JP2006177288A - エンジンの燃料系異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常判定の機会を十分に確保し、しかも燃料系異常の判定精度を高める。
【解決手段】ECU40は、空燃比センサ32により検出した検出空燃比が目標空燃比に一致するよう空燃比フィードバック制御を実施する。また、空燃比フィードバック制御時の空燃比ずれ量に基づく異常判定パラメータが所定範囲にあるか否かにより燃料系の異常判定を実施する。また特に、クランクケース23b内のエンジンオイルに混入しているオイル混入燃料量を逐次算出すると共に、該オイル混入燃料量を基にPCV通路35を介して吸気通路に流出する流出燃料量を算出する。そして、インジェクタ19の燃料噴射量に対する前記流出燃料量の比率に基づいて、前記正常範囲を決めるための異常判定値を可変設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンに対して燃料を供給する燃料供給系統の異常や、燃料噴射制御における各種センサ類及び制御系の異常を好適に検出するためのエンジンの燃料系異常検出装置に関するものである。
近年のエンジン制御装置では、空燃比センサ等による検出空燃比を目標空燃比に一致させるようにした空燃比フィードバック制御が採用されており、その空燃比フィードバック制御にて用いる空燃比補正値に基づいて燃料系の異常診断を実施する技術が種々提案されている。また、この種の異常診断技術として、エンジンの燃焼室からクランクケースに漏れ出て一旦エンジンオイルに混入しその後吸気通路に放出される燃料(いわゆるブローバイガス燃料)の影響を考慮して異常診断を行う技術も開示されている。
例えば特許文献1(特許第2917725号公報)では、空燃比フィードバック補正量に基づいて空燃比学習補正値を更新すると共に、該空燃比学習補正値と基準値との比較により燃料系の異常判定を実施することを前提とする。そして、ブローバイガスの濃度に応じて変化するエンジンオイル中の燃料濃度を検出し、該検出した燃料濃度が基準値よりも大きい場合に、前記空燃比学習補正値に基づく燃料系の異常判定を停止するようにしている。
しかしながら、上記のようにエンジンオイル中の燃料濃度に応じて異常判定を停止する場合、その判定精度を確保するには、確実に異常判定できる状態でのみ異常判定が許可されるようにする必要がある。そのため、異常判定の確かさがあいまいな場合などでは異常判定が停止され、燃料系異常の判定機会が少なくなるという問題が生じる。
また、特許文献2(特許第2811404号公報)では、エンジンの始動時間(始動に要した時間)と始動時水温と始動後経過時間とから診断用の学習補正係数へのブローバイ影響分を推定し、その影響分を除いた学習補正係数に基づいて燃料系の異常判定を実施するようにしている。
しかしながら、上記特許文献2では、エンジン始動後に燃焼室からクランクケースに漏出する燃料などを考慮していないため、クランクケース内のエンジンオイルに混入されている燃料量を正確に把握できない。仮に始動時間、始動時水温、始動後経過時間により間接的にオイル混入燃料量を推定できるとしても、その精度は不確かなものであった。それ故に、学習補正係数へのブローバイ影響分が正確に推定できず、燃料系異常が誤判定されるおそれが生じる。また、エンジンの暖機状態の影響を始動後経過時間のみで判断しているため、エンジン運転状態の変動時において異常判定の精度に影響が及ぶこととなる。
特許第2917725号公報 特許第2811404号公報
本発明は、異常判定の機会を十分に確保し、しかも燃料系異常の判定精度を高めることができるエンジンの燃料系異常検出装置を提供することを主たる目的とするものである。
本発明では、空燃比検出手段により検出した検出空燃比が目標空燃比に一致するよう空燃比フィードバック制御を実施し、その空燃比フィードバック制御時の空燃比ずれ量に基づく異常判定パラメータが所定範囲にあるか否かにより燃料系の異常判定を実施する。この異常判定に際し、クランクケース内に溜まったオイル混入燃料が気化し、ブローバイガスとして吸気通路に流出すると、異常判定精度に影響が及ぶ。そこで、クランクケース内のエンジンオイルに混入しているオイル混入燃料量を逐次算出し、そのオイル混入燃料量を基に、燃料流出通路を介して吸気通路に流出する流出燃料量を算出する。そして、燃料噴射手段の燃料噴射量に対する前記流出燃料量の比率に基づいて、前記所定範囲を決めるための異常判定値を可変設定するようにしている。
