JP2008038732A - 内燃機関の燃料制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、始動後にエンジンの運転状態が変化しても常に混合気を適切な空燃比に制御して未燃ガスの排出防止、回転落ちを防止することである。
【解決手段】内燃機関の燃料制御装置は、各気筒の吸気ポートまたは各気筒内に設けられる燃料噴射弁と、内燃機関の回転数と吸入空気量に基づいて基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量算出部と点火サイクルごとの回転変動量を算出する回転変動量算出手段と、前記回転変動量が所定のしきい値を超えたときに、前記燃料噴射弁4の基本燃料噴射量を所定の増量率で補正する噴射量補正手段と、を備えている。前記噴射量補正手段は、内燃機関の吸気管圧力、吸入空気量、点火時期のいずれかに応じて前記増量率を変更することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

内燃機関から排気される排気ガスの悪化を招くことがないように燃料噴射を制御する燃料制御装置に関する。
内燃機関の燃料の蒸発特性にはばらつきがあり、冷機始動時に蒸発しにくい重質ガソリンで始動すると、吸気ポート壁面や吸気バルブに燃料が多く付着することによりシリンダ内の混合気がリーン化し、燃焼状態が悪化して未燃ガスの排出量が増加したり、エンジンの回転変動が発生する。また、冷機始動後の数十秒間は酸素濃度センサが活性化せず、空燃比を検出して燃料噴射量を制御することができない。
そこで、爆発行程を含む所定角度範囲におけるクランク角速度を気筒毎に計測し、気筒間のクランク角速度変化量のクランク角速度に対する割合である回転変動率を求め、この回転変動率が所定の基準を超えたときに燃焼が悪化したことを判定する燃焼状態を判定する技術が特許文献1で開示されている。
特開2000−8941号公報
特許文献1にはエンジンの回転変動によって燃焼状態を判定することが開示されており、エンジンの回転変動率と空燃比との関係を調べると、図9に示すように一般に混合気の空燃比が適性空燃比を超えてリーン化すると燃焼状態が悪化し、トルク変動が増加することにより回転変動率が増加している。
空燃比と回転変動率には図9に示されるような相関関係があるので、回転変動率を計測すればシリンダ内の空燃比を推定できる。そこで、冷機始動後において図10に示される、目標空燃比になるように燃料を増量する燃料増量率と回転変動率との関係に基づき、計測された回転変動率に応じて燃料噴射量の増量補正を実施すれば空燃比のリーン化を抑制できることが考えられる。しかし、これによってある程度は空燃比のリーン化を抑制することができるが、混合気がリーン化して燃焼状態が悪化して未燃ガスを排出したり、エンジンの回転数が落ちを生ずることがあり、満足できるほど空燃比のリーン化を抑制できるものではなかった。
そこで、発明者らは、種々の実験結果を検討し、空燃比に対する回転変動率の特性はエンジンの充填効率(シリンダ流入空気量)の違いにより変化し、図11に示すように充填効率が小さい場合の回転変動率に比べて充填効率が大きい場合には回転変動率が減少することを知得した。
一般に、始動後のアイドリング状態においては、エンジン回転を一定に保つように制御されるので充填効率は点火時期の変化やエンジンの負荷状態、例えばエアコン等の補機の作動等により変動する。
充填効率が大きいときには圧縮時のシリンダ内温度が上昇し着火性の向上によりトルク変動が減少すると考えられるが、始動後のアイドリング状態での充填効率の上昇の範囲では燃焼状態はさほど改善されず、充填効率が大きい状態でもある程度以上空燃比がリーンになると、回転変動が平均的にはさほど増加しないにもかかわらず、一部の爆発行程で燃焼状態が著しく悪化する場合があることがわかった。このような場合では未燃ガスの排出量が増加してしまう。
充填効率が大きいときにリーン化した場合にはこのような突発的な燃焼状態の悪化が生ずるため、燃焼悪化を未然に防ぐには燃焼状態が悪化しない空燃比の範囲に常に制御することが必要となる。
