JP2003075218A - 超音波流量計 - Google Patents
超音波流量計Info
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Abstract
の超音波変換器23、24を用いて超音波流量計21を
構成している。これによって一対の超音波変換器間に発
生するオフセット値が小さく、高精度な流量計を実現す
ることが可能となる。
Description
する超音波流量計に関するものである。
示すような流量計1がある。図10は、断面図を示し、
流体の流れる流路2の上流側と下流側とに一対の超音波
変換器3、4を流体を介し、対向して設置し、一対の超
音波変換器3、4間を伝搬する超音波の伝搬時間の時間
差から流体の流速を計測し、流量を演算し、流量計とし
ていた。
れる方向を示し、両矢印6(破線)は超音波の伝搬する
方向を示している。なお、流体の流れる方向と、超音波
の伝搬する方向とは角θで交叉している。
音波変換器3(もしくは4)を駆動した時の矩形状の駆
動波形7と、下流側(もしくは上流側)の超音波変換器
4(もしくは3)で受信した時の受信波形8とを示す。
横軸に時間を、縦軸に電圧を示す。なお、図中の横線9
(破線)は、コンパレータの設定電圧(Vref)を示
す。なお、コンパレータの設定電圧9(Vref)は、雑
音信号でコンパレータが誤動作しないように、受信波形
8の第3番目の受信電圧の山(V3)と第4番目の受信
電圧の山(V4)との間となるよう設定してある。超音
波変換器3、4間を伝搬する超音波の伝搬時間Tpは、
駆動波形の立ち上がり点10から、受信波形8が、コン
パレータの設定電圧9を越えた次のゼロクロス点11
(黒丸)までとしていた(図中のTp参照)。この場
合、超音波が流体中を伝搬する真の伝搬時間Tsは、上
記の伝搬時間Tpから、受信波形の3.5波分(図中の
Ti参照)を差し引いた時間となる。即ち、超音波の真
の伝搬時間Tsは、Ts=Tp−Tiとして、流量演算
に用いていた。
流量計1の計測される超音波伝搬時間Tp(=Ts+T
i)には、超音波が受信側の超音波変換器の表面に到達
した後、検知されるまでの時間(Ti)が含まれている
ため、一対の超音波変換器3、4の特性差により誤差が
発生することがあった。即ち、超音波変換器の温度特性
や経時変化などにより、例えば、受信周波数が変化した
り、あるいは、受信感度が変化したりし、検知される間
での時間(Ti)が一対の超音波変換器間で異なること
があった。この差異が、超音波流量計の誤差となり、流
量値が不正確となるという課題を有していた。
超音波変換器への計測される超音波の伝搬時間をTp
(ud)、下流側の超音波変換器から上流側の超音波変
換器への計測される超音波の伝搬時間をTp(du)、
流体中を伝搬する超音波の伝搬速度をVs、流体の流速
をVf、上流側と下流側の超音波変換器間の距離をLd
とすると、以下のようになる。
(d)、=Ld/[Vs+Vf×cos(θ)]+Ti
(d)、 Tp(du)=Ts(du)+Ti(u)=Ld/[V
s−Vf×cos(θ)]+Ti(u)となる。
音波変換器から超音波が伝搬してきて下流側の超音波変
換器の表面に到着後検知されるまでの時間を、Ti
(u)は超音波が下流側の超音波変換器から伝搬してき
て上流側の超音波変換器の表面に到着後検知されるまで
の時間を、それぞれ示す。なお、Ts(ud)およびT
s(du)は、それぞれ超音波が流体中を上流側の超音
波変換器から下流側の超音波変換器へ伝搬する時の真の
