JP4322297B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃料としてアルコールを含んだ燃料を使用可能な内燃機関の制御装置に関するものである。
車両に搭載される内燃機関の燃料として、エタノールやメタノール等のアルコール、或はアルコールとガソリンを混合した混合燃料を使用できるようにしたものがあるが、これらのアルコールを含んだアルコール燃料は、ガソリンに比べて低温時の揮発性が低い(つまり燃焼性が悪い)ため、アルコール燃料を使用した場合に低温時の始動性や始動後のドライバビリティが悪化する傾向がある。
この対策として、特許文献1(特開昭58−48737号公報)に記載されているように、アルコール燃料を主燃料として供給する主燃料噴射装置とは別に、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料(例えばガソリン)を供給するための補助燃料供給装置を設け、冷却水温センサで検出した冷却水温が所定温度以下のときに、主燃料に加えて、揮発性の高い補助燃料を供給するようにしたものがある。更に、アルコール燃料は、アルコール濃度が高くなるほど揮発性が低くなるという特性があることを考慮して、冷却水温センサで検出した冷却水温が所定温度以下の低温領域で且つアルコール濃度センサで検出した主燃料のアルコール濃度が所定濃度以上の高濃度領域のときに、補助燃料を供給するようにしたものもある。
また、アルコール燃料の理論空燃比(例えばエタノール100%の場合は8.9)は、ガソリンの理論空燃比(例えば14.7)よりも小さいため、アルコール燃料を使用した場合にガソリンと同じ条件で燃料噴射制御を実行すると、燃料噴射量が不足して排気エミッションやドライバビリティが悪化することは避けられない。
この対策として、特許文献2(特公昭64−11811号公報)に記載されているように、アルコール濃度センサで検出した燃料のアルコール濃度に応じて燃料噴射量を増量補正するようにしたものがある。更に、低温時ほどアルコール燃料の揮発性が低下することを考慮して、冷却水温センサで検出した冷却水温とアルコール濃度センサで検出した燃料のアルコール濃度とに応じて燃料噴射量を増量補正するようにしたものもある。
特開昭58−48737号公報(第1頁〜第2頁等) 特公昭64−11811号公報(第1頁等)
上述したように、冷却水温センサで検出した冷却水温が低温領域で且つアルコール濃度センサで検出した主燃料のアルコール濃度が高濃度領域のときに補助燃料の供給を実施する補助燃料供給制御では、冷却水温センサの異常時のフェールセーフとして、暖機後の標準冷却水温(例えば80℃)を冷却水温の代用情報として用いるようにすると、実際の冷却水温が低温領域で且つ主燃料のアルコール濃度が高濃度領域のときに(つまり主燃料の揮発性を十分に確保できないときに)、冷却水温の代用情報である暖機後の標準冷却水温が低温領域内とならないため、補助燃料の供給が実施されなくなって、低温時の始動性や始動直後のドライバビリティが悪化する可能性がある。
また、冷却水温センサで検出した冷却水温とアルコール濃度センサで検出した燃料のアルコール濃度とに応じて燃料噴射量を増量補正する燃料噴射制御では、冷却水温センサの異常時のフェールセーフとして、暖機後の標準冷却水温(例えば80℃)を冷却水温の代用情報として用いるようにすると、実際の冷却水温が低温領域で且つ主燃料のアルコール濃度が高濃度領域のときに(つまり主燃料の揮発性を十分に確保できないときに)、冷却水温の代用情報である暖機後の標準冷却水温を用いて燃料噴射量の増量係数を設定するため、燃料増量補正量が不足して、低温時の始動性や始動直後のドライバビリティが悪化する可能性がある。
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、アルコールを含んだ燃料を使用可能なシステムにおいて、冷却水温センサ異常時の始動性やドライバビリティを向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の燃料としてアルコールを含んだ主燃料を供給可能なシステムに適用され、前記主燃料のアルコール濃度を検出又は推定するアルコール濃度取得手段と、内燃機関の冷却水温を検出する冷却水温センサと、前記冷却水温センサで検出した冷却水温と前記アルコール濃度取得手段で検出又は推定した主燃料のアルコール濃度とに基づいて前記主燃料の噴射量を制御する燃料噴射制御手段とを備えた内燃機関の制御装置において、前記冷却水温センサが異常の場合には前記アルコール濃度取得手段で検出又は推定した主燃料のアルコール濃度が所定値よりも高いときに暖機後の標準冷却水温よりも低い疑似水温を設定する疑似水温設定手段を備え、前記疑似水温設定手段は、前記アルコール濃度取得手段で検出又は推定した主燃料のアルコール濃度が高くなるほど前記疑似水温の低下度合が大きくなるように該疑似水温を設定し、前記燃料噴射制御手段は、前記冷却水温センサが異常の場合に前記冷却水温センサで検出した冷却水温に代えて前記疑似水温を用いて前記主燃料の噴射量を制御するようにしたものである。
この構成によれば、冷却水温センサが異常の場合に、実際の冷却水温が低温領域で且つ主燃料のアルコール濃度が高濃度領域のときに(つまり主燃料の揮発性を十分に確保できないときに)、暖機後の標準冷却水温よりも低い疑似水温を用いて主燃料の噴射量の増量係数を設定することができるため、主燃料の噴射量を十分に増量補正することができ、冷却水温センサの異常時における低温時の始動性や始動直後のドライバビリティを向上させることができると共に、始動可能領域も拡大することができる。
