JP2005127786A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 送波/受波の機能を分離することにより、極少量の流量計測にも対応できる高感度な超音波流量計を提供する。
【解決手段】 伝搬経路L1とL2には経路差L3が設定されているため、超音波送波器2により、超音波伝搬部5a,5bに同時に送波された超音波は、およそ経路差L3の伝搬時間分の遅延時間により分離された超音波パルスとして超音波受波器3によって受波されため、送波時の信号漏れによる精度低下を抑制し、極少量の流量計測にも対応できる高感度な超音波流量計を実現する。
【選択図】図1A

Description

本発明は、超音波により流体(例えば、水などの液体、又は、都市ガスなどの気体)の流量を計測する超音波流量計に関する。
近年、所定の伝搬路を超音波が伝達する時間を計測することにより、流体の移動速度を測定し、その測定値から流量を計測する超音波流量計がガスメータや化学反応の制御等に利用されつつある。
以下、図6を参照しながら、従来の超音波流量計の測定原理を説明する(特許文献1参照)。図示されている超音波流量計では、管内の流体が速度Vにて図中の矢印で示す方向に流れている。超音波流量計の管壁103には、一対の超音波送受波器101及び102が相対して設置されている。超音波送受波器101及び102の各々は、電気エネルギを機械エネルギに変換するとともに、機械エネルギを電気エネルギに変化する変換素子(トランスデューサ)を備えている。この変換素子は、例えば、圧電セラミック等の圧電振動子で構成され、圧電ブザーや圧電発振子と同様に共振特性を示す。
まず、超音波送受波器101を超音波の送波器として用い、超音波送受波器102を超音波の受波器として用いる場合について、超音波流量計の動作を説明する。
超音波送受波器101の共振周波数近傍における周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器101の圧電振動子に印加すると、超音波送受波器101は管内の流体中に超音波を放射する。この超音波は、伝搬経路L1に沿って伝搬し、超音波送受波器102に到達する。超音波送受波器102の圧電振動子は、この超音波を受けて電圧信号を出力する。
超音波送受波器102を超音波の送波器として動作させる。具体的には、超音波送受波器102の共振周波数近傍における周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器102の圧電振動子に印加することにより、超音波送受波器102は管内の流体中に超音波を放射する。超音波は伝搬経路L2に沿って伝搬し、超音波送受波器101に到達する。超音波送受波器101の圧電振動子は、この超音波を受けて電圧信号を出力する。
このように、超音波送受波器101及び102は、それぞれ、1つの超音波振動子でありながら、受波器としての機能と送波器としての機能を果たすことができる。この超音波流量計では、連続的に交流電圧を印加すると超音波送受波器から連続的に超音波が放射されて伝搬時間を測定することが困難になるので、通常はパルス信号を搬送波とするバースト電圧信号を駆動電圧として用いる。
駆動用のバースト電圧信号を超音波送受波器101に印加して超音波送受波器101から超音波バースト信号を放射すると、この超音波バースト信号は距離がLの伝搬経路L1を伝搬してt時間後に超音波送受波器102に到達する。
超音波送受波器102では伝達して来た超音波バースト信号のみを、高いS/N比で電気バースト信号に変換することができる。この電気バースト信号をトリガとして、再び超音波送受波器101に駆動用バースト電圧信号を印加して超音波バースト信号を放射する。
このような装置を「シング・アラウンド装置」と呼ぶ。また、超音波パルスが超音波送受波器101から超音波送受波器102に到達するまでに要する時間を「シング・アラウンド周期」といい、その逆数を「シング・アラウンド周波数」という。
