JP2013253508A - 筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃圧センサの検出信号が正常に入力されない状態になった場合に、ドライバビリティや排気エミッションの悪化を抑制しながら、車両の退避走行を可能にする。
【解決手段】燃圧センサ58で検出した実燃圧を目標燃圧に一致させるように高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期(つまり高圧ポンプ42の吐出量)をフィードバック制御するシステムにおいて、燃圧検出異常状態(燃圧センサ58の検出信号が正常に入力されない状態)になったときには、空燃比センサで検出した実空燃比と目標空燃比との差に応じて燃圧制御弁50の通電開始時期を補正する。この際、空燃比センサで検出した実空燃比が目標空燃比よりもリッチの場合には、高圧ポンプ42の吐出量を減少させる方向に通電開始時期を補正し、空燃比センサで検出した実空燃比が目標空燃比よりもリーンの場合には、高圧ポンプ42の吐出量を増加させる方向に通電開始時期を補正する。
【選択図】図2
【解決手段】燃圧センサ58で検出した実燃圧を目標燃圧に一致させるように高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期(つまり高圧ポンプ42の吐出量)をフィードバック制御するシステムにおいて、燃圧検出異常状態(燃圧センサ58の検出信号が正常に入力されない状態)になったときには、空燃比センサで検出した実空燃比と目標空燃比との差に応じて燃圧制御弁50の通電開始時期を補正する。この際、空燃比センサで検出した実空燃比が目標空燃比よりもリッチの場合には、高圧ポンプ42の吐出量を減少させる方向に通電開始時期を補正し、空燃比センサで検出した実空燃比が目標空燃比よりもリーンの場合には、高圧ポンプ42の吐出量を増加させる方向に通電開始時期を補正する。
【選択図】図2
Description
本発明は、高圧ポンプから供給される燃料を筒内に直接噴射する筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置に関する発明である。
気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式エンジンは、吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート噴射式エンジンと比較して、噴射から燃焼までの時間が短く、噴射燃料を霧化させる時間を十分に稼ぐことができないため、噴射圧力を高圧にして噴射燃料を微粒化する必要がある。そのため、筒内噴射式エンジンでは、電動式の低圧ポンプで燃料タンクから汲み上げた燃料を、エンジンの動力で駆動される高圧ポンプに供給し、この高圧ポンプから吐出される高圧の燃料を燃料噴射弁へ圧送するようにしている。
このような筒内噴射式エンジンにおいては、例えば、特許文献1(特開平10−176587号公報)に記載されているように、高圧ポンプから燃料噴射弁に供給される燃料の圧力(燃圧)を検出する燃圧センサを設け、この燃圧センサで検出した実燃圧をエンジン運転状態に応じた目標燃圧に一致させるように高圧ポンプ(吐出制御弁の通電タイミング)をフィードバック制御するようにしたものがある。
しかし、燃圧センサの異常等により実燃圧を正常に検出できなくなった場合には、燃圧センサの検出信号に基づいた高圧ポンプのフィードバック制御を正常に実行することができず、実燃圧を目標燃圧に精度良く制御できなくなる。
そこで、上記特許文献1では、燃圧センサに異常が発生した場合に、燃圧が最高となるように高圧ポンプ(吐出制御弁)を強制制御することで、車両の退避走行を可能にすることが提案されている。
しかし、上記特許文献1の技術のように、燃圧センサに異常が発生した場合に、燃圧が最高となるように高圧ポンプを制御するようにすると、燃圧が高い状態に維持されるため、要求噴射量が少なくなる低負荷領域では、燃料噴射弁の噴射時間を最小噴射時間Tmin (噴射時間の下限値)まで短くしても、実噴射量を要求噴射量まで減少させることができない可能性があり、その結果、実空燃比が目標空燃比よりもリッチになって、ドライバビリティや排気エミッションが悪化する可能性がある。
