JP2002047983A - 内燃機関の高圧燃料供給システムの異常診断装置 - Google Patents
内燃機関の高圧燃料供給システムの異常診断装置Info
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Abstract
向上させる。 【解決手段】 筒内噴射式エンジンの高圧燃料供給シス
テムの異常診断実行条件(始動時でないこと、要求
噴射量Qinj が所定値A以下であること)が成立する
と、高圧ポンプの吐出量積算値ΣQp と要求噴射量積算
値ΣQinj を算出する(ステップ101〜104)。そ
して、要求噴射量積算値ΣQinj が所定値Bを越える毎
に、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴射量積算値ΣQ
inj との差DQを算出し、この差DQに基づいて推定燃
圧DPRを算出する(ステップ105〜107)。この
後、推定燃圧DPRと燃圧センサの検出燃圧PRとの差
の絶対値が所定範囲内(α1 <|DPR−PR|<α2
)であるか否かを判定し、所定範囲内から外れていれ
ば、高圧燃料供給システムの異常と判断して異常検出フ
ラグを「1」にセットする(ステップ109,11
0)。
Description
み上げられた燃料を高圧ポンプで高圧に加圧して燃料噴
射弁に圧送する高圧燃料供給システムの異常の有無を判
定する内燃機関の高圧燃料供給システムの異常診断装置
に関するものである。
内噴射式エンジンは、燃焼性を確保するために、噴射圧
力を高圧にして噴射燃料を微粒化する必要がある。その
ため、筒内噴射エンジンでは、燃料タンクから低圧ポン
プで汲み上げた燃料を高圧ポンプで高圧に加圧して燃料
噴射弁へ圧送するようにしている。この高圧ポンプは、
大きな駆動力を必要とするため、エンジンのカム軸に嵌
着されたカムにより高圧ポンプのピストンを往復運動さ
せることで燃料を圧送するようにしている。このような
高圧燃料供給システムでは、燃料噴射弁に供給する燃料
の圧力(以下「燃圧」と略記する)を燃圧センサで検出
し、その検出燃圧に基づいて高圧ポンプの吐出量をフィ
ードバック制御することで、燃圧を目標燃圧に制御する
ようにしている。尚、高圧ポンプの吐出量の制御は、高
圧ポンプの吐出行程時に吸入口側の燃圧制御弁の閉弁時
間を制御することで行うようにしたものが多い。
も、異常診断機能(ダイアグノーシス)を搭載したもの
がある。例えば、特許第2844881号公報では、高
圧ポンプの吐出量指令値が正常時に越えることのない値
よりも大きくなったときに、異常と判定するようにして
いる。
は、噴射時期を挟まない2つの時期に燃圧を検出し、そ
の燃圧の偏差と燃料圧送指令量とに基づいて高圧燃料供
給システムの異常の有無を判定するようにしている。
2844881号公報)の異常診断方法では、例えば、
高圧ポンプの吐出量指令値が正常範囲の上限付近(又は
下限付近)に張り付いた状態が長時間続いているにも拘
らず、実燃圧が目標燃圧からずれた状態が長時間続くよ
うな異常が発生した場合でも、高圧ポンプの吐出量指令
値が正常時に越えることのない値よりも大きくならない
限り、異常を検出することができない。例えば、高圧燃
料供給システムから燃料が少しずつ漏れる場合や、燃圧
センサの経時劣化等により燃圧センサの検出精度が悪化
した場合、或は、一部の気筒の燃料噴射弁が異常になっ
た場合等は、高圧ポンプの吐出量指令値が正常時に越え
ることのない値よりも大きくなるとは限らないため、異
常を検出できない可能性がある。
報)の異常診断方法では、噴射時期を挟まない2つの時
期の燃圧の偏差を異常診断パラメータとして用いるが、
噴射時期を挟まない2つの時期の間隔は非常に短いた
め、例えば、燃料が少しずつ漏れても、それを燃圧の偏
差として検出することができない可能性が高い。要する
に、この異常診断方法では、短時間で燃圧が急激に変化
するような異常しか検出することができない。
たものであり、従ってその目的は、従来の異常診断方法
では検出できなかった異常も検出することが可能とな
り、高圧燃料供給システムの異常診断の信頼性を向上さ
せることができる内燃機関の高圧燃料供給システムの異
常診断装置を提供することにある。
に、本発明の請求項1の内燃機関の高圧燃料供給システ
ムの異常診断装置は、所定期間の高圧ポンプの吐出量の
指令値と燃料噴射量の指令値(要求噴射量)とをそれぞ
れ積算手段により積算し、高圧ポンプの吐出量積算値と
燃料噴射量積算値との比較値と燃圧センサで検出した燃
圧とに基づいて高圧燃料供給システムの異常の有無を異
常診断手段により判定する。例えば、高圧ポンプの吐出
量積算値と燃料噴射量積算値とが同一であれば、高圧ポ
ンプから燃料噴射弁までの燃料配管内に流入する燃料量
と流出する燃料量とが同一になるため、高圧ポンプの異
常や燃料漏れ等の異常が無ければ、高圧ポンプの吐出側
の燃料配管内の総燃料量が一定に保たれて燃圧も一定に
保たれる。また、高圧ポンプの吐出量積算値が燃料噴射
量積算値よりも多くなると、高圧ポンプの異常や燃料漏
れ等の異常が無ければ、高圧ポンプの吐出側の燃料配管
内の総燃料量が増加して燃圧が上昇する。反対に、高圧
ポンプの吐出量積算値が燃料噴射量積算値よりも少なく
なると、高圧ポンプの異常や燃料噴射弁の噴射不良等が
無ければ、燃料配管内の総燃料量が減少して燃圧が低下
する。従って、高圧ポンプの吐出量積算値と燃料噴射量
積算値との比較値(大小関係)は、正常時の実燃圧の挙
動を推定するパラメータとなるため、この比較値と燃圧
センサの検出燃圧とを異常診断パラメータとして用いる
ことで、従来の異常診断方法では検出できなかった様々
な異常を精度良く検出することができ、高圧燃料供給シ
ステムの異常診断の信頼性を向上させることができる。
プも停止して、燃料配管内の燃圧を高圧に保つことがで
きないため、内燃機関の停止中に燃圧が低下する。従っ
て、始動時には、燃圧が低い状態から昇圧され、しか
も、始動時には、機関回転速度(高圧ポンプの回転速
度)が低く、単位時間当たりの燃料吐出量が少ないにも
拘らず、燃料噴射量が比較的多いため、高圧燃料供給シ
ステムが正常な場合でも、始動時には燃圧(燃圧センサ
の検出燃圧)の変動が大きくなる。このため、始動時の
高圧ポンプの吐出量積算値と燃料噴射量積算値との比較
値から始動時の燃圧の挙動を精度良く推定することは困
難である。また、加速時、高負荷時等には、燃料噴射量
が多くなり、燃料噴射量積算値等の誤差が大きくなる。
従って、始動時や燃料噴射量が多いときに、高圧燃料供
給システムの異常診断を実施すると、燃圧の推定精度が
低下して異常診断精度が低下するおそれがある。
動時及び/又は燃料噴射量の指令値(要求噴射量)が所
定値以上となる運転状態の時には、異常診断を異常診断
禁止手段によって禁止するようにすると良い。このよう
にすれば、燃圧の推定精度が低下すると予想される運転
状態の時に、高圧燃料供給システムの異常診断を禁止す
ることができ、異常診断の信頼性を更に向上させること
ができる。
値と燃料噴射量積算値との大小関係(両者の差がプラス
