JP2005214073A - 可変バルブリフト制御システムの異常診断装置 - Google Patents

可変バルブリフト制御システムの異常診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 2つの気筒グループに設けた2系統の可変吸気バルブリフト装置のうち、いずれの系統の可変吸気バルブリフト装置が異常であるかを特定できるようにする。
【解決手段】 ECU23は、2つの気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18の異常診断を行うときに、各気筒の空燃比変化量と、全気筒の空燃比の変化量とを算出し、各気筒の空燃比の変化量と全気筒の空燃比の変化量との比が異常判定値よりも小さいか否かによって、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常の有無を診断する。更に、全気筒の中で空燃比が最大(最リーン)となる気筒と空燃比が最小(最リッチ)となる気筒を求め、各気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18の制御モードと、空燃比最大気筒が属する気筒グループと、空燃比最小気筒が属する気筒グループとの関係から、いずれの気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が異常であるかを特定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の吸気バルブ及び/又は排気バルブのバルブリフト特性を可変する可変バルブリフト制御システムの異常診断装置に関するものである。
近年、車両に搭載される内燃機関においては、例えば、特許文献1(特許第2684011号公報)に記載されているように、各気筒の排出ガスが集合して流れる排気集合部に設置した空燃比センサの出力に基づいて各気筒の空燃比(気筒別空燃比)を算出して、各気筒の空燃比に基づいて各気筒毎に空燃比をフィードバック制御すると共に、各気筒の空燃比フィードバック補正項に基づいて空燃比が異常な気筒を検出するようにしたものがある。
また、近年、車両に搭載される内燃機関においては、出力向上、燃費節減、排気エミッション低減等を目的として、吸気バルブや排気バルブのリフト量を可変する可変バルブリフト装置を搭載したものがある。また、可変バルブリフト装置の構成も様々であり、複数の気筒のバルブリフト量を1つの油圧駆動式の可変バルブリフト装置で一括して可変するものや、各気筒毎に電磁駆動バルブを設けて、各気筒毎にバルブリフト量を独立して可変するものもある。これらの可変バルブリフト装置についても、他の空燃比制御系と同様に、異常を検出する異常診断技術が要求されるようになってきている。
特許第2684011号公報(第1頁等)
上記特許文献1の異常診断技術では、各気筒の空燃比フィードバック補正項に基づいて空燃比が異常な気筒を検出するようにしているが、当該気筒の空燃比が異常になる原因は、燃料噴射弁等の燃料系の異常、空気系の異常、点火系の異常等が考えられるため、たとえ空燃比が異常な気筒を検出できたとしても、当該気筒の空燃比が異常になる原因は不明である。従って、上記特許文献1の異常診断技術では、可変バルブリフト装置が故障して空燃比が異常な気筒が発生しても、その原因を特定できず、適切なフェールセーフ処理を行うことができない。
また、油圧駆動式の可変バルブリフト装置では、1つの可変バルブリフト装置で複数の気筒のバルブリフト量を可変するようにしているが、気筒数が多くなると、1つの可変バルブリフト装置では十分な駆動油圧を確保することが困難であるため、複数の気筒グループに分け、各気筒グループ毎にそれぞれ独立して油圧駆動される可変バルブリフト装置を設けるようにしている。このような複数の可変バルブリフト装置を搭載したシステムでは、1つの気筒グループの可変バルブリフト装置のみが異常になる可能性があるため、いずれの気筒グループの可変バルブリフト装置が異常であるかを特定できる異常診断技術が要求されるようになってきている。
このような複数の可変バルブリフト装置を搭載したシステムに上記特許文献1の異常診断技術を適用すると、次のような問題が発生する。
1本の吸気管内を流れる空気が各気筒の吸気マニホールドによって各気筒に分配されるため、一方の気筒グループの可変バルブリフト装置が故障して、その故障気筒グループの吸入空気量が乱れると、その影響で、他方の正常な気筒グループの吸入空気量までも乱れてしまい、その結果、異常な気筒グループだけでなく、正常な気筒グループの空燃比までも乱れてしまい、空燃比が異常な気筒を誤検出する可能性がある。
そこで、各気筒グループの可変バルブリフト装置に、それぞれリフト量や油圧を検出するセンサを設けて、そのセンサの出力に基づいて、どの気筒グループの可変バルブリフト装置が異常であるかを特定することが考えられるが、この場合、リフト量や油圧を検出するセンサを新たに設ける必要があり、コストアップするという欠点がある。
そこで、本発明の第1の目的は、可変バルブリフト装置の異常を他の空気系・燃料系等の異常と区別して診断できるようにすることであり、また、第2の目的は、複数の可変バルブリフト装置を搭載した可変バルブリフト制御システムの異常診断装置において、異常箇所を特定した異常診断を行うことができると共に、低コスト化の要求を満たすことができるようにすることである。
上記第1の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、各気筒の空燃比を気筒別空燃比推定手段により推定し、各気筒の空燃比推定値と可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいて該可変バルブリフト装置の異常の有無を異常診断手段により診断するようにしたものである。つまり、各気筒の空燃比推定値と可変バルブリフト装置の制御状態とを組み合わせて評価することで、可変バルブリフト装置の異常を他の空気系・燃料系等の異常と区別して診断できる。しかも、リフトセンサや油圧センサ等を新たに設ける必要がなく、低コスト化の要求も満たすことができる。
