるか否かによって行われる。8つの運転領域0〜7の空燃比学習が全て終了している場合(XDOM0〜XDOM7=1の場合)には、ステップ203に進み、学習終了フラグXAFLNを全領域学習終了を意味する「1」にセットする。
一方、運転領域0〜7のうちのいずれか1つでも空燃比学習が終了していない場合には、ステップ201からステップ202に進み、学習終了フラグXAFLNを「0」にリセットする。
この後、ステップ204で、下記の(B1)〜(B6)の学習条件が成立しているか否かを判定する。
(B1)空燃比フィードバック制御中であること
(B2)冷却水温THWが例えば80℃以上であること
(B3)始動後増量が「0」であること
(B4)暖機増量が「0」であること
(B5)現在の運転領域に入ってから所定クランク角だけ経過していること
(B6)バッテリ電圧が例えば11.5V以上であること
これら(B1)〜(B6)の条件を1つでも満たさないものがあれば、学習条件が不成立となり、ステップ205以降の学習処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
一方、(B1)〜(B6)の条件を全て満たせば、学習条件が成立し、ステップ205以降の学習処理を次のようにして実行する。まずステップ205で、RAM34に格納されている空燃比補正係数FAFの平均値FAFAVを読み込んだ後、ステップ206で、アイドル時(IDLON)であるか否かを判定し、アイドル時か走行時かに応じて、以下のような学習処理を実行する。
すなわち、走行時である場合には、ステップ207に進み、その時点のエンジン回転数Neが1000〜3200rpmの範囲内(安定した走行状態)であるか否かを判定し、範囲外であれば、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了する。一方、エンジン回転数Neが1000〜3200rpmの範囲内であれば、学習処理が可能と判断して、ステップ208に進み、エンジン11の運転領域が「1」〜「7」のいずれの領域に該当するか判定する。この運転領域の判定は、エンジン11の負荷(例えば吸気管圧力PM)に基づいて行われ、該負荷の大きさに応じて、運転領域「1」〜「7」のいずれかの領域を当該学習処理領域として設定する。この後、ステップ209で、上記ステップ208で設定した領域i(iは「1」〜「7」のいずれか)に対応する学習フラグXDOMiをセットする。
一方、ステップ206において、アイドル時と判定された場合には、(1)エンジン回転数Neが例えば600〜1000rpmの範囲内(安定したアイドル状態)であるか否か(ステップ210)、また、(2)吸気管圧力PMが例えば173mmHgより高いか否かを判定する(ステップ211)。これら2つの条件(1),(2)のいずれか一方でも満たさなければ、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
これに対し、2つの条件(1),(2)を共に満たせば、学習処理が可能であると判断して、ステップ212に進み、その運転領域を領域「0」に設定した後、ステップ213で、上記ステップ212で設定した領域「0」に対応する学習フラグXDOM0をセットする。
以上のようにして、現在の運転状態に応じて学習フラグXDOMi又はXDOM0をセットした後、ステップ214〜217で、空燃比の学習補正量KGj(j=0〜7)の設定、又は既に設定した学習補正量KGjの更新を実行する。この学習処理は、まずステップ214で、前記ステップ205で読み込んだ空燃比補正係数の平均値FAFAVの基準値(1.0)からのずれ量(1−FAFAV)を判定し、ずれ量が所定値(例えば2%)以上であれば、当該領域の学習補正量KGjを所定値K%だけ補正し(ステップ215)、ずれ量が所定値(例えば一2%)以下であれば、当該領域の学習補正量KGjを所定値L%だけ補正する(ステップ217)。もし、ずれ量が上記所定値内であれば、当該領域の学習補正量KGjを維持する(ステップ216)。
この後、ステップ218で、上記ステップ215〜217で設定(更新)した学習補正量KGjの上下限チェック(ガード処理)を実行する。この上下限チェックでは、学習補正量KGjの上限値が例えば「1.2」に設定され、下限値が例えば「0.8」に設定される。これら上下限値は、上述したエンジン11の運転領域毎に設定しても良い。このようにして設定された学習補正量KGjは、バックアップRAM35に運転領域毎に格納される。
[燃料蒸発ガス濃度検出]
