JP2000329597A5 - - Google Patents
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Description
【発明の名称】超音波流量計及び超音波流量計測方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】超音波信号を送信する第1の超音波振動子と、前記第1の超音波振動子から送信され流体を伝搬した超音波信号を受信する第2の超音波振動子と、前記超音波の伝搬時間を計測する伝搬時間計測部と、前記伝搬時間から演算によって流量を求める演算部と、前記流体の音速を出力する音速出力手段と、前記音速と前記伝搬時間から求めた音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する誤測定判定手段とを備えた超音波流量計。
【請求項2】誤測定判定手段は、超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との逆数和から求めた音速と前記音速出力手段で出力した音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する請求項1記載の超音波流量計。
【請求項3】誤測定判定手段は、超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との平均値の逆数から求めた音速と前記音速出力手段で出力した音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する請求項1記載の超音波流量計。
【請求項4】前記音速出力手段は、前記流体に接し流量の影響を受けない状況下において超音波を送受信する超音波振動子と、前記超音波の伝搬時間を測定するタイマを含み、前記流体に接し流量の影響を受けない状況下での伝搬時間から求めた音速を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の超音波流量計。
【請求項5】前記音速出力手段は、被測定流体の温度を検知する温度センサと、前記温度センサにより検知された温度における音速を演算する音速変換部とを備え、前記演算された音速を出力する請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の超音波流量計。
【請求項6】前記音速出力手段は、以前に測定した超音波の伝搬時間を記憶する伝搬時間記憶部を備え、前記伝搬時間記憶部に記憶された伝搬時間から求めた音速を出力する請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の超音波流量計。
【請求項7】前記誤測定判定手段からの信号に基づいて流量を調節する流量調節手段をさらに備え、前記誤測定判定手段が誤測定と判定したときに流量をより少なくなるように調節し、前記伝搬時間を再測定することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の超音波流量計。
【請求項8】予め設定した回数前記第2の超音波振動子の出力を前記第1の超音波振動子に帰還し再度超音波信号を出力させる帰還回路をさらに備え、前記誤測定判定手段が誤測定と判定したときには前記帰還回路の帰還回数を少なくなるように設定し伝搬時間を再測定する請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の超音波流量計。
【請求項9】超音波信号を送信し、流体を伝搬した前記超音波信号を受信し、前記超音波の伝搬時間を計測し、前記伝搬時間から演算によって流量を求め、前記流体の音速と前記伝搬時間から求めた音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する超音波流量計測方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の超音波流量計は、図5に示すようなものが一般的であった。この装置は流体の流れる測定流路1に設置した超音波振動子2と、超音波振動子2を駆動する駆動回路3と、駆動回路3にスタート信号を出力する制御部4と、超音波の伝播時間を測定する伝搬時間測定部5と、伝搬時間測定部5から測定データを受け取る演算部6と、超音波振動子2から送信した超音波を受ける超音波振動子7と、超音波振動子7の出力を増幅するアンプ8と、アンプ8の出力と基準電圧とを比較し大小関係が反転したときに伝搬時間測定部5を停止させる受信検知回路9とを有していた。
【0003】
そして、上記超音波流量計は、制御部4からスタート信号を受けた駆動回路3が超音波振動子2を一定時間パルス駆動を行うと同時に伝搬時間測定部5は制御部4からの信号によってに時間計測始める。パルス駆動された超音波振動子2からは超音波が送信される。超音波振動子2から送信した超音波は被測定流体中を伝搬し超音波振動子6で受信される。超音波振動子7の受信出力は、アンプ8において制御部4が設定した増幅率によって増幅される。そしてアンプ8の出力を受けた受信検知回路9で超音波の受信を判定し伝搬時間測定部5を停止させる。そして制御部4では伝搬時間測定部5から得た時間情報tから(式1)によって流速を求める(但し、伝搬時間測定部5から得た測定時間をt、超音波振動子間の流れ方向の有効距離をL、音速をc、被測定流体の流速をvとする)。
【0004】
v=(L/t)−c ・・・(式1)
受信信号は、緩やかに立ち上がる波形となっており、超音波振動子の温度特性や、流速によって受信信号のレベルは変化する。前記基準電圧と受信信号のレベルの関係が適正でないと受信検知回路9の動作は安定せず測定精度が悪くなる。
【0005】
また、他の測定方法として受信検知回路9の判定結果を伝搬時間測定部5ではなく、帰還回路によって駆動回路3に返し、再度送信を行う場合もあった。このような繰り返し動作を予め設定した回数行いその時間を測定し、その測定時間を元に(式2)の計算によって流速を求める方法もあった(但し、繰り返しの回数をn、測定時間をts、超音波振動子間の流れ方向の有効距離をL,音速をc、被測定流体の流速をvとする)。
【0006】
v=L/(ts/n)−c・・・(式2)
この方法によれば(式1)の方法に比べn倍分解度を高くして測定することができる。
【0007】
また、超音波振動子2と超音波振動子7とを切り替え、被測定流体の上流から下流と下流から上流へのそれぞれの伝搬時間を測定し、(式3)より速度vを求める方法もある(但し、上流から下流への測定時間時間をt1、下流から上流への測定時間時間をt2とする)。
【0008】
v=L/2((1/t1)−(1/t2))・・・(式3)