しかし、前述したように、空燃比に対する回転変動率の特性は、充填効率により変化しており、図11に示すように、回転変動率v1において、充填効率が小さい場合には空燃比α1であるが、充填効率が大きい場合には空燃比α2と充填効率が小さい場合よりリーンとなっている。このことは、空燃比α1において充填効率が小さい場合では回転変動率v1であるが、充填効率が大きい場合では回転変動率v2と充填効率が小さい場合より回転変動率が小さくなっている。したがって、回転変動率に応じて一律に燃料増量するよう制御すると、空燃比の推定誤差(図4のΔA/F)を生じることになる。このため回転変動率により燃料噴射量の補正を実施すると空燃比の制御誤差を生ずることとなる。すなわち充填効率の大きいときには燃料増量が不足してオーバーリーンとなり、燃焼状態が悪化して未燃ガスの排出量が増加してしまう。
本発明は、上記のような知見に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関の燃料制御装置において、始動後にエンジンの運転状態が変化しても常に混合気を適切な空燃比に制御して未燃ガスの排出を防止し、回転落ちが生じるのを防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の内燃機関の燃料制御装置は、各気筒の吸気ポートまたは各気筒内に設けられる燃料噴射弁と、内燃機関の回転数と吸入空気量に基づいて基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量算出部と、点火サイクルごとの回転変動量を算出する回転変動量算出手段と、前記回転変動量が所定のしきい値を超えたときに、前記基本燃料噴射量を所定の増量率で補正する噴射量補正手段と、を備え、前記噴射量補正手段は内燃機関の吸気管圧力、吸入空気量、点火時期のいずれかに応じて前記増量率を変更することを特徴としている。
本発明は、内燃機関の回転数と吸入空気量に基づいて算出された基本燃料噴射量を、酸素濃度センサによらずエンジンの回転変動量によって補正することができ、しかも、基本燃料噴射量をエンジンの回転変動量に応じた増量率で補正するときに、前記増量率を、内燃機関の吸気管圧力、吸入空気量、点火時期のいずれかに応じて変更し、運転状態によって燃料噴射量を補正しているので、始動後にエンジンの運転状態が変化しても常に混合気を適切な空燃比に制御して未燃ガスの排出を防止し、回転落ちが生じるのを防止できる。
また、本発明の内燃機関の燃料制御装置における噴射量補正手段は、内燃機関の吸気管圧力または吸入空気量が増加するにしたがって、前記増量率を大きくすることを特徴としている。
また、本発明の内燃機関の燃料制御装置における噴射量補正手段は、内燃機関の点火時期がリタード方向に変化するにしたがって、前記増量率を大きくすることを特徴としている。
さらに、本発明の内燃機関の燃料制御装置における噴射量補正手段は、冷機始動時に基本燃料噴射量を補正することを特徴としており、酸素濃度センサが活性化してないときにも混合気を適切な空燃比に制御して未燃ガスの排出を防止し、回転落ちが生じるのを防止できる。
さらに、本発明の内燃機関の燃料制御装置における噴射量補正手段は、吸気管圧力による燃料の気化率低下を補正することを特徴としており、混合気を一層適切な空燃比に制御して未燃ガスの排出を防止し、回転落ちが生じるのを防止できる。
本発明によれば、内燃機関の回転数と吸入空気量に基づいて算出された基本燃料噴射量を、酸素濃度センサによらずエンジンの回転変動量に応じて補正することができ、しかも、運転状態が変わってエンジンの充填効率の変動や燃料気化率の変動があっても、常に適正な空燃比に制御することができ、空燃比がリーンになるのを防止し未燃ガスの排出や回転落ちを防止することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の燃料制御装置が適用されるエンジンのシステム構成図である。吸気管1には、吸入空気量を検出するための吸気管圧力センサ9、およびエンジンの吸入空気量を制御するためのスロットル弁2が設けられている。
