JP2011157832A - 内燃機関装置およびその異常判定方法並びに車両 - Google Patents

内燃機関装置およびその異常判定方法並びに車両 Download PDF

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Abstract

【課題】潤滑油の希釈による異常が誤って判定されるのを抑制する。
【解決手段】エンジンの低温時でないときには通常用の基本噴射時期tfbaseで筒内に燃料が噴射されると共にエンジンの低温時には基本噴射時期tfbeseよりもエンジンのピストンが下死点に近い遅角噴射時期tfsetで筒内に燃料が噴射されるようエンジンにおける燃料噴射制御を行ない、基本噴射時期tfbaseで筒内への燃料噴射が行なわれているときには潤滑オイルの燃料による希釈度Dが通常用の第1閾値D1以上のときに潤滑オイルが希釈される異常が生じていると判定し(S150,S170〜S190)、遅角噴射時期tfsetで筒内への燃料噴射が行なわれているときには潤滑オイルの燃料による希釈度Dが第1閾値D1よりも大きな第2閾値D2以上のときに潤滑オイルが希釈される異常が生じていると判定する(S160〜S190)。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関装置およびその異常判定方法並びに車両に関し、詳しくは、筒内への燃料噴射が可能な内燃機関を備える内燃機関装置およびその異常判定方法並びにこうした内燃機関装置を搭載した車両に関する。
従来、この種の内燃機関装置としては、筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式の内燃機関と、潤滑油を用いて内燃機関を潤滑する潤滑系と、を備え、内燃機関の筒内壁面に付着する未燃燃料の混入により希釈された潤滑油の希釈率を求めるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、内燃機関への燃料噴射量が大きいほど,燃料噴射時期が遅いほど,冷却水温が低いほど潤滑油に混入する未燃燃料の量を大きい量とし、未燃燃料の積算量が大きいほど潤滑油の希釈率を大きい値として求めている。
特開2008−223616号公報
上述の内燃機関装置では、潤滑油が燃料により希釈されると内燃機関の金属部品に摩耗や焼き付きが生じるなどの不都合があるため、潤滑油の希釈率が閾値以上のときに異常が生じていると判定することが考えられる。また、上述のような筒内噴射式の内燃機関では、低温時には、ピストン頂面への未燃燃料の付着により排気に含まれる粒子状物質が多くなるため、噴射された燃料が拡散するよう高温時よりもピストンが下死点に近いタイミングで筒内への燃料噴射を行なうことがある。したがって、こうして内燃機関の低温時に筒内への燃料噴射時期を変更している最中は、筒内壁面への未燃燃料の付着により潤滑油の希釈率が高くなりやすいため、潤滑油の希釈による異常の判定を筒内への燃料噴射時期に拘わらず一律に行なうと、一時的な燃料噴射時期の変更によって潤滑油の希釈率が高くなりやすくなっているときに誤って異常の発生が判定されてしまう。
本発明の内燃機関装置およびその異常判定方法並びに車両は、潤滑油の希釈による異常が誤って判定されるのを抑制することを主目的とする。
本発明の内燃機関装置およびその異常判定方法並びに車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の内燃機関装置は、
筒内への燃料噴射が可能な内燃機関を備える内燃機関装置であって、
潤滑液を用いて前記内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む前記内燃機関の潤滑を行なう潤滑手段と、
前記内燃機関の状態に基づいて前記潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度を算出する推定希釈度算出手段と、
前記内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記噴射時期変更条件が成立しているときには前記第1のタイミングよりも前記内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御する機関制御手段と、
前記第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには前記推定希釈度算出手段により算出された推定希釈度が第1の閾値以上のときに異常が生じていると判定し、前記第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには前記推定希釈度算出手段により算出された推定希釈度が前記第1の閾値よりも大きな第2の閾値以上のときに異常が生じていると判定する異常判定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の内燃機関装置では、内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御し、噴射時期変更条件が成立しているときには第1のタイミングよりも内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御する。そして、第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには内燃機関の状態に基づいて推定される潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が第1の閾値以上のときに異常が生じていると判定し、第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには推定希釈度が第1の閾値よりも大きな第2の閾値以上のときに異常が生じていると判定する。これにより、内燃機関の筒内への燃料噴射のタイミングに拘わらず推定希釈度が第1の閾値以上のときに異常が生じていると判定するものに比して、第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには異常が生じていると判定されにくくなるから、潤滑油の希釈による異常が誤って判定されるのを抑制することができる。この結果、潤滑油の希釈による異常をより適正に判定することができる。
こうした本発明の第1の内燃機関装置において、前記機関制御手段は、前記内燃機関の吸気行程における所定タイミングを前記第1のタイミングとして用いて前記内燃機関を制御すると共に前記吸気行程において前記所定タイミングよりも遅いタイミングを前記第2のタイミングとして用いて前記内燃機関を制御する手段である、ものとすることもできる。
また、本発明の第1の内燃機関装置において、前記機関制御手段は、前記内燃機関を冷却する冷却水の温度が前記内燃機関からの粒子状物質が排出されやすい温度の上限として予め定められた所定温度以下となる条件を前記噴射時期変更条件として用いて前記内燃機関を制御する手段である、ものとすることもできる。
本発明の第2の内燃機関装置は、
筒内への燃料噴射が可能な内燃機関を備える内燃機関装置であって、
潤滑液を用いて前記内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む前記内燃機関の潤滑を行なう潤滑手段と、
前記潤滑液が許容範囲を越えて希釈される異常である希釈異常の判定を実行する条件として予め定められた異常判定実行条件が成立しているときに前記内燃機関の状態に基づいて推定される前記潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が予め定められた閾値以上のときには前記希釈異常が生じていると判定する異常判定手段と、