この方法によれば音速の変化の影響を受けずに流度を測定することが出来るので、流速・流量・距離などの測定に広く利用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の超音波流量計では、流量変動による波形や振幅の変化、あるいはノイズなどの影響によって受信検知しているタイミングがずれるため、正確な流量計測ができない場合があった。また測定流量が多くなると超音波の伝播経路に渦などの乱れが発生し、受信信号が短い時間で大きく変動するようになる。この場合受信タイミングがずれ誤測定をしてしまうが、それを誤測定と判定することができなかった。
【0010】
本発明は正常測定と誤測定とを判別し、誤測定による測定精度の低下を排除することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため誤測定判定手段が音速出力手段より得た被測定流体の音速と実際に流量測定のために測定した伝搬時間とを比較するようしたものである。
【0012】
上記本発明によれば音速と伝搬時間は逆比例の関係にあるため、求めた伝搬時間を音速出力手段より得た音速で誤測定かどうか確認することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に係る超音波流量計は、超音波信号を送信する第1の超音波振動子と、前記第1の超音波振動子から送信され流体を伝搬した超音波信号を受信する第2の超音波振動子と、前記超音波の伝搬時間を計測する伝搬時間計測部と、前記伝搬時間から演算によって流量を求める演算部と、前記流体の音速を出力する音速出力手段と、前記音速と前記伝搬時間から求めた音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する誤測定判定手段とを備えている。上記発明によれば音速と伝搬時間は逆比例の関係にあるため、求めた伝搬時間を音速出力手段より得た音速で誤測定かどうかを確認することができる。
【0014】
本発明の請求項2に係る超音波流量計は、前記請求項1記載の超音波流量計ににおいて、誤測定判定手段が、超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との逆数和から求めた音速と前記音速出力手段で出力した音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する。超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との逆数和は、流体の流速に関係なく被測定流体の流速0の時の音速に比例するので、2つの伝搬時間が正しければ前記逆数和に定数をかけることによって正確に音速を求めることができる。この演算によって求めた音速と音速出力手段によって求めた音速とを比較するので、正確に正常な伝搬時間の測定かどうかを確認することができる。
【0015】
本発明の請求項3に係る超音波流量計は、前記請求項1記載の超音波流量計ににおいて、誤測定判定手段が超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との平均値の逆数から求めた音速と前記音速出力手段で出力した音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する。超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との平均値は、流体の流速が音速に比べて十分小さい範囲では被測定流体の流速0の時の音速の逆数に比例するので、逆数に定数をかけることによって2つの伝搬時間から音速を求めることができる。逆数和を求めるに比べ平均を求めることは容易であり、演算処理の負荷を低減しつつ正常な伝搬時間の測定かどうかを確認することができる。
【0016】
本発明の請求項4に係る超音波流量計は、前記請求項1乃至請求項3記載の超音波流量計ににおいて、前記音速出力手段が、前記流体に接し流量の影響を受けない状況下において超音波を送受信する超音波振動子と、前記超音波の伝搬時間を測定するタイマを含み、前記流体に接し流量の影響を受けない状況下での伝搬時間から求めた音速を出力する。音速出力手段では流体の流速に影響しない音速を出力できるので、安定した音速を得ることができ、流量測定が誤計測か否かを判定することができる。
【0017】
本発明の請求項5に係る超音波流量計は、前記請求項1乃至請求項3記載の超音波流量計ににおいて、前記音速出力手段は、被測定流体の温度を検知する温度センサと、前記温度センサにより検知された温度における音速を演算する音速変換部とを備え、前記演算された音速を出力する。被測定流体が決まっている場合、その流体の温度が決まれば流速0の時の音速は求まるので、温度センサが被測定流体の温度を測定し、測定した温度から被測定流体の流速0の時の音速を演算により求める。音波を伝搬させずに音速を測定するため超音波による流量計測が音波の干渉の影響を受けず音速測定を任意のタイミングで行なうことができる。また、流量測定と音速測定を同時に行なうことができるので、流量測定が正常な測定であったかどうかの判定基準の精度が向上し測定の正誤判定を精度よくできる。
【0018】
本発明の請求項6に係る超音波流量計は、前記請求項1乃至請求項3記載の超音波流量計ににおいて、前記音速出力手段は、以前に測定した超音波の伝搬時間を記憶する伝搬時間記憶部を備え、前記伝搬時間記憶部に記憶された伝搬時間から求めた音速を出力する。伝播時間記憶部に記憶している超音波の伝搬時間から求めた音速と、新たに測定した伝搬時間から求めた音速とを比較し、大きく異なっていた場合この測定結果を誤測定と判定する。2つの音速がほぼ同じ値であれば正常な伝搬時間であったと判断すると同時に、記憶部に記憶している値を更新し次の判定に使用する。このため、音速測定のためのセンサを新たに付加する必要がないので流量計の構成を簡単にすることができる。
【0019】
本発明の請求項7に係る超音波流量計は、前記請求項1乃至請求項6記載の超音波流量計ににおいて、前記誤測定判定手段からの信号に基づいて流量を調節する流量調節手段をさらに備え、前記誤測定判定手段が誤測定と判定したときに流量をより少なくなるように調節し、前記伝搬時間を再測定する。前記誤測定判定手段が誤測定と判定したときに前記流量調節手段を動作させ流量をより少なくなるように調節し伝搬時間を再測定するため、流量が大きくなったために発生した乱流や渦を押さえるので確実に正しい流量測定を行なうことができる。
【0020】
本発明の請求項8に係る超音波流量計は、前記請求項1乃至請求項7記載の超音波流量計ににおいて、予め設定した回数前記第2の超音波振動子の出力を前記第1の超音波振動子に帰還し再度超音波信号を出力させる帰還回路をさらに備え、前記誤測定判定手段が誤測定と判定したときには前記帰還回路の帰還回数を少なくなるように設定し伝搬時間を再測定する。つまり測定に誤りが発生する機会を少なくして再測定するので、より正しい流量を求めることができる。
