JP2018063114A - 音響整合層および超音波送受波器および超音波流量計 - Google Patents

音響整合層および超音波送受波器および超音波流量計 Download PDF

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Abstract

【課題】特性および信頼性の優れた超音波送受波器および超音波流量計を提供する。【解決手段】圧電振動子21と気体との音響インピーダンスを整合させるクローズドポアである発泡樹脂より構成される音響整合層26の超音波照射面および反対側面を、表面粗度を中心平均粗さRa100um以下に制御することにより、音響整合層26の超音波照射性を向上させ、ケース29との接着面を整え、信頼性に優れた超音波送受波器11および超音波流量計を得る。【選択図】図2

Description

本発明は、超音波を利用して気体の流量を計測する流量計測装置や、物体との距離を測定する距離計測装置に用いる超音波送受波器に関するもので、特に圧電振動子の音響インピーダンスと被測定流体の音響インピーダンスとの整合をとる音響整合層、さらにはこれを用いた超音波送受波器に関するものである。
近年、超音波が流量計測部を伝搬する時間を計測し、流体の移動速度を測定して流量を計測する超音波流量計がガスメータ等に利用されつつある。このような超音波流量計では精度が要求され、その精度を向上させるために、気体に超音波を送波、または気体を伝搬して来た超音波を受波する超音波送受波器において、構成している音響整合層の音響インピーダンスが重要となる。
音響インピーダンスZは、物質中の音速Cと密度ρとで式(1)のように定義される。
Z=ρ×C ・・・(1)
音響インピーダンスは振動手段としての圧電振動子である固体と超音波の放射媒体である気体とでは大きく異なる。例えば、一般的な圧電振動子であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等のピエゾセラミックの音響インピーダンス(Z0)は30×10kg/m・s程度である。また、放射媒体である気体、例えば空気の音響インピーダンス(Z3)は400kg/m・s程度である。
このような音響インピーダンスの異なる境界面上では音波の伝搬において反射を生じて、放射媒体を透過する音波の強さが弱くなる。これを解決する方法として、振動手段である圧電振動子と超音波の放射媒体である気体とのそれぞれの音響インピーダンスZ0とZ3に対して、両者の間に式(2)の関係を有する音響インピーダンスを持つ物質を挿入することによって、音の反射を軽減して音波の透過する強度を高める方法が一般に知られている。この物質が音響整合層である。
Z=(Z0×Z3)(1/2) ・・・(2)
この条件を満たす音響インピーダンスが整合した時の最適な値は、11×10kg/m・s程度となる。この音響インピーダンスを満たす音響整合層は、固体で密度が小さいものであることが要求され、超音波送受波器としたときにおいても破壊しないことが必要である。
特許第4449291号公報
超音波送受波器の音響整合層に用いることのできる材料は、低密度が要求されるためガラスバルーンのような中空球体とエポキシ樹脂などによる結合材料の混合により作成される音響整合層が知られている。これを所定の厚みに切断した場合、音響整合層の切断表面に中空球体の切断による凹部が発生する。
そして、前記方法で作成した音響整合層の表面に接着剤を印刷により塗布して接着層を
形成し、前記音響整合層の表面が圧電振動子の表面、あるいは内部壁面に圧電振動子を接着したケース表面に接着される際、前記音響整合層の前記凹部内に接着剤が完全に埋まらず微少空隙を残したまま接着されるので圧電振動子から発振される振動が、音響整合層接着界面の気泡存在のために音響整合層材料表面と圧電振動子表面あるいはケース表面間の接着強度が十分に発揮されないという課題を有していた。
特許文献1ではこれを改善するために、音響整合部層を切断工程により切削した後、前期の音響整合層側壁表面を除く表面部分に高分子材料を被覆することで、中空球体の切断による凹部を埋めてしまうものである。
音響整合層の密度が比較的高い場合0.5g/cmにおいては、音響整合層材料の切断端部に生じた凹部を樹脂で埋める考え方にて効果が確認できる。しかしながら、式(2)に示すように感度向上を目的とした場合、音響整合層の密度をさらに低下させる必要があり、ガラスバルーンの高充填では低密度体を得ることが困難である。
この際に低密度体を得る手段としては発泡技術が挙げられる。樹脂溶液に発泡剤などの成分を混合し、加熱等の刺激に応じて発泡剤をガス化させ、ガラスバルーンなどの中空球体を用いることなく樹脂材料のみで中空構造を形成する技術である。このような低密度化手法にて、0.1g/cmを下回る低密度の音響整合層を実現することも可能である。