この場合、複数系統の可変バルブリフト装置を搭載したシステムでは、前記第2の目的を達成するために、請求項2のように、各気筒の空燃比推定値の大小関係と複数系統の可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいて前記複数系統の可変バルブリフト装置の中から異常な可変バルブリフト装置を特定するようにすると良い。いずれかの可変バルブリフト装置が異常になると、正常な気筒グループと異常な気筒グループとの間で空燃比推定値の差が大きくなる傾向がある。また、異常な可変バルブリフト装置で制御される気筒の空燃比推定値は、当該異常な可変バルブリフト装置の制御状態に対応しない傾向がある。従って、各気筒の空燃比推定値の大小関係と複数の可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいて複数の可変バルブリフト装置のうちのいずれが異常であるかを特定することができる。
更に、請求項10のように、各気筒の空燃比推定値の大小関係と全気筒の空燃比推定値の大小関係と複数系統の可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいて複数系統の可変バルブリフト装置の中から異常な可変バルブリフト装置を特定するようにしても良い。
具体的には、請求項11のように、各気筒の空燃比推定値の変化幅と全気筒の空燃比の変化幅とに基づく値と、複数系統の可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいて複数系統の可変バルブリフト装置の中から異常な可変バルブリフト装置を特定することが考えられる。このようにすれば、異常な可変バルブリフト装置をより精度良く特定することができる。
また、1つの可変バルブリフト装置で制御する複数気筒の中で一部の気筒のバルブリフト動作のみが異常になる場合もあるため、請求項3のように、各気筒の空燃比推定値の大小関係と可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいてバルブリフト動作が異常な気筒を特定するようにしても良い。このようにすれば、1つの可変バルブリフト装置で制御する複数気筒の中で一部の気筒のバルブリフト動作のみが異常になる場合でも、バルブリフト動作が異常な気筒を特定することができる。
また、複数系統の可変バルブリフト装置を搭載したシステムでは、請求項4のように、いずれかの系統の可変バルブリフト装置の制御状態を強制的に変更したときの各気筒の空燃比推定値の大小関係に基づいて複数系統の可変バルブリフト装置の中から異常な可変バルブリフト装置を特定するようにしても良い。すなわち、いずれかの系統の可変バルブリフト装置の制御状態を強制的に変更したときに、それに応じて当該系統の気筒グループの空燃比推定値が変化すれば、当該系統の可変バルブリフト装置が正常であることを意味する。従って、いずれかの系統の可変バルブリフト装置の制御状態を強制的に変更したときに、それに応じて当該系統の気筒グループの空燃比推定値が変化しなかったり、逆方向に変化したりすれば、当該系統の可変バルブリフト装置が異常であると判定することができる。
ところで、内燃機関の運転状態がバルブリフト特性の変化に対する吸入空気量の変化の小さい運転領域では、バルブリフト特性の変化に対する空燃比推定値の変化が小さくなる。従って、このような運転領域では、可変バルブリフト装置が正常な気筒グループと異常な気筒グループとの間で空燃比推定値の差が小さくなるため、可変バルブリフト装置の異常診断の精度が低下して誤診断する可能性がある。
そこで、請求項5のように、内燃機関の運転状態がバルブリフト特性の変化に対する吸入空気量の変化の小さい運転領域のときに、可変バルブリフト装置の異常診断を禁止又は異常判定条件を厳しくするようにしても良い。このようにすれば、可変バルブリフト装置の異常診断の精度が低下する運転領域のときに、可変バルブリフト装置の異常診断を禁止したり、異常判定条件を厳しくして異常と判定されにくくすることができ、誤診断を未然に防止することができる。
本発明は、気筒別空燃比をどの様な方法で推定しても良いが、請求項6のように、各気筒の排出ガスが集合して流れる排気集合部に空燃比センサを設け、この空燃比センサの出力に基づいて気筒別空燃比を推定するようにすると良い。このようにすれば、1個の空燃比センサで各気筒の空燃比を推定することができ、低コスト化することができる。
また、請求項7のように、各気筒の吸入空気量を推定又は検出する気筒別吸入空気量推定手段を備えたシステムの場合には、各気筒の空燃比推定値の代わりに各気筒の吸入空気量(筒内充填空気量)を用いるようにしても良い。各気筒の吸入空気量は、各気筒の空燃比と相関関係があるためである。
或は、請求項8のように、各気筒の燃料噴射量を算出する気筒別燃料噴射量算出手段を備えたシステムの場合には、各気筒の空燃比推定値の代わりに各気筒の燃料噴射量又は該燃料噴射量に対する空燃比補正量を用いるようにしても良い。各気筒の燃料噴射量や空燃比補正量も、各気筒の空燃比と相関関係があるためである。
ところで、いずれかの可変バルブリフト装置が異常になると、気筒間の空燃比偏差が大きくなって、内燃機関の回転変動が大きくなるため、内燃機関の回転変動に基づいた失火検出の精度が低下する。また、いずれかの可変バルブリフト装置が異常になると、空燃比が乱れるため、空燃比に基づいた触媒劣化診断、燃料系異常診断、空燃比センサ異常診断等の診断精度が低下する。
このような事情を考慮して、請求項9のように、可変バルブリフト装置の異常有りと判定されたときに、他の装置の異常診断を禁止するようにしても良い。このようにすれば、可変バルブリフト装置の異常によって、失火検出、触媒劣化診断、燃料系異常診断、空燃比センサ異常診断等の異常診断の精度が低下する可能性があるときに、それらの異常診断を禁止することができ、可変バルブリフト装置の異常に起因する他の装置の誤った異常診断を未然に防止することができる。
以下、本発明を直列6気筒エンジンに適用した2つの実施例1,2を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図8に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関である例えば直列6気筒のエンジン11は、第1気筒〜第6気筒の6つの気筒を有し、このエンジン11の各気筒の吸気マニホールド12の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁13が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ14が取り付けられ、各点火プラグ14の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
