JP2010048117A - 空燃比センサの異常診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコ―ル混合燃料を使用する場合の誤診断抑制を図った、空燃比センサの異常診断装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の空燃比に応じたセンサ信号を出力する空燃比センサと、センサ信号に基づく実空燃比が目標空燃比に近づくよう燃料噴射量をフィードバック補正する空燃比フィードバック制御手段と、フィードバック補正の変動量である空燃比補正変動量、センサ信号の変動量、及び燃料のアルコール濃度に基づき空燃比センサの異常有無を診断する異常診断手段(S40,S70,S80)と、を備える。この異常診断手段(S40,S70,S80)は、例えば、空燃比補正変動量及びセンサ信号変動量の比率に基づき診断指標を算出し(S40)、算出した診断指標が閾値を超えたか否かに基づき空燃比センサの異常有無を診断する(S80)にあたり、前記閾値をアルコール濃度に応じて可変設定する(S70)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空燃比センサに応答性悪化等の異常が発生しているか否かを診断する、空燃比センサの異常診断装置に関する。
従来より、内燃機関の燃焼に供する混合気の空燃比(吸気と噴射燃料との比率)を目標空燃比に近づけるための空燃比フィードバック制御が知られている。すなわち、排気中の酸素濃度を検出することで空燃比に応じたセンサ信号を検出値として出力する空燃比センサを備え、そのセンサ信号に基づき算出された実空燃比が目標空燃比に近づくよう燃料噴射量をフィードバック補正する制御である(特許文献1参照)。
ここで、空燃比センサが劣化してくると、実空燃比の変化に対するセンサ信号の応答性が悪化する。すると、燃料噴射量をフィードバック補正したことに伴い生じるセンサ信号の変化が小さくなり、その結果、センサ信号から算出される空燃比を目標空燃比に近づけるべくフィードバック補正の量が大きくなる。そのため、空燃比センサの応答性が悪化してくると、所定期間でのセンサ信号の変動量(以下、センサ信号変動量と記載)に対するフィードバック補正の変動量(以下、空燃比補正変動量と記載)が大きくなってくる。
この点に着目し、本発明者は、センサ信号変動量に対する空燃比補正変動量の比率を診断指標として算出し、この診断指標に基づき空燃比センサに応答性悪化等の異常が発生しているか否かを診断する異常診断装置を検討した。つまり、診断指標が閾値を超えて大きくなった場合に空燃比センサに異常が発生していると診断する。
特開平1−216040号公報
ところで近年では、内燃機関の代替燃料として、メタノールやエタノール等のアルコールをガソリンに混合したアルコール混合燃料や、アルコール100%のアルコール燃料(以下、これらの燃料を単にアルコール混合燃料と記載)が提案されている。かかるアルコール混合燃料を用いた場合、アルコール濃度が高濃度であるほど理論空燃比が小さくなる。したがって、上述した空燃比フィードバック制御を行うにあたり、高濃度であるほどセンサ信号の変化に対して燃料噴射量を大きくフィードバック補正することを要する。つまり、高濃度であるほどセンサ信号変動量に対する空燃比補正変動量は大きくなり、その結果、診断指標が大きくなる。すると、空燃比センサに異常が発生していなくても、アルコール濃度が高濃度になると診断指標が大きくなってしまうので、本発明者が検討した上記異常診断装置では誤診断するおそれのあることが分かった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、アルコ―ル混合燃料を使用する場合の誤診断抑制を図った、空燃比センサの異常診断装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、内燃機関の空燃比に応じたセンサ信号を検出値として出力する空燃比センサと、前記センサ信号に基づく実空燃比が目標空燃比に近づくよう燃料噴射量をフィードバック補正する空燃比フィードバック制御手段と、前記フィードバック補正の変動量である空燃比補正変動量、前記センサ信号の変動量、及び燃料のアルコール濃度に基づき前記空燃比センサの異常有無を診断する異常診断手段と、を備えることを特徴とする。
これによれば、空燃比補正変動量及びセンサ信号変動量に基づき空燃比センサの異常有無を診断するにあたり、アルコール濃度に応じた診断を行うことができるので、アルコ―ル混合燃料を使用する場合の誤診断抑制を図ることができる。
具体的には、例えば請求項2記載の如く、空燃比補正変動量及びセンサ信号変動量の比率に基づき診断指標を算出し、算出した診断指標が閾値を超えたか否かに基づき空燃比センサの異常有無を診断するにあたり、前記閾値をアルコール濃度に応じて可変設定することが挙げられる。
これによれば、例えばセンサ信号変動量に対する空燃比補正変動量の比率(空燃比補正変動量/センサ信号変動量)を診断指標として算出した場合において、アルコール濃度が高濃度であるほど閾値を高く設定することができる。よって、アルコール濃度が高濃度となることにより診断指標が大きくなったとしても、空燃比センサの正常時には診断指標が閾値を超えないようになるので、高濃度化による誤診断を回避できる。
異常診断手段の他の具体例として、例えば請求項3記載の如く、空燃比補正変動量及びセンサ信号変動量の比率に基づき診断指標を算出し、算出した診断指標をアルコール濃度に応じて補正し、補正した診断指標が閾値を超えたか否かに基づき空燃比センサの異常有無を診断することが挙げられる。