燃料蒸発ガス濃度検出は、図8に示す燃料蒸発ガス濃度検出プログラムに従って例えば4msec毎の割込み処理により実行される。本プログラムの処理が開始されると、まずステップ221で、キースイッチ投入時であるか否かを判別する。キースイッチ投入時であれば、ステップ235〜237で各データを初期化し、燃料蒸発ガス濃度FLPRG=0、燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAV=0、初回濃度検出終了フラグXNFLPRG=0にする。
ここで、燃料蒸発ガス濃度FLPRG=0、燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAV=0は、燃料蒸発ガス濃度が「0」であること(換言すればキャニスタ32に燃料蒸発ガスが全く吸着されていないこと)を意味する。エンジン始動時には初期化により吸着量が「0」に仮定される。初回濃度検出終了フラグXNFLPRG=0は、エンジン始動後に未だ燃料蒸発ガス濃度が検出されていないことを意味する。
キースイッチ投入後は、ステップ222に進み、パージ実行フラグXPRGが「1」であるか否か、即ちパージ制御が開始されているか否かを判別する。ここで、XPRG=0(パージ制御開始前)の場合には、そのまま本プログラムを終了する。一方、XPRG=1(パージ制御開始後)の場合には、ステップ223に進み、車両が加減速中であるか否かを判定する。ここで、加減速中であるか否かの判定は、アイドルスイッチ(図示せず)のオフ、スロットルバルブ13の弁開度変化、吸気管圧力変化、車速変化等の検出結果によって行われる。そして、加減速中であると判定されると、そのまま本プログラムを終了する。つまり、加減速中(エンジン運転の過渡状態)では燃料蒸発ガス濃度検出が禁止され、誤検出防止が図られる。
また、上記ステップ223で、加減速中でないと判定されると、ステップ224に進み、初回濃度検出終了フラグXNFPGが「1」であるか否か、即ち燃料蒸発ガス濃度の初回検出が終了しているか否かを判定する。ここで、XNFLPRG=1(初回検出後)であれば、ステップ225に進み、XNFPG=0(初回検出前)であれば、ステップ225を飛び越してステップ226に進む。
最初は、燃料蒸発ガス濃度検出が終了していないので(XNFLPRG=0)、ステップ224からステップ226に進み、パージ制御量AFPRGのなまし値AFPRGSMが基準値(=1)からどの程度ずれているか判定し、AFPRGSM−1<−0.02の場合は、ステップ228に進み、前回の燃料蒸発ガス濃度FLPRG(i−1)から所定値bを減算した値を今回の燃料蒸発ガス濃度FLPRGとする。また、−0.02≦AFPRGSM−1≦+0.02の場合は、ステップ229に進み、前回の燃料蒸発ガス濃度FLPRG(i−1)をそのまま今回の燃料蒸発ガス濃度FLPRGとする。また、AFPRGSM−1>+0.02の場合は、ステップ230に進み、前回の燃料蒸発ガス濃度FLPRG(i−1)に所定値aを加算した値を今回の燃料蒸発ガス濃度FLPRGとする。この場合、所定値aは所定値bよりも小さい値に設定されている。これは、燃料蒸発ガス濃度が低いときには、パージしても濃度が徐々にしか下がらないためである。
前述した初期化処理により、燃料蒸発ガス濃度FLPRGの初期値は「0」に設定され(ステップ235)、上記ステップ226〜230の処理によりパージ制御量なまし値AFPRGSMのずれ量に応じて燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値が徐々に更新される。このステップ226〜230の処理が特許請求の範囲でいう学習手段としての役割を果たす。この燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値の更新方法は、図9を参照すれば、一層理解が容易である。
このようにして燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値を更新した後、ステップ231に進み、初回濃度検出終了フラグXNFLPRGが初回濃度検出終了を意味する「1」であるか否かを判定する。ここで、XNFLPRG=0(初回濃度検出前)であれば、ステップ232に進み、燃料蒸発ガス濃度FLPRGの前回検出値と今回検出値との変化が所定値(例えば3%)以下の状態が例えば3回以上継続したか否かによって、燃料蒸発ガス濃度FLPRGが安定したか否かを判定する。燃料蒸発ガス濃度FLPRGが安定すると、次のステップ233に進み、初回濃度検出終了フラグXNFLPRGに「1」をセットした後、ステップ234に進む。