値かマイナス値か)によって正常時の燃圧の変化方向が
分かり、両者の差の絶対値によって正常時の燃圧の変化
幅を推定できる。この関係を利用して、請求項3のよう
に、高圧ポンプの吐出量積算値と燃料噴射量積算値との
差から燃圧を推定し、その推定燃圧が燃圧センサで検出
した燃圧よりも所定値以上高い場合は高圧燃料供給シス
テムの燃料漏れと判定するようにしても良い。つまり、
高圧燃料供給システムが正常であれば、高圧ポンプの吐
出量積算値と燃料噴射量積算値との差から推定した燃圧
が実際の燃圧(実燃圧)とほぼ一致するが、推定燃圧が
実燃圧よりも所定値(正常時の少なくとも最大誤差範
囲)以上高ければ、実燃圧が何等かの原因で異常低下し
たものと判断でき、実燃圧が異常低下する原因として
は、燃料漏れが考えられる。燃料漏れが発生すると、燃
料配管内の総燃料量が減少して燃圧が低下するためであ
る。
出量積算値と燃料噴射量積算値との差から推定した燃圧
が燃圧センサで検出した燃圧よりも所定値以上高い場合
(つまり推定燃圧と燃圧センサの検出燃圧との関係から
実燃圧が低下していると推定される場合)に、空燃比が
目標空燃比よりもリッチ側にずれているときは、燃圧セ
ンサの出力(検出燃圧)の異常低下と判定するようにし
ても良い。つまり、燃料噴射量の指令値(要求噴射量)
は、実燃圧が目標燃圧に制御されていることを前提にし
て決定されるため、実燃圧が低下すれば、その分、実際
の燃料噴射量が不足して空燃比が目標空燃比よりもリー
ン側にずれるのが正常な状態である。従って、推定燃圧
と燃圧センサの検出燃圧との関係から実燃圧が低下して
いると推定されるにも拘らず、空燃比が目標空燃比より
もリッチ側にずれるということは、実際には、実燃圧が
上昇していることを意味する。このような状態は、実燃
圧が上昇していることを検出できない状態、つまり燃圧
センサの出力(検出燃圧)が異常低下している状態にな
っていることを意味する。従って、推定燃圧と燃圧セン
サの検出燃圧との関係から実燃圧が低下していると推定
されるにも拘らず、空燃比が目標空燃比よりもリッチ側
にずれるときは、燃圧センサの出力の異常低下と判定す
ることができる。
出量積算値と燃料噴射量積算値との差から推定した燃圧
が燃圧センサで検出した燃圧よりも所定値以上低い場合
に、空燃比が目標空燃比よりもリーン側にずれていると
きは、燃圧センサの出力(検出燃圧)の異常上昇と判定
するようにしても良い。つまり、推定燃圧が燃圧センサ
の検出燃圧よりも所定値以上低い場合は、実燃圧が上昇
していると推定されるが、空燃比が目標空燃比よりもリ
ーン側にずれるということは、実際には、実燃圧が低下
していることを意味する。このような状態は、実燃圧が
低下していることを検出できない状態、つまり燃圧セン
サの出力(検出燃圧)が異常上昇している状態になって
いることを意味する。従って、推定燃圧と燃圧センサの
検出燃圧との関係から実燃圧が上昇していると推定され
るのに、空燃比が目標空燃比よりもリーン側にずれると
きは、燃圧センサの出力の異常上昇と判定することがで
きる。
出量積算値と燃料噴射量積算値との差から推定した燃圧
が燃圧センサで検出した燃圧よりも所定値以上低い場合
に、内燃機関のトルク変動量が所定値以上のときは、燃
料噴射弁の異常と判定するようにしても良い。つまり、
推定燃圧が燃圧センサの検出燃圧よりも所定値以上低い
場合は、実燃圧が上昇していると推定されるが、実燃圧
が上昇する原因の1つとして、燃料噴射弁の噴射不良に
よって実際の燃料噴射量が要求噴射量よりも少なくなっ
ていることが考えられる。もし、一部の気筒の燃料噴射
弁が異常になると、内燃機関のトルク変動量が大きくな
る現象が発生するため、推定燃圧と燃圧センサの検出燃
圧との関係から実燃圧が上昇していると推定される場合
に、トルク変動量が大きいときは、燃料噴射弁の異常と
判定することができる。
時間が所定時間以上経過してから内燃機関を始動する時
に、燃圧センサの検出燃圧が所定範囲から外れている場
合は、燃圧センサの異常と判定するようにしても良い。
前述したように、内燃機関の停止中は、燃圧が時間の経
過と共に燃圧が低下するため、内燃機関の停止時間があ
る程度長くなると、燃圧が大気圧付近まで低下する。従
って、内燃機関の停止時間がある程度経過してから始動
する場合は、始動時の燃圧が大気圧付近から上昇するこ
とになる。このような場合に、始動時の燃圧センサの検
出燃圧が大気圧付近の所定範囲から外れている場合に
は、燃圧センサの異常と判定することができる。
より測定しても良いが、この場合は内燃機関の停止中に
タイマを動作させるための電源を供給する必要がある。
そこで、請求項8のように、内燃機関の停止時間が所定
時間以上経過したか否かを内燃機関の前回の停止時の冷
却水温と今回の始動時の冷却水温との温度差に基づいて
判定するようにしても良い。つまり、内燃機関の停止中
は、時間の経過と共に冷却水温が放熱により低下するた
め、前回の停止時の冷却水温と今回の始動時の冷却水温
との温度差を見れば、内燃機関の停止時間をタイマで測
定しなくても、内燃機関の停止時間が所定時間以上経過
したか否かを判定することができる。
燃圧センサの検出燃圧が前回の停止時の検出燃圧よりも
所定値以上高い場合は、燃圧センサの異常と判定するよ
うにしても良い。前述したように、内燃機関の停止中は
燃圧が低下するため、今回の始動時の実燃圧が前回の停
止時の実燃圧より高くなることは起こり得ない。従っ
て、今回の始動時の検出燃圧が前回の停止時の検出燃圧
よりも所定値(少なくとも検出誤差)以上高い場合は、
燃圧センサの異常と判定することができる。
を筒内噴射式内燃機関に適用した実施形態(1)を図1
乃至図6に基づいて説明する。
テム全体の概略構成を説明する。筒内噴射式内燃機関で
ある筒内噴射式エンジン11の吸気管12の最上流部に
は、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ1
3の下流側に、ステップモータ14によって開度調節さ
れるスロットルバルブ15が設けられている。ステップ
モータ14がエンジン電子制御回路(以下「エンジンE
CU」と表記する)16からの出力信号に基づいて駆動
されることで、スロットルバルブ15の開度(スロット
ル開度)が制御され、そのスロットル開度に応じて各気
筒ヘの吸入空気量が調節される。スロットルバルブ15
の近傍には、スロットル開度を検出するスロットルセン
サ17が設けられている。
サージタンク19が設けられ、このサージタンク19
に、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホ
ールド20が接続されている。各気筒の吸気マニホール
ド20内には、それぞれ第1吸気路21と第2吸気路2
2が仕切り形成され、これら第1吸気路21と第2吸気
路22が、エンジン11の各気筒に形成された2つの吸
気ポート23にそれぞれ連結されている。各気筒の第2
吸気路22内には、スワールコントロール弁24が配置
されている。各気筒のスワールコントロール弁24は、
共通のシャフト25を介してステップモータ26に連結