また、エンジン11には、2系統(2つの気筒グループ)の可変吸気バルブリフト装置17,18が搭載されている。一方の系統の可変吸気バルブリフト装置17は、例えば第1気筒、第2気筒、第4気筒の気筒グループ(以下「Aグループ」と表記する)の吸気バルブ15のリフト量を可変し、他方の系統の可変吸気バルブリフト装置18は、例えば第3気筒、第5気筒、第6気筒の気筒グループ(以下「Bグループ」と表記する)の吸気バルブ15のリフト量を可変する。各気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18には、それぞれ油圧制御弁24,25が設けられ、各油圧制御弁24,25で各気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18の駆動油圧を制御することで、各気筒グループの吸気バルブ15のリフト量を可変するようになっている。
一方、エンジン11の各気筒の排気マニホールド19が集合する排気集合部20には、排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサ21が設けられている。また、エンジン11のシリンダブロックには、エンジン11のクランク軸が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ22が取り付けられている。このクランク角センサ22の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
上述した各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)23に入力される。このECU23は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁13の燃料噴射量や点火プラグ14の点火時期を制御する。
次に、図2に基づいて各気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18の構成について説明する。
図2に示すように、吸気バルブ15側のカムシャフト36には、カムプロフィールが異なる低リフト用カム37と高リフト用カム38とが一体的に回動可能に設けられている。カムシャフト36の下方には、ロッカシャフト39が設けられ、このロッカシャフト39を支軸としてロッカアーム40が上下方向に揺動可能に設けられている。このロッカアーム40の先端部には、吸気バルブ15の上端部が当接し、ロッカアーム40の上下方向の揺動によって吸気バルブ15が上下方向にリフト動作するようになっている。
また、ロッカアーム40には、低リフト用カム37に当接して押圧される低リフト用カム押圧部(図示せず)と、高リフト用カム38に当接して押圧される高リフト用カム押圧部(図示せず)とが設けられている。低リフト用カム37は、ロッカアーム40(低リフト用カム押圧部)の押圧量が小さくなると共にその押圧期間が短くなるように外周面形状が形成され、高リフト用カム38は、ロッカアーム40(高リフト用カム押圧部)の押圧量が大きくなると共にその押圧期間が長くなるように外周面形状が形成されている。
更に、ロッカアーム40には、油圧駆動式のカム切換機構41が設けられている。このカム切換機構41は、低リフト用カム37でロッカアーム40(低リフト用カム押圧部)を押圧して吸気バルブ15を駆動する低リフト用カム有効状態と、高リフト用カム38でロッカアーム40(高リフト用カム押圧部)を押圧して吸気バルブ15を駆動する高リフト用カム有効状態との間で切り換えられるようになっている。
各可変吸気バルブリフト装置17,18の制御モードを、吸気バルブ15のリフト量を小さくする低リフトモードに切り換える場合には、カム切換機構41を低リフト用カム有効状態に切り換えて、低リフト用カム37でロッカアーム40(低リフト用カム押圧部)を押圧して吸気バルブ15を駆動する。これにより、ロッカアーム40の押圧量が小さくなって吸気バルブ15のリフト量が小さくなると共に、ロッカアーム40の押圧期間が短くなって吸気バルブ15の開弁期間が短くなる。
一方、各可変吸気バルブリフト装置17,18の制御モードを、吸気バルブ15のリフト量を大きくする高リフトモードに切り換える場合には、カム切換機構41を高リフト用カム有効状態に切り換えて、高リフト用カム38でロッカアーム40(高リフト用カム押圧部)を押圧して吸気バルブ15を駆動する。これにより、ロッカアーム40の押圧量が大きくなって吸気バルブ15のリフト量が大きくなると共に、ロッカアーム40の押圧期間が長くなって吸気バルブ15の開弁期間が長くなる。
ECU23は、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度、エンジン負荷等)に応じて各気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18の油圧制御弁24,25に出力するバルブリフト制御指令を低リフトモード指令と高リフトモード指令との間で切り換えることで、各気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18の制御モードを低リフトモードと高リフトモードとの間で切り換える。
また、ECU23は、後述する気筒別空燃比推定モデルを用いて空燃比センサ21の検出値(排気集合部20を流れる排出ガスの実空燃比)に基づいて各気筒の空燃比(気筒別空燃比)を推定し、気筒間の空燃比ばらつきを小さくするように気筒別空燃比補正量を算出し、この気筒別空燃比補正量によって各気筒の燃料噴射量(及び/又は吸入空気量)を補正することで、各気筒に供給する混合気の空燃比を気筒毎に補正するようにしている。
ここで、空燃比センサ21の検出値(排気集合部20を流れる排出ガスの実空燃比)に基づいて各気筒の空燃比を推定するモデル(以下「気筒別空燃比推定モデル」という)の具体例を説明する。