一方、上記ステップ231で、XNFLPRG=1(初回濃度検出終了)の場合、又はステップ232で燃料蒸発ガス濃度FLPRGが安定していないと判定された場合、ステップ234へジャンプし、今回の燃料蒸発ガス濃度FLPRGを平均化するために、所定のなまし演算(例えば1/64なまし演算)を実行し、燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAVを求める。この燃料蒸発ガス濃度平均値FLPRGAVは、基本燃料噴射量に対するパージ補正係数を算出するのに用いられる。
このようにして初回濃度検出が終了すると(XNFLPRG=1がセットされると)、ステップ224が常に「Yes」と判定され、ステップ225に進んで、最終パージ率RPRGが所定値β(例えば0%)を越えるか否かを判定する。そして、RPRG>βの場合のみ、ステップ226以降の燃料蒸発ガス濃度の学習処理を実行する。つまり、パージ実行フラグXPRGが「1」にセットされていても、最終パージ率RPRGが「0」となる場合があり、この場合は、実際にはパージが実施されないため、初回検出時以外は、RPRG=0の場合に燃料蒸発ガス濃度の検出を行なわないようにしている。
尚、最終パージ率RPRGが小さい場合、即ちパージ制御弁35が低流量側で制御されている場合は開度制御の精度が比較的低く、燃料蒸発ガス濃度検出の信頼性が低い。そこで、ステップ225の所定値βをパージ制御弁35の低開度域に設定し(例えば0%<β<2%)、初回検出時以外は、精度の良い検出条件が揃った場合のみ、燃料蒸発ガス濃度検出を行うようにしても良い。
[異常診断実行条件判定]
図10に示す異常診断実行条件判定プログラムは、所定時間毎(例えば256ms毎)に起動され、次のようにして燃料供給系の異常診断実行条件が成立しているか否かを判定する。まず、ステップ301で、エンジン始動後の運転状態が安定したか否かを判定するために、エンジン始動後の経過時間が例えば60秒を越えたか否かを判定し、経過時間が60秒に達していなければ、運転状態がまだ不安定であると判断して、ステップ311に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセットして、本プログラムを終了する。
一方、エンジン始動後の経過時間が60秒を越えている場合には、エンジン始動後の運転状態が安定していると判断して、ステップ301からステップ302に進み、空燃比フィードバック制御中(図2のステップ103で空燃比フィードバック条件が成立している時)であるか否かを判定し、空燃比フィードバック制御中でない場合は、ステップ311に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセットして本プログラムを終了する。
空燃比フィードバック制御中であれば、ステップ302からステップ303に進み、冷却水温THWが例えば70℃<THW<90℃であるか否かを判定し、THW≦70℃の場合(エンジン暖機完了前)、又は、THW≧90℃の場合(センサ類やアクチュエータ類の温度特性の影響が大きくなる高温域)であれば、ステップ311に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセットして本プログラムを終了する。
70℃<THW<90℃であれば、ステップ303からステップ304に進み、吸気温度THAが例えば−10℃<THA<60℃であるか否かを判定し、THA≦−10℃の場合(極低温時)、又は、THA≧60℃の場合(センサ類やアクチュエータ類の温度特性の影響が大きくなる高温域)であれば、ステップ311に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセットして本プログラムを終了する。
−10℃<THA<60℃であれば、ステップ304からステップ305に進み、エンジン回転数Neが例えば700rpm<Ne<3600rpmであるか否かを判定し、Ne≦700rpmの場合、又は、Ne≧3600rpmの場合には、エンジン11の運転状態が不安定で、燃料供給系の異常を誤検出するおそれがあるので、ステップ311に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセットして本プログラムを終了する。
700rpm<Ne<3600rpmであれば、ステップ305からステップ306に進み、吸気管圧力PMが例えば200mmHg<PM<630mmHgであるか否かを判定し、PM≦200mmHgの場合、又は、PM≧630mmHgの場合には、エンジン11の運転状態が不安定で、燃料供給系の異常を誤検出するおそれがあるので、ステップ311に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセットして本プログラムを終了する。
