JP2000130234A - 筒内燃料噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

筒内燃料噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP2000130234A
JP2000130234A JP10302764A JP30276498A JP2000130234A JP 2000130234 A JP2000130234 A JP 2000130234A JP 10302764 A JP10302764 A JP 10302764A JP 30276498 A JP30276498 A JP 30276498A JP 2000130234 A JP2000130234 A JP 2000130234A
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fuel injection
fuel
pressure
pump
internal combustion
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Zenichiro Masuki
善一郎 益城
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Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高圧燃料ポンプによる燃料供給が低圧燃料ポン
プによる燃料供給に切り換えられる特殊運転時において
も燃料噴射量制御の制御精度を確保する。 【解決手段】燃料タンク80の燃料はフィードポンプ7
8から低圧燃料配管76を通じて高圧ポンプ74に供給
される。低圧燃料配管76の途中に設けられたプレッシ
ャレギュレータ82は高圧ポンプ74に供給される燃料
の圧力を所定のフィード圧に調圧する。高圧ポンプ74
は燃料を高圧に加圧し、その高圧燃料を高圧燃料配管7
2を通じてインジェクタ26が接続されたデリバリパイ
プ70に供給する。エンジン10の電子制御装置40は
高圧ポンプ74による燃料供給がフィードポンプ78に
よる燃料供給に切り替えられる特殊運転時に、通常運転
時とは異なる換算式に基づいて燃料噴射量から燃料噴射
時間を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は低圧燃料ポンプか
ら圧送される燃料を高圧燃料ポンプによって高圧に加圧
して燃料噴射弁に供給するとともに、同燃料噴射弁から
内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射するようにした筒内
燃料噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】こうした筒内燃料噴射式内燃機関の燃料
噴射装置において、燃料噴射弁の開弁時間、即ち燃料噴
射時間は一般に、 ・機関運転状態に基づいて燃料噴射量を決定した後、 ・予め定められた燃料噴射量と燃料噴射時間との関係に
基づいて燃料噴射量を燃料噴射時間に換算する、 といった手順に従って決定されている。
【0003】ここで、仮に燃料噴射時間を一定に設定し
ても、燃料噴射圧が高くなるほど燃料噴射弁の噴口から
流出する燃料の速度が増大するため、同燃料噴射弁から
実際に噴射される燃料の量も増大するようになる。
【0004】そこで、従来の燃料噴射制御装置にあって
は、こうした燃料噴射圧の大きさに基づく燃料噴射量の
変化を燃料噴射時間の設定に反映させるため、基準とな
る燃料噴射圧(基準燃料噴射圧)と実際の燃料噴射圧
(実燃料噴射圧)とに基づいて燃料噴射時間を設定する
ようにしている。
【0005】例えば、特開平5−99051号、特開平
5−214999号公報に記載される燃料噴射制御装置
等では、次式に基づいて燃料噴射時間を設定するように
している。 τ=Q・Kp ・Kpi・√(PM /Pr )−τ0 τ :燃料噴射時間 Q :燃料噴射量 PM :基準燃料噴射圧 Pr :実燃料噴射圧 Kp ,Kpi,τ0:各種補正係数 上式によれば、燃料噴射時間τは、実燃料噴射圧Pr が
基準燃料噴射圧PM と比較して低くなるほど相対的に長
く設定され、逆に実燃料噴射圧Pr が高くなるほど相対
的に短く設定されるようになるため、燃料噴射圧の変化
に応じた適切な燃料噴射時間が設定されることとなる。
【0006】また、筒内燃料噴射式内燃機関では、通常
は低圧燃料ポンプではなく高圧燃料ポンプによって燃料
噴射弁に対し燃料が供給されている。従って、上記基準
燃料噴射圧を設定する際には高圧燃料ポンプの燃料供給
が実行される通常運転時を想定し、同運転時における標
準的な燃料噴射圧(例えば「12MPa」)を同基準燃
料噴射圧として設定するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、筒内燃料噴
射式内燃機関では、故障等に起因して高圧燃料ポンプに
より燃料を加圧することができなくなった場合には、同
高圧燃料ポンプによる燃料供給を低圧燃料ポンプによる
燃料供給に切り替え、同低圧燃料ポンプの燃料供給圧に
基づいて燃料噴射制御を実行するようにしている(例え
ば、特開平9−32617号、特開平10−77892
号、特開平10−176587号公報)。
【0008】しかしながら、上記のように高圧燃料ポン
プによる燃料供給が低圧燃料ポンプによる燃料供給に切
り換えられる特殊運転時には、燃料噴射圧が低圧燃料ポ
ンプの燃料供給圧(例えば、「0.3MPa」)と略等