一方、燃圧センサに異常が発生した場合に、高圧ポンプを停止させてフィード圧(低圧ポンプの吐出圧)で燃料噴射弁に燃料を供給するようにすると、燃圧が低い状態に維持されるため、要求噴射量が多くなる高負荷領域では、要求噴射量分の燃料を噴射できなくなる可能性があり、その結果、実空燃比が目標空燃比よりもリーンになって、ドライバビリティや排気エミッションが悪化する可能性がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、燃圧センサの検出信号が正常に入力されない状態になった場合に、ドライバビリティや排気エミッションの悪化を抑制しながら、車両を退避走行させることができる筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、高圧ポンプ(42)から供給される燃料を筒内に直接噴射する筒内噴射式の内燃機関(11)に適用され、高圧ポンプ(42)から供給される燃料の圧力を検出する燃圧センサ(58)の検出信号に基づいて高圧ポンプ(42)の吐出量を制御する筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置において、燃圧センサ(58)の検出信号が正常に入力されない状態(以下「燃圧検出異常状態」という)になったときに、内燃機関(11)の排出ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する排出ガスセンサ(24)の検出信号と目標空燃比との関係に基づいて高圧ポンプ(42)の駆動信号を補正する補正手段(30)を備えた構成としたものである。
燃圧検出異常状態(燃圧センサの検出信号が正常に入力されない状態)になったときに、実燃圧を目標燃圧に精度良く制御できなくなって、目標燃圧に対して実燃圧にずれが生じると、それに伴って実噴射量が変化して実空燃比が変化するため、排出ガスセンサの検出信号と目標空燃比との関係が変化する。
従って、燃圧検出異常状態になったときに、排出ガスセンサの検出信号と目標空燃比との関係に基づいて高圧ポンプの駆動信号を補正すれば、目標燃圧に対する実燃圧のずれを小さくする方向に高圧ポンプの吐出量を補正して、実燃圧を目標燃圧付近に制御することができる。これにより、要求噴射量に対する実噴射量のずれを小さくして、実空燃比を目標空燃比に精度良く制御することが可能となり、燃圧検出異常状態になった場合でも、ドライバビリティや排気エミッションの悪化を抑制しながら、車両を退避走行させることができる。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
筒内噴射式の内燃機関である筒内噴射式エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
筒内噴射式の内燃機関である筒内噴射式エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、エンジン11の各気筒には、それぞれ筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各気筒の点火プラグ22の火花放電によって各気筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサ24(排出ガスセンサ)が設けられ、この空燃比センサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキングを検出するノックセンサ27が取り付けられている。また、クランク軸28の外周側には、クランク軸28が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ29が取り付けられ、このクランク角センサ29の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
次に、図2を用いて燃料供給システムの構成を説明する。
燃料を貯溜する燃料タンク39内には、燃料を汲み上げる低圧ポンプ40が設置されている。この低圧ポンプ40は、バッテリ(図示せず)を電源とする電動モータ(図示せず)によって駆動される。この低圧ポンプ40から吐出される燃料は、燃料配管41を通して高圧ポンプ42に供給される。燃料配管41には、プレッシャレギュレータ43が接続され、このプレッシャレギュレータ43によって低圧ポンプ40の吐出圧力(高圧ポンプ42への燃料供給圧力)が所定圧力に調圧され、その圧力を越える燃料の余剰分が燃料戻し配管44により燃料タンク39内に戻されるようになっている。
燃料を貯溜する燃料タンク39内には、燃料を汲み上げる低圧ポンプ40が設置されている。この低圧ポンプ40は、バッテリ(図示せず)を電源とする電動モータ(図示せず)によって駆動される。この低圧ポンプ40から吐出される燃料は、燃料配管41を通して高圧ポンプ42に供給される。燃料配管41には、プレッシャレギュレータ43が接続され、このプレッシャレギュレータ43によって低圧ポンプ40の吐出圧力(高圧ポンプ42への燃料供給圧力)が所定圧力に調圧され、その圧力を越える燃料の余剰分が燃料戻し配管44により燃料タンク39内に戻されるようになっている。
高圧ポンプ42は、円筒状のポンプ室45内でピストン46(プランジャ)を往復運動させて燃料を吸入/吐出するピストンポンプであり、ピストン46は、エンジン11のカム軸47に嵌着されたカム48の回転運動によって駆動される。