【0021】
本発明の請求項9に係る超音波流量計測方法は、超音波信号を送信し、流体を伝搬した前記超音波信号を受信し、前記超音波の伝搬時間を計測し、前記伝搬時間から演算によって流量を求め、前記流体の音速と前記伝搬時間から求めた音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0023】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の超音波流量計を示すブロック図である。
【0024】
図1において、10は被測定流体が流れる流路、流路10に設置した超音波振動子11と16、超音波振動子11を駆動する駆動回路12と、駆動回路12にスタート信号を出力する制御部13と、超音波の伝播時間を測定する伝搬時間測定部14と、伝搬時間測定部14から測定データを受け取る演算部15と、超音波振動子11から送信した超音波を受ける超音波振動子16と、超音波振動子16の出力を増幅するアンプ17と、アンプ17の出力波形から受信を検知し伝搬時間測定部14を停止させる受信検知回路18と、流量の影響を受けない同一流体に接した超音波振動子20と送受信回路21と超音波振動子20が超音波を送信してから受信するまでの時間を測定するタイマからなる音速出力手段19と、音速出力手段19によって求めた音速と伝搬時間とを比較し正常な測定かどうか判定する誤測定判定手段22と、超音波振動子11と16の接続を制御部13の出力によって入れ替える切替スイッチ23とを有している。
【0025】
次に動作、作用について説明すると、制御部13からスタート信号を受けた駆動回路12が超音波振動子11を駆動すると同時に伝搬時間測定部14は制御部13は時間計測を始める。また駆動回路12によって駆動された超音波振動子11は超音波を送信する。超音波振動子11が送信した超音波は被測定流体中を伝搬し超音波振動子16で受信される。超音波振動子16で受信した超音波信号を受けたアンプ17は増幅し受信検知回路18に出力する。受信検知回路18は超音波の受信を判定し伝搬時間測定部14を停止させる。この時の伝播時間をt1とする。次に制御回路は切替スイッチ23を動作させ駆動回路12と超音波振動子16、超音波振動子11とアンプ17をそれぞれ接続させる。その後上記と同様の動作を行いt1と逆方向の伝搬時間、つまり超音波センサ16から送信し超音波センサ11で受信した場合の超音波の伝搬時間t2を測定する。演算部13はt1、t2より(式3)によって流速を求めさらに流量を演算によって求める。
【0026】
音速出力手段19では、送受信回路21が超音波振動子20から超音波を送信し壁で反射した超音波を超音波振動子20で受信するまでの時間を誤測定判定手段22に出力する。誤測定判定手段22は音速出力手段によって求めた音速に流体の流速の最大値に相当する幅を持たせ、t1、t2より求めた音速と比較する。t1、t2が幅の中にあれば正しい測定結果と判断し、測定結果を採用する。t1、t2が幅の外にあれば異常測定と判断し測定結果を破棄する。
【0027】
この実施例の構成によれば、流体の流速による影響を受けずに音速出力手段19が音速を検知できるので、安定した音速を得ることができ、正しい測定が異常測定かを判断することができる。
【0028】
また、上記方法と別に、t1、t2の逆数和と音速出力手段19によって求めた音速とを比較することによって正常測定か異常測定かを判定することもできる。逆数和は(式4)のようになる。
【0029】
つまり
c=(1/t1+1/t2)*(L/2)・・・・(式5)
となりt1、t2の逆数和に定数をかけたものが音速なので、音速出力手段によって求めた音速と比較する場合流速を考慮する必要がなく、考慮する場合であってもわずかの流量相当であるので、より正確に異常測定を判断することができる。
【0030】
また、上記方法とは別に、t1、t2の平均値の逆数と音速出力手段19によって求めた音速とを比較することによって異常測定を判定することもできる。平均値の逆数は(式6)のようになる。
【0031】
となりt1、t2の平均の逆数に定数をかけたものがほぼ音速となる。このとき音速出力手段によって求めた音速と比較する場合に流速を考慮する必要がなく、考慮する場合であってもわずかの流量相当であるので、より確実に異常測定か否かを判断することができると同時に、逆数和を求める場合の計算と比較し、計算量を低減することができる。
【0032】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の超音波流量計を示す図である。
【0033】
本実施例2において、実施例1と異なる点は音速出力手段19が温度センサ24と音速変換部25で構成している点である。
【0034】
なお、実施例1と同一符号のものは同一構成要素とし、説明は省略する。
【0035】
次に動作、作用を説明する。被測定流体が決まっている場合、その流体の温度が決まれば流速0の時の音速は求まる。温度センサが被測定流体の温度を測定し、音速変換部25が被測定流体の温度から流速0の音速を演算により求める。この方法によれば音波を伝搬させずに音速を測定するため、音速測定は流量計測に音波の干渉を与えることなく任意のタイミングでできる。また、流量測定と音速測定を同時に行なうことができ、流量測定が正常な測定であったかどうかの判定基準の精度をよくすることができる。
【0036】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3の超音波流量計を示す図である。
【0037】
本実施例3において、実施例1と異なる点は音速出力手段19が以前に測定した超音波の伝搬時間を記憶する伝搬時間記憶部26で構成している点である。
【0038】
なお、実施例1と同一符号のものは同一構成要素とし、説明は省略する。
【0039】
次に動作、作用を説明すると、伝搬時間記憶部26に記憶している超音波の伝搬時間から求めた音速と、新たに測定した伝搬時間から式(5)あるいは式(7)によって求めた音速とを比較し、あらかじめ設定した値以上異なっていた場合この測定結果を誤測定と判定する。2つの音速がほぼ同じ値であれば正常な伝搬時間であったと判断すると同時に、記憶部に記憶している値を更新し次の判定に使用する。
【0040】
一定条件のもとで音速は大きく変化することはないので、測定間隔の間に予測される音速変化を見込んだ値を音速変化の許容値として設定し、その範囲内であれば正しい測定であると判断することができる。
【0041】