これによれば、例えば「空燃比補正変動量/センサ信号変動量」を診断指標として算出した場合において、アルコール濃度が高濃度であるほど診断指標を小さくするよう補正できる。よって、アルコール濃度が高濃度となることにより診断指標が大きくなることを前記補正により抑制できるので、空燃比センサの正常時には診断指標が閾値を超えないようになる。よって、高濃度化による誤診断を回避できる。
請求項4記載の発明では、前記フィードバック補正の値を学習する学習手段と、前記学習手段による学習値に基づき燃料のアルコール濃度を推定する濃度推定手段と、燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサと、を備える。そして、前記アルコール濃度センサに異常が生じていない正常時には、少なくとも前記アルコール濃度センサによる検出濃度に基づき前記異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を算出し、前記アルコール濃度センサに異常が生じている異常時には、前記濃度推定手段による推定濃度に基づき前記異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を算出することを特徴とする。
ここで、アルコール濃度センサによる検出濃度は濃度推定手段による推定濃度に比べて精度の信頼性が高い。そこで上記請求項4記載の発明では、異常診断手段の診断で用いるアルコール濃度を、アルコール濃度センサの正常時には信頼性の高い検出濃度に基づき算出するので、異常診断手段による診断の精度を向上できる。また、アルコール濃度センサの異常時には推定濃度に基づき算出するので、異常時に検出濃度を用いることで誤診断してしまうことを回避できるとともに、正常時に比べて診断精度が低下するものの異常時における診断を継続して行うことができる。
ところで、燃料タンクに燃料が残存した状態で、その残存燃料とは異なるアルコール濃度の燃料を燃料タンクに補給した場合に、燃料タンク内の燃料のアルコール濃度は変化する。しかし、このように変化した燃料が燃料供給配管を通じて燃料噴射弁から噴射されるまでには時間がかかるため、例えばアルコール濃度センサを燃料タンク内や燃料供給配管に配置した場合には、アルコール濃度センサによる検出濃度と実際に噴射される燃料のアルコール濃度とにずれが生じることとなる。
この問題に対し請求項5記載の発明では、前記正常時には、前記検出濃度及び前記推定濃度に基づき前記異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を算出することを特徴とするので、検出濃度のみからアルコール濃度を算出する場合に比べて前記ずれを低減できる。よって、異常診断手段による診断の精度を向上できる。
請求項6記載の発明では、アルコール濃度センサの正常時には検出濃度に基づき異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を算出し、アルコール濃度センサの異常時には異常診断手段による診断を禁止することを特徴とする。
これによれば、異常診断手段の診断で用いるアルコール濃度を、アルコール濃度センサの正常時には信頼性の高い検出濃度に基づき算出するので、異常診断手段による診断の精度を向上できる。また、アルコール濃度センサの異常時には診断を禁止するので、検出濃度を用いることで誤診断してしまうことを回避できる。
請求項7記載の発明では、アルコール濃度センサの正常時には、少なくとも検出濃度に基づき異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を算出し、アルコール濃度センサの異常時には、異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を約100%と仮定して前記診断を実行することを特徴とする。これによれば、異常診断手段の診断で用いるアルコール濃度を、アルコール濃度センサの正常時には信頼性の高い検出濃度に基づき算出するので、異常診断手段による診断の精度を向上できる。
また、アルコール濃度が高濃度になることに起因した誤診断のおそれが最も高いのは、アルコール濃度が100%の時である。この点を鑑みた上記請求項7記載の発明では、アルコール濃度センサの異常時には、アルコール濃度を約100%と仮定して前記診断を実行するので、最も誤診断を抑制させた状態で異常時における診断を継続して行うことができる。
ところで、センサ信号変動量、空燃比補正変動量及びアルコール濃度に基づき空燃比センサの異常有無を診断するにあたり、フィードバック補正の値及びセンサ信号の値が収束していない過渡状態(不安定状態)であれば、上記診断において十分な精度を確保できない。例えば、内燃機関の始動直後においては、センサ信号に基づく実空燃比が目標空燃比から大きく離れているため不安定状態となっていることが考えられる。
この点を鑑みた請求項8記載の発明では、前記フィードバック補正の値及び前記センサ信号の値の少なくとも一方が、収束して安定した状態になっているか否かを判定する安定状態判定手段を備え、前記安定状態判定手段により安定状態になっていると判定されるまでの期間は、前記異常診断手段による診断を禁止することを特徴とする。よって、不安定状態のもと十分な診断精度を確保できないまま空燃比センサの異常有無を診断してしまうことを回避できる。
なお、安定状態判定手段による判定手法の具体例(1)〜(5)を以下に列挙する。
(1)空燃比補正値及びセンサ信号値の少なくとも一方が、増加と減少を所定回数以上繰り返したことをもって、安定状態になったと判定する。