図6の超音波流量計において、管の中を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波パルスの伝搬方向の角度をθとする。更に、超音波送受波器101を送波器、超音波送受波器102を受波器として用いたとき、超音波送受波器101から出た超音波パルスが超音波送受波器102に到達する時間(シング・アラウンド周期)をt、シング・アラウンド周波数fとする。このとき、次式(1)が成立する。
=1/t=(C+Vcosθ)/L ・・・(1)
逆に、超音波送受波器102を送波器として、超音波送受波器101を受波器として用いたときのシング・アラウンド周期をt、シング・アラウンド周波数fとすれば、次式(2)の関係が成立する。
=1/t=(C−Vcosθ)/L ・・・(2)
上記式(1)及び(2)に基づいて、両シング・アラウンド周波数の周波数差Δfは、次式(3)で示される。
Δf=f−f=2Vcosθ/L ・・・(3)
式(3)からわかるように、超音波の伝搬経路の距離L及び周波数差Δfから、流体の流速Vを求めることができる。そして、流路断面積Sが決まっているため、流速Vから流量を決定することができる。
Q=S・V ・・・(4)
特許3341721号公報
しかしながら、図6に示すような超音波流量計では、1対の超音波送受波器を送波と受波のモードで交互に使用するため、送受波のモードを切り替えるためのスイッチが必要になる。コストなどから多くの場合半導体スイッチが使用されるが、送波モードの超音波送受波器の駆動信号が切替スイッチ内で漏れ受波モードの超音波送受器を駆動してしまうために、微小な伝搬時間差しか得られない極低流量計測時に誤差を生じ計測に支障が出るという問題があった。
本発明の目的は、上記問題に鑑みてなされたものであり、極少量の流量計測にも対応できる高感度な超音波流量計を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、被測定流体の流路を規定する管壁を有する管状流量測定部と、
上記流量測定部の管壁に囲まれた流路空間の外側に設けられ、超音波の送波を行う超音波送波器と上記超音波の受波を行う超音波受波器と、
上記超音波送波器あるいは/ならびに上記超音波受波器と上記流路空間との間に配置され、上記超音波の伝搬経路を形成する伝搬経路部を備えた超音波流量計であって、
上記超音波送波器から上記超音波受波器までの上記超音波の伝搬経路が少なくとも2つあり、かつ、上記2つの上記伝搬経路が互いに異なる長さを有する超音波流量計を提供する。
本発明によれば、送波時の信号漏れによる計測精度劣化を抑制し、極少量の流量計測にも対応できる高感度な超音波流量計を実現することができる。
本発明の実施形態を説明する前に、まず、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、被測定流体の流路を規定する管壁を有する管状流量測定部と、
上記流量測定部の管壁に囲まれた流路空間の外側に設けられ、超音波の送波を行う超音波送波器と上記超音波の受波を行う超音波受波器と、
上記超音波送波器あるいは/ならびに上記超音波受波器と上記流路空間との間に配置され、上記超音波の伝搬経路を形成する伝搬経路部を備えた超音波流量計であって、
上記超音波送波器から上記超音波受波器までの上記超音波の伝搬経路が少なくとも2つあり、かつ、上記2つの上記伝搬経路が互いに異なる長さを有する超音波流量計を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記伝搬経路部と上記流路空間との間に音響窓を備える第1の態様に記載の超音波流量計を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記伝搬経路の長さの差が、上記超音波送波器及び超音波受波器が送受信する超音波パルス長よりも長い第1又は2の態様に記載の超音波流量計を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記音響窓がメッシュ構造より構成される第2又は3の態様に記載の超音波流量計を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記音響窓が、無機酸化物又は有機高分子の乾燥ゲルから形成されている第2あるいは3のいずれか1つの態様に記載の超音波流量計を提供する。