しかし、音響整合層として用いるために、所望の厚みに切断するため、この場合においても中空構造によってもたらされる凹部が生じる。低密度に調整した音響整合層の表面の凹部に、前記凹部を樹脂にて埋める方法の適用が特許文献1に記載されているが、発泡体の壁厚は極めて薄いため、低密度の発泡体よりも埋めることにより高密度の層が生じることと成る。
従って、これにより生じた高密度の層により音響インピーダンスが部分的に増加し、この結果、音響整合層による感度特性を低下させることになる。超音波照射面の反対側面に対しても同様である。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、優れた特性を示し、信頼性にも優れた音響整合層と、その整合層を用いた超音波送受波器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の音響整合層は、発泡樹脂の表面粗度を中心平均粗さRaにて所定に規定したものである。
これによって、発泡樹脂の密度を変化させることなく、すなわち音響インピーダンスを変動させることなく音響整合層を構成することができる。また、超音波照射面と反対側面の表面粗度を規定することで、接着剤の浸み込み厚みを一定にできる。こうして得られる音響整合層を用いた超音波送受波器は感度特性にも優れた特性を示す。
また、発泡樹脂のポア径Rと中心平均粗さRaをR≧Raとすることで、音響整合層の超音波照射面からの超音波振動を極大化することができ、超音波送受波器の特性向上を図ることができる。
本発明の音響整合層によれば、適切な音響インピーダンスおよび接着安定化が図れ、従来よりも高感度かつ高信頼性の超音波送受波器および超音波流量計が実現し得る。
本開示の超音波流量計を示すブロック図 本開示の積層体および超音波送受波器の第1の実施形態を示す模式的端面図 (a)第1の実施形態の超音波送受波器の製造方法を示す工程断面図、(b)第1の実施形態の超音波送受波器の製造方法を示す工程断面図
第1の発明は、圧電振動子と気体との音響インピーダンスを整合させるクローズドポアである発泡樹脂より構成される音響整合層であって、超音波照射面および反対側面の中心平均粗さが100μm以下であることを特徴とする音響整合層とすることにより、音響インピーダンスを増加させることなく超音波送受波器において、特性発現させることができる。
第2の発明は、前記発泡樹脂のポア径が100μm以下であることを特徴とする第1の発明に記載の音響整合層とすることにより、クローズドポア構造の発泡樹脂の超音波照射面を最大限振動させることができ、超音波送受波器において、特性向上させることができる。
第3の発明は、前記発泡樹脂のポア径Rと、前記中心平均粗さRaが、R≧Raを満たす第1の発明または第2のいずれか1つの発明に記載の音響整合層とすることにより、接着剤の浸透性を制御し、かつ超音波照射性面での減衰を最小限にすることで、信頼性と特性向上をはかった超音波送受波器を得ることができる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明に記載の音響整合層と振動手段とを備える超音波送受波器とすることにより、特性と信頼性に優れた超音波送受波器とすることができる。
第5の発明は、第4の発明の超音波送受波器を具備する超音波流量計であって、被測定流体が流れる流量計測部と、前記流量計測部に、前記被測定流体の流れの上流側と下流側とに配置した一対の前記超音波送受波器と、前記一対の超音波送受波器間の超音波伝搬時間を計測する時間計測部と、前記伝搬時間に基づき、前記被測定流体の流量を算出する演算部とを具備する超音波流量計とすることにより、高信頼性の流量計を実現するとすることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の音響整合層、超音波送受波器および超音波流量計の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下、本実施形態の超音波送受波器および超音波流量計の一例を詳細に説明する。
[超音波流量計の構成]
図1は本開示の超音波流量計の概略的な構成を示す。図1に示すように、管壁13によって規定される流量計測部には流体が流速Vにて図に示す方向に流れている。管壁13には、一対の超音波送受波器(第1および第2の超音波送受波器)11、12が相対して設置されている。超音波送受波器11、12は、電気エネルギー/機械エネルギー変換素子として、圧電セラミック等の圧電振動子を用いて構成されており、圧電ブザー、圧電発振子と同様に共振特性を示す。
まず、超音波送受波器11を超音波送波器として用い、超音波送受波器12を超音波受波器として用いる。超音波送受波器11の共振周波数近傍の周波数の交流電圧を圧電振動