前記異常判定実行条件が成立していないときに前記内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記異常判定実行条件が成立していないときに前記噴射時期変更条件が成立しているときには前記第1のタイミングよりも前記内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記異常判定実行条件が成立しているときには前記噴射時期変更条件が成立しているか否かに拘わらず前記第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御する機関制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の内燃機関装置では、潤滑液が許容範囲を越えて希釈される異常である希釈異常の判定を実行する条件として予め定められた異常判定実行条件が成立していないときに内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御し、異常判定実行条件が成立していないときに噴射時期変更条件が成立しているときには第1のタイミングよりも内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御し、異常判定実行条件が成立しているときには噴射時期変更条件が成立しているか否かに拘わらず第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御する。一方、異常判定実行条件が成立しているときに内燃機関の状態に基づいて推定される潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が予め定められた閾値以上のときには希釈異常が生じていると判定する。したがって、異常判定実行条件の成立により希釈異常の判定が実行されているときには内燃機関の筒内への燃料噴射のタイミングが第1のタイミングから変更されないから、希釈異常の判定が実行されているときに内燃機関の筒内への燃料噴射のタイミングが変更されることにより希釈異常が誤って判定されるのを抑制することができる。この結果、潤滑油の希釈による異常をより適正に判定することができる。
本発明の車両は、上述のいずれかの態様の本発明の第1の内燃機関装置、即ち、基本的には、筒内への燃料噴射が可能な内燃機関を備える内燃機関装置であって、潤滑液を用いて前記内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む前記内燃機関の潤滑を行なう潤滑手段と、前記内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記噴射時期変更条件が成立しているときには前記第1のタイミングよりも前記内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御する機関制御手段と、前記第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには前記内燃機関の状態に基づいて推定される前記潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が第1の閾値以上のときに異常が生じていると判定し、前記第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには前記推定希釈度が前記第1の閾値よりも大きな第2の閾値以上のときに異常が生じていると判定する異常判定手段と、を備える内燃機関装置を搭載するか、または、上述の態様の本発明の第2の内燃機関装置、即ち、基本的には、筒内への燃料噴射が可能な内燃機関を備える内燃機関装置であって、潤滑液を用いて前記内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む前記内燃機関の潤滑を行なう潤滑手段と、前記潤滑液が許容範囲を越えて希釈される異常である希釈異常の判定を実行する条件として予め定められた異常判定実行条件が成立しているときに前記内燃機関の状態に基づいて推定される前記潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が予め定められた閾値以上のときには前記希釈異常が生じていると判定する異常判定手段と、前記異常判定実行条件が成立していないときに前記内燃機関が低温である条件を含む予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記異常判定実行条件が成立していないときに前記噴射時期変更条件が成立しているときには前記第1のタイミングよりも前記内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記異常判定実行条件が成立しているときには前記噴射時期変更条件が成立しているか否かに拘わらず前記第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御する機関制御手段と、を備える内燃機関装置を搭載し、前記内燃機関からの動力を用いて走行することを要旨とする。
本発明の車両では、上述のいずれかの態様の本発明の第1または第2の内燃機関装置を搭載するから、本発明の第1または第2の内燃機関装置が奏する効果、例えば、潤滑油の希釈による異常が誤って判定されるのを抑制することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の第1の内燃機関装置の異常判定方法は、
筒内への燃料噴射が可能な内燃機関と、潤滑液を用いて前記内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む前記内燃機関の潤滑を行なう潤滑手段と、を備える内燃機関装置の異常判定方法であって、
前記内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記噴射時期変更条件が成立しているときには前記第1のタイミングよりも前記内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、
前記第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには前記内燃機関の状態に基づいて推定される前記潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が第1の閾値以上のときに異常が生じていると判定し、前記第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには前記推定希釈度が前記第1の閾値よりも大きな第2の閾値以上のときに異常が生じていると判定する、
ことを要旨とする。
この本発明の第1の内燃機関装置の異常判定方法では、内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御し、噴射時期変更条件が成立しているときには第1のタイミングよりも内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御する。そして、第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには内燃機関の状態に基づいて推定される潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が第1の閾値以上のときに異常が生じていると判定し、第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには推定希釈度が第1の閾値よりも大きな第2の閾値以上のときに異常が生じていると判定する。これにより、内燃機関の筒内への燃料噴射のタイミングに拘わらず推定希釈度が第1の閾値以上のときに異常が生じていると判定するものに比して、第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには異常が生じていると判定されにくくなるから、潤滑油の希釈による異常が誤って判定されるのを抑制することができる。この結果、潤滑油の希釈による異常をより適正に判定することができる。