伝搬時間、および下流側の超音波変換器から上流側の超
音波変換器へ伝搬する時の真の伝搬時間を示す。このよ
うに計測される超音波の伝搬時間Tpは、超音波が伝搬
する真の伝搬時間Tsと、超音波変換器の表面に到着後
検知されるまでの時間Tiとの和となる。
Ld/[Vs+Vf×cos(θ)] であるから、 Vs+Vf×cos(θ)=Ld/[Tp(ud)−Ti
(d)]、また、Tp(du)−Ti(u)=Ld/
[Vs−Vf×cos(θ)] であるから、 Vs−Vf×cos(θ)=Ld/[Tp(du)−Ti
(u)] となり、 両辺を引き算すると、流体中の超音波伝搬速
度Vsはキャンセルされ、 2×Vf×cos(θ)={Ld/[Tp(ud)−Ti
(d)]}−{Ld/[Tp(du)−Ti
(u)]}。
(du)−Ti(u)]−[Tp(ud)−Ti
(d)]} =Ld×{[Tp(du)−Tp(ud)]+[Ti
(d)−Ti(u)]}(右辺の分母)=[Tp(u
d)−Ti(d)]×[Tp(du)−Ti(u)]と
なる。
>>Ti(d)、Ti(u)、また、流体の流速に比べ
超音波の伝搬速度は充分大きいので、 Tp(ud)≒Tp(du)であり、 (右辺の分母)=[Tp(ud)−Ti(d)]×[Tp(du)−Ti(u )] =Tp(ud)×Tp(du)−Tp(ud)×[Ti(d)+Ti(d)] +Ti(d)×Ti(u) ≒Tp(ud)×Tp(du)とすることができ、 Vf=Ld×{[Tp(du)−Tp(ud)]+[Ti(d)−Ti(u) ]}/[2×cos(θ)×Tp(ud)×Tp(du)]となる。
流速値、Verr が流速計測の誤差項となる。
面積Srを乗じ、以下のようになる。
られることになる。
量の誤差項Qerrは、流速が小さい時ほど、その真の流
速値Vmeasに対する影響度は大きくなる。即ち、流体の
流速が遅い時は、[Tp(du)−Tp(ud)]の値
が、非常に小さくなるためである。
Tp(ud)、あるいはTp(du)は、それぞれ真の
超音波伝搬時間Tsと検知されるまでの時間Tiとを含
んでいるので、上流側の超音波変換器および下流側の超
音波変換器での検知されるまでの時間Ti(u)、Ti
(d)に差異が発生すると、流速の計測に誤差を含むこ
とになり、流量計測精度が悪くなることになる。即ち、
流速計測における誤差分、Ti(d)−Ti(u)、が
含まれる。なお、この流速の誤差項、Verr(=Ti
(d)−Ti(u))、あるいは、流量の誤差項Qerr
(=Verr×Sr)は通常オフセット値と言われること
が多い。
で、オフセット値の小さい超音波流量計を提供するとと
もに、温度変化に対しても安定な超音波流量計を提供す
ることを目的としている。
るために、本発明の超音波流量計は、相関係数の大きい
な一対の超音波変換器を流体の流れる流路の上流側と下
流側とに、流体を介し、対向して配設したものである。
は、超音波変換器の特性が一致するので、オフセット値
の小さい流量計を構成することができ、正確な流量値を
計測することができる。
の大きいな一対の超音波変換器を流体の流れる流路の上
流側と下流側とに、流体を介し、対向して配置する構成
としたので、超音波変換器の特性が一致しているのでオ
フセット値を小さくすることができ、流量計測が正確な
超音波流量計を実現できる。
の相関係数を自己送受信特性の周波数と受信強度からな
る相関係数を用いる構成としたので、特性評価が簡単で
あり、また相関係数の算出時間も短縮できる。
の相関係数を、最大受信強度とその周波数との一致度を