しくなり、上記燃料噴射時間を設定する際に想定してい
た燃料噴射圧、即ち基準燃料噴射圧と比較して著しく低
くなるため、燃料噴射量と燃料噴射時間との間の関係が
通常運転時におけるものと異なった特性を示すようにな
る。
【0009】従って、通常運転時を想定して定められた
燃料噴射量と燃料噴射時間との間の関係に基づいて、こ
うした特殊運転時における燃料噴射時間を設定したとし
ても、その燃料噴射時間を要求される燃料噴射量に正確
に適合させるのが困難となり、燃料噴射量制御における
精度の悪化も避けきれないものとなっていた。
【0010】この発明はこうした従来の実情に鑑みてな
されたものであり、その目的は高圧燃料ポンプによる燃
料供給が低圧燃料ポンプによる燃料供給に切り換えられ
る特殊運転時であっても燃料噴射量制御における所定の
制御精度を確保することのできる筒内燃料噴射式内燃機
関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明では、低圧燃料ポンプから
供給される燃料を高圧燃料ポンプにより高圧に加圧して
筒内噴射用の燃料噴射弁に供給するようにした筒内燃料
噴射式内燃機関に適用され、通常運転時には高圧燃料ポ
ンプにより加圧された燃料の圧力に基づいて燃料噴射弁
による燃料噴射を実行する一方で、特殊運転時には高圧
燃料ポンプの燃料加圧動作を停止して低圧燃料ポンプの
燃料供給圧に基づいて燃料噴射を実行する筒内燃料噴射
式内燃機関の燃料噴射制御装置において、通常運転時に
対応した第1の演算方式に基づいて燃料噴射量に対応し
た燃料噴射弁の燃料噴射時間を演算する第1の演算手段
と、特殊運転時に対応し第1の演算方式とは異なる第2
の演算方式に基づいて燃料噴射量に対応した燃料噴射時
間を演算する第2の演算手段と、燃料噴射時間の演算を
通常運転時には第1の演算手段による演算に、特殊運転
時には第2の演算手段による演算に切り換える切換手段
とを備えるようにしている。
【0012】上記構成によれば、燃料噴射時間を演算す
る際に通常運転時と特殊運転時とに応じたそれぞれ別の
演算方式を採用するようにしたため、特殊運転時であっ
ても燃料噴射量に正確に対応した燃料噴射時間を演算す
ることができるようになる。因みに、こうした演算方式
には、燃料噴射量を燃料噴射時間に換算するための各種
換算式を用いた演算の他、例えば、燃料噴射量と燃料噴
射時間との関係を予め定義したマップを用いた演算も含
まれる。
【0013】また、燃料噴射時間を演算する際の演算方
式を上記各運転時にそれぞれ対応したものとする具体的
な構成としては、請求項2に記載した発明のように、 ・第1の演算手段は燃料噴射弁の燃料噴射圧を高圧燃料
ポンプにより加圧される燃料の圧力としたときに対応す
る第1の換算式に基づいて燃料噴射量を燃料噴射時間に
換算するものであり、 ・第2の演算手段は燃料噴射圧を低圧燃料ポンプの燃料
供給圧としたときに対応し第1の換算式とは異なる第2
の換算式に基づいて燃料噴射量を燃料噴射時間に換算す
るものである、 といった構成を採用することができる。
【0014】こうした構成によれば、燃料噴射量と燃料
噴射時間との間の関係が燃料噴射圧の違いによって通常
運転時と特殊運転時との間で異なった特性を示す場合で
も、その特性の相異を上記各換算式に反映させることが
できる。従って、特殊運転時であっても燃料噴射量に正
確に対応した燃料噴射時間を演算することができるよう
になる。
【0015】更に、上記請求項1又は2に記載した構成
に加えて更に、請求項3に記載した発明のように、 ・特殊運転時には燃料噴射開始時期を吸気行程中に設定
するとともに、当該燃料噴射開始時期を通常運転時の吸
気行程中における燃料噴射開始時期よりも進角側の時期
に設定する燃料噴射時期設定手段 を更に備えるようにすれば、燃料噴射の実行可能な期間
が長く確保されるようになるため、特殊運転時であって
も要求される量の燃料を気筒内に確実に噴射することが
できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]以下、本発明
を具体化した実施形態について図1〜3を参照して説明
する。
【0017】図1は本実施形態における燃料噴射制御装
置の概略構成を示している。エンジン10はシリンダヘ
ッド11と、複数のシリンダ13(図1ではその一つを
示す)が形成されたシリンダブロック12とを備えてい
る。各シリンダ13内にはピストン14が往復動可能に
設けられており、このピストン14の頂面と、シリンダ
13の内壁面及びシリンダヘッド11の下面とによって
燃焼室16が区画形成されている。燃焼室16には吸気
通路30及び排気通路32が接続されており、これら各
通路30,32はシリンダヘッド11に支持された吸気
バルブ20及び排気バルブ22によって開放又は閉鎖さ
れる。
【0018】吸気通路30には燃焼室16に導入される
吸入空気の量を調節するためのスロットルバルブ31
が、排気通路32には排気を浄化するための触媒コンバ
ータ35がそれぞれ設けられている。
【0019】シリンダヘッド11には燃焼室16内に燃
料を直接噴射するインジェクタ26と、同燃焼室16内
の混合気に着火する点火プラグ24とが各シリンダ13
に対応してそれぞれ設けられている。インジェクタ26
には電磁弁26aが内蔵されており、この電磁弁26a
の開閉動作に基づいて燃料噴射量及び燃料噴射時期が調
節される。また、このインジェクタ26には、高圧ポン
プ74等を備えて構成される燃料供給装置により燃料が
供給されるようになっている。
【0020】以下、この燃料供給装置について説明す
る。燃料供給装置は、燃料タンク80内の燃料を吸引吐