子に印加すると、超音波送受波器11は管内の流体中に同図中のL1で示す伝搬経路に沿って超音波を放射する。超音波送受波器12は流体中を伝搬してきた超音波を受けて電圧に変換する。
続いて、反対に超音波送受波器12を超音波送波器として用い、超音波送受波器11を超音波受波器として用いる。超音波送受波器12の共振周波数近傍の周波数の交流電圧を圧電振動子に印加することにより、超音波送受波器12は管内の流体中に同図中のL2で示す伝搬経路に沿って超音波を放射し、超音波送受波器11は伝搬してきた超音波を受けて電圧に変換する。
このように、超音波送受波器11、12は、受波器としての役目と送波器としての役目を果たすので、一般に超音波送受波器と呼ばれる。
このような超音波流量計では、連続的に交流電圧を印加すると超音波送受波器から連続的に超音波が放射されて伝搬時間を測定することが困難になるので、通常はパルス信号を搬送波とするバースト電圧信号を駆動電圧として用いる。駆動用のバースト電圧信号を超音波送受波器11に印加して超音波送受波器11から超音波バースト信号を放射すると、この超音波バースト信号は距離がLの伝搬経路L1を伝搬してt時間後に超音波送受波器12に到達する。
超音波送受波器12では、伝達して来た超音波バースト信号のみを高いS/N比で電気バースト信号に変換することができる。この電気バースト信号を電気的に増幅して、再び超音波送受波器11に印加して超音波バースト信号を放射する。この装置をシング・アラウンド装置と呼び、超音波パルスが超音波送受波器11から放射され伝搬路を伝搬して超音波送受波器12に到達するのに要する時間をシング・アラウンド周期といい、その逆数をシング・アラウンド周波数という。
図1において、管の中を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波パルスの伝搬方向の角度をθとする。超音波送受波器11を送波器、超音波送受波器12を受波器として用いたときに、超音波送受波器11から出た超音波パルスが超音波送受波器12に到達する超音波伝搬時間であるシング・アラウンド周期をt1、シング・アラウンド周波数f1とすれば、次式(3)が成立する。
f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L ・・・(3)
逆に、超音波送受波器12を送波器として、超音波送受波器11を受波器として用いたときの超音波伝搬時間であるシング・アラウンド周期をt2、シング・アラウンド周波数f2とすれば、次式(4)の関係が成立する。
f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L ・・・(4)
したがって、両シング・アラウンド周波数の周波数差Δfは、次式(5)となり、超音波の伝搬経路の距離Lと周波数差Δfから流体の流速Vを求めることができる。
Δf=f1−f2=2Vcosθ/L ・・・(5)
すなわち、超音波の伝搬経路の距離Lと周波数差Δfから流体の流速Vを求めることができ、その流速Vから流量を調べることができる。
超音波流量計は、時間計測部31および演算部32を備える。時間計測部31は、超音波送受波器11、12を駆動するバースト電圧信号を生成する駆動回路および超音波送受波器11、12で変換された電気バースト信号を電気的に増幅する受信回路を含み、上述した手順によって、超音波伝搬時間であるシング・アラウンド周期t1、t2を求める。
演算部32は、求めたシング・アラウンド周期t1、t2と式(5)の関係から、流体の流速および流量を算出する。時間計測部31および演算部32は、例えば、マイコンおよびメモリに記憶され、上述した演算を行う手順を規定したプログラムによって構成される。時間計測部31および演算部32の一部は、電子回路等によって構成されていてもよい。
[超音波送受波器]
図2は、本開示の超音波流量計に用いる超音波送受波器11の一例を示す断面図である。超音波送受波器12も超音波送受波器11と同じ構造を備えている。超音波送受波器11は、積層体28とケース29とを備える。
積層体28は、圧電振動子21と音響整合層26とを備える。音響整合層26は直接、または、他の層を介して圧電振動子21と接している。圧電振動子21は、圧電セラミックスによって構成され、厚さ方向に分極されている。また、圧電振動子21は厚さ方向の上下面に電極を有しており、電極に電圧を印加することによって、超音波振動を発生する。
ケース29は、天板22uを有する凹形状を備えた本体22と、蓋板23とを含む。本体22および蓋板23とは導電材料、例えば外部の流体に対して信頼性が確保できる金属等の材料で形成されている。圧電振動子21は、本体22の凹形状内に位置し、天板22uの内面22aに貼り付けられている。本体22の凹形状の開口は、蓋板23で覆われ、本体22の内空間が封止されている。このため、ケース29は気体遮蔽性を有し、種々の流体に超音波送受波器11が曝されても、内部の圧電振動子21が劣化することがなく、高い信頼性を備える。蓋板23には駆動端子24a、24bが取り付けられている。
