JP4702349B2 - 超音波送受波器とそれを使用した超音波流れ測定装置 - Google Patents

超音波送受波器とそれを使用した超音波流れ測定装置 Download PDF

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Description

本発明は超音波送受波器およびそれを用いて発生させた超音波により気体や液体の流量や流速の計測を行う超音波流れ測定装置に関するものである。
従来、圧電振動子を備えた超音波送受波器にあっては、例えば図4に示すような音響整合部材50が設けてある。この音響整合部材50は、空隙51を有する骨格材料52からなる多孔質体53と、被測定流体側表面の少なくとも一部に前記多孔質体53の空隙率よりも低い空隙率の低空隙率層54、もしくは前記多孔質体53の表面および内部の少なくとも一部にバインダ拡散層を形成する。
このものでは、音響整合層として用いられる従来の多孔質体に比較して表面が平面に近いため、超音波の送受信を効率よく行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−111195号公報
しかしながら、前記の従来構成では、音響整合部材50を形成する多孔質体53を密閉容器に接着する際に、多孔質体53の性質上、使用する接着材料が多孔質体53に浸透してしまい、それがばらつくと、多孔質体53の空隙51部分と接着材料が浸透した部分での音の伝わり方がばらついてしまうため、その音の伝達経路が変化することによって出力感度が低下することがあった。
したがって、この音響整合部材50を備えた超音波送受波器を流れ計測装置に搭載した場合、流速、流量の計測精度が低下してしまう課題を有していた。
特に、音響整合部材50を形成する多孔質体53はその形成している空隙の状態によって毛細管現象による浸透が変わり、また、接着材料の粘度や、接着時の温度などによっても浸透が変わり、多孔質体53への接着材料が浸透が複雑にばらついてしまう欠点があった。
また、多孔質体53は、超音波の送受信をより効率よく行わせるために、その密度を小さくすると、強度が弱くなり、組立時などに多孔質体53の一部が欠けたり、発塵して、他の機器に悪影響を与える心配があった。
さらに、音響整合部材50を形成する多孔質体53は多孔質であるという構造の性質上、吸湿しやすく、輸送時などに温度変化が生じた時とか、或いは高温高湿下に放置されるとが結露し、これを吸湿することによって超音波の反射や拡散を生起し、また、音響整合層の音速が変化することによって出力感度が低下することがあった。
したがって、この音響整合層を備えた超音波振動子を流れ計測装置に搭載した場合、流速、流量の計測精度が低下してしまう課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、音響整合体を形成する多孔体に接合手段の浸透を制御するように構成して、音の伝達経路の安定化を図り、かつ、音響整合体を全体を覆うように構成することで吸湿による影響を受けない高性能な超音波送受波器およびそれを用いた超音波流れ測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の超音波送受波器は、有天状のケースと、前記ケースの有天部内側に密着するように配設した圧電振動子と、前記ケースの有天部外側に接合手段で密着するように配設した音響整合体とを備え、前記音響整合体は、複数の細孔を有する多孔質材料で形成するとともに、外周には保護リングを密着配設し、さらに、上下両面には最外層膜を形成し、前記最外層膜は、エポキシ樹脂等の略同一硬化条件を有する熱硬化性の樹脂に粘度を上昇させるために炭化珪素等の微粉末を添加したものである。
上記した構成により、音響整合体は、密封構造となり、性質上吸湿しやすい多孔質材料で形成された音響整合層の表面が露出しなくなり、温度変化、或いは高温高湿下に放置されても音響整合層の吸湿が抑制され、良好な出力感度を維持できることとなる。
また、多孔質材料で形成された音響整合層が前記保護リングと最外層膜前記接合手段と前記封止手段で保護されるため、一部が欠けたり、発塵する心配もなくなる。