しかも、請求項1に係る発明では、主燃料のアルコール濃度が高くなるほど疑似水温の低下度合が大きくなるように該疑似水温を設定するようにしているため、主燃料のアルコール濃度が高くなるほど揮発性の低下度合が大きくなるのに対応して、疑似水温の低下度合を大きくして主燃料の増量補正量を大きくすることができ、主燃料のアルコール濃度に応じた主燃料の増量補正量を精度良く設定することができる。
また、内燃機関の温度に応じて冷却水温、吸気温度、燃料温度が変化するため、吸気温度や燃料温度は、冷却水温の代用情報となる。そこで、請求項2のように、内燃機関の吸気温度と燃料温度のうちの少なくとも一方に応じて前記疑似水温を補正するようにしても良い。つまり、冷却水温の代用情報となる吸気温度や燃料温度に応じて疑似水温を補正すれば、実際の冷却水温に対する疑似水温の誤差を小さくすることができ、疑似水温の設定精度を向上させることができる。
更に、内燃機関の前回の停止直前の冷却水温と前回の停止から今回の始動までの停止時間も冷却水温の情報となるため、請求項3のように、内燃機関の前回の停止直前の冷却水温と前回の停止から今回の始動までの停止時間とに応じて疑似水温を補正するようにしても良い。このようにしても、実際の冷却水温に対する疑似水温の誤差を小さくすることができ、疑似水温の設定精度を向上させることができる。
また、請求項4のように、内燃機関の始動後の経過時間又は動作量(例えば積算回転数、積算噴射回数、積算点火回数、積算走行距離等)が増加するに従って疑似水温が徐々に上昇して暖機後の標準冷却水温に近付くように該疑似水温を設定するようにしても良い。このようにすれば、内燃機関の始動後の実際の冷却水温の挙動と同じように疑似水温を変化させることができ、始動後の疑似水温の設定精度を向上させることができる。
この場合、請求項5のように、内燃機関の排出ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する排出ガスセンサの出力がリッチになったときに疑似水温が暖機後の標準冷却水温に近付く速度を速くするようにしても良い。一般に、内燃機関の温度が高くなるに従って、燃料の揮発性が高くなって空燃比がリッチになる傾向があるため、排出ガスセンサの出力がリッチになったときには、空燃比がリッチになったと判断できる。従って、排出ガスセンサの出力がリッチになったときには、内燃機関の温度が高くなって実際の冷却水温の上昇速度が速くなる傾向があるため、それに対応して疑似水温が暖機後の標準冷却水温に近付く速度を速くすることで、空燃比制御性を向上できる。
また、請求項6のように、排出ガスセンサの出力に基づいて主燃料の噴射量をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御を実行する場合に、内燃機関の始動後で空燃比フィードバック制御中に冷却水温センサが異常になった場合には、疑似水温を暖機後の標準冷却水温に設定したり、或は、冷却水温センサの異常が内燃機関の始動時から発生している場合よりも高温側に設定するようにしても良い。空燃比フィードバック制御は、冷却水温がある程度高くなってから開始されるため、空燃比フィードバック制御中に冷却水温センサが異常になった場合には、疑似水温を暖機後の標準冷却水温に設定したり、疑似水温を冷却水温センサの異常が内燃機関の始動時から発生している場合よりも高温側に設定することで、疑似水温を実際の冷却水温に近付けることができ、疑似水温の設定精度を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を2つの実施例1,2を用いて説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図14に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18には、後述する補助燃料を噴射する噴射ノズル19が取り付けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ後述する主燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、エンジン11のクランク軸27が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ28が取り付けられている。このクランク角センサ28の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。また、吸気温度センサ42によって吸気温度が検出される。
エンジン11の燃料としては、エタノールやメタノール等のアルコール、或はアルコールとガソリンを混合した混合燃料等を使用可能であり、これらのアルコールを含んだアルコール燃料を主燃料としてエンジン11に供給し、この主燃料よりも揮発性が高い混合燃料やガソリン等を補助燃料としてエンジン11に供給するようになっている。主燃料を貯溜するメイン燃料タンク30内には、主燃料を汲み上げるメイン燃料ポンプ31が設けられている。このメイン燃料ポンプ31から吐出される主燃料は、燃料配管32を通してデリバリパイプ33に送られ、このデリバリパイプ33から各気筒の燃料噴射弁21に分配される。燃料配管32のうちのメイン燃料ポンプ31付近には、フィルタ34とプレッシャレギュレータ35が接続され、このプレッシャレギュレータ35によってメイン燃料ポンプ31の吐出圧が所定圧力に調圧され、その圧力を越える主燃料の余剰分が燃料戻し管36によりメイン燃料タンク30内に戻されるようになっている。
また、デリバリパイプ33には、主燃料のアルコール濃度(例えばエタノール濃度)を検出するアルコール濃度センサ37(アルコール濃度取得手段)が設けられ、このアルコール濃度センサ37に、燃料温度を検出する燃料温度センサが一体的に設けられている。尚、アルコール濃度センサ37と燃料温度センサを別個に設けるようにしても良い。