(2)空燃比補正値の変化及びセンサ信号値の変化の少なくとも一方が、増加から減少(又は減少から増加)へ切り換わった時点から所定時間経過したことをもって、安定状態になったと判定する。
(3)センサ信号値に基づき算出される実空燃比が、目標空燃比を基準にした設定値に対して所定回数以上横切るように変化したことをもって、安定状態になったと判定する。
(4)センサ信号値に基づき算出される実空燃比が、目標空燃比を基準にした設定値に対して横切るように変化した時点から所定時間経過したことをもって、安定状態になったと判定する。
(5)空燃比フィードバック制御が実行されていることを条件(FB実行条件)として、上記(1)〜(4)により安定状態になったと判定することを許可する。上記FB実行条件の具体例として、エンジン冷却水温が所定値以上になっていること、内燃機関の始動開始から所定時間が経過していること、空燃比センサを構成する酸素濃度検出素子が活性化した状態になっていること、等が挙げられる。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関である例えば直列4気筒のエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ等によって開度調節されるスロットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。
更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。エンジン運転中は、燃料タンク21内の燃料が燃料ポンプ22によりデリバリパイプ23に送られ、各気筒の噴射タイミング毎に各気筒の燃料噴射弁20から燃料が噴射される。
エンジン11のシリンダヘッドには、吸気通路を流通する新気の一部をシリンダヘッド内に流入させる新気流入管27と、以下に説明するブローバイガスを吸気通路に還流する排出管28とが取り付けられている。そして、燃焼室内の排気の一部はピストンリングからクランクケース内に漏出するが、このように漏出してクランクケース内に滞留する排気(ブローバイガス)は、新気流入管27からシリンダヘッドを通じてクランクケース内流入する新気により押し出され、その後、排出管28を通じて吸気通路に還流する。これにより、クランクケース内及びシリンダヘッド内は掃気される。なお、排出管28には、ブローバイガスの吸気通路への流入量を制御するPCVバルブ(図示せず)が取り付けられている。
一方、エンジン11の各気筒の排気マニホールド35が合流する排気合流部36には、排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサ37が設置され、この空燃比センサ37の下流側に排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒38が設けられている。更に、この触媒38の下流側に、触媒38を通過した排出ガスのリッチ/リーンを検出する酸素センサ41が設置されている。この酸素センサ41の出力は、触媒38上流側の目標空燃比を補正するサブフィードバック制御に用いられたり、触媒38の劣化診断を行うのに使用されたりする。
また、エンジン11には、クランク軸の回転に同期して所定クランク角毎(例えば30℃A毎)にクランク角信号のパルスを出力するクランク角センサ33が設けられている。また、燃料タンク21から燃料噴射弁20に至るまでの燃料経路には、燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサ21aが設けられている。図1に示す例ではアルコール濃度センサ21aを燃料タンク21に配置している。
そして、上述した空燃比センサ37、クランク角センサ33、アルコール濃度センサ21a等の各種センサの出力は、電子制御ユニット(以下「ECU」と表記する)40に入力される。このECU40は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて各気筒の燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火時期を制御する。
更に、ECU40は、触媒38上流側の空燃比センサ37及び/又は触媒38下流側の酸素センサ41の出力、若しくは、空燃比の影響を受けて変化するパラメータ(エンジン回転変動)に基づいて異常診断を実施する異常診断手段として機能し、例えば、触媒38の劣化診断、燃料系異常診断、空気系異常診断、酸素センサ41の異常診断、燃料性状診断等の様々な異常診断を行う。
例えば、触媒38の劣化診断は、空燃比センサ37の出力変化量と酸素センサ41の出力変化量との比に基づいて診断する。燃料系異常診断は、後述する空燃比補正量とその学習値に基づいて診断する。酸素センサ41の異常診断は、酸素センサ41の出力の挙動と空燃比センサ37の出力の挙動との関係に基づいて診断する。例えば、触媒38上流側の空燃比が連続的にリッチの状態が続くと、その後、触媒38のリッチ成分吸着量が飽和状態となる時間だけ遅れて触媒38下流側の空燃比がリッチに変化するため、この時点で、酸素センサ41の出力がリッチに変化したか否かで、酸素センサ41の異常の有無を判定すれば良い。
次に、ECU40による燃料噴射弁20の作動制御、つまり燃料噴射制御について説明する。ECU40は、クランク角センサ33の検出値に基づきエンジン回転速度NEを算出するとともに、エアフローメータ14や吸気管圧力センサ18の検出値に基づき吸気量(エンジン負荷)を算出する。そして、算出したエンジン回転速度NE、エンジン負荷、及びエンジン冷却水温度等に基づき、燃料噴射弁20からの燃料噴射量を制御する。より詳細には、ECU40は、エンジン回転速度NE、スロットル開度TH等により算出されるエンジン負荷、及び冷却水温度TW等に基づき燃料の目標噴射量を算出する。