加えた相関係数を用いる構成としたので、効率よくオフ
セット値の小さい超音波流量計を実現できる。
の相関係数を、超音波変換器の静電容量差を加えた相関
係数を用いる構成としたので、効率よくオフセット値の
小さい超音波流量計を実現できる。
の相関係数が使用温度範囲内の複数の温度で大きい超音
波変換器組を用いるので、使用温度範囲においてオフセ
ット値の小さい超音波流量計を実現できる。
の相関係数を使用温度範囲内の高温側の温度と、低温側
の温度とで算出するので、使用温度範囲において、オフ
セット値の小さく超音波流量計を実現できる。
の相関係数を使用温度範囲内の上限温度、下限温度およ
び中間温度とで算出するので、使用温度において、オフ
セット値が小さく、温度変化の少ない安定な超音波流量
計を実現できる。
の相関係数を超音波変換器の送受信特性の範囲内の周波
数範囲としたので、送受信特性のそろった超音波変換器
対となり、オフセット値を小さく構成することができ、
正確な超音波流量計を実現できる。
の相関係数を超音波変換器の共振周波数と反共振周波数
とを含む周波数範囲としたので、送受信特性のそろった
一対の超音波変換器となり、オフセット値を小さく構成
することができ、正確な超音波流量計を実現できる。
載の相関係数を、送受信最大感度の(1/3)以上なる
周波数範囲としたので、送受信特性のそろった一対の超
音波変換器となり、オフセット値を小さく構成でき、正
確な超音波流量計を実現できる。
説明する。なお、図中の同一番号を付けているものは同
一構成要素とし、説明を省略する。
おける流量計21の断面図を示し、流体の流れる流路2
2の上流側と下流側とに一対の超音波変換器23、24
を流体を介し対向して設置し、超音波変換器間の距離L
dは、約100[mm]、流路22の断面積Srは約30
[mm^2]とした。なお、図中の片矢印25(実線)は
流体の流れる方向を示し、両矢印26(破線)は超音波
の伝搬する方向を示している。なお、流体の流れる方向
は、超音波の伝搬する方向とは角θ(45度)で交叉す
るようにした。
および下流側の超音波変換器として、自己送受信特性を
計測し、その相関係数の大きい対を選び出して用いた。
図2に、計測した自己送受信特性を示す。同図におい
て、27は自己送受信特性を示し、28は最大受信感度
(Vp)を、29はそのときの周波数(Fp)を、30
は有効周波数範囲を示す。
一の超音波変換器で送信し、同一の超音波変換器で受信
する、回路ブロック図を示す。31は超音波変換器を駆
動する駆動部で、バースト信号を発生する。32、33
はダイオードブロックを、34は超音波変換器を示す。
35は負荷抵抗を、36は信号抵抗を示し、それぞれ2
および1[kohm]とした。37は受信信号を増幅する増
幅器を示す。この構成において、駆動部31からの数V
〜数十Vのバースト駆動信号が、ダイオードブロック3
2を介して、超音波変換器34と負荷抵抗35とに印加
される。超音波変換器の共振周波数近傍では、超音波変
換器のインピーダンスは負荷抵抗35に比べ充分低いの
で、駆動信号はすべて超音波変換器に印加されると考え
ることができ、超音波変換器からバースト状の超音波3
8が放出される。放出された超音波は前方に設置された
超音波反射板39で反射される。反射された超音波40
は超音波変換器34で受信される。
36を介して、ダイオードブロック33と増幅器37に
も印加される。この場合、大電圧の駆動信号は、ダイオ
ードブロック33を介して接地ラインに接続されている
ので、増幅器にはダイオードで決定される閾値、約0.