要するに、燃料噴射手段の燃料噴射量に対する流出燃料量の比率は、吸気通路への流出燃料(ブローバイガス中の燃料量)が空燃比フィードバック制御に与える影響度に相当し、前記比率が変化すると空燃比フィードバックへの影響度が変わり、燃料系異常の判定精度に影響が及ぶ。本発明では、空燃比フィードバック制御への影響度を考慮して異常判定パラメータの異常判定値(所定範囲)が可変設定されることとなるため、燃料系異常の誤判定を抑制することができる。このとき、仮に空燃比フィードバック制御への影響度が大きくなっても、それに合わせて異常判定値(所定範囲)を可変設定することで、異常判定を継続できる。また、逐次算出したオイル混入燃料量を基に流出燃料量を算出するため、燃料噴射手段の燃料噴射量に対する流出燃料量の比率(空燃比フィードバックへの影響度)が正確に把握でき、これによっても燃料系異常の誤判定の抑制効果が得られる。以上から本発明によれば、異常判定の機会を十分に確保し、しかも燃料系異常の判定精度を高めることができる。
なお本発明において、異常判定パラメータは、例えば、その都度の検出空燃比と目標空燃比との偏差に基づいて算出されるフィードバック補正量(空燃比補正係数FAF)や、定常的な空燃比ずれ量に相当する空燃比学習量(空燃比学習値FLRN)を基に算出されると良い。
ここで、燃料噴射手段の燃料噴射量に対する流出燃料量の比率が大きいと、空燃比フィードバックへの影響度が大きくなり、燃料系異常の誤判定の可能性が高まる。それ故に、燃料噴射手段の燃料噴射量に対する流出燃料量の比率が大きいほど、前記所定範囲を拡張するよう前記異常判定値を設定すると良い。これにより、前記比率が変化しても燃料系異常の判定精度を維持することができる。
また、燃料噴射手段の燃料噴射量に対する流出燃料量の比率が大きいと、概して異常判定パラメータが空燃比リッチ側に移行すると考えられる。それ故に、燃料噴射手段の燃料噴射量に対する流出燃料量の比率が大きいほど、前記所定範囲が空燃比リッチ側にシフトするよう前記異常判定値を設定すると良い。これにより、前記比率が変化しても燃料系異常の判定精度を維持することができる。
また、燃料噴射手段の燃料噴射量に対する流出燃料量の比率(空燃比フィードバックへの影響度)が過剰に大きくなると、異常判定精度の信頼性が維持できなくなる。そこで、燃料噴射手段の燃料噴射量に対する流出燃料量の比率が所定のしきい値を超える場合、異常判定手段による異常判定を禁止すると良い。
エンジンでは、燃焼サイクル毎の運転状態等によりクランクケースに流入する流入燃料量が変化する。そこで、燃料噴射手段による燃料噴射毎に流入燃料量を算出する手段を付加し、その都度の流入燃料量と流出燃料量とを基にオイル混入燃料量を算出すると良い。これにより、オイル混入燃料量の算出精度が向上し、ひいては燃料系異常の判定精度向上が実現できる。
かかる場合特に、エンジンの始動当初は、燃料噴射手段の燃料噴射量とエンジン温度とをパラメータとして流入燃料量を算出し、始動完了後は、燃料噴射手段の燃料噴射量とエンジン温度と負荷とをパラメータとして流入燃料量を算出すると良い。
また、オイル混入燃料量とエンジン暖機パラメータを基に、燃料流出通路を流れるブローバイガス中の燃料濃度を推定すると共に、その都度のエンジン運転状態を基にブローバイガス流量を算出し、それら燃料濃度とブローバイガス流量とから前記流出燃料量を算出すると良い。この場合、燃料濃度を検出するためのセンサ装置(例えばHCセンサ)を要しなくてもブローバイガス中の燃料濃度が正確に把握でき、更に吸気通路への流出燃料量も正確に算出できる。なお、エンジン暖機パラメータとしては、エンジン暖機状態に対応するエンジンオイル温度やエンジン水温等が適用できる。
また、エンジン停止後にそれまでに算出したオイル混入燃料量をバックアップ用メモリ(バックアップRAMやEEPROM等)に保存し、エンジン始動時において前回保存したオイル混入燃料量を用いてその後のオイル混入燃料量を算出すると良い。これにより、エンジンの暖機途中でエンジンの運転が停止され、クランクケース内に燃料が残っている状態でエンジンが再始動されるような場合にも、その残存燃料を考慮してオイル混入燃料量を正しく算出することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、内燃機関である車載多気筒ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしており、当該制御システムにおいては電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施することとしている。先ずは、図1を用いてエンジン制御システムの全体概略構成図を説明する。