さらに、ケースへ音響整合体を接着するときに、最外層膜によって接合手段の浸透を抑制することができ、音の伝達経路の安定化を図ることができる。
本発明によれば、密封構造とすることで、温度変化、或いは高温高湿下に放置に伴う音響整合層の吸湿を抑制して音響整合層の出力感度を容易に維持できるとともに、組立時の欠けや発塵を抑制しセラミック多孔体で形成された音響整合体を保護することができ、かつ、最外層膜によって、音響整合体への接合手段の浸透を抑制することができ、音の伝達経路の安定化を図ることができ音響整合体の安定した出力感度を得ることができるようになり、これを流れ計測装置に用いれば計測精度の向上が図れるものである。
の発明による超音波送受波器は、有天状のケースと、前記ケースの有天部内側に密着するように配設した圧電振動子と、前記ケースの有天部外側に接合手段で密着するように配設した音響整合体とを備え、前記音響整合体は、複数の細孔を有する多孔質材料で形成するとともに、外周には保護リングを密着配設し、さらに、上下両面には最外層膜を形成し、前記最外層膜は、エポキシ樹脂等の略同一硬化条件を有する熱硬化性の樹脂に粘度を上昇させるために炭化珪素等の微粉末を添加したものである。
そして、抑制膜と音響膜は、エポキシ樹脂等の略同一硬化条件を有する熱硬化性の樹脂に粘度を上昇させるために炭化珪素等の微粉末を添加してあるので、凹凸があり吸い込みやすいセラミック多孔体で形成された音響整合体の表面の浸透を抑制することができ、より音響膜の厚さを所定の厚さにできるため、音響膜の膜厚の変化による音響性能を安定化させることができる。
の発明は、特に、第1の発明の超音波送受波器を被測定流体が流れる流路の上流側と下流側に少なくとも一対配置し、両超音波送受波器間の超音波伝搬時間にもとづいて前記被測定流体の流速および/または流量を測定するようにした流れ計測装置とすることにより、温度変化、或いは高温高湿に対する特性を向上し、信頼性の高い計測精度が得られるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1に示す超音波送受波器1は、導電材料、例えばステンレスからなる有天状のケース2の頂壁内側に密着するように配設した圧電振動子3と、頂壁外側にエポキシ接着剤からなる接合手段4で密着配設した音響整合体5とからなる。
この音響整合体5は、複数の細孔を有するセラミックからなる多孔体6で構成してあり、その外周に密着するように樹脂製の保護リング7が配設してある。
また、上下両面には、炭化珪素等の微粉末を添加した熱硬化性のエポキシ樹脂材料で形成された最外層膜8が配設してあり、この最外層膜8の一方が音響膜9、もう一方が抑制膜10に設定してある。
すなわち、多孔体6は、保護リング7と、最外層膜8で密封されている。
そして、手順としては、音響膜9と抑制膜10の材料となる炭化珪素等の微粉末を添加した熱硬化性のエポキシ樹脂を、離型フィルムに印刷したものを2つ準備し、一方の印刷したものの上に、外周に保護リング7を配設した多孔体6を載置し、さらに、残りの離型フィルムに印刷した膜を位置ずれしないように重ね合わせる。
次に、この重ね合わしたものを、完全硬化させる所定の時間より短時間で予備硬化させ、音響整合体5を作成する。そして、有天状のケース2表面に、熱硬化性のエポキシ樹脂をベースとした接合手段4を印刷した後、前述の予備硬化した状態の音響整合体5を載置し、これを所定の温度・時間で加熱して完全硬化させる。
このとき、音響膜9と抑制膜10の材料となる炭化珪素等の微粉末を添加した熱硬化性のエポキシ樹脂と、接合手段4の材料は略同一硬化条件を有する熱硬化性のエポキシ樹脂をベースとしてある。
また、一方、圧電振動子3は、両端に銀の電極11,12を備えた、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなるもので、上方の電極11が接合材料であるエポキシ接着剤13を介してケース2の有天部内側に密着するように接着されている。
ケース2の下方開放部を閉塞する導電性の端子板14には一対の端子15,16が取付けてある。
