JP2006030142A - 超音波流量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】可燃性気体の流量を安全に測定できる超音波流量計を提供する。
【解決手段】本発明の超音波流量計は、流体5が流れる配管2と、配管2の外側に設けられた一対の超音波送受波器3と、配管2の内側に設けられた音響整合部4と、一対の超音波送受波器の間を超音波が伝播する時間を計測する計測回路と、計測回路からの信号に基づいて流量を算出する演算部とを備えている。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の超音波流量計は、流体5が流れる配管2と、配管2の外側に設けられた一対の超音波送受波器3と、配管2の内側に設けられた音響整合部4と、一対の超音波送受波器の間を超音波が伝播する時間を計測する計測回路と、計測回路からの信号に基づいて流量を算出する演算部とを備えている。
【選択図】図3
Description
本発明は、超音波を用いて流体の流量や流速を計測する超音波流量計に関し、特に、気体などの低密度の流体を安全かつ高い精度で測定し得る超音波流量計に関している。
近年、超音波が伝搬経路を伝達する時間を計測し、流体の移動速度を測定して流量を計測する超音波流量計がガスメータ等に利用されつつある(特許文献1〜4)。図1は、このようなタイプの超音波流量計の主要部断面構成を示している。
超音波流量計1は、流量を測定すべき測定対象となる流体5が配管2の内部を流れるように配置されており、配管2には、一対の超音波送受波器3a、3bが対向して設置されている。以下、一対の超音波送受波器3a、3bを総称して、「超音波送受波器3」と簡略的に称する場合がある。
配管2は、典型的には円筒形状を有している。超音波送受波器3a、3bは、電気エネルギー/機械エネルギー変換素子として構成されており、圧電ブザー、圧電発振子と同様に共振特性を示す。図1に示されている超音波送受波器1は、圧電体301と、一対の電極302と、楔型の伝搬媒体303とを有している。
以下、図1に示す超音波流量計1の動作を説明する。
超音波送受波器3aの共振周波数近傍の周波数を持つ交流電圧を、超音波送受波器3a内の圧電体301に印加すると、超音波送受波器3aは超音波送波器として機能し、流体5中に超音波6を放射する。放射された超音波は、図示した超音波6の経路を伝搬して、超音波送受波器3bに到達する。このとき、超音波送受波器3bは受波器として機能し、超音波を受けて電圧に変換する。
次に、超音波送受波器3bが超音波送波器として機能し、超音波送受波器3aが超音波受波器として機能する。すなわち、超音波送受波器3bの共振周波数近傍の周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器3b内の圧電体に印加することにより、超音波送受波器3bから流体中に超音波を放射させる。放射された超音波は、経路L2を伝搬して、超音波送受波器3aに到達する。超音波送受波器3aは伝搬してきた超音波を受けて電圧に変換する。
このように、超音波送受波器3a、3bは、送波器としての機能と受波器としての機能を交互に果たすために、一般に超音波送受波器と総称される。
図1に示す超音波流量計では、連続的に交流電圧を印加すると超音波送受波器から連続的に超音波が放射されて伝搬時間を測定することが困難になるので、通常はパルス信号を搬送波とするバースト電圧信号を駆動電圧として用いる。
以下、上記超音波流量計の測定原理をより詳細に説明する。
駆動用のバースト電圧信号を超音波送受波器3aに印加することにより、超音波送受波器3aから超音波バースト信号を放射すると、超音波バースト信号は経路L1を伝搬してt時間後に超音波送受波器3bに到達する。経路L1の距離は、経路L2の距離と同様にLであるとする。
超音波送受波器3bは、伝達して来た超音波バースト信号のみを高いSN比で電気バースト信号に変換することができる。この電気バースト信号を電気的に増幅して、再び、超音波送受波器3aに印加して超音波バースト信号を放射する。この装置を「シング・アラウンド型装置」と呼ぶ。
また、超音波パルスが超音波送受波器3aから放射された後、超音波送受波器3bに到達するまでの時間を「シング・アラウンド周期」という。「シング・アラウンド周期」の逆数は「シング・アラウンド周波数」と呼ばれる。
図1において、管の中を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波パルスの伝搬方向の角度をθとする。超音波送受波器3aを超音波送波器、超音波送受波器3bを超音波受波器として用いたときに、超音波送受波器3aから出た超音波パルスが超音波送受波器3bに到達する時間であるシング・アラウンド周期をt1、シング・アラウンド周波数f1とすれば、次式(1)が成立する。
f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L ・・・(1)
逆に、超音波送受波器3bを超音波送波器として、超音波送受波器3aを超音波受波器として用いたときのシング・アラウンド周期をt2、シング・アラウンド周波数f2とすれば、次式(2)の関係が成立する。