一方、補助燃料を貯溜するサブ燃料タンク38内には、補助燃料を汲み上げるサブ燃料ポンプ39が設けられている。このサブ燃料ポンプ39から吐出される補助燃料は、燃料配管40を通して噴射ノズル19から噴射される。また、燃料配管40には、デューティ制御弁41が設けられ、このデューティ制御弁41の開度を制御することで噴射ノズル19の補助燃料噴射量が調整される。
上述した各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)29に入力される。このECU29は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の主燃料噴射量や噴射ノズル19の補助燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御する。
その際、ECU29は、後述する図13の補助燃料供給制御プログラムを実行することで、次のようにして補助燃料の供給を制御する。始動開始から所定期間内に冷却水温センサ26が正常の場合には、冷却水温センサ26で検出した冷却水温とアルコール濃度センサ37で検出した主燃料のアルコール濃度(例えばエタノール濃度)が通常の補助燃料供給領域内であるか否かを判定する。図2に示すように、通常の補助燃料供給領域は、冷却水温が所定水温(例えば15℃)以下で且つ主燃料のアルコール濃度が所定濃度(例えば80%)以上の領域であり、主燃料の揮発性(つまり燃焼性)を十分に確保できない領域である。
そして、冷却水温と主燃料のアルコール濃度が通常の補助燃料供給領域内のときには、主燃料の揮発性を十分に確保できないと判断して、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料の供給を実施する。これに対して、冷却水温と主燃料のアルコール濃度が通常の補助燃料供給領域外のときには、主燃料の揮発性を十分に確保できると判断して、補助燃料の供給を実施しない。
一方、始動開始から所定期間内に冷却水温センサ26が異常の場合には、主燃料のアルコール濃度が冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域内であるか否かを判定する。図2に示すように、冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域は、主燃料のアルコール濃度が所定の補助燃料供給判定値(例えば70%)以上の領域であり、この冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域内に、通常の補助燃料供給領域が含まれている。
そして、主燃料のアルコール濃度が冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域内のときには、主燃料の揮発性を十分に確保できない可能性があると判断して、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料の供給を実施する。これに対して、主燃料のアルコール濃度が冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域外のときには、主燃料の揮発性を十分に確保できると判断して、補助燃料の供給を実施しない。
また、ECU29は、図示しない燃料噴射制御プログラムを実行することで、特許請求の範囲でいう燃料噴射制御手段として機能し、次式に示すように、基本噴射量に暖機増量係数と空燃比F/B(フィードバック)補正値と空燃比学習値とアルコール濃度補正値等を乗算して主燃料噴射量を求める。
主燃料噴射量=基本噴射量×暖機増量係数
×空燃比F/B補正値×空燃比学習値×アルコール濃度補正値
ここで、基本噴射量は、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度や吸入空気量等)に応じた基本噴射量をマップ等により算出する。空燃比F/B補正値は、排出ガスセンサ24の出力に基づいて排出ガスの空燃比を目標空燃比に一致させるようにPID制御等により算出した補正量であり、空燃比学習値は、所定の学習タイミングで空燃比F/B補正値を学習して記憶した学習値である。
また、アルコール濃度補正値は、図3に示すアルコール濃度補正値のマップを参照して、主燃料のアルコール濃度に応じたアルコール濃度補正値を算出する。一般に、主燃料のアルコール濃度が高くなるほど理論空燃比が小さくなるため、図3に示すアルコール濃度補正値のマップは、主燃料のアルコール濃度が高くなるほどアルコール濃度補正値が大きくなって主燃料噴射量が増加するように設定されている。
また、暖機増量係数は、図4に示す暖機増量係数のマップを参照して、冷却水温と主燃料のアルコール濃度とに応じた暖機増量係数を算出する。一般に、冷却水温が低くなるほど主燃料の揮発性が低くなると共に、主燃料のアルコール濃度が高くなるほど主燃料の揮発性が低くなるため、図4に示す暖機増量係数のマップは、冷却水温が低くなるほど暖機増量係数が大きくなって主燃料噴射量が増加すると共に、主燃料のアルコール濃度が高くなるほど暖機増量係数が大きくなって主燃料噴射量が増加するように設定されている。尚、冷却水温センサ26が異常の場合には、冷却水温の代用情報として疑似水温を用いて暖機増量係数を算出する。
その際、ECU29は、後述する図14の疑似水温設定プログラムを実行することで、次のようにして疑似水温を設定する。エンジン始動時に冷却水温センサ26が異常の場合には、まず、図5に示す疑似水温初期値のマップを参照して、主燃料のアルコール濃度に応じた疑似水温初期値を算出する。この疑似水温初期値のマップは、図5に実線で示すように、主燃料のアルコール濃度が所定濃度以下の領域では、疑似水温が暖機後の標準冷却水温(例えば80℃)に固定され、主燃料のアルコール濃度が所定濃度よりも高い領域では、疑似水温が暖機後の標準冷却水温よりも低くなり、主燃料のアルコール濃度が高くなるのに比例して疑似水温が低くなるように設定されている。
