JP6032512B1 - 積層体、超音波送受波器および超音波流量計 - Google Patents
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Abstract
Description
[項目1]
圧電体と、
前記圧電体と、直接または他の層を介して、接して配置されている第1音響整合層であって、
10kg/m 3 以上100kg/m 3 以下の密度を有する第1音響整合層と
を備える、積層体。
[項目2]
前記第1音響整合層は、ポリメタクリルイミド発泡体を含む、項目1に記載の積層体。
[項目3]
前記第1音響整合層の音速が500m/s以上である、項目1または2に記載の積層体。
[項目4]
前記ポリメタクリルイミド発泡体は、複数のクローズドポアを含む、項目1から3のいずれかに記載の積層体。
[項目5]
前記クローズドポアの平均ポア径が、1μm以上100μm以下である、項目4に記載の積層体。
[項目6]
前記クローズドポアの隣接間距離が50nm以上1μm以下の範囲内で均一に分布する項目4または5に記載の積層体。
[項目7]
前記第1音響整合層の音響インピーダンスが5×103kg/s・m2以上350×103kg/s・m2の範囲内にある、項目1から6のいずれかに記載の積層体。
[項目8]
前記第1音響整合層の厚さが前記第1音響整合層中を伝播する音波の波長λの略1/4ある、項目1から7のいずれかに記載の積層体。
[項目9]
前記圧電体と前記第1音響整合層との間に位置する第2音響整合層を更に備え、
前記第2音響整合層は、50kg/m3以上1500kg/m3以下であり、かつ、前記第1音響整合層よりも大きい密度を有する、項目1から8のいずれかに記載の積層体。
[項目10]
前記第1音響整合層の音響インピーダンスZaと、前記第2音響整合層の音響インピーダンスZbとの関係が、Za<Zbである、項目9に記載の積層体。
[項目11]
前記第2音響整合層の厚さが、前記第1音響整合層中を伝播する音波の波長λの略1/4である項目9または10に記載の積層体。
[項目12]
前記第1音響整合層は、前記圧電体と直接接合されている、項目1から8のいずれかに記載の積層体。
[項目13]
前記第2音響整合層は、前記第1音響整合層、および、前記圧電体と直接接して配置されている、項目9に記載の積層体。
[項目14]
前記第1音響整合層と前記第2音響整合層との間に、1000kg/m3以上の密度を有する構造支持層をさらに備える、項目9に記載の積層体。
[項目15]
前記構造支持層の厚さが、前記構造支持層中を伝播する音波の波長λの1/8未満である、項目14に記載の積層体。
[項目16]
項目1から15のいずれかに記載の積層体を備えた超音波送受波器。
[項目17]
項目1から8のいずれかに記載の積層体と、
天板を有する凸形状を備えた本体、および、前記凸形状の開口を覆う蓋板を有するケースをさらに備え、
前記圧電体は、前記凸形状内に位置し、前記天板の内面に張り付けられ、
前記第1音響整合層は前記天板の外面に張り付けられている、超音波送受波器。
[項目18]
項目9から11のいずれかに記載の積層体と、
天板を有する凸形状を備えた本体、および、前記凸形状の開口を覆う蓋板を有するケースをさらに備え、
前記圧電体は、前記凸形状内に位置し、前記天板の内面に張り付けられ、
前記第2音響整合層は前記、天板の外面に張り付けられ、
前記第1音響整合層は前記第2音響整合層に接している、超音波送受波器。
[項目19]
前記ケースは金属材料によって構成されている項目17または18に記載の超音波送受波器。
[項目20]
被測定流体が流れる流路と、
前記流路に配置された、超音波信号を送受信する一対の超音波送受波器であって、項目16から18のいずれか1項に記載の超音波送受波器と、
前記一対の超音波送受波器間の超音波伝搬時間を計測する時間計測部と、
前記計測回路からの信号に基づいて前記流路の流量を算出する演算部と、
を備えた超音波流量計。
以下、本実施形態の超音波送受波器および超音波流量計の一例を詳細に説明する。
図1は本開示の超音波流量計の概略的な構成を示す。図1に示すように、管壁13によって規定される流量計測部には流体が流速Vにて図に示す方向に流れている。管壁13には、一対の超音波送受波器(第1および第2の超音波送受波器)11、12が相対して設置されている。超音波送受波器11、12は、電気エネルギー/機械エネルギー変換素子として、圧電セラミック等の圧電振動子を用いて構成されており、圧電ブザー、圧電発振子と同様に共振特性を示す。まず、超音波送受波器11を超音波送波器として用い、超音波送受波器12を超音波受波器として用いる。超音波送受波器11の共振周波数近傍の周波数の交流電圧を圧電振動子に印加すると、超音波送受波器11は管内の流体中に同図中のL1で示す伝搬経路に沿って超音波を放射する。超音波送受波器12は流体中を伝搬してきた超音波を受けて電圧に変換する。続いて、反対に超音波送受波器12を超音波送波器として用い、超音波送受波器11を超音波受波器として用いる。超音波送受波器12の共振周波数近傍の周波数の交流電圧を圧電振動子に印加することにより、超音波送受波器12は管内の流体中に同図中のL2で示す伝搬経路に沿って超音波を放射し、超音波送受波器11は伝搬してきた超音波を受けて電圧に変換する。このように、超音波送受波器11、12は、受波器としての役目と送波器としての役目を果たすので、一般に超音波送受波器と呼ばれる。