f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L ・・・(2)
両シング・アラウンド周波数の周波数差Δfは、 次式(3)で示される。
Δf=f1−f2=2Vcosθ/L ・・・(3)
式(3)によれば、超音波の伝搬経路の距離Lと周波数差Δfとから、流体の流速Vを求めることができる。そしてその流速Vから、流量を決定することができる。式(3)には流体の音速Cが入っていないため、流体の種類によらず、また温度変化による流体の音速変化にも影響を受けることがない。
ところで、このような超音波流量計では、高い精度が求められる。高い精度を実現するためには超音波を高い感度で送受波することが重要である。
ところが図1の超音波流量計では、気体などの低密度な流体を高精度に測定することは困難である。
これは図1に示す超音波流量計では、金属などで構成される配管から直接に測定すべき流体へ超音波が伝搬させる構成となっているため、配管と測定流体の音響インピーダンスが大きく異なる場合、配管と流体との界面で超音波の大部分が反射してしまい、流体中へ超音波がほとんど伝搬せず、またわずかに流体に放射され伝搬してきた超音波も、受波器となる超音波送受波器に到達する前に、流体と配管との界面でその殆どが反射してしまうためである。
ここで、音響インピーダンスZとは、材質の音速Cと密度ρで規定されるもので、式4に定義される。
Z=ρ×C・・・(4)
図1の場合において、配管をステンレスとし、流体を空気と仮定して音響インピーダンスを算出してみると、ステンレスは、密度7.9×103kg/m3、音速は約5500m/秒であり、音響インピーダンスは、約4.3×107kg/m2/秒である。空気は、密度1.18kg/m3、音速は340m/秒であり、音響インピーダンスは、約4.0×102kg/m2/秒であり、配管と空気の音響インピーダンスは105程度異なる(ステンレスの音響インピーダンスは空気の約100000倍)。
このように音響インピーダンスが大きく異なる媒体に効率よく超音波を伝搬させるために、音響整合部が一般的に用いられる。
図2は、音響整合部4を有する超音波送受波器を用いた超音波流量計を示している。図2に示す超音波流量計では、圧電体の音波放射面側の電極を介して音響整合部を有する超音波送受波器を用い、この一対の超音波送受波器が測定流体の流れに対して、所定の角度θで超音波の送受波が可能なように配管に設けた穴の部分に配置されている。
このような超音波流量計では、圧電体で発生した超音波は音響整合部を介して、測定流体へと伝搬していく。音響整合部は圧電体と気体の間の音響インピーダンスの不整合による超音波の低い透過効率を改善して、高感度な送受波を可能とするものであり、特に式(5)で示す音響インピーダンスZ2を持つ物質を挿入すると効率よく超音波の伝搬を実現することが知られている。
Z2=(Z1×Z3)1/2・・・(5)
このような音響インピーダンスZ2をもつ物質を挿入すると、境界面での反射が抑えられ、音波の透過率が向上する。
特開2000−304581号公報
特表2002−535639号公報
特開2003−348681号公報
特開2004−184423号公報
しかしながら、従来の超音波流量計には、以下に示す問題がある。
図1に示す超音波流量計では、金属などからなる配管から直接に流体に超音波を伝搬させるため、特に気体や上記などの低密度の流体を測定の場合には、送受波効率が極めて悪く、送受波感度が低くなる結果、測定精度が低下してしまう場合がある。
また、図2に示す超音波流量計では、電圧の印加される圧電体が測定流体と直接接しているため、流体が可燃性や爆発性を有する場合には印加や爆発性の危険性があった。また、超音波送受波機の封止がゴムなどにより行われるが、ゴムの劣化や、内圧がかかった際に、信頼性が、通常の配管の接続部などに比べ低い場合があり、ガス漏れの危険性があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、可燃性や爆発性を有するガスが比較的高い圧力で流れる場合においても、安全かつ高精度で流量の測定が可能となる超音波流量計を提供することにある。
本発明の超音波流量計は、被測定流体が流れる配管と、前記配管の外側に設けられた一対の超音波送受波器と、前記配管の内側に設けられた音響整合部と、前記一対の超音波送受波器の間を超音波が伝播する時間を計測する計測回路と、前記計測回路からの信号に基づいて流量を算出する演算部とを備えている。
好ましい実施形態において、前記配管は、前記超音波送受波器を被測定流体から遮断している。
好ましい実施形態において、前記配管のうち、前記超音波送受波器が取り付けられる部分の内径は他の部分の内径から異なる値を有している。
好ましい実施形態において、前記音響整合部は、前記配管の内壁に堆積された少なくとも1つの超音波整合層を有している。
好ましい実施形態において、前記配管のうちの前記超音波送受波器が取り付けられる部分における前記超音波整合層は、他の部分における前記超音波整合層とは異なる大きさに設定されている。
好ましい実施形態において、前記超音波整合層は、乾燥ゲルから形成されている。
好ましい実施形態において、前記被測定流体は気体である。
好ましい実施形態において、前記気体は可燃性または爆発性を有している。
