JP3692689B2 - 流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を利用して気体や液体などの流量を計測する流量計測装置に関し、特に流量計のゼロ点を補正する手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の流量計は、特公昭59−17374号公報のようなものが知られていた。以下、その構成について図17を参照しながら説明する。
【0003】
図17に示すように、流れの正逆に対し同一の感度を有する一組の検出部1、2と、この検出部1と検出部2に接続される変換器3とからなる流量計において、検出部1と検出部2からの信号の極性を切り替える手段4と、その切り替え手段4によって信号の極性を変更したとき前記変換器3の出力信号の絶対値の差を検出する手段5と、その絶対値の差を利用して前記変換器のゼロ点ずれを補正する手段6とを備えている。ここで、7は流体が流れる導管である。
【0004】
上記構成において、検出部1と検出部2の変換器3に対する接続関係を切り替えられた場合、変換器3にゼロ点ずれがなければ変換器3の出力は同一のはずである。そして、検出部1と、検出器2を切り替え手段4によって変換器に対する接続関係を切り替えたときに、絶対値の差を検出する手段の指示値が変化した場合、ゼロ点ずれを補正する手段6によって手動で調整しゼロ点を補正していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術では、流れが変化する場合には、切り替え手段4による切り替え前後の変換器3の出力は同一とは限らず、ゼロ点調整ができないという課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、流路に設けられて音波を送受信する第1振動手段および第2振動手段と、前記流路内を伝搬した前記振動手段の信号から音波の伝搬時間を計測する第1計時手段と、前記第1計時手段の値に基づいて流量を検出する流量検出手段と、前記各振動手段を音響的に連結する振動連結手段と、前記振動手段の信号が前記振動連結手段を伝わる伝搬時間を計測する第2計時手段と、前記振動連結手段を伝わる伝搬時間から前記流量検出手段の流量ゼロのゼロ点を調整するゼロ点調整手段とを備えたものである。
【0007】
上記発明によれば、振動連結手段を伝達する音響振動信号を用いて流量検出処理を行うことで、流量ゼロのときの処理と同等の流量検出処理が行えるので、流量が瞬時に変化するような流路であってもゼロ点調整手段によってゼロ点の調整を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、流路に設けられて音波を送受信する第1振動手段および第2振動手段と、前記流路内を伝搬した前記振動手段の信号から音波の伝搬時間を計測する第1計時手段と、前記第1計時手段の値に基づいて流量を検出する流量検出手段と、前記各振動手段を音響的に連結する振動連結手段と、前記振動手段の信号が前記振動連結手段を伝わる伝搬時間を検出する第2計時手段と、前記振動連結手段を伝わる伝搬時間から前記流量検出手段の流量ゼロのゼロ点を調整するゼロ点調整手段とを備えている。そして、振動連結手段を伝達する音響振動信号を用いて伝搬時間を計測することで、流量ゼロのときの計測処理のずれを検出することができ、流量が瞬時に変化するような流路であってもゼロ調整手段によってゼロ調整を行うことができる。
【0009】
また、第1振動手段と第2振動手段の送受信の切換手段と、前記振動手段間相互の信号伝搬を複数回行う繰返手段と、複数回繰り返したときの振動連結手段を伝わる伝搬時間を計測する第2計時手段と、前記第2計時手段の値に基づいてゼロ調整を行うゼロ点調整手段とを備えている。そして、複数回繰り返すことで伝搬時間が複数回の伝搬時間となり精度よくゼロ点を補正することができる。
【0010】
また、ゼロ点調整手段は、第1振動手段が送信側、第2振動手段が受信側であるときの第2計時手段で計測した伝搬時間の逆数と第2振動手段が送信側、第1振動手段が受信側であるときの第2計時手段で計測した伝搬時間の逆数との差に基づいてゼロ点を調整するようにしている。そして、逆数の差を取ることで音速の影響を無視することができる。
【0011】