さらに述べると、一方の端子15は端子板14に固定されており、ケース2、この端子板14を介して圧電振動子3の上方電極11が接続されている。他方の端子16はシリコンゴムからなる絶縁部17を介して端子板13を絶縁貫通し、ニッケル粒子表面に金メッキを施した導電部18を介在した形で圧電振動子3の下方電極12に接続されている。
ここで、超音波送受波器1を用いた超音波流れ計測装置の計測原理を詳述すると、図2に示すように、流路を具備した測定管の管内には流体が速度Vにて図に示す方向に流れている。流路19の管壁には、一対の超音波送受波器1,1が相対して設置されている。
その動作は、上流側の超音波送受波器1の共振周波数近傍の周波数の交流電圧を圧電振動子3に印加すると、流体中にL1で示す伝搬経路に超音波を放射し、下流側の超音波送受波器1に伝搬して電圧に変換する。
続いて、下流側の超音波送受波器1から流体中にL2で示す伝搬経路に超音波を放射し、これを上流側の超音波送受波器1が受けて電圧に変換する。
また、このような超音波流れ計測装置では、連続的に交流電圧を印加すると超音波送受波器1,1から連続的に超音波が放射されて伝搬時間を測定することが困難になるので、通常はパルス信号を搬送波とするバースト電圧信号を駆動電圧として用いる。
以下、測定原理についてさらに詳細な説明を行う。
駆動用のバースト電圧信号を上流側超音波送受波器1に印加して超音波バースト信号を放射すると、この超音波バースト信号は距離がLの伝搬経路L1を伝搬してt時間後に下流側の超音波送受波器1に到達する。
下流側の超音波送受波器1では伝達して来た超音波バースト信号のみを高いS/N比で電気バースト信号に変換することができる。
この電気バースト信号を電気的に増幅して、再び上流側の超音波送受波器11に印加して超音波バースト信号を放射する。これをシング・アラウンドと呼び、超音波パルスが上流側超音波送受波器1から放射され、伝搬路を伝搬して下流側超音波送受波器1に到達するのに要する時間をシング・アラウンド周期といい、その逆数をシング・アラウンド周波数という。
図2において、流路19を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波パルスの伝搬方向の角度をθとする。
上流側超音波送受波器1を超音波送波器、下流側超音波送受波器1を超音波受波器として用いたときに、上流側超音波送受波器1から出た超音波パルスが下流側超音波送受波器1に到達する時間であるシング・アラウンド周期をt1、シング・アラウンド周波数f1とすれば、次式(1)が成立する。
f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L ・・・(1)
逆に、下流側超音波送受波器1を超音波送波器として、上流側超音波送受波器1を超音波受波器として用いたときのシング・アラウンド周期をt2、シング・アラウンド周波数f2とすれば、次式(2)の関係が成立する。
f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L ・・・(2)
したがって、両シング・アラウンド周波数の周波数差Δfは、次式(3)となり、超音波の伝搬経路の距離Lと周波数差Δfから流体の流速Vを求めることができる。
Δf=f1−f2=2Vcosθ/L ・・・(3)
すなわち、超音波の伝搬経路の距離Lと周波数差Δfから流体の流速Vを求めることができ、その流速Vから演算することができる。
図2において、流体の流速Vを計測するのが計測回路20であり、これに流路19の断面積、および補正係数などを乗じて流量を演算するのが演算手段21である。
このような超音流速流量計では精度が要求され、その精度を向上させるために、気体に超音波を送波、または気体を伝搬して来た超音波を受波する超音波送受波器を構成している圧電振動子における超音波の送受波面に形成される音響整合体5の音響インピーダンスが重要となる。