好ましい実施形態において、一方の超音波送受波器から放射された超音波が前記配管を直接に伝播して他方の超音波送受波器に達することを抑制する構造が前記配管に設けられている。
好ましい実施形態において、前記構造は、前記配管に設けられた凹部および/または凸部である。
好ましい実施形態において、前記超音波の反射を抑制する膜が前記配管の外側に設けられている。
好ましい実施形態において、前記配管は、前記超音波送受波器を前記配管の外側面に固定するためのボルトと係合する凹部を前記外側面に有している。
好ましい実施形態において、前記超音波送受波器は、前記ボルトと係合するネジ穴を有している。
本発明の超音波流量計用配管は、内壁に設けられた音響整合部を備え、前記音響整合部が乾燥ゲルから形成された少なくとも1つの音響整合層を有している。
本発明の超音波流量計によれば、気体や蒸気などの低密度の流体の流量を測定するに際して、ガス漏れなどの危険性を低下させることより、安全性および測定精度の両方を向上させることが可能になる。
以下、図面を参照しながら本発明による超音波流量計の実施形態を説明する。
[実施形態1]
まず、図3を参照する。図3は、本実施形態における超音波流量計の一断面を示している。
まず、図3を参照する。図3は、本実施形態における超音波流量計の一断面を示している。
図示されている超音波流量計1は、配管2と、配管2の外側に設けられた一対の超音波送受波器3と、配管2の内側に設けられた音響整合部4とを備えている。
測定対象となる流体5は、配管2の内部を点線の矢印で示される方向に移動する。流体5の流速は、図3において、参照符号「V」で示されている。流体5は、例えば可燃性を有するガス(天然ガスなど)である。
超音波6は、一対の超音波送受波器3の間を伝搬する。各超音波送受波器3は、圧電体301の両面に電極302を設けた公知の構成を有している。この圧電体301は圧電性を有する材料から形成されており、電極方向に分極処理がなされている。一対の電極302は、不図示の信号線を介して公知の送受波回路に接続される。
本実施形態で最も特徴的な点は、超音波送受波器3が配管2の外側に配置されていることである。より具体的には、円筒形状を有する配管2の外側周囲に取付部7が設けられており、この取付部7に送受波面を対向させるような配置関係で一対の超音波送受波器3が固着されている。
このように、本実施形態では、配管2そのものが超音波送受波器3と配管2内の流体5との接触を遮断しているため、配管2の内部を可燃性ガスが高圧(例えば1MPa以上)で流れる場合でも、ガスのリークが生じず、安全性が向上する。
以下、本実施形態の超音波流量計の動作を説明する。
一対の超音波送受波器3における一方の圧電体301上に設けられた電極302に電圧信号が印加されると、電圧信号に基づいて、その圧電体301が伸縮し、圧電体301の超音波送受波面から超音波6が放射される。この超音波は配管2を伝搬し、配管2の内側面に設けられた音響整合部4を通って、流体5へ放射される。一方、流体5を伝搬してきた超音波6は、音響整合部4を介して配管2に伝搬し、さらに他方の超音波送受波器3における圧電体301へ伝搬して、その電極302間に電圧信号を発生させる。
以上の動作を一対の超音波送受波器3による送受波を交互にスイッチしながら繰り返して実行することにより、同じ経路に沿って逆方向に伝搬した超音波の伝搬時間の差が計測され、その計測値に基づいて流速Vを算出する。そして、測定された流速Vおよび配管2の断面積から、流量が求められる。
本実施形態の超音波流量計で用いる配管2は、次のような特性を備えていることが好ましい。
1:測定する流体が外部に漏れないよう内部に保持する。
2:流体との反応で劣化することがないように化学的に安定である。
3:内圧の変化や、外からの衝撃に対して安定である。
2:流体との反応で劣化することがないように化学的に安定である。
3:内圧の変化や、外からの衝撃に対して安定である。
以上のような観点から、本実施形態では配管2は金属材料(具体的にはステンレス)から形成している。配管2は、引抜き法などの一般的な工法で作成された継ぎ目の無いものが好ましく、こうして形成された配管に、プレス成型などの方法により超音波送受波器の取付部が形成されたものを用意する。ただし、測定対象となる流体の種類や内圧などにより、危険性、コストなどを勘案して樹脂や、セラミックスなどの配管を用いることもできる。
図3に示す配管2における取付部7は、対向配置されるべき一対の超音波送受波器3を、流体5に対して所定の角度で固定できるように、配管2の長軸方向(円筒の中心軸方向)に対して傾斜した面を有している。超音波送受波器3から放射される超音波の向きは、この面の傾斜角によって調整される。本実施形態では、一対の超音波送受波器3を結ぶ直線(超音波の伝搬経路L)と流体5の移動方向(配管2の長軸方向)との間の角度θが約60度に設定されている。すなわち、超音波送受波器3の超音波送受波面に対して流体5の移動方向が約30度の角度を形成するように取付部7の形状が規定されている。なお、図1に示すような楔形の超音波伝搬部303を取付部7に設ける場合は、取付部7における取り付け面の形態を変えることなく、上記の角度θを調節することが可能である。