出するフィードポンプ78、同フィードポンプ78と低
圧燃料配管76を介して接続された高圧ポンプ74、こ
の高圧ポンプ74と高圧燃料配管72を介して接続され
たデリバリパイプ70等を備えている。デリバリパイプ
70にはインジェクタ26がそれぞれ接続されている。
【0021】燃料タンク80の燃料はフィードポンプ7
8から低圧燃料配管76を通じて高圧ポンプ74に供給
される。こうして高圧ポンプ74に供給される燃料の圧
力は低圧燃料配管76の途中に設けられたプレッシャレ
ギュレータ82によって所定のフィード圧(「0.3M
Pa」)に調圧されている。
【0022】高圧ポンプ74は、排気バルブ22を開閉
する排気カムシャフト21によってプランジャ74aが
駆動されることにより、フィードポンプ78から供給さ
れる燃料を加圧室(図示略)にて高圧(「8〜13MP
a」)に加圧し、その高圧燃料を高圧燃料配管72を通
じてデリバリパイプ70に供給する。こうしてデリバリ
パイプ70に供給された燃料は各インジェクタ26に分
配供給される。
【0023】高圧ポンプ74にはデリバリパイプ70に
供給する燃料の量を調節する電磁制御弁75が設けられ
ている。この電磁制御弁75によって燃料供給量が調節
されることによりデリバリパイプ70内における燃料の
圧力(実燃料圧PREAL)、換言すればインジェクタ
26から噴射される燃料の噴射圧が所定の圧力値に調節
されるようになっている。
【0024】因みに、この電磁制御弁75が断線や短絡
等によって正常に動作しなくなった場合、同電磁制御弁
75はその内部に内蔵されているスプリングの付勢力に
よって開弁状態となり、低圧燃料配管76は高圧ポンプ
74の加圧室を介して高圧燃料配管72と常時連通され
るようになる。その結果、高圧ポンプ74の燃料加圧動
作は停止され、フィードポンプ78から高圧ポンプ74
に圧送された燃料は加圧されることなくデリバリパイプ
70に供給されるようになる。
【0025】インジェクタ26から噴射される燃料と吸
気バルブ20の開弁時に吸気通路30を通じて燃焼室1
6内に導入される吸入空気とにより形成される混合気
は、点火プラグ24によって着火されて燃焼する。こう
して燃焼した混合気は排気バルブ22の開弁時に燃焼室
16から排気として排気通路32に排出され、触媒コン
バータ35を通じて外部に排出される。
【0026】本実施形態におけるエンジン10では、そ
の燃焼形態が空燃比又は燃料噴射方式が異なる複数のモ
ードの間で切り換えるようになっている。 [成層燃焼] 燃焼形態として成層燃焼が選択される
と、燃料は圧縮行程に噴射されるようになる。従って、
点火プラグ24近傍の混合気は点火時において部分的に
点火可能なリッチな状態となる。また、混合気の平均的
な空燃比(A/F)は理論空燃比(A/F=14.5)
よりもリーン(A/F=25〜50)に設定される。
【0027】[弱成層燃焼] 燃焼形態として弱成層燃
焼が選択されると、燃料は吸気行程と圧縮行程との2回
に分割して噴射されるようになり、空燃比は理論空燃比
よりもリーン(A/F=20〜30)に設定される。ま
た、この弱成層燃焼では、一部の燃料が吸気行程におい
て噴射されるため、点火時における燃焼室16内の空燃
比の差は上記成層燃焼と比較して小さくなる。
【0028】[均質燃焼] 燃焼形態として均質燃焼が
選択されると、燃料は吸気行程で噴射されるようにな
る。この均質燃焼では、吸気行程で全ての燃料が噴射さ
れるため、点火時における燃焼室16内の空燃比は略均
一になる。また、その空燃比は運転状態に応じて理論空
燃比、リーン(A/F=15〜23)、及びリッチ(A
/F=11〜13)に適宜設定される。
【0029】エンジン10には、その運転状態を検出す
るためのセンサが各種設けられている。ピストン14の
往復動に伴って回転するクランクシャフト(図示略)と
同クランクシャフトと連動して回転する吸気カムシャフ
ト(図示略)の近傍には、クランクシャフトの回転速度
(機関回転数NE)とその回転角度(クランク角CA)
を検出するためのクランク角センサ51及びカム角セン
サ52がそれぞれ設けられている。
【0030】吸気通路30においてスロットルバルブ3
1の下流側には吸入空気の圧力(吸気圧PM)を検出す
る吸気圧センサ53が設けられている。また、スロット
ルバルブ31の近傍には運転者によって踏込操作される
アクセルペダル(図示略)にの踏込量(アクセル開度A
CCP)を算出するアクセルセンサ54が設けられてい
る。デリバリパイプ70にはその内部の燃料の圧力、即
ち実燃料圧PREALを検出する燃圧センサ55が設け
られている。
【0031】これら各種センサ51〜55の検出信号は
いずれもエンジン10の各種制御を実行するための電子
制御装置(以下、「ECU」と略記する)40に入力さ
れる。このECU40は各センサ51〜55からの検出
信号に基づいてインジェクタ26(電磁弁26a)や高
圧ポンプ74の電磁制御弁75、点火プラグ24の点火
時期を調節するイグナイタ(図示略)等を駆動すること
により、燃料噴射量、燃料噴射時期、燃料噴射圧に係る
制御や点火時期に係る制御等を実行する。ECU40は
こうした各種制御を実行するための制御プラグラムや関
数データが予め記憶されたメモリ42を備えている。
【0032】以下、ECU40によって実行される各種
制御のうち高圧ポンプ74の燃料供給量制御及び燃料噴
射に係る制御について図2及び図3に示すフローチャー
トを参照して説明する。ECU40はこれら各図のフロ
ーチャートに示す処理を所定のクランク角毎の割込処理
として実行する。
【0033】図2に示すフローチャートは高圧ポンプ7