図1に示すエンジン10において、吸気管11の最上流部にはエアクリーナ12が設けられ、このエアクリーナ12の下流側には吸入空気量を検出するためのエアフロメータ13が設けられている。エアフロメータ13の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ15によって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ15に内蔵されたスロットル開度センサにより検出されるようになっている。スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられ、このサージタンク16には吸気管圧力を検出するための吸気管圧力センサ17が設けられている。また、サージタンク16には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド18が接続されており、吸気マニホールド18において各気筒の吸気ポート近傍には燃料を噴射供給する電磁駆動式のインジェクタ19(燃料噴射手段)が取り付けられている。エンジン10の吸気ポート及び排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられている。
シリンダブロック23には円筒状のシリンダ23aが形成されると共にその下方にクランクケース23bが形成されており、シリンダ23a内にはピストン24が図の上下方向に摺動可能に収容されている。クランクケース23bの下部にはエンジンオイル(潤滑油)を貯留するためのオイルパンが形成されている。また、シリンダ23a内にはシリンダ壁面やピストン24の上面により燃焼室25が区画形成されている。
エンジン10の運転に際し吸気バルブ21が開放されると、インジェクタ19の噴射燃料と吸入空気との混合気が燃焼室25内に導入され、排気バルブ22の開動作により燃焼後の排ガスが排気管27に排出される。
また、シリンダブロック23のクランクケース23bとサージタンク16との間にはPCV(Positive Crankcase Ventilation)通路35が形成されている。エンジン10の暖機完了前など、シリンダ壁面とピストン24との摺動部の隙間(ピストン摺動隙間)が比較的大きい場合や、通常運転時等でシリンダ内圧力が高い場合には、シリンダ壁面とピストン24との摺動部の隙間を介して燃焼室25からクランクケース23bに燃料が漏れ出てその燃料がオイルパン内のエンジンオイルに混入する。そして、エンジン潤滑油の温度(エンジン油温)がある程度以上高い状態において、エンジンオイルに混じった燃料が気化し、それがブローバイガスとしてPCV通路35を経由して吸気通路(サージタンク16)に放出される。
エンジン10のシリンダヘッドには気筒毎に点火プラグ30が取り付けられており、点火プラグ30には、点火コイル等よりなる点火装置(図示略)を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ30の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室25内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
排気管27には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒31が設けられ、この触媒31の上流側には排ガスを検出対象として混合気の空燃比を検出するための空燃比センサ32が設けられている。空燃比センサ32は、例えば限界電流式のリニアA/Fセンサよりなり、排ガス中の酸素濃度又は未燃成分に応じて空燃比検出信号(素子電流信号)を出力する。また、エンジン10のシリンダブロック23には、冷却水温を検出する冷却水温センサ33や、エンジンの所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ34が取り付けられている。
上述した各種センサの出力は、エンジン制御を司るECU40に入力される。ECU40は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じてインジェクタ19の燃料噴射量、点火プラグ30による点火時期等を制御する。