本実施の形態では、圧電振動子3からの超音波は特定の周波数で振動し、その振動は接合手段12であるエポキシ接着剤を介してケース2に伝わり、さらに接合材料であるエポキシ接着剤からなる接合手段4を介して多孔体6で形成された音響整合体5に伝わり、整合した振動は音響膜9を介して、空間に存在する媒体である気体に音波として伝搬する。このとき、音響膜9はフィルム状となっており、被測定流体に相対する表面近傍の空隙率が多孔体6で形成された音響整合体5の表面近傍の空隙率に比較して低く、より平面に近いため、圧電振動子3によって振動させられた音響整合体5の振動が被測定流体を振動させたり(送信)、また逆に被測定流体の振動により音響整合体5が振動させられること(受信)を効率よく行うことができるように設けてある。
このように、この音響整合体5の役割は振動手段の振動を効率良く気体に伝搬させるようにしてある。
物質中の音速Cと密度ρとで式(4)のように音響インピーダンスZが定義される。
Z=ρ×C ・・・(4)
音響インピーダンスは振動手段である圧電振動子3と超音波の放射媒体である気体とでは大きく異なる。例えば、一般的な圧電体であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等のピエゾセラミックスの音響インピーダンス(Z0)は30×1000000kg/m2・s程度である。
また、放射媒体である気体、例えば空気の音響インピーダンス(Z3)は400kg/m2・s程度である。
このような音響インピーダンスの異なる境界面上では音波の伝搬に反射を生じて、透過する音波の強さが弱くなる。
これを解決する方法として、振動手段である圧電振動子と超音波の放射媒体である気体のそれぞれの音響インピーダンスZ0とZ3に対して、両者の間に式(5)の関係を有する音響インピーダンスを持つ物質を挿入することによって、音の反射を軽減して音波の透過する強度を高める方法が一般に知られている。
Z=(Z0×Z3)(1/2) ・・・(5)
この条件を満たす音響インピーダンスが整合した時の最適な値は、11×10000kg/m2・s程度となる。
この音響インピーダンスを満たす物質は、式(4)からわかるように固体で密度が小さく音速の遅いものであることが要求される。
本実施の形態において、前記音響整合体5は、気泡導入された酸化物系セラミック材料からなるスラリー中にモノマーを溶解させ成形型内に注入するゲルキャスティング法で成形したものを焼成して造られるセラミック成形体を所定の形状に加工したセラミックの多孔体6で構成されており、音響整合体5の密度を可能な限り、小さくしてある。
以下、セラミックの多孔体6の製造方法に関して詳細に説明する。
図3は、音響整合体5に用いたセラミックの多孔体6の製造工程フローを示している。難焼性セラミックを粉砕する工程と、セラミックの粉末に添加剤を加えスラリー化し、気泡を導入する工程と、スラリーを型に流し込み成型する工程と、焼成する工程よりなる。
以下詳細に説明する。
(難焼結性セラミック粉砕工程)
セラミックの粉砕は、ボールミルやポットミル等で混合、粉砕等することにより得られる。セラミック粉の平均粒径は特に限定しないが、好ましくは、10μm以下である。この範囲の平均粒径のセラミックを用いると、スラリー中での粉末分散性が向上されるとともに、焼結性も向上されるからである。
(セラミックの粉末のスラリー化工程)
セラミックスラリーにおいて、セラミック粉末を懸濁する媒体は、水、有機溶媒、これらの混合溶媒等を使用することができる。好ましくは水を使用する。
セラミックスラリー中に、セラミック粉末を均一に含有させるためには、適当な分散剤を使用することが好ましい。
分散剤として、ポリカルボン酸系分散剤(アニオン系分散剤)を使用でき、具体的には、ポリカルボン酸アンモニウムやポリカルボン酸ナトリウムを使用できる。好ましくは、分散剤の添加量に伴うスラリー粘度変化が大きい分散剤を使用する。
分散剤の使用量は、好ましくは、セラミック粉末の重量に対して5重量%以下であり、より好ましくは、1重量%以下である。
セラミックスラリーは、セラミックスラリー気泡導入前に脱法し、スラリーを攪拌しながら気泡を導入する。
セラミックスラリーに気泡を導入する際に、目的の形状に成型するため、ゲル化剤や、モノマーと重合開始剤とからなる重合性材料を加える。