200mmHg<PM<630mmHgであれば、ステップ306からステップ307に進み、吸気管圧力センサ17、水温センサ38、吸気温度センサ14、空燃比センサ28等、空燃比に影響する全てのセンサが正常であるか否かを判定し、1つでも異常なセンサがあれば、燃料供給系の異常を誤検出するおそれがあるので、ステップ311に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセットして本プログラムを終了する。
空燃比に影響する全てのセンサが正常であれば、ステップ307からステップ308に進み、失火検出系、燃料蒸発ガスパージ系等、空燃比に影響する全てのシステムが正常であるか否かを判定し、1つでも異常なシステムがあれば、燃料供給系の異常を誤検出するおそれがあるので、ステップ311に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセットして本プログラムを終了する。
失火検出系、燃料蒸発ガスパージ系等が全て正常であれば、ステップ308からステップ309に進み、図8の燃料蒸発ガス濃度検出プログラムで算出した燃料蒸発ガス濃度FLPRGが所定値(例えば10%)以下であるか否かを判定する。もし、燃料蒸発ガス濃度FLPRGが所定値よりも高い場合には、燃料蒸発ガスによる実空燃比のずれが一時的に大きくなって、異常有りと誤検出するおそれがあるので、ステップ311に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセットして本プログラムを終了する。このステップ309の処理が特許請求の範囲でいう診断禁止手段としての役割を果たす。
以上説明したステップ301〜309で判定する条件が全て満たされた時に、異常診断実行条件が成立し、ステップ310に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを異常診断許可を意味する「1」にセットして本プログラムを終了する。
[異常診断パラメータ算出]
図11に示す異常診断パラメータ算出プログラムは、所定クランク角毎(例えば180℃A毎)に起動される。本プログラムが起動されると、まずステップ401で、空燃比フィードバック制御中(図2のステップ103で空燃比フィードバック条件が成立している時)であるか否かを判定し、空燃比フィードバック制御中でない場合は、ステップ408,409に進み、異常診断パラメータDGDELAFと異常診断パラメータなまし値DGDELAFSMを、共に、異常無しを意味する「1.0」に設定して本プログラムを終了する。
一方、空燃比フィードバック制御中の場合には、ステップ402〜405において、空燃比補正係数FAF、学習補正量KGj、空燃比λ及び目標空燃比λTGを読み込む。この後、ステップ406で、(1)空燃比センサ28で検出した空燃比λと目標空燃比λTGとの差と(2)空燃比補正係数FAF(フィードバック補正量)と(3)学習補正量KGjとを合計して異常診断パラメータDGDELAFを求める。
DGDELAF=(λ−λTG)+FAF+KGj
この後、ステップ407で、異常診断パラメータDGDELAFを次式によりなまし処理して異常診断パラメータなまし値DGDELAFSMを算出する。
DGDELAFSM(i)={3×DGDELAFSM(i−1)+DGDELAF}/4
上式は、なまし係数が1/4であるが、1/3、1/6、1/8等であっても良い。
[異常診断実行]
図12に示す異常診断実行プログラムは、所定時間毎(例えば1024ms毎)に起動され、特許請求の範囲でいう噴射異常診断手段として機能する。本プログラムが起動されると、まずステップ501で、異常診断許可フラグXDGFUELEX=1(異常診断許可)の状態が例えば20s継続したか否かを判定し、「No」と判定された場合には、ステップ514,515に進み、リッチ側診断カウンタcDFAFRとリーン側診断カウンタcDFAFLを「0」にリセットする。
その後、異常診断許可フラグXDGFUELEX=1の状態が20s継続した時点で、ステップ501からステップ502に進み、図11のステップ407で算出した異常診断パラメータなまし値DGDELAFSMを読み込んだ後、ステップ503で、リッチ側異常診断基準値tDFAFRとリーン側異常診断基準値tDFAFLを現在の吸入空気量Gaに応じて図13の異常診断基準値マップより読み込む。