特にECU40は、燃料噴射量制御において空燃比センサ32により検出した実空燃比が目標空燃比(例えば理論空燃比)に一致するよう空燃比フィードバック制御を実施する。このとき、ECU40は、実空燃比と目標空燃比との偏差に基づいて空燃比補正係数FAFを算出すると共に、その空燃比補正係数FAFを用いて燃料噴射量を補正する。また、目標空燃比に対する実空燃比の定常的なズレを解消すべく、空燃比補正係数FAFに基づいて空燃比学習値FLRNを算出し、この学習値FLRNを燃料噴射量補正に反映するようにしている。因みに、空燃比学習値FLRNはエンジンの運転領域毎に随時算出され、その算出値がバックアップRAMに記憶される。
またECU40は、空燃比フィードバック制御時の空燃比ずれ量に基づく異常判定パラメータを用いて燃料系の異常判定を実施することとしており、具体的には、図2に示す制御プログラムを実行する。なお、図2の処理とそのサブルーチンでは、基本噴射量Qbaseや燃料噴射量Qinj等の噴射量演算をステップに組み込んでいるが、これらの噴射量演算は異常判定処理とは異なる別処理にて実施されるものであっても差し支えない。
先ずは図2に基づいて全体的な処理の流れを説明する。図2において、先ずステップS110では、エンジン回転速度や負荷(例えば吸気管圧力)に基づいて基本噴射量Qbaseを算出する。次に、ステップS120では、燃焼室25からクランクケース23bに流入する燃料量(以下、流入燃料量Qin)を算出し、ステップS130では、クランクケース23b内のエンジンオイルから気化してエンジン吸気通路に流出する燃料量(以下、流出燃料量Qout)を算出する。
その後、ステップS140では、クランクケース23b内のエンジンオイルに混入している燃料の総量(以下、オイル混入燃料量Q)を算出する。このとき、オイル混入燃料量の前回値Q(n-1)と、前記算出した流入燃料量Qin、流出燃料量Qoutとに基づいてオイル混入燃料量の今回値Q(n)を算出する(Q(n)=Q(n-1)+Qin−Qout)。
そして最後に、ステップS150では、空燃比補正係数FAFと空燃比学習値FLRNとを基に算出した空燃比学習補正量Bに基づいて燃料系の異常判定を実行する。
次に、前記図2のステップS120,S130,S150における処理内容を詳しく説明する。図3は前記ステップS120における流入燃料量Qinの算出処理を示すフローチャート、図4は前記ステップS130における流出燃料量Qoutの算出処理を示すフローチャート、図5は前記ステップS150における燃料系の異常判定処理を示すフローチャートである。
図3のQin算出処理において、ステップS121では、エンジンの始動完了前であるか否かを判定する。この始動判定はエンジン回転速度に基づいて行われ、エンジン回転速度が所定の始動完了回転速度(例えば400rpm)未満であれば、始動完了前であると判定される。
そして、始動完了前であれば、ステップS122に進み、エンジン水温に基づいて燃料漏出係数K1を算出する。この燃料漏出係数K1は、例えば図6の関係に基づいて算出され、エンジン水温が低いほど大きい値として算出される(但し、0≦K1<1)。また、ステップS123では、エンジン水温と吸気管圧力とに基づいて始動時燃料噴射量Qstを算出する。その後、ステップS124では、始動時燃料噴射量Qstと燃料漏出係数K1とに基づいて漏出燃料量Qinを算出する(Qin=Qst×K1)。
また、始動完了後であれば、ステップS125でエンジン水温に基づいて燃料漏出係数K2を算出すると共に、ステップS126でエンジン負荷(吸気管圧力等)に基づいて燃料漏出係数K3を算出する。このとき、燃料漏出係数K2は、例えば図6の関係に基づいて算出され、エンジン水温が低いほど大きい値として算出される(但し、0≦K2<K1)。また、燃料漏出係数K3は、例えば図7の関係に基づいて算出され、エンジン負荷が所定の高負荷となる場合に大きい値として算出される(但し、0≦K3<1)。
その後、ステップS127では、通常運転時の燃料噴射量Qinjを算出する。このとき、基本噴射量Qbaseに空燃比補正係数FAFや空燃比学習値FLRN、その他各種補正係数FALLを乗算することで燃料噴射量Qinjを算出する(Qinj=Qbase×FAF×FLRN×FALL)。ステップS128では、燃料噴射量Qinjと燃料漏出係数K2,K3とに基づいて漏出燃料量Qinを算出する(Qin=Qinj×K2×K3)。