9V程度の信号しか入力されないので、増幅器37が破
壊されることはない。超音波反射板39で反射された超
音波は、同一の超音波変換器34で受信される。受信さ
れた超音波は、超音波変換器34に電荷を発生させる。
この発生した電荷は、負荷抵抗35の両端に受信電圧を
発生させる。この受信電圧は充分小さく、通常は100
[mV]程度以下である場合が多い。ダイオードブロッ
ク32を介して駆動部と、信号抵抗36を介して増幅器
37とに伝達される。充分小さい受信電圧は、ダイオー
ドブロック33で接地されても、その受信電圧は、ダイ
オードで決定される閾値以下であるため減衰することな
く増幅器37に伝達される。
された駆動信号は、超音波が超音波変換器34と超音波
反射板39との間約100[mm]を往復する間に、充分
減衰するので、受信信号に対する雑音とはならない。例
えば、流体が空気である場合、超音波が往復する時間は
約590[μsec]程度となり、駆動信号が減衰するの
に充分な時間となる。
特性が得られる。同図は、横軸(X)に周波数を、縦軸
(Y)に受信感度を示す。領域を示す実線29は、超音
波変換器の超音波出力が有効な周波数範囲を示す。相関
係数Rxyは、次式を用いて算出した。
y)、ここで、Cov(X,Y)=(1/n)×Sum
[(XiーXa)×(Yi−Ya)] σx、σyは、Xi、Yiの標準偏差を、Xa、Ya
は、Xi、Yiの平均値を示す。
とした場合の、i=1〜nまでを加算することを示す。
即ち、自己送受信特性において超音波出力が有効な周波
数範囲にある相関係数を算出することを意味する。オフ
セット値の発生要因である、超音波が超音波変換器の表
面に到達した後検知されるまでの時間Tiは、送信側と
受信側との超音波変換器の両者の特性の差異に大きく依
存するので、両者の特性が非常に似通っている一対の超
音波変換器を用いると、そのオフセット値は小さくな
る。
ると、原理的には、送信特性も、受信特性も全く同じと
なり、オフセット値は発生しなくなる。従って、超音波
変換器の特性を示す自己送受信特性のそろった、即ち、
相関係数の大きな一対の超音波変換器を用いて流量計を
構成すると、オフセット値の小さい超音波流量計を実現
することができる。全く特性が同じである超音波変換器
の対は、実際上は実現不可能であるので、超音波変換器
の送信特性、受信特性を示すインピーダンス特性が似て
いる対、即ち、相関係数の大きな対を用いることによ
り、オフセット値の小さい超音波流量計を実現すること
ができる。
き説明する。図4に、Xを上流側と下流側の超音波変換
器の自己送受信特性から算出した相関係数とし、Yをオ
フセット値とした時の関係を示す。横軸に相関係数を、
縦軸にオフセット値の流量計測範囲のフルスケールに対
する割合([%])を示す。図4より、相関係数Rxy
が0.950以上であれば、オフセット値がフルスケー
ルの±0.5[%]以内となり、相関係数Rxyが0.
975以上であれば、オフセット値がフルスケールの±
0.30[%]以内となる。この意味するところは、フ
ルスケールが6000[L/h]の超音波流量計であれ
ば、Rxyが0.950以上の時はオフセット値が±3
0[L/h]以内となり、Rxyが0.975以上の時は
±18[L/h]以内となることを示している。さらに
は、より相関係数の大きい対を用いて超音波流量計を構
成すると、より小さいオフセット値が得られることを示
している。このように、超音波流量計に自己送受信特性
からなる相関係数が大きい一対の超音波変換器を用いる
と、オフセット値の小さい超音波流量計を実現できる。
係数Rxyが、0.900以上の一対の超音波変換器に
対し、自己送受信特性における最大感度と、その時の周
波数とからなる一致度を用いオフセット値を評価した結
果を図5に示す。横軸に一致度を、縦軸に流量計測範囲
のフルスケールに対するオフセット値の割合([%])
を示す。なお、一致度は以下のようにして算出した。即
ち、上流側および下流側の超音波変換器の最大感度をV
p(1)およびVp(2)、そのときの周波数をFp
(1)およびFp(2)とした場合に、一致度、R(1
2)は、 R(12)={[Vp(1)−Vp(2)]/[Vp
(1)+Vp(2)]}^2+{[Fp(1)−Fp
(2)]/[Fp(1)+Fp(2)]}^2とした。
p(2)=0.0およびFp(1)−Fp(2)=0.