さらにECU40(空燃比フィードバック制御手段)は、空燃比センサ37から出力されるセンサ信号(以下、「AFセンサ信号」と記載)に基づき、吸気量と噴射燃料との比率である空燃比を算出する。そして、AFセンサ信号に基づき算出された実際の空燃比(実空燃比)が目標空燃比(例えば空気過剰率λ=1)に近づくよう前記目標噴射量をフィードバック補正(空燃比フィードバック制御)する。
ここで、燃料噴射弁20、エアフローメータ14及び空燃比センサ37等が経年劣化すると、空燃比フィードバック制御の開始時点では、実空燃比と目標空燃比との偏差が大きくなってくるので、フィードバック補正の量も増大してくる。すると、空燃比フィードバック制御を開始してから実空燃比が目標空燃比に近づくまでの時間(応答時間)が長くなることが懸念される。そこで、ECU40(学習手段)は、所定の学習条件を満たした場合にフィードバック補正の値を学習し、次回空燃比フィードバック制御を開始した時には目標噴射量を学習値に基づき補正することで、上記懸念の解消を図っている。
要するに、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷から算出した目標噴射量を、空燃比フィードバック補正(空燃比補正量)及び学習値(空燃比学習補正量)により補正することで、応答性良く実空燃比を目標空燃比に近づけることを図っている。
ここで、空燃比センサ37は、経年劣化等により応答性が悪化するといった応答性異常の状態になることがある。そこでECU40は、空燃比センサ37の応答性異常の有無を以下の手法により診断する。すなわち、空燃比センサ37の応答性が悪化してくると、空燃比フィードバック補正したことに伴い生じる空燃比センサ37のAFセンサ信号変化が小さくなり、その結果、AFセンサ信号から算出される空燃比を目標空燃比に近づけるべく空燃比フィードバック補正の量(空燃比補正量)が大きくなる。そのため、空燃比センサ37の応答性が悪化してくると、所定期間(図4中の符号A参照)でのAFセンサ信号の変動量(センサ信号変動量)に対する空燃比補正量の変動量(空燃比補正変動量)が大きくなってくる。
例えば、図4(b)のタイムチャートはAFセンサ信号の変化を示し、図4(c)のタイムチャートは空燃比補正量の変化を示すものである。そして、T1期間における空燃比補正量の変動波形は応答性異常が発生していない正常時での変動波形に相当し(但しアルコール濃度を0%とする)、T3期間における空燃比補正量の変動波形は応答性異常発生時での変動波形に相当する(但しアルコール濃度を0%とする)。これらのタイムチャートに示すように、センサ信号変動量が同じであっても、応答性異常発生時には空燃比補正変動量(例えば図4中の符号Bに示す変動幅)が大きくなってくる。
そこでECU40は、センサ信号変動量に対する空燃比補正変動量の比率(空燃比補正変動量/センサ信号変動量)を診断指標として算出し、算出した診断指標が閾値を超えて大きくなった場合に、空燃比センサ37に応答性異常が発生していると診断する。なお、当該診断を実行している時のECU40は異常診断装置に相当する。
しかしながら、燃料のアルコール濃度が高くなってくると理論空燃比が小さくなるため、空燃比フィードバック制御を行うにあたり、高濃度であるほどAFセンサ信号の変化に対して燃料噴射量を大きくフィードバック補正することを要する。つまり、高濃度であるほどセンサ信号変動量に対する空燃比補正変動量は大きくなる。例えば、図4(c)のT1期間に示す波形はアルコール濃度0%かつ空燃比センサ37正常時の波形に相当し、T2期間に示す波形はアルコール濃度50%かつ正常時の波形に相当し、T3期間に示す波形はアルコール濃度100%かつ正常時の波形に相当する。つまり、アルコール濃度が高濃度になるほど空燃比補正変動量が大きくなるので、先述した診断指標が大きくなる。すると、空燃比センサ37に異常が発生していなくても、アルコール濃度が高濃度になると診断指標が大きくなってしまうので、誤診断の懸念が生じる。
この懸念に対し本実施形態では、図2に示す診断手順を実行することで、アルコール濃度が高濃度であるほど前記閾値を高くするよう可変設定している。以下、図2の診断手順を詳細に説明する。なお、図2の処理は、ECU40のマイコンにより、イグニッションスイッチがオン操作されたことをトリガとして起動した後、所定周期毎に繰り返し実行される。
先ず、ステップS10において、空燃比フィードバック制御の実行条件(FB実行条件)が成立しているか否かを判定する。具体的には、エンジン冷却水温が所定値以上になっていること、エンジン11の始動開始から所定時間が経過していること、空燃比センサ37を構成する酸素濃度検出素子が活性化した状態になっていること、等をFB実行条件とする。
FB実行条件が成立していると判定(S10:YES)された場合には、続くステップS20では、図4(c)に例示される空燃比補正量の波形から、空燃比補正変動量を算出する。具体的には、所定期間Aにおける空燃比補正量の変動幅Bや、所定期間Aにおける空燃比補正量の積算値等を空燃比補正変動量として算出する。
続くステップS30では、図4(b)に例示されるAFセンサ信号の波形から、センサ信号変動量を算出する。具体的には、所定期間AにおけるAFセンサ信号の変動幅や、所定期間AにおけるAFセンサ信号の積算値等をセンサ信号変動量として算出する。
続くステップS40(指標算出手段)では、ステップS20で算出した空燃比補正変動量を、ステップS30で算出したセンサ信号変動量で除算して得られた比率(空燃比補正変動量/センサ信号変動量)を、診断指標として算出する。