各シリンダ14に導入される空気は、吸気管1から取り入れられ、吸気流量を制御するスロットル弁2を通過し、インテークマニホールド3、吸気ポート6、吸気弁5を経てシリンダ14に導入される。吸気ポート6には燃料噴射弁であるインジェクタ4が設けられており、インジェクタ4は吸気弁5に向けて燃料を噴射する。
エンジンのクランク軸7にはクランク角度検出用プレート25が取り付けられ、クランク角度センサ8が設けられている。また、クランク軸7にはベルト30を介してエアコン用コンプレッサ31などの補機が接続されている。
10は、高電圧化された点火信号によりは点火プラグ11に着火させる点火コイルであり、17はエンジン冷却水温を計測する冷却水温センサである。エンジンの排気管12には排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ16が配置されている。
コントローラ(制御装置)20には、CPU21、および制御プログラムと制御用データが記憶される読み出し専用メモリ(ROM)22、制御用変数等が記憶される書き込み可能なメモリ(RAM)23、および入出力回路24が設けられている。コントローラ(制御装置)20には、クランク角度センサ8、吸気管圧力センサ9、酸素濃度センサ16、冷却水温センサ17から出力される信号が入出力回路24を介して入力され、インジェクタ4、点火コイル10、スロットル弁2等に制御信号を出力する。コントローラ20は、燃料噴射制御、点火時期制御等を実行するものであり、本実施形態では後記するエンジン回転変動量を算出する回転変動量算出手段がある。コントローラ20の燃料噴射制御においては、吸気管圧力センサ9等から求めた吸入空気量と内燃機関の回転数とに基づいて基本燃料噴射量算出部で基本燃料噴射量を算出し、基本噴射パルス幅を算出している。そして、酸素濃度センサ16の出力信号に基づいて基本噴射パルス幅を補正するするとともに、エンジン冷却水温を計測する冷却水温センサ17の出力信号に基づいて前記基本噴射パルス幅を補正することにより基本燃料噴射量を補正している。
次に、本発明の燃料制御装置における冷機始動時の燃料制御について説明する。コントローラ(制御装置)20の基本燃料噴射量算出部で吸気管圧力センサ9等から求めた吸入空気量と内燃機関の回転数とに基づいて基本燃料噴射量を算出する。また、コントローラ20にある回転変動量算出手段でエンジン回転変動量を算出する。ここで、回転変動量は、クランク角度センサ8の信号により爆発行程を含む所定のクランク角度間を変位する時間を測定することにより気筒毎のクランク角速度を求め、クランク角速度の気筒間での変化量を求めた後、一回の気筒間変化量のみではばらつきが大きいため、0.5秒間におけるクランク角速度の気筒間変化量と所定のしきい値Q2との差を積算して求めている。
本発明では、この基本燃料噴射量に対して回転変動量に応じた燃料増量率によって燃料増量を実施するが、図2に示すように充填効率の変化により回転変動量と燃料増量率との関係が変わるので、本発明では、これに対応するために、充填効率を吸気管圧力センサ9により検出し、充填効率によって燃料増量率を変更するようにしている。これにより、回転変動量が同じであっても、充填効率が大きいときは、充填効率が小さいときに比べ燃料増量率を大きくするようにしており、運転状態が変わって充填効率が変化した場合でも常に適正な空燃比になるように燃料を制御することができる。
この実施形態では、燃料増量率を充填効率により補正しているが、燃料増量率を充填効率により補正する代わりに、算出した回転変動量を充填効率により補正するようにしても良い。この場合でも、燃料増量率を充填効率により補正すると同様に、充填効率が大きいときは充填効率が小さいときに比べ燃料増量率が大きくなるように制御される。
図3には、エンジン始動後のエンジン回転数、空燃比、回転変動量等が示されており、これにより本発明の燃料制御装置における噴射燃料の制御動作について説明する。図3では、冷機始動後にエアコンが作動し、コンプレッサの負荷によってエンジンの充填効率が上昇した場合の本発明の燃料制御装置における噴射燃料の制御動作の例である。