本発明の第6態様によれば、上記乾燥ゲルの密度は、500kg/m以下であり、上記乾燥ゲルの平均細孔直径は、100nm以下である第5の態様に記載の超音波流量計を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記伝搬経路部の一部あるいは全部が上記伝搬経路部を満たす媒質とは音速の異なる物質で構成される第1又は6の態様に記載の超音波流量計を提供する。
本発明の第8態様によれば、上記音速の異なる物質が、無機酸化物又は有機高分子の乾燥ゲルから形成されている第7の態様に記載の超音波流量計を提供する。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を説明する。
(第1実施形態)
まず、図1A〜図1Cを参照しながら、本発明の第1実施形態による超音波流量計を説明する。図1Aは、第1実施形態における超音波流量計の長手方向に沿った断面を示している。また、図1B、図1Cは第1実施形態における超音波流量計の図1A内のA−A'における矩形の流路断面形状を示している。
図1A〜図1Cにおいて、1は被測定流体すなわち超音波により計測すべき流体(例えば、水などの液体、又は、都市ガスなどの気体)の計測用流路9を規定する管壁を有する超音波流量計の管状流量測定部と、2は流量測定部1aの管壁の外側に配置されかつ超音波の送波を行う超音波送波器、3は流量測定部1aの管壁の外側に配置されかつ超音波送波器2から送波された超音波の受波を行う超音波受波器、5a,5bは流量測定部1aの管壁の外側に配置された超音波送波器側の伝搬経路部、6a,6bは流量測定部1aの管壁の外側に配置された超音波受波器側の伝搬経路部、4aは流量測定部1aの管壁沿いに配置されかつ上記超音波送波器2及び伝搬経路部5a,5bを内包する送波側のハウジング部、4bは流量測定部1aの管壁沿いに送波側のハウジング部4aに対向して配置されかつ上記超音波受波器3及び伝搬経路部6a,6bを内包する受波側のハウジング部、7a,7bは送波側のハウジング部4aに対応して流量測定部1aの管壁沿いに配置された送波側の音響窓、8a,8cは送波側の音響窓7a,7bに対向しかつ受波側のハウジング部4bに対応して流量測定部1aの管壁沿いに配置された受波側の音響窓、9は上記流体が流れる計測用流路である。伝搬経路部5a,5b,6a,6bは、被測定流体で満たされている。
図1A〜図1Cの構成において、計測用流路9の断面は、図1Bに示される矩形形状であっても、図1Cに示される円形であってもよい。
超音波送波器2は、図2Aに示す駆動回路200から駆動信号を供給されて超音波を伝搬経路部5a,5bに同時に送波する。
ここで、図2Aに、駆動回路200と計測回路201を含む全体のシステムブロック図を示す。図2Aにおいて、駆動回路200は、駆動パルス信号を発生する、パルス発生器などより構成されるパルス発生部202と、上記信号を増幅する、電力増幅器などより構成される電力増幅部203とで構成され、計測回路201は、受波電気信号を増幅又は帯域制限してS/N改善を図るプリアンプ&フィルタ205と、波形の立ち上がり又は0クロス点を計測する波形計測部206と、波形計測部206によって計測された時刻を伝搬時間として計測するタイマー部として機能するタイマー回路207と、タイマー回路207の計測した伝搬時間から、流量を換算する流量換算部208とより構成される。全体を制御するコントローラー210からの指示で、タイミング発生部211からパルス発生部202とタイマー回路207にトリガ信号が供給され、超音波の送信及び伝搬時間の計測が開始される。
まず、超音波送波器2から伝搬経路部5aに送波された超音波は、大略逆Z字状の伝搬経路L1に沿って伝搬する。すなわち、まず、伝搬経路部5aを直進した後に、ハウジング部4aの一部に設けられかつ流量測定部1aの長手方向に対して、音響窓7aに到達可能な任意の角度(例えば、経路L1が流れに対して45度の角度の場合、長手方向に対して67.5度)だけ傾斜した反射面4gにより反射されて音響窓7aに到達し、音響窓7aを貫通して音響窓7aから流量測定部1a内の計測用流路9内に放射される。