ここで、図4(a)のタイムチャートはアルコール濃度の変化を示しており、T1期間、T2期間、T3期間と時間が経過するにつれアルコール濃度が高濃度に推移していく様子を示している。このようにアルコール濃度が高濃度化していくと、空燃比補正量変動量Bは図4(c)に示す如く大きくなることは先述した通りであるが、フィードバック補正の学習値(空燃比学習補正量)も高濃度化に伴い増大することとなる(図4(d)参照)。したがって、空燃比学習補正量に基づけばアルコール濃度を推定することができる。このように、空燃比学習補正量に基づくアルコール濃度の推定を、続くステップS50(濃度推定手段)では実施している。
そして、続くステップS60では、ステップS50で推定した推定濃度と、アルコール濃度センサ21aにより検出されたアルコール濃度(以下、「検出濃度」と記載)とを比較して、アルコール濃度センサ21aに断線、短絡等の異常が生じているか否かを判定する。例えば、検出濃度と推定濃度との偏差が所定値以上となっていればアルコール濃度センサ21aに異常が生じていると判定すればよい。そして、アルコール濃度センサ21aの異常判定が為された場合(S60:NO)には、ステップS40で算出した診断指標に基づき応答性異常の診断をすることを禁止する(ステップS110)。
一方、アルコール濃度センサ21aの正常判定が為された場合(S60:YES)には、続くステップS70(閾値設定手段(異常診断手段))において、アルコール濃度センサ21aによる検出濃度に基づき閾値を算出する。ここでは、検出濃度が高濃度であるほど閾値を高くするよう算出(可変設定)しており、例えば、アルコール濃度と最適な閾値との関係を予め試験により取得しておき、前記関係を図3に示すマップ等にてECU40に記憶させておき、このマップを参照して検出濃度に基づき閾値を算出すればよい。
続くステップS80(異常判定手段(異常診断手段))では、ステップS40で算出した診断指標が、ステップS70で算出した閾値より大きいか否かを判定する。診断指標>閾値でないと判定(S80:NO)された場合には、続くステップS90において、空燃比センサ37は応答性異常の状態になっておらず正常であると判定する。一方、診断指標>閾値であると判定(S80:YES)された場合には、続くステップS100において、空燃比センサ37は応答性異常の状態になっていると異常判定する。
これらのステップS90,S100,S110での判定が為されると、或いはステップS10にてFB実行条件が成立していないと判定(S10:NO)されると、処理はステップS10に戻り、図2の処理は所定時間周期で繰り返し実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)「空燃比補正変動量/センサ信号変動量」を診断指標として算出し(S20,S30,S40)、算出した診断指標が閾値を超えて大きくなった場合に、空燃比センサ37に応答性異常が発生していると診断(S80)する。ここで、図4(a)の如くアルコール濃度が高くなっていくと、AFセンサ信号の変動量に対する空燃比補正変動量が大きくなる(図4(b)(c)参照)。よって、診断指標も高濃度化に伴い増大する(図4(e)中の実線参照)。しかしながら、図4(e)中の一点鎖線に示すように、アルコール濃度が高濃度であるほど前記閾値を高くするよう可変設定する(S70)ので、空燃比センサ37に異常が発生していない場合において、高濃度化により診断指標が大きくなることにより診断指標が閾値を超えることは回避される。よって、空燃比センサ37に応答性異常有無を診断するにあたり、アルコ―ル混合燃料を使用する場合の誤診断抑制を図ることができる。
(2)ここで、アルコール濃度センサ21aによる検出濃度はステップS50で算出した推定濃度に比べて精度の信頼性が高い。そこで本実施形態では、ステップS70での閾値算出に用いるアルコール濃度に検出濃度を用いるので、推定濃度を用いる場合に比べて応答性異常の診断精度を向上できる。
(3)また、アルコール濃度センサ21aに断線、短絡等の異常が生じている時には、ステップS70〜S100による応答性異常の診断を禁止する(S110)ので、検出濃度を用いることで誤診断してしまうことを回避できる。
(第2実施形態)
図2に示す上記第1実施形態では、アルコール濃度センサ21aの異常時には応答性異常の診断を禁止する(S110)のに対し、図5に示す本実施形態では、アルコール濃度センサ21aの異常時には推定濃度に基づき算出した閾値を用いて応答性異常の診断を実行する(S75参照)。
以下、図5の処理内容について、図2との違いを説明する。なお、図5中、図2と同一符号部分についてはその説明を援用する。また、本実施形態におけるエンジン制御システムのハード構成は、図1に示す上記第1実施形態と同じである。
図5のフローチャートにおいて、ステップS10〜S50の処理の後、ステップS60にてアルコール濃度センサ21aが異常であると判定された場合(S60:NO)には、続くステップS75(閾値設定手段(異常診断手段))において、ステップS50で推定した推定濃度に基づき閾値を算出する。ここでは、推定濃度が高濃度であるほど閾値を高くするよう算出(可変設定)しており、例えば、図3に示すマップを参照して推定濃度に基づき閾値を算出すればよい。ステップS70で用いるマップと、ステップS75で用いるマップとは同じであってもよいし、それぞれ異なるマップを用いるようにしてもよい。
続くステップS80では、ステップS70又はステップS75で算出した閾値を用いて、ステップS40で算出した診断指標がその閾値より大きいか否かを判定する。そして、診断指標>閾値でないと判定(S80:NO)されれば空燃比センサ37は正常であると判定し(S90)、診断指標>閾値であると判定(S80:YES)されれば空燃比センサ37は応答性異常であると判定する(S100)。