この後、ステップ504で、異常診断パラメータなまし値DGDELAFSMをリッチ側異常診断基準値tDFAFRと比較し、DGDELAFSM≦tDFAFR(リッチ側の異常)であれば、ステップ509に進み、リッチ側診断カウンタcDFAFRを1インクリメントする。そして、次のステップ510で、リッチ側診断カウンタcDFAFRのカウント値が例えば20以上になった否か、つまり、リッチ側の異常が例えば20秒継続したか否かを判定し、20秒継続すれば、ステップ512に進み、最終的に燃料供給系のリッチ側の異常と診断してリッチ側異常診断フラグDGFUELRNGをリッチ側の異常を意味する「1」にセットし、次のステップ513で、警告ランプ37を点灯して運転者に警告して本プログラムを終了する。
上記ステップ510で、リッチ側診断カウンタcDFAFRのカウント値が20未満の場合、つまり、リッチ側の異常が20秒継続していない場合には、最終的な診断結果を出さずに本プログラムを終了する。
また、上記ステップ504で、DGDELAFSM>tDFAFR(リッチ側正常)と判定された場合には、ステップ505に進み、異常診断パラメータなまし値DGDELAFSMをリーン側異常診断基準値tDFAFLと比較し、DGDELAFSM≧tDFAFL(リーン側の異常)であれば、ステップ506に進み、リーン側診断カウンタcDFAFLを1インクリメントする。そして、次のステップ507で、リーン側診断カウンタcDFAFLのカウント値が例えば20以上になった否か、つまり、リーン側の異常が例えば20秒継続したか否かを判定し、20秒継続すれば、ステップ508に進み、最終的に燃料供給系のリーン側の異常と診断して、リーン側異常診断フラグDGFUELLNGをリーン側の異常を意味する「1」にセットし、次のステップ513で、警告ランプ37を点灯して運転者に警告して本プログラムを終了する。
上記ステップ507で、リーン側診断カウンタcDFAFLのカウント値が20未満の場合、つまり、リーン側の異常が20秒継続していない場合には、最終的な診断結果を出さずに本プログラムを終了する。
以上説明したプログラムによって燃料供給系の異常診断を行った場合の一例を図14に基づいて説明する。図14の例では、空燃比補正係数FAFが途中から下限ガード値に張り付いた状態となり、学習補正量KGjが更新されなくなる。学習補正量KGjが更新されない期間でも、異常診断パラメータなまし値DGDELAFSMがリッチ側異常診断基準値tDFAFR以下になると、リッチ側診断カウンタcDFAFRがインクリメントされる。このインクリメント動作は、DGDELAFSM≦tDFAFRの状態が続く限り約1秒毎に繰り返され、該カウンタcDFAFRのカウント値が20(秒)に達した時点で、リッチ側異常診断フラグDGFUELRNGが「1」にセットされ、燃料供給系の異常が検出される。
以上説明した本実施形態によれば、(1)空燃比センサ28で検出した空燃比λと目標空燃比λTGとの差と(2)空燃比補正係数FAF(フィードバック補正量)と(3)学習補正量KGjとを燃料供給系の異常診断データとして用い、これら3つの異常診断データ(1)〜(3)を合計して異常診断パラメータDGDELAFを求め、この異常診断パラメータDGDELAFに基づいて燃料供給系の異常の有無を診断するようにしたので、たとえ(3)学習補正量KGjが更新されなくても、(1)実空燃比λと目標空燃比λTGとの差と(2)空燃比補正係数FAFとから、燃料供給系の異常(つまり実空燃比λの異常なずれ)を速やかに検出することができ、異常診断の信頼性を向上することができる。
しかも、3つの異常診断データ(1)〜(3)を合計して得られた異常診断パラメータDGDELAFに基づいて燃料供給系の異常の有無を診断するようにしたので、3つの異常診断データ(1)〜(3)を個別に評価する場合と比較して、異常診断のロジックが極めて簡単であり、ソフトウエア構成の簡素化、演算負荷の軽減、演算処理の高速化等の要求を満たすことができる。
但し、本発明は、3つの異常診断データ(1)〜(3)を個別に評価した後に、これら3つの個別評価を総合的に評価して燃料供給系の異常の有無を診断するようにしても良く、この場合でも、本発明の所期の目的を十分に達成できる。
また、本実施形態では、3つの異常診断データ(1)〜(3)を合計して得られた異常診断パラメータDGDELAFをなまし処理し、そのなまし値DGDELAFSMを異常診断基準値tDFAFR,tDFAFLと比較して燃料供給系の異常の有無を診断するようにしたので、ノイズ等による瞬間的な空燃比検出値の変動や過渡運転時の急激なエンジン運転状態の変動等の影響を受けずに安定した異常診断が可能となり、異常診断精度を向上することができる。