次に、図4のQout算出処理において、ステップS131では、始動時水温、始動後経過時間、エンジン運転状態(エンジン回転速度や負荷)に基づいてエンジン油温を推定する。なお、エンジン油温は、推定演算に代えて、クランクケース23bに設けた油温センサの計測値から取得することも可能である。
ステップS132では、エンジン油温とオイル混入燃料量の前回値Q(n-1)とに基づいてブローバイガス中の燃料濃度Dを算出する。このとき、例えば図8に示す関係のマップを用い、エンジン油温が高いほど、又はオイル混入燃料量の前回値Q(n-1)が大きいほど燃料濃度Dを大きい値に算出する。
その後、ステップS133では、図9の関係を用い、吸気管圧力に基づいてブローバイ流量Lを算出する。図9の関係によれば、吸気管圧力が高くなる所定の高負荷状態においてブローバイガス流量Lが大きい値に算出される。ステップS134では、ブローバイガス中の燃料濃度Dとブローバイ流量Lとに基づいて流出燃料量Qoutを算出する(Qout=D×L)。
また、図5の燃料系異常判定処理において、ステップS151では、燃料噴射量Qinjに対するブローバイガスの影響度Aを算出する(A=Qout/Qinj)。但し、始動完了前はA=Qout/Qstとする。次に、ステップS152では、前記算出した影響度Aが所定のしきい値Kth未満であるか否かを判定する。本実施の形態では、しきい値Kthを固定値とするが、エンジン回転速度、負荷、水温等のパラメータに応じて可変設定することも可能である。
A≧Kthの場合、燃料噴射量Qinjに対してブローバイガスが大きく影響しており、正確な異常判定が困難であるとしてそのまま本処理を終了する。また、A<Kthの場合、正確な異常判定が可能であるとしてステップS153に進み、後続の各ステップで燃料系異常の判定を実施する。
すなわち、ステップS153では、図10の関係を用い、前記影響度Aをパラメータとしてリッチ側の異常判定値Trichとリーン側の異常判定値Tleanとを算出する。図10の関係によれば、ブローバイガスの影響度Aが大きくなるほど実際に燃焼に供される燃料量が増えるため、異常判定値Trich,Tleanが小さい値として算出される。またこのとき、ブローバイガスの影響度Aが大きくなるほど、誤判定のおそれが生じるため、異常判定値Trich,Tleanの間隔が拡げられ、正常範囲が拡張される。
ステップS154では、その都度の空燃比補正係数FAFと空燃比学習値FLRNとを基に空燃比学習補正量Bを算出する。この場合詳細には、空燃比補正係数FAFのなまし値FAFsmを算出すると共に、このなまし値FAFsmと空燃比学習値FLRNとを加算して空燃比学習補正量Bを算出する(B=FAFsm+FLRN)。なお本実施の形態では、空燃比学習補正量Bが「異常判定パラメータ」に相当する。
その後、ステップS155では、空燃比学習値Bがリッチ側の異常判定値Trichとリーン側の異常判定値Tleanとの間の正常範囲に入るか否かを判定する。そして、空燃比学習値Bが正常範囲(Trich〜Tlean)あれば、燃料系が正常であるとしてそのまま本処理を終了する。また、空燃比学習値Bが正常範囲(Trich〜Tlean)になければ、ステップS156に進み、燃料系の異常が発生している旨判定する。因みに、異常発生時には、異常警告灯を点灯したり、異常判定情報(いわゆるダイアグコード等)をEEPROM等に格納したりするなど処置が施される。
図11は、エンジンの冷間始動時における各種挙動を示すタイムチャートである。なお、図11では、便宜上燃料噴射量がほぼ不変である場合を想定している。
さて、タイミングt1でIGスイッチがON操作されると、その後エンジンでの燃焼開始に伴いエンジン水温が上昇し始める。また、ピストン摺動隙間を介して燃焼室25からクランクケース23bに燃料が漏出し、時間の経過に伴いオイル混入燃料量Qが増加する。そして、エンジン油温の上昇によりオイル混入燃料が気化し始めると(タイミングt2)、流出燃料量Qoutが増え始め、それに伴いブローバイガスの影響度Aが増加する。
その後、タイミングt3〜t4の期間では、ブローバイガスの影響度Aがしきい値Kthを上回る。このとき、ブローバイガスの影響度Aが過剰に大きいと、燃料系異常の判定精度が著しく低下するため、このt3〜t4の期間において燃料系の異常判定が禁止される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