されている。このステップモータ26がECU16から
の出力信号に基づいて駆動されることで、スワールコン
トロール弁24の開度が制御され、その開度に応じて各
気筒内のスワール流強度が調整される。ステップモータ
26には、スワールコントロール弁24の開度を検出す
るスワールコントロール弁センサ27が取り付けられて
いる。
燃料を筒内に直接噴射する燃料噴射弁28が取り付けら
れている。各気筒の燃料噴射弁28には、後述する高圧
燃料供給システム50によって高圧の燃料が供給され
る。
は、各気筒毎に点火プラグ(図示せず)が取り付けら
れ、各点火プラグの点火によって燃焼室内の混合気が着
火される。また、気筒判別センサ32は、特定気筒が吸
気上死点に達した時に気筒判別信号パルスを出力し、ク
ランク角センサ33は、エンジン11のクランクシャフ
トが所定クランク角(例えば30℃A)回転する毎にク
ランク角信号パルスを出力し、このクランク角信号の出
力周波数によってエンジン回転速度Neが検出される。
更に、このクランク角信号と気筒判別信号によって、ク
ランク角の検出や気筒判別が行われる。
は、排気マニホールド36を介して排気管37が接続さ
れている。この排気管37には、理論空燃比付近で排気
を効率良く浄化する三元触媒38とNOx吸蔵型のリー
ンNOx触媒39とが直列に配置されている。このリー
ンNOx触媒39は、排気中の酸素濃度が高いリーン運
転中に、排気中のNOxを吸着し、空燃比がリッチに切
り換えられて排気中の酸素濃度が低下した時に、吸着し
たNOxを還元浄化して放出する。このリーンNOx触
媒39の下流側には、リーンNOx触媒39から流出す
る排気中のNOx濃度を検出するNOx濃度センサ(図
示せず)が設置され、排気中のNOx濃度から推定した
リーンNOx触媒39のNOx吸着量が所定値より多く
なった時に一時的に空燃比がリーンからリッチに切り換
えられる。
上流側とサージタンク19との間には、排気の一部を還
流させるEGR配管40が接続され、このEGR配管4
0の途中に、EGR量(排気還流量)を制御するEGR
弁41が設けられている。また、アクセルペダル18に
は、アクセル開度を検出するアクセルセンサ42が設け
られている。
料を供給する高圧燃料供給システム50の構成を図2乃
至図4に基づいて説明する。燃料を貯留する燃料タンク
51内には、燃料を汲み上げる低圧ポンプ52が設置さ
れている。この低圧ポンプ52は、バッテリ(図示せ
ず)を電源とする電動モータ(図示せず)によって駆動
される。この低圧ポンプ52から吐出される燃料は、燃
料配管53を通して高圧ポンプ54に供給される。燃料
配管53には、プレッシャレギュレータ55が接続さ
れ、このプレッシャレギュレータ55によって低圧ポン
プ52の吐出圧(高圧ポンプ54への燃料供給圧力)が
例えば0.3MPa程度に調圧され、その圧力を越える
燃料の余剰分は燃料戻し管56により燃料タンク51内
に戻される。
筒状のポンプ室58内でピストン59を往復運動させて
燃料を吸入/吐出するピストンポンプであり、ピストン
59は、エンジン11のカム軸60に嵌着されたカム6
1の回転運動によって駆動され、該ピストン59のリフ
ト量が図4に示すようにクランク角に応じて周期的に変
化する。この高圧ポンプ54の吸入口63側には、電磁
弁からなる燃圧制御弁62が設けられている。この燃圧
制御弁62が開弁された状態で、ピストン59が下降す
ると、低圧ポンプ52から送られてくる燃料がポンプ室
58内に吸入される。また、燃圧制御弁62が開弁され
た状態で、ピストン59が上昇すると、ポンプ室58内
の燃料が低圧ポンプ52側に戻されるが、このようなピ
ストン59の上昇中に、燃圧制御弁62が閉弁される
と、ポンプ室58内の燃料が燃料配管45を通して燃料
噴射弁28側に圧送される。従って、ピストン59の上
昇中に、燃圧制御弁62の閉弁時間を制御することで、
高圧ポンプ54から燃料噴射弁28側への燃料吐出量
(図4中の斜線部分)を制御し、それによって、燃料噴
射弁28に供給する燃料の圧力(燃圧)を制御する。こ
の場合、燃圧を上昇させるときには燃圧制御弁62の閉
弁時間を長くし、逆に、燃圧を低下させるときには燃圧
制御弁62の閉弁時間を短くする。
は、吐出した燃料の逆流を防止する逆止弁65が設けら
れている。高圧ポンプ54から吐出された燃料は、燃料
配管45を通してデリバリパイプ29に送られ、このデ
リバリパイプ29からエンジン11のシリンダヘッドに
気筒毎に取り付けられた燃料噴射弁28に高圧の燃料が
分配される。高圧ポンプ54の吐出口64側の燃料配管
45には、燃圧を検出する燃圧センサ30が設けられ、
この燃圧センサ30の出力信号(検出燃圧)がECU1
6に入力される。
を主体として構成され、内蔵のROM(記憶媒体)に記
憶された燃圧制御プログラム(図示せず)を実行するこ
とで、燃圧センサ30の検出燃圧を目標燃圧に一致させ
るように高圧ポンプ54の燃圧制御弁62の閉弁時間
(燃料噴射弁28への燃料吐出量)をフィードバック制
御する燃圧制御手段として機能する。更に、ECU16
は、エンジン回転速度、吸気管圧力(又は吸入空気
量)、冷却水温等のエンジン運転状態を検出する前記各
種センサの出力信号を読み込み、エンジン制御用の各種
プログラム(図示せず)に従って、前述したステップモ
ータ14,26、EGR弁41、燃料噴射弁28、点火
プラグの動作を制御し、吸入空気量(スロットル開
度)、スワール流強度(スワールコントロール弁24の
開度)、EGR量(EGR弁41の開度)、燃料噴射
量、噴射時期(燃焼モード)、点火時期等を制御する。
リーンとなるように少量の燃料を圧縮行程で噴射し、点
火プラグの近傍に成層混合気を形成して成層燃焼させる
ことで、燃費を向上させる(成層燃焼モード)。また、
高負荷運転時には、理論空燃比付近又はそれよりも若干
リッチとなるように燃料噴射量を増量し、燃料を吸気行
程で噴射して均質混合気を形成して均質燃焼させること
で、エンジン出力を高める(均質燃焼モード)。
媒体)に記憶された図5の異常診断プログラムを実行す
ることで、高圧ポンプ54の吐出量積算値ΣQp と燃料
噴射量積算値Qinj との差から燃圧DPRを推定し、そ
の推定燃圧DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの
ずれ量に基づいて高圧燃料供給システム50の異常の有
無を判定する。このECU16の異常診断機能が特許請
求の範囲でいう異常診断手段に相当する役割を果たす。
以下、図5の異常診断プログラムの処理内容を説明す
る。
ョンスイッチ66(図2参照)のオン後に、所定時間毎
又は所定クランク角毎に繰り返し実行される。本プログ
ラムが起動されると、まず、ステップ101で、始動時
であるか否かを判定し、始動時であれば、ステップ11
2に進み、後述するポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴
射量積算値ΣQinj を共に0にクリアして本プログラム
を終了する。この処理により、始動時には、異常診断が
禁止される。このようにする理由は、始動時には、燃圧