4による燃料供給に係る制御の実行手順を示している。
このフローチャートに示すステップ100において、特
殊運転時か否か、換言すれば、高圧ポンプ74による燃
料供給を停止し、フィードポンプ78によってデリバリ
パイプ70に燃料を供給する必要があるか否かを判断す
る。
【0034】このステップ100において特殊運転時と
判断されるのは、(a)異物噛み込み等によって高圧ポ
ンプ74のプランジャ74aの往復動が正常に行われな
くなり、デリバリパイプ70内の実燃料圧PREALが
所定圧力値よりも低下しているとき、(b)高圧ポンプ
74の電磁制御弁75に断線や短絡等が発生して同電磁
制御弁75が正常に動作していないとき、(c)燃圧セ
ンサ55に断線や短絡等が発生し、その検出信号が異常
値を示しているとき、(d)エンジン10を始動させて
いるとき、等々のいずれかの条件に該当している場合が
挙げられる。
【0035】ここで、上記(a)〜(c)の条件に該当
する場合に、高圧ポンプ74による燃料供給をフィード
ポンプ78による燃料供給に切り替えるようにしている
のは、高圧ポンプ74による燃料加圧が実行不能か、或
いはその加圧圧力を制御することができないためであ
る。また、上記(d)に該当する場合、即ち機関始動時
においても燃料供給を切り替えるようにしているのは、
機関回転数が極めて低いため、高圧ポンプ74から十分
な燃料をデリバリパイプ70に供給することができない
からである。
【0036】ステップ100において通常運転時である
と判断した場合、ステップ130において高圧ポンプ7
4による燃料供給を実行する。即ち、ECU40は機関
回転数NE及び別途算出される燃料噴射量QINJとに
基づいて目標燃料圧PTRGを設定するとともに、この
目標燃料圧PTRGと実燃料圧PREALとに基づいて
電磁制御弁75を制御することにより、高圧ポンプ74
の燃料供給量を制御する。このように高圧ポンプ74の
燃料供給量が制御されることにより、実燃料圧PREA
L、即ち燃料噴射圧は「8〜13MPa」の範囲に調節
されるようになる。
【0037】一方、ステップ100において特殊運転時
であると判断した場合、ステップ110において高圧ポ
ンプ74による燃料供給をフィードポンプ78による燃
料供給に切り替える。即ち、ECU40は電磁制御弁7
5の通電制御を停止して同電磁制御弁75を常時、開弁
状態に保持することにより、高圧ポンプ74における燃
料加圧動作を停止する。尚、上記条件(b)のように電
磁制御弁75に断線や短絡等が発生している場合には、
上記ステップ110の処理が実行されなくとも、前述し
たように電磁制御弁75は開弁状態になり高圧ポンプ7
4の燃料加圧動作は停止される。このように高圧ポンプ
74による燃料加圧が停止されることにより、フィード
ポンプ78から高圧ポンプ74に圧送される燃料は加圧
されることなくデリバリパイプ70に供給され、燃料噴
射圧はフィードポンプ78のフィード圧と略等しい
「0.3MPa」近傍に調節されるようになる(実際に
は、燃料噴射圧はデリバリパイプ70から高圧ポンプ7
4への燃料の流れを規制するチェック弁(図示略)の開
弁圧をフィード圧から減じた圧力近傍に調整されるよう
になる)。
【0038】その後、ECU40は処理をステップ12
0に移行し、高圧ポンプ74による燃料供給がフィード
ポンプ78による燃料供給に切り替えられたことを示す
高圧ポンプ停止フラグXFPを「1」に設定する。ま
た、ステップ130の処理を実行した後は、ステップ1
40において、この高圧ポンプ停止フラグXFPを
「0」に設定する。これら各ステップ120,140の
処理を実行した後、ECU40は一連の処理を一旦終了
する。
【0039】次に、燃料噴射時間TAU及び燃料噴射時
期AINJの算出手順について説明する。本実施形態で
は、これら燃料噴射時間TAU及び燃料噴射時期AIN
Jの算出手順を上記高圧ポンプ停止フラグXFPに
「1」であるか否かに応じて切り替えるようにしてい
る。
【0040】図3に示すフローチャートは燃料噴射時間
TAUの算出手順を示している。まずステップ200に
おいて、ECU40は機関回転数NE及びアクセル開度
ACCP若しくは吸気圧PMに基づいて燃料噴射量QI
NJを算出する。
【0041】次にステップ210において高圧ポンプ停
止フラグXFPが「1」に設定されているか否かを判断
する。ここで高圧ポンプ停止フラグXFPが「1」に設
定されていないと判断した場合、即ち高圧ポンプ74に
よる燃料供給が実行されて燃料噴射圧が上記「8〜13
MPa」の範囲にある場合、ECU40は処理をステッ
プ230に移行する。
【0042】ステップ230においてECU40は上記
燃料噴射量QINJと等しい量の燃料を噴射するための
インジェクタ26の開弁時間、即ち燃料噴射時間TAU
を次の換算式に基づいて算出する。 TAU=QINJ・PAH・√(PST/PREAL)+PBH ・・・(1) ここで、上記換算式(1)中、「PAH」は燃料噴射量
QINJを燃料噴射時間TAUに換算するための換算係
数であり、実燃料圧PREALが「8〜13MPa」の
範囲にある基準燃料圧PSTになっているときの両者Q
INJ,TAUの関係に対応して設定されている。尚、
本実施形態では、上記基準燃料圧PSTを「12MP
a」に設定している。
【0043】また、「√(PST/PREAL)」は、
実燃料圧PREALが機関運転状態に応じて「8〜13
MPa」の範囲で変化し、上記基準燃料圧PST(「1
2MPa」)からずれた場合に、そのずれによる燃料噴
射時間TAUの変化を補正するための補正係数である。