また、第2計時手段を兼用する第1計時手段、または第1計時手段を兼用する第2計時手段を備えている。そして、ひとつの計時手段で兼用することでコンパクトにすることができるとともに、同じ計時手段で伝搬時間を計測するのでゼロ点調整が精度よく行える。
【0012】
また、第1振動手段と第2振動手段を振動させる周波数を、流量計測時とゼロ点補正時に変える周波数設定手段を備えている。そして、流量計測とゼロ点調整との周波数を変えることで流路への信号の発生と、振動連結手段への信号の発生をそれぞれ効率よく行うことができノイズなどに妨害されずに精度よく計測が行える。
【0013】
また、流量計測時には各振動手段の共振周波数または反共振周波数を用い、ゼロ点補正時には共振周波数以外または反共振周波数以外の周波数に設定する周波数設定手段を備えている。そして、流路へは共振周波数で効率よく信号を発生させ、振動連結手段へは振動レベルが低くなるその他の周波数で信号発生を行うことで振動連結手段の信号レベルで流量計測の信号レベルが妨害されないようにすることができる。
【0014】
また、定期時間間隔でゼロ点調整を行うゼロ調整起動手段を備えている。そして、定期的にゼロ点調整を行うことで常に所定の精度を維持することができる。
【0015】
また、流量計測時に同期してゼロ点補正を行うゼロ調整起動手段を備えている。そして、流量計測に同期して行うことで、すべての流量計測でゼロ点補正が正しく行える状態を作ることができるので非常に精度の高い流量計測ができる。
【0016】
さらに、流量計測の所定回数ごとに1回ゼロ点調整を行うゼロ点調整起動手段を備えている。そして、ゼロ点調整の回数を減らすことで省電力化ができる。
【0017】
また、流量計測時と異なる時刻にゼロ点調整を行うゼロ点補正起動手段を備えている。そして、流量計測を妨害することなくゼロ点調整を行うことができる。
【0018】
また、手動による命令手段の信号によってゼロ点調整を行うゼロ点調整起動手段を備えている。そして、人為的にゼロ流量がずれていることを確認してゼロ点調整を行うことができるので無駄なゼロ点調整処理を減らすことができ省電力化ができる。
【0019】
また、各振動手段の正面間を連結する振動連結手段を備えている。そして、流路内に振動連結手段を配置することができるので小型化が可能である。
【0020】
また、各振動手段の側面間を連結する振動連結手段を備えている。そして、側面から流路外に振動連結手段を設置することができるので流路の圧損増加もないようにできる。
【0021】
また、各振動手段の裏面間を連結する振動連結手段を備えている。そして、裏面方向においても正面方向とほぼ同様の振動力が発生しているので非常に大きな振動信号を伝搬させることができ、精度よく信号検出が行える。
【0022】
また、整合層と同一材料で構成された振動連結手段を備えている。そして、整合層と振動連結手段を接着する必要がなく信頼性が向上すると共に組み立て工数も少なくすることができる。
【0023】
また、制振材料で構成された振動連結手段を備えている。そして、伝搬信号を短時間で収束させることができるので短時間でゼロ点調整が行える。
【0024】
また、金属材料で構成された振動連結手段を備えている。また、金属材料は、樹脂などに比べて音速が非常に速いので、伝搬時間を短くでき流路を伝搬する信号と十分に分離することができるので流路内の伝搬を妨害することなくゼロ点調整を行うことができる。
【0025】
また、中心が空洞の円筒管で構成された振動連結手段を備えている。そして、円筒管内の音波の伝搬でゼロ点調整が行えるので流路に流量がある場合でもゼロ点調整が可能であり、かつ流路へ伝搬する信号と同じように管路の空間を伝搬する信号でゼロ点調整が行えるので精度よくゼロ点調整が可能である。
【0026】
また、ゼロ調整時には1パルスで音波を発生させるゼロ調整音波発生手段を備えている。また、流量計測のパルスの間の時間内でゼロ調整用の伝搬測定が行える。
【0027】
また、繰返手段の繰返し回数は、流量計測時よりもゼロ点調整時の方を多く設定している。そして、固体中の伝搬時間を精度よく測定することができる。
【0028】
また、信号検出レベルが変更可能な信号レベル設定手段を備えている。また、振動連結手段を伝わってきた信号レベルの高い信号のみを検知することができるので、精度よくゼロ点調整が可能である。