が低い状態から昇圧され、しかも、始動時には、エンジ
ン回転速度(高圧ポンプ54の回転速度)が低く、単位
時間当たりの燃料吐出量が少ないにも拘らず、燃料噴射
量(要求噴射量Qinj )が比較的多いため、高圧燃料供
給システム50が正常な場合でも、始動時には燃圧(燃
圧センサ30の検出燃圧PR)の変動が大きくなり、異
常診断精度が低下するためである。
からステップ102に進み、燃料噴射量の指令値である
要求噴射量Qinj が所定値Aよりも多いか否かを判定
し、要求噴射量Qinj が所定値Aよりも多ければ、ステ
ップ112に進み、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴
射量積算値ΣQinj を共に0にクリアして本プログラム
を終了する。この処理により、始動時の場合と同じく、
要求噴射量Qinj が所定値Aよりも多い場合も、異常診
断が禁止される。このようにする理由は、要求噴射量Q
inj が所定値Aよりも多い場合は、燃料噴射量が多いた
めに、積算値ΣQp ,ΣQinj の誤差が大きくなり、燃
圧の推定精度が低下するためである。尚、ステップ10
1,102,112の処理が特許請求の範囲でいう異常
診断禁止手段としての役割を果たす。
は、始動時でないこと(ステップ101で「N
o」)、要求噴射量Qinj が所定値A以下であること
(ステップ102で「No」)であり、これら2つの条
件,が満たされたときに、異常診断実行条件が成立
して、ステップ103以降の異常診断処理を次のように
して実行する。
の今回の吐出量指令値Qp を前回までのポンプ吐出量積
算値ΣQp に積算して、今回のポンプ吐出量積算値ΣQ
p を更新する。そして、次のステップ104で、今回の
要求噴射量Qinj を前回までの要求噴射量積算値ΣQin
j に積算して、今回の要求噴射量積算値ΣQinj を更新
する。これらステップ103,104の処理が特許請求
の範囲でいう積算手段としての役割を果たす。その後、
ステップ105に進み、要求噴射量積算値ΣQinj が所
定値Bを越えたか否かを判定し、越えていなければ、以
降の処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
値Bを越える毎に、ステップ106〜111の処理によ
り、高圧燃料供給システム50の異常診断を次のように
して実行する。まず、ステップ106で、ポンプ吐出量
積算値ΣQp と要求噴射量積算値ΣQinj との差DQを
算出し、次のステップ107で、ポンプ吐出量積算値Σ
Qp と要求噴射量積算値ΣQinj との差DQに基づいて
図6のマップから推定燃圧DPRを算出する。
料噴射量積算値ΣQinj よりも多くなると、高圧ポンプ
54の異常や燃料漏れ等の異常が無ければ、高圧ポンプ
54の吐出側の燃料配管45,29内の総燃料量が増加
して燃圧が上昇するという特性を考慮して、図6のマッ
プの特性は、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴射量積
算値ΣQinj との差DQが大きくなるほど(つまりポン
プ吐出量積算値ΣQpが燃料噴射量積算値ΣQinj より
も多くなるほど)、推定燃圧DPRが高くなるように設
定されている。
に進み、ポンプ吐出量積算値ΣQpと要求噴射量積算値
ΣQinj を共にクリアし、次のステップ109で、推定
燃圧DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの差の絶
対値が高圧燃料供給システム50の正常時のばらつきの
範囲に相当する所定範囲内(α1 <|DPR−PR|<
α2 )であるか否かを判定し、所定範囲内であれば、高
圧燃料供給システム50が正常であると判断して、ステ
ップ111に進み、異常検出フラグを正常を意味する
「0」にセットする。
30の検出燃圧PRとの差の絶対値が所定範囲から外れ
ている場合は、高圧燃料供給システム50の異常と判断
してステップ112に進み、異常検出フラグを異常を意
味する「1」にセットする。
ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴射量積算値ΣQinj
との差DQから推定燃圧DPRを算出し、この推定燃圧
DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの差(ずれ
量)から高圧燃料供給システム50の異常の有無を判定
するようにしたので、従来の異常診断方法では検出でき
なかった異常も検出することが可能となり、高圧燃料供
給システム50の異常診断の信頼性を向上させることが
できる。
要求噴射量Qinj が多い場合は、実燃圧(燃圧センサ3
0の検出燃圧PR)の変動が大きくなったり、積算値Σ
Qp,ΣQinj の誤差が大きくなり、燃圧の推定精度が
低下することを考慮して、始動時や要求噴射量Qinj が
多い場合に、高圧燃料供給システム50の異常診断を禁
止するようにしたので、燃圧の推定精度が高いときに高
圧燃料供給システム50の異常診断を行うことができ、
燃圧の推定精度の低下による診断精度の低下を回避する
ことができる。
(2)では、図7に示す異常診断プログラムを実行する
ことで、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴射量積算値
ΣQinj との差DQから算出した推定燃圧DPRと燃圧
センサ30の検出燃圧PRとの差が所定値α2 よりも大
きい場合、つまり、推定燃圧DPRが燃圧センサ30の
検出燃圧PRよりも所定値α2 以上高い場合は、次の理
由により高圧燃料供給システム50の燃料漏れと判定す
るところに特徴がある。すなわち、高圧燃料供給システ
ム30が正常であれば、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要
求噴射量積算値ΣQinj との差DQから算出した推定燃
圧DPRが実際の燃圧(実燃圧)とほぼ一致するが、推
定燃圧DPRが実燃圧よりも所定値α2 (正常時の少な
くとも最大誤差)以上高ければ、実燃圧が何等かの原因
で異常低下したものと判断でき、実燃圧が異常低下する
原因としては、燃料漏れが考えられる。燃料漏れが発生
すると、燃料配管45,29内の総燃料量が減少して燃
圧が低下するためである。
記実施形態(1)で説明した図5の異常診断プログラム
のステップ101〜108、112と全く同じ処理を行
い、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴射量積算値ΣQ
inj との差DQから推定燃圧DPRを算出する処理等を
行う。
DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの差が所定値
α2 よりも大きいか否かを判定する。ここで、所定値α
2 は推定燃圧DPRの推定誤差と検出燃圧PRの検出誤
差とを考慮して、正常時の推定燃圧DPRと検出燃圧P
Rとのずれ量の最大値に相当する値又はそれよりも少し
大きな値に設定されている。従って、推定燃圧DPRと