エアコンが非作動時に、空燃比がリーン化して回転変動量が所定のしきい値Q1を超えて増加すると、回転変動量に応じた基本燃料増量率が、例えば、図2のような、回転変動量と基本燃料増量率との関係が示されているテーブルから読み込まれ、この基本燃料増量率に対し充填効率による補正を行い、補正された燃料増量率STP1によって基本燃料噴射量算出部で算出された基本燃料噴射量に対する燃料増量を実施している。ここで充填効率は吸気管圧力にほぼ比例するので吸気管圧力センサ9より検出された吸気管圧力より上記補正を行う。エアコン非作動時には充填効率が低いので充填効率が高い場合に比べ基本燃料増量率に対する増量率が小さい。
その後エアコンが作動状態となり、空燃比がリーン化し回転変動量が所定のしきい値Q1を超えて増加すると、充填効率が上昇しているので、回転変動量から算出される基本燃料増量率に対し大きな増量率で補正され、充填効率が小さいときの燃料増量率STP1よりも大きな燃料増量率STP2で燃料増量が実施される。
これにより前述した充填効率が上昇することにより回転変動量が減少しても空燃比を適正に制御でき、充填効率による補正を実施した場合(図3の実線)は、充填効率による補正をしない場合(図3の点線)に対し空燃比のリーン化が抑制され、未燃ガスの排出や回転落ちを防止することができる。
次に本発明の燃料制御装置において、回転変動量に基づく燃料制御について図4のフローチャートにより詳細に説明する。
ステップ100でエンジンの温度(冷却水温センサ17)が所定値TL以下の冷機状態であるかを判定する。ステップ110では、酸素濃度センサ16が活性化していない状態であるかを判定し、酸素濃度センサ16が活性化しており酸素濃度を検出可能な状態となっているときは、エンジンの回転変動に基づく空燃比制御は不要となる。ステップ110で酸素濃度センサ16が活性化していない状態であると判定し、ステップ100,110共に成立している場合はステップ120に進み、回転変動量を計算する。
回転変動量は、前述したようにクランク角度センサ8の信号より爆発行程を含む所定のクランク角度間を変位する時間を計測して気筒ごとのクランク角速度を求め、クランク角速度の気筒間での変化量を求めた後、クランク角速度の気筒間変化量と所定のしきい値Q2との差を0.5秒の間積算して求めているものであり、CPU21にある回転変動量算出手段で算出される。
次にステップ130では、回転変動量が所定のしきい値Q1を超えたか否かを判定する。回転変動量が所定のしきい値Q1を超えない場合はステップ190に進み、燃料増量率FADDを所定の割合DSPTで減少させる。これは空燃比がリッチ状態である場合でもストイキ付近となるよう減量制御して未燃ガスの排出量を最小に抑制するためである。回転変動量が所定のしきい値Q1を超えた場合は、ステップ140に進んで、図10で説明したような回転変動量に対応して予め記憶されている基本燃料増量率を読み込み、これを基本増量ステップBSTPとする。
次にステップ150で、充填効率に対応する吸気管圧力による増量率補正係数CPMを求める。増量率補正係数CPMは予め吸気管圧力に対し図5に示すようなテーブルで記憶されており、テーブルから吸気管圧力センサ9の検出値に対応する増量率補正係数CPMを読み込む。
ステップ160では、基本増量ステップBSTPを充填効率で補正した増量ステップSTPが下式で算出される。
STP=BSTP×CPM ……………………………(1)
次にステップ170で回転変動量による燃料増量率FADDを算出する。ここでは現在の燃料増量率FADDに増量ステップSTPを加えた値を新たな燃料増量率FADDとする。
次にステップ180で、基本燃料噴射量算出部で算出された基本燃料噴射量から求められた基本噴射パルス幅に対し、従来の冷却水温度による補正FTWや、回転変動量による燃料増量率FADDによる補正等を実施したものをインジェクタ4への出力パルス幅とする。