排気集合部20におけるガス交換に着目して、空燃比センサ21の検出値を、排気集合部20における各気筒の空燃比の履歴と空燃比センサ21の検出値の履歴とにそれぞれ所定の重みを乗じて加算したものとしてモデル化し、該モデルを用いて各気筒の空燃比を推定するようにしている。尚、オブザーバとしてはカルマンフィルタを用いる。
より具体的には、排気集合部20におけるガス交換のモデルを次の(1)式にて近似する。
ys(t)=k1 ×u(t-1) +k2 ×u(t-2) −k3 ×ys(t-1)−k4 ×ys(t-2)
……(1)
ここで、yS は空燃比センサ21の検出値、uは排気集合部20に流入するガスの空燃比、k1 〜k4 は定数である。
排気系では、排気集合部20におけるガス流入及び混合の一次遅れ要素と、空燃比センサ21の応答遅れによる一次遅れ要素とが存在する。そこで、上記(1)式では、これらの一次遅れ要素を考慮して過去2回分の履歴を参照することとしている。
上記(1)式を状態空間モデルに変換すると、次の(2a)、(2b)式が導き出される。
X(t+1) =A・X(t) +B・u(t) +W(t) ……(2a)
Y(t) =C・X(t) +D・u(t) ……(2b)
ここで、A,B,C,Dはモデルのパラメータ、Yは空燃比センサ21の検出値、Xは状態変数としての気筒別空燃比、Wはノイズである。
更に、上記(2a)、(2b)式によりカルマンフィルタを設計すると、次の(3)式が得られる。
X^(k+1|k)=A・X^(k|k-1)+K{Y(k) −C・A・X^(k|k-1)} ……(3) ここで、X^(エックスハット)は各気筒の空燃比の推定値、Kはカルマンゲインである。X^(k+1|k)の意味は、時間(k) の推定値により時間(k+1) の推定値を求めることを表す。
以上のようにして、気筒別空燃比推定モデルをカルマンフィルタ型オブザーバにて構成することにより、燃焼サイクルの進行に伴い各気筒の空燃比を順次推定できる。
更に、ECU23は、後述する図3乃至図5に示す各ルーチンを実行することで、次のようにして2系統の可変吸気バルブリフト装置17,18の異常診断を行う。図8に示すように、まず、各気筒毎に空燃比の最大値AFmax と最小値AFmin を算出すると共に、全気筒の空燃比の最大値AAFmax と最小値AAFmin (つまり各気筒毎の空燃比の最大値AFmax の中の最大値AAFmax と各気筒毎の空燃比の最小値AFmin の中の最小値AAFmin )を算出する。
この後、各気筒の空燃比の変化量ΔAF(=AFmax −AFmin )と、全気筒の空燃比の変化量ΔAAF(=AAFmax −AAFmin )とを算出し、各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値よりも小さいか否かによって、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常の可能性があるか否かを判定する。そして、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常の可能性有りと判定された場合には、各気筒の空燃比の大小関係と可変吸気バルブリフト装置17,18の制御状態(バルブリフト制御指令)とに基づいて、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常の有無をその他の空気系・燃料系等の異常と区別して判定すると共に、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常の場合には、いずれの気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が異常であるかを特定する。
図7及び図8に示すように、一般に、一方の気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が故障すると、可変吸気バルブリフト装置が正常な気筒グループと異常な気筒グループとの間で空燃比の差が大きくなって空燃比が大きい気筒グループと小さい気筒グループとに分かれる傾向がある。その際、空燃比がバルブリフト制御指令(可変吸気バルブリフト装置の制御モード)に反する方向に変化している方が可変吸気バルブリフト装置の異常な気筒グループと判定することができる。
例えば、可変吸気バルブリフト装置の制御モードが高リフトモードであるときに、当該可変吸気バルブリフト装置が故障によって低リフトモードで駆動されると、当該気筒グループの吸入空気量が少なくなって空燃比がリッチ方向に変化するため、空燃比がリッチ方向に変化している気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が異常であると判定することができる。
そこで、本実施例1では、全気筒の中で空燃比が最大(最リーン)となる気筒と空燃比が最小(最リッチ)となる気筒を求め、各気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18の制御モード(バルブリフト制御指令)と、空燃比最大気筒が属する気筒グループと、空燃比最小気筒が属する気筒グループを判定して、それらの関係から、いずれの気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が異常であるかを特定するようにしている。
以下、ECU23が可変吸気バルブリフト装置17,18の異常診断のために実行する図3乃至図5の各ルーチンの処理内容を説明する。
[異常診断メインルーチン]
図3に示す異常診断メインルーチンは、エンジン運転中に所定周期(例えば30℃A周期)で実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、気筒別空燃比推定ルーチン(図示せず)を実行し、前記気筒別空燃比推定モデルを用いて、空燃比センサ21の検出値(排気集合部20を流れる排出ガスの実空燃比)に基づいて各気筒の空燃比AFを推定する。このステップ101の処理が特許請求の範囲でいう気筒別空燃比推定手段としての役割を果たす。
この後、ステップ102に進み、今回のサンプリング開始から所定時間(例えば3〜5sec)が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していなければ、ステップ103に進み、今回のサンプリング期間における各気筒の空燃比の最大値AFmax と最小値AFmin を算出した後、ステップ104に進み、今回のサンプリング期間における全気筒の空燃比の最大値AAFmax と最小値AAFmin を算出して、本ルーチンを終了する。