計測用流路9を伝搬経路L1に沿って斜めに伝搬した超音波は、受波側の音響窓8cを貫通し音響窓8cを経由して、伝搬経路部6bに侵入し、受波側のハウジング4bに設けられかつ流量測定部1aの長手方向に対して、超音波受波器3に到達可能な任意の角度(例えば、経路L1が流れに対して45度の角度の場合、長手方向に対して67.5度)だけ傾斜した反射面4hにより反射されて、伝搬経路部6b内を直進して超音波受波器3に到達して、超音波受波器3で電気信号に変換される。
一方、超音波送波器2から伝搬経路部5bに送波された超音波は、大略Z字状の伝搬経路L2に沿って伝搬する。すなわち、伝搬経路L1の場合と同様に、伝搬経路5bを直進した後に、ハウジング部4aの一部に設けられかつ流量測定部1aの長手方向に対して、音響窓7bに到達可能な任意の角度(例えば、経路L2が流れに対して45度の角度の場合、長手方向に対して67.5度)だけ傾斜した反射面4iにより反射されて音響窓7bに到達し、音響窓7bを貫通して音響窓7bから流量測定部1a内の計測用流路9内に放射される。計測用流路9を伝搬経路L2に沿って斜めに伝搬した超音波は、受波側の音響窓8aを貫通し音響窓8aを経由して、伝搬経路部6aに侵入し、受波側のハウジング4bに設けられかつ流量測定部1aの長手方向に対して、超音波受波器3に到達可能な任意の角度(例えば、経路L2が流れに対して45度の角度の場合、長手方向に対して67.5度)だけ傾斜した反射面4jにより反射されて、伝搬経路部6b内を直進して超音波受波器3に到達して、超音波受波器3によって電気信号に変換されて計測回路に出力される。
この第1実施形態の場合、超音波受波器3は、前後方向からの超音波を受波する構成である。
音響窓7a、7b、8a,8cは、計測に十分な感度の超音波が透過できる素材で、かつ、計測用流路9の内部の被測定流体の流れが伝搬経路5a,5b,6a,6b内に流入あるいは流出して計測精度を低下させることを防ぐ機能を有しており、金属あるいは樹脂製のメッシュ材料や無機酸化物又は有機高分子の乾燥ゲルで構成されていると好ましい。
音響窓7a、7b、8a,8cとしてメッシュ材料を用いる場合は、例えば被測定流体が空気であり、使用される超音波の周波数が500kHzである場合には、超音波の波長との関係から100メッシュから500メッシュ程度の粗さのメッシュ材料を使用すれば、メッシュ材自体の厚みは波長に対して十分に小さく透過率を確保しつつ、流体の流れの乱れを抑制することができる。
音響窓7a、7b、8a,8cとして乾燥ゲルを用いる場合には、その密度は500kg/m以下かつ、平均細孔直径が100nm以下のナノ多孔体乾燥ゲル(ナノ多孔質乾燥ゲル)のものを用いる。
音響窓7a、7b、8a,8cを例えばシリカを主成分とするナノ多孔体乾燥ゲルから形成する場合、その密度が200kg/mであれば、超音波の音速を100m/sから180m/s程度の範囲に設定することができ、音響インピーダンスは、0.2Mkg・m−2・s−1〜0.4Mkg・m−2・s−lとなり、個体材料としては、極めて音響インピーダンスが小さい材料が構成できる。
音響窓7a、7b、8a,8cの厚みを乾燥ゲル内の超音波の波長の1/2に設定することにより、他の材料に比べて良好な透過率を実現することができる。
なお、音響窓7a、7b、8a,8cを無機酸化物の乾燥ゲルから構成するとき、無機酸化物の乾燥ゲルの固体骨格部は、少なくとも酸化ケイ素(シリカ)又は酸化アルミニウム(アルミナ)を成分とすることが好ましい。また、音響窓7a、7b、8a,8cを有機高分子の乾燥ゲルから構成するとき、有機高分子の乾燥ゲルの固体骨格部は、一般的な熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂により構成することができ、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、フェノール硬化樹脂、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸メチルなどを用いることができる。