f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L・・・(1)
f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L・・・(2)
Δf=f1−f2=2Vcosθ/L・・・(3)
図2は、本開示の超音波流量計に用いる超音波送受波器11の一例を示す断面図である。超音波送受波器12も超音波送受波器11と同じ構造を備えている。超音波送受波器11は、積層体28とケース29とを備える。
音響インピーダンス=(密度)×(音速)・・・(4)
図4は、本実施形態の超音波流量計に用いられる超音波送受波器の構造を模式的に示している。図4に示す超音波送受波器は、圧電体21、第1音響整合層26および第2音響整合層27を含む積層体28’を備えている点で第1の実施形態と異なる。
以下、第1および第2の実施形態の超音波送受波器および超音波流量計を作製し、特性を調べた結果を説明する。
[参考例(A)]
(a)第2音響整合層(シリカ多孔体)の製造
数十μm径の球状アクリル樹脂と1μm以下の直径の焼結シリカ粉末を混合した後に加圧成型を行った。この成型体を乾燥した後に、900℃で焼成してシリカ多孔体を形成した。その後、シリカ多孔体の厚さが超音波発振波長の1/4となるように調製し、第2音響整合層を得た。第2音響整合層中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は1500m/sであった。密度は570kg/m3であり、厚さは750μmであった。
テトラメトキシシランとエタノールとアンモニア水溶液(0.1規定)とをモル比で1対3対4になるように調製したゲル原料液を、予めプラズマクリーニングによって水酸基が表面に露出するように洗浄した第2音響整合層上に、90μmの厚さで塗布した。その後、塗布したゲル原料液を固化させ、シリカ湿潤ゲル層を得た。このシリカ湿潤ゲル層を形成した第2音響整合層をトリメチルエトキシシランの5重量%ヘキサン溶液中で疎水化処理を行った後に、二酸化炭素による超臨界乾燥(12MPa、50℃)を行って、シリカ乾燥ゲルと第2音響整合層が積層した音響整合層を得た。第2音響整合層上の水酸基とテトラメトキシシランのアルコキシ基が反応して化学結合を形成しているため、密着性の良い第1音響整合層が得られた。第1音響整合層中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は180m/sであり、密度は200kg/m3であった。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第2音響整合層27で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第1音響整合層の加工
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC31HP:密度30kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ60μm、平均壁厚さ80nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の速度は1200m/sであった。第1音響整合層26の厚さは600μmに調製した。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第1音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第1音響整合層の加工
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC51RIMA:密度50kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ40μm、平均壁厚さ200nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の速度は2000m/sであった。第1音響整合層26の厚さは1000μmに調製した。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第1音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第1音響整合層の加工
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC71RIMA:密度70kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ25μm、平均壁厚さ400nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の速度は3000m/sであった。第1音響整合層26の厚さは1500μmに調製した。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第1音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第1音響整合層の加工