その後、上記ステップ102で、今回のサンプリング開始から所定時間が経過したと判定されたときに、ステップ106に進み、後述する図4に示す異常診断サブルーチンを実行して、今回のサンプリング期間における各気筒の空燃比の最大値AFmax と最小値AFmin 、全気筒の空燃比の最大値AAFmax と最小値AAFmin を用いて可変吸気バルブリフト装置17,18の異常の有無をその他の異常と区別して判定する。
この後、ステップ107に進み、各気筒の空燃比の最大値AFmax と最小値AFmin 、全気筒の空燃比の最大値AAFmax と最小値AAFmin をクリアする。
[異常診断サブルーチン]
図4に示す異常診断サブルーチン(図3のステップ106)は、エンジン運転中に所定周期(例えば180℃A周期)で実行され、特許請求の範囲でいう異常診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度と吸気管圧力、吸入空気量等のエンジン負荷)が異常診断禁止領域であるか否かを判定する。この異常診断禁止領域は、図6に示すように、可変吸気バルブリフト装置17,18の制御モードの切り換え(つまりバルブリフト特性の変化)に対する吸入空気量の変化の小さい運転領域に設定されている。
このステップ201で、エンジン運転状態が異常診断禁止領域であると判定された場合には、ステップ202以降の異常診断に関する処理を実行することなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ201で、エンジン運転状態が異常診断禁止領域ではないと判定された場合には、ステップ202以降の異常診断に関する処理を次のようにして実行する。まず、ステップ202で、各気筒毎に空燃比の変化量ΔAFを次式により算出する。
ΔAF=AFmax −AFmin
この後、ステップ203に進み、全気筒の空燃比の変化量ΔAAFを次式により算出する。
ΔAAF=AAFmax −AAFmin
この後、ステップ204に進み、各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値よりも小さいか否かを判定する。この異常判定値は、固定値としても良いが、エンジン回転速度、吸入空気量、吸気バルブタイミング等に応じて変更するようにしても良い。
このステップ204で、各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値よりも小さいと判定された場合には、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常の可能性があると判断して、ステップ205に進み、後述する図5に示す異常部位特定ルーチンを実行して、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常の有無をその他の異常と区別して判定すると共に、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常の場合には、いずれの気筒グループの可変バルブリフト装置が異常であるかを特定する。
この後、ステップ206に進み、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ26(図1参照)を点灯したり、或はインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告した後、ステップ207に進み、その異常情報(異常コード等)をECU23のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶する。
この後、ステップ208に進み、失火検出、触媒劣化診断、燃料系異常診断、空燃比センサ異常診断等の異常診断を禁止して、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ204で、各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値以上であると判定された場合には、ステップ209に進み、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常無し(正常)と判定して、本ルーチンを終了する。
[異常部位特定ルーチン]
次に、図4の異常診断サブルーチンのステップ205で実行される図5の異常部位特定ルーチンの処理内容を説明する。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、全気筒の中で空燃比が最大となる気筒(空燃比最大気筒)を求めた後、ステップ302に進み、全気筒の中で空燃比が最小となる気筒(空燃比最小気筒)を求める。
この後、ステップ303〜306で、A,B両グループの可変吸気バルブリフト装置17,18の制御モード(バルブリフト制御指令)と、最大気筒が属する気筒グループと、空燃比最小気筒が属する気筒グループを判定する。
その結果、ステップ303で、A,B両グループの制御モードが低リフトモード、且つ、空燃比最大気筒がAグループ、且つ、空燃比最小気筒がBグループであると判定された場合には、A,B両グループの制御モードが低リフトモードであるにも拘らず、Bグループの実際の駆動状態が高リフトモードのままであると判断して、ステップ307に進み、Bグループの可変吸気バルブリフト装置18の異常であると判定する。
また、ステップ304で、A,B両グループの制御モードが低リフトモード、且つ、空燃比最大気筒がBグループ、且つ、空燃比最小気筒がAグループであると判定された場合には、A,B両グループの制御モードが低リフトモードであるにも拘らず、Aグループの実際の駆動状態が高リフトモードのままであると判断して、ステップ308に進み、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の異常であると判定する。