【0044】例えば、実燃料圧PREALが基準燃料圧
PSTよりも低い場合には、上記補正係数√(PST/
PREAL)が「1」よりも大きく設定されるため、燃
料噴射時間TAUは相対的に長くなるように補正され、
逆に実燃料圧PREALが基準燃料圧PSTよりも高い
場合には、上記補正係数√(PST/PREAL)が
「1」よりも小さく設定されるため、燃料噴射時間TA
Uは相対的に短くなるように補正される。また、実燃料
圧PREALが基準燃料圧PSTと等しい「12MP
a」であれば、上記補正係数√(PST/PREAL)
は「1」に設定されるため、実燃料圧PREALに基づ
く補正は実質的に行われない。
【0045】更に換算式(1)中、「PBH」は、イン
ジェクタ26に開弁信号が出力されてから同インジェク
タ26が実際に開弁して燃料噴射が開始されるまでの時
間、いわゆる無効噴射時間に応じて燃料噴射時間TAU
を補正するための補正項であり、燃料噴射圧を「12M
Pa」としたときの無効噴射時間と等しくなるように設
定されている。
【0046】この無効噴射時間は、同インジェクタ26
に内蔵されているリードバルブ(図示略)の慣性や電磁
弁26aに発生するバルブ駆動力等々に応じて予め設定
することができる。また、この無効噴射時間は燃料噴射
圧が高い場合には上記リードバルブが動き難くなること
から増大する傾向があり、逆に燃料噴射圧が低い場合に
は減少する傾向があるものの、通常は燃料噴射時間TA
Uを算出するうえで、こうした燃料噴射圧の変動による
影響は殆どないものとみなすことができる。
【0047】しかしながら、燃料噴射圧が通常運転時よ
りも極めて低くなる特殊運転時にあっても正確な燃料噴
射時間TAUを算出しようとすると、こうした燃料噴射
圧の変動による無効噴射時間の変化も無視できないもの
となる。そこで、本実施形態ではこうした燃料噴射圧の
変動による無効噴射時間の変化を考慮するために、こう
した補正項を導入し、この補正項を通常運転時と特殊運
転時とで切り替えるようにしている。
【0048】上記のように換算係数PAH及び補正項P
BHが設定されることにより、換算式(1)は、燃料噴
射圧(実燃料圧PREAL)が高圧ポンプ74により加
圧される燃料の圧力(「8〜13MPa」)の範囲にあ
る通常運転時に対応するものとなっている。
【0049】一方、上記ステップ210において高圧ポ
ンプ停止フラグXFPが「1」に設定されていると判断
した場合、即ち高圧ポンプ74による燃料供給がフィー
ドポンプ78による燃料供給に切り替えられて、燃料噴
射圧が略「0.3MPa」、例えば、実燃料圧PREA
Lが「0.2MPa」になっている場合、ECU40は
処理をステップ220に移行する。
【0050】ステップ220においてECU40は燃料
噴射時間TAUを次の換算式に基づいて算出する。 TAU=QINJ・PAL+PBL ・・・(2) 上式において、「PAL」は燃料噴射量QINJを燃料
噴射時間TAUに換算するための換算係数であり、実燃
料圧PREALが「0.2MPa」になっているときの
両者QINJ,TAUの関係に基づいて設定されてい
る。尚、この換算係数PALと、上記換算係数PAH及
び補正係数√(PST/PREAL)との間には以下の
関係式が常に成立している。 PAL≠PAH・√(PST/PREAL) ・・・(3) PREAL =0.2(MPa) ・・・(4) 上式(3),(4)から明らかなように、式(2)中に
おける換算係数PALは、式(1)中において、燃料噴
射量QINJに乗ぜられる係数(PAH・√(PST/
PREAL))の実燃料圧PREALに「0.2MP
a」を単に代入したものとはなっていない。即ち、燃料
噴射圧が高圧(「8〜13MPa」)であることを想定
して設定されている式(1)によって低圧(「0.2M
Pa」)時の燃料噴射時間TAUを算出したとしても、
燃料噴射量QINJに適合する正確な燃料噴射時間TA
Uを算出することができないためである。このため、本
実施形態では低圧時に対応した換算式(2)を上記換算
式(1)とは別途設定するようにしているのである。
【0051】また、換算式(2)中、「PBL」は上記
換算式(1)中における補正項PBHと同様、無効噴射
時間に応じて燃料噴射時間TAUを補正するための補正
項である。但し、この換算式(2)中における補正項P
BLは燃料噴射圧を「0.2MPa」としたときの無効
噴射時間と等しくなるように設定されており、上記補正
項PBHよりも小さい値に設定されている。特殊運転時
にあっては燃料噴射圧が通常運転時と比較して低く、無
効噴射時間が通常運転時よりも短くなる傾向があるから
である。
【0052】上記のように換算係数PAL及び補正項P
BLが設定されることにより、上記換算式(2)は、燃
料噴射圧(実燃料圧PREAL)がフィードポンプ78
のフィード圧(「0.3MPa」)にある特殊運転時に
対応するものとなっている。
【0053】上記ステップ220,230の処理を実行
した後、ECU40は一連の処理を一旦終了する。以上
説明したように、本実施形態に係る燃料噴射制御装置で
は、通常運転時と特殊運転時とに応じて演算方式を切り
替え、各運転時に対応した換算式(1),(2)を用い
て燃料噴射時間TAUを算出するようにしている。従っ
て、燃料噴射量QINJと燃料噴射時間TAUとの間の
関係が燃料噴射圧の違いによって通常運転時と特殊運転
時との間で異なった特性を示す場合でも、その特性の相
異を上記各換算式(1),(2)、更に詳しくは各換算
係数PAH,PAL及び補正項PBH,PBLに反映さ
せることができる。
【0054】その結果、本実施形態によれば、(1)通