ゲル化剤を使用すると、温度制御やpH制御等によってスラリーをゲル化することになる。ゲル化剤としては、ゼラチン、アガロース、寒天、アルギン酸ナトリウム等を挙げることができる。
重合性材料を用いる場合は、重合性材料のモノマーを用いる。具体的には、1または2以上のビニル基やアリル基等を備えたモノマーを挙げることができる。スラリーが水あるいは水性溶媒にて構成される場合には、1または2官能基性の重合性モノマーを用いることが好ましい。
また、スラリーが、有機溶媒にて構成される場合には、2官能基性の重合性モノマーであることが好ましい。特に、スラリーにおいて水を溶媒として調製する場合には、好ましくは、少なくとも1種の1官能基性の(メタ)アクリル酸アミドと、少なくとも1種の2官能基性の(メタ)アクリル酸アミドとを組み合わせて使用する。
また、スラリーを有機溶媒で調製する場合には、好ましくは、少なくとも2種の2官能基性の(メタ)アクリル酸を組み合わせて使用する。
1官能基性モノマーや2官能基性モノマーを使用する場合には、好ましくは、過硫酸アンモニウムや過硫化カリウム等である。
また、2以上の官能基を有する官能基性モノマーを使用する場合には、好ましくは、有機過酸化物や過酸化水素化合物や、アゾあるいはジアゾ化合物を使用する。具体的には、過酸化ベンゾイルである。
導入したガスは、界面活性剤等によって気泡としてスラリー中に保持するようにするのが好ましい。
界面活性剤は、当該気泡導入工程において、攪拌等による気泡の導入前にセラミックスラリーに添加することが好ましい。
界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸等の陰イオン性界面活剤や、高級アルキルアミノ酸等の陽イオン界面活性剤を例示できる。
具体的には、n−ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びこれらのナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属塩を挙げることができる。
また、トリエタノールアミンラウリルエーテル等及びこれらのハロゲン化塩や、硫酸塩、酢酸塩、塩酸塩等を挙げることができる。
また、ジエチルヘキシルコハク酸及びそのアルカリ金属塩等を挙げることができる。
(気泡導入工程)
以上のようにして作製したスラリーに気泡を導入する。この気泡導入工程において、ゲル化材料として重合性材料を用いる場合には、重合性材料とともに、重合開始剤、あるいは重合開始剤と重合触媒とを添加することが好ましい。
重合触媒を添加すれば、ゲル化温度やその添加量によりゲル化工程の時間を調整することができる。通常、重合触媒を添加すると、室温付近で速やかにゲル化(重合)が開始される。
したがって、気泡導入方法や気泡導入量等を考慮して、重合触媒の使用や種類が選択される。重合触媒としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等を挙げることができる。
(スラリー成型工程)
このようにして調製した含気泡セラミックスラリーを、成形型等に注入して、ゲル化させ、ゲル状多孔質成形体を形成する。含気泡セラミックスラリーを円筒状の成形型に流し込み、重合反応あるいはゲル化反応を行って、固化させる。
スラリーが固化すると、スラリー中に存在していた気泡も、ゲル状体中に保存される。この結果、固化体が多孔質となり、ゲル状多孔質成形体が得られる。これを脱型して、乾燥、脱脂、焼成する。
乾燥は、ゲル状多孔質成形体中に含まれている水、溶媒を蒸発させるように行う。乾燥条件(温度、湿度、時間等)は、スラリー調製に用いた溶媒の種類とゲル状多孔質成形体の骨格部分を構成する成分(ゲル化剤あるいは重合体)によって適宜調整する。
通常は、20℃以上であり、好ましくは、25℃以上80℃以下であり、より好ましくは、25℃以上40℃以下である。
(焼成工程)
つぎに、乾燥体から有機分を除去するために、さらに高温で加熱する。
脱脂のための温度と時間は、使用した有機分の量および種類によって調整する。例えば、ゲル化のための材料としてメタクリルアミドとN,N−メチレンビスアクリルアミドを用いたスラリーから調製したゲル状多孔質成形体の場合、700℃で2日間脱脂する。