この高圧ポンプ42の吸入口49側には、燃圧制御弁50が設けられている。この燃圧制御弁50は、常開型の電磁弁であり、吸入口49を開閉する弁体51と、この弁体51を開弁方向に付勢するスプリング52と、弁体51を閉弁方向に電磁駆動するソレノイド53とから構成されている。
高圧ポンプ42の吸入行程(ピストン46の下降時)において燃圧制御弁50の弁体51が開弁してポンプ室45内に燃料が吸入され、高圧ポンプ42の吐出行程(ピストン46の上昇時)において燃圧制御弁50の弁体51が閉弁してポンプ室45内の燃料が吐出されるように燃圧制御弁50のソレノイド53の通電を制御する。その際、燃圧制御弁50(ソレノイド53)の通電開始時期を制御して燃圧制御弁50の閉弁期間(閉弁開始時期からピストン46の上死点までの閉弁状態のクランク角区間)を制御することで、高圧ポンプ42の吐出量を制御して燃圧(燃料圧力)を制御する。尚、燃圧制御弁50の通電開始時期は、所定の基準クランク角位置(例えばピストン46の上死点に相当するクランク角位置)からのクランク角で設定される。
例えば、燃圧を上昇させるときには、燃圧制御弁50の通電開始時期を進角させて燃圧制御弁50の閉弁開始時期を進角させることで、燃圧制御弁50の閉弁期間を長くして高圧ポンプ42の吐出量を増加させる。逆に、燃圧を低下させるときには、燃圧制御弁50の通電開始時期を遅角させて燃圧制御弁50の閉弁開始時期を遅角させることで、燃圧制御弁50の閉弁期間を短くして高圧ポンプ42の吐出量を減少させる。
一方、高圧ポンプ42の吐出口54側には、吐出した燃料の逆流を防止する逆止弁55が設けられている。高圧ポンプ42から吐出される燃料は、高圧燃料配管56を通してデリバリパイプ57に送られ、このデリバリパイプ57からエンジン11の各気筒に取り付けられた燃料噴射弁21に高圧の燃料が分配される。デリバリパイプ57(又は高圧燃料配管56)には、高圧燃料配管56やデリバリパイプ57等の高圧燃料通路内の燃圧を検出する燃圧センサ58が設けられている。また、デリバリパイプ57には、リリーフ弁59が設けられ、このリリーフ弁59の排出ポートがリリーフ配管60を介して燃料タンク39(又は低圧側の燃料配管41)に接続されている。
上述した各種センサの出力は、電子制御ユニット(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御用のプログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて、燃料噴射量、点火時期、スロットル開度(吸入空気量)等を制御する。
その際、ECU30は、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度やエンジン負荷等)に応じて目標燃圧を算出し、燃圧センサ58で検出した高圧燃料通路内の実燃圧(燃圧センサ58の検出信号)を目標燃圧に一致させるように高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期(つまり高圧ポンプ42の吐出量)をF/B制御する燃圧F/B制御を実行する。ここで、「F/B」は「フィードバック」を意味する(以下、同様)。
また、ECU30は、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度やエンジン負荷等)に応じて要求噴射量を算出して、この要求噴射量と燃圧センサ58で検出した実燃圧(又は目標燃圧)とに応じて燃料噴射弁21の噴射時間(噴射パルス幅)を算出し、この噴射時間で燃料噴射弁21を開弁駆動して要求噴射量分の燃料を噴射する。尚、後述する燃圧検出異常状態になったときには、要求噴射量と目標燃圧とに応じて燃料噴射弁21の噴射時間を算出する。
更に、ECU30は、所定の空燃比F/B制御実行条件が成立したときに、空燃比センサ24で検出した排出ガスの実空燃比(空燃比センサ24の検出信号)を目標空燃比に一致させるように空燃比F/B補正量を算出し、この空燃比F/B補正量を用いて要求噴射量を補正する空燃比F/B制御を実行する。
ところで、図3に示すように、燃圧センサ58の故障や燃圧センサ58とECU30との間の信号線の異常(例えば断線やショート)等により燃圧センサ58の検出信号が正常に入力されない状態(以下「燃圧検出異常状態」という)になった場合には、燃圧センサ58の検出信号に基づいた燃圧F/B制御を正常に実行することができず、実燃圧を目標燃圧に精度良く制御できなくなる。このような場合、目標燃圧を用いて燃料噴射弁21の噴射時間を算出するため、目標燃圧に対して実燃圧にずれが生じると、必要噴射時間(要求噴射量を実現するのに必要な噴射時間)に対して実噴射時間にずれが生じて、要求噴射量に対して実噴射量にずれが生じる。その結果、目標空燃比に対して実空燃比がリーン方向やリッチ方向にずれてしまい、ドライバビリティや排気エミッションが悪化する可能性がある。図3では、燃圧検出異常状態となり実燃圧(図中破線)が目標燃圧(実線)よりも低い場合を示している。このとき実燃圧に対して必要な噴射時間は破線で示す必要噴射時間であるのに対し、実際の噴射時間は実線で示す実噴射時間となる。その結果、噴射時間が短くなり必要な噴射量が確保できず、破線で示すようにリーン方向にずれた実空燃比となってしまう。