燃料噴射量Qinjに対するブローバイガスの影響度A(=Qout/Qinj)をパラメータとして異常判定値Trich,Tlean(正常範囲)を可変設定するようにしたため、燃料系異常の誤判定を抑制することができる。このとき、仮に空燃比フィードバック制御への影響度合が大きくなっても、それに合わせて異常判定値(正常範囲)を可変設定することで、異常判定を継続できる。また、逐次算出したオイル混入燃料量Qを基に流出燃料量Qoutを算出するため、前記影響度Aが正確に把握でき、これによっても燃料系異常の誤判定の抑制効果が得られる。以上により、異常判定の機会を十分に確保し、しかも燃料系異常の判定精度を高めることができる。
また、燃料噴射量Qinjに対するブローバイガスの影響度Aが所定のしきい値を超える場合には、燃料系の異常判定を禁止するようにしたため、その判定精度の信頼性を保つことができる。
燃料噴射毎に算出した流入燃料量Qinと流出燃料量Qoutとを基にオイル混入燃料量Qを算出するため、オイル混入燃料量Qの算出精度が向上し、ひいては燃料系異常の判定精度向上が実現できる。
オイル混入燃料量Qとエンジン油温を基にブローバイガス中の燃料濃度Dを推定すると共に、その都度のエンジン運転状態(吸気管圧力)を基にブローバイガス流量Lを算出し、それら燃料濃度Dとブローバイガス流量Lとから流出燃料量Qoutを算出するようにしたため、流出燃料量Qoutが正確に算出できる。また上記構成では、HCセンサ等のセンサ装置を要せずとも燃料濃度情報が取得できる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
エンジン停止後にそれまでに算出したオイル混入燃料量Qをバックアップ用メモリ(バックアップRAMやEEPROM等)に保存し、エンジン始動時において前回保存したオイル混入燃料量Qを用いてその後のオイル混入燃料量Qを算出するようにしても良い。これにより、エンジンの暖機途中でエンジンの運転が停止され、クランクケース23b内に燃料が残っている状態でエンジンが再始動されるような場合にも、その残存燃料を考慮してオイル混入燃料量Qを正しく算出することができる。
上記実施の形態では、空燃比補正係数FAF(実際にはなまし値FAFsm)と空燃比学習値FLRNとを基に算出した空燃比学習補正量Bを「異常判定パラメータ」としたが、これを変更する。例えば、空燃比補正係数FAFのなまし値FAFsmや空燃比学習値FLRNをそのまま異常判定パラメータとしたり、検出空燃比の定常的なずれ量を計測してそれを異常判定パラメータとしたりしても良い。
上記実施の形態では、エンジン油温をエンジン暖機パラメータとしてブローバイガス中の燃料濃度Dを算出したが、これに代えてエンジン水温等、他の温度パラメータをエンジン暖機パラメータとして用いても良い。なお、コスト面での支障はあるものの、HCセンサ等のセンサ装置を用いて燃料濃度Dを計測することも可能である。
発明の実施の形態におけるエンジン制御システムの概略を示す構成図である。 ECUによる処理の全体の流れを示すフローチャートである。 流入燃料量Qinの算出処理を示すフローチャートである。 流出燃料量Qoutの算出処理を示すフローチャートである。 異常判定処理を示すフローチャートである。 エンジン水温と燃料漏出係数K1,K2との関係を示す図である。 エンジン負荷と燃料漏出係数K3との関係を示す図である。 ブローバイガス中の燃料濃度Dを算出するための図である。 吸気管圧力とブローバイガス流量との関係を示す図である。 異常判定値Trich,Tleanを設定するための図である。 エンジンの冷間始動時における各種挙動を示すタイムチャートである。
符号の説明
10…エンジン、11…吸気管、19…燃料噴射手段としてのインジェクタ、23…シリンダブロック、23a…シリンダ、23b…クランクケース、24…ピストン、25…燃焼室、32…空燃比検出手段としての空燃比センサ、35…燃料流出通路としてのPCV通路、40…フィードバック制御手段、異常判定手段、オイル混入燃料量算出手段、流出燃料量算出手段、判定値設定手段及び判定禁止手段としてのECU。

Claims (9)

  1. エンジンに対して燃料を噴射供給する燃料噴射手段と、燃焼室からクランクケース内に漏れ出た燃料を吸気通路に流出させるための燃料流出通路とを備えたエンジンに適用され、
    前記エンジンから排出される排ガスに基づいて空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    該空燃比検出手段により検出した検出空燃比が目標空燃比に一致するよう空燃比フィードバック制御を実施するフィードバック制御手段と、