2つの駆動端子24a、24bのうち、一方の駆動端子24aは蓋板23および本体22を介して圧電振動子21の上面電極に電気的に接続されている。他方の駆動端子24bは、絶縁材25で蓋板23と電気的に絶縁されているとともに、本体22内で圧電振動子21の下面電極に電気的に接続されている。
音響整合層26は、流体に超音波を送波、または流体を伝搬してきた超音波を受波するためのもので、駆動交流電圧により励振される圧電振動子21の機械的振動が外部の媒体に対して超音波として効率よく出ていき、到達した超音波が効率よく電圧に変換される役目を有する。音響整合層26は本体22の天板22uの外面22bに貼り付けられている。
本発明における音響整合層26に適した材料としては、硬質樹脂発泡体が挙げられる。
この硬質樹脂発泡体はクローズドポア構造の発泡樹脂で形成されており、複数の孔部とその隣接する壁部を備えた構成をしている。
硬質樹脂発泡体の例として、硬質アクリル発泡体、硬質塩ビ発泡体、硬質ポリプロピレン発泡体、硬質ポリメタクリルイミド発泡体、硬質ウレタン発泡体が挙げられる。硬質アクリル発泡体の例として積水化成品工業株式会社のフォーマック、硬質塩ビ発泡体の例としてJFC株式会社のナビセル、硬質ポリプロピレン発泡体の例として積水化学株式会社のゼットロン、硬質ポリメタクリルイミド発泡体の例としてダイセル・エボニック株式会社のロハセルなどが販売されている。
音響整合層が硬質樹脂発泡体で構成されていると、機械的強度や容易性に優れ、超音波
送受波器の生産性に優れる。
音響整合層26は、音響整合層26中を伝搬する音波の波長λの略1/4の厚さを有している望ましい。これにより、第1音響整合層26の2つの主面間で反射し圧電振動子21へ入射する音波は位相が1/2ずれることによって弱められる。よって、不要な反射によって遅れて圧電振動子21へ入射する音波の強度を小さくし、反射波の影響を抑制することができる。
本実施形態では、ケース29の天板22uは、積層体28を支持する構造支持層として機能する。構造支持層、つまり、天板22uは、1000kg/m以上の密度を有することが望ましい。また、天板22uの厚さは、天板22uを伝搬する音波の波長λの1/8以下の厚さを有している。この条件を天板22uが満たすことによって、天板22uにおける音波の反射等が抑制される。
本実施形態の超音波送受波器は、例えば以下の手順により、製造することができる。まず、図3(a)に示すように、ケース29、圧電振動子21及び音響整合層26を用意する。音響整合層26は、予め、ラッピングフィルムなどで研磨され、所望の表面粗度および厚さを有するように、加工されている。ケース29の本体22における天板22uの内面22aに接着剤などで圧電振動子21を張り付ける。また、天板22uの外面22bに音響整合層26を張り付ける。その後、図3(b)に示すように、圧電振動子21と駆動端子24b等との接続を行う。最後に、本体22の開口を、接着剤などを用いて蓋板23で閉じることによって、超音波送受波器が完成する。
(実施例)
以下、実施形態の超音波送受波器および超音波流量計を作製し、特性を調べた結果を説明する。
1.試料の作製
[実施例(1)]
(a)音響整合層の加工
音響整合層26として、硬質プラスチック発泡体ポリメタクリルイミド ROHACELL(R)(密度30kg/m)を使用した。この材料は、平均ポア径60μm である。
この音響整合層の厚さを、ラッピングフィルムシート(粒度30μm、3M)を用いて600μmに調製した。なお表面粗度は試料領域を縦10mm、横15mmに設定し、レーザマイクロスコープ(VK−X100)にて計測した。この測定結果より中心平均粗さRaを求めた結果30μmであった。この試料を直径10.8mmの円形状に加工した。
(b)音響整合層とケース、圧電振動子との接合
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電振動子21および音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
(c)超音波送受波器の形成
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
[実施例(2)]
(a)第1音響整合層の加工
第1音響整合層26として、硬質プラスチック発泡体 としてポリメタクリルイミド ROHACELL(R)(密度30kg/m)を使用した。この材料は、平均ポア径60μmである。
この音響整合層の厚さを、ラッピングフィルムシート(粒度60μm、3M)を用いて600μmに調製した。なお表面粗度は試料領域を縦10mm、横15mmに設定し、レーザマイクロスコープ(VK−X100)にて計測した。このときの中心平均粗さRa60μmであった。この試料を直径10.8mmの円形状に加工した。