以上詳述した本実施形態によれば、上記(1)(2)の効果に加え以下の効果が得られるようになる。
(4)アルコール濃度センサ21aの異常時には推定濃度に基づき閾値を算出する(S75)ので、異常時に検出濃度を用いることで誤診断してしまうことを回避できるとともに、正常時に比べて診断精度が低下するものの異常時における診断を継続して行うことができる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、アルコール濃度センサ21aの異常時には推定濃度に基づき閾値を算出する(S75)のに対し、図6に示す本実施形態では、アルコール濃度センサ21aの異常時には予め設定された所定濃度(ここではアルコール濃度100%)に基づき閾値を算出する(S76)。或いは、予め設定した値に閾値を設定する。
以下、図6の処理内容について、図5との違いを説明する。なお、図6中、図5と同一符号部分についてはその説明を援用する。また、本実施形態におけるエンジン制御システムのハード構成は、図1に示す上記第1実施形態と同じである。
図6のフローチャートにおいて、ステップS10〜S50の処理の後、ステップS60にてアルコール濃度センサ21aが異常であると判定された場合(S60:NO)には、続くステップS76において、アルコール濃度を100%と仮定して、図3に示すマップを参照して閾値を算出する。或いは、予め設定した値に閾値を設定する。但しこの場合の設定値は、マップ中の濃度100%に対応する閾値よりも大きい値に設定する。
続くステップS80では、ステップS70又はステップS76で算出した閾値に比べ、ステップS40で算出した診断指標が大きいか否かを判定する。そして、診断指標>閾値でないと判定(S80:NO)されれば空燃比センサ37は正常であると判定し(S90)、診断指標>閾値であると判定(S80:YES)されれば空燃比センサ37は応答性異常であると判定する(S100)。
以上詳述した本実施形態によれば、上記(1)(2)の効果に加え以下の効果が得られるようになる。
(5)ここで、アルコール濃度が高濃度になることに起因した誤診断のおそれが最も高いのは、アルコール濃度が100%の時である。そこで本実施形態では、アルコール濃度センサ21aの異常時には、アルコール濃度を約100%と仮定して前記診断を実行するので、最も誤診断を抑制させた状態で異常時における診断を継続して行うことができる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、アルコール濃度に基づき閾値を可変設定する(S70)のに対し、図7に示す本実施形態では、アルコール濃度に基づき診断指標を補正する(S700)。
以下、図7の処理内容について、図2との違いを説明する。なお、図7中、図2と同一符号部分についてはその説明を援用する。また、本実施形態におけるエンジン制御システムのハード構成は、図1に示す上記第1実施形態と同じである。
図7のフローチャートにおいて、ステップS10〜S50の処理の後、ステップS60にてアルコール濃度センサ21aが正常であると判定された場合(S60:YES)には、続くステップS700(指標補正手段(異常診断手段))において、ステップS40で算出した診断指標を補正する。ここでは、検出濃度が高濃度であるほど診断指標を低くするよう補正しており、例えば、アルコール濃度と、最適な診断指標補正量との関係を予め試験により取得しておき、前記関係をマップ等にてECU40に記憶させておき、このマップを参照して検出濃度に基づき診断指標を補正すればよい。
続くステップS80では、ステップS700で補正した診断指標が、予め設定した所定の閾値より大きいか否かを判定する。ここで用いる閾値は、アルコール濃度に拘わらず一定の値に設定されている(図4(f)中の一点鎖線参照)。そして、診断指標>閾値でないと判定(S80:NO)されれば空燃比センサ37は正常であると判定し(S90)、診断指標>閾値であると判定(S80:YES)されれば空燃比センサ37は応答性異常であると判定する(S100)。
以上詳述した本実施形態によれば、上記(2)の効果が得られるとともに、上記(1)と同様にして以下の効果が得られるようになる。
(6)ここで、図4(a)の如くアルコール濃度が高くなっていくと、AFセンサ信号の変動量に対する空燃比補正変動量が大きくなる(図4(b)(c)参照)。よって、ステップS40で算出される診断指標も高濃度化に伴い増大する(図4(e)中の実線参照)。しかしながら、アルコール濃度が高濃度であるほど診断指標を小さくする補正する(S700)ので、空燃比センサ37に異常が発生していない場合において、図4(f)中の実線に示すように高濃度化により診断指標が大きくなることが回避される。よって、空燃比センサ37に応答性異常有無を診断するにあたり、アルコ―ル混合燃料を使用する場合の誤診断抑制を図ることができる。
(第5実施形態)
上記第1実施形態では、空燃比フィードバック制御の実行条件(FB実行条件)が満たされている場合(S10:YES)にステップS20以降の診断処理を許可するのに対し、図8に示す本実施形態では、空燃比補正量の値(図9(d)参照)及びAFセンサ信号の値(図9(c)参照)の少なくとも一方が、所定範囲に収束して安定した状態になっている(S15:YES)ことを条件に、ステップS20以降の診断処理を許可する。つまり、空燃比フィードバック制御が安定した状態になっていると判定されるまでの期間はステップS20以降の診断処理を禁止する。