第1実施形態においては、伝搬経路L1とL2には、図示される経路差L3が設定されているため、超音波送波器2により、超音波伝搬部5a,5bに同時に送波された超音波は、およそ経路差L3の伝搬時間分の遅延時間により分離された超音波パルスとして超音波受波器3によって受波される。
図2Bは超音波受波器3による受波信号を示したもので、第1実施形態においては、伝搬経路L1による超音波パルスが先に超音波受波器3に到達し、経路差L3の伝搬時間にほぼ等しい遅延時間をもって、伝搬経路L2による超音波パルスが到達する。
経路差L3に起因する遅延時間に対して、超音波送波器2から送波される超音波パルスの継続時間が十分に短い場合には、伝搬経路L1、L2による2つの超音波パルスは、良好に分離されるため、これらのパルスの伝搬時間差を計測することによって、計測用流路9内の被測定流体の平均速度を推定し、流量に換算することが可能である。
伝搬経路L1の計測流路9内の超音波の実質伝搬長さをL、伝搬経路5a、5b内の伝搬長を△L、非計測流体の平均流速をV、流体中の超音波の伝搬速度をC、超音波パルスの伝搬方向と流体の流れ方向のなす角度をθとすると、伝搬経路L1、伝搬経路L2に沿った超音波の伝搬時間T1、T2はそれぞれ
T1=L/(C+Vcosθ)+△L/C ・・・・(5)
T2=L/(C−Vcosθ)+(△L+L3)/C ・・・・(6)
となる。
式(5)、式(6)において、超音波伝搬速度Cと流体の平均流速Vと以外は既知であり、したがって、式(5)、式(6)の連立方程式を解くことによって、超音波伝搬速度Cと流体の平均流速Vは独立に算出することができる。一般に、被測定流体が気体の場合には、伝搬速度の温度変化が顕著であるが、この場合には、平均流速Vは伝搬速度Cによらずに算出することができる。算出された平均流速Vから、計測用流路9内の断面積と、必要な場合には補正係数とを用いることにより、被測定流体の流量を換算できる。管内に流速分布が存在する場合や、その変化が大きな場合などに計測される平均流速が真の平均流速からずれる場合があり、そのような場合には、あらかじめ計測しておいた補正係数を用いる場合がある。
第1実施形態においては、超音波パルスを分離するために送波側の伝搬経路部5a,5bに伝搬経路差L3を設定し、下流から上流に向かう伝搬経路L2に遅延時間を持たせたが、伝搬経路L3は、受波側にのみ設定しても、あるいは送波側及び受波側の両方に設定してもかまわない。また、伝搬経路L1において、遅延時間を持たせる設定でもかまわない。
また、上記第1実施形態では、送波/受波の機能を超音波送波器2及び超音波受波器3に完全に分離しているために、送波/受波を切り替えるための切替スイッチが不要であり、切替スイッチ内での駆動信号の漏れによる計測精度低下が抑制できる。
さらに、上記第1実施形態では、送波/受波の機能を超音波送波器2及び超音波受波器3に完全に分離し担当させているために、例えば超音波送波器2は、内部に使用される超音波振動子を積層化して送波感度を向上させ、また超音波受波器3においては、圧電g定数の大きな超音波振動子を採用して、受波感度を向上させれば、計測システムとしてのS/N比を大幅に改善でき、計測精度の向上が達成される。圧電g定数は、一般的に使用されている圧電定数であるg、h、e、dの4つのうちの1つであり、入力歪みに対して発生する電圧の大きさを表すもので、一般的に受信時の感度を示すものである。
図3A及び図3Bは第1実施形態における上記超音波送波器2を示している。図3A及び図3Bにおいて、10は超音波送波器2に相当する超音波送波器、11は超音波送波器10の一対の音響整合層、12は一対の音響整合層11間に配置された積層型圧電素子、13は積層型圧電素子12内に配置された正負の積層電極、14は正負の積層電極13にそれぞれ接続された正負の電気端子、15は一対の音響整合層11と積層型圧電素子12と正負の積層電極13とを収納するホルダーケースを示している。