このため、音速測定のためのセンサを新たに付加する必要がないので流量計の構成を簡単にすることができる。
【0042】
(実施例4)
図4は本発明の実施例3の超音波流量計を示す図である。
【0043】
なお、実施例1と同一符号のものは同一構成要素とし、説明は省略する。
【0044】
本実施例4において、実施例1と異なる点は誤測定判定手段22が設定した回数受信検知回路18の出力を駆動回路12に帰還し再度超音波信号を出力させる帰還回路28と、誤測定判定手段22からの指令信号によって流量を調節する流量調節手段27とを有する点である。
【0045】
次に動作、作用を説明すると、誤測定判定手段が誤測定と判定したときに流量調節手段27を動作させ流量をより少なくなるように調節し伝搬時間を再測定するため、流量が大きくなったために発生した乱流や渦を押さえるので確実に正しい流量測定を行なうことができる。
【0046】
このため、回路やその他の機能異常のため流量測定ができなくなったのか、過大流量のため超音波の伝搬が乱れ流量測定ができなくなったのかを判断することができる。
【0047】
また、誤測定判定手段22が誤測定と判定したときに帰還回路28の帰還回数を少なく設定し伝搬時間を再測定する。つまり測定に誤りが発生する機会を少なくして再測定するので、より正しい流量を求めることができる。
【0048】
以上の説明から明らかのように、本発明の各実施の形態における超音波流量計によれば次の効果を奏する。
【0049】
(1)誤測定判定手段が音速出力手段より得た被測定流体の音速と実際に流量測定のために測定した伝搬時間から求めた音速とを比較する。音速と伝搬時間は逆比例の関係にあるため、求めた伝搬時間を音速出力手段より得た音速で誤測定かどうか確認することができ、誤測定を測定結果に反映することがなく、正確な流量計を実現することができる。
【0050】
(2)超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との逆数和から求めた音速と音速出力手段から出力された音速とを比較し判定するので、2つの伝搬時間から容易に正確な音速を求め誤測定かどうかを判断するとができる。
【0051】
(3)超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との平均値の逆数から求めた音速と音速出力手段から出力された音速とを比較し判定する。超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との平均値は、流体の流速が音速に比べて十分小さい範囲では被測定流体の流速0の時の音速の逆数に比例するので、逆数に定数をかけることによって2つの伝搬時間から音速を求めることができる。よって逆数和を求めのるに比べ平均を求めることは容易であり、演算処理の負荷を低減しつつ正常な伝搬時間の測定かどうかを確認することができる。
【0052】
(4)前記流体に接し流量の影響を受けない状況下での超音波の伝搬時間から求めた音速を出力し、この音速と流量測定のために測定した伝搬時間から求めた音速とを比較する。このため、流体の流速に影響しない安定した音速と流量測定のために測定した伝搬時間から求めた音速とを比較することができ、流量測定が誤計測か否かを判定することができる。
【0053】
(5)被測定流体の温度を検知する温度センサと音速変換部よりなる音速出力手段を有している。被測定流体が決まっている場合、その流体の温度が決まれば流速0の時の音速は求まるので、温度センサが被測定流体の温度を測定し、測定した温度から被測定流体の流速0の時の音速を演算により求める。よって音波を伝搬させずに音速を測定するため超音波による流量計測が音波の干渉の影響を受けず音速測定を任意のタイミングで行なうことができると共に、流量測定と音速測定を同時に行なうことができるので、流量測定が正常な測定であったかどうかの判定基準の精度が向上し、その結果測定の正誤判定を精度よく行うことができる。
【0054】
(6)音速出力手段が以前に測定した超音波の伝搬時間を記憶する伝搬時間記憶部を有し、伝搬時間記憶部に記憶している超音波の伝搬時間から求めた音速と、新たに測定した伝搬時間から求めた音速とを比較し、大きく異なっていた場合この測定結果を誤測定と判定する。2つの音速がほぼ同じ値であれば正常な伝搬時間であったと判断すると同時に、記憶部に記憶している値を更新し次の判定に使用する。このため、音速測定のためのセンサを新たに付加する必要がないので流量計の構成を簡単にすることができる。
【0055】
(7)誤測定判定手段が誤測定と判定したときに流量調節手段を動作させ流量をより少なくなるように調節し伝搬時間を再測定するため、流量が大きくなったために発生した乱流や渦を押さえるので確実に正しい流量測定を行なうことができる。このため、回路やその他の機能異常のため流量測定ができなくなったのか、過大流量のため超音波の伝搬が乱れ流量測定ができなくなったのかを判断することができる。
【0056】
(8)予め設定した回数超音波振動子の出力を第1の超音波振動子に帰還し再度超音波信号を出力させる帰還回路と、計測した伝搬時間が適正かどうかを判定する誤測定判定手段とを有し、誤測定判定手段が誤測定と判定したときに帰還回路の帰還回数を少なく設定し伝搬時間を再測定する。このため測定に誤りが発生する機会を少なくして再測定するので、より正しい流量測定を行うことができる。
【0057】
(9)超音波信号を送信し、流体を伝搬した前記超音波信号を受信し、前記超音波の伝搬時間を計測し、前記伝搬時間から演算によって流量を求め、前記流体の音速と前記伝搬時間から求めた音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する。音速と伝搬時間は逆比例の関係にあるため、求めた伝搬時間を音速出力手段より得た音速で誤測定かどうかを確認することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の超音波流量計によれば、誤測定判定手段が音速出力手段より得た被測定流体の音速と実際に流量測定のために測定した伝搬時間から求めた音速とを比較する。音速と伝搬時間は逆比例の関係にあるため、求めた伝搬時間を音速出力手段より得た音速で誤測定かどうか確認することができ、誤測定を測定結果に反映することがなく、正確な流量計を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における超音波流量計のブロック図
【図2】本発明の実施例2における超音波流量計のブロック図
【図3】本発明の実施例3における超音波流量計のブロック図
【図4】本発明の実施例4における超音波流量計のブロック図
【図5】従来の超音波流量計のブロック図
【符号の説明】
11 超音波振動子
15 演算部