以下、図8の処理内容について、図2との違いを説明する。なお、図8中、図2と同一符号部分についてはその説明を援用する。また、本実施形態におけるエンジン制御システムのハード構成は、図1に示す上記第1実施形態と同じである。
図8のフローチャートにおいて、ステップS10の処理の後、続くステップS15(安定状態判定手段)において、上述した安定状態になっているか否かを判定する。つまり、図9(c)に示すAFセンサ信号、図9(d)に示す空燃比補正量、及び図9(e)に示す空燃比学習補正量が、安定した推移(安定状態)になっているか否かを判定する。
具体的には、空燃比補正量及びセンサ信号値の少なくとも一方が、図9中の一点鎖線に示す如く増加と減少を所定回数以上繰り返したことをもって、安定状態になったと判定する。図9の例では符号taに示す時点で安定状態になったと判定することとなる。
或いは、空燃比補正量及びセンサ信号値の少なくとも一方が、増加から減少(又は減少から増加)へ切り換わった時点(図9中の符号tb,tcに示す時点)から所定時間経過したことをもって、安定状態になったと判定する。
或いは、センサ信号の値が、目標空燃比に相当する値(図9中の符号C参照)を基準にした設定値Cに対して所定回数以上横切るように変化したことをもって、安定状態になったと判定する。図9の例では符号tdに示す時点で安定状態になったと判定することとなる。
或いは、センサ信号の値が、設定値Cに対して横切るように変化した時点(図9中の符号tdに示す時点)から所定時間経過したことをもって、安定状態になったと判定する。なお、安定状態になったと判定されると、図9(f)に示すように、空燃比センサ37の応答性診断を許可するフラグが立てられる。
そして、安定状態になっていると判定(S15:YES)された場合には、ステップS20以降の診断処理を実行し、安定状態になっていないと判定(S15:NO)された場合には、ステップS20以降の診断処理を行うことなく図8の処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、上記(1)(2)(3)の効果に加え以下の効果が得られるようになる。
(7)ところで、燃料タンク21に燃料が残存した状態で、その残存燃料とは異なるアルコール濃度の燃料を燃料タンク21に補給した場合に、燃料タンク21内の燃料のアルコール濃度は変化する(図9(a)参照)。しかし、このように変化した燃料がデリバリパイプ23等を通じて燃料噴射弁20から噴射されるまでには時間がかかるため、例えばアルコール濃度センサ21aを燃料タンク21内やデリバリパイプ23に配置した場合には、アルコール濃度センサ21aによる検出濃度と実際に噴射される燃料のアルコール濃度とにずれが生じることとなる。
そして、このようなずれが生じたままで空燃比フィードバック制御を行うと、空燃比補正量は増大し続け(或いは減少し続け)、AFセンサ信号は減少し続け(或いは増大し続ける)。その後、時間経過とともに実際に噴射される燃料のアルコール濃度と検出濃度とのずれが解消され、その結果、一方向に変化し続けていた空燃比補正量及びAFセンサ信号は、図9中の一点鎖線に示す如く増加と減少を繰り返すようになり、先述した安定状態となる。
つまり、エンジン11の始動開始から所定時間が経過する等によりFB実行条件を満たすようになった(図9(b)の符号te参照)としても、燃料補給の直後には、前記「ずれ」が生じることに起因して空燃比フィードバック制御が不安定な状態となる。
この点を鑑み、本実施形態では、FB実行条件が満たされていることに加え、空燃比フィードバック制御が安定状態になったことを条件としてステップS20以降の診断処理を許可する。よって、不安定状態のもと十分な診断精度を確保できないまま空燃比センサ37の応答性異常を診断してしまうことを回避できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。また、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
上記各実施形態では、アルコール濃度センサ21aが正常である場合において、アルコール濃度センサ21aによる検出濃度に基づき閾値を算出(S70)するが、検出濃度に加え推定濃度にも基づいて閾値を算出するようにしてもよい。例えば、検出濃度をα、推定濃度をβとした場合において、次の式1に基づきアルコール濃度を算出し、この式1で算出したアルコール濃度に基づき閾値を算出するようにしてもよい。なお、式1中のAは、0<A<1を満たす係数である。
Aα+(1−A)β…(式1)
先述したように、燃料補給の直後には実際に噴射される燃料のアルコール濃度と検出濃度との間に「ずれ」が生じる。この問題に対し、式1を用いて検出濃度α及び推定濃度βからアルコール濃度を算出し、その濃度を用いて閾値を算出する本実施形態によれば、検出濃度のみからアルコール濃度を算出する場合に比べて前記ずれを低減できる。よって、応答性異常診断の精度を向上できる。
本発明の第1実施形態にかかる空燃比センサの異常診断装置が適用された、エンジン制御システムの全体概略を示す図。 第1実施形態における異常診断の処理手順を示すフローチャート。 アルコール濃度と最適な閾値との関係を示すマップ。 (a)はアルコール濃度、(b)はAFセンサ信号、(c)は空燃比補正量、(d)は空燃費学習補正量、(e)は第1実施形態における閾値、(f)は第4実施形態における診断指標について、それぞれ時間経過に伴う変化を示すタイムチャート。 本発明の第2実施形態における異常診断の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第3実施形態における異常診断の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第4実施形態における異常診断の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第5実施形態における異常診断の処理手順を示すフローチャート。 第5実施形態において、空燃比フィードバック制御の安定状態について説明するタイムチャート。