検出燃圧PRとの差が所定値α2 以下であれば、高圧燃
料供給システム50の燃料漏れが無いと判断して、ステ
ップ123に進み、燃料漏れ検出フラグを燃料漏れ無し
を意味する「0」にセットする。
30の検出燃圧PRとの差が所定値α2 よりも大きい場
合は、高圧燃料供給システム50の燃料漏れが有ると判
断して、ステップ122に進み、燃料漏れ検出フラグを
燃料漏れ有りを意味する「1」にセットする。
処理の一例を図8のタイムチャートを用いて説明する。
図8(a)は要求噴射量Qinj がほぼ一定に制御されて
いる場合の正常時の挙動を示し、図8(b)は要求噴射
量Qinj がほぼ一定に制御されている場合の燃料漏れ発
生時の挙動を示している。エンジン運転中は、高圧ポン
プ54の吐出量指令値Qp と要求噴射量Qinj を所定周
期で積算し、要求噴射量積算値ΣQinj が所定値Bを越
える毎に、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴射量積算
値ΣQinj との差DQから推定燃圧DPRを算出し、こ
の推定燃圧DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの
差が所定値α2 よりも大きいか否かで、高圧燃料供給シ
ステム50の燃料漏れの有無を判定する。
は、図8(a)に示すように、要求噴射量Qinj がほぼ
一定であれば、燃圧センサ30の検出燃圧PRが目標燃
圧Fにほぼ一致しているときは、高圧ポンプ54の吐出
量指令値Qp もほぼ一定となる。その結果、ポンプ吐出
量積算値ΣQp と要求噴射量積算値ΣQinj との差DQ
から算出した推定燃圧DPRと燃圧センサ30の検出燃
圧PRとの差が小さくなるため、燃料漏れ無しと判定さ
れ、燃料漏れ検出フラグが燃料漏れ無しを意味する
「0」に維持される。
れが発生すると、図8(b)に示すように、要求噴射量
Qinj がほぼ一定であっても、燃料漏れにより実燃圧
(検出燃圧PR)が低下するため、実燃圧を上昇させる
べく高圧ポンプ54の吐出量指令値Qp が増加される。
その結果、燃料漏れ発生時のポンプ吐出量積算値ΣQp
は、正常時よりも大きくなるため、燃料漏れ発生時の推
定燃圧DPRが正常時よりも高くなる。これにより、推
定燃圧DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの差が
所定値α2 よりも大きくなるため、燃料漏れ有りと判定
され、燃料漏れ検出フラグが燃料漏れ有りを意味する
「1」にセットされる。
に基づいて本発明の実施形態(3)を説明する。本実施
形態(3)では、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴射
量積算値ΣQinj との差DQから算出した推定燃圧DP
Rが燃圧センサ30の検出燃圧PRよりも所定値α2 以
上高い場合に、実空燃比が目標空燃比よりもリッチ側に
ずれているときは、次の理由により、燃圧センサ30の
出力(検出燃圧PR)の異常低下と判定するところに特
徴がある。
標燃圧に制御されていることを前提にして決定されるた
め、実燃圧が低下すれば、その分、実際の燃料噴射量が
不足して実空燃比が目標空燃比よりもリーン側にずれる
のが正常な状態である。従って、推定燃圧DPRと燃圧
センサ30の検出燃圧PRとの関係から実燃圧が低下し
ていると推定されるにも拘らず、実空燃比が目標空燃比
よりもリッチ側にずれるということは、実際には、実燃
圧が上昇していることを意味する。このような状態は、
実燃圧が上昇していることを検出できない状態、つまり
燃圧センサ30の出力(検出燃圧PR)が異常低下して
いる状態になっていることを意味する。従って、推定燃
圧DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの関係から
実燃圧が低下していると推定されるにも拘らず、実空燃
比が目標空燃比よりもリッチ側にずれるときは、燃圧セ
ンサ30の出力の異常低下と判定することができる。
断プログラムにおいても、前記実施形態(1)で説明し
た図5の異常診断プログラムのステップ101〜10
8、112と全く同じ処理を行い、ポンプ吐出量積算値
ΣQp と要求噴射量積算値ΣQinj との差DQから推定
燃圧DPRを算出する処理等を行う。
燃圧DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの関係か
ら実燃圧が低下していると推定されるにも拘らず、実空
燃比が目標空燃比よりも明らかにリッチ側にずれた状態
になっているか否かを判定する。つまり、ステップ13
1で、推定燃圧DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PR
との差が所定値α2 よりも大きいか否かで、実燃圧が低
下していると推定されるか否かを判定する。ここで、所
定値α2 は推定燃圧DPRの推定誤差と検出燃圧PRの
検出誤差とを考慮して、正常時の推定燃圧DPRと検出
燃圧PRとのずれ量の最大値に相当する値又はそれより
も少し大きな値に設定されている。従って、推定燃圧D
PRと検出燃圧PRとの差が所定値α2 以下の場合(実
燃圧が低下していないと推定される場合)は、燃圧セン
サ30の出力の異常低下が発生していないと判断して、
ステップ134に進み、燃圧センサ出力異常低下フラグ
を「0」にセットする。
30の検出燃圧PRとの差が所定値α2 よりも大きい場
合(実燃圧が低下していると推定される場合)は、ステ
ップ132に進み、排気管37の三元触媒38の上流側
に設けた空燃比センサ(又は酸素センサ)で検出した実
空燃比と目標空燃比とのずれ量が所定値β1 よりも小さ
いか否かで、実空燃比が目標空燃比よりも明らかにリッ
チ側にずれているか否かを判定し、実空燃比と目標空燃
比とのずれ量が所定値β1 よりも小さい場合(実空燃比
が目標空燃比よりも明らかにリッチ側にずれている場
合)は、燃圧センサ30の出力の異常低下と判断して、
ステップ133に進み、燃圧センサ出力異常低下フラグ
を「1」にセットする。尚、ステップ132で、「N
o」と判定された場合は、ステップ134に進み、燃圧
センサ出力異常低下フラグを「0」にセットする。
ンジン運転中に所定時間毎又は所定クランク角毎に繰り
返し起動される。本プログラムが起動されると、まず、
ステップ201で、現在のエンジン回転速度Neと要求
トルクを読み込み、次のステップ202で、現在のエン
ジン回転速度Neと要求トルクに応じてマップ等により
目標空燃比を算出する。
は、エンジン運転中に所定時間毎又は所定クランク角毎
に繰り返し起動される。本プログラムが起動されると、
まず、ステップ301で、現在の燃圧センサ30の検出
燃圧PRを読み込み、次のステップ302で、現在の要
求噴射量Qinj を読み込む。この後、ステップ303に
進み、現在の検出燃圧PRに応じて図12のマップか
ら、要求噴射量Qinj に対する燃圧補正係数KPを算出
する。この場合、噴射時間が同じであれば、実燃圧が高
くなるほど、実際の燃料噴射量が増加するという特性を