また、ステップ305で、A,B両グループの制御モードが高リフトモード、且つ、空燃比最大気筒がAグループ、且つ、空燃比最小気筒がBグループであると判定された場合には、A,B両グループの制御モードが高リフトモードであるにも拘らず、Bグループの実際の駆動状態が低リフトモードのままであると判断して、ステップ307に進み、Bグループの可変吸気バルブリフト装置18の異常であると判定する。
また、ステップ306で、A,B両グループの制御モードがが高リフトモード、且つ、空燃比最大気筒がBグループ、且つ、空燃比最小気筒がAグループであると判定された場合には、A,B両グループの制御モードが高リフトモードであるにも拘らず、Aグループの実際の駆動状態が低リフトモードのままであると判断して、ステップ308に進み、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の異常であると判定する。
上記ステップ303〜306で、いずれも「No」と判定された場合には、ステップ309に進み、その他の空気系・燃料系等の異常と判定する。
以上説明した本実施例1では、各気筒の空燃比推定値と2系統の可変バルブリフト装置17,18の制御モードとを組み合わせて異常診断するようにしたので、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常を他の空気系・燃料系等の異常と区別して診断できる。
また、一方の気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が故障すると、可変吸気バルブリフト装置が正常な気筒グループと異常な気筒グループとの間で空燃比の差が大きくなってリッチ空燃比の気筒グループとリーン空燃比の気筒グループとに分かれる傾向があることに着目して、各気筒の空燃比の大小関係と可変吸気バルブリフト装置の制御モード(バルブリフト制御指令)とに基づいて、いずれの気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が異常であるかを特定するようにしたので、異常な可変吸気バルブリフト装置を精度良く特定することができる。しかも、異常な可変吸気バルブリフト装置を特定するためのセンサを新たに設ける必要がなく、低コスト化の要求も満たすことができる。
ところで、エンジン運転状態がバルブリフト特性の変化に対する吸入空気量の変化の小さい運転領域では、バルブリフト特性の変化に対する各気筒の空燃比の変化が小さくなる。従って、このような運転領域では、可変吸気バルブリフト装置17,18が正常な気筒グループと異常な気筒グループとの間でバルブリフト特性が異なっていても、空燃比推定値の差が小さいため、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常診断の精度が低下して誤診断する可能性がある。
そこで、本実施例1では、バルブリフト特性の変化に対する吸入空気量の変化の小さい運転領域を異常診断禁止領域として設定し、エンジン運転状態が異常診断禁止領域のときに、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常診断を禁止するようにしたので、エンジン運転状態がバルブリフト特性の変化に対する吸入空気量の変化の小さい運転領域、つまり、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常診断の精度が低下する運転領域のときには、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常診断を行わないようにすることができ、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常診断の誤診断を未然に防止することができる。
尚、異常診断禁止領域で、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常診断を禁止する代わりに、異常判定条件を厳しくするようにしても良い。具体的には、異常診断禁止領域で、図4のステップ204で用いる異常判定値を小さくしてステップ204で「Yes」と判定しにくくするようにしても良い。このようにしても、誤診断を未然に防止することができる。
また、本実施例1では、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常有りと判定されたときに、失火検出、触媒劣化診断、燃料系異常診断、空燃比センサ異常診断等の他の異常診断を禁止するようにしたので、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常によって、失火検出、触媒劣化診断、燃料系異常診断、空燃比センサ異常診断等の異常診断の精度が低下する可能性があるときに、それらの異常診断を禁止することができ、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常に起因する他の異常診断の誤診断を未然に防止することができる。
次に、図9を用いて本発明の実施例2を説明する。
本実施例2では、図9に示す異常部位特定ルーチンを実行することで、2つの気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18のうち一方の気筒グループの可変吸気バルブリフト装置の制御モードを強制的に変更したときの各気筒の空燃比推定値の大小関係に基づいて、制御モードを強制的に変更した気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が正常に動作したか否か(バルブリフト特性が正常に変化したか否か)を判定することによって、いずれの気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が異常であるかを特定するようにしている。
図9に示す異常部位特定ルーチンでは、まず、ステップ401で、A,B両グループの可変吸気バルブリフト装置17,18の制御モードが低リフトモードであるか否かを判定し、低リフトモードであると判定された場合には、ステップ402に進み、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の制御モードを強制的に高リフトモードに切り換える。