(b)音響整合層とケース、圧電振動子との接合
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電振動子21および第1音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
(c)超音波送受波器の形成
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
[実施例(3)]
(a)音響整合層の加工
音響整合層26として、硬質プラスチック発泡体 としてポリメタクリルイミド ROHACELL(R)(密度30kg/m)を使用した。この材料は、平均ポア径60μmである。
この音響整合層の厚さを、ミラーフィルムシート(粒度80μm、三共理化学)を用いて600μmに調製した。なお表面粗度は試料領域を縦10mm、横15mmに設定し、レーザマイクロスコープ(VK−X100)にて計測した。このときの中心平均粗さRa90μmであった。この試料を直径10.8mmの円形状に加工した。
(b)音響整合層とケース、圧電振動子との接合
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電振動子21および音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
(c)超音波送受波器の形成
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
[実施例(4)]
(a)音響整合層の加工
音響整合層26として、硬質プラスチック発泡体 としてポリメタクリルイミド ROHACELL(R)(密度30kg/m)を使用した。この材料は、平均ポア径60μmである。
この音響整合層の厚さを、ミラーフィルムシート(粒度100μm、三共理化学)を用いて600μmに調製した。なお表面粗度は試料領域を縦10mm、横15mmに設定し、レーザマイクロスコープ(VK−X100)にて計測した。このときの中心平均粗さRa100μmであった。この試料を直径10.8mmの円形状に加工した。
(b)音響整合層とケース、圧電振動子との接合
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電振動子21および音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
(c)超音波送受波器の形成
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
[実施例(5)]
(a)音響整合層の加工
音響整合層26として、硬質プラスチック発泡体 としてポリメタクリルイミド ROHACELL(R)(密度30kg/m)を使用した。この材料は、平均ポア径60μ
mである。
この音響整合層の厚さを、ミラーフィルムシート(粒度100μm、三共理化学)を用いて600μmに調製した。なお表面粗度は試料領域を縦10mm、横15mmに設定し、レーザマイクロスコープ(VK−X100)にて計測した。このときの中心平均粗さRa110μmであった。この試料を直径10.8mmの円形状に加工した。
(b)音響整合層とケース、圧電振動子との接合
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電振動子21および音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
(c)超音波送受波器の形成
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
[実施例(6)]
(a)音響整合層の加工
音響整合層26として、硬質プラスチック発泡体 としてポリメタクリルイミド ROHACELL(R)(密度70kg/m)を使用した。この材料は、平均ポア径100μmである。
この音響整合層の厚さを、ラッピングフィルムシート(粒度30μm、3M)を用いて600μmに調製した。なお表面粗度は試料領域を縦10mm、横15mmに設定し、レーザマイクロスコープ(VK−X100)にて計測した。このときの中心平均粗さRa30μmであった。この試料を直径10.8mmの円形状に加工した。
(b)音響整合層とケース、圧電振動子との接合
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電振動子21および音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
(c)超音波送受波器の形成
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