0となるので、R(12)=0.0となる。
下の良い一致を示す一対の超音波変換器であれば、オフ
セット値がフルスケールの±0.5[%]以内となり、
更に0.02以下のより良い一致を示す一対の超音波変
換器であれば、オフセット値がフルスケールの±0.3
[%]以内となる。このように、超音波流量計に自己送
受信特性の最大感度と、その時の周波数とからなる一致
度R(12)の大きい一対の超音波変換器を用いて超音
波流量計を構成すると、オフセット値の小さい超音波流
量計を実現できる。
係数Rxyが、0.900以上の一対の超音波変換器に
対し、それぞれの超音波変換器の静電容量の一致度を用
いオフセット値を評価した結果を図6に示す。横軸に静
電容量の一致度Rcap(12)を、縦軸に流量計測範囲
のフルスケールに対するオフセット値の割合([%])
を示す。なお、超音波変換器の静電容量は、LCRメー
タを用い、超音波変換器の共振周波数からはなれた約1
[kHz]の周波数で計測した値を用いた。また、一致
度Rcap(12)は以下のようにして算出した。即ち、
上流側および下流側の超音波変換器の静電容量をCp
(1)およびCp(2)とした時、一致度、Rcap(1
2)は、 Rcap(12)={[Cp(1)−Cp(2)]/[V
p(1)+Vp(2)]}^2とした。一致度が最良の
場合には、Cp(1)−Cp(2)=0.0となるの
で、Rcap(12)=0.0となる。
25以下の良い一致度を示す一対の超音波変換器であれ
ば、オフセット値がフルスケールの±0.5[%]以内
となり、更に0.010以下のより良い一致度を示す一
対の超音波変換器であれば、オフセット値がフルスケー
ルの±0.3[%]以内とさらによくなるなる。このよ
うに、超音波流量計にそれぞれの超音波変換器の静電容
量の一致度Rcap(12)の大きい一対の超音波変換器
を用いて超音波流量計を構成すると、オフセット値の小
さい超音波流量計を実現できる。
セット値と相関係数との関係について説明する。一般
に、オフセット値と雰囲気温度との関係は単調変化であ
る場合が多い。従って、使用温度範囲が、例えば、−3
0[℃]〜+60[℃]である場合、例えば、10
[℃]刻みの各温度(温度レベル:10点)で、超音波
流量計に用いる一対の超音波変換器の相関係数が大きい
時には、上記実施例より、その温度でのオフセット値は
非常の小さくなるので、各温度で小さいオフセット値を
実現でき、その結果、全温度範囲、−30[℃]〜+6
0[℃]、において、小さいオフセット値の超音波流量
計を実現することができる。
面を用いて具体的に説明する。図7に使用温度範囲(−
30[℃]〜+60[℃])の高温部(+60[℃])
での相関係数と低温部(−30[℃])での相関係数と
の差(dCorr)とオフセット値の差との関係を示す。横
軸に相関係数の差(dCorr)を、縦軸にオフセット値の
差を示す。同図より両温度間での相関係数の差(dCor
r)が小さいほどオフセット値の差が小さいことが解
る。相関係数の差(dCorr)が0.05以下であれば、
オフセット値の変化が0.2[%]以内となることがわ
かる。このように高温部と低温部とでの相関係数の差が
小さい一対の超音波変換器で超音波流量計を構成する
と、使用温度範囲でのオフセット値を小さくできること
がわかる。
面を用いて具体的に説明する。図8に使用温度範囲(−
30[℃]〜+60[℃])での、高温部(+60
[℃])の相関係数と中間温度(+20[℃])の相関
係数との差(dChigh)と、低温部(−30
[℃])の相関係数と中間温度(+20[℃])の相関
係数との差(dClow)とオフセット値の差(dOffset)
との関係を示す。横軸に相関係数の差(dChighお
よびdClow)の平均値(dCaver)を、縦軸に使用温度
範囲でのオフセット値の最大値と最小値との差(dOffs
et)を示す。同図より両温度間での相関係数の差(dCo
rr)が小さいほどオフセット値の差(dOffset)が小さ
いことが解る。相関係数の差(dCorr)が0.05以下
であれば、オフセット値の変化が0.2[%]以内とな
ることがわかる。
度と低温部とでの相関係数の差の小さい一対の超音波変