脱脂後には、焼成工程を実施する。焼成のための条件は、使用したセラミック材料の種類等を考慮して設定される。
このような工程により、本実施の形態のセラミック多孔体6を得ることができる。
セラミック多の孔体6は、多孔質であり、複数の空隙が存在している。空隙はセラミックの多孔体6に分散して存在することが好ましい。
空隙は、独立して存在する場合もあり、他の空隙と連続して存在し、外部と連通している場合もある。本音響整合体5では、孔部が連続して存在するほうが好ましい。
セラミックの多孔体6は、全体として、60%以上90%以下の気孔率(ここでは開気孔及び閉気孔を含む全気孔率を意味する)を有していることが好ましい。
より好ましくは、80%以上90%以下である。全気孔率は、以下に示す計算式(3)によって求められる。
全気孔率(%)=(1−かさ密度/真密度)×100 (3)
ただし、かさ密度=試料の重量/試料のかさ体積である。真密度は、例えば、極めて微粉化した試料の任意量をピクノメータに投入し、所定の容積に至るまで水を注入して煮沸等してボイドを排除した上で、その重さと容積との関係から求めることができる。
前記効率が、60%以下では、音響整合体5の密度ρ1が大きくなり孔径90%を超えると機械的強度の低下が著しいからである。開気孔率は、より好ましくは、65%以上であり、また、85%以下であり、強度の許す範囲で軽くして、密度が小さく音速の遅いものに近づけようにしてある。
以上の材料、および製造条件を最適化し、本発明の実施の形態における音響整合体5のセラミックの多孔体6の密度を200kg/m3以上400kg/m3未満で調整することで密度の低く強度の大きい多孔体6を実現することができた。
以上のように、本実施の形態においては、高感度の超音波送受波器を得ることを目的とし、音響整合体5は音の反射を軽減して音波の透過する強度を高めるため、固体で密度が小さく音速の遅いものとして、脆く壊れやすい低密度のセラミックの多孔体6を用い、また、効率よく音響整合体5の振動が被測定流体を振動させたり(送信)、また逆に被測定流体の振動により音響整合体5が振動させられるようにするため、音響整合体5に音響膜9を配設してある。
さらに、音響整合体5は、気孔径が小さく気孔率が高いセラミック多孔体6等の多孔質材料で形成するとともに、前記音響整合体5に予め音響整合体5への接合手段の浸透を抑制する抑制膜10を形成してあるので、抑制膜10によって、接合手段の浸透を抑制することができ、音の伝達経路の安定化を図ることができる。
ここで、多孔質材料としてもちいる脆く壊れやすい低密度の多孔体6は、その中を通過する音の伝達からは緻密であった方がよく、被測定物流体への伝達効率からすると密度ができるだけ小さい方が良いため、その気孔径ができるだけ小さく均一にそろい、かつ、気孔率が高いことが条件となる。このような気孔径が小さく気孔率が高いすなわち気孔部分が多い形状では、毛細管現象による吸引がよくはたらくため、エポキシ樹脂等の熱硬化性の高粘度の樹脂であっても熱硬化するまでの加熱時に粘度が下がり浸透してしまい、浸透した場合、低密度のセラミック多孔体6が浸透した場合、その分密度が高くなってしまい、被測定物流体への音の伝達効率が悪くなってしまううえに、伝達経路まで変わってしまうため、その損失は大きくなってしまう。
さらに、多孔体6への浸透がばらつくと、音の伝達経路がばらつき、それが性能のばらつきにつながるため、抑制膜10によって、接合手段4の浸透を抑制することで、音の伝達経路の安定化を図ることによって、性能を向上し、かつ、安定化させることができるようになる。
また、音響膜9と抑制膜10を形成した音響整合体5は、硬くて脆い多孔体6等の多孔質材料に音響膜9と抑制膜10で靱性を付与されるため、欠けや発塵を少なくするすることができ、組立時の多孔質体の発塵等による影響を極力少なくすることができる。