符号の説明
21a…アルコール濃度センサ、37…空燃比センサ、40…ECU(空燃比フィードバック制御手段、学習手段、異常診断装置)、S15…安定状態判定手段、S40…指標算出手段、S50…濃度推定手段、S70,S75…閾値設定手段(異常診断手段)、S80…異常判定手段(異常診断手段)、S700…指標補正手段(異常診断手段)。

Claims (8)

  1. 内燃機関の空燃比に応じたセンサ信号を検出値として出力する空燃比センサと、
    前記センサ信号に基づく実空燃比が目標空燃比に近づくよう、燃料噴射量をフィードバック補正する空燃比フィードバック制御手段と、
    前記フィードバック補正の変動量である空燃比補正変動量、前記センサ信号の変動量、及び燃料のアルコール濃度に基づき、前記空燃比センサの異常有無を診断する異常診断手段と、
    を備えることを特徴とする空燃比センサの異常診断装置。
  2. 前記異常診断手段は、
    前記空燃比補正変動量及び前記センサ信号変動量の比率に基づき診断指標を算出する指標算出手段と、
    前記指標算出手段により算出された診断指標が閾値を超えたか否かに基づき前記空燃比センサの異常有無を診断する異常判定手段と、
    前記閾値を、燃料のアルコール濃度に応じて可変設定する閾値設定手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の空燃比センサの異常診断装置。
  3. 前記異常診断手段は、
    前記空燃比補正変動量及び前記センサ信号変動量の比率に基づき診断指標を算出する指標算出手段と、
    前記診断指標を燃料のアルコール濃度に応じて補正する指標補正手段と、
    前記指標補正手段により補正された診断指標が閾値を超えたか否かに基づき前記空燃比センサの異常有無を診断する異常判定手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の空燃比センサの異常診断装置。
  4. 前記フィードバック補正の値を学習する学習手段と、
    前記学習手段による学習値に基づき燃料のアルコール濃度を推定する濃度推定手段と、
    燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサと、
    を備え、
    前記アルコール濃度センサに異常が生じていない正常時には、少なくとも前記アルコール濃度センサによる検出濃度に基づき前記異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を算出し、
    前記アルコール濃度センサに異常が生じている異常時には、前記濃度推定手段による推定濃度に基づき前記異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の空燃比センサの異常診断装置。
  5. 前記正常時には、前記検出濃度及び前記推定濃度に基づき前記異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を算出することを特徴とする請求項4に記載の空燃比センサの異常診断装置。
  6. 燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサを備え、
    前記アルコール濃度センサに異常が生じていない正常時には、少なくとも前記アルコール濃度センサによる検出濃度に基づき前記異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を算出し、
    前記アルコール濃度センサに異常が生じている異常時には、前記異常診断手段による診断を禁止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の空燃比センサの異常診断装置。
  7. 燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサを備え、
    前記アルコール濃度センサに異常が生じていない正常時には、少なくとも前記アルコール濃度センサによる検出濃度に基づき前記異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を算出し、
    前記アルコール濃度センサに異常が生じている異常時には、前記異常診断手段の診断で用いられるアルコール濃度を約100%と仮定して前記診断を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の空燃比センサの異常診断装置。
  8. 前記フィードバック補正の値及び前記センサ信号の値の少なくとも一方が、収束して安定した状態になっているか否かを判定する安定状態判定手段を備え、
    前記安定状態判定手段により安定状態になっていると判定されるまでの期間は、前記異常診断手段による診断を禁止することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の空燃比センサの異常診断装置。
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