常運転時のみならず、特殊運転時であっても燃料噴射量
QINJに正確に対応した燃料噴射時間TAUを演算す
ることができるようになり、燃料噴射量制御における所
定の制御精度を確保することができる。
【0055】更に、本実施形態では、無効噴射時間に応
じて燃料噴射時間TAUを補正するための補正項PB
H,PBLを含むように上記各換算式(1),(2)を
設定している。このため、インジェクタ26の無効噴射
時間が燃料噴射圧の違いによって通常運転時と特殊運転
時との間で異なる場合でも、その相異を上記各補正項P
BH,PBLにより適正に補正して燃料噴射時間TAU
を算出することができるようになる。
【0056】従って、本実施形態によれば、(2)燃料
噴射圧の違いによる無効噴射時間の変化をも燃料噴射時
間TAUの演算に反映させることができるようになり、
燃料噴射量QINJに更に正確に対応した燃料噴射時間
を算出して燃料噴射量制御における制御精度を向上させ
ることができるようになる。
【0057】[第2の実施形態]次に、本発明の第2の
実施形態について上記第1の実施形態との相違点を中心
に説明する。尚、上記第1の実施形態と同等の構成につ
いては説明を省略する。
【0058】前述したような特殊運転時にあっては、燃
料噴射の実行可能な期間が通常運転時と比較して制限さ
れるようになる。特殊運転時には通常運転時よりも燃料
噴射圧が極めて低くなるため、圧縮行程後期のように燃
焼室16内の内圧が高くなる期間は燃料を燃焼室16内
に噴射することが困難になるからである。更に、特殊運
転時には燃料噴射圧が低くなるため、燃料噴射量QIN
Jが通常運転時と同量であっても燃料噴射時間TAUを
通常運転時よりも長く設定する必要がある。
【0059】従って、特殊運転時において機関回転数N
Eの上昇に伴い燃料噴射の実行可能な期間が短くなる
と、上記のように演算された燃料噴射時間TAUに基づ
いてインジェクタ26を開弁させたとしても、要求され
る量の燃料を燃焼室16内に噴射させることが困難にな
るおそれがある。そして仮に、所定量の燃料を噴射させ
ることができなくなると、燃焼室16内における混合気
の空燃比がリーンになって失火の発生を招くこととな
る。更にこうした失火が発生すると、触媒コンバータ3
5付近で未燃焼ガスが燃焼することに起因した同触媒コ
ンバータ35の過熱を誘発するおそれもある。
【0060】そこで、本実施形態ではこうした失火の発
生を回避するために、通常運転時と特殊運転時とでは燃
料噴射時期(インジェクタ26による燃料噴射が開始さ
れる時期)を変更するようにしている。以下、こうした
燃料噴射時期の設定手順について図4に示すフローチャ
ートを参照して説明する。
【0061】ECU40は、ステップ300において、
高圧ポンプ停止フラグXFPが「1」に設定されている
か否かを判断する。ここで高圧ポンプ停止フラグXFP
が「1」ではないと判断した場合、高圧ポンプ74によ
る燃料供給が実行されており、燃料噴射圧が高圧(「8
〜13MPa」)であるため、ECU40は処理をステ
ップ330に移行する。そして、ステップ330におい
て、前述した燃焼モード、機関回転数NE及び燃料噴射
量QINJに基づいて燃料噴射時期AINJを設定す
る。
【0062】例えば、燃焼モードとして上記「成層燃
焼」が選択されていると、燃料噴射時期AINJは圧縮
行程中において機関回転数NE及び燃料噴射量QINJ
に応じた時期に設定される。また、燃焼モードとして
「均質燃焼」が選択されていると、燃料噴射時期AIN
Jは吸気行程中において機関回転数NE及び燃料噴射量
QINJに応じた時期に設定される。更に、燃焼モード
として「弱成層燃焼」が選択されている場合には、燃料
噴射時期AINJは吸気行程及び圧縮行程中のそれぞれ
において機関回転数NE及び燃料噴射量QINJに応じ
た各時期に設定される。
【0063】因みに、ECU40のメモリ42には、こ
うした機関回転数NE及び燃料噴射量QINJと燃料噴
射時期AINJとの関係が各燃焼モードに対応した関数
マップとして記憶されており、ECU40はこの各関数
マップを参照して燃料噴射時期AINJを算出する。
【0064】一方、ステップ300において高圧ポンプ
停止フラグXFPが「1」であると判断した場合、ステ
ップ310においてECU40は上記各関数マップのう
ち、均質燃焼に対応したマップを参照することにより、
機関回転数NE及び燃料噴射量QINJに対応した燃料
噴射時期AINJを算出する。
【0065】そして、ステップ320において、この燃
料噴射時期AINJに所定値αを加算し、その加算後の
値(AINJ+α)を新たな燃料噴射時期AINJとし
て設定する。
【0066】従って、こうしたステップ310,320
の処理により、特殊運転時には燃焼モードが強制的に
「均質燃焼」に設定されるとともに、この燃焼モードの
設定に応じて燃料噴射時期AINJも吸気行程に設定さ
れる。そして更に、燃料噴射時期AINJは、通常運転
時において燃焼モードが「均質燃焼」に設定されている
ときよりも更に所定値αだけ進角側の時期に設定される
こととなる。
【0067】こうしてステップ330,320において
燃料噴射時期AINJを設定した後、ECU40は一連
の処理を一旦終了する。以上説明したように、本実施形
態の燃料噴射制御装置では、特殊運転時に、燃料噴射時
期AINJを吸気行程中に設定するとともに通常運転時
における吸気行程中の噴射時期よりも所定値αだけ進角
側の時期に設定するようにしているため、燃料噴射が開
始されてから燃焼室16の内圧上昇によって噴射できな