【0029】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0030】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の流量計のブロック図である。図1において、流路8に設けられて超音波を送受信する第1振動手段としての第1振動子9と、第2振動手段としての第2振動子10と、前記流路内を伝搬した各振動子8,9の信号から音波の伝搬時間を計測する第1計時手段としての流路計時手段11と、流路計時手段11の値に基づいて流量を検出する流量検出手段12と、各振動子を連結する振動連結手段13と、振動連結手段13を伝わる信号を用いて、流量検出手段12の流量ゼロのゼロ点を調整するゼロ点調整手段14とを備えている。
【0031】
また、第1振動子9と第2振動子10の送受信の切換手段15と、振動子間相互の信号伝搬を複数回行う繰返手段16とを備えている。そして、流路計時手段11は複数回繰り返したときの伝搬時間を計測し、前記流量検出手段12が流路計時手段11の値に基づいて流量を検出する。さらに、定期時間間隔でゼロ点調整を行うゼロ点調整起動手段17を備えている。ここで、18は送信手段、19は受信手段、20は振動連結手段を伝搬する伝搬時間を検出する第2計時手段としての振動計時手段である。
【0032】
次に動作、作用について図2から図7を用いて説明する。図2に示すように、本発明の流量計は、送信手段18によって第1振動子9から超音波パルスを発生する。その超音波パルスは流路内を伝搬して第2振動子10と受信手段19で受信される。そして、受信された信号を受けて再び第1振動子9から超音波パルスを発生する。この動作を所定回数N回(例えば、N=2n回;nは正の整数)だけ繰返手段16によって繰り返すことで、超音波の伝搬時間t1を流路計時手段11で測定する。ここで、21は空気と振動子の音響インピーダンスを合わせるための整合層である。
【0033】
そして、音速をC、伝搬距離をL、流路内の流速をVとし、各振動子が流速方向に対してθの角度で設置され、かつ第1振動子が流れに対して上流側に設置されているとすると、各振動子の対向する方向の流速V1は、Vcos(θ)であるから、 n回繰返して流量計時手段11で測定した伝搬時間t1は、
t1=nL/(C+Vcos(θ))となる。また、流れに対して下流側の第2振動子から超音波パルスを発生して同じようにn回繰返して流量計時手段11で測定した伝搬時間t2は、
t2=nL/( C−Vcos(θ))となる。これらの伝搬時間の逆数の差を取ると、
1/t1−1/t2=2Vcos(θ)/nLとなる。よって、流路方向の流速Vは、
V= nL(1/t1−1/t2)/(2cos(θ))となり、流路の断面積をSとすると、流量Qは、
Q=SVとして求めることができる。この方法をシングアラウンド法と呼ぶことにする。
【0034】
ここで、流量ゼロは(1/t1−1/t2)がゼロであるが、計時変化などによりゼロにならないことがある。そこで、時間の逆数差をゼロにするようなゼロ定数K1を設定して、次式で流量を求める。
【0035】
V= nL(1/t1−1/t2−K1)/(2cos(θ))ゼロ定数K1は、流量計測の最初に流量ゼロの状態を人為的に作って求めることとしているが、それ以降も定期的にゼロ点調整起動手段によって求めることとした。
【0036】
以下、このゼロ定数K1の求め方について説明する。図3に示すように、第1振動子9の側面と第2振動子10の側面を振動連結手段13で連結する。そして、振動連結手段13を構成する固体中を伝搬する音速Csは、気体や液体中の音速Cに比べて非常に速いので、図4のように流路中を伝搬する音波信号と区別して測定することができる。そこで、流量計測と同時にシングアラウンド法によって繰返して超音波を発生させ、伝搬時間ts1とts2を振動計時手段20で測定し、流量ゼロの状態を擬似的に測定することができる。図4に示すt、tsは1回の伝搬時間を示す。そして、このときの伝搬時間の逆数の差をゼロにするように振動伝搬ゼロ定数K2を求める。すなわち、
K2=|1/ts1−1/ts2|である。
【0037】
このようにして測定した振動伝搬ゼロ定数K2から実験的に求めた変換式でゼロ定数K1を算出するのである。例えば、
K1=a*K2である。ここで、aは実験的に求めた定数である。以上のフローチャートを図5に示す。
【0038】
振動連結手段13を伝搬する信号を用いて行うので、流路に流量ゼロの状態を作る必要がなく、流量ありの状態でもゼロ定数K1の調整が可能である。
【0039】