    空燃比フィードバック制御時の空燃比ずれ量に基づく異常判定パラメータが所定範囲にあるか否かにより燃料系の異常判定を実施する異常判定手段と、
    前記クランクケース内のエンジンオイルに混入しているオイル混入燃料量を逐次算出するオイル混入燃料量算出手段と、
    前記オイル混入燃料量を基に、前記燃料流出通路を介して吸気通路に流出する流出燃料量を算出する流出燃料量算出手段と、
    前記燃料噴射手段の燃料噴射量に対する前記流出燃料量の比率に基づいて、前記所定範囲を決めるための異常判定値を可変設定する判定値設定手段と、
    を備えたことを特徴とするエンジンの燃料系異常検出装置。
  2. 前記判定値設定手段は、前記燃料噴射手段の燃料噴射量に対する前記流出燃料量の比率が大きいほど、前記所定範囲を拡張するよう前記異常判定値を設定する請求項1に記載のエンジンの燃料系異常検出装置。
  3. 前記判定値設定手段は、前記燃料噴射手段の燃料噴射量に対する前記流出燃料量の比率が大きいほど、前記所定範囲が空燃比リッチ側にシフトするよう前記異常判定値を設定する請求項1又は2に記載のエンジンの燃料系異常検出装置。
  4. 前記燃料噴射手段の燃料噴射量に対する前記流出燃料量の比率が所定のしきい値を超える場合、前記異常判定手段による異常判定を禁止することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエンジンの燃料系異常検出装置。
  5. エンジンに対して燃料を噴射供給する燃料噴射手段と、燃焼室からクランクケース内に漏れ出た燃料を吸気通路に流出させるための燃料流出通路とを備えたエンジンに適用され、
    前記エンジンから排出される排ガスに基づいて空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    該空燃比検出手段により検出した検出空燃比が目標空燃比に一致するよう空燃比フィードバック制御を実施するフィードバック制御手段と、
    空燃比フィードバック制御時の空燃比ずれ量に基づく異常判定パラメータが所定範囲にあるか否かにより燃料系の異常判定を実施する異常判定手段と、
    前記クランクケース内のエンジンオイルに混入しているオイル混入燃料量を逐次算出するオイル混入燃料量算出手段と、
    前記オイル混入燃料量を基に、前記燃料流出通路を介して吸気通路に流出する流出燃料量を算出する流出燃料量算出手段と、
    前記燃料噴射手段の燃料噴射量に対する前記流出燃料量の比率が所定のしきい値を超える場合、前記異常判定手段による異常判定を禁止する判定禁止手段と、
    を備えたことを特徴とするエンジンの燃料系異常検出装置。
  6. 前記クランクケースに流入する流入燃料量を前記燃料噴射手段による燃料噴射毎に算出する手段を更に備え、前記オイル混入燃料量算出手段は、その都度の前記流入燃料量と前記流出燃料量とを基にオイル混入燃料量を算出することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のエンジンの燃料系異常検出装置。
  7. 前記エンジンの始動当初は、前記燃料噴射手段の燃料噴射量とエンジン温度とをパラメータとして前記流入燃料量を算出し、始動完了後は、前記燃料噴射手段の燃料噴射量とエンジン温度と負荷とをパラメータとして前記流入燃料量を算出することを特徴とする請求項6に記載のエンジンの燃料系異常検出装置。
  8. 前記流出燃料量算出手段は、前記オイル混入燃料量とエンジン暖機パラメータを基に、前記燃料流出通路を流れるブローバイガス中の燃料濃度を推定すると共に、その都度のエンジン運転状態を基にブローバイガス流量を算出し、それら燃料濃度とブローバイガス流量とから前記流出燃料量を算出することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のエンジンの燃料系異常検出装置。
  9. エンジン停止後にそれまでに算出した前記オイル混入燃料量をバックアップ用メモリに保存する手段を備え、前記オイル混入燃料量算出手段は、エンジン始動時において前回保存したオイル混入燃料量を用いてその後のオイル混入燃料量を算出することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のエンジンの燃料系異常検出装置。
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