本実施形態では、充填効率に対する増量率補正係数CPMを吸気管圧力で求めているが、吸入空気の質量流量を検出するエアフローセンサを用いて求めることも勿論可能である。
図6は、冷機始動後に、触媒を昇温するために点火時期リタードを実施した場合の例であり、図6により本発明の燃料制御装置における噴射燃料の制御動作を説明する。本発明の燃料制御装置において、回転変動量に基づく燃料制御の詳細については、図4の制御フローチャートに示すとおりである。
冷機始動後において点火時期リタードを実施する前では、エンジンの空気量あたり発生トルクが大きくアイドル回転を維持するための空気量は少なくなくてよいので充填効率(吸気管圧力)が小さくなる。そのため点火時期リタードを実施する前に空燃比がリーン化し、回転変動量がしきい値Q1を超えて増加したときには、回転変動量に対応する基本増量ステップBSTPに対して吸気管圧力によって燃料を増量させる補正が行われるが、充填効率(吸気管圧力)が小さいので増量ステップSTP1は比較的小さい値となる。
これに対し、点火時期リタードを実施した後では空気量当たりの発生トルクが減少しアイドル回転を維持するための空気量が増加するので充填効率(吸気管圧力)が大きくなる。そのため点火時期リタードを実施中に空燃比がリーン化し、回転変動量がしきい値Q1を超えて増加したときには、回転変動量に対応する基本増量ステップBSTPに対して吸気管圧力によって燃料を増量させる補正が行われ、このとき充填効率(吸気管圧力)が大きいので増量ステップSTP2は点火時期リタードを実施しないときに比べて大きい値となる。
点火時期リタードを実施したときは、燃焼が不安定化する傾向になるが、同時に充填効率も増加するので、点火時期リタードにより燃焼が不安定化していても、充填効率が上昇するために回転変動量の上昇が抑制される。そのため、回転変動量によっては燃料が増量されないので、充填効率による燃料の補正を実施しない場合には燃焼悪化領域まで空燃比がリーンとなってしまい、未燃ガスの排出量が増加したり回転落ちが発生するなどの不具合を生ずる。
本発明の内面機関の燃料制御装置では、充填効率が上昇して回転変動量が減少しても、基本増量ステップBSTPに対して充填効率(吸気管圧力)によって燃料を増量させる補正が行われるので、図6の実線に示すように、充填効率による補正をしない場合(図の点線)と比べ空燃比のリーン化が抑制され、未燃ガスの排出や回転落ちを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な実施形態を採用することが可能である。例えば、本実施形態においては、充填効率を吸気管圧力から求めているが、冷機始動後のアイドリング時では主に点火時期リタード量で充填効率が変化するので簡易的に点火時期リタード量または点火時期に応じて燃料増量率の補正を実施するようにしてもよい。この場合は点火時期リタード量が大きくなるにしたがって燃料増量率の補正係数を大きくする。
本発明の制御方式は、吸気ポートにインジェクタを備えたポート噴射エンジンのみでなく、各シリンダ内にインジェクタを備えた筒内噴射式のエンジンに適用しても良い。
また、本実施形態では、冷機始動時の空燃比制御に適用しているが、暖機後においても、部品の特性ばらつきによりリーン化する場合があるので、暖機後の再始動時に本制御を適用してもよい。
さらに冷機始動時においてリーン化時の燃料増量率は充填効率の影響の他に、気化率の影響も考慮して補正するようにしても良い。
図7に示すように補機の作動による負荷の増加や、点火時期のリタード等により吸気管圧力が上昇すると、吸気ポートに付着した燃料の気化率が低下し、燃料増量を実施しても実際にシリンダに流入する燃料が不足する場合がある。吸気管圧力上昇による気化率の低下に対して、図8のように吸気管圧力の上昇に対し増量率補正係数を増加させることにより、気化率低下によるリーン化を抑制するようにしてもよい。
この場合は図4のフローチャートのステップ160において増量ステップを下式で算出する。
STP=BSTP×CPM×CPV ……………………………………(2)