ここで、流量計測と同じ超音波信号でゼロ点調整ができるので、ゼロ点調整のためにだけ各振動子を振動させる必要がなく振動回数を減らせるので、耐久性をのばすことができると共に低消費電力化ができる。
【0040】
また、流量計測と同じ超音波信号で行うのでお互いの干渉を防ぐために、振動計時手段が動作するときの受信レベルは、流路中の伝搬信号を受信するよりも高い信号のみを受信できるように信号レベル設定手段24で設定する。その結果、振動連結手段を伝わってきた信号レベルの高い信号のみを検知し、振動計時手段で伝搬時間を計時することができる。
【0041】
このように、振動連結手段を伝搬する音波信号でシングアラウンド法を行うことで、流量が発生した状態でも流量ゼロの調整を行うことができるとともに、時間の逆数差を取ることで固体中を伝搬する音速の影響も無視できることになり、温度の影響も受けにくくゼロ点調整が精度よくできる。そして、振動連結手段は、各振動子の側面を連結した構成としているため、流路内には障害物がないので流れがスムーズに流れるとともに、流路の圧力損失も増加することなく振動連結手段を設置することができる。
【0042】
また、流量計測の時の超音波信号と同期してゼロ点調整を行うように実施例で説明したが、ゼロ点調整を毎回する必要はないので、流量調整の数回に1回(例えば、8回に1回)ゼロ点調整を行うようにすることで、ゼロ点調整の処理を少なくできて処理に使用する消費電力を低減することもできる。
【0043】
なお、振動連結手段は、各振動子の側面を連結した構成で説明したが、図6のように、各振動子の正面を連結しても同様の効果が得られる。例えば、流路を妨げない程度の細い丸棒で振動連結手段22を構成することでよい。そして、各振動子の正面を流路内で連結することで流路外のスペースが省略できるので小型化が可能となる。さらに、図7のように、各振動子の裏面を振動連結手段23で連結しても同様である。例えば、裏面方向においても正面方向とほぼ同様の振動力が発生しているので非常に大きな振動信号を伝搬させることができ、精度よく信号検出が行える効果がある。
【0044】
また、振動伝達手段を構成する材料としては、整合層と同一材料を用いる構成や、金属材料または、制振材料を用いることができる。まず、整合層と同一材料で構成した場合は、図6に示すような整合層と一体にした振動連結手段を構成することで、振動子と振動連結手段を接着する必要がなく信頼性を高めることができるとともに、組み立て工数も少なくできる効果がある。また、金属材料では、樹脂などに比べて音速が非常に速いので、図4に示すTが短くでき流路を伝搬する信号と十分に分離することができる効果がある。そして、制振材料を用いた場合は、図4に示すような固体伝搬信号の波形を短い時間でレベルダウンさせることができるので、流路を伝搬してくる信号と重なり合うことがないようにすることができる。
【0045】
なお、本実施例では、流量計測と同時にシングアラウンド法によって振動伝達手段の伝搬時間を計測するとして説明したが、当然、流量計測時と振動伝達手段の伝搬時間の測定は別々にシングアラウンド法を用いて行うことは可能である。そのときのフローチャートと動作を示す信号波形図を図8と図9に示す。
【0046】
(実施例2)
図10は本発明の実施例2の流量計を示す構成図である。実施例1と異なる点は、流量計測時とゼロ点補正時に第1振動子9と第2振動子10を振動させる周波数を変える周波数設定手段25を備えたことにある。
【0047】
次に動作、作用について図11から図15を用いて説明する。図11に示すように、流路内に超音波パルスを3パルス発生させ、シングアラウンド法によって流量を検出する。これは、実施例1で説明済みなので省略する。そして、流量検出用の流路伝搬信号を受けた所定時間T後に、超音波パルスを1パルス発生させるようにする。このパルス信号で振動連結手段を伝搬した振動伝搬信号を受信し、流量計測と同じようにシングアラウンド法で複数回の伝搬時間を振動計時手段20で検出する。そして、その伝搬時間の逆数の差から実施例1と同様に振動伝搬ゼロ定数K2を求めて、ゼロ定数K1を算出し流量のゼロ点を調整するようにした。なお、流量計測の複数回に1回(例えば、8回するこどに1回)ゼロ調整のシングアラウンド処理をするようにした。
【0048】