16 超音波振動子
19 音速出力手段
22 誤測定判定手段
24 温度センサ
26 伝搬時間記憶部
27 流量調節手段
28 帰還回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】超音波信号を送信する第1の超音波振動子と、前記第1の超音波振動子から送信され流体を伝搬した超音波信号を受信する第2の超音波振動子と、前記超音波の伝搬時間を計測する伝搬時間計測部と、前記伝搬時間から演算によって流量を求める演算部と、前記流体の音速を出力する音速出力手段と、前記音速と前記伝搬時間から求めた音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する誤測定判定手段とを備えた超音波流量計。
【請求項2】誤測定判定手段は、超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との逆数和から求めた音速と前記音速出力手段で出力した音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する請求項1記載の超音波流量計。
【請求項3】誤測定判定手段は、超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との平均値の逆数から求めた音速と前記音速出力手段で出力した音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する請求項1記載の超音波流量計。
【請求項4】前記音速出力手段は、前記流体に接し流量の影響を受けない状況下において超音波を送受信する超音波振動子と、前記超音波の伝搬時間を測定するタイマを含み、前記流体に接し流量の影響を受けない状況下での伝搬時間から求めた音速を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の超音波流量計。
【請求項5】前記音速出力手段は、被測定流体の温度を検知する温度センサと、前記温度センサにより検知された温度における音速を演算する音速変換部とを備え、前記演算された音速を出力する請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の超音波流量計。
【請求項6】前記音速出力手段は、以前に測定した超音波の伝搬時間を記憶する伝搬時間記憶部を備え、前記伝搬時間記憶部に記憶された伝搬時間から求めた音速を出力する請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の超音波流量計。
【請求項7】前記誤測定判定手段からの信号に基づいて流量を調節する流量調節手段をさらに備え、前記誤測定判定手段が誤測定と判定したときに流量をより少なくなるように調節し、前記伝搬時間を再測定することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の超音波流量計。
【請求項8】予め設定した回数前記第2の超音波振動子の出力を前記第1の超音波振動子に帰還し再度超音波信号を出力させる帰還回路をさらに備え、前記誤測定判定手段が誤測定と判定したときには前記帰還回路の帰還回数を少なくなるように設定し伝搬時間を再測定する請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の超音波流量計。
【請求項9】超音波信号を送信し、流体を伝搬した前記超音波信号を受信し、前記超音波の伝搬時間を計測し、前記伝搬時間から演算によって流量を求め、前記流体の音速と前記伝搬時間から求めた音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する超音波流量計測方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の超音波流量計は、図5に示すようなものが一般的であった。この装置は流体の流れる測定流路1に設置した超音波振動子2と、超音波振動子2を駆動する駆動回路3と、駆動回路3にスタート信号を出力する制御部4と、超音波の伝播時間を測定する伝搬時間測定部5と、伝搬時間測定部5から測定データを受け取る演算部6と、超音波振動子2から送信した超音波を受ける超音波振動子7と、超音波振動子7の出力を増幅するアンプ8と、アンプ8の出力と基準電圧とを比較し大小関係が反転したときに伝搬時間測定部5を停止させる受信検知回路9とを有していた。
【0003】
そして、上記超音波流量計は、制御部4からスタート信号を受けた駆動回路3が超音波振動子2を一定時間パルス駆動を行うと同時に伝搬時間測定部5は制御部4からの信号によってに時間計測始める。パルス駆動された超音波振動子2からは超音波が送信される。超音波振動子2から送信した超音波は被測定流体中を伝搬し超音波振動子6で受信される。超音波振動子7の受信出力は、アンプ8において制御部4が設定した増幅率によって増幅される。そしてアンプ8の出力を受けた受信検知回路9で超音波の受信を判定し伝搬時間測定部5を停止させる。そして制御部4では伝搬時間測定部5から得た時間情報tから(式1)によって流速を求める(但し、伝搬時間測定部5から得た測定時間をt、超音波振動子間の流れ方向の有効距離をL、音速をc、被測定流体の流速をvとする)。
【0004】
v=(L/t)−c ・・・(式1)
受信信号は、緩やかに立ち上がる波形となっており、超音波振動子の温度特性や、流速によって受信信号のレベルは変化する。前記基準電圧と受信信号のレベルの関係が適正でないと受信検知回路9の動作は安定せず測定精度が悪くなる。
【0005】
また、他の測定方法として受信検知回路9の判定結果を伝搬時間測定部5ではなく、帰還回路によって駆動回路3に返し、再度送信を行う場合もあった。このような繰り返し動作を予め設定した回数行いその時間を測定し、その測定時間を元に(式2)の計算によって流速を求める方法もあった(但し、繰り返しの回数をn、測定時間をts、超音波振動子間の流れ方向の有効距離をL,音速をc、被測定流体の流速をvとする)。
【0006】
v=L/(ts/n)−c・・・(式2)
この方法によれば(式1)の方法に比べn倍分解度を高くして測定することができる。
【0007】
また、超音波振動子2と超音波振動子7とを切り替え、被測定流体の上流から下流と下流から上流へのそれぞれの伝搬時間を測定し、(式3)より速度vを求める方法もある(但し、上流から下流への測定時間時間をt1、下流から上流への測定時間時間をt2とする)。
【0008】
v=L/2((1/t1)−(1/t2))・・・(式3)