これにより、実際の冷却水温が低温領域で且つ主燃料のアルコール濃度が高濃度領域のとき(つまり主燃料の揮発性を十分に確保できないとき)に、暖機後の標準冷却水温よりも低い疑似水温を用いて主燃料噴射量の暖機増量係数を設定して、主燃料噴射量を十分に増量補正する。
尚、疑似水温初期値のマップは、図5に破線で示すように、主燃料のアルコール濃度が所定濃度よりも高い領域で、主燃料のアルコール濃度が高くなるほど疑似水温の低下度合が大きくなるように設定しても良い。これにより、主燃料のアルコール濃度が高くなるほど揮発性の低下度合が大きくなるのに対応して、疑似水温の低下度合を大きくして主燃料噴射量の増量補正量を大きくすることができる。
この後、図6に示す第1の疑似水温下限ガード値のマップを参照して、吸気温度に応じた第1の疑似水温下限ガード値を算出する。この第1の疑似水温下限ガード値のマップは、吸気温度と冷却水温との関係に基づいて作成され、吸気温度が低温側所定値以下の領域では、第1の疑似水温下限ガード値が最小値に固定され、吸気温度が低温側所定値よりも高くて高温側所定値よりも低い領域では、吸気温度が高くなるほど第1の疑似水温下限ガード値が高くなり、吸気温度が高温側所定値以上の領域では、第1の疑似水温下限ガード値が最大値に固定されるように設定されている。
尚、図6のマップに代えて、図7に示す第1の疑似水温下限ガード値のマップを参照して、燃料温度に応じた第1の疑似水温下限ガード値を算出するようにしても良い。
また、図8に示す第2の疑似水温下限ガード値のマップを参照して、前回のエンジン停止直前の冷却水温とエンジン停止時間(前回のエンジン停止から今回のエンジン始動までの停止時間)とに応じた第2の疑似水温下限ガード値を算出する。この第2の疑似水温下限ガード値のマップは、前回のエンジン停止直前の冷却水温とエンジン停止時間と今回のエンジン始動時の冷却水温との関係に基づいて作成され、前回のエンジン停止直前の冷却水温が低くなるほど第2の疑似水温下限ガード値が低くなると共に、エンジン停止時間が長くなるほど第2の疑似水温下限ガード値が低くなるように設定されている。
この後、吸気温度(又は燃料温度)に応じた第1の疑似水温下限ガード値及び前回のエンジン停止直前の冷却水温とエンジン停止時間とに応じた第2の疑似水温下限ガード値で疑似水温初期値をガード処理して疑似水温初期値を補正することで、実際の冷却水温に対する疑似水温初期値の誤差を小さくして、疑似水温初期値の設定精度を向上させる。
このようにして、疑似水温初期値を設定した後、図9に示す始動後の疑似水温のマップを参照して、前回のエンジン停止直前の冷却水温と今回のエンジン始動後の経過時間とに応じた疑似水温を算出する。この始動後の疑似水温のマップは、前回のエンジン停止直前の冷却水温と今回のエンジン始動後の経過時間と冷却水温との関係に基づいて作成され、前回のエンジン停止直前の冷却水温が高くなるほど疑似水温が高くなると共に、今回のエンジン始動後の経過時間が長くなるに従って疑似水温が徐々に上昇して暖機後の標準冷却水温(例えば80℃)に近付くように設定されている。これにより、エンジン始動後の実際の冷却水温の挙動と同じように疑似水温を変化させて、始動後の疑似水温の設定精度を向上させる。
尚、図9のマップに代えて、図10に示す始動後の疑似水温のマップを参照して、前回のエンジン停止直前の冷却水温と今回のエンジン始動後の動作量の情報(例えば積算回転数、積算噴射回数、積算点火回数、積算走行距離等のうちのいずれか1つ)とに応じた疑似水温を算出するようにしても良い。
更に、図11に実線で示すように、エンジン始動後に排出ガスセンサ24の出力がリッチになったときには、その時点で、疑似水温が暖機後の標準冷却水温に近付く速度を速くするようにしても良い。排出ガスセンサ24の出力がリッチになったときには、エンジン温度が高くなったため、主燃料の揮発性が高くなって空燃比がリッチになったと判断できる。従って、排出ガスセンサ24の出力がリッチになったときには、エンジン温度が高くなって実際の冷却水温の上昇速度が速くなるため、それに対応して疑似水温が暖機後の標準冷却水温に近付く速度を速くする。
また、図12に実線で示すように、エンジン始動後で空燃比F/B制御中に冷却水温センサ26が異常になった場合には、冷却水温センサ26の異常がエンジン始動時から発生している場合(破線参照)よりも、主燃料のアルコール濃度が所定濃度よりも高い領域で疑似水温初期値を高温側に設定するか又は疑似水温初期値を暖機後の標準冷却水温に設定するようにしても良い。空燃比F/B制御は、冷却水温がある程度高くなってから開始されるため、空燃比F/B制御中に冷却水温センサ26が異常になった場合には、疑似水温初期値を暖機後の標準冷却水温に設定したり、冷却水温センサ26の異常がエンジン始動時から発生している場合よりも疑似水温初期値を高温側に設定することで、疑似水温初期値を実際の冷却水温に近付けることができ、疑似水温初期値の設定精度を向上させることができる。
以下、ECU29が実行する図13の補助燃料供給制御プログラム及び図14の疑似水温設定プログラムの処理内容を説明する。
[補助燃料供給制御]
図13に示す補助燃料供給制御プログラムは、ECU29の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう補助燃料供給制御断手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、始動開始から所定期間内であるかを判定する。この所定期間は、例えば、冷却水温、吸気温度、燃料温度等のうちの少なくとも1つに応じて設定された時間又はクランク角である。