この対策として、本実施例では、ECU30により後述する図4の高圧ポンプ制御ルーチンを実行することで、燃圧検出異常状態(燃圧センサ58の検出信号が正常に入力されない状態)になったときに、空燃比センサ24で検出した実空燃比と目標空燃比との差に応じて、高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期(高圧ポンプ42の駆動信号)を補正する。
燃圧検出異常状態になったときに、実燃圧を目標燃圧に精度良く制御できなくなって、目標燃圧に対して実燃圧にずれが生じると、それに伴って、実噴射量(実噴射時間)が変化して実空燃比が変化するため、空燃比センサ24で検出した実空燃比と目標空燃比との差が変化する。
従って、燃圧検出異常状態になったときに、空燃比センサ24で検出した実空燃比と目標空燃比との差に応じて高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を補正すれば、目標燃圧に対する実燃圧のずれを小さくする方向に高圧ポンプ42の吐出量を補正して、実燃圧を目標燃圧付近に制御することができる。これにより、要求噴射量に対する実噴射量のずれを小さくして、実空燃比を目標空燃比に精度良く制御することが可能となる。
以下、ECU30が実行する図4の高圧ポンプ制御ルーチンの処理内容を説明する。
図4に示す高圧ポンプ制御ルーチンは、ECU30の電源オン期間中(イグニッションスイッチのオン期間中)に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度やエンジン負荷等)に応じて目標燃圧をマップ又は数式等により算出する。
図4に示す高圧ポンプ制御ルーチンは、ECU30の電源オン期間中(イグニッションスイッチのオン期間中)に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度やエンジン負荷等)に応じて目標燃圧をマップ又は数式等により算出する。
この後、ステップ102に進み、燃圧検出異常状態(燃圧センサ58の故障や燃圧センサ58とECU30との間の信号線の異常等により燃圧センサ58の検出信号が正常に入力されない状態)であるか否かを、燃圧検出異常フラグが「1」であるか否かによって判定する。この燃圧検出異常フラグは、図示しない異常診断ルーチンで燃圧検出異常状態であると判定されたときに「1」にセットされる。
このステップ102で、燃圧検出異常状態ではない(燃圧検出異常フラグ=0)と判定された場合には、燃圧F/B制御を正常に実行することができると判断して、ステップ103に進み、燃圧センサ58で検出した実燃圧を読み込んだ後、ステップ104に進み、燃圧センサ58で検出した実燃圧を目標燃圧に一致させるように高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を算出する。この場合、例えば、実燃圧と目標燃圧との差に基づいて燃圧F/B補正量を算出し、この燃圧F/B補正量を用いて高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を補正する。
これに対して、上記ステップ102で、燃圧検出異常状態である(燃圧検出異常フラグ=1)と判定された場合には、燃圧F/B制御を正常に実行することができないと判断して、ステップ105に進み、高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を所定のベース値(ベース信号)に設定する。このベース値は、例えば、燃圧制御弁50の通電開始時期の制御範囲の中間値に設定されている。或は、ベース値を、燃圧検出異常状態であると判定される直前に算出された通電開始時期に設定するようにしても良い。このステップ105の処理は、燃圧検出異常状態であると判定された後の最初の1回だけ実行する。
この後、ステップ106に進み、空燃比検出異常状態(空燃比センサ24の故障や空燃比センサ24とECU30との間の信号線の異常等により空燃比センサ24の検出信号が正常に入力されない状態)であるか否かを、空燃比検出異常フラグが「1」であるか否かによって判定する。この空燃比検出異常フラグは、図示しない異常診断ルーチンで空燃比検出異常状態であると判定されたときに「1」にセットされる。