本発明の第2の内燃機関装置の異常判定方法は、
筒内への燃料噴射が可能な内燃機関と、潤滑液を用いて前記内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む前記内燃機関の潤滑を行なう潤滑手段と、を備える内燃機関装置の異常判定方法であって、
前記潤滑液が許容範囲を越えて希釈される異常である希釈異常の判定を実行する条件として予め定められた異常判定実行条件が成立しているときに前記内燃機関が低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記異常判定実行条件が成立していないときに前記噴射時期変更条件が成立しているときには前記第1のタイミングよりも前記内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記異常判定実行条件が成立しているときには前記噴射時期変更条件が成立しているか否かに拘わらず前記第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、
前記異常判定実行条件が成立しているときに前記内燃機関の状態に基づいて推定される前記潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が予め定められた閾値以上のときには前記希釈異常が生じていると判定する、
ことを要旨とする。
この本発明の第2の内燃機関装置の異常判定方法では、潤滑液が許容範囲を越えて希釈される異常である希釈異常の判定を実行する条件として予め定められた異常判定実行条件が成立していないときに内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御し、異常判定実行条件が成立していないときに噴射時期変更条件が成立しているときには第1のタイミングよりも内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御し、異常判定実行条件が成立しているときには噴射時期変更条件が成立しているか否かに拘わらず第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御する。一方、異常判定実行条件が成立しているときに内燃機関の状態に基づいて推定される潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が予め定められた閾値以上のときには希釈異常が生じていると判定する。したがって、異常判定実行条件の成立により希釈異常の判定が実行されているときには内燃機関の筒内への燃料噴射のタイミングが第1のタイミングから変更されないから、希釈異常の判定が実行されているときに内燃機関の筒内への燃料噴射のタイミングが変更されることにより希釈異常が誤って判定されるのを抑制することができる。この結果、潤滑油の希釈による異常をより適正に判定することができる。
本発明の一実施例としての内燃機関装置を搭載した自動車20の構成の概略を示す構成図である。 電子制御ユニット70により実行される異常判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 電子制御ユニット70により実行される燃料噴射制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 燃料噴射時期を吸気行程において通常よりも遅くした際のエンジン22における燃料噴射の様子の一例を示す説明図である。 希釈度増大量設定用マップの一例を示す説明図である。 希釈度減少量設定用マップの一例を示す説明図である。 変形例の電子制御ユニット70により実行される異常判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の電子制御ユニット70により実行される燃料噴射制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての内燃機関装置を搭載した自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト33と駆動輪63a,63bにデファレンシャルギヤ62を介して連結された駆動軸61とに接続されたオートマチックトランスミッション64と、車両全体をコントロールする電子制御ユニット70とを備える。ここで、実施例の内燃機関装置としては、主として、エンジン22と後述する潤滑系52と電子制御ユニット70とが該当する。
エンジン22は、筒内に直接ガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料を噴射して動力を出力可能な4気筒の内燃機関として構成されており、図示するように、エアクリーナ23により清浄された空気をスロットルバルブ24と吸気バルブ25を介して燃焼室に吸入すると共に吸気行程あるいは圧縮行程で燃料噴射弁26からシリンダー28内に燃料を直接噴射し、点火プラグ30による電気火花によってガソリンを爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト33の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)を有する浄化装置34を介して外気へ排出される。また、エンジン22は、潤滑系52により潤滑されている。潤滑系52は、エンジン22の下部に設けられて潤滑オイルを貯留するオイルパン54とクランクシャフト33の回転により駆動するオイルポンプ56とを有し、オイルポンプ56の駆動によりオイルパン54の潤滑オイルをエンジン22の各摺動部に供給して、ピストン32とシリンダー28内壁との間に油膜を生成するなど、エンジン22の潤滑を行なう。潤滑系52の潤滑オイルは、エンジン22を潤滑すると自然落下するなどによりオイルパン54に戻る、即ち、エンジン22を循環する。