換器で超音波流量計を構成すると、使用温度範囲でのオ
フセット値の変化を小さくでき、高精度な流量計が実現
できることがわかる。なお、この場合には、例えば、室
温(中間温度)でオフセット値をゼロとなるように調整
しておけば、使用温度範囲においてオフセット値の変化
が小さいため、温度に対して安定な超音波流量計を実現
できることになる。
変換器の自己送受信特性の周波数依存性を示した。送受
信特性が最大となる周波数Fp(29)から周波数が離
れるほど、その自己送受信特性における受信電圧は、最
大値Vp(28)から急激に小さくなる。
は自己送受信特性における自己送受信電圧の大きい範囲
とし、図2に両矢印の破線30で示し、最大電圧Vpの
(1/5)以上となる範囲とした。このように、自己送
受信の受信電圧の大きい範囲を用いたので、相関係数に
より超音波特性の揃った超音波変換器を抽出することが
でき、オフセットの小さい流量計を実現することができ
た。
明する。図8は、超音波変換器のインピーダンス特性を
示す。横軸に周波数を、左縦軸にインピーダンスの抵抗
成分を対数表示し、右縦軸にインピーダンスの位相成分
を示す。実線41はインピーダンスの抵抗成分を、破線
42はインピーダンスの位相成分を示す。両矢印の実線
43で示す周波数範囲は、超音波変換器の共振周波数と
反共振周波数とを含む範囲を示し、前記実施例で示した
自己送受信における周波数範囲29を一致する。従っ
て、相関係数を算出する周波数範囲は、超音波変換器の
共振周波数と反共振周波数とを含む範囲であれば良いこ
とになる。
信特性の周波数範囲を種々変更して相関係数とオフセッ
ト値との関係を調べた結果、相関係数を算出する周波数
範囲は、自己送受信特性の受信電圧が最大電圧の(1/
3)以上の範囲であれば、相関係数からオフセット値を
より一層推定できることが解った。従って、相関係数を
算出する周波数範囲は、自己送受信特性における受信電
圧が最大電圧の(1/3)以上となる周波数範囲であれ
ば良い。このように、相関係数算出の領域を狭めること
ができ、算出効率が向上する。これは、受信電圧が小さ
いと雑音レベルとの差が小さくなり、S/Nが悪くなる
ためと考えられる。
明によれば、超音波変換器間の相関係数の大きいな組で
超音波流量計を構成するとオフセット値を小さくするこ
とができ、高精度な超音波流量計を実現できる。
図
係数とオフセット値との関係を示す特性図
度とオフセット値との関係を示す特性図
度とオフセット値との関係を示す特性図
係数とオフセット値との関係を示す特性図
係数とオフセット値との関係を示す特性図
図
図
Claims (10)
- 【請求項1】 相関係数の大きい一対の超音波変換器を
流体の流れる流路の上流側と下流側とに、それぞれ対向
して配設した超音波流量計。 - 【請求項2】 相関係数は自己送受信の周波数と受信強
度からなる請求項1記載の超音波流量計。 - 【請求項3】 相関係数は最大受信強度とその周波数と
の一致度を加えてなる請求項1記載の超音波流量計。 - 【請求項4】 相関係数は超音波変換器の静電容量差を
加えてなる請求項1記載の超音波流量計。 - 【請求項5】 使用温度範囲内の複数の温度での相関係
数が大きい一対の超音波変換器を用いる請求項1記載の
超音波流量計。 - 【請求項6】 複数の温度が、使用温度範囲内の高温側
温度と低温側温度とからなる請求項5記載の超音波流量
計。 - 【請求項7】 複数の温度が、使用温度範囲内の高温側
温度、低温側温度および中間の温度からなる請求項5記
載の超音波流量計。 - 【請求項8】 相関係数の周波数範囲を超音波変換器の
送受信特性の範囲内とする請求項1記載の超音波流量
計。 - 【請求項9】 周波数範囲は共振周波数と反共振周波数
とを含む請求項8記載の超音波流量計。 - 【請求項10】 周波数範囲は自己送受信最大感度の3
分の1以上とした請求項8記載の超音波流量計。
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Cited By (2)
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