この方法によれば音速の変化の影響を受けずに流度を測定することが出来るので、流速・流量・距離などの測定に広く利用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の超音波流量計では、流量変動による波形や振幅の変化、あるいはノイズなどの影響によって受信検知しているタイミングがずれるため、正確な流量計測ができない場合があった。また測定流量が多くなると超音波の伝播経路に渦などの乱れが発生し、受信信号が短い時間で大きく変動するようになる。この場合受信タイミングがずれ誤測定をしてしまうが、それを誤測定と判定することができなかった。
【0010】
本発明は正常測定と誤測定とを判別し、誤測定による測定精度の低下を排除することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため誤測定判定手段が音速出力手段より得た被測定流体の音速と実際に流量測定のために測定した伝搬時間とを比較するようしたものである。
【0012】
上記本発明によれば音速と伝搬時間は逆比例の関係にあるため、求めた伝搬時間を音速出力手段より得た音速で誤測定かどうか確認することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に係る超音波流量計は、超音波信号を送信する第1の超音波振動子と、前記第1の超音波振動子から送信され流体を伝搬した超音波信号を受信する第2の超音波振動子と、前記超音波の伝搬時間を計測する伝搬時間計測部と、前記伝搬時間から演算によって流量を求める演算部と、前記流体の音速を出力する音速出力手段と、前記音速と前記伝搬時間から求めた音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する誤測定判定手段とを備えている。上記発明によれば音速と伝搬時間は逆比例の関係にあるため、求めた伝搬時間を音速出力手段より得た音速で誤測定かどうかを確認することができる。
【0014】
本発明の請求項2に係る超音波流量計は、前記請求項1記載の超音波流量計ににおいて、誤測定判定手段が、超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との逆数和から求めた音速と前記音速出力手段で出力した音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する。超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との逆数和は、流体の流速に関係なく被測定流体の流速0の時の音速に比例するので、2つの伝搬時間が正しければ前記逆数和に定数をかけることによって正確に音速を求めることができる。この演算によって求めた音速と音速出力手段によって求めた音速とを比較するので、正確に正常な伝搬時間の測定かどうかを確認することができる。
【0015】
本発明の請求項3に係る超音波流量計は、前記請求項1記載の超音波流量計ににおいて、誤測定判定手段が超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との平均値の逆数から求めた音速と前記音速出力手段で出力した音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する。超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との平均値は、流体の流速が音速に比べて十分小さい範囲では被測定流体の流速0の時の音速の逆数に比例するので、逆数に定数をかけることによって2つの伝搬時間から音速を求めることができる。逆数和を求めるに比べ平均を求めることは容易であり、演算処理の負荷を低減しつつ正常な伝搬時間の測定かどうかを確認することができる。
【0016】
本発明の請求項4に係る超音波流量計は、前記請求項1乃至請求項3記載の超音波流量計ににおいて、前記音速出力手段が、前記流体に接し流量の影響を受けない状況下において超音波を送受信する超音波振動子と、前記超音波の伝搬時間を測定するタイマを含み、前記流体に接し流量の影響を受けない状況下での伝搬時間から求めた音速を出力する。音速出力手段では流体の流速に影響しない音速を出力できるので、安定した音速を得ることができ、流量測定が誤計測か否かを判定することができる。
【0017】
本発明の請求項5に係る超音波流量計は、前記請求項1乃至請求項3記載の超音波流量計ににおいて、前記音速出力手段は、被測定流体の温度を検知する温度センサと、前記温度センサにより検知された温度における音速を演算する音速変換部とを備え、前記演算された音速を出力する。被測定流体が決まっている場合、その流体の温度が決まれば流速0の時の音速は求まるので、温度センサが被測定流体の温度を測定し、測定した温度から被測定流体の流速0の時の音速を演算により求める。音波を伝搬させずに音速を測定するため超音波による流量計測が音波の干渉の影響を受けず音速測定を任意のタイミングで行なうことができる。また、流量測定と音速測定を同時に行なうことができるので、流量測定が正常な測定であったかどうかの判定基準の精度が向上し測定の正誤判定を精度よくできる。
【0018】
本発明の請求項6に係る超音波流量計は、前記請求項1乃至請求項3記載の超音波流量計ににおいて、前記音速出力手段は、以前に測定した超音波の伝搬時間を記憶する伝搬時間記憶部を備え、前記伝搬時間記憶部に記憶された伝搬時間から求めた音速を出力する。伝播時間記憶部に記憶している超音波の伝搬時間から求めた音速と、新たに測定した伝搬時間から求めた音速とを比較し、大きく異なっていた場合この測定結果を誤測定と判定する。2つの音速がほぼ同じ値であれば正常な伝搬時間であったと判断すると同時に、記憶部に記憶している値を更新し次の判定に使用する。このため、音速測定のためのセンサを新たに付加する必要がないので流量計の構成を簡単にすることができる。
【0019】
本発明の請求項7に係る超音波流量計は、前記請求項1乃至請求項6記載の超音波流量計ににおいて、前記誤測定判定手段からの信号に基づいて流量を調節する流量調節手段をさらに備え、前記誤測定判定手段が誤測定と判定したときに流量をより少なくなるように調節し、前記伝搬時間を再測定する。前記誤測定判定手段が誤測定と判定したときに前記流量調節手段を動作させ流量をより少なくなるように調節し伝搬時間を再測定するため、流量が大きくなったために発生した乱流や渦を押さえるので確実に正しい流量測定を行なうことができる。
【0020】
本発明の請求項8に係る超音波流量計は、前記請求項1乃至請求項7記載の超音波流量計ににおいて、予め設定した回数前記第2の超音波振動子の出力を前記第1の超音波振動子に帰還し再度超音波信号を出力させる帰還回路をさらに備え、前記誤測定判定手段が誤測定と判定したときには前記帰還回路の帰還回数を少なくなるように設定し伝搬時間を再測定する。つまり測定に誤りが発生する機会を少なくして再測定するので、より正しい流量を求めることができる。