考慮して、図12のマップの特性は、燃圧補正係数KP
=(目標燃圧/検出燃圧PR)1/2 となるように設定さ
れている。従って、検出燃圧PRが目標燃圧と一致する
ときは、燃圧補正係数KPが1となり、検出燃圧PRが
高くなるほど、燃圧補正係数KPが小さくなる。
4に進み、要求噴射量Qinj 、燃料噴射量を噴射時間に
換算するための時間換算定数、無効噴射時間及び燃圧補
正係数KPを次式に代入して、噴射時間TAU(噴射パ
ルス幅)を算出する。 TAU=(Qinj ×時間換算定数+無効噴射時間)×K
P
処理の一例を図13のタイムチャートを用いて説明す
る。図13は、要求噴射量Qinj がほぼ一定に制御され
ているときに、燃圧センサ30の出力が一時的に異常低
下した場合の挙動を示している。燃圧センサ30の出力
(検出燃圧PR)が異常低下すると、ECU16は、実
燃圧が目標燃圧よりも低下したと誤判定するため、高圧
ポンプ54の吐出量指令値Qp を増加させる。その結
果、実燃圧が目標燃圧よりも明らかに高くなるが、EC
U16は、燃圧センサ30の出力低下により実燃圧が目
標燃圧よりも低下したと誤判定しているため、燃圧補正
係数KPを増大させて噴射時間TAUを増加させる。こ
のため、実燃圧が目標燃圧よりも明らかに高くなってい
るにも拘らず、噴射時間TAUが増量補正されて、実際
の燃料噴射量が増量される結果となり、実空燃比が目標
空燃比よりもリッチ側に大きくずれる。
DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの関係から実
燃圧が低下していると推定されるにも拘らず、実空燃比
が目標空燃比よりもリッチ側にずれるときは、燃圧セン
サ30の出力の異常低下と判定する。
5に基づいて本発明の実施形態(4)を説明する。本実
施形態(4)では、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴
射量積算値ΣQinj との差DQから算出した推定燃圧D
PRが燃圧センサ30の検出燃圧PRよりも所定値α3
以上低い場合に、実空燃比が目標空燃比よりもリーン側
にずれているときは、次の理由により、燃圧センサ30
の出力(検出燃圧PR)の異常上昇と判定するところに
特徴がある。
の検出燃圧PRよりも所定値α3 以上低い場合は、実燃
圧が上昇していると推定されるが、実空燃比が目標空燃
比よりもリーン側にずれるということは、実際には、実
燃圧が低下していることを意味する。このような状態
は、実燃圧が低下していることを検出できない状態、つ
まり燃圧センサ30の出力(検出燃圧PR)が異常上昇
している状態になっていることを意味する。従って、推
定燃圧DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの関係
から実燃圧が上昇していると推定されるのに、実空燃比
が目標空燃比よりもリーン側にずれるときは、燃圧セン
サ30の出力の異常上昇と判定することができる。
診断プログラムにおいても、前記実施形態(1)で説明
した図5の異常診断プログラムのステップ101〜10
8、112と全く同じ処理を行い、ポンプ吐出量積算値
ΣQp と要求噴射量積算値ΣQinj との差DQから推定
燃圧DPRを算出する処理等を行う。
燃圧DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの関係か
ら実燃圧が上昇していると推定されるにも拘らず、実空
燃比が目標空燃比よりも明らかにリーン側にずれた状態
になっているか否かを判定する。つまり、ステップ14
1で、推定燃圧DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PR
との差が所定値α3 よりも小さいか否かで、実燃圧が上
昇していると推定されるか否かを判定する。ここで、所
定値α3 は推定燃圧DPRの推定誤差と検出燃圧PRの
検出誤差とを考慮して、正常時の推定燃圧DPRと検出
燃圧PRとのずれ量の最大値に相当する値又はそれより
も少し大きな値に設定されている。従って、推定燃圧D
PRと検出燃圧PRとの差が所定値α3 以上の場合(実
燃圧が上昇していないと推定される場合)は、燃圧セン
サ30の出力の異常上昇が発生していないと判断して、
ステップ144に進み、燃圧センサ出力異常上昇フラグ
を「0」にセットする。
30の検出燃圧PRとの差が所定値α3 よりも小さい場
合(実燃圧が上昇していると推定される場合)は、ステ
ップ142に進み、排気管37の三元触媒38の上流側
に設けた空燃比センサ(又は酸素センサ)で検出した実
空燃比と目標空燃比とのずれ量が所定値β2 よりも大き
いか否かで、実空燃比が目標空燃比よりも明らかにリー
ン側にずれているか否かを判定し、実空燃比と目標空燃
比とのずれ量が所定値β2 よりも大きい場合(実空燃比
が目標空燃比よりも明らかにリーン側にずれている場
合)は、燃圧センサ30の出力の異常上昇と判断して、
ステップ143に進み、燃圧センサ出力異常上昇フラグ
を「1」にセットする。尚、ステップ142で、「N
o」と判定された場合は、ステップ144に進み、燃圧
センサ出力異常上昇フラグを「0」にセットする。
処理の一例を図15のタイムチャートを用いて説明す
る。図15は、要求噴射量Qinj がほぼ一定に制御され
ているときに、燃圧センサ30の出力が一時的に異常上
昇した場合の挙動を示している。燃圧センサ30の出力
(検出燃圧PR)が異常上昇すると、ECU16は、実
燃圧が目標燃圧よりも上昇したと誤判定するため、高圧
ポンプ54の吐出量指令値Qp を減少させる。その結
果、実燃圧が目標燃圧よりも明らかに低くなるが、EC
U16は、燃圧センサ30の出力上昇により実燃圧が目
標燃圧よりも上昇したと誤判定しているため、燃圧補正
係数KPを小さくして噴射時間TAUを減少させる。こ
のため、実燃圧が目標燃圧よりも明らかに低くなってい
るにも拘らず、噴射時間TAUが減量補正されて、実際
の燃料噴射量が減量される結果となり、実空燃比が目標
空燃比よりもリーン側に大きくずれる。
DPRと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの関係から実
燃圧が上昇していると推定されるにも拘らず、実空燃比
が目標空燃比よりもリーン側にずれるときは、燃圧セン
サ30の出力の異常上昇と判定する。
7に基づいて本発明の実施形態(5)を説明する。本実
施形態(5)では、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴
射量積算値ΣQinj との差DQから算出した推定燃圧D
PRが燃圧センサ30の検出燃圧PRよりも所定値α3
以上低い場合に、エンジン11のトルク変動量が所定値
γ以上のときは、次の理由により、燃料噴射弁28の異
常と判定するところに特徴がある。
の検出燃圧PRよりも所定値α3 以上低い場合は、実燃
圧が上昇していると推定されるが、実燃圧が上昇する原
因の1つとして、燃料噴射弁28の噴射不良によって実
際の燃料噴射量が要求噴射量Qinj よりも少なくなって