このステップ106で、空燃比検出異常状態ではない(空燃比検出異常フラグ=0)と判定されれば、ステップ107に進み、空燃比センサ24で検出した実空燃比を読み込むと共に、図示しない空燃比制御ルーチンで設定した目標空燃比(又は予め設定された目標空燃比)を読み込む。
この後、ステップ108に進み、空燃比センサ24で検出した実空燃比と目標空燃比との差に応じて高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を補正する。この場合、例えば、図5に示す通電開始時期補正量のマップを参照して、空燃比センサ24で検出した実空燃比と目標空燃比との差に応じた通電開始時期補正量を算出し、この通電開始時期補正量を用いて高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を補正する。
実燃圧が目標燃圧よりも高くなると、実噴射量が要求噴射量よりも多くなって、実空燃比が目標空燃比よりもリッチになる。一方、実燃圧が目標燃圧よりも低くなると、実噴射量が要求噴射量よりも少なくなって、実空燃比が目標空燃比よりもリーンになる。
このような特性を考慮に入れて、図5に示す通電開始時期補正量のマップは、実空燃比と目標空燃比との差が0よりも小さい場合(つまり実空燃比が目標空燃比よりもリッチ側の場合)には、高圧ポンプ42の吐出量を減少させる方向(遅角方向)に通電開始時期を補正するように遅角方向の通電開始時期補正量が設定されていると共に、実空燃比と目標空燃比との差が0よりも大きい場合(つまり実空燃比が目標空燃比よりもリーン側の場合)には、高圧ポンプ42の吐出量を増加させる方向(進角方向)に通電開始時期を補正するように進角方向の通電開始時期補正量が設定されている。
これにより、実燃圧が目標燃圧よりも高くなって、実空燃比が目標空燃比よりもリッチになった場合には、高圧ポンプ42の吐出量を減少させる方向に通電開始時期を補正することで、実燃圧を低下させて、実燃圧を目標燃圧付近に制御することができる。一方、実燃圧が目標燃圧よりも低くなって、実空燃比が目標空燃比よりもリーンになった場合には、高圧ポンプ42の吐出量を増加させる方向に通電開始時期を補正することで、実燃圧を上昇させて、実燃圧を目標燃圧付近に制御することができる。
図5に示す通電開始時期補正量のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成され、ECU30のROMに記憶されている。上記ステップ105〜108の処理が特許請求の範囲でいう補正手段としての役割を果たす。
一方、上記ステップ106で、空燃比検出異常状態である(空燃比検出異常フラグ=1)と判定された場合には、上記ステップ107,108の処理を実行することなく、高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期をベース値(又は所定のフェールセーフ値)に維持する。
以上のようにして通電開始時期を設定した後、ステップ109に進み、設定した通電開始時期で通電を開始するように高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電を制御して、高圧ポンプ42の吐出量を制御する。
以上説明した本実施例では、燃圧検出異常状態(燃圧センサ58の検出信号が正常に入力されない状態)になったときに、空燃比センサ24で検出した実空燃比と目標空燃比との差に応じて高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を補正するようにしたので、目標燃圧に対する実燃圧のずれを小さくする方向に高圧ポンプ42の吐出量を補正して、実燃圧を目標燃圧付近に制御することができる。これにより、要求噴射量に対する実噴射量のずれを小さくして、実空燃比を目標空燃比に精度良く制御することが可能となり、燃圧検出異常状態になった場合でも、ドライバビリティや排気エミッションの悪化を抑制しながら、車両を退避走行させることができる。
また、本実施例では、燃圧検出異常状態になったときに、高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を所定のベース値に設定した後、空燃比センサ24で検出した実空燃比と目標空燃比との差に応じて高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を補正するようにしたので、燃圧検出異常状態になったときに、まず、燃圧制御弁50の通電開始時期の補正を開始する際の通電開始時期の初期値を適正範囲内に設定してから、通電開始時期の補正を開始することができる。