電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートとを備える。電子制御ユニット70には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、例えば、クランクシャフト33の回転位置を検出するクランクポジションセンサ40からのクランク角やエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ42からの冷却水温Tw,スロットルバルブ24のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ46からのスロットル開度Ta,吸気管に取り付けられたエアフローメータ48からの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ49からの吸気温Ti,空燃比センサ35aからの空燃比AF,酸素センサ35bからの酸素信号,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ28や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ44からのカムポジションなどが入力されている。また、電子制御ユニット70からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁26への駆動信号やスロットルバルブ24のポジションを調節するスロットルモータ36への駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイル38への制御信号,吸気バルブ25の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構50への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、電子制御ユニット70は、クランクポジションセンサ40からのクランク角に基づいてクランクシャフト33の回転数、即ちエンジン22の回転数Neを演算している。また、車両全体をコントロールするため、電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されており、電子制御ユニット70からは、オートマチックトランスミッション64を制御するための制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
次に、こうして構成された実施例の自動車20の動作、特にエンジン22の潤滑オイルが許容範囲を越えて希釈される異常を判定する際の動作について説明する。図2は、電子制御ユニット70により実行される異常判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図3は、電子制御ユニット70により実行される燃料噴射制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。図2のルーチンは、エンジン22が運転されているときに所定時間毎(例えば、数秒毎)に繰り返し実行され、図3のルーチンは、エンジン22が運転されているときに所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。説明の都合上、先に燃料噴射制御について説明し、その後に異常判定処理について説明する。
燃料噴射制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70のCPU72は、まず、エアフローメータ48からの吸入空気量Qaや水温センサ42からの冷却水温Tw,空燃比センサ35aからの空燃比AF,エンジン22の回転数Neなど制御に必要なデータを入力し(ステップS200)、入力したエンジン22の吸入空気量Qaと冷却水温Twとに基づいてエンジン22に噴射すべき目標燃料噴射量Qf*を設定する処理を実行する(ステップS210)。エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ40からのクランク角に基づいて演算されたものを入力するものとした。また、目標燃料噴射量Qf*は、実施例では、エンジン22の吸入空気量Qaと回転数Neとに基づいてエンジン22の空燃比を理論空燃比とするための燃料噴射量の基本値である基本燃料噴射量を設定し、空燃比センサ35aからの空燃比AFを理論空燃比とするためのフィードバック制御による補正などにより基本燃料噴射量を補正することによって設定するものとした。基本燃料噴射量は、吸入空気量Qaと回転数Neと基本燃料噴射量との関係を予め定めてROM74に記憶したマップを用いて設定することができる。なお、基本燃料噴射量の補正は、実施例では、空燃比AFのフィードバック制御による補正に加えて、冷却水温Twが低くエンジン22の暖機が完了していない間は所定量の増量補正を行なうと共に温度センサ49からの吸気温Tiが低いほど即ち空気密度が高いほど大きな増量補正を行なうものとした。
こうして目標燃料噴射量Qf*を設定すると、エンジン22の冷却水温Twを第1水温Twref1と比較し(ステップS220)、冷却水温Twが第1水温Twref1よりも高いときには、エンジン22を効率よく運転するために通常用いる燃料噴射時期として予め定められた基本噴射時期tfbaseをエンジン22に燃料を噴射すべき目標噴射時期tf*として設定し(ステップS230)、目標噴射時期tf*が基本噴射時期tfbaseから変更されたときに値1が設定される遅角フラグFに値0を設定する(ステップS240)。ここで、第1水温Twref1は、エンジン22の燃料噴射時期を基本噴射時期tfbaseから変更するか否かを判断するためのものであり、実施例では、エンジン22から粒子状物質が排出されやすいエンジン22の低温時を示す温度範囲の上限としてエンジン22の特性に基づいて予め実験などにより定められたもの(例えば、15℃や20℃など)を用いるものとした。また、基本噴射時期tfbaseは、エンジン22の特性に基づいて予め実験などにより定めることができ、実施例では、エンジン22の吸気行程における所定タイミング(例えば、圧縮行程における上死点よりもクランク角の300度前や310度前に相当すタイミング)を用いるものとした。エンジン22から粒子状物質が排出されやすいときに燃料噴射時期を変更する理由については、次に説明する。なお、実施例では、次に説明するように、冷却水温Twが第1水温Twref1未満のときには燃料噴射時期を遅らせるが、燃料噴射時期を遅らせる量はクランクシャフト33のクランク角に相当する時間により表すことができるから、燃料噴射時期を遅らせることを「遅角」ともいう。
エンジン22の冷却水温Twが第1水温Twref1以下のときには、通常用の基本噴射時期tfbaseよりも吸気行程において遅い遅角噴射時期tfsetを目標噴射時期tf*として設定し(ステップS250)、遅角フラグFに値1を設定する(ステップS260)。遅角噴射時期tfsetは、前述の所定タイミングよりもピストン32が下死点に近いタイミングであり、実施例では、エンジン22からの粒子状物質の排出が抑制可能な吸気行程でのタイミングの範囲としてエンジン22の特性に基づいて予め実験などにより定められた範囲のうち、最も早いタイミングまたはこれより若干遅いタイミング(例えば、圧縮行程における上死点よりもクランク角の270度前や280度前に相当するタイミング)を用いるものとした。燃料噴射時期を吸気行程において通常よりも遅くした際のエンジン22における燃料噴射の様子の一例を図4に示す。燃料噴射弁26は、図1や図4中左側の通常時の様子から分かるように、基本噴射時期tfbaseで燃料噴射を行なうとピストン32の頂面に対して燃料が斜めに噴射されるようエンジン22に取り付けられている。また、エンジン22の吸気行程ではピストン32はシリンダー28内を下死点に向かって図中下方向に移動するから、図4中右側の遅角時の様子に示すように、吸気行程において所定タイミングとしての基本噴射時期tfbaseよりも下死点に近い遅角噴射時期tfsetで燃料噴射弁26からシリンダー28内に燃料を噴射すると、噴射された燃料が拡散し、ピストン32の頂面に付着する燃料の量が少なくなることによりエンジン22からの排気に含まれる粒子状物質が少なくなると考えられる。
こうして目標燃料噴射量Qf*と目標噴射時期tf*とを設定すると、設定した目標噴射時期tf*で目標燃料噴射量Qf*による燃料噴射が行なわれるよう各気筒の燃料噴射弁26を駆動して(ステップS270)、燃料噴射制御ルーチンを終了する。なお、エンジン22の吸入空気量制御は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accに応じたスロットル開度となるようスロットルモータ36を駆動することにより行なうことができ、エンジン22の点火制御は、エンジン22を効率よく運転する目標点火時期tf*で対象気筒の点火が行なわれるようイグニッションコイル38を駆動することにより行なうことができる。こうした制御により、筒内に直接燃料を噴射するエンジン22からの粒子状物質の排出を抑制しながらエンジン22を運転することができる。以上、燃料噴射制御について説明した。