この後、ステップ403に進み、各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値よりも小さいか否かを判定する。尚、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の制御モードを変更する前は、前述した図4のステップ204で、各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値よりも小さいと判定されている。
このステップ403で、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の制御モードを強制的に高リフトモードに変更した後も、引き続き各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値よりも小さいと判定された場合には、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17が正常に動作していないと判断して、ステップ404に進み、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の異常であると判定する。この後、ステップ410に進み、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の制御モードを通常の制御モード(この場合は低リフトモード)に復帰させる。
これに対して、上記ステップ403で、各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値以上であると判定された場合には、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17が正常に動作したと判断して、ステップ405に進み、Bグループの可変吸気バルブリフト装置18の異常であると判定する。この後、ステップ410に進み、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の制御モードを通常の制御モード(この場合は低リフトモード)に復帰させる。
一方、上記ステップ401で、各気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18の制御モードが低リフトモードではないと判定された場合、つまり、高リフトモードである場合には、ステップ406に進み、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の制御モードを強制的に低リフトモードに切り換える。
この後、ステップ407に進み、各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値よりも小さいか否かを判定する。
このステップ407で、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の制御モードを強制的に低リフトモードに変更した後も、引き続き各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値よりも小さいと判定された場合には、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17が正常に動作していないと判断して、ステップ408に進み、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の異常であると判定する。この後、ステップ410に進み、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の制御モードを通常の制御モード(この場合は高リフトモード)に復帰させる。
これに対して、上記ステップ407で、各気筒の空燃比の変化量ΔAFと全気筒の空燃比の変化量ΔAAFとの比が異常判定値以上であると判定された場合には、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17が正常に動作したと判断して、ステップ409に進み、Bグループの可変吸気バルブリフト装置18の異常であると判定する。この後、ステップ410に進み、Aグループの可変吸気バルブリフト装置17の制御モードを通常の制御モード(この場合は高リフトモード)に復帰させる。
以上説明した本実施例2では、2つの気筒グループの可変吸気バルブリフト装置17,18のうちの一方の気筒グループの可変吸気バルブリフト装置の制御モードを強制的に変更したときの各気筒の空燃比推定値の大小関係に基づいて、いずれの気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が異常であるかを特定するようにしたので、異常な可変吸気バルブリフト装置を精度良く特定することができると共に、異常な可変吸気バルブリフト装置を特定するためのセンサ類を新たに設ける必要がなく、低コスト化の要求も満たすことができる。
尚、各気筒の吸入空気量(筒内充填空気量)を推定又は検出する気筒別吸入空気量推定手段を備えたシステムに本発明を適用する場合は、可変吸気バルブリフト装置17,18の異常診断に際して、各気筒の空燃比推定値の代わりに、各気筒の吸入空気量を用いるようにしても良い。各気筒の吸入空気量は、各気筒の空燃比と相関関係があるためである。
或は、各気筒の空燃比推定値の代わりに各気筒の燃料噴射量又は該燃料噴射量に対する空燃比補正量を用いるようにしても良い。各気筒の燃料噴射量や空燃比補正量も、各気筒の空燃比と相関関係があるためである。
また、上記各実施例1,2では、本発明を各気筒グループ毎に可変吸気バルブリフト装置を設けたシステムに適用して、いずれの気筒グループの可変吸気バルブリフト装置が異常であるかを特定するようにしたが、可変吸気バルブリフト装置のうちのいずれの気筒が異常であるかを特定するようにしても良い。
また、1つの可変バルブリフト装置で制御する複数気筒の中で一部の気筒のバルブリフト動作のみが異常になる場合もあるため、各気筒の空燃比推定値の大小関係と可変バルブリフト装置の制御モードとに基づいてバルブリフト動作が異常な気筒を特定するようにしても良い。このようにすれば、1つの可変バルブリフト装置で制御する複数気筒の中で一部の気筒のバルブリフト動作のみが異常になる場合でも、バルブリフト動作が異常な気筒を特定することができる。