また、流量計測時には超音波振動子の共振周波数f0で受発振を行うが、振動連結手段を伝搬する時間を測定する場合には、流路中の伝搬時間を計測する周波数f0とは違う周波数、例えば共振周波数以外で、かつ周波数f0よりも高い周波数で受発信させるようにした。しかも、パルス数は1パルスとして、時間分解能を上げるようにした。その結果、固体中の超音波振動は流体中に比べ大きな信号レベルが伝搬するので共振周波数以外の周波数でも十分検出することができる。そして、図9に示すように流量計測のパルスとパルスの間の時間内でゼロ点調整用のパルス信号の受発信が行え伝搬時間の測定が行えることになる。以上の処理のフローチャートを図12と図13に示す。
【0049】
このように、周波数を変えることで流量計測時とは、別々に信号が検出でき信号が混在してノイズに埋もれるようなことがなく精度よくゼロ点調整を行うことができる。また、共振周波数以外の高い周波数で振動させることで時間分解能を上げ、流量計測とは異なる時間帯でかつ短時間で計測を行うことができる。さらに、1パルスで振動させることでも同様に短時間でゼロ調整用の伝搬時間の計測を行うことができる。
【0050】
なお、流量計測のパルスとパルスの間の時間内で計測するのではなく、任意の時間に計測するようにして、シングアラウンドの回数は、流量計測時よりも振動伝搬の計測の方を多く設けることでトータルの伝搬時間を長くして測定精度を上げるようにした。そうすることで、固体中を伝搬する振動速度が速くなってもシングアラウンドの回数を増やすことで測定精度が確保できるのである。(例えば、流量計測で256回なら、振動伝搬の計測では、おおよそ速度の比率分だけ多くし256回の10倍の2560回とする)。
【0051】
また、図14に示すように振動子9の振動モードが正面方向に振動するようなモードの共振周波数f0と、図15に示すように振動子9の側面方向に振動する周波数f1を用いることで、振動子9の側面と振動連結手段13とをすき間を開けて設置するようにしておいても、側面方向に振動する場合のみ振動連結手段13に振動が伝わるようにすることができる。
【0052】
さらに、図15に示すように手動でゼロ点調整ができるようにゼロ点調整起動手段26を設けるようにした。その結果、検針員など定期的に巡回するときに、ガス遮断弁を閉じ、流量ゼロを確認してずれていたときにだけ、人為的にゼロ調整ができる。よって、ゼロ点がずれていないときにゼロ点調整をしなくて済み省電力化が図れる。なお、検針員がガス遮断弁を閉じる操作をせずとも自動的に遮断弁を閉じて、かつ自動的に流量ゼロを確認しゼロ点調整をさせることも可能である。
【0053】
さらに、図16に示すように、振動伝達手段27は、中心が空洞28の円筒管で構成した。図14に示すように、ゼロ点調整時には、振動子9の振動モードが側面方向に振動するようなモードの共振周波数f1を用いることで、円筒管の空洞には超音波が伝搬される。一方、流路に伝搬される超音波は非常に小さいレベルになるのでシングアラウンド法は適用できなくなる。よって、流速のない円筒管内の伝搬時間の測定のみが行え、流量ゼロ時の伝搬時間が計測できるのである。この伝搬時間で流量ありの状態になれば、ゼロ定数K1を調整して流量ゼロになるようにするものである。このように、円筒管による振動伝達手段においてもゼロ点調整が可能となる。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように本発明の流量計によれば、次の効果が得られる。
【0055】
振動手段を連結する振動連結手段を伝わる伝搬時間を検出する第2計時手段と、振動連結手段を伝わる伝搬時間から前記流量検出手段の流量ゼロのゼロ点を調整するゼロ点調整手段とを備えたことにより、振動連結手段を伝達する音響振動信号を用いて伝搬時間を計測し、流量ゼロのときの計測処理のずれを検出することができ、したがって流量が瞬時に変化するような流路であってもゼロ点調整を行うことができる。
【0056】
また、第1振動手段と第2振動手段の送受信の切換手段と、これら振動手段間相互の信号伝搬を複数回行う繰返手段と、複数回繰り返したときの振動連結手段を伝わる伝搬時間を計測する第2計時手段の値に基づいてゼロ点調整を行うゼロ点調整手段とを備えたことにより伝搬時間が複数回の伝搬時間となり精度よくゼロ点補正できる。
【0057】
また、第1振動手段が送信側、第2振動手段が受信側であるときの第2計時手段で計測した伝搬時間の逆数と第2振動手段が送信側、第1振動手段が受信側であるときの第2計時手段で計測した伝搬時間の逆数との差に基づいてゼロ点調整手段がゼロ点を調整するようにすれば、音速の影響を無視することができる。
【0058】