超音波の伝播経路Lと流体5のなす角度θは、超音波送受波器3の送受信感度に影響を与えるため、高い精度で調節する必要がある。超音波送受波器3の対向する面が所定の向きからずれると、一方の超音波送受波器3から放射された超音波が他方の超音波送受波器3に適切に到達することができず、受信効率が低下する。また、角度のずれが大きい場合、超音波送受波器3から外れて配管2の内壁に達した超音波が配管2の内部で多重に反射して測定に悪影響を及ぼす可能性がある。
図3に示す角度θは、0〜90度の範囲内に設定されるが、角度θが0度に近づくほど、超音波の伝搬時間が長くなるため、測定精度が高くなる。ただし、超音波の減衰が生じやすい流体の流量を測定する場合は、伝播距離が長くなると、送受波感度が低下する。このため、角度θの大きさは、測定精度や送受波感度の両方を考慮して最適な範囲に設定されるべきである。
本実施形態における配管2のサイズは、内径が25mm、外径が34mm、肉厚が4.5mm、長さが300mmである。また、超音波送受波器3の圧電体3の直径は3.6mmである。ただし、これらのサイズは、本実施形態における値以外の種々の値をとり得る。
取付部7は、例えばプレス加工などの方法によって配管2の一部を変形することにより形成される。取付部7の位置における配管2の厚さは約4.0mmである。配管2の端部は、変形しておらず、一般的な方法により、他の配管との接続が可能な形状を有している。このように、本実施形態では、超音波送受波器3の取付部7から測定対象の流体5が外部に漏れる可能性がないため、安全性に優れた超音波流量計を提供できる。
本実施形態では、上記構成を有する配管2の内面に音響整合部4を設けている。音響整合部4は、圧電体301で発生した超音波を、配管2を介して配管2の内部の流体5へ効率よく伝搬させる役割を果たすとともに、流体5を伝搬してきた超音波を、配管2を介して効率よく圧電体301へ伝える役割を果たす。このような音響整合部4を設けることにより、高精度超音波流量計を実現することができる。
本実施形態の音響整合部4は層状の乾燥ゲルから形成されている。乾燥ゲルは、密度ρと音速Cの積で規定される音響インピーダンスを極めて小さくすることが可能な材料である。このため、気体や蒸気などの低密度の気体への超音波の送受波効率を極めて高くすることが可能となる。
乾燥ゲルとは、ゾルゲル反応によって形成される多孔質体である。より具体的には、ゲル原料液の反応によって固体化した固体骨格部を有する。まず、この固体骨格部が溶媒を含んだ湿潤ゲルが形成され、その後、乾燥によって溶媒を除去することにより、最終的な乾燥ゲルが得られる。この乾燥ゲルは、数nm〜数μm程度の固体骨格部を有し、この固体骨格部の間に平均細孔直径が1nm〜数μm程度の範囲にある連続気孔が形成された多孔質体である。
乾燥ゲルは、密度の低い状態では、固体部分を伝搬する音速が極端に小さくなるとともに、細孔によって多孔質体内の気体部分を伝搬する音速も極端に小さくなるという性質を有する。そのため、密度の低い状態では音速が500m/秒以下の非常に遅い値を示し、極めて低い音響インピーダンスを示す。特に、固体骨格部および細孔径が数nm程度と小さい場合には、極めて遅い音速を有する多孔質体が得られる。また、ナノメートルサイズの細孔部では、気体の圧損が大きいため音響整合部材として用いた場合に超音波を高い音圧で放射できるという特徴も有する。
音響整合部4を構成する乾燥ゲルの材質としては、無機材料、有機高分子材料などを用いることができる。無機材料の固体骨格部としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタンなどを用いることができる。また有機材料の固体骨格部としては、一般的な熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、フェノール硬化樹脂、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸メチルなどを用いることができる。
本実施形態では、コスト、環境安定性、および製造のしやすさなどの観点から、固体骨格部として酸化ケイ素を持つ乾燥ゲルを採用している。このような乾燥ゲルからなる音響整合部を、配管内側に形成する。音響整合部材となる乾燥ゲルの特性は、前述の(式5)の関係式を満足するとき、送受波感度が最も高くなり、好ましい。
本実施形態では、式(5)を満足するものではないが、製造のしやすさと、乾燥ゲルの強度の点、送受波感度の点から密度3.0kg×102kg/m3、音速500m/秒の乾燥ゲルを用いた。
音響整合部4として機能する乾燥ゲル層の厚さは、送受波する超音波の波長の1/4程度としたときに送受波効率が特に高くなる。本実施形態では、音響整合部4である乾燥ゲル内の音速が500m/秒であり、周波数が200kHzであるため、乾燥ゲルの厚さを約0.6mmとしている。
なお、音響整合部4の表面を化学的反応性の高い流体から保護するため、超音波の伝搬に対して音響的に影響を与えない厚さの保護膜(例えば金属などの材料から形成される)で音響整合部4の表面を薄く覆っても良い。
次に、図4を参照しながら、内面に音響整合部4が形成された配管2を作製する方法の例を説明する。