【0021】
本発明の請求項9に係る超音波流量計測方法は、超音波信号を送信し、流体を伝搬した前記超音波信号を受信し、前記超音波の伝搬時間を計測し、前記伝搬時間から演算によって流量を求め、前記流体の音速と前記伝搬時間から求めた音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0023】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の超音波流量計を示すブロック図である。
【0024】
図1において、10は被測定流体が流れる流路、流路10に設置した超音波振動子11と16、超音波振動子11を駆動する駆動回路12と、駆動回路12にスタート信号を出力する制御部13と、超音波の伝播時間を測定する伝搬時間測定部14と、伝搬時間測定部14から測定データを受け取る演算部15と、超音波振動子11から送信した超音波を受ける超音波振動子16と、超音波振動子16の出力を増幅するアンプ17と、アンプ17の出力波形から受信を検知し伝搬時間測定部14を停止させる受信検知回路18と、流量の影響を受けない同一流体に接した超音波振動子20と送受信回路21と超音波振動子20が超音波を送信してから受信するまでの時間を測定するタイマからなる音速出力手段19と、音速出力手段19によって求めた音速と伝搬時間とを比較し正常な測定かどうか判定する誤測定判定手段22と、超音波振動子11と16の接続を制御部13の出力によって入れ替える切替スイッチ23とを有している。
【0025】
次に動作、作用について説明すると、制御部13からスタート信号を受けた駆動回路12が超音波振動子11を駆動すると同時に伝搬時間測定部14は制御部13は時間計測を始める。また駆動回路12によって駆動された超音波振動子11は超音波を送信する。超音波振動子11が送信した超音波は被測定流体中を伝搬し超音波振動子16で受信される。超音波振動子16で受信した超音波信号を受けたアンプ17は増幅し受信検知回路18に出力する。受信検知回路18は超音波の受信を判定し伝搬時間測定部14を停止させる。この時の伝播時間をt1とする。次に制御回路は切替スイッチ23を動作させ駆動回路12と超音波振動子16、超音波振動子11とアンプ17をそれぞれ接続させる。その後上記と同様の動作を行いt1と逆方向の伝搬時間、つまり超音波センサ16から送信し超音波センサ11で受信した場合の超音波の伝搬時間t2を測定する。演算部13はt1、t2より(式3)によって流速を求めさらに流量を演算によって求める。
【0026】
音速出力手段19では、送受信回路21が超音波振動子20から超音波を送信し壁で反射した超音波を超音波振動子20で受信するまでの時間を誤測定判定手段22に出力する。誤測定判定手段22は音速出力手段によって求めた音速に流体の流速の最大値に相当する幅を持たせ、t1、t2より求めた音速と比較する。t1、t2が幅の中にあれば正しい測定結果と判断し、測定結果を採用する。t1、t2が幅の外にあれば異常測定と判断し測定結果を破棄する。
【0027】
この実施例の構成によれば、流体の流速による影響を受けずに音速出力手段19が音速を検知できるので、安定した音速を得ることができ、正しい測定が異常測定かを判断することができる。
【0028】
また、上記方法と別に、t1、t2の逆数和と音速出力手段19によって求めた音速とを比較することによって正常測定か異常測定かを判定することもできる。逆数和は(式4)のようになる。
【0029】
つまり
c=(1/t1+1/t2)*(L/2)・・・・(式5)
となりt1、t2の逆数和に定数をかけたものが音速なので、音速出力手段によって求めた音速と比較する場合流速を考慮する必要がなく、考慮する場合であってもわずかの流量相当であるので、より正確に異常測定を判断することができる。
【0030】
また、上記方法とは別に、t1、t2の平均値の逆数と音速出力手段19によって求めた音速とを比較することによって異常測定を判定することもできる。平均値の逆数は(式6)のようになる。
【0031】
となりt1、t2の平均の逆数に定数をかけたものがほぼ音速となる。このとき音速出力手段によって求めた音速と比較する場合に流速を考慮する必要がなく、考慮する場合であってもわずかの流量相当であるので、より確実に異常測定か否かを判断することができると同時に、逆数和を求める場合の計算と比較し、計算量を低減することができる。
【0032】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の超音波流量計を示す図である。
【0033】
本実施例2において、実施例1と異なる点は音速出力手段19が温度センサ24と音速変換部25で構成している点である。
【0034】
なお、実施例1と同一符号のものは同一構成要素とし、説明は省略する。
【0035】
次に動作、作用を説明する。被測定流体が決まっている場合、その流体の温度が決まれば流速0の時の音速は求まる。温度センサが被測定流体の温度を測定し、音速変換部25が被測定流体の温度から流速0の音速を演算により求める。この方法によれば音波を伝搬させずに音速を測定するため、音速測定は流量計測に音波の干渉を与えることなく任意のタイミングでできる。また、流量測定と音速測定を同時に行なうことができ、流量測定が正常な測定であったかどうかの判定基準の精度をよくすることができる。
【0036】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3の超音波流量計を示す図である。
【0037】
本実施例3において、実施例1と異なる点は音速出力手段19が以前に測定した超音波の伝搬時間を記憶する伝搬時間記憶部26で構成している点である。
【0038】
なお、実施例1と同一符号のものは同一構成要素とし、説明は省略する。
【0039】
次に動作、作用を説明すると、伝搬時間記憶部26に記憶している超音波の伝搬時間から求めた音速と、新たに測定した伝搬時間から式(5)あるいは式(7)によって求めた音速とを比較し、あらかじめ設定した値以上異なっていた場合この測定結果を誤測定と判定する。2つの音速がほぼ同じ値であれば正常な伝搬時間であったと判断すると同時に、記憶部に記憶している値を更新し次の判定に使用する。
【0040】
一定条件のもとで音速は大きく変化することはないので、測定間隔の間に予測される音速変化を見込んだ値を音速変化の許容値として設定し、その範囲内であれば正しい測定であると判断することができる。
【0041】
このため、音速測定のためのセンサを新たに付加する必要がないので流量計の構成を簡単にすることができる。
【0042】
(実施例4)