次に、エンジン22の潤滑オイルが許容範囲を越えて希釈される異常の判定処理について説明する。図2の異常判定処理ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70のCPU72は、まず、水温センサ42からの冷却水温Twやエンジン22の総吸入空気量Ga,燃料噴射制御ルーチンで設定された遅角フラグFなど処理に必要なデータを入力処理を実行する(ステップS100)。エンジン22の総吸入空気量Gaは、本ルーチンの実行間隔の間にエアフローメータ48により検出された吸入空気量Qaの積算値として演算されたものを入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した総吸入空気量Gaと遅角フラグFとに基づいて本ルーチンで設定する潤滑オイルの燃料による希釈度Dの増大量としての希釈度増大量ΔDupを設定し(ステップS110)、入力した冷却水温Twと前回本ルーチンで設定した潤滑オイルの希釈度(前回希釈度D)とに基づいて希釈度Dの減少量としての希釈度減少量ΔDdnを設定し(ステップS120)、前回希釈度Dに希釈度増大量ΔDupを加えたものから希釈度減少量ΔDdnを減じたものを今回の希釈度Dとして設定する(ステップS130)。ここで、希釈度Dは、潤滑オイルに混入したと推定される燃料の量を反映するものであり、例えば、こうした燃料の量(希釈量)として設定するものとしてもよいし、こうした燃料の量を潤滑系52の潤滑オイルの総量で割って得られる値(希釈率)として設定するなどとしてもよい。希釈度増大量ΔDupは、実施例では、総吸入空気量Gaと遅角フラグFと希釈度増大量ΔDupとの関係を予め実験などにより定めて希釈度増大量設定用マップとしてROM74に記憶しておき、総吸入空気量Gaと遅角フラグFとが与えられると記憶したマップから対応する希釈度増大量ΔDupを導出して設定するものとした。図5に希釈度増大量設定用マップの一例を示す。図示するように、希釈度増大量ΔDupは、総吸入空気量Gaが大きいほど大きな値として設定される。これは、エンジン22の潤滑オイルは、主にシリンダー28内壁面に付着してピストン32のリングによりかき下げられた未燃焼の燃料によって希釈されることから、シリンダー28内に噴射される燃料の積算量を反映する総吸入空気量Gaが大きいほど潤滑オイルに混入する燃料の量が大きくなることに基づく。また、図示するように、希釈度増大量ΔDupは、遅角フラグFが値1のときには遅角フラグFが値0のときよりも大きな値として設定される。これは、図4に示したように、燃料噴射時期が吸気行程において遅角されるとシリンダー28内壁面に付着する燃料が多くなりやすいと考えられることに基づく。また、希釈度減少量ΔDdnは、実施例では、エンジン22の冷却水温Twと前回希釈度Dと希釈度減少量ΔDdnとの関係を予め実験などにより定めて希釈度減少設定用マップとしてROM74に記憶しておき、冷却水温Twと前回希釈度Dとが与えられると記憶したマップから対応する希釈度減少量ΔDdnを導出して設定するものとした。図6に希釈度減少量設定用マップの一例を示す。図示するように、希釈度減少量ΔDdnは、冷却水温Twが高いほど大きな値として設定される。これは、冷却水温Twが高くエンジン22の温度が高いほどオイルパン54の潤滑オイルから燃料が揮発しやすくなることに基づく。また、図示するように、希釈度減少量ΔDdnは、前回希釈度Dが大きいほど大きな値として設定される。これは、潤滑オイルに混入している燃料の量が多いほどオイルパン54の液面から燃料が揮発しやすくなることに基づく。
こうして潤滑オイルの燃料による希釈度Dを設定すると、遅角フラグFを調べ(ステップS140)、遅角フラグFが値0のときには、通常用の第1閾値D1を判定用閾値Drefに設定し(ステップS150)、設定した希釈度Dと判定用閾値Drefとを比較し(ステップS170)、希釈度Dが判定用閾値Dref未満のときには、潤滑オイルの希釈による異常は生じていないと判定し(ステップS180)、希釈度Dが判定閾値Dref以上のときには、潤滑オイルの希釈による異常が生じていると判定し(ステップS190)、異常判定処理ルーチンを終了する。ここで、通常用の第1閾値D1は、エンジン22の潤滑オイルが供給される金属部品の摩耗や焼き付きなどの不都合が生じない希釈度Dの範囲の下限としてエンジン22や潤滑オイルの特性に基づいて予め定められたもの(例えば、希釈度Dを燃料の体積として設定する場合には20mlや25mlなど)を用いることができる。また、実施例では、潤滑オイルの希釈による異常が生じていると判定されると、乗員室に設けられた図示しない警告灯の点灯などが行なわれるものとした。これにより、潤滑オイルの点検や交換などを促すことができる。
ステップS140で遅角フラグFが値1のときには、通常用の第1閾値D1よりも大きな第2閾値D2を判定用閾値Drefに設定し(ステップS160)、設定した希釈度Dと判定用閾値Drefとを比較し(ステップS170)、希釈度Dが判定用閾値Dref未満か否かに応じて潤滑オイルの希釈による異常が生じているか否かを判定して(ステップS180,S190)、異常判定処理ルーチンを終了する。ここで、第2閾値D2は、エンジン22の燃料噴射時期が通常よりも遅くされている最中には潤滑オイルの希釈による異常が生じていると判定されにくくするためのものであり、エンジン22の低温時に一時的に遅角噴射時期tfsetで燃料が噴射されることによって希釈度Dが上昇する際のその上昇の程度として許容される程度を第1閾値D1に加えた値としてエンジン22や潤滑オイルの特性に基づいて予め実験などにより定められたもの(例えば、希釈度Dを燃料の体積として設定する場合には28mlや30mlなど)を用いることができる。こうして筒内に直接燃料を噴射するエンジン22の燃料噴射時期が通常よりも一時的に遅くされている最中に潤滑オイルの希釈による異常が生じていると判定されるのが許容範囲内で行なわれにくくなる、即ち、実際に潤滑オイルが希釈されていると推定されるときでも許容範囲内であれば異常とは判定されにくくなるから、潤滑オイルの希釈による異常が誤って判定されるのを抑制することができる。この結果、エンジン22の潤滑オイルが許容範囲を越えて希釈される異常をより適正に判定することができるものとなる。
以上説明した実施例の内燃機関装置を搭載した自動車20によれば、エンジン22の低温時でないときには通常用の基本噴射時期tfbaseで筒内に燃料が噴射されると共にエンジン22の低温時には基本噴射時期tfbeseよりもエンジン22のピストン32が下死点に近い遅角噴射時期tfsetで筒内に燃料が噴射されるようエンジン22における燃料噴射制御を行ない、基本噴射時期tfbaseで筒内への燃料噴射が行なわれているときには潤滑オイルの燃料による希釈度Dが通常用の第1閾値D1以上のときに異常が生じていると判定し、遅角噴射時期tfsetで筒内への燃料噴射が行なわれているときには潤滑オイルの燃料による希釈度Dが第1閾値D1よりも大きな第2閾値D2以上のときに異常が生じていると判定するから、潤滑オイルの希釈による異常が誤って判定されるのを抑制することができる。