いることが考えられる。もし、一部の気筒の燃料噴射弁
28が異常になると、エンジン11のトルク変動量が大
きくなる現象が発生するため、推定燃圧DPRが燃圧セ
ンサ30の検出燃圧PRとの関係から実燃圧が上昇して
いると推定される場合に、トルク変動量が大きいとき
は、燃料噴射弁28の異常と判定することができる。
診断プログラムにおいても、前記実施形態(1)で説明
した図5の異常診断プログラムのステップ101〜10
8、112と全く同じ処理を行い、ポンプ吐出量積算値
ΣQp と要求噴射量積算値ΣQinj との差DQから推定
燃圧DPRを算出する処理等を行う。
Rと燃圧センサ30の検出燃圧PRとの差が所定値α3
よりも小さいか否かで、実燃圧が上昇していると推定さ
れるか否かを判定し、推定燃圧DPRと検出燃圧PRと
の差が所定値α3 以上の場合(実燃圧が上昇していない
と推定される場合)は、燃料噴射弁28の異常が発生し
ていないと判断して、ステップ154に進み、燃料噴射
弁異常フラグを「0」にセットする。
30の検出燃圧PRとの差が所定値α3 よりも小さい場
合(実燃圧が上昇していると推定される場合)は、ステ
ップ152に進み、エンジン11のトルク変動量が所定
値γよりも大きいか否かを判定し、エンジン11のトル
ク変動量が所定値γよりも大きい場合は、燃料噴射弁2
8の異常と判断して、ステップ153に進み、燃料噴射
弁異常フラグを「1」にセットする。一方、ステップ1
42で、トルク変動量が所定値γ以下と判定された場合
は、ステップ154に進み、燃料噴射弁異常フラグを
「0」にセットする。
処理の一例を図17のタイムチャートを用いて説明す
る。図15は、要求噴射量Qinj がほぼ一定に制御され
ているときに、一部の気筒の燃料噴射弁28が異常(噴
射不能)になった場合の挙動を示している。エンジン運
転中に、一部の気筒の燃料噴射弁28が異常になって燃
料噴射が無くなると、燃料噴射弁28が異常になった気
筒の噴射タイミング毎に実燃圧(検出燃圧PR)が一時
的に上昇するため、実燃圧(検出燃圧PR)が上昇する
毎に高圧ポンプ54の吐出量指令値Qp を一時的に減少
させる。その結果、ポンプ吐出量積算値ΣQp が正常時
よりも減少して、ポンプ吐出量積算値ΣQp と要求噴射
量積算値ΣQinj との差DQから算出する推定燃圧DP
Rが目標燃圧Fよりも低下する。これにより、推定燃圧
DPRが燃圧センサ30の検出燃圧PRよりも所定値α
3 以上低くなり、且つ、エンジン11のトルク変動量が
所定値γよりも大きくなるため、燃料噴射弁28の異常
と判定される。
(6)では、図18の異常診断プログラムを実行するこ
とで、エンジン停止時間が所定時間C以上経過してから
エンジン11を始動する時に、燃圧センサ30の検出燃
圧PRが所定範囲から外れている場合は、燃圧センサ3
0の異常と判定するところに特徴がある。つまり、エン
ジン停止中は、高圧ポンプ54も停止して、高圧ポンプ
54の吐出側の燃料配管45,29内の燃圧を高圧に保
つことができないため、エンジン停止時間の経過と共に
燃圧が低下する。従って、エンジン停止時間がある程度
長くなると、燃圧が大気圧付近まで低下するため、この
状態で始動する場合は、始動時の燃圧が大気圧付近から
上昇することになる。このような場合に、始動時の燃圧
センサ30の検出燃圧PRが大気圧付近の所定範囲から
外れている場合は、燃圧センサ30の異常と判定するこ
とができる。
診断プログラムでは、まずステップ401,402で、
異常診断実行条件が成立しているか否かを判定する。こ
こで、異常診断実行条件は、始動時であること(ステ
ップ401)、始動前のエンジン停止時間が所定時間
Cを越えていること(ステップ402)であり、これら
2つの条件,のいずれか一方でも満たさない条件が
あれば、異常診断実行条件が成立せず、以降の処理を行
うことなく、本プログラムを終了する。
ば、異常診断実行条件が成立し、ステップ403に進
み、燃圧センサ30の検出燃圧PRを読み込み、次のス
テップ404で、この検出燃圧PRが所定範囲内(ω1
<PR<ω2 )であるか否かを判定し、所定範囲内(ω
1 <PR<ω2 )であれば、燃圧センサ30が正常であ
ると判断して、ステップ406に進み、燃圧センサ異常
フラグを「0」にセットする。もし、検出燃圧PRが所
定範囲内(ω1 <PR<ω2 )でなければ、燃圧センサ
30の異常と判断して、ステップ405に進み、燃圧セ
ンサ異常フラグを「1」にセットする。
は、エンジン停止時間をタイマ等により測定する必要が
あるため、エンジン停止中にタイマ等を動作させるため
の電源を供給する必要がある。
ンジン停止時間の計測を不要にするために、図19の異
常診断プログラムを実行することで、エンジン停止時間
が所定時間以上経過したか否かを前回のエンジン停止時
の冷却水温THW0 と今回の始動時の冷却水温THWと
の温度差に基づいて判定するようにしている。つまり、
エンジン停止中は、時間の経過と共に冷却水温が放熱に
より低下するため、前回のエンジン停止時の冷却水温T
HW0 と今回の始動時の冷却水温THWとの温度差を見
れば、エンジン停止時間をタイマで測定しなくても、エ
ンジン停止時間が所定時間以上経過したか否かを判定す
ることができる。
テップ501〜503で、異常診断実行条件が成立して
いるか否かを判定する。すなわち、ステップ501で、
始動時であるか否かを判定し、始動時であれば、ステッ
プ502に進み、ECU16のバックアップRAMに記
憶された前回のエンジン停止時の冷却水温THW0 を読
み込み、今回の始動時の冷却水温THWと前回のエンジ
ン停止時の冷却水温THW0 との温度差(THW−TH
W0 )が所定温度D1 (D1はマイナス温度)よりも小
さいか否かを判定し、所定温度D1 以上であれば、エン
ジン停止時間が所定時間以上経過していないと判断し
て、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了す
る。
回のエンジン停止時の冷却水温THW0 との温度差(T
HW−THW0 )が所定温度D1 よりも小さい場合は、
エンジン停止時間が所定時間以上経過していると判断し
て、ステップ504に進み、燃圧センサ30の検出燃圧
PRを読み込み、次のステップ505で、この検出燃圧
PRが所定範囲内(ω1 <PR<ω2 )であるか否かを
判定し、所定範囲内(ω1 <PR<ω2 )であれば、燃
圧センサ30が正常であると判断して、ステップ507
に進み、燃圧センサ異常フラグを「0」にセットする。
PR<ω2 )でなければ、燃圧センサ30の異常と判断
して、ステップ506に進み、燃圧センサ異常フラグを
「1」にセットする。
(8)では、図20の異常診断プログラムを実行するこ
とで、今回の始動時の燃圧センサ30の検出燃圧PRが
前回のエンジン停止時の検出燃圧PR0 よりも所定値C
1 以上高いか否かで、燃圧センサ30の異常の有無と判
定するところに特徴がある。つまり、エンジン停止中は
時間の経過と共に実燃圧が低下するため、今回の始動時
の実燃圧が前回のエンジン停止時の実燃圧より高くなる