尚、上記実施例では、空燃比センサ24で検出した実空燃比と目標空燃比との差に応じて高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を補正するようにしたが、これに限定されず、例えば、空燃比センサ24で検出した実空燃比と目標空燃比との差に基づいて算出される空燃比F/B補正量に応じて高圧ポンプ42の燃圧制御弁50の通電開始時期を補正するようにしても良い。
また、上記実施例では、排出ガスセンサとして、排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサを備えたシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、排出ガスセンサとして、排出ガスのリッチ/リーンを検出する酸素センサ(排出ガスの空燃比が理論空燃比に対してリッチかリーンかによって出力電圧が反転するセンサ)を備えたシステムに本発明を適用しても良い。この場合、例えば、燃圧検出異常状態になったときに、酸素センサの出力電圧(検出信号)が理論空燃比(目標空燃比)に相当する目標電圧よりもリッチ側の場合には、高圧ポンプの吐出量を減少させる方向(遅角方向)に高圧ポンプの燃圧制御弁の通電開始時期を補正し、酸素センサの出力電圧が理論空燃比に相当する目標電圧よりもリーン側の場合には、高圧ポンプの吐出量を増加させる方向(進角方向)に高圧ポンプの燃圧制御弁の通電開始時期を補正する。
また、上記実施例では、高圧ポンプの駆動信号として通電開始時期を制御することで高圧ポンプの吐出量を制御するシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、通電開始時期以外の他の駆動信号を制御することで高圧ポンプの吐出量を制御するシステムに本発明を適用しても良い。
その他、本発明は、高圧ポンプの構成や燃料供給システムの構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
11…エンジン(内燃機関)、21…燃料噴射弁、24…空燃比センサ(排出ガスセンサ)、30…ECU(補正手段)、42…高圧ポンプ、50…燃圧制御弁、58…燃圧センサ
Claims (5)
- 高圧ポンプ(42)から供給される燃料を筒内に直接噴射する筒内噴射式の内燃機関(11)に適用され、前記高圧ポンプ(42)から供給される燃料の圧力を検出する燃圧センサ(58)の検出信号に基づいて前記高圧ポンプ(42)の吐出量を制御する筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置において、
前記燃圧センサ(58)の検出信号が正常に入力されない状態(以下「燃圧検出異常状態」という)になったときに、前記内燃機関(11)の排出ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する排出ガスセンサ(24)の検出信号と目標空燃比との関係に基づいて前記高圧ポンプ(42)の駆動信号を補正する補正手段(30)を備えていることを特徴とする筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置。 - 前記排出ガスセンサ(24)として、前記排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサ(24)を備え、
前記補正手段(30)は、前記燃圧検出異常状態になったときに、前記空燃比センサ(24)で検出した実空燃比と前記目標空燃比との差に応じて前記高圧ポンプ(42)の駆動信号を補正することを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置。 - 前記補正手段(30)は、前記燃圧検出異常状態になったときに、前記排出ガスセンサ(24)の検出信号が前記目標空燃比よりもリッチ側の場合には、前記高圧ポンプ(42)の吐出量を減少させる方向に前記高圧ポンプ(42)の駆動信号を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置。
- 前記補正手段(30)は、前記燃圧検出異常状態になったときに、前記排出ガスセンサ(24)の検出信号が前記目標空燃比よりもリーン側の場合には、前記高圧ポンプ(42)の吐出量を増加させる方向に前記高圧ポンプ(42)の駆動信号を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置。
- 前記補正手段(30)は、前記燃圧検出異常状態になったときに、前記高圧ポンプ(42)の駆動信号を所定のベース信号に設定した後、前記排出ガスセンサ(24)の検出信号と前記目標空燃比との関係に基づいて前記高圧ポンプ(42)の駆動信号を補正することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置。
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