実施例の内燃機関装置を搭載した自動車20では、エンジン22の冷却水温Twが第1温度Twref1以下の低温時には、吸気行程において基本噴射時期tfbaseよりも遅い遅角噴射時期tfsetで筒内に燃料を噴射するものとしたが、吸気行程における基本噴射時期tfbaseに代えて圧縮行程における基本噴射時期で筒内に燃料を噴射する場合には、この基本噴射時期よりもピストン32が下死点に近いタイミングとして圧縮行程において基本噴射時期よりも早いタイミングで筒内に燃料を噴射するものとしてもよい。
実施例の内燃機関装置を搭載した自動車20では、エンジン22の燃料噴射時期を基本噴射時期tfbaseから変更する条件として、エンジン22の冷却水温Twがエンジン22から粒子状物質が排出されやすいエンジン22の低温時を示す温度範囲の上限として予め定められた第1温度Twref1以下となる条件を用いるものとしたが、エンジン22の冷却水温Twに代えて、エンジン22の温度を反映するものであれば、オイルパン54などにおける潤滑オイルの油温を検出して用いるものとしてもよい。また、エンジン22が始動されたときの冷却水温Twと、エンジン22が始動されてからの経過時間またはエンジン22が始動されてからの吸入空気量Qaの積算値とに基づいてエンジン22の現在の温度を推定し、こうして推定されたエンジン22の温度がエンジン22から粒子状物質が排出されやすいエンジン22の低温時を示す範囲の上限として予め定められた閾値以下となる条件を用いるものとしてもよい。
実施例の内燃機関装置を搭載した自動車20では、エンジン22が運転されているときに希釈度Dを設定して潤滑オイルの希釈による異常を判定するものとしたが、エンジン22が運転されているときにおいて潤滑オイルの希釈による異常を判定する異常判定実行条件が成立しているときに潤滑オイルの希釈による異常を判定するものとしてもよい。この場合、異常判定処理では、燃料噴射時期の遅角フラグFに拘わらず希釈度Dと第1閾値D1とを比較して異常を判定し、燃料噴射制御では、異常判定実行条件が成立しているときにはエンジン22の冷却水温Twに拘わらず基本噴射時期tfbaseを目標噴射時期tf*として設定することができる。図7に変形例の電子制御ユニット70により実行される異常判定処理ルーチンの一例を示し、図8に変形例の電子制御ユニット70により実行される燃料噴射制御ルーチンの一例を示す。図7のルーチンは、ステップS140〜S170の処理に代えてステップS300,S310の処理を実行する点を除いて図2のルーチンと同一であり、図8のルーチンは、ステップS400の処理を追加した点を除いて図3のルーチンと同一である。したがって、同一の処理については同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。図7の異常判定処理ルーチンでは、希釈度Dを設定すると、異常判定実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップS300)。異常判定実行条件としては、この変形例では、エンジン22が自立運転(アイドル運転)されている条件を用いるものとした。異常判定実行条件が成立しているときには、希釈度Dを前述の第1閾値D1と比較し(ステップS310)、希釈度Dが第1閾値D1以上か否かに応じて潤滑オイルの希釈による異常が生じているか否かを判定して、このルーチンを終了する。異常判定実行条件が成立していないときには、そのままこのルーチンを終了する。図8の燃料噴射制御ルーチンでは、異常判定実行条件が成立しているか否かを判定し(ステップS400)、異常判定実行条件が成立してないときには、エンジン22の冷却水温Twを第1水温Twref1と比較する(ステップS220)。冷却水温Twが第1水温Twref1よりも高いときには基本噴射時期tfbaseを目標噴射時期tf*に設定して遅角フラグFに値0を設定し(ステップS230,S240)、冷却水温Twが第1水温Twref1以下のときには遅角噴射時期tfsetを目標噴射時期tf*に設定して遅角フラグFに値1を設定する(ステップS250,S260)。一方、異常判定実行条件が成立しているときには、エンジン22の冷却水温Twに拘わらず基本噴射時期tfbaseを目標噴射時期tf*に設定して遅角フラグFに値0を設定する(ステップS230,S240)。そして、設定した目標燃料噴射量Qf*と目標噴射時期tf*とを用いて燃料噴射を行なって(ステップS270)、このルーチンを終了する。したがって、異常判定実行条件の成立により潤滑オイルの希釈による異常が生じているか否かの判定が行なわれているときには、エンジン22の燃料噴射時期が基本噴射時期tfbaseから変更されないから、異常の判定が行なわれているときに燃料噴射時期が変更されることにより異常が生じていると誤って判定されてしまうのを抑制することができる。こうした異常判定処理や燃料噴射制御によっても、潤滑オイルの希釈による異常をより適正に判定することができる。
実施例の内燃機関装置を搭載した自動車20では、潤滑オイルの希釈度Dを積算吸入空気量Gaなどを用いて設定するものとしたが、積算吸入空気量Gaに代えて、燃料噴射量の積算値などを用いるものとしてもよい。
実施例では、エンジン22は筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁26を備えるものとしたが、これに加えて、エンジン22は吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるものとしてもよい。
実施例では、エンジン22からの動力をオートマチックトランスミッション64を介して駆動輪63a,63bに出力して走行する自動車20に適用して説明したが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、エンジン22と、モータMG1と、エンジン22の出力軸とモータMG1の回転軸と駆動輪63a,63bに連結された駆動軸とにそれぞれキャリアとサンギヤとリングギヤとが接続された遊星歯車機構130と、駆動軸に動力を入出力するモータMG2と、モータMG1およびモータMG2と電力をやり取りするバッテリ150と、を備えるハイブリッド自動車120など、走行用の動力を出力するエンジンおよびモータを備える如何なるタイプのハイブリッド自動車に適用するものとしてもよい。
また、こうした自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される内燃機関装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた内燃機関装置の形態としても構わない。さらに、こうした内燃機関装置の異常判定方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁26を有するエンジン22が本発明の第1および第2の内燃機関装置における「内燃機関」に相当し、オイルパン54とオイルポンプ56とを有し潤滑オイルを用いてエンジン22を潤滑する潤滑系52が本発明の第1および第2の内燃機関装置における「潤滑手段」に相当し、エンジン22の総吸入空気量Gaと遅角フラグFとに基づいて希釈度増大量ΔDupを設定すると共に冷却水温Twと前回希釈度Dとに基づいて希釈度減少量ΔDdnを設定して希釈度Dを設定する図2の異常判定処理ルーチンのステップS100〜S130の処理を実行する電子制御ユニット70が本発明の第1の内燃機関装置における「推定希釈度算出手段」に相当し、エンジン22の冷却水温Twが第1水温Twref1よりも高いときには通常用の基本噴射時期tfbaseで筒内に燃料が噴射されると共にエンジン22の冷却水温Twが第1水温Twref1以下の低温時には基本噴射時期tfbeseよりもエンジン22のピストン32が下死点に近い遅角噴射時期tfsetで筒内に燃料が噴射されるよう燃料噴射弁26を駆動する図3の燃料噴射制御ルーチンを実行する電子制御ユニット70が本発明の第1の内燃機関装置における「機関制御手段」に相当し、基本噴射時期tfbaseで筒内への燃料噴射が行なわれているときには通常用の第1閾値D1を判定用閾値Drefとして設定すると共に遅角噴射時期tfsetで筒内への燃料噴射が行なわれているときには第1閾値D1よりも大きな第2閾値D2を判定用閾値Drefとして設定し、潤滑オイルの燃料による希釈度Dが判定用閾値Dref以上のときに異常が生じていると判定する図2の異常判定処理ルーチンのステップS140〜S190の処理を実行する電子制御ユニット70が本発明の第1の内燃機関装置における「異常判定手段」に相当する。