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC71SL:密度70kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ200μm、平均壁厚さ2000nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の速度は400m/sであった。第1音響整合層26の厚さは200μmに調製した。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第1音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第1音響整合層の加工
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC71RIST:密度70kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ300μm、平均壁厚さ3250nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の速度は460m/sであった。第1音響整合層26の厚さは230μmに調製した。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第1音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第2音響整合層(ガラスエポキシ)27の製造
有機高分子、無機材料の繊維体、フォーム体、焼結多孔体、ガラスバルーンやプラスチックバルーンを樹脂材料で固めた材料、ガラスバルーンを熱圧縮した材料などを用いることができる。ここでは、冶具にガラスバルーンを充填した後にエポキシ溶液を含浸させて、120℃で熱硬化させた。この硬化した成型体の厚さを超音波発振波長の1/4になるように切削し、第2音響整合層27を得た。第2音響整合層27中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は2500m/sであった。密度は、520kg/m3であり、厚さは1250μmであった。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第2音響整合層27で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC31HP:密度30kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ60μm、平均壁厚み80nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は1200m/s、であり、厚さは600μmであった。第2音響整合層27の表面におよそ50μmの厚さでエポキシ樹脂を塗布し、その上に前記第1音響整合層26を、配置し、熱加圧することにより接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第2音響整合層(ガラスエポキシ)27の製造
有機高分子、無機材料の繊維体、フォーム体、焼結多孔体、ガラスバルーンやプラスチックバルーンを樹脂材料で固めた材料、ガラスバルーンを熱圧縮した材料などを用いることができる。ここでは、冶具にガラスバルーンを充填した後にエポキシ溶液を含浸させて、120℃で熱硬化させた。この硬化した成型体の厚さを超音波発振波長の1/4になるように切削し、第2音響整合層27を得た。第2音響整合層27中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は2500m/sであった。密度は、520kg/m3であり、厚さは1250μmであった。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第2音響整合層27で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC31HP:密度30kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ60μm、平均壁厚み80nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は1200m/s、であり、厚さは600μmであった。第2音響整合層27の表面におよそ150μmの厚さでエポキシ樹脂を塗布し、その上に前記第1音響整合層26を、配置し、熱加圧することにより接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第2音響整合層(ガラスエポキシ)27の製造
有機高分子、無機材料の繊維体、フォーム体、焼結多孔体、ガラスバルーンやプラスチックバルーンを樹脂材料で固めた材料、ガラスバルーンを熱圧縮した材料などを用いることができる。ここでは、冶具にガラスバルーンを充填した後にエポキシ溶液を含浸させて、120℃で熱硬化させた。この硬化した成型体の厚さを超音波発振波長の1/4になるように切削し、第2音響整合層27を得た。第2音響整合層27中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は2500m/sであった。密度は、520kg/m3であり、厚さは1250μmであった。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第2音響整合層27で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC51RIMA:密度50kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ40μm、平均壁厚み200nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は2000m/sであり、厚さは100μmであった。第2音響整合層27の表面におよそ50μmの厚さでエポキシ樹脂を塗布し、その上に前記第1音響整合層26を、配置し、熱加圧することにより接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第2音響整合層(ガラスエポキシ)27の製造