くなるまでの期間が長く確保されるようになる。
【0068】従って、本実施形態によれば、(3)特殊
運転時であっても要求される量の燃料を燃焼室16内に
確実に噴射するとができるようになり、例えば失火の発
生やその失火に起因した触媒の過熱を回避することがで
きるようになる。
【0069】以上説明した各実施形態は以下のように構
成を変更して実施することもできる。 ・上記各実施形態において、高圧ポンプ停止フラグXF
Pが「1」にあるときに燃料噴射時間TAUや燃料噴射
時期AINJの演算方式を切り替えるようにしたが、例
えば実燃料圧PREALが所定値P0以下になったとき
に、この演算方式を切り替えるようにしてもよい。
【0070】例えば、特殊運転時であると判断された場
合であっても、実燃料圧PREALが実際にフィードポ
ンプ78のフィード圧にまで低下するのに所定の時間を
要する場合(例えば、上記条件(b)が満たされること
により特殊運転時にあると判断された場合)がある。従
って、高圧ポンプ停止フラグXFPが「1」であると判
断されると同時に、燃料噴射時間TAUの演算方式を切
り替えるようにすると、特殊運転時の初期において実燃
料圧PREALが未だ高圧であるにも拘わらず同実燃料
圧PREALがフィード圧であるものとして燃料噴射時
間TAUや燃料噴射時期AINJが算出されてしまうこ
ととなる。
【0071】この点、上記のように構成すれば、実燃料
圧PREALが実際にフィード圧近傍にまで低下した後
に、燃料噴射時間TAUや燃料噴射時期AINJの演算
方式が切り替えられるようになるため、特殊運転時の初
期であっても適正な燃料噴射時間TAUや燃料噴射時期
AINJを算出することができるようになる。
【0072】・上記各実施形態では特殊運転時であると
判断する条件として上記(a)〜(d)を挙げるように
したが、例えばこれら(a)〜(d)の一つのみをその
条件とするようにしてもよい。
【0073】・上記第1の実施形態では通常運転時と特
殊運転時との間で上記各換算式(1),(2)を切り替
えることにより燃料噴射量QINJを燃料噴射時間TA
Uに換算するようにしたが、通常運転時及び特殊運転時
に対応して、燃料噴射量QINJを燃料噴射時間TAU
に変換するための関数マップをそれぞれ用意するととも
に、この関数マップを通常運転時と特殊運転時との間で
切り替えるようにしてよい。
【0074】・第2の実施形態において高圧ポンプ停止
フラグXFPが「1」であると判断した場合、即ち特殊
運転時と判断した場合に、燃料噴射時期AINJを通常
運転時における噴射時期によりも所定値αだけ進角させ
るようにしたが、例えば、この特殊運転時の燃料噴射時
期AINJを、通常運転時における最進角時期よりも更
に進角側の時期に固定するようにしてもよい。また、上
記所定値αを機関回転数NEに応じて変化させるように
してもよい。
【0075】・上記各実施形態では上記換算式(1)
中、換算係数PAHや補正項PBHを燃料噴射圧を基準
燃料圧PST(「12MPa」)としたときに対応する
一定値に設定するようにしたが、これら換算係数PAH
や補正項PBHを実燃料圧PREALの関数として設定
するようにしてもよい。
【0076】・上記各実施形態では無効噴射時間による
燃料噴射時間TAUの変化を補正するために、上記各補
正項PBH,PBLを各運転時に対応させて異なる値に
設定するようにしたが、これら各補正項PBH,PBL
を燃料噴射圧とは無関係に一定値に設定することも可能
である。
【0077】・上記各実施形態では高圧ポンプ74とし
て排気カムシャフト21により駆動させるポンプを採用
するようにしたが、例えば吸気カムシャフトやクランク
シャフトによって駆動されるものや、別途電動モータ等
の駆動源によって駆動されるポンプを採用することもで
きる。
【0078】以下、上記各実施形態から把握できる技術
的思想についてその効果とともに記載する。 (イ)請求項2に記載した筒内燃料噴射式内燃機関の燃
料噴射制御装置において、前記第1の演算手段は前記第
1の換算式中に前記燃料噴射弁の無効噴射時間に関する
補正項を含み、当該補正項に基づいて前記燃料噴射時間
を補正するものである、前記第2の演算手段は前記第2
の換算式中に前記無効噴射時間に関する補正項を含み、
当該補正項に基づいて前記燃料噴射時間を補正するもの
である、ことを特徴とする筒内燃料噴射式内燃機関の燃
料噴射制御装置。
【0079】上記構成によれば、燃料噴射弁の無効噴射
時間が燃料噴射圧の違いにより通常運転時と特殊運転時
との間で異なる場合でも、その相異を上記各補正項によ
り補正して燃料噴射時間を演算することができる。従っ
て、特殊運転時であっても燃料噴射量に正確に対応した
燃料噴射時間を演算することができ、燃料噴射量制御に
おける制御精度を更に向上させることができるようにな
る。
【0080】(ロ)請求項1乃至3のいずれかに記載し
た筒内燃料噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置におい
て、前記特殊運転時は前記高圧燃料ポンプにおける所定
の燃料加圧力が確保できないときであることを特徴とす
る筒内燃料噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置。
【0081】(ハ)上記(ロ)に記載した筒内燃料噴射
式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記特殊運転
時は前記高圧燃料ポンプの異常時であることを特徴とす
る筒内燃料噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置。