このステップ101で、始動開始から所定期間内であると判定されれば、ステップ102に進み、冷却水温センサ26の異常診断結果等に基づいて冷却水温センサ26が正常であるか否かを判定する。冷却水温センサ26が正常であると判定された場合には、ステップ103に進み、冷却水温センサ26で検出した冷却水温が所定水温(例えば15℃)以下であるか否かを判定し、次のステップ104で、アルコール濃度センサ37で検出した主燃料のアルコール濃度が所定濃度(例えば80%)以上であるか否かを判定することで、冷却水温と主燃料のアルコール濃度が通常の補助燃料供給領域(図2参照)内であるか否かを判定する。
これらのステップ103,104で、冷却水温と主燃料のアルコール濃度が通常の補助燃料供給領域内であると判定された場合(つまり冷却水温が所定水温以下で且つ主燃料のアルコール濃度が所定濃度以上であると判定された場合)には、主燃料の揮発性を十分に確保できないと判断して、ステップ108に進み、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料の供給を実施する。
これに対して、上記ステップ103,104で、冷却水温と主燃料のアルコール濃度が通常の補助燃料供給領域内ではないと判定された場合(つまり冷却水温が所定水温よりも高いと判定された場合、又は、主燃料のアルコール濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合)には、主燃料の揮発性を十分に確保できると判断して、ステップ109に進み、補助燃料の供給を実施しない。
一方、上記ステップ102で、冷却水温センサ26が異常である(正常ではない)と判定された場合には、ステップ105に進み、疑似水温を暖機後の標準冷却水温(例えば80℃)に設定し、この疑似水温を冷却水温の代用情報とする。但し、主燃料噴射量の暖機増量係数を算出する際は、後述する図14の疑似水温設定プログラムにより設定した疑似水温を冷却水温の代用情報として用いる。
この後、ステップ106に進み、エンジン11が始動不能状態であるか否かを、例えばエンジン回転速度が完爆判定値を越えない状態が所定期間以上継続したか否かによって判定する。エンジン11が始動不能状態であると判定された場合には、ステップ107に進み、主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値(例えば70%)以上であるか否かを判定することで、主燃料のアルコール濃度が冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域(図2参照)内であるか否かを判定する。
上記ステップ106でエンジン11が始動不能状態であると判定され、且つ、ステップ107で主燃料のアルコール濃度が冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域内である(つまり主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値以上である)と判定された場合には、主燃料の揮発性を十分に確保できない可能性があると判断して、ステップ108に進み、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料の供給を実施する。
これに対して、上記ステップ106でエンジン11が始動可能であると判定された場合、又は、ステップ107で主燃料のアルコール濃度が冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域内ではない(つまり主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値よりも低い)と判定された場合には、主燃料の揮発性を十分に確保できると判断して、ステップ110に進み、補助燃料の供給を実施しない。従って、エンジン11が始動可能なときには主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値以上でも、補助燃料の供給を実施しない。
[疑似水温設定プログラム]
図14に示す疑似水温設定プログラムは、ECU29の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう疑似水温設定手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ201で、冷却水温センサ26の異常診断結果等に基づいて冷却水温センサ26が正常であるか否かを判定する。冷却水温センサ26が正常であると判定された場合には、ステップ202以降の処理を実行することなく、本プログラムを終了する。
一方、上記ステップ201で、冷却水温センサ26が異常である(正常ではない)と判定された場合には、ステップ202以降の処理を次のようにして実行する。まず、ステップ202で、始動時(始動完了前)であるか否かを、例えば完爆判定前であるか否かによって判定する。このステップ202で、始動時であると判定された場合には、ステップ203に進み、図5に示す疑似水温初期値のマップを参照して、主燃料のアルコール濃度に応じた疑似水温初期値を算出することで、主燃料のアルコール濃度が所定濃度よりも高い領域では、疑似水温を暖機後の標準冷却水温よりも低くなるように設定する。
この後、ステップ204に進み、図6(又は図7)に示す第1の疑似水温下限ガード値のマップを参照して、吸気温度(又は燃料温度)に応じた第1の疑似水温下限ガード値を算出すると共に、図8に示す第2の疑似水温下限ガード値のマップを参照して、前回のエンジン停止直前の冷却水温とエンジン停止時間とに応じた第2の疑似水温下限ガード値を算出する。