しかも、異常診断基準値tDFAFR,tDFAFLを吸入空気量Gaに応じて図13の異常診断基準値マップより設定するようにしたので、エンジン運転状態に応じた最適な異常診断基準値tDFAFR,tDFAFLを設定することが可能となり、異常診断精度を向上することができる。
この場合、異常診断基準値マップのパラメータは吸入空気量Gaのみに限定されず、例えば吸気管圧力PM、エンジン回転数Ne等、種々のエンジン運転状態パラメータを用いても良く、また、1次元マップに限定されず、2次元マップ、3次元マップとして構成しても良い。
本発明の一実施形態を示すエンジン制御システム全体の概略構成図 空燃比制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート 目標空燃比マップを概念的に示す図 目標空燃比設定プログラムの処理の流れを示すフローチャート 酸素センサの出力と目標空燃比の中央値λTGCとの関係を示すタイムチャート 酸素センサの出力と目標空燃比λTGとの関係を示すタイムチャート 空燃比学習プログラムの処理の流れを示すフローチャート 燃料蒸発ガス濃度検出プログラムの処理の流れを示すフローチャート 燃料蒸発ガス濃度FLPRGの学習値の更新方法を説明する図 異常診断実行条件判定プログラムの処理の流れを示すフローチャート 異常診断パラメータ算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート 異常診断実行プログラムの処理の流れを示すフローチャート 異常診断基準値マップを概念的に示す図 燃料供給系の異常診断を行った場合の一例を示すタイムチャート
符号の説明
10 エアフローメータ
11 エンジン(内燃機関)
14 吸気温度センサ
17 吸気管圧力センサ
20 燃料噴射弁(燃料噴射装置)
24 クランク角センサ
26 排気管
27 触媒
28 空燃比センサ(空燃比検出手段)
29 酸素センサ
30 エンジン制御回路(基本燃料噴射量設定手段,学習手段,空燃比フィードバック手段,要求燃料噴射量設定手段,噴射異常診断手段、診断禁止手段)
37 警告ランプ
38 水温センサ
40 燃料タンク
42 キャニスタ
44 パージ配管
45 パージ制御弁
46 燃料蒸発ガスパージシステム

Claims (4)

  1. 排ガスの空燃比(以下「実空燃比」という)を検出する空燃比検出手段と、
    機関運転状態に基づいて基本燃料噴射量を設定する基本燃料噴射量設定手段と、
    目標空燃比からの実空燃比のずれ量を補正する補正量を学習して該学習補正量を更新記憶する学習手段と、
    実空燃比を目標空燃比に一致させるように空燃比のフィードバック補正量を設定する空燃比フィードバック手段と、
    前記基本燃料噴射量と前記学習補正量と前記フィードバック補正量とに基づいて要求燃料噴射量を設定する要求燃料噴射量設定手段と、
    前記要求燃料噴射量に基づいて燃料を噴射する燃料噴射装置とを備えた内燃機関において、
    前記実空燃比と目標空燃比との差と前記学習補正量と前記フィードバック補正量とに基づいて前記燃料噴射装置を含む燃料供給系の異常の有無を診断する噴射異常診断手段とを備え、
    前記噴射異常診断手段は、前記実空燃比と目標空燃比との差と前記学習補正量と前記フィードバック補正量とを合計し、その合計値に基づいて前記燃料供給系の異常の有無を診断することを特徴とする内燃機関の燃料供給系異常診断装置。
  2. 前記噴射異常診断手段は、前記合計値をなまし処理し、そのなまし値に基づいて前記燃料供給系の異常の有無を診断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給系異常診断装置。
  3. 前記噴射異常診断手段は、前記燃料供給系の異常の有無を診断する際に用いる異常診断基準値を機関運転状態に基づいて設定することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一方に記載の内燃機関の燃料供給系異常診断装置。
  4. 燃料タンク内から蒸発する燃料蒸発ガスを吸着し、この燃料蒸発ガスを内燃機関の吸気系に導入する燃料蒸発ガスパージシステムを備え、
    前記燃料蒸発ガスパージシステムから吸気系に導入される燃料蒸発ガス濃度が所定値以上の場合に前記噴射異常診断手段による前記燃料供給系の異常診断を禁止する診断禁止手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給系異常診断装置。
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