図3A及び図3Bに示される構成において、積層型圧電素子12は、例えば圧電セラミックなどの圧電材料を用い、正負の電極13を複数個、その内部まで交互に積層した構造になっており、分極方向は各層で反転している。電気端子14を介して、駆動回路200から駆動信号が与えられると、駆動信号と同期して各層が同位相で機械振動を発生する。発生した機械振動は、駆動信号の周波数に音響的に整合した、すなわち、その周波数における超音波の波長の1/4の長さに調整された両側の音響整合層11を介して、超音波として図3Aの2つの矢印の方向に同時に被測定流体に送波される。
通常の超音波送受波器では、圧電素子の共振特性と音響整合層11の整合特性を同一の周波数として、送波の効率を向上させるが、第1実施形態における超音波送波器10では、積層型圧電素子12は、送波する超音波の周波数に比較して、より高い共振周波数に設定し、自身の共振周波数よりも低い周波数で駆動することができる。
積層型圧電素子12では、各層の厚さが薄く設定できるため、低電圧で強い電界強度を得ることができ、大きなひずみを発生できるため、共振モードで駆動しなくとも、積層数を適宜選択することにより、十分な効率で超音波を送波することができる。また、共振を使用しないことから、駆動終了後に不要なリンギングが抑制され、計測に都合のより短い超音波パルスを発生させることができ、計測精度の向上につながる。
また、図4A及び図4Bは第1実施形態における上記超音波受波器3を示している。図4A及び図4Bにおいて、16は上記超音波受波器3に相当する超音波受波器、17は圧電素子、18は超音波受波器16の外部を取り囲む電極、19は圧電素子17を保持するとともに、電極18と対になる電極と兼ねる金属板、20は電極18と金属板19とにそれぞれ接続された正負の電気端子、21は全体を保持するためのホルダーケースを示している。
図4A及び図4Bにおける構成において、圧電素子17は例えば、高分子圧電材料や圧電コンポジット材料などで構成されており、超音波の受信に有利な圧電g定数が大きな材料により構成されている。図4A及び図4Bでは、電極を兼ねる金属板19の周囲に貼り付けられた構造になっており、超音波受波器16の外部を電極18で覆われている。超音波は、図4A中の矢印の方向から到来し、電気信号として、電気端子20を介して計測回路201に伝達される。
図4A及び図4Bにおける構成の場合には、到来した音波は電極18の表面で反射されることにより、到来超音波のほぼ2倍の音圧を直接圧電素子17に伝えることになるため、従来使用されている送受信兼用の超音波送受波器に比べて高受信感度であり、また、圧電素子17の共振特性よりも低い周波数で使用することにより、広帯域特性となり、到来超音波パルスの音圧変化をほぼ忠実に再現するため、より高感度の時間計測が実現できる。
(第2実施形態)
図5を参照しながら、本発明の第2実施形態による超音波流量計を説明する。図5は、第2実施形態における超音波流量計41の長手方向に沿った断面を示している。第2実施形態と前述の第1実施形態との間で共通する部材について同様の参照符号を与えている。
以下、第2実施形態の超音波流量計41に特徴的な点を説明し、第1実施形態における超音波流量計1と同様の部分については同じ符号を付して説明を省略する。
図5において、42は伝搬経路部5b内に設けられた音速の遅い部分である。音速の遅い部分42を設けることにより、伝搬経路L1、L2の伝搬時間の差をより大きく設定することができ、超音波送波器2によって送波される超音波パルスの持続時間に余裕を持たせることができ、計測システムのS/N比の向上が達成できる。
この場合、音速の遅い部分42は、無機酸化物又は有機高分子の乾燥ゲルで構成されていることが好ましい。音速の遅い部分42を、シリカを主成分とするナノ多孔体乾燥ゲルから形成する場合、その密度が200kg/mであれば、音速を100m/sから180m/s程度の範囲に設定することができるため、例えば空気からなる伝搬経路に対して、2から3倍程度の遅延時間を設定できる。
さらに、音速の遅い部分42を特にシリカなどの無機酸化物から形成する場合には、空気などの気体に対して温度変化に伴う音速の変化が極めて小さいため、安定した遅延時間を得ることができ、広い温度範囲で高精度な流量計測が可能になる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかる超音波流量計は、送波時の信号漏れによる計測精度劣化を抑制し、極少量の流量計測にも対応できる高感度な超音波流量計を実現することができ、超音波により流体(例えば、水などの液体、又は、都市ガスなどの気体)の流量を計測する超音波流量計等として有用である。