図4は本発明の実施例3の超音波流量計を示す図である。
【0043】
なお、実施例1と同一符号のものは同一構成要素とし、説明は省略する。
【0044】
本実施例4において、実施例1と異なる点は誤測定判定手段22が設定した回数受信検知回路18の出力を駆動回路12に帰還し再度超音波信号を出力させる帰還回路28と、誤測定判定手段22からの指令信号によって流量を調節する流量調節手段27とを有する点である。
【0045】
次に動作、作用を説明すると、誤測定判定手段が誤測定と判定したときに流量調節手段27を動作させ流量をより少なくなるように調節し伝搬時間を再測定するため、流量が大きくなったために発生した乱流や渦を押さえるので確実に正しい流量測定を行なうことができる。
【0046】
このため、回路やその他の機能異常のため流量測定ができなくなったのか、過大流量のため超音波の伝搬が乱れ流量測定ができなくなったのかを判断することができる。
【0047】
また、誤測定判定手段22が誤測定と判定したときに帰還回路28の帰還回数を少なく設定し伝搬時間を再測定する。つまり測定に誤りが発生する機会を少なくして再測定するので、より正しい流量を求めることができる。
【0048】
以上の説明から明らかのように、本発明の各実施の形態における超音波流量計によれば次の効果を奏する。
【0049】
(1)誤測定判定手段が音速出力手段より得た被測定流体の音速と実際に流量測定のために測定した伝搬時間から求めた音速とを比較する。音速と伝搬時間は逆比例の関係にあるため、求めた伝搬時間を音速出力手段より得た音速で誤測定かどうか確認することができ、誤測定を測定結果に反映することがなく、正確な流量計を実現することができる。
【0050】
(2)超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との逆数和から求めた音速と音速出力手段から出力された音速とを比較し判定するので、2つの伝搬時間から容易に正確な音速を求め誤測定かどうかを判断するとができる。
【0051】
(3)超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との平均値の逆数から求めた音速と音速出力手段から出力された音速とを比較し判定する。超音波の流れ方向への伝搬時間と逆流方向への伝搬時間との平均値は、流体の流速が音速に比べて十分小さい範囲では被測定流体の流速0の時の音速の逆数に比例するので、逆数に定数をかけることによって2つの伝搬時間から音速を求めることができる。よって逆数和を求めのるに比べ平均を求めることは容易であり、演算処理の負荷を低減しつつ正常な伝搬時間の測定かどうかを確認することができる。
【0052】
(4)前記流体に接し流量の影響を受けない状況下での超音波の伝搬時間から求めた音速を出力し、この音速と流量測定のために測定した伝搬時間から求めた音速とを比較する。このため、流体の流速に影響しない安定した音速と流量測定のために測定した伝搬時間から求めた音速とを比較することができ、流量測定が誤計測か否かを判定することができる。
【0053】
(5)被測定流体の温度を検知する温度センサと音速変換部よりなる音速出力手段を有している。被測定流体が決まっている場合、その流体の温度が決まれば流速0の時の音速は求まるので、温度センサが被測定流体の温度を測定し、測定した温度から被測定流体の流速0の時の音速を演算により求める。よって音波を伝搬させずに音速を測定するため超音波による流量計測が音波の干渉の影響を受けず音速測定を任意のタイミングで行なうことができると共に、流量測定と音速測定を同時に行なうことができるので、流量測定が正常な測定であったかどうかの判定基準の精度が向上し、その結果測定の正誤判定を精度よく行うことができる。
【0054】
(6)音速出力手段が以前に測定した超音波の伝搬時間を記憶する伝搬時間記憶部を有し、伝搬時間記憶部に記憶している超音波の伝搬時間から求めた音速と、新たに測定した伝搬時間から求めた音速とを比較し、大きく異なっていた場合この測定結果を誤測定と判定する。2つの音速がほぼ同じ値であれば正常な伝搬時間であったと判断すると同時に、記憶部に記憶している値を更新し次の判定に使用する。このため、音速測定のためのセンサを新たに付加する必要がないので流量計の構成を簡単にすることができる。
【0055】
(7)誤測定判定手段が誤測定と判定したときに流量調節手段を動作させ流量をより少なくなるように調節し伝搬時間を再測定するため、流量が大きくなったために発生した乱流や渦を押さえるので確実に正しい流量測定を行なうことができる。このため、回路やその他の機能異常のため流量測定ができなくなったのか、過大流量のため超音波の伝搬が乱れ流量測定ができなくなったのかを判断することができる。
【0056】
(8)予め設定した回数超音波振動子の出力を第1の超音波振動子に帰還し再度超音波信号を出力させる帰還回路と、計測した伝搬時間が適正かどうかを判定する誤測定判定手段とを有し、誤測定判定手段が誤測定と判定したときに帰還回路の帰還回数を少なく設定し伝搬時間を再測定する。このため測定に誤りが発生する機会を少なくして再測定するので、より正しい流量測定を行うことができる。
【0057】
(9)超音波信号を送信し、流体を伝搬した前記超音波信号を受信し、前記超音波の伝搬時間を計測し、前記伝搬時間から演算によって流量を求め、前記流体の音速と前記伝搬時間から求めた音速とを比較し正常な測定かどうかを判定する。音速と伝搬時間は逆比例の関係にあるため、求めた伝搬時間を音速出力手段より得た音速で誤測定かどうかを確認することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の超音波流量計によれば、誤測定判定手段が音速出力手段より得た被測定流体の音速と実際に流量測定のために測定した伝搬時間から求めた音速とを比較する。音速と伝搬時間は逆比例の関係にあるため、求めた伝搬時間を音速出力手段より得た音速で誤測定かどうか確認することができ、誤測定を測定結果に反映することがなく、正確な流量計を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における超音波流量計のブロック図
【図2】本発明の実施例2における超音波流量計のブロック図
【図3】本発明の実施例3における超音波流量計のブロック図
【図4】本発明の実施例4における超音波流量計のブロック図
【図5】従来の超音波流量計のブロック図
【符号の説明】
11 超音波振動子
15 演算部
16 超音波振動子
19 音速出力手段
22 誤測定判定手段
24 温度センサ
26 伝搬時間記憶部
27 流量調節手段
28 帰還回路
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