まず、図4(a)に示すように円筒状の金属製配管2を用意した後、図4(b)に示すように、取付部7を配管2に形成する。次に、図4(c)に示すように、ゲル原料液のディッピング法によって配管2の表面にゲル原料液の膜を形成する。原料液を蓄えた槽から取り出した配管2には、図4(d)に示すように、配管内側のみならず外側面にもゲル原料液が付着している。このため、配管2の外側に付着したゲル原料液は除去し、その後に熱処理を行ってゲル化を実行する。
次に、疎水化処理を行った後、乾燥させることにより、図4(e)に示すように乾燥ゲルで表面が覆われた配管2を得る。乾燥ゲルの作製方法を本実施形態では以下のようにして行った。
工程1: ゲル原料液の用意
ゲル原料液は、テトラメトキシシラン/エタノール/アンモニア水を、1/1/4(モル比)の混合比で混ぜることで用意した。
ゲル原料液は、テトラメトキシシラン/エタノール/アンモニア水を、1/1/4(モル比)の混合比で混ぜることで用意した。
工程2: ディッピングによる塗膜形成
工程1で用意したゲル原料液をディッピング法によって配管内面にゲルの原料の塗膜を形成する。塗膜の形成前に配管とゲルとの密着がよくなるように、アセトン中で超音波洗浄を行った。その後、十分に乾燥させた。これを工程1で調整したゲル原料液の中に浸漬し、配管の長さ方向に引き上げることにより、配管2の内面にゲル原料液の塗膜を形成した。
工程1で用意したゲル原料液をディッピング法によって配管内面にゲルの原料の塗膜を形成する。塗膜の形成前に配管とゲルとの密着がよくなるように、アセトン中で超音波洗浄を行った。その後、十分に乾燥させた。これを工程1で調整したゲル原料液の中に浸漬し、配管の長さ方向に引き上げることにより、配管2の内面にゲル原料液の塗膜を形成した。
工程3: ゲル化
配管2の内面にゲル原料液の塗膜を形成した後、これをすぐに40℃の高温槽に入れてゲル化を完了させ、配管内面に約0.6mmの湿潤ゲル層を形成した。この際、配管外側に形成されたゲル原料液の塗膜はその度にふき取って、配管外側にゲル層が形成されないようにした。
配管2の内面にゲル原料液の塗膜を形成した後、これをすぐに40℃の高温槽に入れてゲル化を完了させ、配管内面に約0.6mmの湿潤ゲル層を形成した。この際、配管外側に形成されたゲル原料液の塗膜はその度にふき取って、配管外側にゲル層が形成されないようにした。
工程4: 疎水化処理
疎水化処理は必須の工程ではないが、乾燥ゲルの安定化のために行うことが好ましい。実際の処理は以下のように行った。湿潤ゲルを形成した配管を、ジメチルジメトキシシラン/エタノール/10重量%アンモニア水を、重量比で45/45/10の割合で混合して得られた疎水化液に、40℃で、約1日間、浸漬することによって行った。
疎水化処理は必須の工程ではないが、乾燥ゲルの安定化のために行うことが好ましい。実際の処理は以下のように行った。湿潤ゲルを形成した配管を、ジメチルジメトキシシラン/エタノール/10重量%アンモニア水を、重量比で45/45/10の割合で混合して得られた疎水化液に、40℃で、約1日間、浸漬することによって行った。
工程5: 乾燥
最後に湿潤ゲルを大気中で乾燥し、内側に乾燥ゲルの層(音響整合部)が形成された配管2を得た(図4(e))。
最後に湿潤ゲルを大気中で乾燥し、内側に乾燥ゲルの層(音響整合部)が形成された配管2を得た(図4(e))。
その後、図4(f)に示すように超音波送受波器3を配管2に取り付ける。
本実施形態では、密度の一定な1層からなる乾燥ゲル層を音響整合部4として形成したたが、上述の工程2〜3を繰り返し、密度の異なる多層の乾燥ゲル層を形成することも可能である。音響整合部4の材料は、乾燥ゲルに限定されず、流体5の種類(化学的な反応性など)や、その音響インピーダンスによっては、中空の球体を樹脂でモールドした複合材料などから音響整合部4を形成しても良い。このような複合材料の密度および音速は、乾燥ゲルの密度および音速よりも高くなるため、送受波感度が低下するが、機械的強度が上昇する利点が得られる。このため、配管2の外部から衝撃が頻繁に加わるような場合において、配管2から音響整合部4が剥離しにくくなり、信頼性が向上する。
音響整合部4と流体5とが接触する面において、音響整合部4を保護する膜で音響整合部4の表面を被覆しても良い。なお、そのような保護膜が超音波の伝搬に対して音響的な影響を与えないように保護膜の厚さを調整する必要がある。
このようにして内面に音響整合部4を形成した配管2を用意した後、超音波送受波器3を配管2の外側に取付ける。
本実施形態で用いる圧電体301の材料は任意であり、公知の圧電材料を用いることができる。圧電体材料としては、圧電セラミックス、圧電単結晶など圧電性の高い材料が好ましい。好適に用いられる圧電セラミックは、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸鉛などを用いることができる。また圧電単結晶は、チタン酸ジルコン酸鉛単結晶、ニオブ酸リチウム、水晶などを用いることができる。また圧電体301に代えて電歪体を用いても超音波送受波器3を作製することができる。電歪体を用いる場合にも、その材料は任意であり、公知の材料を用いることができる。
電極302は公知の導電性材料から形成される。本実施形態の圧電体301は、チタン酸ジルコン酸鉛系のセラミックスから形成され、電極302は銀から形成されている。