[実施例(7)]
(a)音響整合層の加工
音響整合層26として、硬質プラスチック発泡体 としてポリメタクリルイミド ROHACELL(R)(密度70kg/m)を使用した。ここでは平均ポア径が実施例(F)より大きい120μmの領域を選択的に使用した。この音響整合層の厚さを、ラッピングフィルムシート(粒度30μm、3M)を用いて600μmに調製した。なお表面粗度は試料領域を縦10mm、横15mmに設定し、レーザマイクロスコープ(VK−X100)にて計測した。このときの中心平均粗さRa30μmであった。この試料を直径10.8mmの円形状に加工した。
(b)音響整合層とケース、圧電振動子との接合
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電振動子21および音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
(c)超音波送受波器の形成
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
[比較例(1)]
(a)音響整合層の加工
第1音響整合層26として、硬質プラスチック発泡体 としてポリメタクリルイミド ROHACELL(R)(密度30kg/m)を使用した。この材料は、平均ポア径60
μmである。
この音響整合層の厚さを、ラッピングフィルムシート(粒度30μm、3M)を用いて600μmに調製した。さらに、特許文献1記載のようにエポキシ樹脂で、表面凹凸を埋めたものを調製した。表面粗度は試料領域を縦10mm、横15mmに設定し、レーザマイクロスコープ(VK−X100)にて計測した。このときの中心平均粗さRa0.2μmであった。この試料を直径10.8mmの円形状に加工した。
(b)音響整合層とケース、圧電振動子との接合
ケース29の本体22の天板22uの両側にエポキシ系接着シートを仮結着したのちに、圧電振動子21および音響整合層26で天板22uを挟み加圧しながら加熱して硬化接合した。
(c)超音波送受波器の形成
本体22に蓋板23、駆動端子24a、24b等を組み付けて超音波送受波器を得た。
2.特性の評価
作製した超音波送受波器の感度を測定した。測定方法は、作製した1対の超音波送受波器を対向させ、一方を送信器とし、他方を受信器として、超音波の送受信を行った。
また、信頼性については高温加熱後の接着強度の測定によって評価した。表1にこれらの値、および、音響整合層26の特性をまとめて示す。
また、感度については比較例に対する相対値、信頼性については前記接着強度の特性が比較例と同程度の試料に「△」、低い試料に「×」を記した。比較例よりも優れる試料に「◎」および「○」を記した。
Figure 2018063114
3.結果の考察
表1に示すように、中心平均粗さRaを100μm以下に設定することで、優れた感度の結果を得ることができる。また、発泡樹脂のポア径RとRaとの関係がR≧Raの場合、信頼性も向上させることができる。
本開示の積層体および超音波送受波器は、種々の流体の測定用流量計に好適に用いられる。また、目標対象物を探知する探知装置、目標対象物までの距離を測定する測距装置等、ソナー性能を有する種々の装置に好適に用いられる。
11、12 超音波送受波器
13 管壁
21 圧電振動子(振動手段)
22 本体
22a 天板22uの内面
22b 天板22uの外面
22u 天板
23 蓋板
24a、24b 駆動端子
25 絶縁材
26 音響整合層
28 積層体
29 ケース
31 時間計測部
32 演算部

Claims (5)

  1. 圧電振動子と気体との音響インピーダンスを整合させるクローズドポアである発泡樹脂より構成される音響整合層であって、超音波照射面および反対側面の中心平均粗さが100μm以下であることを特徴とする音響整合層。
  2. 前記発泡樹脂のポア径が100μm以下であることを特徴とする請求項1記載の音響整合層。
  3. 前記発泡樹脂のポア径Rと、前記中心平均粗さRaが、R≧Raを満たす請求項1または2のいずれか1項に記載の音響整合層。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の音響整合層と振動手段とを備える超音波送受波器。
  5. 請求項4に記載の超音波送受波器を具備する超音波流量計であって、
    被測定流体が流れる流量計測部と、
    前記流量計測部に、前記被測定流体の流れの上流側と下流側とに配置した一対の前記超音波送受波器と、
    前記一対の超音波送受波器間の超音波伝搬時間を計測する時間計測部と、
    前記伝搬時間に基づき、前記被測定流体の流量を算出する演算部とを具備する超音波流量計。
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