【0082】(ニ)上記(ロ)に記載した筒内燃料噴射
式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記特殊運転
時は機関始動時であることを特徴とする筒内燃料噴射式
内燃機関の燃料噴射制御装置。
【0083】上記(ロ)〜(ハ)に記載した構成によれ
ば、高圧燃料ポンプの異常時や機関始動時のように高圧
燃料ポンプにおける所定の燃料加圧力が確保できないと
きであっても、燃料噴射量に正確に対応した燃料噴射時
間を演算することができるようになる。特に、上記
(ニ)に記載した構成によれば、燃料噴射量に適合しな
い燃料噴射時間に基づいて燃料噴射が実行されることに
起因した始動性の悪化を抑制することができるようにな
る。
【0084】
【発明の効果】請求項1乃至3に記載した発明によれ
ば、燃料噴射時間を演算する際に通常運転時と特殊運転
時とに応じたそれぞれ別の演算方式を採用するようにし
たため、特殊運転時であっても燃料噴射量に正確に対応
した燃料噴射時間を演算することができ、燃料噴射量制
御における所定の制御精度を確保することができるよう
になる。
【0085】特に、請求項3に記載した発明によれば、
燃料噴射が開始されてから気筒の内圧上昇により燃料が
噴射できなるまでの期間が長く確保されるようになるた
め、特殊運転時であっても要求される量の燃料を気筒内
に確実に噴射することができる。その結果、例えば失火
の発生やそれに起因した触媒の過熱を回避することがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の燃料噴射制御装置を示す概略構成
図。
【図2】高圧ポンプによる燃料供給制御の実行手順を示
すフローチャート。
【図3】燃料噴射時間の算出手順を示すフローチャー
ト。
【図4】燃料噴射時期の算出手順を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
10…エンジン、11…シリンダヘッド、12…シリン
ダブロック、13…シリンダ、14…ピストン、16…
燃焼室、20…吸気バルブ、21…排気カムシャフト、
22…排気バルブ、24…点火プラグ、26…インジェ
クタ、26a…電磁弁、30…吸気通路、31…スロッ
トルバルブ、32…排気通路、35…触媒コンバータ、
40…ECU、42…メモリ、51…クランク角セン
サ、52…カム角センサ、53…吸気圧センサ、54…
アクセルセンサ、55…燃圧センサ、70…デリバリパ
イプ、72…高圧燃料配管、74…高圧ポンプ、74a
…プランジャ、75…電磁制御弁、76…低圧燃料配
管、78…フィードポンプ、80…燃料タンク、82…
プレッシャレギュレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 345 F02D 45/00 345K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低圧燃料ポンプから供給される燃料を高
    圧燃料ポンプにより高圧に加圧して筒内噴射用の燃料噴
    射弁に供給するようにした筒内燃料噴射式内燃機関に適
    用され、通常運転時には前記高圧燃料ポンプにより加圧
    された燃料の圧力に基づいて前記燃料噴射弁による燃料
    噴射を実行する一方で、特殊運転時には前記高圧燃料ポ
    ンプの燃料加圧動作を停止して前記低圧燃料ポンプの燃
    料供給圧に基づいて燃料噴射を実行する筒内燃料噴射式
    内燃機関の燃料噴射制御装置において、 前記通常運転時に対応した第1の演算方式に基づいて燃
    料噴射量に対応した前記燃料噴射弁の燃料噴射時間を演
    算する第1の演算手段と、 前記特殊運転時に対応し前記第1の演算方式とは異なる
    第2の演算方式に基づいて燃料噴射量に対応した前記燃
    料噴射時間を演算する第2の演算手段と、 前記燃料噴射時間の演算を前記通常運転時には第1の演
    算手段による演算に、前記特殊運転時には第2の演算手
    段による演算に切り換える切換手段とを備えることを特
    徴とする筒内燃料噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した筒内燃料噴射式内燃
    機関の燃料噴射制御装置において、 前記第1の演算手段は前記燃料噴射弁の燃料噴射圧を前
    記高圧燃料ポンプにより加圧される燃料の圧力としたと
    きに対応する第1の換算式に基づいて前記燃料噴射量を
    前記燃料噴射時間に換算するものであり、 前記第2の演算手段は前記燃料噴射圧を前記低圧燃料ポ
    ンプの燃料供給圧としたときに対応し前記第1の換算式
    とは異なる第2の換算式に基づいて前記燃料噴射量を前
    記燃料噴射時間に換算するものである、 ことを特徴とする筒内燃料噴射式内燃機関の燃料噴射制
    御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載した筒内燃料噴射
    式内燃機関の燃料噴射制御装置において、 前記特殊運転時には燃料噴射開始時期を吸気行程中に設
    定するとともに、当該燃料噴射開始時期を前記通常運転
    時の吸気行程中における燃料噴射開始時期よりも進角側
    の時期に設定する燃料噴射時期設定手段を更に備えるこ
    とを特徴とする筒内燃料噴射式内燃機関の燃料噴射制御
    装置。
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