有機高分子、無機材料の繊維体、フォーム体、焼結多孔体、ガラスバルーンやプラスチックバルーンを樹脂材料で固めた材料、ガラスバルーンを熱圧縮した材料などを用いることができる。ここでは、冶具にガラスバルーンを充填した後にエポキシ溶液を含浸させて、120℃で熱硬化させた。この硬化した成型体の厚さを超音波発振波長の1/4になるように切削し、第2音響整合層27を得た。第2音響整合層27中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は2500m/sであった。密度は、520kg/m3であり、厚さは1250μmであった。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第2音響整合層27で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC71RIMA:密度70kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ25μm、平均壁厚み400nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は3000m/sであり、厚さは1500μmであった。第2音響整合層27の表面におよそ50μmの厚さでエポキシ樹脂を塗布し、その上に前記第1音響整合層26を、配置し、熱加圧することにより接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第2音響整合層(ガラスエポキシ)27の製造
有機高分子、無機材料の繊維体、フォーム体、焼結多孔体、ガラスバルーンやプラスチックバルーンを樹脂材料で固めた材料、ガラスバルーンを熱圧縮した材料などを用いることができる。ここでは、冶具にガラスバルーンを充填した後にエポキシ溶液を含浸させて、120℃で熱硬化させた。この硬化した成型体の厚さを超音波発振波長の1/4になるように切削し、第2音響整合層27を得た。第2音響整合層27中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は2500m/sであった。密度は、520kg/m3であり、厚さは1250μmであった。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第2音響整合層27で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC71SL:密度70kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ200μm、平均壁厚み2000nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は400m/sであり、厚さは200μmであった。第2音響整合層27の表面におよそ50μmの厚さでエポキシ樹脂を塗布し、その上に前記第1音響整合層26を、配置し、熱加圧することにより接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
(a)第2音響整合層(ガラスエポキシ)27の製造
有機高分子、無機材料の繊維体、フォーム体、焼結多孔体、ガラスバルーンやプラスチックバルーンを樹脂材料で固めた材料、ガラスバルーンを熱圧縮した材料などを用いることができる。ここでは、冶具にガラスバルーンを充填した後にエポキシ溶液を含浸させて、120℃で熱硬化させた。この硬化した成型体の厚さを超音波発振波長の1/4になるように切削し、第2音響整合層27を得た。第2音響整合層27中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は2500m/sであった。密度は、520kg/m3であり、厚さは1250μmであった。
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電体21および第2音響整合層27で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
第1音響整合層26として、ポリメタクリルイミド硬質プラスチック発泡体 ROHACELL(R)(型番RC71RIST:密度70kg/m3)を使用した。この材料は、平均ポアサイズ300μm、平均壁厚み3250nmであり、直径10.8mmの円柱形状に加工した。第1音響整合層26中を伝搬する約500kHzの超音波の音速は460m/sであり、厚さは230μmであった。第2音響整合層27の表面におよそ50μmの厚さでエポキシ樹脂を塗布し、その上に前記第1音響整合層26を、配置し、熱加圧することにより接合した。