圧電体301の厚さ(超音波送受信方向)は、送受波する超音波の波長に基づいて決定される。本実施形態では、使用する超音波の周波数は200kHzに設定しているため、圧電体301の共振周波数を約200kHzに設定することが好ましい。圧電体301は、その厚さを波長の1/2の厚さとしたときに強くその共振が出ることが知られており、超音波の送受波効率が高くなる。チタン酸ジルコン酸鉛セラミックスの音速は約3800m/秒であるため、圧電体301を単体で用いる場合には、圧電体301の厚さを約9.5mm程度に設定することが望ましい。しかし、本実施形態では、圧電体301に配管2および音響整合部4を接合しているため、最も効率よく送受波できる超音波の周波数は、圧電体301を単体で使用する場合よりも低下する。効率のよい送受波ができる超音波の周波数が低下する度合いは、配管2および音響整合部4の音響インピーダンスや厚さによって変化する。
本実施形態では、配管2および音響整合部4との接合による周波数の低下を考慮し、圧電体301が単体では約300kHzの共振周波数を有するように、その厚さを約6.3mmに設定した。なお、圧電体301は、前述のように直径が3.6mmの円柱形状を有している。
本実施形態では、上記構成を有する超音波送受波器3の一対の電極302の一方を、接着剤を介して、取付部7に接合している。この接合には、例えばエポキシ系接着剤を用いて行うことができる。接着は、超音波送受波器3が移動しないよう固定したまま、150℃の高温槽で1時間加熱し、エポキシ樹脂を硬化させて行うことができる。
本実施形態の超音波流量計によれば、図1の超音波流量計に比べ、超音波の送受波感度が100倍以上高く、高精度な流量計測が可能となる。また、配管2に超音波送受波器3を取付るためなどの穴などを設けていないため、図2の超音波流量計と比較して流体5の漏れが防止され、また引火などの危険性もきわめて低い。このため、可燃性、爆発性、有毒性などの流体も安全に計測することが可能となる。
本実施形態では、配管2の内側の全面に音響整合部4を形成しているが、音響整合部4は、少なくとも超音波の伝搬経路にあたる部分にのみ設けられておればよい。
次に、図5を参照して、取付部7の近傍に溝10を形成した構成を説明する。この溝10は、超音波送受波器3から出た超音波が配管2を横方向に伝版することを抑制する機能を有している。このような溝10は、音波を反射させる空気層を形成できる厚さ(1μm以上)であれば、その幅は極めて小さくても良い。ただし、加工上の理由から、溝10の幅は例えば0.1〜1mm程度に設定される。溝10の深さは、配管の肉厚に比べて半分以上であることが好ましく、溝10の数は音波が対向する超音波送受波器へ伝搬しないように設定される。溝10は複数であることが効果をより高めるため好ましい。図5の例では、溝10は配管2の外側だけではなく、内側にも形成されているが、製造の容易さの観点から、溝10は配管2の外側にのみ形成されていてもよい。
図6は、配管2の長軸方向に略垂直な断面を模式的に示している。図6では、わかりやすさのため、一対の超音波送受波器3の両方を図面中に記載している。この図に示す例では、音響整合部4は、計測に必要な超音波の伝播路を横切る位置に選択的に配置されている。これにより、配管2を伝搬する超音波が配管2から流体5へ入射しにくくなるため、ノイズが低減される。図6の例でも、図5に示す溝10と同様の溝10を配管2に受けている。図6に示す溝10は、超音波が配管2を円周方向に伝播することを抑制する。
図7は、超音波送受波器3を配管2に固定するために、接着剤の代わりに固定用ボルト11を用いた例を示している。超音波送受波器3の圧電体301には、ボルト11が係合する螺子孔が予め設けられている。
図8は、音響整合部4の厚さを位置に応じて変化させた例を示している。この例では、測定のために超音波を伝搬させるべき領域では、音響整合部4の厚さを超音波の波長λの1/4程度に設定し、その領域以外の領域における音響整合部4の厚さを波長λの1/2程度に設定している。このようにすることで、伝搬させるべき領域以外に伝播した超音波を減衰させ、測定への悪影響を抑制することができる。
図9は、図8の構成例の目的と同様の目的のため、不要な反射波をカットするための反射抑制部材8を配管2の外側に被覆した例を示している。この反射抑制部材8は、配管2の内面側から外面側へ向かった超音波が再び配管2の内面側に反射・伝搬して測定に悪影響を与えることを抑制する。
[実施形態2]
次に、図10を参照して本発明の超音波流量計の第2の実施形態を説明する。
次に、図10を参照して本発明の超音波流量計の第2の実施形態を説明する。
図10に示すように、本実施形態の超音波流量計が実施形態1における超音波流量計と異なる点は、取付部7の形状にあり、他の点は同様である。本実施形態の取付部7は、配管2に凸部形状を付与することによって形成している。この場合に、図3の配管2と同じ直径を有する配管を用いると、超音波伝搬距離を長くすることができる。