この後、ステップ205に進み、吸気温度(又は燃料温度)に応じた第1の疑似水温下限ガード値及び前回のエンジン停止直前の冷却水温とエンジン停止時間とに応じた第2の疑似水温下限ガード値で疑似水温初期値をガード処理して疑似水温初期値を補正することで、実際の冷却水温に対する疑似水温初期値の誤差を小さくする。
この後、上記ステップ202で、始動時ではない(始動完了後である)と判定されたときに、ステップ206に進み、図9(又は図10)に示す始動後の疑似水温のマップを参照して、前回のエンジン停止直前の冷却水温と今回のエンジン始動後の経過時間(又は積算回転数、積算噴射回数、積算点火回数、積算走行距離等のうちのいずれか1つ)とに応じた疑似水温を算出することで、始動後の疑似水温が徐々に上昇して暖機後の標準冷却水温に近付くように始動後の疑似水温を変化させる。
更に、図11に実線で示すように、エンジン始動後に排出ガスセンサ24の出力がリッチになったときには、その時点で、疑似水温が暖機後の標準冷却水温に近付く速度を速くするようにしても良い。
また、図12に実線で示すように、エンジン始動後で空燃比F/B制御中に冷却水温センサ26が異常になった場合には、冷却水温センサ26の異常がエンジン始動時からの場合(破線参照)よりも、主燃料のアルコール濃度が所定濃度よりも高い領域で疑似水温初期値を高温側に設定するか又は疑似水温初期値を暖機後の標準冷却水温に設定するようにしても良い。
以上説明した本実施例1では、冷却水温センサ26が異常の場合には、主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値以上のときに補助燃料の供給を実施するようにしたので、主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値以上の高濃度領域であれば、冷却水温の低温領域から高温領域までの全温度領域で、補助燃料の供給を実施するようになる。これにより、実際の冷却水温が低温領域で且つ主燃料のアルコール濃度が高濃度領域のときに(つまり主燃料の揮発性を十分に確保できないときに)、確実に補助燃料の供給を実施することができ、冷却水温センサ26の異常時における低温時の始動性や始動直後のドライバビリティを向上させることができる。しかも、主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値よりも低いときには、主燃料の揮発性を十分に確保できると判断して、補助燃料の供給を実施しないようにしたので、補助燃料の過剰な使用を防止することができる。
しかも、本実施例1では、冷却水温センサ26が異常の場合に、エンジン11が始動不能状態で且つ主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値以上のときに限って補助燃料の供給を実施し、エンジン11が始動可能なときには主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値以上でも、主燃料の揮発性を十分に確保できると判断して、補助燃料の供給を実施しないようにしたので、補助燃料の使用量を低減することができる。
また、本実施例1では、冷却水温センサ26が異常の場合には、主燃料のアルコール濃度が高いときに暖機後の標準冷却水温よりも低い疑似水温を設定し、この疑似水温を冷却水温の代用情報として用いて主燃料噴射量の暖機増量係数を算出する。これにより、実際の冷却水温が低温領域で且つ主燃料のアルコール濃度が高濃度領域のときに(つまり主燃料の揮発性を十分に確保できないときに)、暖機後の標準冷却水温よりも低く設定した疑似水温を用いて主燃料噴射量の暖機増量係数を算出することができるため、主燃料の噴射量を十分に増量補正することができ、冷却水温センサ26の異常時における低温時の始動性や始動直後のドライバビリティを向上させることができると共に、始動可能領域も拡大することができる。
しかも、本実施例1では、エンジン始動後の経過時間が長くなるに従って疑似水温が徐々に上昇して暖機後の標準冷却水温に近付くようにしたので、エンジン始動後の実際の冷却水温の挙動と同じように疑似水温を変化させることができ、疑似水温の設定精度ひいては疑似水温を用いた暖機増量係数の算出精度を向上させることができる。
次に、図15乃至図18を用いて本発明の実施例2を説明する。
前記実施例1では、冷却水温センサ異常時の補助燃料供給判定値を固定値としたが、本実施例2では、図15の補助燃料供給制御プログラムを実行することで、冷却水温センサ異常時の補助燃料供給判定値Eを吸気温度に応じて変化させるようにしている。
図15に示す補助燃料供給制御プログラムでは、始動開始から所定期間内に冷却水温センサ26が正常であるか否かを判定し(ステップ101、102)、冷却水温センサ26が正常の場合には、冷却水温が所定水温(例えば15℃)以下で且つ主燃料のアルコール濃度が所定濃度(例えば80%)以上であるか否かを判定することで、冷却水温と主燃料のアルコール濃度が通常の補助燃料供給領域(図17参照)内であるか否かを判定する(ステップ103、104)。
その結果、冷却水温と主燃料のアルコール濃度が通常の補助燃料供給領域内であると判定された場合には、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料の供給を実施する(ステップ108)。これに対して、冷却水温と主燃料のアルコール濃度が通常の補助燃料供給領域内ではないと判定された場合には、補助燃料の供給を実施しない(ステップ109)。