また、第2計時手段を兼用する第1計時手段、または第1計時手段を兼用する第2計時手段を備えたことによりコンパクトになるとともに、同じ計時手段で伝搬時間を計測するのでゼロ点調整が精度よく行える。
【0059】
また、第1振動手段と第2振動手段を振動させる周波数を、流量計測時とゼロ点補正時に変える周波数設定手段を備えたことにより流路への信号の発生と、振動連結手段への信号の発生をそれぞれ効率よく行うことができノイズなどに妨害されずに精度よく計測ができる。
【0060】
また、流量計測時には各振動手段の共振周波数または反共振周波数を用い、ゼロ点補正時には共振周波数以外または反共振周波数以外の周波数に設定する周波数設定手段を備えたことにより、流路へは共振周波数で効率よく信号を発生させ、振動連結手段へは振動レベルが低くなるその他の周波数で信号発生を行い振動連結手段の信号レベルで流量計測の信号レベルが妨害されないようにすることができる。
【0061】
また、定期時間間隔でゼロ点調整を行うゼロ点調整起動手段を備えたことにより、常に所定レベル以上の精度を維持することができる。
【0062】
また、流量計測時に同期してゼロ点補正を行うゼロ点調整起動手段を備えたことにより、すべての流量計測においてゼロ点補正が正しく行われ非常に精度の高い流量計測ができる。
【0063】
さらに、流量計測の所定回数ごとに1回ゼロ点調整を行うゼロ点調整起動手段を備えたことにより、ゼロ点調整の回数を減らすことができ省電力化が可能となる。
【0064】
また、流量計測時と異なる時刻にゼロ点調整を行うゼロ点補正起動手段を備えたことにより、流量計測を妨害することなくゼロ点調整を行うことができる。
【0065】
また、手動による命令手段の信号によってゼロ点調整を行うゼロ点調整起動手段を備えたことにより、人為的にゼロ流量がずれていることを確認してゼロ点調整を行うことができ、無駄なゼロ点調整処理を減らし省電力化を可能にする。
【0066】
また、各振動手段の正面間を連結する振動連結手段を備えたことにより、流路内に振動連結手段を配置することができ小型化が可能となる。
【0067】
また、各振動手段の側面間を連結する振動連結手段を備えたことにより流路の圧損増加もないようにできる。
【0068】
また、各振動手段の裏面間を連結する振動連結手段を備えたことにより裏面方向においても正面方向とほぼ同様の振動力が発生しているので非常に大きな振動信号を伝搬させることができ、精度よく信号検出が行える。
【0069】
また、整合層と同一材料で構成された振動連結手段を備えたことにより、整合層と振動連結手段を接着する必要がなく信頼性が向上すると共に組み立て工数もを削減することができる。
【0070】
また、制振材料で構成された振動連結手段を備えたことにより、伝搬信号を短時間で収束させることができ、短時間でゼロ点調整が行える。
【0071】
また、金属材料で構成された振動連結手段を備えたことにより、伝搬時間を短くでき、したがって流路を伝搬する流量信号と十分に分離することができ、この信号を妨害することなくゼロ点調整を行うことができる。
【0072】
また、筒管で構成された振動連結手段を備えたことにより、筒管内の音波の伝搬でゼロ点調整が行えるので流路に流量がある場合でもゼロ点調整が可能であり、かつ流路へ伝搬する信号と同じように管路の空間を伝搬する信号でゼロ点調整を行なうことが可能となる。
【0073】
また、ゼロ点調整時には1パルスで音波を発生させるゼロ点調整音波発生手段を備えたことにより、流量計測のパルスの間の時間内でゼロ点調整用の伝搬測定を行なうことができる。
【0074】
また、繰返手段の繰返し回数は、流量計測時よりもゼロ点調整時の方を多くなるように設定したので、固体中の伝搬時間を精度よく測定することができる。
【0075】
また、信号検出レベルが変更可能な信号レベル設定手段を備えたことにより、振動連結手段を伝わってきた信号レベルの高い信号のみを検知することができ、精度よくゼロ点調整を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の流量計のブロック図
【図2】 同流量計の基本構成を示す断面図
【図3】 同流量計の別の構成を示す断面図
【図4】 同流量計の動作を説明する信号波形図
【図5】 同流量計の動作を示すフローチャート
【図6】 同流量計の振動連結手段の他の構成を示す断面図
【図7】 同流量計の振動連結手段のさらに他の構成を示す断面図