本発明第1実施形態にかかる超音波流量計の長手方向に沿った断面図である。 図1A中のA−A'における第1実施形態にかかる超音波流量計の長手方向に垂直な方向の断面の1例である。 第1実施形態にかかる超音波流量計における流路断面の他のバリエーションである。 駆動回路と計測回路を含む全体のシステムブロック図である。 超音波受波器による超音波パルスの受波の時間関係を示す図である。 第1実施形態にかかる超音波流量計における超音波送波器の構造図である。 図3Aに示す、第1実施形態にかかる超音波流量計における超音波送波器の斜視図である。 第1実施形態にかかる超音波流量計における超音波受波器の構造図である。 図4Aに示す、第1実施形態にかかる超音波流量計における超音波送波器の斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかる超音波流量計の長手方向に沿った断面図である。 従来の超音波流量計の断面図である。
符号の説明
1 超音波流量計
1a 流量測定部
2 超音波送波器
3 超音波受波器
4a,4b ハウジング部
4g,4h,4i,4j 反射面
5a,5b 伝搬経路部
6a,6b 伝搬経路部
7a,7b 音響窓
8a,8c 音響窓
9 計測用流路
10 超音波送波器
11 音響整合層
12 積層圧電素子
13 積層電極
14 電気端子
15 ホルダーケース
16 超音波受波器
17 圧電素子
18 電極
19 金属板
20 電気端子
21 ホルダーケース
41 超音波流量計
42 音速の遅い材料

Claims (8)

  1. 被測定流体の流路(9)を規定する管壁を有する管状流量測定部(1a)と、
    上記流量測定部の管壁に囲まれた流路空間の外側に設けられ、超音波の送波を行う超音波送波器(2)と上記超音波の受波を行う超音波受波器(3)と、
    上記超音波送波器あるいは/ならびに上記超音波受波器と上記流路空間との間に配置され、上記超音波の伝搬経路を形成する伝搬経路部(5a,5b、6a,6b)を備えた超音波流量計であって、
    上記超音波送波器から上記超音波受波器までの上記超音波の伝搬経路が少なくとも2つあり、かつ、上記2つの上記伝搬経路が互いに異なる長さを有する超音波流量計。
  2. 上記伝搬経路部と上記流路空間との間に音響窓(7a,7b,8a,8c)を備える請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 上記伝搬経路の長さの差が、上記超音波送波器及び超音波受波器が送受信する超音波パルス長よりも長い請求項1又は2に記載の超音波流量計。
  4. 上記音響窓がメッシュ構造より構成される請求項2又は3に記載の超音波流量計。
  5. 上記音響窓が、無機酸化物又は有機高分子の乾燥ゲルから形成されている請求項2あるいは3のいずれか1つに記載の超音波流量計。
  6. 上記乾燥ゲルの密度は、500kg/m以下であり、上記乾燥ゲルの平均細孔直径は、100nm以下である請求項5に記載の超音波流量計。
  7. 上記伝搬経路部の一部あるいは全部が上記伝搬経路部を満たす媒質とは音速の異なる物質で構成される請求項1又は6に記載の超音波流量計。
  8. 上記音速の異なる物質が、無機酸化物又は有機高分子の乾燥ゲルから形成されている請求項7に記載の超音波流量計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9536996B2 (en) 2014-08-05 2017-01-03 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Apparatus and method of manufacturing a support layer

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