一方、冷却水温センサ26が異常の場合には、疑似水温を暖機後の標準冷却水温(例えば80℃)に設定した後、エンジン11が始動不能状態であるか否かを判定する(ステップ105、106)。エンジン11が始動不能状態であると判定された場合には、ステップ107aに進み、図16に示す補助燃料供給判定値Eのテーブルを参照して、吸気温度に応じた補助燃料供給判定値Eを算出する。
一般に、エンジン温度が高くなるほど吸気温度が高くなり、また、エンジン温度が高くなるほど主燃料の揮発性が高くなって、補助燃料の供給が必要となるアルコール濃度が高くなる。そこで、図16に示す補助燃料供給判定値Eのテーブルは、エンジン温度の情報である吸気温度が高くなるほど補助燃料供給判定値Eが大きくなって補助燃料の供給を実施する主燃料のアルコール濃度が高くなるように設定されている。また、吸気温度が所定値(例えば30℃)以上の領域では、補助燃料供給判定値Eを100%よりも大きい値(例えば110%)に設定することで、補助燃料の供給を実施しないようにしている。
この後、ステップ107bに進み、主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値E以上であるか否かを判定することで、主燃料のアルコール濃度が冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域(図17参照)内であるか否かを判定する。
上記ステップ106でエンジン11が始動不能状態であると判定され、且つ、ステップ107bで主燃料のアルコール濃度が冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域内であると判定された場合には、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料の供給を実施する(ステップ108)。これに対して、上記ステップ106でエンジン11が始動可能であると判定された場合、又は、ステップ107bで主燃料のアルコール濃度が冷却水温センサ異常時の補助燃料供給領域内ではないと判定された場合には、補助燃料の供給を実施しない(ステップ110)。
以上説明した本実施例2では、エンジン温度の情報である吸気温度に応じて補助燃料供給判定値Eを変化させるようにしたので、エンジン温度に応じて主燃料の揮発性が変化して補助燃料の供給が必要となる主燃料のアルコール濃度が変化するのに対応して、補助燃料供給判定値Eを適正値に変化させることができ、補助燃料の過剰供給を防止することができる。
尚、上記実施例2では、吸気温度に応じて補助燃料供給判定値Eを変化させるようにしたが、燃料温度に応じて補助燃料供給判定値Eを変化させるようにしても良い。
また、図18に示すように、前回のエンジン停止直前の冷却水温とエンジン停止時間とに応じた推定冷却水温を算出し、この推定冷却水温に応じて補助燃料供給判定値Eを変化させるようにしても良い。この場合、エンジン温度の情報である推定冷却水温が高くなるほど補助燃料供給判定値Eが大きくなって補助燃料の供給を実施する主燃料のアルコール濃度を高くする。また、推定冷却水温が所定値(例えば60℃)以上の領域では、補助燃料供給判定値Eを100%よりも大きい値(例えば110%)に設定することで、補助燃料の供給を実施しないようにする。
このようにしても、エンジン温度に応じて主燃料の揮発性が変化して補助燃料の供給が必要となる主燃料のアルコール濃度が変化するのに対応して、補助燃料供給判定値Eを適正値に変化させることができる。
[その他の実施例]
上記各実施例1,2では、主燃料のアルコール濃度に応じた疑似水温初期値を算出すると共に、吸気温度に応じた疑似水温下限ガード値を算出した後、主燃料のアルコール濃度に応じた疑似水温初期値を吸気温度に応じた疑似水温下限ガード値でガード処理して疑似水温初期値を補正するようにしたが、図19に示す疑似水温初期値の二次元マップを参照して、主燃料のアルコール濃度と吸気温度とに応じた疑似水温初期値を算出するようにしても良い。或は、主燃料のアルコール濃度と燃料温度とに応じた疑似水温初期値を算出するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、冷却水温センサ26が異常の場合に、エンジン11が始動不能状態で且つ主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値以上のときに限って補助燃料の供給を実施するようにしたが、エンジン11が始動不能状態であるか否かを判定する処理を省略して、冷却水温センサ26が異常の場合に、主燃料のアルコール濃度が補助燃料供給判定値以上のときに補助燃料の供給を実施するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、アルコール濃度センサ37で主燃料のアルコール濃度を検出するようにしたが、アルコール濃度センサ37を備えていないシステムの場合には、空燃比F/B補正値等に基づいてアルコール濃度を推定するようにしても良い。
また、冷却水温センサ異常時に主燃料のアルコール濃度が高いときに暖機後の標準冷却水温よりも低い疑似水温を設定し、この疑似水温を用いて主燃料の噴射量を増量補正する技術は、補助燃料供給装置を搭載していないシステムに適用しても良い。