【図8】 同流量計の動作を示すフローチャート
【図9】 同流量計の動作を説明する信号波形図
【図10】 本発明の実施例2の流量計のブロック図
【図11】 同流量計の動作を説明する信号波形図
【図12】 同流量計の動作を示すフローチャート
【図13】 同流量計の動作を示すフローチャート
【図14】 同流量計の振動子の振動モードを示す振動モード図
【図15】 同流量計の他の構成を示すブロック図
【図16】 同流量計の振動伝達手段の他の構成を示す断面図
【図17】 従来の流量計を示す構成図
【符号の説明】
9 第1振動子
10 第2振動子
11 流路計時手段
12 流量検出手段
13、22、23、27 振動連結手段
14 ゼロ調整手段
15 切換手段
16 繰返手段
17 ゼロ調整起動手段
20 振動計時手段
21 整合層
24 信号レベル設定手段
25 周波数設定手段
26 手動ゼロ調整起動手段

Claims (21)

  1. 流路に設けられ音波を送受信する第1振動手段および第2振動手段と、前記流路内を伝搬する音波の伝搬時間を計測する第1計時手段と、前記第1計時手段からの伝搬時間に基づいて流量を検出する流量検出手段と、前記第1振動手段と前記第2振動手段とを音響的に連結する振動連結手段と、前記第1振動手段または前記第2振動手段からの信号が前記振動連結手段を伝わる伝搬時間を計測する第2計時手段と、前記第2計時手段からの伝搬時間に基づいて前記流量検出手段の流量ゼロのゼロ点を調整するゼロ点調整手段とを備えた流量計。
  2. 第1振動手段と第2振動手段における送信・受信の関係を切換える切換手段と、前記振動手段間相互の信号伝搬を複数回行う繰返手段とを備え、第2計時手段は複数回繰り返したときの振動連結手段を伝わる伝搬時間を計測する請求項1記載の流量計。
  3. ゼロ点調整手段は、第1振動手段が送信側、第2振動手段が受信側であるときの第2計時手段で計測した伝搬時間の逆数と第2振動手段が送信側、第1振動手段が受信側であるときの第2計時手段で計測した伝搬時間の逆数との差に基づいてゼロ点を調整する請求項2記載の流量計。
  4. 第1計時手段と第2計時手段のどちらか一方が他方の機能を有するようにした請求項1記載の流量計。
  5. 第1振動手段と第2振動手段を振動させる周波数を、流量計測時とゼロ点調整時に変える周波数設定手段を備えた請求項1から4のいずれか1項記載の流量計。
  6. 周波数設定手段はゼロ点調整時には共振周波数および反共振周波数とは異なる周波数に設定する請求項5記載の流量計。
  7. ゼロ点調整手段は一定の時間間隔でゼロ点を調整する請求項1から4のいずれか1項記載の流量計。
  8. ゼロ点調整手段は流量計測時に同期してゼロ点を調整する請求項7記載の流量計。
  9. ゼロ点調整手段は流量計測を所定回数行なうごとにゼロ点を調整する請求項8記載の流量計。
  10. ゼロ点調整手段は流量計測時と異なる時刻にゼロ点を調整する請求項1から4のいずれか1項記載の流量計。
  11. ゼロ点調整手段は手動によってゼロ点を調整する請求項1から4のいずれか1項記載の流量計。
  12. 振動連結手段は各振動手段の正面間を連結する請求項1から4のいずれか1項記載の流量計。
  13. 振動連結手段は各振動手段の側面間を連結する請求項1から4のいずれか1項記載の流量計。
  14. 振動連結手段は各振動手段の裏面間を連結する請求項1から4のいずれか1項記載の流量計。
  15. 第1振動手段と第2振動手段の各送信面に整合層を備え、振動連結手段は前記整合層と同一材料で構成された請求項12から14のいずれか1項記載の流量計。
  16. 振動連結手段は制振材料で構成された請求項12から14のいずれか1項記載の流量計。
  17. 振動連結手段は金属材料で構成された請求項12から14のいずれか1項記載の流量計。
  18. 振動連結手段は筒管で構成された請求項12から14のいずれか1項記載の流量計。
  19. ゼロ点調整時には1パルスで音波を発生させるゼロ調整音波発生手段を備えた請求項1から4のいずれか1項記載の流量計。
  20. 繰返手段の繰返し回数は、流量計測時よりもゼロ点調整時の方を多く設定した請求項2記載の流量計。
  21. 受信信号の検出レベルが変更可能な信号レベル設定手段を備えた請求項1または2記載の流量計。
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