また、音響整合体5を構成するゲルキャスティング法で成形した多孔体6は、スラリー中のモノマーがラジカル重合することより、型内でポリマーのネットワークが形成され、ゲル湿潤成形体となるため、スラリーの流動過程と固化過程が完全に分離し、粒子がその場で固定されることにより、多孔体6中の不均一や欠陥が発生しにくく、一般的な加圧成形や鋳込み成形に対し約10倍以上の強度を得ることができるとともに、均一の組織となり、密度ばらつきも小さいため、複雑な形状でも対応でき、軽くて強度も高くすることができる。
したがって、輸送時などに多孔体6で形成された音響整合体5の一部が欠けたり、発塵して、他の機器に悪影響を与える心配が少なくなり、多孔体6で形成された音響整合体5を、超音波の送受信をより効率よく行わせるために、その密度を小さくすることができるようになる。
そして、音響整合体5に形成する音響膜9と抑制膜10となる最外層膜8は、同一の材質かつ形状としてあるので、音響整合体5に表裏がなくなるため、音響整合体5をケースの有天部外側に接合手段4で密着する時の表裏の間違いがなくなり、組立時の取扱いが楽になり、組立の信頼性が向上できる。
そして、抑制膜10と音響膜9は、離型フィルムにエポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂をベースとした樹脂材料を印刷した後、セラミックの多孔体6で形成された音響整合体5の表面に転写して形成してあるので、凹凸があり吸い込みやすい多孔体6で形成された音響整合体5の表面に所定量の樹脂材料を塗布することができ、音響膜9の厚さを所定の厚さにできるため、音響膜9の膜厚の変化による音響性能を安定化させることができる。
また、抑制膜10と音響膜9は、エポキシ樹脂等の略同一硬化条件を有する熱硬化性の樹脂に粘度を上昇させるために炭化珪素等の微粉末を添加してあるので、凹凸があり吸い込みやすい多孔体6で形成された音響整合体5の表面の浸透を抑制することができ、より音響膜9の厚さを所定の厚さにできるため、音響膜9の膜厚の変化による音響性能を安定化させることができる。
尚、本実施の形態では、高感度の超音波送受波器を得ることを目的とし、音響整合体5は音の反射を軽減して音波の透過する強度を高めるため、固体で密度が小さく音速の遅いものとして、脆く壊れやすい低密度のセラミックの多孔体6を用い、この外周に密着するように樹脂製の保護リング7を配設したが、これは、多孔体の上下両面に形成する最外層膜8とほぼ同じ膨張率となるようにして、熱疲労に強くなるようにしたもので、保護リング7を気孔を有さない緻密なセラミック等の他の材質のものとしてもよく、その他各部の構成も本発明の目的を達成する範囲であればその構成はどのようなものであってもよい。
以上のように、本発明にかかる超音波送受波器およびそれを用いた流れ計測装置は、高感度の超音波送受波器を得ることが可能となるので、検針用ガスメータ等の用途に適用できる。
本発明の実施の形態1における超音波送受波器の断面図 本発明の実施の形態1における超音流速流量計の測定原理説明図 本発明の実施の形態1における音響整合体に用いた多孔体の製造工程を示す説明図 従来の超音波送受波器に組み込むための音響整合体一部断面拡大図
1 超音波送受波器
2 有天状のケース
3 圧電体
4 接合手段
5 音響整合体
6 多孔体
7 保護リング
8 最外層膜
9 音響膜
10 抑制膜

Claims (2)

  1. 有天状のケースと、前記ケースの有天部内側に密着するように配設した圧電振動子と、前記ケースの有天部外側に接合手段で密着するように配設した音響整合体とを備え、前記音響整合体は、複数の細孔を有する多孔質材料で形成するとともに、外周には保護リングを密着配設し、さらに、上下両面には最外層膜を形成し、前記最外層膜は、エポキシ樹脂等の略同一硬化条件を有する熱硬化性の樹脂に粘度を上昇させるために炭化珪素等の微粉末を添加した超音波送受波器。
  2. 請求項1記載の超音波送受波器を被測定流体が流れる流路の上流側と下流側に少なくとも一対配置し、両超音波送受波器間の超音波伝搬時間にもとづいて前記被測定流体の流速および/または流量を測定するようにした超音波流れ測定装置。
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