本発明の実施例1におけるエンジン制御システム全体の概略構成図である。 実施例1の補助燃料供給領域を示す図である。 アルコール濃度補正値のマップの一例を概念的に示す図である。 暖機増量係数のマップの一例を概念的に示す図である。 疑似水温初期値のマップ(その1)の一例を概念的に示す図である。 第1の疑似水温下限ガード値のマップ(その1)の一例を概念的に示す図である。 第1の疑似水温下限ガード値のマップ(その2)の一例を概念的に示す図である。 第2の疑似水温下限ガード値のマップの一例を概念的に示す図である。 始動後の疑似水温のマップ(その1)の一例を概念的に示す図である。 始動後の疑似水温のマップ(その2)の一例を概念的に示す図である。 始動後の疑似水温のマップ(その3)の一例を概念的に示す図である。 疑似水温初期値のマップ(その2)の一例を概念的に示す図である。 実施例1の補助燃料供給制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の疑似水温設定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の補助燃料供給制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の補助燃料供給判定値のテーブルの一例を概念的に示す図である。 実施例2の補助燃料供給領域を示す図である。 実施例2の変形例における補助燃料供給領域を示す図である。 他の実施例における疑似水温初期値の二次元マップの一例を概念的に示す図である。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、19…噴射ノズル、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、24…排出ガスセンサ、26…冷却水温センサ、29…ECU(燃料噴射制御手段,疑似水温設定手段)、30…メイン燃料タンク、37…アルコール濃度センサ(アルコール濃度取得手段)、38…サブ燃料タンク、41…デューティ制御弁

Claims (6)

  1. 内燃機関の燃料としてアルコールを含んだ主燃料を供給可能なシステムに適用され、前記主燃料のアルコール濃度を検出又は推定するアルコール濃度取得手段と、内燃機関の冷却水温を検出する冷却水温センサと、前記冷却水温センサで検出した冷却水温と前記アルコール濃度取得手段で検出又は推定した主燃料のアルコール濃度とに基づいて前記主燃料の噴射量を制御する燃料噴射制御手段とを備えた内燃機関の制御装置において、
    前記冷却水温センサが異常の場合には前記アルコール濃度取得手段で検出又は推定した主燃料のアルコール濃度が所定値よりも高いときに暖機後の標準冷却水温よりも低い疑似水温を設定する疑似水温設定手段を備え、
    前記疑似水温設定手段は、前記アルコール濃度取得手段で検出又は推定した主燃料のアルコール濃度が高くなるほど前記疑似水温の低下度合が大きくなるように該疑似水温を設定し、
    前記燃料噴射制御手段は、前記冷却水温センサが異常の場合に前記冷却水温センサで検出した冷却水温に代えて前記疑似水温を用いて前記主燃料の噴射量を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記疑似水温設定手段は、内燃機関の吸気温度と燃料温度のうちの少なくとも一方に応じて前記疑似水温を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記疑似水温設定手段は、内燃機関の前回の停止直前の冷却水温と前回の停止から今回の始動までの停止時間とに応じて前記疑似水温を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記疑似水温設定手段は、内燃機関の始動後の経過時間又は動作量が増加するに従って前記疑似水温が徐々に上昇して暖機後の標準冷却水温に近付くように該疑似水温を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 内燃機関の排出ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する排出ガスセンサを備え、
    前記疑似水温設定手段は、前記排出ガスセンサの出力がリッチになったときに前記疑似水温が暖機後の標準冷却水温に近付く速度を速くすることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 内燃機関の燃料としてアルコールを含んだ主燃料を供給可能なシステムに適用され、前記主燃料のアルコール濃度を検出又は推定するアルコール濃度取得手段と、内燃機関の冷却水温を検出する冷却水温センサと、前記冷却水温センサで検出した冷却水温と前記アルコール濃度取得手段で検出又は推定した主燃料のアルコール濃度とに基づいて前記主燃料の噴射量を制御する燃料噴射制御手段とを備えた内燃機関の制御装置において、
    前記冷却水温センサが異常の場合には前記アルコール濃度取得手段で検出又は推定した主燃料のアルコール濃度が所定値よりも高いときに暖機後の標準冷却水温よりも低い疑似水温を設定する疑似水温設定手段と、
    内燃機関の排出ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する排出ガスセンサとを備え、 前記燃料噴射制御手段は、前記冷却水温センサが異常の場合に前記冷却水温センサで検出した冷却水温に代えて前記疑似水温を用いて前記主燃料の噴射量を制御する手段と、前記排出ガスセンサの出力に基づいて前記主燃料の噴射量をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御を実行する手段とを有し、
    前記疑似水温設定手段は、内燃機関の始動後で前記空燃比フィードバック制御中に前記冷却水温センサが異常になった場合には、前記疑似水温を暖機後の標準冷却水温に設定する又は前記冷却水温センサの異常が内燃機関の始動時から発生している場合よりも高温側に設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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