ここでCPVは気化率の影響を補正するための補正係数であり、図7で示されるような予め記憶された吸気管圧力に対する増量率補正係数のテーブルから、吸気管圧力の検出値に対応した補正係数が読み込まれる。
また充填効率に対する補正CPMと気化率に対する補正CPVはいずれも吸気管圧力により参照されるので両方の補正係数を一つのテーブルにまとめて一つの係数で補正するようにしても良い。
本実施形態では、基本増量ステップBSTPに増量率補正係数CPMを乗じることによって増量ステップSTPを算出しているが、回転変動率と燃料増量率との関係を示すマップを充填効率に応じて複数用意し、充填効率によりマップを選択し、選択したマップに基づいて回転変動率から増量ステップSTPを求めるようにしても良い。
さらに、本実施形態では、回転変動量によって基本燃料噴射量を補正しているが、爆発行程を含む所定角度範囲におけるクランク角速度を気筒毎に計測し、気筒間のクランク角速度変化量のクランク角速度に対する割合である回転変動率によって補正しても良い。
本発明の実施形態の内燃機関の燃料制御装置を備えたエンジンシステムの構成図。 本実施形態の内燃機関の燃料制御装置における回転変動量と燃料増量率の関係を示す図。 本発明の燃料制御装置における噴射燃料の制御動作を説明する動作説明図。 本発明の実施形態の内燃機関の燃料制御装置における制御動作のフローチャート。 本発明の実施形態の内燃機関の燃料制御装置における充填効率と増量率補正係数との関係を示す図。 本発明の燃料制御装置における噴射燃料の制御動作を説明する動作説明図。 本発明の実施形態の内燃機関の燃料制御装置における吸気管圧力と燃料気化率との関係を示す図。 本発明の実施形態の内燃機関の燃料制御装置における吸気管圧力と燃料気化率と増量率補正係数との関係を示す図。 内燃機関における回転変動率と空燃比との関係を示す図。 内燃機関における回転変動率と燃料増量率との関係を示す図。 内燃機関における充填効率変化時の空燃比と回転変動率の関係を示す図。
符号の説明
1…吸気管、4…インジェクタ、8…クランク角度センサ、9…吸気管圧力センサ、10…点火コイル、16…酸素濃度センサ、17…冷却水温センサ、20…コントローラ(制御装置)、25…クランク角度検出プレート、31…エアコン用コンプレッサ

Claims (5)

  1. 各気筒の吸気ポートまたは各気筒内に設けられる燃料噴射弁と、内燃機関の回転数と吸入空気量に基づいて基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量算出部と点火サイクルごとの回転変動量を算出する回転変動量算出手段と、前記回転変動量が所定のしきい値を超えたときに、前記基本燃料噴射量を所定の増量率で補正する噴射量補正手段と、を備え、
    前記噴射量補正手段は、内燃機関の吸気管圧力、吸入空気量、点火時期のいずれかに応じて前記増量率を変更することを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  2. 前記噴射量補正手段は内燃機関の吸気管圧力または吸入空気量が増加するにしたがって、前記増量率を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  3. 前記噴射量補正手段は内燃機関の点火時期がリタード方向に変化するにしたがって、前記増量率を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  4. 前記噴射量補正手段は、冷機始動時に基本燃料噴射量を補正することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の燃料制御装置。
  5. 前記噴射量補正手段は、吸気管圧力による燃料の気化率低下を補正するように基本燃料噴射量を補正することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の内燃機関の燃料制御装置。
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