また、上記各実施例1,2では、吸気バルブ側の可変吸気バルブリフト装置を制御するするシステムに本発明を適用したが、排気バルブ側の可変排気バルブリフト装置を制御するするシステムに本発明を適用しても良い。また、各気筒毎に電磁駆動バルブを設けて、各気筒毎にバルブリフト量を独立して可変するシステムに本発明を適用しても良い。
その他、本発明は、6気筒エンジンに限定されず、5気筒以下のエンジン又は7気筒以上のエンジンに適用しても良く、また、直列エンジンに限定されず、V型エンジンや水平対向エンジン等、様々な型式のエンジンに適用することができる。
本発明の実施例1におけるエンジン制御システム全体の概略構成図である。 可変吸気バルブリフト装置の正面図 実施例1の異常診断メインルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の異常診断サブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の異常部位特定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 異常診断禁止領域を説明するための図である。 気筒別空燃比の挙動を示すタイムチャートである。 実施例1の異常部位特定方法を説明するために気筒別空燃比の挙動を模式的に示すタイムチャートである。 実施例2の異常部位特定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、13…燃料噴射弁、15…吸気バルブ、17,18…可変吸気バルブリフト装置、19…排気マニホールド、20…排気集合部、21…空燃比センサ、23…ECU(気筒別空燃比推定手段,異常診断手段)

Claims (11)

  1. 内燃機関の各気筒の吸気バルブ及び/又は排気バルブのバルブリフト特性を可変する可変バルブリフト装置を搭載した可変バルブリフト制御システムの異常診断装置において、 各気筒の空燃比を推定する気筒別空燃比推定手段と、
    前記気筒別空燃比推定手段により求められた各気筒の空燃比推定値と前記可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいて該可変バルブリフト装置の異常の有無を診断する異常診断手段と
    を備えていることを特徴とする可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
  2. 複数系統の可変バルブリフト装置を搭載し、
    前記異常診断手段は、前記各気筒の空燃比推定値の大小関係と前記複数系統の可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいて前記複数系統の可変バルブリフト装置の中から異常な可変バルブリフト装置を特定する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
  3. 前記異常診断手段は、前記各気筒の空燃比推定値の大小関係と前記可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいてバルブリフト動作が異常な気筒を特定する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
  4. 複数系統の可変バルブリフト装置を搭載し、
    前記異常診断手段は、いずれかの系統の可変バルブリフト装置の制御状態を強制的に変更したときの各気筒の空燃比推定値の大小関係に基づいて前記複数系統の可変バルブリフト装置の中から異常な可変バルブリフト装置を特定する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
  5. 前記異常診断手段は、内燃機関の運転状態が前記バルブリフト特性の変化に対する吸入空気量の変化の小さい運転領域のときに前記可変バルブリフト装置の異常診断を禁止又は異常判定条件を厳しくする手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
  6. 各気筒の排出ガスが集合して流れる排気集合部に、該排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサが設けられ、
    前記気筒別空燃比推定手段は、前記空燃比センサの出力に基づいて各気筒の空燃比を推定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
  7. 各気筒の吸入空気量を推定又は検出する気筒別吸入空気量推定手段を備え、
    前記異常診断手段は、前記各気筒の空燃比推定値の代わりに前記各気筒の吸入空気量を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
  8. 各気筒の燃料噴射量を算出する気筒別燃料噴射量算出手段を備え、
    前記異常診断手段は、前記各気筒の空燃比推定値の代わりに前記各気筒の燃料噴射量又は該燃料噴射量に対する空燃比補正量を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
  9. 前記異常診断手段により前記可変バルブリフト装置の異常有りと判定されたときに、他の装置の異常診断を禁止する手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
  10. 複数系統の可変バルブリフト装置を搭載し、
    前記異常診断手段は、前記各気筒の空燃比推定値の大小関係と前記全気筒の空燃比推定値の大小関係と前記複数系統の可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいて前記複数系統の可変バルブリフト装置の中から異常な可変バルブリフト装置を特定する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
  11. 前記異常診断手段は、前記各気筒の空燃比推定値の変化幅と前記全気筒の空燃比の変化幅とに基づく値と、前記複数系統の可変バルブリフト装置の制御状態とに基づいて前記複数系統の可変バルブリフト装置の中から異常な可変バルブリフト装置を特定する手段を備えていることを特徴とする請求項10に記載の可変バルブリフト制御システムの異常診断装置。
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