また、異常判定実行条件が成立しているときに潤滑オイルの燃料による希釈度Dが第1閾値D1以上のときには異常が生じていると判定する図7の異常判定処理ルーチンを実行する電子制御ユニット70が本発明の第2の内燃機関装置における「異常判定手段」に相当し、異常判定実行条件が成立してないときにエンジン22の冷却水温Twが第1水温Twref1よりも高いときには通常用の基本噴射時期tfbaseを目標噴射時期tf*に設定し、異常判定実行条件が成立してないときに冷却水温Twが第1水温Twref1以下のときには基本噴射時期tfbaseよりもピストン32が下死点に近い遅角噴射時期tfsetを目標噴射時期tf*に設定し、異常判定実行条件が成立しているときには冷却水温Twに拘わらず基本噴射時期tfbaseを目標噴射時期tf*に設定し、設定した目標噴射時期tf*で筒内への燃料噴射が行なわれるよう燃料噴射弁26を駆動する図8の燃料噴射制御ルーチンを実行する電子制御ユニット70が本発明の第2の内燃機関装置における「機関制御手段」に相当する。
ここで、本発明の第1および第2の内燃機関装置における「内燃機関」としては、筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁26を有するエンジン22に限定されるものではなく、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁を更に有するものなど、筒内への燃料噴射が可能なものであれば如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。本発明の第1および第2の内燃機関装置における「潤滑手段」としては、クランクシャフト33の回転により駆動するオイルポンプ56を有し潤滑オイルを用いてエンジン22を潤滑するする潤滑系52に限定されるものではなく、電動ポンプにより潤滑オイルを圧送するものなど、潤滑液を用いて内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む内燃機関の潤滑を行なうものであれば如何なるものとしても構わない。本発明の第1の内燃機関装置における「推定希釈度算出手段」としては、エンジン22の総吸入空気量Gaと遅角フラグFとに基づいて希釈度増大量ΔDupを設定すると共に冷却水温Twと前回希釈度Dとに基づいて希釈度減少量ΔDdnを設定して希釈度Dを設定するものに限定されるものではなく、内燃機関の状態に基づいて潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度を算出するものであれば如何なるものとしても構わない。本発明の第1の内燃機関装置における「機関制御手段」としては、エンジン22の冷却水温Twが第1水温Twref1よりも高いときには通常用の基本噴射時期tfbaseで筒内に燃料が噴射されると共にエンジン22の冷却水温Twが第1水温Twref1以下の低温時には基本噴射時期tfbeseよりもエンジン22のピストン32が下死点に近い遅角噴射時期tfsetで筒内に燃料が噴射されるよう燃料噴射弁26を駆動するものに限定されるものではなく、内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御し、噴射時期変更条件が成立しているときには第1のタイミングよりも内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御するものであれば如何なるものとしても構わない。本発明の第1の内燃機関装置における「異常判定手段」としては、基本噴射時期tfbaseで筒内への燃料噴射が行なわれているときには通常用の第1閾値D1を判定用閾値Drefとして設定すると共に遅角噴射時期tfsetで筒内への燃料噴射が行なわれているときには第1閾値D1よりも大きな第2閾値D2を判定用閾値Drefとして設定し、潤滑オイルの燃料による希釈度Dが判定用閾値Dref以上のときに異常が生じていると判定するものに限定されるものではなく、第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには内燃機関の状態に基づいて推定される潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が第1の閾値以上のときに異常が生じていると判定し、第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには推定希釈度が第1の閾値よりも大きな第2の閾値以上のときに異常が生じていると判定するものであれば如何なるものとしても構わない。また、本発明の第2の内燃機関装置における「異常判定手段」としては、異常判定実行条件が成立しているときに潤滑オイルの燃料による希釈度Dが第1閾値D1以上のときには異常が生じていると判定するものに限定されるものではなく、潤滑液が許容範囲を越えて希釈される異常である希釈異常の判定を実行する条件として予め定められた異常判定実行条件が成立しているときに内燃機関の状態に基づいて推定される潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が予め定められた閾値以上のときには希釈異常が生じていると判定するものであれば如何なるものとしても構わない。本発明の第2の内燃機関装置における「機関制御手段」としては、異常判定実行条件が成立してないときにエンジン22の冷却水温Twが第1水温Twref1よりも高いときには通常用の基本噴射時期tfbaseを目標噴射時期tf*に設定し、異常判定実行条件が成立してないときに冷却水温Twが第1水温Twref1以下のときには基本噴射時期tfbaseよりもピストン32が下死点に近い遅角噴射時期tfsetを目標噴射時期tf*に設定し、異常判定実行条件が成立しているときには冷却水温Twに拘わらず基本噴射時期tfbaseを目標噴射時期tf*に設定し、設定した目標噴射時期tf*で筒内への燃料噴射が行なわれるよう燃料噴射弁26を駆動するものに限定されるものではなく、異常判定実行条件が成立していないときに内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御し、異常判定実行条件が成立していないときに噴射時期変更条件が成立しているときには第1のタイミングよりも内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御し、異常判定実行条件が成立しているときには噴射時期変更条件が成立しているか否かに拘わらず第1のタイミングで内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう内燃機関を制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、内燃機関装置や車両の製造産業に利用可能である。