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
作製した超音波送受波器の感度を測定した。作製した1対の超音波送受波器を対向させ、一方を送信器とし、他方を受信器として、超音波の送受信を行った。参考例(A)による測定結果を基準として規格化した値を求めた。また、第1音響整合層の脆さ・加工性を体積弾性率によって評価した。具体的には、第1音響整合層に用いた材料のカタログに示された体積弾性率を、参考例(A)の材料の体積弾性率で規格化した値を求めた。表1にこれらの値、および、第1音響整合層26および第2音響整合層27の特性をまとめて示す。
×:1未満
△:1以上1.5未満
○:1.5以上2未満
◎:2以上
(脆性・加工性)
×:1以下
△:2以上5未満
○:5以上30未満
◎:30以上
表1に示すように、ポリメタクリルイミド発泡体は、シリカ多孔体に比べて、脆さ・加工性に優れていることが分かる。また、実施例BからFの平均気泡径と感度との関係から、平均気泡径が100μm以下であり、隔壁の平均厚さが1μm以下である方が、感度がよいことが分かる。本願発明者の詳細な実験の結果によれば、平均気泡径が1μm以上100μm以下であり、隔壁の平均厚さが50nm以上1μm以下であることによって、超音波送受波器の感度は向上する。また、第1音響整合層の音速は、500m/sよりも大きい方が高い感度が得られることが分かる。
22 本体
22u 天板
22a 内面
22b 外面
23 蓋板
24a、24b 駆動端子
25 絶縁材
26 第1音響整合層
27 第2音響整合層
28、28’ 積層体
29 ケース
31 時間計測部
32 演算部
Claims (18)
- 圧電体と、
前記圧電体と、直接または他の層を介して、接して配置されている第1音響整合層であって、
複数のクローズドポアを含む硬質プラスチック独立気泡発泡体を含み、
前記クローズドポアの平均ポア径が、1μm以上100μm以下であり、
10kg/m3以上100kg/m3以下の密度を有する第1音響整合層と
を備える、
積層体。 - 前記硬質プラスチック独立気泡発泡体は、ポリメタクリルイミド発泡体である、請求項1に記載の積層体。
- 前記第1音響整合層の音速が500m/s以上である、請求項1または2に記載の積層体。
- 前記クローズドポアの隣接間距離が50nm以上1μm以下の範囲内で均一に分布する請求項1から3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記第1音響整合層の音響インピーダンスが5×103kg/s・m2以上350×103kg/s・m2の範囲内にある、請求項1から4のいずれかに記載の積層体。
- 前記第1音響整合層の厚さが前記第1音響整合層中を伝播する音波の波長λの略1/4である、請求項1から5のいずれかに記載の積層体。
- 前記圧電体と前記第1音響整合層との間に位置する第2音響整合層を更に備え、
前記第2音響整合層は、50kg/m3以上1500kg/m3以下であり、かつ、前記第1音響整合層よりも大きい密度を有する、請求項1から6のいずれかに記載の積層体。 - 前記第1音響整合層の音響インピーダンスZaと、前記第2音響整合層の音響インピーダンスZbとの関係が、Za<Zbである、請求項7に記載の積層体。
- 前記第2音響整合層の厚さが、前記第2音響整合層中を伝播する音波の波長λの略1/4である請求項7または8に記載の積層体。
- 前記第1音響整合層は、前記圧電体と直接接合されている、請求項1から6のいずれかに記載の積層体。
- 前記第2音響整合層は、前記第1音響整合層、および、前記圧電体と直接接して配置されている、請求項7に記載の積層体。
- 前記第1音響整合層と前記第2音響整合層との間に、1000kg/m3以上の密度を有する構造支持層をさらに備える、請求項7に記載の積層体。
- 前記構造支持層の厚さが、前記構造支持層中を伝播する音波の波長λの1/8未満である、請求項12に記載の積層体。
- 請求項1から13のいずれかに記載の積層体を備えた超音波送受波器。
- 請求項1から6のいずれかに記載の積層体と、
天板を有する凸形状を備えた本体、および、前記凸形状の開口を覆う蓋板を有するケースをさらに備え、
前記圧電体は、前記凸形状内に位置し、前記天板の内面に張り付けられ、
前記第1音響整合層は前記天板の外面に張り付けられている、超音波送受波器。 - 請求項7から9のいずれかに記載の積層体と、
天板を有する凸形状を備えた本体、および、前記凸形状の開口を覆う蓋板を有するケースをさらに備え、
前記圧電体は、前記凸形状内に位置し、前記天板の内面に張り付けられ、
前記第2音響整合層は前記天板の外面に張り付けられ、
前記第1音響整合層は前記第2音響整合層に接している、超音波送受波器。 - 前記ケースは金属材料によって構成されている請求項15または16に記載の超音波送受波器。
- 被測定流体が流れる流路と、
前記流路に配置された、超音波信号を送受信する一対の超音波送受波器であって、請求項14から16のいずれか1項に記載の超音波送受波器と、
前記一対の超音波送受波器間の超音波伝搬時間を計測する時間計測部と、
前記計測回路からの信号に基づいて前記流路の流量を算出する演算部と、
を備えた超音波流量計。
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