ことは起こり得ない。従って、今回の始動時の検出燃圧
PRが前回のエンジン停止時の検出燃圧PR0 よりも所
定値C1 (少なくとも検出誤差)以上高い場合は、燃圧
センサ30の異常と判定することができる。
プ601で、始動時であるか否かを判定し、始動時でな
ければ、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終
了する。一方、始動時であれば、ステップ602に進
み、ECU16のバックアップRAMに記憶された前回
のエンジン停止時の燃圧センサ30の検出燃圧PR0 を
読み込み、次のステップ603で、今回の始動時の検出
燃圧PRと前回のエンジン停止時の検出燃圧PR0 との
圧力差(PR−PR0 )が所定値C1 よりも大きいか否
かを判定し、圧力差(PR−PR0 )が所定値C1 より
も大きい場合、つまり、今回の始動時の燃圧センサ30
の検出燃圧PRが前回のエンジン停止時の検出燃圧PR
0 よりも所定値C1 以上高い場合は、燃圧センサ30の
異常と判断して、ステップ604に進み、燃圧センサ異
常フラグを「1」にセットする。
定値C1 以下の場合は、燃圧センサ30が正常であると
判断して、ステップ605に進み、燃圧センサ異常フラ
グを「0」にセットする。
適宜組み合わせて実施しても良いことは言うまでもな
い。
系システム全体の概略構成を示す図
タイムチャート
流れを示すフローチャート
ΣQinj との差DQから推定燃圧DPRを算出するマッ
プを概念的に示す図
流れを示すフローチャート
合の正常時の挙動を示すタイムチャート、(b)は要求
噴射量Qinj がほぼ一定である場合の燃料漏れ発生時の
挙動を示すタイムチャート
流れを示すフローチャート
の処理の流れを示すフローチャート
処理の流れを示すフローチャート
係数KPを算出するマップを概念的に示す図
定に制御されているときに、燃圧センサの出力が一時的
に異常低下した場合の挙動を示すタイムチャート
の流れを示すフローチャート
定に制御されているときに、燃圧センサの出力が一時的
に異常上昇した場合の挙動を示すタイムチャート
の流れを示すフローチャート
定に制御されているときに、一部の気筒の燃料噴射弁が
異常(噴射不能)になった場合の挙動を示すタイムチャ
ート
の流れを示すフローチャート
の流れを示すフローチャート
の流れを示すフローチャート
管、15…スロットルバルブ、16…ECU(燃圧制御
手段,積算手段,異常診断手段,異常診断禁止手段)、
24…スワールコントロール弁、28…燃料噴射弁、2
9…デリバリパイプ、30…燃圧センサ、37…排気
管、38…三元触媒、39…リーンNOx触媒、41…
EGR弁、45…燃料配管、50…高圧燃料供給システ
ム、51…燃料タンク、52…低圧ポンプ、54…高圧
ポンプ、55…プレッシャレギュレータ、59…ピスト
ン、60…カム軸、61…カム、62…燃圧制御弁、6
5…逆止弁。
Claims (9)
- 【請求項1】 燃料タンクから汲み上げられた燃料を加
圧して燃料噴射弁に圧送する高圧ポンプと、 前記高圧ポンプの吐出側の燃料の圧力(以下「燃圧」と
略記する)を検出する燃圧センサと、 前記燃圧センサで検出した燃圧を目標燃圧に一致させる
ように前記高圧ポンプの吐出量をフィードバック制御す
る燃圧制御手段とを備えた内燃機関の高圧燃料供給シス
テムにおいて、 所定期間の前記高圧ポンプの吐出量の指令値と燃料噴射
量の指令値とをそれぞれ積算する積算手段と、 前記積算手段で積算した前記高圧ポンプの吐出量積算値
と燃料噴射量積算値との比較値と前記燃圧センサで検出
した燃圧とに基づいて高圧燃料供給システムの異常の有
無を判定する異常診断手段とを備えていることを特徴と
する内燃機関の高圧燃料供給システムの異常診断装置。 - 【請求項2】 内燃機関の始動時及び/又は燃料噴射量
の指令値が所定値以上となる運転状態の時に前記異常診
断手段による高圧燃料供給システムの異常診断を禁止す
る異常診断禁止手段を備えていることを特徴とする請求
項1に記載の内燃機関の高圧燃料供給システムの異常診
断装置。 - 【請求項3】 前記異常診断手段は、前記高圧ポンプの
吐出量積算値と燃料噴射量積算値との差から燃圧を推定
し、その推定燃圧が前記燃圧センサで検出した燃圧より
も所定値以上高い場合は高圧燃料供給システムの燃料漏
れと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の
内燃機関の高圧燃料供給システムの異常診断装置。 - 【請求項4】 前記異常診断手段は、前記高圧ポンプの
吐出量積算値と燃料噴射量積算値との差から推定した燃
圧が前記燃圧センサで検出した燃圧よりも所定値以上高
い場合に、空燃比が目標空燃比よりもリッチ側にずれて
いるときは、前記燃圧センサの出力の異常低下と判定す
ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
内燃機関の高圧燃料供給システムの異常診断装置。 - 【請求項5】 前記異常診断手段は、前記高圧ポンプの
吐出量積算値と燃料噴射量積算値との差から推定した燃
圧が前記燃圧センサで検出した燃圧よりも所定値以上低
い場合に、空燃比が目標空燃比よりもリーン側にずれて
いるときは、前記燃圧センサの出力の異常上昇と判定す
ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
内燃機関の高圧燃料供給システムの異常診断装置。 - 【請求項6】 前記異常診断手段は、前記高圧ポンプの
吐出量積算値と燃料噴射量積算値との差から推定した燃
圧が前記燃圧センサで検出した燃圧よりも所定値以上低
い場合に、内燃機関のトルク変動量が所定値以上のとき
は、燃料噴射弁の異常と判定することを特徴とする請求
項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の高圧燃料供給
システムの異常診断装置。 - 【請求項7】 前記異常診断手段は、内燃機関の停止時
間が所定時間以上経過してから内燃機関を始動する時に
前記燃圧センサの検出燃圧が所定範囲から外れている場
合は、前記燃圧センサの異常と判定することを特徴とす
る請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関の高圧燃
料供給システムの異常診断装置。 - 【請求項8】 前記異常診断手段は、内燃機関の停止時
間が所定時間以上経過したか否かを内燃機関の前回の停
止時の冷却水温と今回の始動時の冷却水温との温度差に
基づいて判定することを特徴とする請求項7に記載の内
燃機関の高圧燃料供給システムの異常診断装置。 - 【請求項9】 前記異常診断手段は、内燃機関の今回の
始動時の前記燃圧センサの検出燃圧が前回の停止時の検
出燃圧よりも所定値以上高い場合は、該燃圧センサの異
常と判定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
かに記載の内燃機関の高圧燃料供給システムの異常診断
装置。
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