20 自動車、22 エンジン、23 エアクリーナ、24 スロットルバルブ、25 吸気バルブ、26 燃料噴射弁、28 シリンダー、30 点火プラグ、32 ピストン、33 クランクシャフト、34 浄化装置、35a 空燃比センサ、35b 酸素センサ、36,スロットルモータ、38 イグニッションコイル、40 クランクポジションセンサ、42 水温センサ、43 圧力センサ、44 カムポジションセンサ、46 スロットルバルブポジションセンサ、48 エアフローメータ、49 温度センサ、50 可変バルブタイミング機構、52 潤滑システム、54 オイルパン、56 オイルポンプ、61 駆動軸、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64 オートマチックトランスミッション、70 電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、120 ハイブリッド自動車、124 遊星歯車機構、126 バッテリ、MG1,MG2 モータ。

Claims (7)

  1. 筒内への燃料噴射が可能な内燃機関を備える内燃機関装置であって、
    潤滑液を用いて前記内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む前記内燃機関の潤滑を行なう潤滑手段と、
    前記内燃機関の状態に基づいて前記潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度を算出する推定希釈度算出手段と、
    前記内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記噴射時期変更条件が成立しているときには前記第1のタイミングよりも前記内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御する機関制御手段と、
    前記第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには前記推定希釈度算出手段により算出された推定希釈度が第1の閾値以上のときに異常が生じていると判定し、前記第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには前記推定希釈度算出手段により算出された推定希釈度が前記第1の閾値よりも大きな第2の閾値以上のときに異常が生じていると判定する異常判定手段と、
    を備える内燃機関装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関装置であって、
    前記機関制御手段は、前記内燃機関の吸気行程における所定タイミングを前記第1のタイミングとして用いて前記内燃機関を制御すると共に前記吸気行程において前記所定タイミングよりも遅いタイミングを前記第2のタイミングとして用いて前記内燃機関を制御する手段である、
    内燃機関装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関装置であって、
    前記機関制御手段は、前記内燃機関を冷却する冷却水の温度が前記内燃機関から粒子状物質が排出されやすい温度の上限として予め定められた所定温度以下となる条件を前記噴射時期変更条件として用いて前記内燃機関を制御する手段である、
    内燃機関装置。
  4. 筒内への燃料噴射が可能な内燃機関を備える内燃機関装置であって、
    潤滑液を用いて前記内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む前記内燃機関の潤滑を行なう潤滑手段と、
    前記潤滑液が許容範囲を越えて希釈される異常である希釈異常の判定を実行する条件として予め定められた異常判定実行条件が成立しているときに前記内燃機関の状態に基づいて推定される前記潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が予め定められた閾値以上のときには前記希釈異常が生じていると判定する異常判定手段と、
    前記異常判定実行条件が成立していないときに前記内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記異常判定実行条件が成立していないときに前記噴射時期変更条件が成立しているときには前記第1のタイミングよりも前記内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記異常判定実行条件が成立しているときには前記噴射時期変更条件が成立しているか否かに拘わらず前記第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御する機関制御手段と、
    を備える内燃機関装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の内燃機関装置を搭載し、前記内燃機関からの動力を用いて走行する車両。
  6. 筒内への燃料噴射が可能な内燃機関と、潤滑液を用いて前記内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む前記内燃機関の潤滑を行なう潤滑手段と、を備える内燃機関装置の異常判定方法であって、
    前記内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記噴射時期変更条件が成立しているときには前記第1のタイミングよりも前記内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、
    前記第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには前記内燃機関の状態に基づいて推定される前記潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が第1の閾値以上のときに異常が生じていると判定し、前記第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれているときには前記推定希釈度が前記第1の閾値よりも大きな第2の閾値以上のときに異常が生じていると判定する、
    異常判定方法。
  7. 筒内への燃料噴射が可能な内燃機関と、潤滑液を用いて前記内燃機関の筒内壁面における潤滑を含む前記内燃機関の潤滑を行なう潤滑手段と、を備える内燃機関装置の異常判定方法であって、
    前記潤滑液が許容範囲を越えて希釈される異常である希釈異常の判定を実行する条件として予め定められた異常判定実行条件が成立しているときに前記内燃機関の低温時を示す予め定められた噴射時期変更条件が成立していないときには第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記異常判定実行条件が成立していないときに前記噴射時期変更条件が成立しているときには前記第1のタイミングよりも前記内燃機関のピストンが下死点に近い第2のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、前記異常判定実行条件が成立しているときには前記噴射時期変更条件が成立しているか否かに拘わらず前記第1のタイミングで前記内燃機関の筒内への燃料噴射が行なわれるよう前記内燃機関を制御し、
    前記異常判定実行条件が成立しているときに前記内燃機関の状態に基づいて推定される前記潤滑液の燃料による希釈の程度である推定希釈度が予め定められた閾値以上のときには前記希釈異常が生じていると判定する、
    異常判定方法。
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