配管2の一部に取付部7として機能する形状を付与する代わりに、図11に示すように、楔形の超音波伝搬部303を設けても、流体5に対して超音波を斜めに入射できる。この場合、配管2の内側に凹凸が生じず、流体の流れを妨げることが無い。図11に示すように、楔形の超音波伝搬部303を設ける場合、配管2の界面で反射した超音波が楔形の超音波伝搬部303の内部で乱反射し、流量測定に悪影響を及ぼさないように、超音波伝搬部303に超音波減衰部304を設けることが好ましい。
図5から図9を参照しながら実施形態1について説明した事項は、本実施形態にも適用できる。
[実施形態3]
図1または図11に示すようなくさび形の超音波伝搬体を用いた超音波流量計によれば、配管の形状を変形させる必要が無く、また配管壁面に流体の流れを妨げる構造が存在しないため、流速の計測にとって極めて有利である。一方、図11に示す構成の場合、配管の壁面に対して斜めに超音波が入射するため、これによって問題が生じる場合がある。この問題は、配管2の音速と流体5の音速が大きく異なると、配管2と流体5の界面で超音波の屈折により、超音波を配管2の長軸方向に傾いた方向に伝搬させることが困難となるために生じる。この結果、超音波の伝搬時間自体が短くなり、また、上流→下流と下流→上流で測定した超音波の伝搬時間の差が流体の流れに影響されにくくなるため、流速の測定精度が低下する。例えば、配管2をステンレスから形成する場合において、流体5が空気であるとする。このとき、図12に示すように、配管2の内部を伝搬してきた超音波は、音響整合部4を通って更に流体5へと伝搬してゆく。この際、流体5への超音波の入射角度θgが小さいと、上述の理由により、測定精度が低下する。なお、入射角度θgは、音響整合部4の特性によらず、ステンレスの音速Csおよび超音波の伝搬角度θs、ならびに空気の音速Cgのみで決まる。例えば、超音波の伝搬角度θsを入射角の限界に近い89度としても、空気への超音波の入射角度θgは約3.5度にしかならず、対向する超音波送受波器の間における配管軸方向の距離が短くなるため、測定精度を高くすることが困難になる。
図1または図11に示すようなくさび形の超音波伝搬体を用いた超音波流量計によれば、配管の形状を変形させる必要が無く、また配管壁面に流体の流れを妨げる構造が存在しないため、流速の計測にとって極めて有利である。一方、図11に示す構成の場合、配管の壁面に対して斜めに超音波が入射するため、これによって問題が生じる場合がある。この問題は、配管2の音速と流体5の音速が大きく異なると、配管2と流体5の界面で超音波の屈折により、超音波を配管2の長軸方向に傾いた方向に伝搬させることが困難となるために生じる。この結果、超音波の伝搬時間自体が短くなり、また、上流→下流と下流→上流で測定した超音波の伝搬時間の差が流体の流れに影響されにくくなるため、流速の測定精度が低下する。例えば、配管2をステンレスから形成する場合において、流体5が空気であるとする。このとき、図12に示すように、配管2の内部を伝搬してきた超音波は、音響整合部4を通って更に流体5へと伝搬してゆく。この際、流体5への超音波の入射角度θgが小さいと、上述の理由により、測定精度が低下する。なお、入射角度θgは、音響整合部4の特性によらず、ステンレスの音速Csおよび超音波の伝搬角度θs、ならびに空気の音速Cgのみで決まる。例えば、超音波の伝搬角度θsを入射角の限界に近い89度としても、空気への超音波の入射角度θgは約3.5度にしかならず、対向する超音波送受波器の間における配管軸方向の距離が短くなるため、測定精度を高くすることが困難になる。
このような場合、超音波送受波器の配置構成としては、図13(a)に示すいわゆるVパスや、図13(b)に示すいわゆるWパスの配置構成を採用することにより、超音波の伝搬距離を長くすることができる。しかし、このような配置構成は、超音波の減衰の大きな流体に適用する場合、超音波の送受信感度が低くなり測定に悪影響を与える可能性があるため、流体の種類と音速とを考慮して超音波送受波器の配置構成を決定する必要がある。また、VパスやWパスなどの配置構成を実現する場合、配管2の内側面で超音波を反射させるべき部分においては、配管2に超音波が透過しないよう音響整合部4を設けないことが好ましい。なお、目的とするパス(超音波の径路)以外のパスからの超音波の伝搬を防止するため、図8および図9に示す構成により、目的のパス以外の超音波を減衰させることが好ましい。
図14(a)および(b)は、超音波を反射すべき領域を除いて広い範囲に音響整合部7を形成した例を示している。
[実施形態4]
図15を参照しながら、本発明による超音波流量計の測定回路部分を説明する。
図15を参照しながら、本発明による超音波流量計の測定回路部分を説明する。
本実施形態の超音波流量計の配管2は、その内部を流体が速度Vで流れるようにして設置される。配管2の内部には、前述したように音響整合部4が設けられている。
測定シーケンスのある時点では、図示されている超音波送受波器3aが超音波送波器として機能し、超音波送受波器3bを超音波受波器として機能するが、他の時点では、超音波送受波器3aが超音波受波器として機能し、超音波送受波器3bを超音波送波器として機能する。この切り替えは切替回路53によって行われている。
超音波送受波器3aおよび3bは、切替回路53を介して、超音波送受波器3aおよび3bを駆動する駆動回路54と、超音波パルスを検知する受波検知回路55とに接続されている。受波検知回路55の出力は、超音波パルスの伝搬時間を計測するタイマ56に送られる。
タイマ56の出力は、流量を演算する演算部57に送られる。演算部57では、測定された超音波パルスの伝搬時間に基づいて、配管2の内部を流れる流体の速度Vが計算され、流量が求められる。駆動回路54およびタイマ56は、制御部58に接続され、制御部58から出力された制御信号によって制御される。
以下、この超音波流量計の動作をより詳細に説明する。
被測定流体として、例えばLPガスが配管2の内部を流れる場合を考える。超音波送受波器3aおよび3bの駆動周波数を例えば約200kHzとする。制御部58は、駆動回路54に送波開始信号を出力すると同時に、タイマ56の時間計測を開始させる。
駆動回路54は送波開始信号を受けると、超音波送受波器3aを駆動し、超音波パルスを送波する。送波された超音波パルスは、配管2、超音波整合部4、および配管2の内部の流体を伝搬して、超音波送受波器3bで受波される。受波された超音波パルスは超音波送受波器3bで電気信号に変換され、受波検知回路55に出力される。
受波検知回路55では受波信号の受波タイミングを決定し、タイマ56を停止させる。演算部57は、伝搬時間t1を演算する。
次に、切替回路53により、駆動回路54および受波検知回路55に接続する超音波送受波器3aおよび3bを切り替える。そして、再び、制御部59は駆動回路54に送波開始信号を出力すると同時に、タイマ56の時間計測を開始させる。
伝搬時間t1の測定と逆に、超音波送受波器3bで超音波パルスを送波し、超音渡送受波器3aで受波し、演算部57で伝搬時間t2を演算する。
伝搬時間t1、t2は、それぞれ、測定によって求められる。距離Lは既知であるので時間t1とt2を測定すれば流速Vが求められ、その流速Vから流量を決定することができる。
このような超音波流量計において、伝搬時間t1、t2はゼロクロス法と呼ばれる方法によって好適に測定される。
本発明の超音波流量計は、天然ガスなど気体の流量を安全かつ高精度に測定することができるため、従来のガス流量計を代替する装置として普及が見込まれている。
1 超音波流量計
2 配管
3 超音波送受波器
4 音響整合部
5 流体
6 超音波
7 取付部
8 反射抑制部材
53 切替回路
54 駆動回路
55 受波検知回路
56 タイマ
57 演算部
58 制御部
301 圧電体
302 電極
303 超音波伝搬体
304 超音波減衰体
2 配管
3 超音波送受波器
4 音響整合部
5 流体
6 超音波
7 取付部
8 反射抑制部材
53 切替回路
54 駆動回路
55 受波検知回路
56 タイマ
57 演算部
58 制御部
301 圧電体
302 電極
303 超音波伝搬体
304 超音波減衰体
Claims (14)
- 被測定流体が流れる配管と、
前記配管の外側に設けられた一対の超音波送受波器と、
前記配管の内側に設けられた音響整合部と、
前記一対の超音波送受波器の間を超音波が伝播する時間を計測する計測回路と、
前記計測回路からの信号に基づいて流量を算出する演算部と
を備えた超音波流量計。 - 前記配管は、前記超音波送受波器を被測定流体から遮断している請求項1に記載の超音波流量計。
- 前記配管のうち、前記超音波送受波器が取り付けられる部分の内径は他の部分の内径から異なる値を有している請求項1に記載の超音波流量計。
- 前記音響整合部は、前記配管の内壁に堆積された少なくとも1つの超音波整合層を有している、請求項1に記載の超音波流量計。
- 前記配管のうちの前記超音波送受波器が取り付けられる部分における前記超音波整合層は、他の部分における前記超音波整合層とは異なる大きさに設定されている請求項4に記載の超音波流量計。
- 前記超音波整合層は、乾燥ゲルから形成されている請求項4または5に記載の超音波流量計。
- 前記被測定流体は気体である請求項1から6のいずれかに記載の超音波流量計。
- 前記気体は可燃性または爆発性を有している請求項7に記載の超音波流量計。
- 一方の超音波送受波器から放射された超音波が前記配管を直接に伝播して他方の超音波送受波器に達することを抑制する構造が前記配管に設けられている請求項1から8のいずれかに記載の超音波流量計。
- 前記構造は、前記配管に設けられた凹部および/または凸部である請求項9に記載の超音波流量計。
- 前記超音波の反射を抑制する膜が前記配管の外側に設けられている請求項1から10のいずれかに記載の超音波流量計。
- 前記配管は、前記超音波送受波器を前記配管の外側面に固定するためのボルトと係合する凹部を前記外側面に有している、請求項1から10のいずれかに記載の超音波流量計。
- 前記超音波送受波器は、前記ボルトと係合するネジ穴を有している、請求項12に記載の超音波流量計。
- 内壁に設けられた音響整合部を備え、前記音響整合部が乾燥ゲルから形成された少なくとも1つの音響整合層を有している超音波流量計用配管。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-07-21 JP JP2004213532A patent/JP2006030142A/ja active Pending
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